JP2001215745A - 電子写真感光体、画像形成装置、電子写真用プロセスカートリッジ及び画像形成方法 - Google Patents
電子写真感光体、画像形成装置、電子写真用プロセスカートリッジ及び画像形成方法Info
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Abstract
力である電子写真用感光体を提供する。 【解決手段】 電子写真用感光体が導電性支持体上に少
なくとも感光層及び表面保護層を順次積層した構成で、
かつ該電子写真感光体に接触配置される帯電部材に電圧
を印加することにより注入帯電する電子写真感光体にお
いて、表面保護層が水素を含有するダイヤモンド状カー
ボン及び/又は非晶質カーボン構造を有する微粒子を含
有することを特徴とする電子写真感光体。
Description
画像形成装置、電子写真用プロセスカートリッジ及び画
像形成方法に関する。
ては、コロナ帯電方法や接触帯電方法が使用されてき
た。コロナ帯電方法には、コロトロン方式とグリッドを
有するスコロトロン方式があり、金属板で遮蔽されたハ
ウジングの中央に帳架されたタングステンやニッケルの
チャージワイヤーに、直流もしくは交流を重畳した直流
電圧を印加する事によりコロナ放電を起こし、感光体を
帯電する方法である。しかしこの方法では、チャージワ
イヤーに高電圧を印加するために、オゾンや窒素酸化物
などが生成される。この生成物は、環境的側面ばかりで
なく、感光体に対しても、耐久性や画像特性に対し、悪
影響を及ぼすことが知られている。
ン、低電力を目的として、接触帯電方法が、実用化され
てきている。接触帯電方法は、感光体に102〜1010
Ω・cm程度の抵抗を持つ帯電部材に、直流もしくは交
流を重畳した直流電圧を印加し、感光体に加圧当接さ
せ、電荷を付与する方法である。この帯電方法は、パッ
シェンの法則に従い、帯電部材から被帯電体への放電に
よって行われるため、あるしきい値電圧以上の電圧を印
加することによって帯電が開始される。この接触帯電方
法は、コロナ帯電方法と比較すると、帯電部材への印加
電圧は低くなるが、放電が伴うために、少量のオゾン及
び窒素酸化物が発生する。
光体への電荷の直接注入による帯電方式が特開平6−0
03921号公報に開示されている。この帯電方式は、
電荷注入層を感光体表面に設け、帯電ローラ、帯電ブラ
シ、帯電磁気ブラシ等の接触導電部材に電圧を印加し、
電荷を接触により、注入帯電を行なう方法である。この
帯電方式では、ほとんど放電現象を伴わずに、印加電圧
に対して、ほぼ1対1の帯電が可能なため、従来の接触
帯電方式と比べると、オゾン、NOx発生量が、非常に
少なく、低電力の優れた帯電方式である。これらの電荷
注入帯電を行うために感光体に設けられる電荷注入層
は、樹脂中に、酸化すずなどの金属酸化物を分散させた
ものが用いられている。これらの金属酸化物と樹脂で構
成される電荷注入層は、金属酸化物の分散ムラなどによ
り、感光体表面の帯電ムラが生じやすく、さらに、接触
帯電部やトナー現像部、転写部での接触による耐久性が
劣ることが明らかとなった。
素酸化物の発生量が少なく、低電力であり、さらに長期
的に安定した画像形成を行うことができる電子写真感光
体、画像形成装置、電子写真用プロセスカートリッジ及
び画像形成方法を提供することをその課題とする。
真感光体が導電性支持体上に少なくとも感光層及び表面
保護層を順次積層した構成で、かつ該電子写真感光体に
接触配置される帯電部材に電圧を印加することにより注
入帯電する電子写真感光体において、表面保護層が水素
を含有するダイヤモンド状カーボン及び/又は非晶質カ
ーボン構造を有する微粒子を含有することを特徴とする
電子写真感光体に関する。本発明の第2は、該電子写真
感光体の表面保護層の体積抵抗が、109〜101 2Ω・
cmの範囲であることを特徴とする前記第1の電子写真
感光体に関する。本発明の第3は、該電子写真感光体の
表面保護層の膜厚が0.5〜5μmであることを特徴と
する前記第1又は第2の電子写真感光体に関する。
電子写真感光体を使用するとともに、電荷注入帯電方法
を用いたことを特徴とする画像形成装置に関する。本発
明の第5は、前記1〜3のいずれかの電子写真感光体を
使用するとともに、電荷注入帯電方法を用いたことを特
徴とする電子写真用プロセスカートリッジに関する。本
発明の第6は、前記1〜3のいずれかの電子写真感光体
を使用するとともに、電荷注入帯電方法を用いたことを
特徴とする画像形成方法に関する。
する。図1〜3は本発明の電子写真用感光体の模式的断
面図である。図1は導電性基体上に感光層、表面保護層
を設けた構成のものである。図2は感光層が電荷発生層
(CGL)と電荷輸送層(CTL)より構成される機能
分離型タイプのもの、図3は導電性基体と機能分離型タ
