JP4274510B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、接触配置される帯電部材に電圧を印加することにより、電子写真用感光体を注入帯電する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電子写真における帯電方法としては、コロナ帯電方法や接触帯電方法が使用されてきた。コロナ帯電方法には、コロトロン方式とグリッドを有するスコロトロン方式があり、金属板で遮蔽されたハウジングの中央に張架されたタングステンやニッケルのチャージワイヤーに、直流もしくは交流を重畳した直流電圧を印加することによりコロナ放電を起こし、感光体を帯電する方法である。
しかしこの方法では、チャージワイヤーに高電圧を印加するために、オゾンや窒素酸化物などが生成される。この生成物は、環境的側面ばかりでなく、感光体に対しても、耐久性や画像特性に対し、悪影響を及ぼすことが知られている。
【0003】
近年、この方法に代わり、低オゾン、低電力を目的として、接触帯電方法が実用化されてきている。接触帯電方法は、102〜1010Ω・cm程度の抵抗を持つ帯電部材に直流電圧又は交流を重畳した直流電圧を印加し、感光体に加圧当接させ、電荷を付与する方法である。
この帯電方法は、パッシェンの法則に従い、帯電部材から被帯電体への放電によって行われるため、あるしきい値電圧以上の電圧を印加することによって帯電が開始される。この接触帯電方法は、コロナ帯電方法と比較すると、帯電部材への印加電圧は低くなるが、放電が伴うために、少量のオゾン及び窒素酸化物が発生する。
このために、新たなる帯電方式として、感光体への電荷の直接注入による帯電方式が開発されている。この帯電方式は、電荷注入層を感光体表面に設け、帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電磁気ブラシ等の接触導電部材に電圧を印加し、接触により電荷を直接注入し帯電を行なう方法である。この帯電方式では、ほとんど放電現象を伴わずに、印加電圧に対して、ほぼ1対1の帯電が可能なため、従来の接触帯電方式と比べると、オゾン、NOx発生量が非常に少なく、低電力の優れた帯電方式である。
【0004】
本発明に属する感光体への電荷の直接注入による帯電方式に関連した従来技術としては、例えば以下のものが挙げられる。
1.特開平6−3921号公報(キャノン)
接触帯電+注入層(酸化スズ分散膜)によりオゾン発生の無い電子写真装置を提供する。注入層として酸化チタンの実施例の開示があるが、注入層に用いる酸化スズ、酸化チタンの粒径については記載がない。実施例の注入層膜厚は10μmと記載されており画像の解像度が十分得られない。
2.特開平08−334908号公報(コニカ)
モース硬度5以上の平均粒径0.05〜2μmの無機粒子含有表面層を設けることにより感光体の耐摩耗性を向上させることが開示されている。無機粒子としてシリカを含有しているため電荷の直接注入が出来ない。
【0005】
3.特開平08−50394号公報(キャノン)
磁性導電性粒子含有ブラシ状接触帯電部材+導電性微粒子を分散した電荷注入層により帯電の均一性、安定性を得る。本文中には注入層として酸化チタン、導電性微粒子の平均粒径として0.1〜0.3μm、体積抵抗が109〜1014Ω・cmの開示がある。磁性導電性粒子含有ブラシ状接触帯電部材のため、繰返使用によりブラシによる傷が注入層表面に生じ、画像不良となる。
4.特開平08−69155号公報(キャノン)
特定のフェライト成分含有帯電用磁性粒子+感光体の電荷注入層により、汚れにくく長期に渡って良好な帯電特性を維持することが出来る帯電用磁性粒子及び電子写真装置を提供する。本文中には注入層として酸化チタン、導電性微粒子の平均粒径として0.1〜0.3μm、注入層膜厚1〜7μmの開示がある。導電性微粒子の平均粒径として0.1〜0.3μmの記載があるが、実際には0.3μm以下ではトナーフィルミングが発生してしまう。また磁性導電性粒子含有ブラシ状接触帯電部材のため、繰返使用によりブラシによる傷が注入層表面に生じ、画像不良となる。
5.特開平09−73212号公報(キャノン)
注入層の厚さ方向の伝導度に分布を持たせることにより低湿環境下で十分な帯電性能を得ると共に高湿環境において画像流れを防止する。帯電には磁気ブラシ帯電を用いる。本文中には注入層として酸化チタン、導電性微粒子の平均粒径として0.1〜0.3μmの開示があるが、0.3μm以下ではトナーフィルミングが発生してしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、繰返し使用においてもトナーフィルミング、画像ボケ、注入層表面の傷等を防止し安定した注入帯電が可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1は、導電性支持体上に感光層及び表面保護層を順次積層した構成を持つ電子写真用感光体と該電子写真用感光体に接触配置される帯電部材を少なくとも有して構成され、かつ前記帯電部材に電圧を印加することにより電子写真用感光体を注入帯電する画像形成装置において、該電子写真用感光体の表面保護層が、平均粒径0.32〜0.7μmの導電性微粒子を含有し、該表面保護層の、金に対する接触電位差の絶対値が190mV以下、体積抵抗が10 9 〜10 12 Ω・cm、膜厚が1.2〜2.8μmであることを特徴とする画像形成装置にある。
