JP2001215291A - 原子炉格納容器内の圧力抑制装置 - Google Patents
原子炉格納容器内の圧力抑制装置Info
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Abstract
ることが可能な原子炉格納容器内の圧力抑制装置の提供
を目的とする。 【解決手段】 本発明は、炉心2を内蔵する原子炉圧力
容器3と、この原子炉圧力容器3を収容するとともにド
ライウェル空間5,6を形成する原子炉収納容器1と、
ドライウェル空間5,6の流体を冷却することによりド
ライウェル空間5,6内の圧力を抑制するドライウェル
冷却装置12とを備える。さらに、ドライウェル冷却装
置12には該ドライウェル冷却装置12内にドライウェ
ル空間5,6の流体を導く送風機16と、ドライウェル
冷却装置12内の不凝縮性流体を排気する排気ファン2
3を設けたことを特徴としている。
Description
圧力抑制装置に関する。
を示す断面図である。原子炉格納容器1内には、原子燃
料を保持する炉心2を内包する原子炉圧力容器3がペデ
スタル4により支持されている。また、原子炉格納容器
1内にはペデスタル4によって囲まれた下部ドライウェ
ル5と、この原子炉圧力容器3を包囲する上部ドライウ
ェル6と、上部ドライウェル6の下方にダイヤフラムフ
ロア7により区画されて設けられ内部に圧力抑制プール
8を保有する圧力抑制室9が設置されている。
は連通口10によって連通され、両ドライウェル5,6と
圧力抑制室9とは、圧力抑制プール8水中まで延びたベ
ント管11によって連絡されている。原子炉格納容器1内
には、通常運転時にドライウェル5,6内の雰囲気を規
定の状態に冷却し維持するドライウェル冷却装置12が複
数台設置されている。
ェル冷却ユニット15および流体循環手段である送風機16
を有する。ドライウェル冷却ユニット15はケーシング14
およびその中に内包される冷却コイル13からなる。冷却
コイル13の内部配管には冷却水が通水されており、上下
部ドライウェル5,6内の気体がこのケーシング14内に
導かれる。具体的には、送風機16を用いてケーシング14
の内圧を低くし、これによって発生するケーシング14内
外の圧力差によって気流を生成する。ケーシング14に導
かれた気体は冷却コイル13の管外を通過し冷却される。
冷却された気体は、ダクト17およびダンパ18を介して上
下部ドライウェル5,6内各所に循環送風される。
除去系ライン19の残留熱除去ポンプ20により導かれ、残
留熱除去熱交換器21で熱交換され除熱された後、スプレ
イヘッダ22から散布しスプレイ冷却する系統が構成され
ている。この冷却系統は、高温,高圧時の格納容器1冷
却のために用いられている。
器1において、万一何らかの原因により原子炉圧力容器
3の内部から冷却材が流出するような事象(loss of co
olant accident;以下LOCAという)が発生すると、上下
部ドライウェル5,6内に高温の蒸気と水との混合物が
大量に放出される。しかし、この混合物はベント管11を
通して圧力抑制室9内の圧力抑制プール8の冷却水中に
導かれるため、上記冷却系統の働きにより、原子炉格納
容器1の内圧上昇を抑制することができる。
た冷却系が長時間作動するような緊急事態が発生する
と、原子炉格納容器1の蓄水によって不凝縮性ガスが滞
留する気相部が圧縮され、逆に原子炉格納容器1内の圧
力の上昇を招く可能性がある。
力抑制装置として利用し、上下部ドライウェル5,6内
の雰囲気を効率よく冷却することによって除去された熱
を原子炉圧力容器3の外部へ放出する方法が考えられ
る。
コイル13に通水することで、この冷却コイル13を収納し
たケーシング14内の蒸気を凝縮する。そして、原子炉格
納容器1内の蒸気をケーシング14内に導き、原子炉格納
容器1内の蒸気圧を低減させる方法である。
16に電力を供給する電源30は、原子炉の定常運転時にの
み稼動し緊急時には自動停止する系統に接続されてい