イプの感光層のCGL、CTLの間に下引き層を入れた
ものである。なお、本発明の電子写真用感光体は少なく
とも導電性支持体上に感光層と表面保護層を少なくとも
有していれば、感光層と表面保護層以外の層を有してい
ても良く、また、感光層のタイプは任意に組み合わされ
ていても構わない。
れる導電性支持体としては、導電体あるいは導電処理を
した絶縁体、例えばAl、Fe、Cu、Auなどの金
属、あるいはそれらの合金の他、ポリエステル、ポリカ
ーボネート、ポリイミド、ガラス等の絶縁性基体上にA
l、Ag、Au等の金属あるいはIn2O3、SnO2等
の導電材料の薄膜を形成したもの、導電処理をした紙等
が使用できる。導電性支持体の形状は特に制約はなく板
状、ドラム状あるいはベルト状のいずれのものも使用で
きる。
間に設けられる下引き層は、接着性を向上する、モアレ
などを防止する、上層の塗工性を改良する、残留電位を
低減するなどの目的で設けられる。下引き層は一般に樹
脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を
溶剤を用いて塗布することを考えると、一般の有機溶剤
に対して耐溶解性の高い樹脂であることが望ましい。こ
のような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイ
ン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合
ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可
溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−
メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成
する硬化型樹脂などが挙げられる。また、酸化チタン、
シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化
インジウム等で例示できる金属酸化物、あるいは金属硫
化物、金属窒化物などの微粉末を加えてもよい。これら
の下引き層は、適当な溶媒、塗工法を用いて形成するこ
とができる。更に本発明の下引き層として、シランカッ
プリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリン
グ剤等を使用して、例えばゾル−ゲル法等により形成し
た金属酸化物層も有用である。この他に、本発明の下引
き層には Al2O3を陽極酸化にて設けたものや、ポリ
パラキシリレン(パリレン)等の有機物や、SnO2,
TiO2,ITO,CeO2等の無機物を真空薄膜作製法
にて設けたものも良好に使用できる。下引き層の膜厚は
0.1〜5μmが適当である。
られる感光層の種類は、Se系、OPC系等のいずれも
が適用できる。特に、環境及び安価なOPCが、良好で
ある。これらのうちOPC系について以下に簡単に説明
する。本発明における感光層は、単層型でも積層型でも
よいが、ここでは積層型について述べる。はじめに、電
荷発生層について説明する。電荷発生層は、電荷発生物
質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を
用いることもある。電荷発生物質としては、無機系材料
と有機系材料を用いることができる。無機系材料には、
結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、
セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物等が挙
げられる。一方、有機系材料としては、公知の材料を用
いることが出来る。例えば、金属フタロシアニン、無金
属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレ
ニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾ
ール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を
有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔
料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオ
レノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を
有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔
料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔
料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペ
リレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔
料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフ
ェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系
顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系
顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられ
る。これらの電荷発生物質は、単独又は2種以上の混合
物として用いることが出来る。
樹脂を用いても良い。バインダー樹脂としては、ポリア
ミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリ
カーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビ
ニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケ
トン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、
ポリアクリルアミドなどが用いられる。これらのバイン
ダー樹脂は、単独又は2種以上の混合物として用いるこ
とが出来る。また、必要に応じて電荷輸送物質を添加し
てもよい。また、電荷発生層のバインダー樹脂として上
述のバインダー樹脂の他に、高分子電荷輸送物質が良好
に用いられる。
作製法と溶液分散系からのキャスティング法とが大きく
挙げられる。前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電
重合法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、
反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、上述
した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。ま
た、後述のキャスティング法によって電荷発生層を設け
るには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を
必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、
シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタ
ノン等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サン
ドミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布す
ることにより、形成できる。塗布は、浸漬塗工法やスプ
レーコート、ビードコート法などを用いて行なうことが
できる。以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚
は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは
0.05〜2μmである。
送層は帯電電荷を保持させ、かつ露光により電荷発生層
で発生分離した電荷を移動させて保持していた帯電電荷
と結合させることを目的とする層である。帯電電荷を保
持させる目的達成のために電気抵抗が高いことが要求さ
れ、また保持していた帯電電荷で高い表面電位を得る目
的を達成するためには、誘電率が小さく、かつ電荷移動
性が良いことが要求される。これらの要件を満足させる
ための電荷輸送層は、電荷輸送物質及び必要に応じて用
いられるバインダー樹脂より構成される。これらの電荷
輸送物質及びバインダー樹脂を適当な溶剤に溶解ないし
分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。
必要により電荷輸送物質及びバインダー樹脂以外に、可
塑剤、酸化防止剤、レベリング剤等を適量添加すること
もできる。
子輸送物質とがある。電子輸送物質としては、たとえば
クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、
テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−
9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9
