JP2001215187A - 劣化診断方法およびその装置 - Google Patents

劣化診断方法およびその装置

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JP2001215187A JP2000024321A JP2000024321A JP2001215187A JP 2001215187 A JP2001215187 A JP 2001215187A JP 2000024321 A JP2000024321 A JP 2000024321A JP 2000024321 A JP2000024321 A JP 2000024321A JP 2001215187 A JP2001215187 A JP 2001215187A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、長期に渡る金属材料の暴露試験を
必要とすることなく金属材料の寿命を診断することを目
的とする。 【解決手段】 金属材料の大気中での暴露日数に対する
腐食減量を大気環境の有害性の程度を表す環境評価点の
関数として定式化し、この関数から求めた腐食減量を基
に金属材料の寿命を診断することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属材料、電子回
路を構成する金属材料部品及び電子機器を構成する電子
回路基板について、使用中に進行する腐食劣化、電気的
特性の劣化ひいては寿命を診断する劣化診断方法および
その装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】まず、金属材料一般について大気中にお
ける腐食劣化の診断に関する従来技術を説明する。大気
環境中で使用される金属材料は、大気の温度や相対湿
度、大気環境中に存在する各種腐食性ガスや海塩粒子の
影響により化学反応を起こし腐食が進行する。金属材料
が使用される大気環境は千差万別であり、クリーンルー
ムのように温度や湿度がコントロールされ腐食性ガスや
海塩粒子が殆ど存在しない環境や、地熱発電所など硫化
水素ガス濃度の高い環境、海岸近くで常時海塩粒子が飛
んでくる環境等様々である。また、金属材料の種類によ
っても大気環境下での耐蝕性能も異なっている。
【0003】従来、大気環境中で使用される金属材料の
腐食劣化の診断は、使用される環境中に診断対象の金属
材料を一定期間暴露し、回収して腐食減量を測定し、暴
露期間と腐食減量の結果から腐食速度を求め、寿命に至
るまでの時間を予測する方法がとられていた。しかし、
金属の腐食は時間の経過とともに腐食速度が低下する傾
向があることから金属の暴露期間により腐食速度に差が
生じたり、暴露を開始する季節(夏・冬)によっても腐
食速度に差があり、精度よく金属の腐食進行の予測をす
るためには複数の暴露期間による長期間にわたる暴露試
験が必須であった。また、環境の一因子でもその値が変
わると、その都度金属の暴露試験を実施しなければなら
ないという問題があった。
【0004】また、大気環境を模擬促進した促進試験装
置により金属材料の腐食試験を行い、寿命に至るまでの
時間に促進試験の加速倍率を乗じて金属材料の腐食寿命
を診断する方法もとられているが、実際の大気環境を促
進試験として模擬することが難しく、環境因子や設定条
件の違いから加速倍率の精度が悪く正確に金属材料の寿
命を診断することは困難であった。
【0005】さらに、環境を分類して環境因子毎にその
測定値の範囲に応じて評価点を与え、各環境因子の評価
点を合計して合計評価点で環境を判断する方式は、日本
電子工業振興協会の工業用計算機設置環境基準JEID
A−29−1990等で採用されているが、これはあく
までも環境のクラス分けに用いられているのみで金属の
劣化状態の評価や寿命診断には適用できない。
【0006】以上のように、従来技術では大気環境で使
用される金属材料の腐食状態や劣化状態の診断、あるい
は腐食寿命の診断を行うには、その都度長期にわたる金
属材料の暴露試験をしなければならず、膨大な時間と費
用がかかり、また精度の高い寿命診断ができるものでは
なかった。
【0007】次に、大気環境中で使用される電子回路を
構成する金属材料部品の腐食による電気特性の劣化の診
断に関する従来技術を説明する。大気環境中で使用され
る電子回路基板は、大気の環境因子、例えば温度、湿
度、各種腐食性ガス及び海塩粒子等の影響により、電子
回路を構成する金属材料、例えば配線材料の銅、集積回
路リード端子の鉄鋼、半田接合部及び接栓端子の金メッ
キ等が腐食する。環境因子が金属材料に及ぼす影響が大
きくなると電子回路基板の当該部分の腐食が著しくな
り、断線、マイグレーションによる絶縁低下又は短絡、
及び接触障害等の電気的な動作不良が発生し、寿命に至
る。この内、マイグレーションによる劣化の評価に関す
るものとして次の2件の従来技術がある。まず、特開平
6−11530号公報「電子部品の絶縁信頼性寿命の評
価方法およびその装置」は、プリント配線板、電子部品
等の絶縁信頼性からその寿命を評価する方法に係り、特
にマイグレーション劣化による寿命の早期診断を行うの
に好適な寿命評価方法を提案している。初期及び途中に
誘電特性として絶縁抵抗又は漏洩電流を測定し、その特
性の時間的変化から寿命を判定する方法である。次に、
特開平7−249840号公報「プリント基板及びその
劣化診断方法」は、プリント基板における腐食、マイグ
レーションに起因する短絡等の劣化を定量的に診断する
方法を提案している。劣化診断用の1対の電極導体をプ
リント基板に予め印刷し、電極導体相互間における低周