【0008】
本発明の第2は、導電性微粒子が酸化チタン系金属酸化物であることを特徴とする前記第1の画像形成装置にある。
本発明の第3は、画像形成装置が反転現像方式の画像形成装置であることを特徴とする前記第1又は2の画像形成装置にある。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の電子写真装置の模式断面図である。
図中11は本発明に用いる電子写真用感光体である。まず帯電装置12により、感光体11に、注入帯電する。感光体が帯電された後、イメージ露光13を受けて露光された部分で電荷が発生し、感光体表面に静電潜像が形成される。感光体表面に静電潜像を形成した後、現像ローラ14を介して現像剤と接触し、トナー像を形成する。感光体表面に形成されたトナー像は、転写ローラ16により紙などの転写部材15へ転写され、定着ユニット19を通過してハードコピーとなる。電子写真用感光体11上の残留トナーはクリーニングユニット17により除去され、残留電荷は除電ランプ18で除かれて、次の電子写真サイクルに移る。本発明の画像形成装置は帯電部、現像部、クリーニング部等のユニットが、一体構成となっているプロセスカートリッジを構成していても良い。プロセスカートリッジにすることにより取り付け、取り外しなどが簡便となる。本発明の画像形成装置を用いる電子写真プロセスは、上記一例に限定されるものではなく、少なくとも、帯電及び露光により、静電潜像を形成するプロセスであれば、どのようなものであっても構わない。特に前記電子写真プロセスでは、トナーの転写効率を上げ、転写後残留するトナーを、クリーニングユニットを用いずに帯電装置や現像装置で回収するクリーナーレスである方が、感光体に対し機械的負荷が小さいため望ましい。
【0010】
次に、本発明の画像形成装置における接触帯電手段について説明する。
本発明の接触帯電手段は、接触帯電装置への印加電圧に対応した電位で感光体を帯電出来る電荷注入帯電手段である。この手段は、放電を伴わないために、オゾンや窒素酸化物発生が少なく、また感光体を帯電させるための印加電圧も、従来の接触帯電手段を用いたプロセスよりも更に低いため、省エネルギーである。
使用される感光体には、前述した最表層に電荷注入層の機能を有する表面保護層が設けられる。電荷注入層は、いわゆるコンデンサーの電極的役割を果たす。この電極に対して、導電性の接触帯電部材を当接させ、電圧を印加すると、電荷を注入することが可能となる。このような電荷注入層がない場合、感光体表面には電極となり得るものがなく、十分な電荷注入が出来ない。
【0011】
電荷注入層を感光層表面に設けることにより、電荷注入層下の感光層面に均一なチャージシートを形成することが可能となる。電荷注入層には接触帯電装置により印加された電荷を速やかに感光層表層に移動させ、均一なチャージシートを形成する特性が要求される。
均一なチャージシートを形成させるためには、電荷注入層及び接触帯電装置双方に均一な接触性、ニップ、接触抵抗、部材の体積固有抵抗等の特性が要求され、それらの特性を好適な範囲に設定する必要がある。
【0012】
接触帯電手段としては、図2に示すような方式例がある。
(I)は磁気ブラシ帯電方式、(II)は導電性ブラシ帯電方式、(III)は導電性のソフトローラを使用したローラ帯電方式、(IV)は固定式(ブレード式)の帯電方式、(V)は2本のローラを使用し、導電性ベルトを使用したベルト式帯電方式である。
感光体を均一に放電を伴わずに帯電するためには、適正な印加電圧で感光体との必要なニップを確保し、感光体と帯電器の空隙を出来るだけ減らし、接触を出来る限り密にする必要がある。
前記(I)の磁気ブラシ帯電方式は、S、N極の磁石を交互に配置したマグネットローラにアルミニウムやベークライトなどの非磁性材のスリーブを被覆し、構成された磁性ローラに、20〜150μm程度の球形又はほぼ球形のフェライト、酸化マンガン、γ酸化第II鉄などの磁性微粒子、もしくはそれらにポリエステル樹脂やフッ素樹脂などを流動性改善や保護等の目的で被覆した微粒子を1〜5mm程度の厚さに吸引して層形成したものが使用される。前記微粒子の抵抗値は通常105〜1010Ω・cmの範囲のもので、抵抗の低い方が電荷注入性は良好である。磁気ブラシを使用することによって、クリーニングレスのプロセスを形成することも可能である。
