JP2001219042A - 水素分離膜の製造方法及び水素分離膜 - Google Patents

水素分離膜の製造方法及び水素分離膜

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JP2001219042A JP2000038223A JP2000038223A JP2001219042A JP 2001219042 A JP2001219042 A JP 2001219042A JP 2000038223 A JP2000038223 A JP 2000038223A JP 2000038223 A JP2000038223 A JP 2000038223A JP 2001219042 A JP2001219042 A JP 2001219042A
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Hirokata Mizuta
裕賢 水田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作製された水素分離膜の熱安定性を向上させ
ることが可能な水素分離膜の製造方法及び水素分離膜を
提供する。 【解決手段】 反応管1の内部にPd膜源物質12と多
孔質セラミックス中空糸2とを配置し、Pd膜源物質1
2を昇華させると共に製膜範囲における熱分解により、
多孔質セラミックス中空糸2にPd膜を製膜する水素分
離膜の製造方法において、Pd膜の製膜操作毎に得られ
たPd膜を製膜温度以上の温度で加熱処理する操作を行
なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素分離膜の製造
方法及び水素分離膜に関し、特に好適には反応器におい
てPd膜源物質又はPd合金膜源物質を昇華し熱分解し
て得られた水素分離膜及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】水素の高純度精製用膜として、Pd−A
g合金膜が知られており(Sep.Sci.Techn
ol.第22巻873〜887頁,1987年)、既に
実用化もされている。
【0003】このような水素分離用Pd系合金膜は、従
来合金単独で中空状に作られており、従ってその加工性
や強度上の制約から外径が1.6mmのもので膜厚が約
80μm程度が限界であり、水素透過速度は膜厚に逆比
例するため、水素透過速度が遅いという問題がみられ
た。
【0004】その対策として、多孔質アルミナチューブ
表面に化学メッキ法でPd系合金膜を形成させる方法が
提案されているが(J.Memb.Sci.第56巻3
03〜315頁,1991年)、膜厚については4.5
〜6.4μmと改善されているものの未だ厚く、しかも
膜形成プロセスが複雑で工程が多いという難点が見られ
る。
【0005】そこで、同じ出願人による特願平5−25
5004号(特開平7−136477号公報)において
は、Pd系薄膜を多孔体の細孔内に形成するために、低
温金属有機物化学的気相成長法(MOCVD法)が使用
されている。
【0006】このMOCVD法は、多孔質セラミックス
膜の両側に圧力差を設け、昇華・拡散させたPd膜源又
はPd系合金膜源を多孔質セラミックス膜の細孔内に吸
引しながら細孔内でPd膜化又はPd系合金膜化させる
ことにより、水素分離膜を形成するものである。
【0007】また、同じ出願人による特願平10−10
6950号(特開平11−285626号公報)におい
ては、MOCVD法で原料濃度の低濃度化によって、水
素選択性の向上を図っている。
【0008】しかしながら上記した従来のMOCVD法
による、Pd膜又はPd系合金膜は、製膜プロセスを、
主にPd膜源又はPd系合金膜源の拡散により製膜位置
へと移動した膜源の熱分解により行なうので、反応器内
においてPd膜源の製膜位置への移送が不十分な場合が
ある。
【0009】また、Pd膜源又はPd系合金膜源の昇華
・拡散と、製膜位置における熱分解を同じ熱源で行なう
ため、それぞれの温度制御の最適化が困難であり、製膜
位置における効果的な熱分解がなされない場合がある。
【0010】従って、上記のような現象により、結果的
に反応器内の非常に狭い領域でのみしか良好な製膜プロ
セスが得られず、製膜範囲が10mm程度と小さいとい
う問題がある。
【0011】そこで、同じ出願人による特願平10−1
23964号(特開平11−300182号公報)にお
いては、Pd膜源物質の配置位置から膜担持体の配置さ
れた製膜範囲へ向かって流れるキャリヤーガスによっ
て、昇華したPd膜源物質を製膜範囲へ供給している。