−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサン
トン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,
6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チ
オフェン−4オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチ
オフェン−5,5−ジオキサイドなどの電子受容性物質
が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独又は2種
以上の混合物として用いることが出来る。正孔輸送物質
としては、以下に表わされる電子供与性物質が挙げら
れ、良好に用いられる。たとえば、オキサゾール誘導
体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ト
リフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノス
チリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジ
ルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、
スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェ
ニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾー
ル誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベン
ゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェ
ン誘導体などが挙げられる。これらの正孔輸送物質は、
単独又は2種以上の混合物として用いることが出来る。
うな構造を有するものが挙げられる。 (a)カルバゾール環を有する重合体 例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、特開昭50−
82056号公報、特開昭54−9632号公報、特開
昭54−11737号公報、特開平4−175337号
公報、特開平4−183719号公報、特開平6−23
4841号公報に記載の化合物等が例示される。 (b)ヒドラゾン構造を有する重合体 例えば、特開昭57−78402号公報、特開昭61−
20953号公報、特開昭61−296358号公報、
特開平1−134456号公報、特開平1−17916
4号公報、特開平3−180851号公報、特開平3−
180852号公報、特開平3−50555号公報、特
開平5−310904号公報、特開平6−234840
号公報に記載の化合物等が例示される。 (c)ポリシリレン重合体 例えば、特開昭63−285552号公報、特開平1−
88461、特開平4−264130、特開平4−26
4131、特開平4−264132、特開平4−264
133、特開平4−289867に記載の化合物等が例
示される。 (d)トリアリールアミン構造を有する重合体 例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−ア
ミノポリスチレン、特開平1−134457号公報、特
開平2−282264号公報、特開平2−304456
号公報、特開平4−133065号公報、特開平4−1
33066号公報、特開平5−40350号公報、特開
平5−202135号公報に記載の化合物等が例示され
る。 (e)その他の重合体 例えば、ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体、特
開昭51−73888号公報、特開昭56−15074
9号公報、特開平6−234836号公報、特開平6−
234837号公報に記載の化合物等が例示される。
重合体は、上記重合体だけでなく、公知単量体の共重合
体や、ブロック重合体、グラフト重合体、スターポリマ
ーや、また、例えば特開平3−109406号公報に開
示されているような電子供与性基を有する架橋重合体等
を用いることも可能である。また、本発明に用いられる
高分子電荷輸送物質として更に有用なトリアリールアミ
ン構造を有するポリカーボネート、ポリウレタン、ポリ
エステル、ポリエーテルとしては以下に記載の化合物が
例示される。例えば、特開昭64−1728号公報、特
開昭64−13061号公報、特開昭64−19049
号公報、特開平4−11627号公報、特開平4−22
5014号公報、特開平4−230767号公報、特開
