JP2001218614A - 髪止め及びその製造方法 - Google Patents

髪止め及びその製造方法

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JP2001218614A
JP2001218614A JP2000031021A JP2000031021A JP2001218614A JP 2001218614 A JP2001218614 A JP 2001218614A JP 2000031021 A JP2000031021 A JP 2000031021A JP 2000031021 A JP2000031021 A JP 2000031021A JP 2001218614 A JP2001218614 A JP 2001218614A
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hair
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Zu Yan Lee
ズ ヤン リー
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多量の髪を外観よく止めるとともに、このよ
うに構成する基板と押さえ片との連結部分間に髪が挟ま
ることを防止しながら生産性を高め。 【解決手段】 ばね性を備えて板面が凹形と凸形とに反
転する基板1にばね性を備えた押さえ片2を付設して反
転した基板1と押さえ片2とで髪を挟持する使用姿勢
と、元の形に反転した基板1より押さえ片2が離れる非
使用姿勢とに切換える髪止めである。押さえ片2を櫛歯
状に形成するとともに押さえ片2と基板1とを一枚板か
ら形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、髪止め及びその製
造方法に関し、詳しくは、多量の髪を外観よく止めると
ともに、このように構成する基板と押さえ片との連結部
分間に髪が挟まることを防止しながら生産性を高めよう
とする技術に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、毛髪を纏めて止める髪止めは、図
13に示すように、いわゆるヘアピンAaを使用するの
であるが、櫛のように外観を高めることができず、又、
多量の毛髪を止めることができないものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題に鑑みてなされたものであり、多量の髪を外観よく止
めるとともに、このように構成する基板と押さえ片との
連結部分間に髪が挟まることを防止しながら生産性を高
めることができる髪止めを提供することを課題とするも
のである。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1においては、ば
ね性を備えて板面が凹形と凸形とに反転する基板1にば
ね性を備えた押さえ片2を付設して反転した基板1と押
さえ片2とで髪を挟持する使用姿勢と、元の形に反転し
た基板1より押さえ片2が離れる非使用姿勢とに切換え
る髪止めであって、押さえ片2を櫛歯状に形成するとと
もに押さえ片2と基板1とを一枚板から形成してあるこ
とを特徴とするものである。
【0005】このような構成によれば、ばね性を備えて
板面が凹形と凸形とに反転する基板1にばね性を備えた
押さえ片2を付設して反転した基板1と押さえ片2とで
髪を挟持することから、従来のヘアピンに比べて多量の
毛髪を纏めて止めることができながら、押さえ片2は櫛
歯状になっていて、多量の毛髪を安定的に保持すること
ができ、しかも、反転する基板1に対して押さえ片2を
別体としてこれをかしめ連結する構成のものに比べて、
押さえ片2を櫛歯状に形成するとともに押さえ片2と基
板1とを一枚板から形成することから、基板1に押さえ
片2をかしめ連結する箇所において毛髪を不測に挟むよ
うなことを回避することができ、使いやすく、髪止めの