【0012】従って、昇華したPd膜源物質を製膜範囲
へ強制的に供給することができ、製膜範囲を拡大するこ
とができるとしている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記した
従来のMOCVD法では、作製された水素分離膜の熱安
定性が悪く、例えば製膜温度、あるいは製膜温以上に保
持した場合、水素選択性が徐々に低下するという問題点
を有している。
【0014】本発明は上記従来技術の問題を解決するた
めになされたもので、その目的とするところは、作製さ
れた水素分離膜の熱安定性を向上させることが可能な水
素分離膜の製造方法及び水素分離膜を提供することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る水素分離膜の製造方法にあっては、反
応器の内部にPd膜源物質又はPd合金膜源物質と膜担
持体とを配置し、前記Pd膜源物質又はPd合金膜源物
質を昇華させると共に製膜範囲における熱分解により、
前記膜担持体にPd膜又はPd合金膜を製膜する水素分
離膜の製造方法において、前記Pd膜又はPd合金膜の
製膜操作毎に前記得られたPd膜又はPd合金膜を製膜
温度以上の温度で加熱処理する操作を行なうことを特徴
とする。
【0016】また、前記Pd膜源物質又はPd合金膜源
物質を配置した位置の温度と、前記製膜範囲の温度をそ
れぞれ独立的に制御することによって、Pd膜源物質又
はPd合金膜源物質の配置位置における昇華と製膜範囲
における前記熱分解とを同時に行なうことを特徴とす
る。
【0017】また、前記膜担持体は膜状の多孔体であ
り、膜の両側に圧力差を設け、昇華させた前記Pd膜源
物質又はPd合金膜源物質を多孔体の細孔内に吸引しな
がら該細孔内でPd膜化又はPd合金膜化させることを
特徴とする。
【0018】また、前記加熱処理する操作は、不活性雰
囲気又は真空中で行なわれることを特徴とする。
【0019】また、前記製膜操作は、前記Pd膜化又は
Pd合金膜化を300〜600℃の製膜温度で行なった
後、室温まで冷却する操作であることを特徴とする。
【0020】さらに、本発明に係る水素分離膜は、反応
器の内部に配置されたPd膜源物質又はPd合金膜源物
質を昇華させると共に製膜範囲における熱分解によって
膜担持体にPd膜又はPd合金膜を製膜することにより
製造される水素分離膜であって、前記Pd膜又はPd合
金膜の製膜操作毎に前記得られたPd膜又はPd合金膜
を製膜温度以上の温度で加熱処理する操作を行なうこと
によって製造されることを特徴とする。
【0021】これにより、多孔体の細孔内にPd膜又は
Pd合金膜を形成させた水素分離膜が提供される。かか
る水素分離膜は、多孔質セラミックス膜等の多孔体の両
側に圧力差を設け、気化させたPd膜源又はPd合金膜
源を多孔体の細孔内に吸引しながら該細孔内でPd膜化
又はPd合金膜化させる製膜操作を複数回繰り返すこと
により形成された、均質で緻密なPd薄膜又はPd合金
薄膜を有する。
【0022】さらに、各製膜操作毎に得られたPd膜又
はPd合金膜を製膜温度以上の温度で加熱処理する操作
を行なうことによって、熱安定性の向上を図ることがで
きる。
【0023】特に、上記加熱処理は、例えばアルゴン等
の不活性雰囲気、又は真空中で行われることにより、熱
安定性を向上しつつ、均質で緻密なPd薄膜又はPd合
金薄膜とすることができる。また、加熱処理温度は、製
膜温度以上の温度で行われ、好ましくは製膜温度より1
00℃以上高温で行われる。
【0024】このような水素分離膜における製膜操作
は、前述した特開平10−106950号公報に示すよ
うに、低濃度で所定回数繰り返し操作が行われるが、熱
処理はこの各製膜処理毎に行われ、製膜後にそのまま加
熱処理を続けて行なっても良く、また、一旦製膜装置か
ら出して別途加熱処理を行なうこともできる。
【0025】また、Pd膜源物質又はPd合金膜源物質
を配置した位置の温度と、製膜範囲の温度をそれぞれ独
立的に制御することによって、Pd膜源物質又はPd合
金膜源物質の配置位置における昇華と製膜範囲における
加熱処理とを同時に行ない、Pd膜源物質の昇華・拡散
と、製膜位置における熱分解の温度制御をより最適に行
なうことができ、製膜位置における効果的な熱分解が行
なわれ、製膜範囲を拡大することができる。
【0026】Pd膜源としては、熱分解によりPdを生
成するものが用いられ、例えば酢酸パラジウム,塩化パ
ラジウム,硝酸パラジウムなどの金属塩や、金属塩以外
のパラジウムアセトナート等の有機金属等も用いること
ができる。