る。したがって、原子炉格納容器1内に初期封入されて
いる窒素ガスおよび温度,圧力上昇により発生した水素
ガス等の不凝縮性ガスは、時間の経過と共に徐々にケー
シング14に滞留することになる。そして、ケーシング14
内に不凝縮性ガスが蓄積されることになる。そのため、
ドライウェル冷却装置12の除熱性能が時間の経過と共に
劣化し、原子炉格納容器内1の蒸気圧の上昇を抑制でき
なくなる危険性がある。
たもので、緊急時にドライウェル冷却ユニットを利用
し、原子炉格納容器内の蒸気圧を低減することが可能な
原子炉格納容器内の圧力抑制装置の提供を目的とする。
めに本発明においては、炉心燃料を内蔵する原子炉圧力
容器を収容するとともにドライウェル空間を形成する原
子炉格納容器の内部圧力を抑制する圧力抑制装置であっ
て、該圧力抑制装置は、前記ドライウェル空間の流体を
冷却することにより前記ドライウェル空間内の圧力を抑
制するドライウェル冷却装置と、前記ドライウェル冷却
装置内に前記ドライウェル空間の流体を導く循環手段
と、前記ドライウェル冷却装置内の不凝縮性流体を排気
する排出手段とを有する原子炉格納容器内の圧力抑制装
置とした。
であってもよく、さらに、前記循環手段が停止中に稼動
可能に構成されていてもよい。また、前記循環手段は通
常運転時の電力供給により駆動され、前記排出手段は非
常時の電力供給により駆動されるように構成されていて
もよい。
却装置の内部と外部とを連通可能な開閉板を含むもので
あってもよく、さらに、前記開閉板は前記循環手段が稼
動中には閉じ、停止中には開くように構成されていても
よい。また、前記開閉板は機械的手段により開閉するも
のであってもよく、前記ドライウェル冷却装置の内部と
外部との圧力差により開閉するものであってもよい。
することにより前記ドライウェル冷却装置の内部と外部
とを連通可能な物質を含むものであってもよく、原子炉
圧力容器の通常運転時における前記原子炉格納容器内の
温度よりも高い温度で溶融するものであってもよい。
ドライウェル冷却装置内にドライウェル空間の流体を導
く循環手段のみならず、ドライウェル冷却装置内の不凝
縮性流体を排気する排出手段を設けたので、ドライウェ
ル冷却ユニットの除熱性能を維持することができる。し
たがって、緊急時であっても原子炉格納容器内の蒸気圧
を低減することが可能となる。
の実施形態について説明する。なお、従来技術と同一構
成要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
力抑制装置の概略構成について図1を用いて説明する。
図1は、本発明に係る原子炉格納容器を示す断面図であ
る。本発明の特徴は、従来用いられていた送風機(流体
循環手段)16の他に新たに第2の送風機(不凝縮性流体
排出手段)23を設け、この第2の送風機23を非常用電源
31により運転させるように構成した点にある。
ル冷却装置12内の冷却コイル13によってケーシング14内
の蒸気が凝縮され続けるが、原子炉格納容器1内に初期
封入されている窒素ガスおよび温度,圧力上昇により発
生した水素ガス等の不凝縮性ガスが、時間の経過と共に
徐々にケーシング14に滞留することになる。
由により通常電源30は自動的に切断状態となっている。
そのため、送風機16を含む多くの機器は稼動が停止して
いる。
を非常用電源31に接続してある。そのため、通常電源30
が切断されたのに代わって非常用電源31が自動投入され
ることに伴い、送風機23が自動的に稼動する。したがっ
て、不凝縮性ガスは第2の送風機23によって排気ダクト
24からドライウェル冷却ユニット15外あるいは圧力抑制
室9内に排出される。
のケーシング14内の不凝縮性ガス分圧が低下し、また冷
却コイル13周辺の不凝縮性ガス分圧も低下して除熱性能
が維持される。その結果、原子炉格納容器1の内圧上昇
を長時間に亘って抑制することができる。
置12の主要部分を示す断面図である。同図に示したよう
に、原子炉格納容器1内の圧力抑制装置の1つとして設