商品価値を高め、かつ、一枚物とすることで生産性を高
めことができる。
【0006】請求項2においては、ベース片1aに対し
て対向する対向片1bが一連となって略L形に形成され
たばね板において上記対向片1bの先端部をベース片1
aの先端部に連結して上記基板1を環状に形成している
ことを特徴とするものである。
【0007】このような構成によれば、弾性変形させて
いる対向片1b及び対向片1bを弾性変形させることに
よるベース片1a側の弾性変形によって、基板1におけ
る反転力を高めることができ、基板1と櫛歯状の押さえ
片2との毛髪の保持力を高めることができる。
【0008】請求項3においては、基板1のベース片1
aに櫛歯状の押さえ片2が一連に形成されていることを
特徴とするものである。このような構成によれば、櫛歯
状であっても押さえ片2が一連に形成されているベース
片1aに比べて対向片1b側の基板1の反転時の反転量
を大きくすることができ、したがって、非使用状態にお
いて櫛歯状の押さえ片2と対向片1bとの開き量を大き
くでき、櫛歯状の押さえ片2と対向片1bとの間に多量
の毛髪を受け入れやすく、髪止めAにおいて有利とな
る。
【0009】請求項4においては、櫛歯3の長さYを基
板1の端縁よりも突出する長さにするとともに、櫛歯3
に基板1の端縁に当接する箇所が頂点Pとなる略へ字状
に形成していることを特徴とするものである。このよう
な構成によれば、基板1を反転させた使用状態において
略へ字状となった櫛歯3の頂点Pが基板1の端縁に当接
するのであり、毛髪を効果的に強く保持することができ
る。
【0010】請求項5においては、基板1の外周縁が略
楕円形状に形成されて長辺側のベース片1aに櫛歯3…
を形成していることを特徴とするものである。このよう
な構成によれば、髪止めAを左右対称形状に形成するこ
とができて使いやすくなる。
【0011】請求項6においては、ばね性を備えて板面
が凹形と凸形とに反転する基板1にばね性を備えた押さ
え片2を付設して反転した基板1と押さえ片2とで髪を
挟持する使用姿勢と、元の形に反転した基板1より押さ
え片2が離れる非使用姿勢とに切換える髪止めの製造方
法であって、ベース片1aに対して対向する対向片1b
が一連となって略L形に形成されたばね板において上記
押さえ片2をベース板1aに一連に形成するとともに押
さえ片2を櫛歯状に形成し、対向片1bを弾性変形させ
てその先端部をベース片1aの先端部に連結しているこ
とを特徴とするものである。このような構成によれば、
弾性変形させている対向片1b及び対向片1bを弾性変
形させることによるベース片1a側の弾性変形によっ
て、基板1における反転力を高めることができ、基板1
と櫛歯状の押さえ片2との毛髪の保持力を高めることが
できる。
【0012】請求項7においては、ベース片1aに対し
て対向する対向片1bが一連となって略L形の中間品7
をプレスにて打抜き、中間品7において、ベース片1a
と対向片1bとが近づくようにベース片1aと対向片1
bとの連結部分12に変形加工をおこない、その後、焼
入れ処理をおこなってばね板とすることを特徴とするも
のである。このような構成によれば、ベース片1aと対
向片1bとを近づくように変形加工をおこなうことによ
って連結部分12の強度を加工硬化によって高めること
ができ、このように連結部分12の強度を高めることが
できて連結部分12を大面積にしなくてもよく、連結部
分12を大面積にして髪止めAの外観を損なうことがな
く、髪止めAの外観を高めることができる。更に、連結
部分12の強度を高めることから、ベース片1aと対向
片1bとを鳩目金具8で連結する部分とこれとは反対位
置に位置する連結部分12とが支点となってベース片1
aと対向片1bとで構成される基板1の反転を良好にお
こなうことができる。
【0013】請求項8においては、押さえ片2を櫛歯状
に形成するのに際して、押さえ片2に押さえ片2を幅方
向に適宜間隔を隔てて分割スリット4、4を形成し、そ
の後、分割スリット4、4にて分割された分割片部5に
スリット6…を形成してスリット6及び分割スリット5