【0027】さらに、Ag,Au,Pt,Rh,Ru,
Ir,Ta,Nb,V,Zr,Ni,Y等と合金化して
Pd合金膜源としてもよく、その場合にはそれらの金属
源として、金属塩等のうち熱分解でそれぞれの金属を生
成するものが使用される。その際、Pd源と熱分解温度
の近いものを用いることが好ましい。
【0028】また、製膜に用いる膜担持体の形態につい
ての限定はないが、膜状の多孔体であることが好まし
く、アルミナ,シリカ,ジルコニア等の多孔質セラミッ
クスあるいはこれらの複合物又は混合物から形成された
多孔体、多孔質ガラス、金属多孔体を例示できる。
【0029】多孔体の平均細孔径は、5〜5000nm
好ましくは50〜500nmのものが用いられる。
【0030】膜担持体の形状は、中空状の他にフィルム
状及びシート状のものなども用いることが可能である。
【0031】反応器の形状としては、特に限定されるも
のではなく、例えば管形状、球形状や角形状およびこれ
らを組み合わせたものを用いることができる。反応器の
内部は、Pd膜源物質又はPd合金膜源物質を配置する
領域と、膜担持体の配置された製膜範囲との2領域を備
えている。この2領域は隣接させて配置している方が好
ましい。
【0032】Pd膜源物質又はPd合金膜源物質を昇華
させる手段や膜化されたPd膜又はPd合金膜を加熱す
る手段は、それぞれPd膜源物質又はPd合金膜源物質
を配置する領域と、膜担持体の配置された製膜範囲との
2領域を独立して温度制御を伴う加熱を可能とする構成
となっているものが好ましく、形状も任意でありまた形
態は分離型あるいは一体型のどちらでも良い。
【0033】また、加熱手段としては、電気的な抵抗加
熱の他、ランプ加熱、誘導加熱、あるいはこれらを組み
合わせて使用することができる。
【0034】反応器の真空排気装置としては、ガスを流
さない状態で反応器内部が1000Pa、好ましくは1
00Pa以下となるようなものであれば良く、2台以上
接続されるものでも構わない。また、通常は圧力調整弁
等により反応器内部は一定圧力に制御される。
【0035】尚、各製膜操作におけるPd膜源物質又は
Pd合金膜源物質の使用量は、製膜操作ごとに変更する
ことも可能である。
【0036】また、この水素分離膜の製造方法では、一
度に1つの多孔体のみならず、複数の多孔体に対しても
均質で緻密なPd薄膜又はPd合金薄膜の形成が可能と
なる。
【0037】各製膜操作の間の製膜停止状態では、一旦
反応容器内を室温まで降温させ、Pd膜源物質又はPd
合金膜源物質を設置し、再度昇温させて反応させること
が行なわれる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下に、本発明による水素分離膜
の製造方法及び製造装置を図示された実施の形態により
説明する。
【0039】図1は、膜担持体として多孔質セラミック
ス中空糸を用いた場合の、本発明に係る水素分離膜の製
造方法の一実施形態において使用される水素分離膜の製
造装置の概略構成図である。
【0040】本発明の反応器としての反応管1の内部
に、本発明の膜担持体としての多孔質セラミックス中空
糸2をOリング等で気密固定し、この多孔質セラミック
ス中空糸2の内部を真空ポンプ3で連続的に排気する。
【0041】ここで、多孔質セラミックス中空糸2の製
膜範囲4以外の部分は、ガラス(例えば、Na2O−B2
3−SiO2系ガラス)で気密封止される。また、反応
管1の内部も真空ポンプ3で排気され、これら反応管1
及び多孔質セラミックス中空糸2の内部圧力は、真空計
5によってそれぞれ測定され、圧力調整弁6により制御
される。
【0042】反応管1内部には、ガス導入口7から流量
制御器8を通してガス供給器9からキャリヤーガスを供
給する。反応管1及び多孔質セラミックス中空糸2の内
部圧力は、キャリヤーガスの流量や真空ポンプ3の排気
量等によって異なるため、一概に特定することができな
いが、一般的には反応管1の内部圧力は20〜2000
Pa、多孔質セラミックス中空糸2の内部圧力は1〜5
00Paに保たれる。キャリヤーガスは、図1において
Pd膜源物質12から多孔質セラミックス中空糸2の製
膜範囲4へと向かう流れを形成している。
【0043】反応管1は、原料部10及び製膜部11の
少なくとも2つ以上に分割された加熱器により、それぞ
れ独立に温度制御される。
【0044】多孔質セラミックス中空糸2の製膜範囲4
は、加熱器の製膜部11に配置され、Pd膜源物質12
(又はPd合金膜源物質)の熱分解温度以下に保たれた
反応管1内に置かれたPd膜源物質12は、加熱器の原
料部10によって昇華温度まで加熱される。