【0013】
前記(II)の導電性ブラシ帯電方式は、レーヨン、アクリル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアクリルニトリル等の繊維をカーボンや硫化銅等で導電処理したり、酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタンなどの導電性フィラーを練り込んだ繊維と紡糸したり、更には金属糸を編み込んだりした部材を用いてブラシ状化したものを用いる。また、繊維を不活性ガス雰囲気中で焼成した炭素繊維や活性炭素繊維等も使用できる。
接触帯電装置の部材の抵抗は102〜1010Ω・cmの範囲のものが好ましい。
炭素繊維や活性炭素繊維は焼成温度で体積固有抵抗を自由に変化させることが可能である。炭素成分が90%以上にもなると、抵抗が102Ω・cm程度と極めて低くなる。したがって、感光体にピンホールがある場合には放電破壊の危険性があるが、低い電圧で使用する場合には問題ない。通常は100KΩ〜5MΩ程度の保護抵抗を電圧供給源との間に直列に挿入して使用する。
【0014】
前記(III)のソフトローラ帯電方式は、感光体とのニップを稼ぐのと、感光体との密着性を良好にするために好適である。ソフトローラの材質は軟質性のゴムやソフトフォーム(ウレタン系のスポンジやフォームなど)等が使用され、表層もしくは層全体に導電処理が施される。導電処理材としてはSnO2やTiO2、ZnO2、カーボンブラックなどの導電性フィラー、炭素繊維、活性炭素繊維などの導電性繊維などがある。
【0015】
前記(IV)の固定式(ブレード式)の帯電方式は、感光体を摺擦するような形式で帯電する方法で、前述した部材は殆ど使用可能である。その構成としては、例えばスポンジやフォームのような弾性部材に、帯電部材として織り目の細かい炭素繊維や活性炭素繊維(例えば、東邦レーヨン製FW210、310など)を被覆したものを用い、感光体に当接させて帯電を行なう。
前記(V)のベルト式帯電方式は、感光体とのニップを稼ぐのに良好な手段である。使用できる材料としては、導電性ブラシ帯電方法、ローラ帯電方法で説明したのと同様のものが挙げられる。
感光体との接触に必要なニップは幅広いほど好ましいが、通常は3〜10mm程度以上あれば良く、感光体に均等かつ均一に接触するようにするのが望ましい。
【0016】
以上述べた各種部材を帯電部材として使用した場合の体積固有抵抗は102〜1010Ω・cmが望ましく、好ましくは108Ω・cm以下がよい。抵抗が高い程、電荷注入性が低下する。低すぎる場合には、電荷注入性は問題ないが、感光体にピンホールが有った場合に、電源ブレークや画像上に横黒筋が発生する危険性がある。通常は感光体の帯電電位は−500〜−800V程度であるから放電破壊に対する危険性は小さく、オゾンが発生したとしても極めて少ないので実用上の影響は小さい。
本発明の感光体は、電荷注入帯電方法を含む一般的な電子写真プロセスに用いることが出来る。
【0017】
次に本発明の電子写真用感光体の詳細を説明する。
図3〜図5は本発明の電子写真用感光体の模式断面図である。図3は導電性基体上に感光層、表面保護層を設けた構成のもの、図4、図5は各々本発明における他の電子写真用感光体の構成例を示すものである。
図4は感光層が電荷発生層と電荷輸送層より構成される機能分離型タイプのもの、図5は導電性基体と機能分離型タイプの感光層の電荷発生層との間に下引き層を入れたものである。なお、導電性支持体上に感光層と表面保護層を少なくとも有していれば、上記のその他の層、及び感光層のタイプは任意に組み合わされていても構わない。
【0018】
表面保護層は、TiO2、TiO、TiN、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化アンチモン、特に表面を導電処理した酸化チタン等の導電性微粒子と、ポリカーボネート、ポリエステル、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリアクリルアミド等の熱可塑性樹脂、又はフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、アルキッド樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリアクリレート、フェノキシ樹脂等の熱硬化性樹脂から構成される。
導電性微粒子の平均粒径は0.32〜0.7μmとする。透光性の点からは0.3μm以下が好ましいが、トナーフィルミングや画像流れが発生し易い。0.7μmを超えると電荷注入の均一性が得られず、画像のガサツキが生ずる。
【0019】
本発明の表面保護層の、金に対する接触電位差の絶対値が190mV以下であることにより良好な注入帯電が可能となる。