平4−320420号公報、特開平5−232727号
公報、特開平7−56374号公報、特開平9−127
713号公報、特開平9−222740号公報、特開平
9−265197号公報、特開平9−211877号公
報、特開平9−304956号公報等がある。
樹脂としては、ポリカーボネート(ビスフェノールAタ
イプ、ビスフェノールZタイプ)、ポリエステル、メタ
クリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、塩化ビニ
ル、酢酸ビニル、ポリスチレン、フェノール樹脂、エポ
キシ樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、アルキ
ッド樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポ
リビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリアク
リレート、ポリアクリルアミド、フェノキシ樹脂などが
用いられる。これらのバインダーは、単独又は2種以上
の混合物として用いることが出来る。電荷輸送層の膜厚
は、5〜100μm程度が適当である。本発明における
電荷輸送層中に、ゴム、プラスチック、油脂類などに用
いられる他の酸化防止剤や可塑剤を添加していてもかま
わない。電荷輸送層中にレベリング剤を添加してもかま
わない。レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオ
イル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーン
オイル類や、測鎖にパーフルオロアルキル基を有するポ
リマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量は、
バインダー樹脂100重量部に対して、0〜1重量部が
適当である。
べる。キャスティング法で単層感光層を設ける場合、多
くは電荷発生物質と低分子ならびに高分子電荷輸送物質
を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥す
ることにより形成できる。電荷発生物質ならびに電荷輸
送物質には、前述の材料を用いることができる。また、
必要により可塑剤を添加することもできる。更に、必要
に応じて用いることの出来るバインダー樹脂としては、
先に電荷輸送層で挙げたバインダー樹脂をそのまま用い
る他に、電荷発生層で挙げたバインダー樹脂を混合して
用いてもよい。単層感光体の膜厚は、5〜100μm程
度が適当である。
ド状カーボン若しくは非晶質カーボン構造を有する微粒
子を含有する。微粒子は、好ましくはSP3軌道を有す
るダイアモンドと類似のC−C結合を有する方が望まし
い。なお、SP2軌道を有するグラファイトと類似の構
造を持つ膜でも構わないし、更に非晶質性のものでも構
わない。また窒素、フッ素、硼素、リン、塩素、臭素、
沃素等の添加物元素が含有されていてもかまわない。表
面保護層の体積抵抗は、好ましくは109〜1012Ω・
cm、さらに好ましくは1010〜1011Ω・cmであ
る。体積抵抗を前記範囲のものとすることにより、異常
画像が少なく、良好な注入帯電が可能な電子写真感光体
が得られた。表面保護層の膜厚は、好ましくは0.5〜
5μmである。表面保護層の膜厚を前記範囲のものとす
ることにより、異常画像が少なく、耐スクラッチ性が向
上した電子写真感光体が得られた。
しくは非晶質カーボン構造を有する微粒子を作製すると
きには、炭化水素ガス(メタン、エタン、エチレン、ア
セチレン等)を主材料として、H2、Ar等のキャリア
ガスを用いる。更に、添加物元素を供給するガスとして
は、減圧下で気化できるもの、加熱することにより気化
できるものであれば構わない。例えば窒素を供給するガ
スとしてNH3、N2等を用い、フッ素を供給するガスと
してC2F6、CH3F等を用い、硼素を供給するガスと
してはB2H6等を用い、リンを供給するガスとしてはP
H3等を用い、塩素を供給するガスとしてはCH3Cl、
CH2Cl2、CHCl3、CCl4等を用い、臭素を供給
するガスとしてはCH3Br等を用い、沃素を供給する
ガスとしては、CH3I等を用いることができる。ま
た、添加物元素を複数供給するガスとしては、NF3、
BCl3、BBr、BF3、PF3、PCl3等を用いる。
上記のようなガスを用い、プラズマCVD法、グロー放
電分解法、光CVD法などやグラファイト等をターゲッ
トとしたスパッタリング法等により形成される。このよ
うに作製した水素を含有するダイヤモンド状カーボン若
しくは非晶質カーボン構造を有する微粒子をバインダー
樹脂を、適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、
