JP2001217161A - コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

コンデンサおよびその製造方法

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JP2001217161A JP2000030232A JP2000030232A JP2001217161A JP 2001217161 A JP2001217161 A JP 2001217161A JP 2000030232 A JP2000030232 A JP 2000030232A JP 2000030232 A JP2000030232 A JP 2000030232A JP 2001217161 A JP2001217161 A JP 2001217161A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、漏れ電流(LC)値のバラツキを小
さくしたコンデンサおよびその製造方法を提供すること
にある。 【解決手段】解決手段は、一部が窒化したニオブの焼結
体を一方の電極とし他方の電極と両電極の間に介在した
誘電体とから構成されたコンデンサにおいて、一部窒化
されたニオブ粉を使用した成型体または/および焼結体
をさらに窒化することにより得られた一部が窒化したニ
オブの焼結体を一方の電極とすることを特徴とするコン
デンサおよびその製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンデンサおよび
その製造方法に関する、特に、漏れ電流(以下「LC」
と略す。)値のバラツキの小さいコンデンサおよびその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯電話やパーソナルコンピューター等
の電子機器に使用さるコンデンサは、小型大容量のもの
が望まれている。このようなコンデンサの中でもタンタ
ルコンデンサは、大きさの割には容量が大きく、しかも
性能が良好なため、好んで使用されている。通常タンタ
ルコンデンサの誘電体として酸化タンタルが使用されて
いるが、さらに容量を大きくするために、より誘電率の
高い酸化ニオブを誘電体としたニオブコンデンサが考え
られている。本発明者等は、該ニオブコンデンサの中で
も、一部を窒化したニオブの焼結体を電極に用いたコン
デンサは、とりわけ容量が大きくLC特性が良好である
ことを提示した(特開平10−242004号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】該公報では、一部窒化
したニオブの焼結体を得る方法として、一部を窒化した
ニオブ粉を焼結して焼結体を得る方法を例示した。この
場合窒化していないニオブ粉を使用した焼結体を電極と
したコンデンサよりLC特性が良好なものを得ることが
できるが、LC値のバラツキをより小さくした高性能な
コンデンサが求められている。
【0004】本発明は、上記状況を鑑みてなされたもの
であり、その目的はLC値のバラツキをより小さくした
コンデンサおよびその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決する為に鋭意研究した結果、LC値のバラツキの
原因の一つが焼結体を作製するときの加熱処理に関係が
有ることを見出し本発明を完成するに至った。 1)上記課題を解決する第1の発明は、一部が窒化した
ニオブの焼結体を一方の電極とし他方の電極と両電極の
間に介在した誘電体とから構成されたコンデンサにおい
て、一部窒化されたニオブ粉を使用した成型体または/
および焼結体をさらに窒化することによって得られた一
部が窒化したニオブの焼結体を一方の電極とすることを
特徴とするコンデンサである。 2)上記課題を解決する第2の発明は、一部が窒化した
ニオブの焼結体に結合した窒素量が10〜150000
質量ppmである上記1)に記載のコンデンサである。 3)上記課題を解決する第3の発明は、一方の電極のC
V値が少なくとも50000[CV/g]以上であるこ
とを特徴とした上記1)または2)に記載のコンデンサ
である。 4)上記課題を解決する第4の発明は、一部が窒化した
ニオブの焼結体からなる電極を電解液中で化成するか、
または一部が窒化したニオブの焼結体からなる電極上で