表面保護層の体積抵抗は、109〜1012Ω・cmとする。109Ω・cm未満では画像ボケが、1012Ω・cmを超えると帯電時電荷の注入不良による白ポチ画像が発生する。
導電性微粒子の含有量は、10〜80重量%の範囲が好ましい。該電荷注入層においては、導電性微粒子の分散性向上、接着性又は平滑性の向上を目的として、種々の添加剤を加えることができる。特に、分散性の向上に関して、カップリング剤の添加或いはレベリング剤により導電性微粒子の表面処理を行なうことが非常に有効である。
また同様に、分散性の向上の点よりバインダー樹脂として硬化型樹脂を用いると更に特性が向上する。硬化型樹脂を電荷注入層に用いる場合には、導電性微粒子を硬化型モノマー又はオリゴマーの溶液中に分散した塗工液を感光層上に塗布、成膜後、熱又は光照射によって該塗布膜を硬化させて電荷注入層とする。
表面保護層の膜厚は、1.2〜2.8μmとする。薄すぎると局部的な注入不良による画像欠陥が発生する。また、厚すぎると感光層の繰返使用による残留電位の上昇が懸念される。
【0020】
本発明において電子写真用感光体に使用される導電性支持体としては、導電体或いは導電処理をした絶縁体、例えばAl、Fe、Cu、Auなどの金属、或いはそれらの合金の他、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ガラス等の絶縁性基体上にAl、Ag、Au等の金属或いはIn2O3、SnO2等の導電材料の薄膜を形成したもの、導電処理をした紙等が使用できる。導電性支持体の形状は特に制約はなく、板状、ドラム状又はベルト状の何れのものも使用できる。
【0021】
導電性支持体と感光層との間に設けられる下引き層は、接着性の向上、モアレなどの防止、上層の塗工性の改良、残留電位の低減などの目的で設けられる。
下引き層は一般に樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層が溶剤を用いて塗布されることを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。また、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物、或いは金属硫化物、金属窒化物などの微粉末を加えてもよい。
これらの下引き層は、適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。
更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用して、例えばゾル−ゲル法等により形成した金属酸化物層も有用である。この他に、本発明の下引き層には、Al2O3を陽極酸化により設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物や、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作製法にて設けたものも良好に使用できる。下引き層の膜厚は0.1〜10μmが適当である。
【0022】
この導電性支持体に下引き層を介して設けられる感光層の種類は、Se系、OPC系等の何れもが適用できる。特に、環境に優しく安価なOPCが好ましい。
これらのうちOPC系について以下に簡単に説明する。
本発明における感光層は、単層型でも積層型でもよいが、ここでは積層型について述べる。
始めに、電荷発生層について説明する。
電荷発生層は電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を用いることもある。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
無機系材料には、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物等が挙げられる。
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることが出来る。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。
これらの電荷発生物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることが出来る。
【0023】
電荷発生層に必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが挙げられる。
これらのバインダー樹脂は、単独又は2種以上の混合物として用いることが出来る。
また、電荷発生層のバインダー樹脂として上記のバインダー樹脂の他に、高分子電荷輸送物質が良好に用いられる。更に、必要に応じて電荷輸送物質を添加してもよい
【0024】