乾燥することにより形成できる。必要により電荷輸送物
質及びバインダー樹脂以外に、可塑剤、酸化防止剤、レ
ベリング剤等を適量添加することもできる。
しては、ポリカーボネート(ビスフェノールAタイプ、
ビスフェノールZタイプ)、ポリエステル、メタクリル
樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、塩化ビニル、酢酸
ビニル、ポリスチレン、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、アルキッド樹
脂、シリコン樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポリビニ
ルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリアクリレー
ト、ポリアクリルアミド、フェノキシ樹脂などが用いら
れる。これらのバインダーは、単独又は2種以上の混合
物として用いることが出来る。
明する。本発明の帯電方法は、放電現象を伴わない接触
帯電方法である。つまり、接触帯電装置への印加電圧に
対応した電位で感光体を帯電出来る電荷注入帯電方法で
ある。この方法は、放電を伴わないために、オゾンや窒
素酸化物発生が少なく、また感光体を帯電させるための
印加電圧も、従来の接触帯電方法を用いたプロセスより
も更に低いため、省エネルギーである。使用される感光
体には、前述した最表層に電荷注入層の機能を有する表
面保護層が設けられる。電荷注入層は、いわゆるコンデ
ンサーの電極的役割を果たす。この電極に対して、導電
性の接触帯電部材を当接させ、電圧を印加すると、電荷
を注入することが可能となる。このような電荷注入層が
ない場合、感光体表面には、電極となりうるものがな
く、十分な電荷注入が出来ない。電荷注入層を感光層表
面に設けることにより、電荷注入層下の感光層面に均一
なチャージシートを形成することが可能となる。電荷注
入層には接触帯電装置により印加された電荷を速やかに
感光層表層に移動させ、均一なチャージシートを形成す
る特性が要求される。均一なチャージシートを形成させ
るためには電荷注入層及び接触帯電装置双方に均一な接
触性、ニップ、接触抵抗、部材の体積固有抵抗等の特性
が必要であり、それらの特性を好適な範囲に設定する必
要がある。
式例がある。図4(I)は磁気ブラシ帯電方法、図4
(II)は(導電性)ブラシ帯電方法、図4(III)は導電
性のソフトローラーを使用したローラー帯電方法、図4
(IV)は固定式(ブレード式)の帯電方法、図4(V)
は2本のローラーを使用し導電性ベルトを使用したベル
ト式帯電方法である。感光体を均一に放電を伴わずに帯
電するためには、適正な印加電圧で感光体との必要なニ
ップを確保し、感光体と帯電器の空隙を出来るだけ減ら
し、接触を出来る限り密にする必要がある。
N極の磁石を交互に配置したマグネットローラーにアル
ミニウムやベークライトなどの非磁性材のスリーブを被
覆し構成された磁性ローラーに20〜150μm程度の
球形もしくはほぼ球形のフェライト、酸化マンガン、γ
酸化第II鉄などの磁性微粒子、もしくはそれらにポリエ
ステル樹脂やフッ素樹脂などの流動性改善、保護層等を
目的として被覆された微粒子を1から5mm程度の厚さに
吸引し、層形成されたものが使用される。前記微粒子の
抵抗値は通常105Ω・cm〜1010Ω・cmの範囲の
もので、抵抗の低い方が電荷注入性は良好である。磁気
ブラシを使用することによって、クリーニングレスのプ
ロセスを形成することも可能である。
ン、アクリル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリア
クリルニトリル等の繊維をカーボンや硫化銅等で導電処
理したり、酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタンなどの導電性
フィラーを練り込んだ繊維と紡糸したり、さらには金属
糸を編み込んだりした部材を用いブラシ状化される。ま
た、繊維を不活性ガス雰囲気中で焼成した炭素繊維や活
性炭素繊維等も使用できる。接触帯電装置の部材の抵抗
は102Ω・cm〜1010Ω・cmの範囲のものが好ま
しい。炭素繊維や活性炭素繊維は焼成温度で堆積固有抵
抗を自由に変化させることが可能である。炭素成分が9
0%以上にも成ると、抵抗が102Ω・cm程度と極め
て低くなる。したがって、感光体にピンホールがある場
合には放電破壊の危険性があるが、低い電圧で使用する
場合には問題ない。通常は100KΩ〜5MΩ程度の保
護抵抗を電圧供給源との間に直列に挿入して使用する。
は感光体とのニップを稼ぐのと、感光体との密着性を良
好にする為に好適である。ソフトローラーの材質は軟質