によって櫛歯3…を形成し、その後、焼き入れをおこな
ってばね性を付与することを特徴とするものである。こ
のような構成によれば、ばね性を備えていなくて塑性変
形しやすい1枚板状の押さえ片2に対して一挙に多くの
スリット6…を入れる場合の塑性変形を回避することが
でき、多数本のスリット6…を入れながら、櫛歯3…を
変形を抑えて形成することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1(a)は使用状態の斜視図、同図(b)
(c)は使用状態の概略斜視図、図2(a)は非使用状
態の表面側からの斜視図、同図(b)は非使用状態の裏
面側からの斜視図、図3(a)は非使用状態の側面図、
同図(b)は平面図、図6は製造順序及び方法を示して
いる。
【0015】髪止めAは、ばね性を備えて板面が凹形と
凸形とに反転する基板1にばね性を備えた押さえ片2を
付設して反転した基板1と押さえ片2とで髪を挟持する
使用姿勢と、元の形に反転した基板1より押さえ片2が
離れる非使用姿勢とに切換え可能に構成している。以
下、髪止めAの構成を製造方法と併せて詳述する。
【0016】図6に示すように、例えば0.2mm〜
0.8mmの厚さの鋼板がプレスにて打抜かれてベース
片1aに対して対向する対向片1bが一連となって略L
形に形成され、更に、ベース片1aに押さえ片2が一連
に形成されて中間品7が構成されている。中間品7の押
さえ片2にはスリット6…が形成されて複数の櫛歯3…
が形成されいる。このような中間品7に焼入れをおこな
ってばね性を付与してばね板とし、メッキや塗装、或い
はメッキや塗装の上に樹脂コーティングを選択しておこ
なうのである。その後、対向片1bを弾性変形させてそ
の先端部をベース片1aの先端部の孔22、22に鳩目
金具8にてかしめ連結する。
【0017】このような対向片1bの弾性変形と、対向
片1bを弾性変形させることによるベース片1a側の弾
性変形とによって、略環状に形成された基板1における
弾性変形能によって反転力を充分に高めるのであり、基
板1と櫛歯状の押さえ片2との毛髪の保持力を高めるの
である。
【0018】図2(a)(b)は基板1と櫛歯3…が離
れた非使用状態を示し、図3(a)(b)において、基
板1から櫛歯3…が充分に離れていることが判る。この
ような非使用状態において、基板1と櫛歯3…との隙間
αから毛髪Hを導入し、その後、図1(a)(b)又は
同図(c)に示すように、基板1を反転させて基板1と
櫛歯3…との間に導入した毛髪Hを保持するのである。
この場合、櫛歯3…は頭皮側に位置するものである。櫛
歯3の先端部に丸みをもたせた膨大部を形成したが、丸
みをもつが膨大部がないものであってもよい。同図
(c)に示すように、髪止めAを横長に使用する場合に
は、毛髪Hのくせを抑えることができてよい。
【0019】しかして、ばね性を備えて板面が凹形と凸
形とに反転する基板1にばね性を備えた押さえ片2を付
設して反転した基板1と押さえ片2とで髪を挟持するこ
とから、従来のヘアピンに比べて多量の毛髪を纏めて止
めることができながら、押さえ片2は櫛歯状になってい
て、多量の毛髪を安定的に保持することができるのであ
る。しかも、反転する基板1に対して押さえ片2を別体
としてこれをかしめ連結する構成のものに比べて、押さ
え片2を櫛歯状に形成するとともに押さえ片2と基板1
とを一枚板から形成することから、基板1に押さえ片2
をかしめ連結する箇所において毛髪を不測に挟むような
ことを回避することができ、使いやすく、髪止めの商品
価値を高めるのである。
【0020】更に、基板1のベース片1aに櫛歯状の押
さえ片2が一連に形成されていることから、櫛歯状であ
っても押さえ片2が一連に形成されているベース片1a
に比べて対向片1b側の基板1の反転時の反転量を大き
くすることができ、したがって、非使用状態において櫛
歯状の押さえ片2と対向片1bとの開き量を大きくで
き、櫛歯状の押さえ片2と対向片1bとの間に多量の毛
髪を受け入れやすく、髪止めAにおいて有利となる。