ニオブ含有錯体を加水分解および/または熱分解するこ
とによって、酸化ニオブからなる誘電体が、一部が窒化
したニオブの焼結体からなる電極上に形成されている上
記1)〜3)のいずれか1項に記載のコンデンサえあ
る。 5)上記課題を解決する第5の発明は、他方の電極が電
解液、有機半導体および無機半導体から選ばれた少なく
とも一種の化合物である上記1)〜4)のいずれか1項
に記載のコンデンサである。 6)上記課題を解決する第6の発明は、他方の電極が、
電導度10-2〜103S・cm-1を有する有機半導体お
よび無機半導体から選ばれた少なくとも一種の化合物で
ある上記5)に記載のコンデンサである。 7)上記課題を解決する第7の発明は、漏れ電流/容量
のバラツキの値が1.0[pA/μF]以下である上記
1)〜6)のいずれか1項に記載のコンデンサである。 8)上記課題を解決する第8の発明は、一部が窒化した
ニオブの焼結体を一方の電極とし他方の電極と両電極の
間に介在した誘電体とから構成されたコンデンサの製造
方法において、一部窒化されたニオブ粉を使用した成型
体または/および焼結体をさらに窒化することによって
得られた一部が窒化したニオブの焼結体を一方の電極と
することを特徴とするコンデンサの製造方法である。 9)上記課題を解決する第9の発明は、一部が窒化した
ニオブの焼結体に結合した窒素量が10〜150000
質量ppmである上記8)に記載のコンデンサの製造方
法である。 10)上記課題を解決する第10の発明は、一方の電極
のCV値が少なくとも50000[CV/g]以上であ
ることを特徴とした上記8)または9)に記載のコンデ
ンサの製造方法である。 11)上記課題を解決する第11の発明は、一部が窒化
したニオブの焼結体からなる電極を電解液中で化成する
か、または一部が窒化したニオブの焼結体からなる電極
上でニオブ含有錯体を加水分解および/または熱分解す
ることによって、酸化ニオブからなる誘電体を、一部が
窒化したニオブの焼結体からなる電極上に形成すること
を特徴とする上記8)〜10)のいずれか1項に記載の
コンデンサの製造方法である。
【0006】[作用]本発明の作用は必ずしも明確では
ないが以下のように推定できる。従来技術の製造方法で
は、成型時に、一部窒化したニオブ粉どうしの衝突によ
り、ニオブ粉として特殊な部分が発生するかまたは未窒
化ニオブ粉と同様な部分が発生するものと想定してお
り、これらの部分が焼結体作製時の加熱処理でより顕著
になるために漏れ電流値のバラツキが発生するおそれが
あると推定している。本発明に従って、成型体または/
および焼結体を窒化処理することによりこれらの原因が
緩和され漏れ電流値のバラツキがより小さくなるものと
推定できる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のコンデンサの製造方法に
おいて、コンデンサの一方の電極を構成する、一部が窒
化したニオブの焼結体は、一部が窒化されたニオブ粉を
使用した成型体または/および焼結体をさらに窒化して
得た焼結体である。
【0008】本発明に用いるニオブ粉は、たとえばフッ
化ニオブ酸カリのナトリウム還元物の粉砕による方法、
ニオブインゴットの水素化物の粉砕および脱水素による
方法、酸化ニオブの炭素還元による方法等によって得る
ことができる。たとえばニオブインゴットの水素化物の
粉砕および脱水素から得る方法の場合、ニオブインゴッ
トの水素化量と粉砕時間、粉砕装置などを調製すること
により、後述する所望の平均粒径を有するニオブ粉を得
ることができる。
【0009】前記ニオブ粉の一部を窒化する方法として
は、ガス窒化、液体窒化、イオン窒化などのうちいずれ
かあるいはそれらの組み合わせた方法で実施することが
できる。窒素ガス雰囲気に放置することによるガス窒化
方法は、装置が簡便で操作が容易なため好ましい。たと
えばガス窒化方法は、前記ニオブ粉を窒素ガス雰囲気中
に放置する方法とすることができる。ここで窒化する時
の温度は2000℃以下、時間は数10時間以内で目的
とする窒素量を有するニオブ粉が得られる。高温で処理
することにより処理時間を短くすることができる。この
場合、ニオブ粉に結合した窒素量は10〜150000
質量ppm、好ましくは数100〜7000質量pp
m、より好ましくは500〜50000質量ppmとす
ることにより、LC値を小さくすることが出来る。
【0010】次に、前記の一部が窒化されたニオブ粉を