性のゴムやソフトフォーム(ウレタン系のスポンジやフ
ォームなど)等が使用され、表層もしくは層全体に導電
処理が施される。導電処理材としてはSnO2やTi
O2、ZnO2、カーボンブラックなどの導電性フィラ
ー、炭素繊維、活性炭素繊維などの導電性繊維などがあ
る。
方法は感光体を摺擦するような形式で帯電する方法で、
前述した部材は殆ど使用可能である。構成としては、例
えば、スポンジやフォームのような弾性部材に帯電部材
として織り目の細かい炭素繊維や活性炭素繊維(ユニチ
カ、東邦レーヨン、同ベスロン等で制作、東邦レーヨン
の例ではFW210や同310など)を被覆するような
形として、感光体に当接させ帯電を行う。
のニップを稼ぐのに良好な手段である。使用できる材料
は、導電性ブラシ帯電方法、ローラー帯電方法で説明し
たような部材が使用できる。感光体との接触に必要なニ
ップは幅広いほど好ましいが、通常は3mm〜10mm
程度以上あれば良く、感光体に均等に、均一に接触する
ようにするのが望ましい。以上述べた各種部材を帯電部
材として使用した場合の体積固有抵抗は102Ω・cm
〜1010Ω・cmが望ましく、好ましくは108Ω・c
m以下がよい。抵抗が高い程、電荷注入性が低下する。
低すぎる場合には、電荷注入性は問題ないが、感光体に
ピンホールが有った場合に、電源ブレークや画像上に横
黒筋が発生する危険性がある。通常は感光体の帯電々位
は−500〜−800V程度であるため、放電破壊に対
する危険性は小さく、オゾンが発生したとしても極めて
少ないため、実用上の影響は小さい。
む一般的な電子写真プロセスに用いることが出来る。次
に本発明の電子写真プロセスの例として電子写真プロセ
スカートリッジを説明する。電子写真プロセスカートリ
ッジは、帯電部、現像部、クリーニング部等のユニット
が、一体構成となっているもので、取り付け、取り外し
などが、簡便となる。図5は、その電子写真プロセスカ
ートリッジの一例である。この模式断面図の説明に沿っ
て、本発明の電子写真プロセスを説明する。図中11は
本発明の電子写真用感光体である。まず帯電装置[本図
の帯電装置は図4(III)の帯電器に相当]12によ
り、感光体11は、注入帯電する。感光体11が帯電さ
れた後、イメージ露光13を受け、露光された部分で、
電荷が発生し、感光体11表面に静電潜像が形成され
る。感光体11表面に静電潜像を形成した後、現像ロー
ラー14を介して現像剤と接触し、トナー像を形成す
る。感光体11表面に形成されたトナー像は、転写ロー
ラー16により紙などの転写部材15へ転写され、定着
ユニット19を通過してハードコピーとなる。電子写真
用感光体11上の残留トナーはクリーニングユニット1
7により除去され、残留電荷は除電ランプ18で除かれ
て、次の電子写真サイクルに移る。本画像形成方法及び
感光体を用いる電子写真プロセスは、上記一例に限定さ
れるものではなく、少なくとも、帯電及び露光により、
静電潜像を形成するプロセスであれば、どのようなもの
であってもかまわない。特にこの画像形成方法では、ト
ナーの転写効率を上げ、転写後残留するトナーを、クリ
ーニングユニットを用いずに、帯電装置や現像装置で回
収するクリーナーレスである方が、感光体に対し、機械
的負荷が小さいため、望ましい。
により本発明の態様が限定されるものではない。部はい
ずれも重量基準である。
キッド、メラミン樹脂中に分散させ(酸化チタン:アル
キッド樹脂:メラミン樹脂=20:3:2)、膜厚4.
0μmの下引き層を作製した。この下引き層上にオキソ
チタニウムフタロシアニン顔料をポリビニルブチラール
樹脂中に分散させ(オキソチタニウムフタロシアニン顔
料:ポリビニルブチラール樹脂=5:2)、電荷発生層
を作製した。この電荷発生層上に下記構造の低分子電荷
輸送物質をビスフェノールA型ポリカーボネート分散さ
せ(低分子電荷輸送物質:ビスフェノールA型ポリカー
ボネート=9:10)、膜厚30μmの電荷輸送層を作
製した。
製した水素を含有するダイヤモンド状カーボン若しくは
非晶質カーボン構造を有する微粒子を光硬化性アクリル
樹脂中に分散させ(微粒子:光硬化性アクリル樹脂=
1:2)、膜厚2.5μmの表面保護層を作製した。 反応ガス :C2H4、H2 反応圧力 :0.03torr
施例1と同じにして作製した。
施例1と同じにして作製した。
カーボン構造を有する微粒子の作製条件を以下の条件に
し、微粒子と光硬化性アクリル樹脂分散比率を3:2に
すること以外は全て実施例1と同様にして作製した。 反応ガス :C2H4、H2、NF3 反応圧力 :0.01torr
ーボン若しくは非晶質カーボン構造を有する微粒子の作
製条件を以下の条件にすること以外は全て実施例1と同
様にして作製した。 反応ガス :CH4 反応圧力 :0.02torr
して作製した。