【0021】ところで、櫛歯3の長さYを基板1の端縁
よりも突出する長さにするとともに、櫛歯3に基板1の
端縁に当接する箇所が頂点Pとなる略へ字状に形成して
いるのであり、基板1を反転させた使用状態において略
へ字状となった櫛歯3の頂点Pが基板1の端縁に当接す
るのであり、毛髪を効果的に強く保持することができ
る。
【0022】基板1はその外周縁が例えば略楕円形状に
形成されて長辺側のベース片1aに櫛歯3…を形成して
いるのであり、髪止めAを左右対称形状に形成すること
ができて使いやすくなるものである。
【0023】ところで、図6に示すように、プレスにて
中間品7を打抜くのに際して、例えば、段階i〜viに
分けて打抜くのであり、段階iにおいて数本の分割スリ
ット4を連通して孔9を打抜いて分割スリット4、4間
に分割片部5を形成し、段階iiにおいて孔9に連通し
て小孔9a及びスリット6を打抜き、又、段階iiiに
おいて孔9に連通して小さい孔9b及びスリット6を打
抜いて多数の櫛歯3…を形成するのであり、以後、段階
iv〜viのようにベース片1a、対向片1bを形成す
るように打抜いて中間品7を得るのである。
【0024】このように、押さえ片2を櫛歯状に形成す
るのに際して、先ず、押さえ片2に押さえ片2を幅方向
に略等分に分割する分割スリット4、4を形成し、その
後、分割スリット4、4にて分割された分割片部5にス
リット6…を形成してスリット6及び分割スリット4に
よって多数の櫛歯3…を形成し、その後、焼き入れをお
こなってばね性を付与するのであり、ばね性を備えてい
なくて塑性変形しやすい1枚板状の押さえ片2に対して
一挙に多くのスリット6…を入れる場合の塑性変形を回
避することができ、多数本のスリット6…を入れなが
ら、櫛歯3…の変形を抑えて形成することができるので
ある。
【0025】以上の実施の形態においては、例えば、図
1(a)(b)又は同図(c)に示すように、使用状態
において基板1の板面が表面側に凸になるように反転し
て基板1における対向片1bと櫛歯3…との間に毛髪H
を保持するのであるが、図5に示すように、製造段階
で、櫛歯3…が対向片1bの上になるようにして対向片
1bをベース片1aに固定してもよく、このような実施
の形態においては、図5に示すように、基板1をその板
面が表面側に凸になるように反転させた使用状態におい
て、櫛歯3…が毛髪Hの上になって髪止めAが櫛の外観
を呈するのであり、このように、櫛の外観を呈しなが
ら、櫛歯3…の下に対向片1bが当接して、毛髪Hをよ
り強固に保持することができるものである。尚、図1の
実施の形態においても、使い方によって櫛歯3…の根元
が見えるとともに、環状の基板1によって外観を高める
ものである。
【0026】図7は更に他の実施の形態を示し、櫛歯3
…を備えて櫛状となった押さえ片2をベース片1aの対
向片1bとは反対側に形成し、櫛歯3…をベース片1a
の表面側に折り曲げ、その後、焼き入れ処理をおこなっ
てばね性を付与し、対向片1b及びベース片1aを弾性
変形させて鳩目金具8にて連結して髪止めAを構成した
ものである。
【0027】本実施の形態においては、使用状態におい
て櫛状の押さえ片2がベース片1aの上及び対向片1b
の上になって櫛のような使用形態にでき、一層、外観を
高めるものである。尚、基板1の表面が凸となる使用状
態において、櫛状の押さえ片2がベース片1aの下及び
対向片1bの下になるように製造してもよいものであ
る。又、中間品8においては、ベース片1aと対向片1
bとが略C字状になっても、略V字状になっていてもよ
いものである。
【0028】ところで、髪止めAの基板1の形状は例え
ば図8に示すように略四角形であっても、図9に示すよ
うに略三角形であっても、更に、図10に示すように略
円形でってもよく、又、他の形状にしてもよいものであ
る。この場合、櫛歯3…は図8(a)、図9(a)及び
図10(a)に示すように、ベース片1aの対向片1b
側に形成するようにしても、又、図8(b)、図9
(b)及び図10(b)に示すように、ベース片1aの
