JP6336174B1 - 船舶の運動制御装置および運動制御方法 - Google Patents
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Abstract
Description
X f :X軸方向並進力指令
Y f :Y軸方向並進力指令
N f :Z軸方向回転トルク指令
f X1 :第1の船外機へのX軸方向の推力操作量
f Y1 :第1の船外機へのY軸方向の推力操作量
f X2 :第2の船外機へのX軸方向の推力操作量
f Y2 :第2の船外機へのY軸方向の推力操作量
R:半正定行列
L x 、L y :船舶の重心から各船外機の回転中心までのX軸方向とY軸方向距離
を、少なくとも1つ以上の線形不等式制約条件のもとで最小化する解F * を前記駆動力信号として演算する、船舶の運動制御装置等にある。
図1は、この発明の一実施の形態による船舶の運動制御装置を含む船舶制御システムの一例の全体構成図である。図1は、制御対象である船舶、センサ群、船舶の運動制御装置の関係を示している。船舶には、基本的に、船舶の前後左右の並進運動または方位角を制御するためのアクチュエータである船外機(図示せず)が具備されている。船外機は、船体への推力を与える推力発生機構(図示せず)と、舵を切るための操舵機構(図示せず)を備えており、船舶の運動制御装置1の出力である操作量をもとに、船外機の推力と舵角が制御されるものである。
なお船舶の推進、操舵機構として、エンジンの下にスクリュウが一体に設けられた本体が船体の外側に取り付けられて、本体の向きを変えて船舶の方向を変える、小型船に多く見られる船外機がある。この発明はこれに限定されず、大型船に多く見られる、エンジン等の駆動部が船内にあり、方向が可変のスクリュウ部が船外機として船外に露出している形態の推進、操舵機構を備えた船舶も制御対象となる。
以下では船外機として上記両方の場合の構成の船外機を含むものとする。
位置、姿勢角、速度、角速度、加速度、および角加速度、
を運動開始前の初期状態と、所望の運動が完了した時点での終端状態を、操船者が例えば船舶500のユーザーインターフェースである操作装置503から操作入力OPIにより設定するものである。操船者が意図した初期状態から終端状態まで操船したい場合の当該設定は、位置、姿勢角、速度、角速度、加速度、および角加速度を数値化した値で与えてもよい。また、最近ではGPSのユーザーインターフェースがタッチパネル化されていることも多いので、初期状態はセンサ群300の検出値で常に、センサ情報群SEIとしてモニタリングされていて自動的に既知なので、単に終端状態をユーザーインターフェース画面でタッチ入力することで与えてもよい。
また、前記偏差を示す偏差信号への前処理として、偏差が小さい予め設定された区間は偏差を0とする不感帯処理などを適用してもよい。
X軸方向並進(surge)、Y軸方向並進(sway)、Z軸方向回転(yaw)
としてとらえた船舶の運動の模式的な図である。船舶の運動は、通常、並進3自由度と回転3自由度の合計6の運動自由度を有すが、図5は、
Z軸方向並進(heave)、X軸方向回転(roll)、Y軸方向回転(pitch)
の計3自由度の運動を無視し、
X軸方向並進(surge)、Y軸方向並進(sway)、Z軸方向回転(yaw)
を考慮した計3自由度の平面運動としてとらえた模式的なものである。
ここで例えばZ軸方向回転とは、Z軸を回転軸とする回転を意味する。
座標系OI−XIYIZIは原点をOIとした右手系の慣性座標系、
座標系O0−X0Y0Z0は原点をO0とした右手系の機体固定座標系
である。
すなわち慣性座標系は、例えばXI軸を地球の経度線に沿った軸、YI軸を地球の緯度線に沿った軸とする。機体固定座標系は、X0軸を船舶500の船首と船尾を結ぶ軸、Y0軸を水平面内でX0軸と直交する軸とする。