電荷発生層を形成する方法としては、真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法が代表的なものである。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電重合法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。
また、後述のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノン等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布すればよい。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート法などを用いて行なうことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
【0025】
電荷輸送層は帯電電荷を保持させ、かつ露光により電荷発生層で発生分離した電荷を移動させて保持していた帯電電荷と結合させることを目的とする層である。帯電電荷を保持させる目的達成のために電気抵抗が高いことが要求され、また保持していた帯電電荷で高い表面電位を得る目的を達成するためには、誘電率が小さく且つ電荷移動性が良いことが要求される。
これらの要件を満足させるための電荷輸送層は、電荷輸送物質及び必要に応じて用いられるバインダー樹脂より構成される。これらの電荷輸送物質及びバインダー樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成する。必要により電荷輸送物質及びバインダー樹脂以外に、可塑剤、酸化防止剤、レベリング剤等を適量添加することもできる。
【0026】
電荷輸送物質としては、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ(1,2−b)チオフェン−4オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどの電子受容性物質が挙げられる。
これらの電子輸送物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることが出来る。
正孔輸送物質としては、以下に示す電子供与性物質、例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。
これらの正孔輸送物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることが出来る。
【0027】
また、電荷輸送層物質として、高分子電荷輸送層物質がある。
高分子電荷輸送層物質としては、以下のような構造を有する重合体が挙げられる。
(a)カルバゾール環を有する重合体
例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール(特開昭50−82056号公報、特開昭54−9632号公報、特開昭54−11737号公報、特開平4−175337号公報、特開平4−183719号公報、特開平6−234841号公報に記載の化合物等)。
(b)ヒドラゾン構造を有する重合体(特開昭57−78402号公報、特開昭61−20953号公報、特開昭61−296358号公報、特開平1−134456号公報、特開平1−179164号公報、特開平3−180851号公報、特開平3−180852号公報、特開平3−50555号公報、特開平5−310904号公報、特開平6−234840号公報に記載の化合物等)。
(c)ポリシリレン重合体(特開昭63−285552号公報、特開平1−88461号公報、特開平4−264130号公報、特開平4−264131号公報、特開平4−264132号公報、特開平4−264133号公報、特開平4−289867号公報に記載の化合物等)。
【0028】
(d)トリアリールアミン構造を有する重合体
例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−アミノポリスチレン(特開平1−134457号公報、特開平2−282264号公報、特開平2−304456号公報、特開平4−133065号公報、特開平4−133066号公報、特開平5−40350号公報、特開平5−202135号公報に記載の化合物等)。
(e)その他の重合体
例えば、ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体(特開昭51−73888号公報、特開昭56−150749号公報、特開平6−234836号公報、特開平6−234837号公報に記載の化合物等)。
【0029】
本発明に使用される電子供与性基を有する重合体は、上記重合体だけでなく、公知単量体の共重合体や、ブロック重合体、グラフト重合体、スターポリマー、更には、例えば特開平3−109406号公報に開示されているような電子供与性基を有する架橋重合体等を用いることも可能である。