対向片1bとは反対側に形成して折り曲げたものでもよ
いものである。
【0029】図11及び図12は加工金型を示し、プレ
ス装置(図示せず)の基台側に固定される固定型13と
可動台側に取付けられる可動型14とから構成され、固
定型13には保持ピン15が突出されていて、図6に示
す中間品7を引っ掛けて保持することができるようにし
ている。保持ピン15の両側にはスライド溝16、16
を形成している。スライド溝16、16の溝間隔Dは中
間品7の吊下げ幅Wよりも小にしている。
【0030】可動型14には一対の押さえピン17、1
7が溝間隔Dと同間隔を隔てて突出されている。押さえ
ピン17、17の間の中央部には縦溝18が形成され、
縦溝18には押さえブロック19がスライド自在に挿入
され、コイルスプリング20にて押さえブロック19を
吊下げ保持している。押さえブロック19の前面及び底
面に開口して保持穴21を形成して、保持ピン15にて
保持している中間品7における連結部分12を上方から
係合して中間品7が板厚方向に移動するのを阻止するよ
うにしている。
【0031】しかして、固定型13の保持ピン15に中
間品7を吊下げた状態で、プレスを作動させて可動型1
4を下降することで、中間品7の連結部分12が押さえ
ブロック19の保持穴21に係入して中間品7が板の厚
み方向に移動するのを阻止するのであり、このように押
さえブロック19にて中間品7の連結部分12を保持し
ながら可動型14の一層の下降によって、押さえピン1
7、17がスライド溝16、16を下降移動して中間品
7のベース片1aと対向片1bとが近づくように連結部
分12を変形加工するのである。
【0032】このように、ベース片1aと対向片1bと
を近づくように変形加工をおこなうことによって連結部
分12の強度を加工硬化によって高めることができ、こ
のように連結部分12の強度を高めることができて連結
部分12を大面積にしなくてもよく、連結部分12を大
面積にして髪止めAの外観を損なうことがなく、髪止め
Aの外観を高めることができるのである。しかも、連結
部分12の強度を高めることから、ベース片1aと対向
片1bとを鳩目金具8で連結する部分とこれとは反対位
置に位置する連結部分12とが支点となってベース片1
aと対向片1bとで構成される基板1の反転を良好にお
こなうことができる。
【0033】
【発明の効果】請求項1においては、ばね性を備えて板
面が凹形と凸形とに反転する基板にばね性を備えた押さ
え片を付設して反転した基板と押さえ片とで髪を挟持す
る使用姿勢と、元の形に反転した基板より押さえ片が離
れる非使用姿勢とに切換える髪止めであって、押さえ片
を櫛歯状に形成するとともに押さえ片と基板とを一枚板
から形成してあるから、つまり、ばね性を備えて板面が
凹形と凸形とに反転する基板にばね性を備えた押さえ片
を付設して反転した基板と押さえ片とで髪を挟持するこ
とから、従来のヘアピンに比べて多量の毛髪を纏めて止
めることができながら、押さえ片は櫛歯状になってい
て、多量の毛髪を安定的に保持することができ、しか
も、反転する基板に対して押さえ片を別体としてこれを
かしめ連結する構成のものに比べて、押さえ片を櫛歯状
に形成するとともに押さえ片と基板とを一枚板から形成
することから、基板に押さえ片をかしめ連結する箇所に
おいて毛髪を不測に挟むようなことを回避することがで
き、使いやすく、髪止めの商品価値を高め、かつ、一枚
物とすることで生産性を高めことができるという利点が
ある。
【0034】請求項2においては、ベース片に対して対
向する対向片が一連となって略L形に形成されたばね板
において上記対向片の先端部をベース片の先端部に連結
して上記基板を環状に形成しているから、請求項1の効
果に加えて、弾性変形させている対向片及び対向片を弾
性変形させることによるベース片側の弾性変形によっ
て、基板における反転力を高めることができ、基板と櫛
歯状の押さえ片との毛髪の保持力を高めることができる
という利点がある。
【0035】請求項3においては、基板のベース片に櫛