【0045】Pd膜源物質12の昇華に伴って、反応管
1内の圧力増加が観測されたら、加熱器の製膜部11を
200〜500℃の製膜温度まで急速に昇温させ、反応
管1内部を製膜温度とする。
【0046】昇華したPd膜源物質12はキャリヤーガ
スの流れにより製膜範囲4へと強制的に供給され、この
製膜温度で1〜3時間保持すると、熱分解で生じたPd
は、多孔質セラミックス中空糸2の外表面および外表面
の細孔内に担持され、Pd膜が形成される。ここで、反
応器1に配置したものがPd合金膜源物質であれば、多
孔質セラミックス中空糸2の外表面および外表面の細孔
内にPd合金膜が形成される。
【0047】そして、上記Pd膜又はPd合金膜の製膜
処理毎に、これらPd膜又はPd合金膜を製膜温度以上
の温度で加熱処理する。ここで、製膜温度以上の温度と
は、製膜温度に対して100℃以上高温であることが好
ましい。
【0048】上記加熱処理は、製造される水素分離膜の
熱安定性を向上させるために行われるものである。この
加熱処理は、Pd膜又はPd合金膜の製膜処理毎に行な
うとしているが、Pd膜又はPd合金膜の製膜処理と並
行に行われる場合であったり、Pd膜又はPd合金膜の
製膜処理が行われた後毎に行なう場合であったりして良
い。
【0049】
【実施例】上記実施の形態の製造装置を以下に詳述され
るように設定して水素分離膜の製造を行なった。
【0050】多孔質セラミックス中空糸2としては、長
さ100mm,外径2.0mm,内径1.7mm,平均
細孔径150nm,気孔率38%の多孔質アルミナ中空
糸を使用し、Pd膜源物質12としては酢酸パラジウム
0.5gを使用した。
【0051】反応管1は、長さ400mm,内径85m
mのステンレス管を使用し、加熱器は、長さ350mm
の抵抗加熱方式の電気炉を原料部10と製膜部11の2
つに分割し、それぞれ独立に温度制御を行なった。
【0052】まず、反応管1を排気しながらキャリヤー
ガスとしてアルゴンガスを18cm/sで流し、多孔質
アルミナ中空糸内も同時に排気することにより、反応管
1内を約200〜700Paの圧力に、また多孔質アル
ミナ中空糸内を約100〜200Paの圧力にそれぞれ
制御した。
【0053】原料部10を200℃、膜担持体となる多
孔質アルミナ中空糸を205℃までゆっくり昇温して保
持しておき、反応管1内の圧力増加が観測され始めたら
製膜部11を製膜温度300℃まで10℃/min以上
で急速に昇温し、そのまま製膜温度で2時間保持した。
【0054】次に、製膜部11を昇温させて、アルゴン
雰囲気下500℃で5時間、Pd薄膜の加熱処理を行な
った。そして、上記加熱処理を伴う製膜操作を繰り返し
行ないPd薄膜を多孔質アルミナ中空糸の細孔に形成し
た。製膜操作の間は、反応器1内を室温まで降温させ、
次のPd膜源物質12を載置し、再度昇温させてPd膜
源物質12を熱分解させ製膜を行なう。
【0055】このようにして形成されたPd薄膜の緻密
化の程度は、窒素透過速度で評価し、その定量にはガス
コロマトグラフを用いた。
【0056】ここで、上記製膜と熱処理の操作を繰り返
し行い得られた水素分離膜の350℃保持開始時および
100時間保持後の水素および窒素の透過速度を測定
し、水素選択性を求めた結果を以下の表1に示す。
【0057】(比較例)次に、比較例として、製膜後に
加熱処理を行なわずその他は実施形態と同じ条件でパラ
ジウム製膜のみ繰り返し行なった。得られた水素分離膜
の350℃保持開始時および100時間保持後の水素お
よび窒素の透過速度を求めた結果を表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】以上の結果からわかるように、製膜後に加
熱処理を行なう本実施形態によって得られた水素分離膜
は、熱安定性が著しく向上する。
【0060】尚、本明細書に使用されている「水素選択
性」とは、他のガスに対する水素の透過速度の比のこと
であり、他のガス(例えば窒素)の透過速度をP0,水
素の透過速度をPH2とした場合、水素選択性αは、α
=PH2/P0で表わされる。
【0061】従って、多孔体の細孔内に生成される水素
分離膜をより均質で緻密なものとすることによって、水
素透過速度を高め、かつ水素の選択透過性を高くするこ
との可能な水素分離膜の製造方法及び水素分離膜を提供
することができる。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
MOCVD法により得られた水素分離膜において、各製
膜処理毎に製膜温度以上で加熱する加熱処理を行なうこ