カーボン構造を有する微粒子の代わりにSnO2と光硬
化性アクリル樹脂を主成分とする膜厚2.5μmの電荷
注入層を設けること以外は全て実施例1と同様に作製し
た。
MF2200改造機を用いて、評価を行った。イマジオ
MF2200改造機 帯電部を図4(IV)に示す固
定式帯電方法とした。(帯電部材:東邦レーヨン製FW
210、イノアックコーポレーション製SP−80)
の体積抵抗測定(500VDC、一分値)を測定した。
その結果を以下に示す。 実施例1 2.1×1011Ω・cm2 実施例4 3.2×107Ω・cm2 実施例5 9.0×1013Ω・cm2
感光体とイマジオMF2200改造機を用いて、帯電器
の印加電圧と感光体の帯電電位の関係を調べた。評価結
果を図6に示す。
オMF2200改造機を用いて、初期における画像特性
を調査した。(帯電電位600V) 実施例1 特に問題なし 実施例2 特に問題なし 実施例3 画像太りが発生し、細線再現性が低下した。 実施例4 画像流れが発生した。 実施例5 特に問題なし
イマジオMF2200改造機を用いて、5万枚(A4)
通紙試験を行った。通紙後の感光体の摩耗量を調査し
た。 実施例1 0.52μm 比較例2 0.89μm
オMF2200改造機を用いて、3万枚(A4)通紙試
験を行った。通紙後の感光体の外観と画像特性を評価し
た。 実施例1 数本の筋状の傷(スクラッチ)が確認さ
れたが、感光層に到達する深さのものはなく、画像に対
して影響なかった。 実施例2 数本のスクラッチが確認され、一部感光
層に到達する深さのものもあり、異常画像が発生した。 実施例3 数本のスクラッチが確認されたが、感光
層に到達する深さのものはなく、初期に見られた画像太
り以外の異常画像はなかった。
マジオMF2200改造機を用いて、4万枚(A4)通
紙試験を行った。通紙前後の露光部電位の変化量を調査
した。(ΔVL=通紙後の露光部電位−初期の露光部電
位) 実施例1 −34V 実施例4 −5V 実施例5 −58V
イマジオMF2200改造機を用いて、所定のハーフト
ーン画像をとり、評価した。比較例2の感光体に比べ、
実施例1の感光体を用いた画像は、画像ムラやざらつき
が少なかった。
モンド状カーボン若しくは非晶質カーボン構造を有する
微粒子を含有するとしたことにより、耐摩耗性及び画像
特性が向上し、良好な注入帯電が可能な電子写真感光体
が得られた。 2.請求項2 電子写真用感光体の表面保護層の体積抵抗が、109〜
1012Ωcmの範囲としたことから、異常画像が少な
く、良好な注入帯電が可能な電子写真感光体が得られ
た。 3.請求項3 表面保護層の膜厚を0.5〜5μmとすると、異常画像
が少なく、耐スクラッチ性が向上した電子写真感光体が
得られた。 4.請求項4 オゾンや窒素酸化物の発生量が少なく、低電力である画
像形成装置が得られた。 5.請求項5 オゾンや窒素酸化物の発生量が少なく、低電力である電
子写真用プロセスカートリッジが得られた。 6.請求項6 オゾンや窒素酸化物の発生量が少なく、低電力である画
像形成方法が得られた。
を示す模式断面図である。
を示す模式断面図である。
を示す模式断面図である。
す模式断面図である。
ロセスの例を示す模式断面図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 電子写真感光体が導電性支持体上に少な
くとも感光層及び表面保護層を順次積層した構成で、か
つ該電子写真感光体に接触配置される帯電部材に電圧を
印加することにより注入帯電する電子写真感光体におい
て、表面保護層が水素を含有するダイヤモンド状カーボ
ン及び/又は非晶質カーボン構造を有する微粒子を含有
することを特徴とする電子写真感光体。 - 【請求項2】 該電子写真感光体の表面保護層の体積抵
抗が、109〜101 2Ω・cmの範囲であることを特徴
とする請求項1記載の電子写真感光体。 - 【請求項3】 該電子写真感光体の表面保護層の膜厚が
0.5〜5μmであることを特徴とする請求項1又は2
に記載の電子写真感光体。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の電子写
真感光体を使用するとともに、電荷注入帯電方法を用い
たことを特徴とする画像形成装置。 - 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載の電子写
真感光体を使用するとともに、電荷注入帯電方法を用い
たことを特徴とする電子写真用プロセスカートリッジ。 - 【請求項6】 請求項1〜3のいずれかに記載の電子写
真感光体を使用するとともに、電荷注入帯電方法を用い
たことを特徴とする画像形成方法。
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