歯状の押さえ片が一連に形成されているから、請求項2
の効果に加えて、櫛歯状であっても押さえ片が一連に形
成されているベース片に比べて対向片側の基板の反転時
の反転量を大きくすることができ、したがって、非使用
状態において櫛歯状の押さえ片と対向片との開き量を大
きくでき、櫛歯状の押さえ片と対向片との間に多量の毛
髪を受け入れやすく、髪止めにおいて有利となるという
利点がある。
【0036】請求項4においては、櫛歯の長さを基板の
端縁よりも突出する長さにするとともに、櫛歯に基板の
端縁に当接する箇所が頂点となる略へ字状に形成してい
るから、請求項1又は3の効果に加えて、基板を反転さ
せた使用状態において略へ字状となった櫛歯の頂点が基
板の端縁に当接するのであり、毛髪を効果的に強く保持
することができるという利点がある。
【0037】請求項5においては、基板の外周縁が略楕
円形状に形成されて長辺側のベース片に櫛歯を形成して
いるから、請求項1又は2の効果に加えて、髪止めを左
右対称形状に形成することができて使いやすくなるとい
う利点がある。
【0038】請求項6においては、ばね性を備えて板面
が凹形と凸形とに反転する基板にばね性を備えた押さえ
片を付設して反転した基板と押さえ片とで髪を挟持する
使用姿勢と、元の形に反転した基板より押さえ片が離れ
る非使用姿勢とに切換える髪止めの製造方法であって、
ベース片に対して対向する対向片が一連となって略L形
に形成されたばね板において上記押さえ片をベース板に
一連に形成するとともに押さえ片を櫛歯状に形成し、対
向片を弾性変形させてその先端部をベース片の先端部に
連結しているから、弾性変形させている対向片及び対向
片を弾性変形させることによるベース片側の弾性変形に
よって、基板における反転力を高めることができ、基板
と櫛歯状の押さえ片との毛髪の保持力を高めることがで
きるという利点がある。
【0039】請求項7においては、ベース片に対して対
向する対向片が一連となって略L形の中間品をプレスに
て打抜き、中間品において、ベース片と対向片とが近づ
くようにベース片と対向片との連結部分に変形加工をお
こない、その後、焼入れ処理をおこなってばね板とする
から、請求項6の効果に加えて、ベース片と対向片とを
近づくように変形加工をおこなうことによって連結部分
の強度を加工硬化によって高めることができ、このよう
に連結部分の強度を高めることができて連結部分を大面
積にしなくてもよく、連結部分を大面積にして髪止めの
外観を損なうことがなく、髪止めの外観を高めることが
できるという利点がある。更に、連結部分の強度を高め
ることから、ベース片と対向片とを鳩目金具で連結する
部分とこれとは反対位置に位置する連結部分とが支点と
なってベース片と対向片とで構成される基板の反転を良
好におこなうことができるという利点がある。
【0040】請求項8においては、押さえ片を櫛歯状に
形成するのに際して、押さえ片に押さえ片を幅方向に適
宜間隔を隔てて分割スリットを形成し、その後、分割ス
リットにて分割された分割片部にスリットを形成してス
リット及び分割スリットによって櫛歯を形成し、その
後、焼き入れをおこなってばね性を付与するから、請求
項6の効果に加えて、ばね性を備えていなくて塑性変形
しやすい1枚板状の押さえ片に対して一挙に多くのスリ
ットを入れる場合の塑性変形を回避することができ、多
数本のスリットを入れながら、櫛歯を変形を抑えて形成
することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示し、(a)は使用状
態の斜視図、(b)(c)は使用状態の概略斜視図であ
る。
【図2】(a)は非使用状態の表面側からの斜視図、
(b)は非使用状態の裏面側からの斜視図である。
【図3】(a)(b)は非使用状態の側面図、(c)
(d)は使用状態の断面図である。
【図4】(a)は使用状態の正面図、(b)(c)は側
面図である。
【図5】同上の他の実施の形態を示す斜視図である。
【図6】同上の製造順序及び方法を示す説明図である。