置されるドライウェル冷却装置12のドライウェル冷却ユ
ニット15内に、第2の送風機23が設けられている。第2
の送風機23の送風口には排気ダクト24が接続され、さら
にその排気側には逆止弁25が設けられている。逆止弁25
は、ドライウェル冷却ユニット15の周囲の気体または蒸
気がケーシング14内に流入するのを防止するために取付
けられており、第2の送風機23が停止時に閉じるように
している。
方、すなわち重力方向に向けて設置されている。これ
は、原子炉格納容器1内に初期封入されている不凝縮性
ガスとして、空気より重い窒素ガスが主として含まれて
いることを想定したものである。すなわち、窒素ガスは
ケーシング14の下方に集められるため、その窒素ガスを
容易に外部に排出することができる。しかし、第2の送
風機23の取付け場所はこの形態に限定されるものではな
く、ドライウェル冷却ユニット15の側面や上面に取付け
ても本発明の効果が期待できる。同時に、第2の送風機
23の取付け個数は1つのドライウェル冷却ユニット15に
対して1個に限られるものではなく、複数個であっても
もちろんよい。
ーシング14の外部に排出することができればドライウェ
ル冷却ユニット15の除熱性能を維持することが可能であ
る。そのため、第2の送風機23は送風機16と比較して小
型のものを適用することができる。
分に関する第2の実施形態を示す断面図である。本実施
形態の特徴は、ドライウェル冷却ユニット15のケーシン
グ14に、高温高圧時に開口する開口パネル(開閉板)26
a,26b,26cを配設したことにある。それぞれの開口
パネル26a,26b,26cは、ケーシング14の上面ケーシング1
4の上部側面およびケーシング14の下面に設けられてい
る。
ト17に取付けられているダンパ18が開閉する際の駆動力
を利用して動作するものである。具体的には、各々の開
口パネル26a,26b,26cはダンパ18の出口側と機械的
に(例えばスプリングなどの付勢力を利用して)接続さ
れていて、ダンパ18が閉止される駆動力を利用して開口
するものである。
ってケーシング14内が減圧されることを利用し、各開口
パネル26a,26b,26cが送風機16の駆動時に閉鎖し、
送風機16の停止時には自重等によって自動的に開放でき
るように設計することもできる。
うな第2の送風機を設ける必要はない。空気の比重との
関係から、上面部開口パネル26aおよび側面開口パネル2
6bは主として水素を、下部開口パネル26cは主として窒
素を、それぞれケーシング14外部に容易に排出すること
が可能である。
ユニット15内に蓄積した不凝縮性ガスの中で蒸気より重
い窒素は主として下部開口パネル26cから排気され、蒸
気より軽い水素ガスは主として上面部及び上部側面開口
パネル26a,26bから排気される。したがって、ドライ
ウェル冷却ユニット15による除熱効果を高めることがで
きる。
とから非常時用電源などの付帯設備を考慮する必要がな
く、全体構成を簡略化することが可能となる。
分に関する第3の実施形態を示す断面図である。
低融点物質27を設けたことにある。この低融点物質27は
原子炉を設計する際に選定された所定の温度、例えば原
子炉格納容器1内の環境温度より高い温度に到達した場
合に溶融するもので、例えば融点が100℃付近に融点
を持つ鉛ビスマスなどが選択される。原子炉格納容器1
内が設計温度以上になると、低融点物質27が溶融し、ケ
ーシング14に開口を形成することができる。これによ
り、不凝縮性ガスをケーシング14の外部に排出すること
ができる。
装置12の主要部分に関する第4の実施形態を示す断面図
である。ここで図5(a)は送風機運転時、図5(b)
は送風機停止時を示している。
2の開口パネル28を設けたことにある。第2の開口パネ
ル28は図5(a)に示したように、送風機16の運転時
に、送風機16の吸引力によって閉鎖され、図5(b)に
示したように送風機16停止時には自重によって開放され