慣性座標系OI−XIYIZIの原点OIから機体固定座標系O0−X0Y0Z0の原点O0までの距離をX、Yとして、慣性座標系OI−XIYIZIのXI軸と機体固定座標系O0−X0Y0Z0のX0軸がなす角度を方位角γとする。なお、原点O0は、船舶の重心に一致しているものとする。
m0:船舶の質量
mX、mY:船舶のX軸方向並進運動とY軸方向並進運動に伴う付加質量
IZ0:船舶の重心まわりの慣性モーメント
JZ:船舶のZ軸方向回転(=船舶重心まわり)運動に伴う付加慣性モーメント
vX0、vy0:機体固定座標系O0−X0Y0Z0基準の船舶のX軸方向速度、Y軸方向速度
Lx、Ly:船舶の重心から各船外機の回転中心までのX軸方向とY軸方向距離(≧0)
Xd、Yd、Nd:船舶に作用するX軸方向並進外乱、Y軸方向並進外乱、Z軸方向回転外乱(総称して図1に示す外乱DTB)
f1,f2:船外機501,502の要求される推力
記号の上にあるドット(・)は時間微分、ドット(・・)は二階の時間微分を表す。
fX1:船外機501へのX軸方向の推力操作量
fY1:船外機501へのY軸方向の推力操作量
fX2:船外機502へのX軸方向の推力操作量
fY2:船外機502へのY軸方向の推力操作量
fmax:推力操作量の制限値
である。
式(2)は、制御器100からの3つの制御力指令CFCである、X軸方向並進力指令Xf、Y軸方向並進力指令Yf、Z軸方向回転トルク指令Nfから、1つの船外機あたり推力と舵角からなる2つの操作量で船外機は2機なので、合計4つの操作量に配分することを表している。
FT,fT:それぞれF,fの転置行列
ρ:非常に小さい正数
I:単位行列
である。
なお、ρは0設定でもよい。
すなわち、式(4)の線形不等式制約条件のもとで、評価関数の式(5)を最小化するような解Fk *を演算する。ただし、下添え字のkは1から4までの整数である。
Fopt:駆動力選択器250の出力に相当する最適駆動力(IDDF)
Fk *:各配分演算器の出力DFkと同義
添え字kは、4つの配分演算器211−214それぞれを区別するための数字である。
図7の左側の(A)が船舶挙動の時間履歴を示す。(A)の(a)がX軸方向並進運動、(b)がY軸方向並進運動、(c)がZ軸方向回転運動を示し、それぞれの指令(X指令、Y指令、γ指令)に対する実軌道(X、Y、γ)を示す。図7の右側の(B)が(A)が船舶挙動の際の船外機の要求される操作量の時間履歴を示す。(B)の(a)が2つの船外機の要求される推力操作量f1、f2であり、(b)が2つの船外機の要求される舵角操作量θ1、θ2である。
軌道生成器10は軌道指令TRCとして、X軸方向並進位置とY軸方向並進位置の初期位置を0m、Z軸方向回転の初期姿勢を0deg、X軸方向並進位置とY軸方向並進位置の終端位置を100m、Z軸の終端姿勢を45degとした条件を満たす軌道指令を与えた。制限値として、推力制限を±5000N、舵角制限を±20degとした。
図8は、この発明の実施の形態2による船舶の運動制御装置の制御力配分器の構成の一例を示す。その他の部分は実施の形態1のものと基本的に同じである。実施の形態1では、駆動力選択器250の前段で、4つの配分演算器それぞれに対応した線形不等式制約条件のもとで、最適化計算を実施するものであった。この場合、船外機数をn機とした場合、合計で2nの線形不等式制約条件に基いて最適化計算する必要がある。このような構成の運動制御装置は船外機数の2倍で計算コストが増加する。そのため、予め設定された制御周期内で最適化計算を完了させるためには、計算コストを可能な限り小さくしたほうが望ましい。
f+≧0、
f―≧0
である。
θ:船外機の操舵角
である。
A:行列
F’:自由変数からなるベクトル
b:ベクトル
である。
この点に関し、これらの機能を実現する処理回路は、専用のハードウェアであっても、メモリに格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、DSPともいう)であっても構成可能である。