また、本発明に用いられる高分子電荷輸送物質として更に有用なトリアリールアミン構造を有するポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテルとしては以下の各公開公報に記載の化合物が例示される。
例えば、特開昭64−1728号公報、特開昭64−13061号公報、特開昭64−19049号公報、特開平4−11627号公報、特開平4−225014号公報、特開平4−230767号公報、特開平4−320420号公報、特開平5−232727号公報、特開平7−56374号公報、特開平9−127713号公報、特開平9−222740号公報、特開平9−265197号公報、特開平9−211877号公報、特開平9−304956号公報等。
【0030】
電荷輸送層に併用できるバインダー樹脂としては、ポリカーボネート(ビスフェノールAタイプ、ビスフェノールZタイプ)、ポリエステル、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、アルキッド樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、フェノキシ樹脂などが用いられる。
これらのバインダーは、単独又は2種以上の混合物として用いることが出来る。
電荷輸送層の膜厚は、5〜100μm程度が適当である。
【0031】
電荷輸送層中に、ゴム、プラスチック、油脂類などに用いられる他の酸化防止剤や可塑剤を添加していても構わない。
電荷輸送層中にレベリング剤を添加しても構わない。レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマー又はオリゴマーが使用され、その使用量は、バインダー樹脂100重量部に対して、0〜1重量部が適当である。
【0032】
次に、感光層が単層構成の場合について述べる。
キャスティング法で単層感光層を設ける場合、多くは電荷発生物質と低分子ならびに高分子電荷輸送物質を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。電荷発生物質及び電荷輸送物質には、前記材料を用いることができる。
また、必要により可塑剤を添加することもできる。更に、必要に応じて用いることの出来るバインダー樹脂としては、先に電荷輸送層で挙げたバインダー樹脂の他に、電荷発生層で挙げたバインダー樹脂を混合して用いてもよい。単層感光体の膜厚は、5〜100μm程度が適当である。
感光層、保護層の塗布方法としては浸漬塗布法、スプレー塗布法、ノズル塗布法、カーテン塗布法等一般的な塗布法が使用可能である。
【0033】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
なお、以下の実施例において、「部」は重量部を意味する。
【0034】
実施例1
下記組成の混合物をボールミルポットに取り、φ10mmアルミナボールを用いて72時間ボールミリングし、下引き層用塗工液を作製した。
これをφ30mm、長さ352mmのアルミドラム状支持体上に浸漬塗布し、135℃で25分間乾燥して、膜厚3.5μmの下引き層を形成した。
【0035】
・酸化チタン(CR−EL;石原産業製) 70部
・アルキッド樹脂 15部
(ベッコライトM6401−50;大日本インキ化学工業製)
・メラミン樹脂 10部
(スーパーベッカミンL−121−60;大日本インキ化学工業製)
・メチルエチルケトン(関東化学製) 83.5部
【0036】
続いて、下記の化1の電荷発生物質2部、ポリビニルブチラール樹脂1部(エスレックBLS;積水化学製)、シクロヘキサノン(関東化学製)80部からなる混合物をボールミルポットに取り、φ10mmSUSボールを用いて48時間ボールミリングした後、更にシクロヘキサノン51.3部とメチルエチルケトン131.3部を加え電荷発生層塗布液を調整した。
この塗布液を内径φ90mmの塗工槽に入れ、浸積塗布により下引き層上に塗布した後、130℃で20分間乾燥し、厚さ0.12μmの電荷発生層を形成した。
【0037】
【化1】
【0038】
続いて下記組成の電荷輸送層塗布液を調整し、前記電荷発生層上に塗布した後、110℃で20分間乾燥し、厚さ25μmの電荷輸送層を形成した。
・化2の電荷輸送物質(リコー製) 8部
・ポリカーボネート樹脂(C−1400;帝人化成製) 10部
・ジクロロメタン(関東化学製) 88部
・シリコンオイル 0.0002部
(KF−50;信越化学製、粘度100cP)
【0039】
【化2】
【0040】
続いて酸化チタン(500W;石原産業製)18.2部、ポリビニルブチラール樹脂7.8部(XYHL;UCC製)、シクロヘキサノン(関東化学製)122.2部からなる混合物をボールミルポットに取り、φ10mmSUSボールを用いて48時間ボールミリングした後、ミリング液を取り出し、トルエン−2,4−ジイソシアネートの10%シクロヘキサノン溶液10.2部、シクロヘキサノン(関東化学製)171.1部、メチルエチルケトン(関東化学製)114.1部を加えて混合攪拌し、表面保護層塗布液を調整した。