成型後、真空下で高温で焼結することによって焼結体が
得られる。一例をあげると、一部が窒化されたニオブ粉
を適当な形状に加圧成型して成型体を得た後、(10-1
〜10-6)×133Paで700℃〜2000℃、数分
〜数時間放置することで焼結体が得られる。一般に焼結
温度は、ニオブ粉の粒径によって変化するが粒径が小さ
い程低温で良い。
【0011】本発明の一部窒化した焼結体は前記成型体
または/および前記焼結体をさらに窒化することで得ら
れる。例えば、前記成型体を窒化した後に焼結すること
によって得られる。あるいは、前記成型体を焼結して焼
結体とした後に窒化することによって得られる。別の例
では、前記成型体を窒化した後に焼結して焼結体とした
後にさらに窒化することによって得られる。この場合、
焼結体に結合した窒素量は10〜150000質量pp
m、好ましくは数100〜7000質量ppm、より好
ましくは500〜50000質量ppmとすることによ
り、LC値を小さくすることが出来るので好ましい。成
型体、焼結体の窒化方法としては、ガス窒化、液体窒
化、イオン窒化などのうちいずれかあるいはそれらの組
み合わせた方法とすることができる。窒素ガス雰囲気に
放置することによるガス窒化方法は、装置が簡便で操作
が容易なため好ましい。この場合、窒化する温度は20
00℃以下、時間は数10時間以下で目的とする窒素量
を有する焼結体が得られるが、一般に高温程短時間で窒
化される。また、室温でも窒素下で数10時間ニオブ焼
結体を放置しておくと、数100質量ppmの窒素量を
有するニオブ焼結体が得られる。また、窒素を加圧導入
することにより、窒化の時間短縮することが可能であ
る。
【0012】ここで本明細書中でニオブ粉、成型体、焼
結体への窒化された窒素量とはこれらの材料に吸着した
状態のものではなく確実に結合し窒化したものである。
【0013】さらに、本発明に使用される焼結体は、C
V値(容量と電解酸化時の印加電圧との積を電極質量で
割った値)を少なくとも50000[CV/g]以上と
したものが大容量のコンデンサを得ることが出来るので
好ましい。たとえば平均粒径が3〜5[μm]のニオブ
粉を用いることでそのCV値を得ることができる。さら
に焼結体を作製する粉の形状の平均粒径を小さくするこ
とによりより大きなCV値を得ることができる。100
000[CV/g]以上を得るためには例えば0.3〜
2[μm]にすることにより、さらに600000[C
V/g]以上を得るためには例えば0.2[μm]以下
にすることにより、より大高容量のコンデンサを得るた
めに要求されるより大きなCV値を有する焼結体とする
ことが出来る。
【0014】前記コンデンサの誘電体としては、酸化ニ
オブが用いられる。酸化ニオブを誘電体として用いる場
合、酸化ニオブは、一方の電極である一部窒化したニオ
ブ焼結体を電解液中で化成するか、またはニオブを含有
する錯体、たとえば、アルコキシ錯体、アセチルアセト
ナート錯体等を電極に付着後、加水分解および/または
熱分解することによって作製することもできる。このよ
うに一部窒化したニオブ焼結体を電解液中で化成する
か、またはニオブ含有錯体を、一部窒化したニオブ電極
上で加水分解および/または熱分解することによって、
一部窒化したニオブ電極上に酸化ニオブ誘電体を形成す
ることができる。一部窒化したニオブ電極を電解液中で
化成するには、通常プロトン酸水溶液、たとえば0.1
%りん酸水溶液または硫酸水溶液を用いて行われる。一
部窒化したニオブ電極を電解液中で化成して酸化ニオブ
誘電体を得る場合、本発明のコンデンサは、電解コンデ
ンサとなり、一部窒化したニオブ電極側が陽極となる。
錯体を分解して得る場合、該電極は、理論的に極性はな
く、陽極としても、陰極としても使用可能である。
【0015】上記、電極の表面には電解酸化によって酸
化ニオブからなる誘電体が形成される。本発明において
はニオブからなる電極を陽極として電解液中で別途用意
した対極との間で電圧を印加するという従来公知の方法
を用いることによって、該誘電体をニオブからなる電極
上に形成することができる。
【0016】さらに、誘電体を形成する電解酸化の方法
を以下のようにすることもできる。まず初期に、一般に
良好な誘電体が形成されると思われる電流値よりもはる
かに高い値(例えば10倍以上)の定電流状態で電解酸