る。これにより、不凝縮性ガスをケーシング14の外部に
排出することができる。
るものではなく、その要旨を変更しない範囲で種々変形
して実施できることは言うまでもない。例えば、本発明
を説明するにあたっては図1に示したように沸騰水型原
子炉(BWR)を例にとったが、加圧水型原子炉(PW
R)に適用することももちろん可能である。
急時であってもドライウェル冷却ユニットを利用して原
子炉格納容器内の蒸気圧を低減することが可能な原子炉
格納容器内の圧力抑制装置が実現する。
を説明するための断面図。
す概略断面図。
す概略断面図。
形態における送風機運転時を示す概略断面図、(b)は
(a)において送風機停止時を示す概略断面図。
するための概略断面図。
4…ペデスタル、5…下部ドライウェル、6…上部ドラ
イウェル、7…ダイヤフラムフロア、8…圧力抑制プー
ル、9…圧力抑制室、10…連通口、11…ベント管、12…
ドライウェル冷却装置、13…冷却コイル、14…ケーシン
グ、15…ドライウェル冷却ユニット、16…送風機、17…
ダクト、18…ダンパ、19…残留熱除去系ライン、20…残
留熱除去ポンプ、21…残留熱除去熱交換器、22…スプレ
イヘッダ、23…排気ファン、24…排気ダクト、25…逆止
弁、26(26a,26b,26c)…第1の開口パネル、27…
低融点物質、28…第2の開口パネル。
Claims (10)
- 【請求項1】 炉心燃料を内蔵する原子炉圧力容器を収
容するとともにドライウェル空間を形成する原子炉格納
容器の内部圧力を抑制する圧力抑制装置であって、該圧
力抑制装置は、 前記ドライウェル空間の流体を冷却することにより前記
ドライウェル空間内の圧力を抑制するドライウェル冷却
装置と、 前記ドライウェル冷却装置内に前記ドライウェル空間の
流体を導く循環手段と、 前記ドライウェル冷却装置内の不凝縮性流体を排気する
排出手段とを有することを特徴とする原子炉格納容器内
の圧力抑制装置。 - 【請求項2】 前記排出手段は送風機を含むことを特徴
とする請求項1記載の原子炉格納容器内の圧力抑制装
置。 - 【請求項3】 前記排出手段は、前記循環手段が停止中
に稼動可能に構成されていることを特徴とする請求項2
記載の原子炉格納容器内の圧力抑制装置。 - 【請求項4】 前記循環手段は通常運転時の電力供給に
より駆動され、前記排出手段は非常時の電力供給により
駆動されることを特徴とする請求項3記載の原子炉格納
容器内の圧力抑制装置。 - 【請求項5】 前記排出手段は前記ドライウェル冷却装
置の内部と外部とを連通可能な開閉板を含むことを特徴
とする請求項1記載の原子炉格納容器内の圧力抑制装
置。 - 【請求項6】 前記開閉板は前記循環手段が稼動中には
閉じ、停止中には開くことを特徴とする請求項5記載の
原子炉格納容器内の圧力抑制装置。 - 【請求項7】 前記開閉板は機械的手段により開閉する
ことを特徴とする請求項6記載の原子炉格納容器内の圧
力抑制装置。 - 【請求項8】 前記開閉板は前記ドライウェル冷却装置
の内部と外部との圧力差により開閉することを特徴とす
る請求項6記載の原子炉格納容器内の圧力抑制装置。 - 【請求項9】 前記排出手段は所定の温度で溶融するこ
とにより前記ドライウェル冷却装置の内部と外部とを連
通可能な物質を含むことを特徴とする請求項1記載の原
子炉格納容器内の圧力抑制装置。 - 【請求項10】 前記物質は、原子炉圧力容器の通常運
転時における前記原子炉格納容器内の温度よりも高い温
度で溶融することを特徴とする請求項9記載の原子炉格
納容器内の圧力抑制装置。
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2000
- 2000-11-22 JP JP2000355343A patent/JP4180783B2/ja not_active Expired - Fee Related
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