この塗布液を前記電荷輸送層上にスプレー塗布した後、130℃で15分間乾燥し、厚さ2μmの表面保護層を形成して電子写真用感光体を作成した。
【0041】
実施例2
実施例1において表面保護層の調整に用いた酸化チタンを導電性酸化亜鉛(本荘ケミカル製)に変えた点以外は実施例1と全く同様にして表面保護層塗布液を調整した。
この塗布液を前記電荷輸送層上にスプレー塗布した後、130℃で15分間乾燥し、厚さ2.5μmの表面保護層を形成して電子写真用感光体を作成した。
【0042】
実施例3
実施例1において表面保護層の調整に用いた酸化チタンをMoB(フルウチ化学製)に変えた点以外は実施例1と全く同様にして表面保護層塗布液を調整した。
この塗布液を前記電荷輸送層上にスプレー塗布した後、130℃で15分間乾燥し、厚さ1.2μmの表面保護層を形成して電子写真用感光体を作成した。
【0043】
実施例4
実施例1において表面保護層の調整に用いた酸化チタン(500W;石原産業製)をET−600W(石原産業製)に変えた点以外は実施例1と全く同様にして表面保護層塗布液を調整した。
この塗布液を前記電荷輸送層上にスプレー塗布した後、130℃で15分間乾燥し、厚さ2.8μmの表面保護層を形成して電子写真用感光体を作成した。
【0044】
実施例5
実施例1の表面保護層塗布液の調整において酸化チタン(500W;石原産業製)11.7部、ポリビニルブチラール樹脂7.8部(XYHL;UCC製)、シクロヘキサノン(関東化学製)95.2部からなる混合物をボールミルポットに取り、φ10mmSUSボールを用いて72時間ボールミリングした後、ミリング液を取り出し、トルエン−2,4−ジイソシアネートの10%シクロヘキサノン溶液10.2部、シクロヘキサノン(関東化学製)140.1部、メチルエチルケトン(関東化学製)60部を加えて混合攪拌し、表面保護層塗布液を調整した。
この塗布液を前記電荷輸送層上にスプレー塗布した後、130℃で15分間乾燥し、厚さ1.5μmの表面保護層を形成した点以外は実施例1と全く同様にして電子写真用感光体を作成した。
【0045】
実施例6
実施例1において表面保護層の調整に用いた酸化チタンをIn2O3(関東化学製)に変えた点以外は実施例1と全く同様にして表面保護層塗布液を調整した。
この塗布液を前記電荷輸送層上にスプレー塗布した後、130℃で15分間乾燥し、厚さ3.5μmの表面保護層を形成した点以外は実施例1と全く同様にして電子写真用感光体を作成した。
【0047】
実施例7
実施例1において表面保護層の調整に用いた酸化チタンをTiO1.67(M−1;石原産業製)に変えた点以外は実施例1と全く同様にして表面保護層塗布液を調整した。
この塗布液を前記電荷輸送層上にスプレー塗布した後、130℃で15分間乾燥し、厚さ2.5μmの表面保護層を形成して電子写真用感光体を作成した。
【0048】
比較例1
実施例1において表面保護層の調整に用いた酸化チタンをSnO2(SN−100;石原産業製)に変えた点以外は実施例1と全く同様にして表面保護層塗布液を調整した。
この塗布液を前記電荷輸送層上にスプレー塗布した後、130℃で15分間乾燥し、厚さ3.0μmの表面保護層を形成して電子写真用感光体を作成した。
【0049】
比較例2
実施例1において表面保護層の調整に用いた酸化チタンを針状酸化チタン(FT−1000;石原産業製)に変えた点以外は実施例1と全く同様にして電子写真用感光体を作成した。
【0050】
比較例3
実施例1において表面保護層の調整に用いた酸化チタンをMgO(フルウチ化学製)に変えた点以外は実施例1と全く同様にして表面保護層塗布液を調整した。この塗布液を前記電荷輸送層上にスプレー塗布した後、130℃で15分間乾燥し、厚さ2.7μmの表面保護層を形成して電子写真用感光体を作成した。
【0051】
比較例4
実施例1の表面保護層塗布液の調整において酸化チタン(500W;石原産業製)3.3部、ポリビニルブチラール樹脂7.8部(XYHL;UCC製)、シクロヘキサノン(関東化学製)54.2部からなる混合物をボールミルポットに取り、φ10mmSUSボールを用いて72時間ボールミリングした後、ミリング液を取り出しトルエン−2,4−ジイソシアネートの10%シクロヘキサノン溶液10.2部、シクロヘキサノン(関東化学製)83.8部、メチルエチルケトン(関東化学製)35.9部を加えて混合攪拌し表面保護層塗布液を調整した。
この塗布液を前記電荷輸送層上にスプレー塗布した後、130℃で15分間乾燥し、厚さ2.0μmの表面保護層を形成した点以外は実施例1と全く同様にして電子写真用感光体を作成した。
【0052】
比較例5