化を開始する。その後所定の電圧になった時点でその所
定の電圧を維持した定電圧状態にて電解酸化を継続して
行う。このように電解酸化を実施することにより所定の
電圧に短時間で到達する。このように形成した誘電体膜
を形成された電極を用いると漏れ電流値(以下「LC
値」という。)のバラツキをより小さくすることができ
るので好ましい。さらにこのような方法を用いると耐熱
性が良好なコンデンサを得ることができるので好まし
い。例えば定電流値を、ニオブからなる一方の電極の重
量あたり200[mA]以上、好ましくは400[m
A]以上とすることができる。この時電解温度は好まし
くは60℃以上、さらに好ましくは80℃以上とするこ
とができる。
【0017】一方、本発明のコンデンサの他方の電極は
格別限定されるものではなく、例えば、アルミ電解コン
デンサ業界で公知である電解液、有機半導体および無機
半導体から選ばれた少なくとも一種の化合物が挙げられ
る。電解液の具体例としてはイソブチルトリプロピルア
ンモニウムボロテトラフルオライド電解質を5重量%溶
解したジメチルホルムアミドとエチレングリコールの混
合溶液、テトラエチルアンモニウムボロテトラフルオラ
イドを7重量%溶解したプロピレンカーボネートとエチ
レングリコールの混合溶液等が挙げられる。有機半導体
の具体例としては、ベンゾピロリン四量体とクロラニル
からなる有機半導体、テトラチオテトラセンを主成分と
する有機半導体、テトラシアノキノジメタンを主成分と
する有機半導体、下記一般式(1)または(2)で表さ
れる高分子にドーパントをドープした電導性高分子を主
成分とした有機半導体が挙げられる。無機半導体の具体
例としては二酸化鉛または二酸化マンガンを主成分とす
る無機半導体、四三酸化鉄からなる無機半導体などが挙
げられる。このような半導体は単独でも、または二種以
上組み合わせて使用しても良い。
【0018】
【化1】
【0019】
【化2】
【0020】式(1)および(2)において、R1〜R
4は水素、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜
6のアルコキシ基を表し、これらは互いに同一であって
も相違してもよく、Xは酸素、イオウまたは窒素原子を
表し、R5はXが窒素原子のときのみ存在して水素また
は炭素数1〜6のアルキル基を表し、R1とR2および
R3とR4は互いに結合して環状になっていても良い。
式(1)または(2)で表される高分子としては、例え
ば、ポリアニリン、ポリオキシフェニレン、ポリフェニ
レンサルファイド、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリ
ピロール、ポリメチルピロール、およびこれらの高分子
の誘導体などが挙げられる。
【0021】上記の有機半導体および無機半導体とし
て、電導度10-2S・cm-1〜103S・cm-1の範囲
のものを使用すると、作製したコンデンサのインピーダ
ンス値がより小さくなり、高周波での容量をさらに一層
大きくすることができる。
【0022】さらに他方の電極が固体の場合には、例え
ば他方の電極上にカーボンペースト、銀ペーストを順次
積層し、エポキシ樹脂のような材料で封口してコンデン
サが構成される。このコンデンサは一部窒化されたニオ
ブ焼結体と一体に焼結成型された、または後から電極に
溶接されたニオブまたはタンタルのリード線を有してい
ても良い。また他方の電極が液体の場合には、前記両極
と誘電体から構成されたコンデンサを、例えば、他方の
電極と電気的に接続した缶に収納してコンデンサが形成
される。この場合、ニオブの電極側はたとえば前記した
ニオブまたはタンタルリード線を介して外部に導出され
ると同時に、絶縁性ゴム等により、缶との絶縁がはから
れるように設計されている。
【0023】以上説明した本発明に従って、コンデンサ
を作製することにより、LC値のバラツキが小さいコン
デンサを製造することが出来る。
【0024】以上の本発明に従って製造されたコンデン
サは、一部が窒化したニオブの焼結体を一方の電極とし
他方の電極と両電極の間に介在した誘電体とから構成さ
れたコンデンサであって、一方の電極が一部窒化された
ニオブ粉を使用した成型体または/および焼結体がさら
に窒化されたものになる。また、コンデンサのニオブの
焼結体に結合した窒素量を10〜150000質量pp
mとすることができる。さらに、漏れ電流/容量のバラ