とにより、その熱安定性を向上させることの可能な水素
分離膜の製造方法及び水素分離膜を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水素分離膜の製造方法の一実施形
態において使用される水素分離膜の製造装置の概略構成
図である。
【符号の説明】
1 反応管 2 多孔質セラミックス中空糸(多孔質アルミナ中空
糸) 3 真空ポンプ 4 製膜範囲 5 真空計 6 圧力調整弁 7 ガス導入口 8 流量制御器 9 ガス供給器 10 原料部 11 製膜部 12 Pd膜源物質
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年4月3日(2000.4.3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】さらに、Pd膜はAg,Au,Pt,R
h,Ru,Ir,Ta,Nb,V,Zr,Ni,Y等
Pd合金膜源と合金化してもよく、その場合にはそれら
の金属源として、金属塩等のうち熱分解でそれぞれの金
属を生成するものが使用される。その際、Pd源と熱分
解温度の近いものを用いることが好ましい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】昇華したPd膜源物質12はキャリヤーガ
スの流れにより製膜範囲4へと強制的に供給され、この
製膜温度で1〜3時間保持すると、熱分解で生じたPd
は、多孔質セラミックス中空糸2の外表面および外表面
の細孔内に担持され、Pd膜が形成される。ここで、反
応器1に配置したものがPd合金膜源物質であれば、多
孔質セラミックス中空糸2の外表面および外表面の細孔
に合化金属膜が形成される。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応器の内部にPd膜源物質又はPd合
    金膜源物質と膜担持体とを配置し、前記Pd膜源物質又
    はPd合金膜源物質を昇華させると共に製膜範囲におけ
    る熱分解により、前記膜担持体にPd膜又はPd合金膜
    を製膜する水素分離膜の製造方法において、 前記Pd膜又はPd合金膜の製膜操作毎に前記得られた
    Pd膜又はPd合金膜を製膜温度以上の温度で加熱処理
    する操作を行なうことを特徴とする水素分離膜の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記Pd膜源物質又はPd合金膜源物質
    を配置した位置の温度と、前記製膜範囲の温度をそれぞ
    れ独立的に制御することによって、Pd膜源物質又はP
    d合金膜源物質の配置位置における昇華と製膜範囲にお
    ける前記熱分解とを同時に行なうことを特徴とする請求
    項1に記載の水素分離膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記膜担持体は膜状の多孔体であり、膜
    の両側に圧力差を設け、昇華させた前記Pd膜源物質又
    はPd合金膜源物質を多孔体の細孔内に吸引しながら該
    細孔内でPd膜化又はPd合金膜化させることを特徴と
    する請求項1又は2に記載の水素分離膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記加熱処理する操作は、 不活性雰囲気又は真空中で行なわれることを特徴とする
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の水素分離膜の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 前記製膜操作は、 前記Pd膜化又はPd合金膜化を300〜600℃の製
    膜温度で行なった後、室温まで冷却する操作であること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の水
    素分離膜の製造方法。
  6. 【請求項6】 反応器の内部に配置されたPd膜源物質
    又はPd合金膜源物質を昇華させると共に製膜範囲にお
    ける熱分解によって膜担持体にPd膜又はPd合金膜を
    製膜することにより製造される水素分離膜であって、 前記Pd膜又はPd合金膜の製膜操作毎に前記得られた
    Pd膜又はPd合金膜を製膜温度以上の温度で加熱処理
    する操作を行なうことによって製造されることを特徴と
    する水素分離膜。
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