実施例1の表面保護層塗布液の調整において酸化チタン(500W;石原産業製)22.1部、ポリビニルブチラール樹脂3.9部(XYHL;UCC製)、シクロヘキサノン(関東化学製)153.0部からなる混合物をボールミルポットに取り、φ10mmのSUSボールを用いて72時間ボールミリングした後、ミリング液を取り出し、トルエン−2,4−ジイソシアネートの10%シクロヘキサノン溶液5.1部、シクロヘキサノン(関東化学製)174.5部、メチルエチルケトン(関東化学製)74.8部を加えて混合攪拌し、表面保護層塗布液を調整した。
この塗布液を前記電荷輸送層上にスプレー塗布した後、130℃で15分間乾燥し、厚さ2.0μmの表面保護層を形成した点以外は実施例1と全く同様にして電子写真用感光体を作成した。
【0053】
比較例6
実施例1において表面保護層の膜厚を0.2μmとした点以外は実施例1と全く同様にして電子写真用感光体を作成した。
【0054】
比較例7
実施例1において表面保護層の膜厚を10μmとした点以外は実施例1と全く同様にして電子写真用感光体を作成した。
【0055】
このようにして作成した電子写真用感光体をソフトローラ帯電の反転現像方式デジタル複写機イマジオMF250(リコー製;注入帯電方式に改造)に取り付け、約5万枚の画像評価及び感光体への注入帯電性の評価を行った。
実施例1〜7、比較例1〜2は、帯電ローラに−940VのDC電圧を印加して感光体が接触ニップを1回通過しただけで−890〜−910(V)に帯電した。
比較例3は−1000(V)のDC電圧印加で約−900(V)に帯電したが、比較例7は−1200(V)のDC電圧印加でも帯電せず画像評価を中止した。
【0056】
表面保護層の金に対する接触電位差は、厚さ0.2mmのアルミ板に表面保護層塗工液を塗布、乾燥後、接触電位差計(SSVII−10;川口電機製)により測定した。
体積抵抗は、前記のアルミ板塗布サンプルを体積抵抗測定装置(4140B pAメーター;ヒューレットパッカード社製)により、23℃55%の環境下で、100Vの電圧を印加して測定した。
表面保護層塗布液中の導電性微粒子の平均粒径は、遠心式自動粒度測定装置(Capa−700;堀場製作所)で測定した。
なおデジタル複写機イマジオMF250のトナーの体積平均粒径は9μmである。
測定結果を次の表1〜表2に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【発明の効果】
1.請求項1
繰返し使用においてもトナーフィルミングの発生防止が可能で、安定した注入帯電が可能な画像形成装置が提供される。
2.請求項2
繰返し使用において注入層表面の傷、画像ボケの防止が可能となる画像形成装置が提供される。
3.請求項3
より地肌汚れの少ない画像を形成できる画像形成装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真装置の一例の模式断面図である。
【図2】本発明の接触帯電方法の説明図である。
(I)は磁気ブラシ帯電方式。
(II)は導電性ブラシ帯電方式。
(III)は導電性のソフトローラを使用したローラ帯電方式。
(IV)は固定式(ブレード式)の帯電方式。
(V)は2本のローラを使用し、導電性ベルトを使用したベルト式帯電方式。
【図3】本発明の電子写真用感光体の模式断面図(導電性基体上に感光層、表面保護層を設けた構成のもの)である。
【図4】本発明の電子写真用感光体の模式断面図(電荷発生層と電荷輸送層より構成される機能分離型タイプのもの)である。
【図5】本発明の電子写真用感光体の模式断面図(導電性基体と機能分離型タイプの感光層の電荷発生層との間に下引き層を入れたもの)である。
【符号の説明】
11 電子写真用感光体
12 帯電装置
13 イメージ露光
14 現像ローラ
15 転写部材
16 転写ローラ
17 クリーニングユニット
18 除電ランプ
19 定着ユニット
Claims (3)
- 導電性支持体上に感光層及び表面保護層を順次積層した構成を持つ電子写真用感光体と該電子写真用感光体に接触配置される帯電部材を少なくとも有して構成され、かつ前記帯電部材に電圧を印加することにより電子写真用感光体を注入帯電する画像形成装置において、該電子写真用感光体の表面保護層が、平均粒径0.32〜0.7μmの導電性微粒子を含有し、該表面保護層の、金に対する接触電位差の絶対値が190mV以下、体積抵抗が10 9 〜10 12 Ω・cm、膜厚が1.2〜2.8μmであることを特徴とする画像形成装置。
- 導電性微粒子が酸化チタン系金属酸化物であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 画像形成装置が反転現像方式の画像形成装置であることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
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