ツキの値を1.0[pA/μF]以下とすることができ
る。コンデンサは容量が大きく漏れ電流が小さいことが
求められており、漏れ電流/容量の値はこの評価に適し
ている。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例についてさらに詳細に
説明する。以下本発明の具体例についてさらに詳細に説
明する。粉体の窒化量は次のように測定した。熱伝導度
から窒素量を求めるLECO社製酸素窒素量測定器を用
いて粉体の窒素量を求め、別途測定した粉体の質量との
比を窒化量とした。
【0026】チップに加工したコンデンサの容量は次の
ように測定した。室温において、作製したチップの端子
間にHP製LCR測定器を接続して測定した120Hz
での容量をチップに加工したコンデンサの容量とした。
【0027】チップに加工したコンデンサの漏れ電流は
以下のように測定した。定格電圧値(2.5[V]、4
[V]、6.3[V]、10[V]、16[V]、25
[V]等)のうち誘電体作製時の化成電圧の約1/3〜
約1/4に近い直流電圧を、室温において、作製したチ
ップの端子間に1分間印可し続けた後に測定された電流
値をチップに加工したコンデンサの漏れ電流値とした。
本発明では、4[V]の電圧を印加した。
【0028】試験例1〜5 平均粒径1μmのニオブ粉を窒素気流中に300℃で1
時間放置し窒化量1100質量ppmの一部が窒化され
たニオブ粉とした(CV値は100000[CV/g]
であった)。該ニオブ粉を0.25mmφのニオブリー
ド線と共に成型し大きさ1.8×3.5×4.3mmの
成型体(ニオブリード線が成型体内部に3.5mm、外
部に6mm存在する)を得た。ついで該成型体を115
0℃、133×10-6Paで焼結し、焼結体を複数個得
た。この焼結体を窒素ガス雰囲気中に表1に示した条件
で放置して窒化し、一部窒化したニオブ焼結体とした。
ついで、りん酸水溶液中で20V化成することにより、
焼結体上に酸化ニオブの誘電体を形成した。さらに、該
誘電体上に、酢酸鉛30%水溶液と過硫酸アンモニウム
30%水溶液の等量混合液を複数回40℃で接触させる
ことにより他方の電極として、二酸化鉛と硫酸鉛の混合
物(二酸化鉛97質量%)を形成した。ひきつづき、他
方の電極上にカーボンペースト、銀ペーストを順次積層
し、エポキシ樹脂で封口してコンデンサを作製した。表
3に作製したコンデンサの容量(測定120Hz)、4
VでのLC値とLC値のばらつき(2σ)を示した。な
お各試験例の値は、各例のコンデンサ20個の平均値及
び標準偏差の2倍(2σ)である。
【0029】試験例6〜10 試験例1〜5で各々焼結体後に実施した窒化処理に代え
て、成型体の段階で窒化処理した以外は試験例1〜5と
同様にしてコンデンサを作製した。作製したコンデンサ
の性能を表3に示した。
【0030】試験例11〜15 成型体後に実施した窒化処理にさらに加えて焼結体後の
段階で表1に示した条件で窒化処理した以外は試験例6
〜10と同様にしてコンデンサを作製した。作製したコ
ンデンサの性能を表3に示した。
【0031】試験例16〜19 他方の電極として表2に示した化合物を使用した以外は
試験例2と同様にしてコンデンサを作製した。作製した
コンデンサの性能を表3に示した。
【0032】試験例20〜21 焼結体の窒化処理を行わなかった以外は、試験例2およ
び16と同様にしてコンデンサを作製した。作製したコ
ンデンサの性能を表3に示した。
【0033】試験例22〜23 ニオブ粉の窒化処理および焼結体後の窒化処理を行わな
かった以外は、試験例2および16と同様にしてコンデ
ンサを作製した。作製したコンデンサの性能を表3に示
した。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】試験例1〜19と試験例20〜23を比較
することにより、本発明のコンデンサの製造方法に従え
ば、ニオブ焼結体を一部窒化したニオブ粉を使用した成
型体または/および焼結体をさらに窒化した焼結体とし
ているため、LC値のバラツキが少ないコンデンサが得
られていることが分かる。また、LC特性が良好である
という特性を有していることも分かる。
【0038】
【発明の効果】本発明のコンデンサの製造方法によれ
ば、ニオブ焼結体を一部窒化したニオブ粉を使用した成
型体または/および焼結体をさらに窒化した焼結体とし