【図7】(a)(b)(c)は同上の他の製造方法及び
得られた髪止めを示す説明図である。
【図8】同上の基板を略四角形にした実施の形態を示
し、(a)は櫛歯を対向片側に形成した正面図、(b)
は櫛歯を対向片とは反対側に形成して折り曲げたものの
正面図である。
【図9】同上の基板を略三角形にした実施の形態を示
し、(a)は櫛歯を対向片側に形成した正面図、(b)
は櫛歯を対向片とは反対側に形成して折り曲げたものの
正面図である。
【図10】同上の基板を略円形にした実施の形態を示
し、(a)は櫛歯を対向片側に形成した正面図、(b)
は櫛歯を対向片とは反対側に形成して折り曲げたものの
正面図である。
【図11】同上の加工金型を示し、(a)は固定型の斜
視図、(b)は可動型の斜視図、(c)は押さえブロッ
クの概略斜視図である。
【図12】同上の加工金型を示し、(a)は斜視図、
(b)は概略断面図である。
【図13】従来例の斜視図である。
【符号の説明】
1 基板 1a ベース片 2 押さえ片 2a 対向片 3 櫛歯 4 分割スリット 5 分割片部 6 スリット

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ばね性を備えて板面が凹形と凸形とに反
    転する基板にばね性を備えた押さえ片を付設して反転し
    た基板と押さえ片とで髪を挟持する使用姿勢と、元の形
    に反転した基板より押さえ片が離れる非使用姿勢とに切
    換える髪止めであって、押さえ片を櫛歯状に形成すると
    ともに押さえ片と基板とを一枚板から形成して成ること
    を特徴とする髪止め。
  2. 【請求項2】 ベース片に対して対向する対向片が一連
    となって略L形に形成されたばね板において上記対向片
    の先端部をベース片の先端部に連結して上記基板を環状
    に形成して成ることを特徴とする請求項1記載の髪止
    め。
  3. 【請求項3】 基板のベース片に櫛歯状の押さえ片が一
    連に形成されて成ることを特徴とする請求項2記載の髪
    止め。
  4. 【請求項4】 櫛歯の長さを基板の端縁よりも突出する
    長さにするとともに、櫛歯に基板の端縁に当接する箇所
    が頂点となる略へ字状に形成して成ることを特徴とする
    請求項1又は3記載の髪止め。
  5. 【請求項5】 基板の外周縁が略楕円形状に形成されて
    左右対称形状に形成されて成ることを請求項1又は2記
    載の髪止め。
  6. 【請求項6】 ばね性を備えて板面が凹形と凸形とに反
    転する基板にばね性を備えた押さえ片を付設して反転し
    た基板と押さえ片とで髪を挟持する使用姿勢と、元の形
    に反転した基板より押さえ片が離れる非使用姿勢とに切
    換える髪止めの製造方法であって、ベース片に対して対
    向する対向片が一連となって略L形に形成されたばね板
    において上記押さえ片をベース板に一連に形成するとと
    もに押さえ片を櫛歯状に形成し、対向片を弾性変形させ
    てその先端部をベース片の先端部に連結して成ることを
    特徴とする髪止めの製造方法。
  7. 【請求項7】 ベース片に対して対向する対向片が一連
    となって略L形の中間品をプレスにて打抜き、中間品に
    おいて、ベース片と対向片とが近づくようにベース片と
    対向片との連結部分に変形加工をおこない、その後、焼
    入れ処理をおこなってばね板とすることを特徴とする請
    求項6記載の髪止めの製造方法。
  8. 【請求項8】 押さえ片を櫛歯状に形成するのに際し
    て、押さえ片に押さえ片を幅方向に適宜間隔を隔てて分
    割スリットを形成し、その後、分割スリットにて分割さ
    れた分割片部にスリットを形成してスリット及び分割ス
    リットによって多数の櫛歯を形成することを特徴とする
    請求項6記載の髪止めの製造方法。
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