上記各部の機能を図9の(a)に示すハードウェアで構成した場合、処理回路1000は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらを組み合わせたものが該当する。上記各部の機能それぞれを処理回路で実現してもよいし、各部の機能をまとめて処理回路で実現してもよい。
また処理に必要な各種情報は、ハードウェア構成の場合は回路に予め設定され、またソフトウェア構成の場合にはメモリに予め記憶させておく。
100 制御器、110 制御演算器、120 制御演算の後処理器、
200,200A 制御力配分器、211−215 配分演算器、
250 駆動力選択器、270,270A 操作量演算器、280 平滑化器、
300 センサ群、500 船舶、501,502 船外機、503 操作装置、
1000 処理回路、2000 プロセッサ、2100 メモリ。
Claims (4)
- 複数の船外機を搭載した船舶を、所望の軌道で航走させる船舶の運動制御装置であって、
軌道指令を出力する軌道生成器と、
前記軌道指令と船舶に具備されたセンサ群からのセンサ情報群に基づいて、制御力指令を出力する制御器と、
前記制御力指令に基づいて前記複数の船外機への要求される操作量を出力する、予め設定された制約条件に従った前記操作量のための最適化演算を行う制御力配分器と、
を備え、
前記制御力配分器は、
前記制御力指令に基づいて駆動力信号を出力する配分演算器と、
前記駆動力信号に基づいて最適駆動力信号を出力する駆動力選択器と、
前記最適駆動力信号に基づいて前記要求される操作量を出力する操作量演算器と、
を有し、
前記船外機が2機であり、
前記配分演算器は、
以下の式で与えられる標準形の評価関数J、
X f :X軸方向並進力指令
Y f :Y軸方向並進力指令
N f :Z軸方向回転トルク指令
f X1 :第1の船外機へのX軸方向の推力操作量
f Y1 :第1の船外機へのY軸方向の推力操作量
f X2 :第2の船外機へのX軸方向の推力操作量
f Y2 :第2の船外機へのY軸方向の推力操作量
R:半正定行列
L x 、L y :船舶の重心から各船外機の回転中心までのX軸方向とY軸方向距離
を、少なくとも1つ以上の線形不等式制約条件のもとで最小化する解F * を前記駆動力信号として演算する、
船舶の運動制御装置。 - 前記操作量演算器は、前記駆動力選択器の前記最適駆動力信号に従って、前記船外機の要求される操作量である推力と操舵角をそれぞれ演算して前記要求される操作量として出力する、請求項2に記載の船舶の運動制御装置。
- 複数の船外機を搭載した船舶を、所望の軌道で航走させる船舶の運動制御方法であって、
軌道指令と船舶に具備されたセンサ群からのセンサ情報群に基づいて、制御力指令を出力し、
前記制御力指令に基づいて、予め設定された制約条件に従った前記操作量のための最適化演算を行って、前記複数の船外機への要求される操作量を出力する、
ことを備え、
前記最適化演算を行って操作量を出力する際に、
前記制御力指令に基づいて駆動力信号を求め、
前記駆動力信号に基づいて最適駆動力信号を求め、
前記最適駆動力信号に基づいて前記要求される操作量を出力し、
前記船外機が2機である場合に、
以下の式で与えられる標準形の評価関数J、
X f :X軸方向並進力指令
Y f :Y軸方向並進力指令
N f :Z軸方向回転トルク指令
f X1 :第1の船外機へのX軸方向の推力操作量
f Y1 :第1の船外機へのY軸方向の推力操作量
f X2 :第2の船外機へのX軸方向の推力操作量
f Y2 :第2の船外機へのY軸方向の推力操作量
R:半正定行列
L x 、L y :船舶の重心から各船外機の回転中心までのX軸方向とY軸方向距離
を、少なくとも1つ以上の線形不等式制約条件のもとで最小化する解F * を前記駆動力信号として演算する、
船舶の運動制御方法。
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