ているので、LC値のばらつきが少ないコンデンサが得
られる。特に前記手法で得た焼結体を一方の電極とし、
他方の電極を有機半導体及び無機半導体から選ばれた少
なくとも一種の化合物とし、電極間の誘電体を酸化ニオ
ブとしたコンデンサを製造すると、該コンデンサは、単
位重量あたりの容量が大きく、LC値のばらつきも小さ
いものとなる。このため電源の平滑回路に利用すると好
適である。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一部が窒化したニオブの焼結体を一方の電
    極とし他方の電極と両電極の間に介在した誘電体とから
    構成されたコンデンサにおいて、一部窒化されたニオブ
    粉を使用した成型体または/および焼結体をさらに窒化
    することによって得られた一部が窒化したニオブの焼結
    体を一方の電極とすることを特徴とするコンデンサ。
  2. 【請求項2】一部が窒化したニオブの焼結体に結合した
    窒素量が10〜150000質量ppmである請求項1
    に記載のコンデンサ。
  3. 【請求項3】一方の電極のCV値が少なくとも5000
    0[CV/g]以上であることを特徴とした請求項1ま
    たは請求項2に記載のコンデンサ。
  4. 【請求項4】一部が窒化したニオブの焼結体からなる電
    極を電解液中で化成するか、または一部が窒化したニオ
    ブの焼結体からなる電極上でニオブ含有錯体を加水分解
    および/または熱分解することによって、酸化ニオブか
    らなる誘電体が、一部が窒化したニオブの焼結体からな
    る電極上に形成されている請求項1〜請求項3のいずれ
    か1項に記載のコンデンサ。
  5. 【請求項5】他方の電極が電解液、有機半導体および無
    機半導体から選ばれた少なくとも一種の化合物である請
    求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のコンデンサ。
  6. 【請求項6】 他方の電極が、電導度10-2〜103
    ・cm-1を有する有機半導体および無機半導体から選ば
    れた少なくとも一種の化合物である請求項5に記載のコ
    ンデンサ。
  7. 【請求項7】漏れ電流/容量のバラツキの値が1.0
    [pA/μF]以下である請求項1〜請求項6のいずれ
    か1項に記載のコンデンサ。
  8. 【請求項8】一部が窒化したニオブの焼結体を一方の電
    極とし他方の電極と両電極の間に介在した誘電体とから
    構成されたコンデンサの製造方法において、一部窒化さ
    れたニオブ粉を使用した成型体または/および焼結体を
    さらに窒化することによって得られた一部が窒化したニ
    オブの焼結体を一方の電極とすることを特徴とするコン
    デンサの製造方法。
  9. 【請求項9】一部が窒化したニオブの焼結体に結合した
    窒素量が10〜150000質量ppmである請求項8
    に記載のコンデンサの製造方法。
  10. 【請求項10】一方の電極のCV値が少なくとも500
    00[CV/g]以上であることを特徴とした請求項8
    または請求項9に記載のコンデンサの製造方法。
  11. 【請求項11】一部が窒化したニオブの焼結体からなる
    電極を電解液中で化成するか、または一部が窒化したニ
    オブの焼結体からなる電極上でニオブ含有錯体を加水分
    解および/または熱分解することによって、酸化ニオブ
    からなる誘電体を、一部が窒化したニオブの焼結体から
    なる電極上に形成することを特徴とする請求項8〜請求
    項10のいずれか1項に記載のコンデンサの製造方法。
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JP2008288561A (ja) * 2007-04-20 2008-11-27 Sanyo Electric Co Ltd ニオブ固体電解コンデンサ及びその製造方法
JP2016076674A (ja) * 2014-10-09 2016-05-12 パナソニックIpマネジメント株式会社 電極箔とその製造方法および電解コンデンサ

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