波領域での誘電正接を測定し、この誘電正接の値に基づ
いて導体交互間における短絡に至るまでの時間を予測す
る劣化診断方法である。
【0008】従来の電子回路基板の導体は導体幅が広い
ため、大気環境因子の影響による導体の腐食でマイグレ
ーション等による絶縁劣化がまず発生し、さらに導体の
腐食が進行して導体の断線に至る場合が多かった。この
ような電子回路基板の劣化では上記従来技術の絶縁劣化
診断方法は有効である。しかし、近年、電子回路基板の
導体は細線化が進み、マイグレーションによる絶縁劣化
が発生する前に導体が断線することが多く、上記の劣化
及び寿命診断方法は導体の断線の予測には適さない。そ
して、導体の断線寿命を予測する場合には、当該電子回
路基板の導体部分を切断し、導体の断面観察により、残
存導体厚さから余寿命を予測する手法がとられていた。
そのためには、製品として機能しているものを引取り、
破壊調査をするため、引取り基板の代りに新たな電子回
路基板を調整し、納品しなければならなかった。
【0009】また、電子回路基板以外の電子回路部品の
寿命評価には、装置を構成するプリント回路実装基板上
の電子部品の寿命を個々の部品を基板から取り外して加
速劣化試験を行ったり、特定の電気特性を計測して評価
する手法が用いられてきた。前者の場合、劣化ストレス
を印加し部品の性能を確認し故障判定を行う。そして、
各部品種毎に加速試験時間に対する累積故障率の推移を
導出し、所望の累積故障率で寿命点を定義する。この例
として、特開平10−313034号公報では、樹脂封
止タイプのICの寿命を評価する場合に、基板から取り
外したICの樹脂パッケージを開封して内部のICチッ
プ上のアルミ配線腐食状態を観察し、アルミ配線の腐食
面積率を画像計測することで、ロジック不良や誤動作を
もたらすIC劣化の早期検出及び定量的な余寿命評価を
実現している。また、後者の例として、電子回路を構成
する銀接点の場合には、大気環境因子の影響を受けた銀
接点表面に腐食性皮膜が形成されて接触抵抗が増大し接
触不良を起こすので、当該環境で使用されている銀接点
のある電子部品を取り外し、その部品の接触抵抗を測定
することで、その部品の劣化状態を判定している。
【0010】次に、電子機器を構成する電子回路基板に
ついて、使用中に、その電子回路基板表面の汚損により
進行する電気特性の劣化の診断について説明する。大気
環境で使用される電子回路基板は表面に大気中に浮遊す
る塵埃が付着し、経時的に推積する。このような塵埃に
は大気環境中に存在する各種腐食性ガスや海塩粒子が吸
着するため、湿度が高くなるとイオン性物質(例えば、
塩素イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、ナトリウムイオ
ン等)がイオン解離し、電子回路基板表面の絶縁低下や
導体パターン金属の腐食の原因となる。特にファンを用
いて強制的に冷却している制御盤内の電子回路基板は局
所的に塵埃が推積するため、短期間で絶縁低下や導体パ
ターンの断線現象が発生することが多い。このような場
合にも、汚損した電子回路基板上の絶縁抵抗値や導体パ
ターンの腐食状態を調べるためには、基板上の回路の一
部を破壊する手法が多くとられている。
【0011】以上のように、電子回路を構成する金属材
料部品の腐食に関わる各種劣化や寿命の診断、汚損した
電子回路の絶縁抵抗値や導体パターンの腐食状態等を調
べるためには、当該回路や部品の一部又は全部を取り外
し、いわば回路や部品の破壊試験を行うことが不可欠で
あり、多大の労力と費用を要するばかりか、この方法で
は、たとえ診断の結果、装置の余寿命が十分あることが
確認されたとしても、診断後に再びその装置を使用する
ことはできず、新たに電子回路を調整し、電子機器に組
み込む必要がある等の大きな問題があった。
【0012】また、電子回路基板の劣化診断の方法とし
て、熱分布を測定するものがあるが、熱分布を測定する
ためには電子回路基板を抜き取り、新たに電源を投入し
て基板全体の発熱分布を測定する必要があった。この例
として、特開平11−14576号公報「実装基板の劣
化診断および装置」では、電源投入後から実装基板の表
面温度が定常状態になるまての温度分布を計測及び画像
化した昇温画像データを過去の昇温画像データと比較
し、両者の間の温度分布変化量を計算し、この値が予め
設定されたしきい値を超えたときに劣化と判断してい
る。この方法では、電子回路基板を破壊する必要はない
が、特殊な熱分布画像の解析装置が必要である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来技術では、大気環
境で使用される金属材料の腐食や劣化状態及び腐食寿命
を診断するには長期にわたる金属材料の暴露試験が不可
欠であること、また電子回路を構成する金属材料部品の
腐食に関わる各種電気特性の劣化状態の診断、電子機器
を構成する電子回路基板の腐食状態や絶縁劣化状態等の
診断には、その金属材料部品や電子回路基板の一部又は
全部を回収し、破壊試験によってのみしか、その電気的
特性等を試験することができず、しかも診断後に再びそ
の部品や基板を使用することができないことなどの問題
があった。また、熱分布画像による診断は非破壊で行え
るが、特殊な解析装置が必要で、汎用性が高いものでは
なかった。
【0014】本発明は、上記に鑑みてなされたもので、
長期に渡る金属材料の暴露試験を必要とすることなく金
属材料の寿命を診断することができ、電子回路を構成す
る金属材料部品について、電子回路を回収し破壊試験を
行うことを必要とすることなく金属材料部品の劣化状態
を判定することができ、電子回路基板を回収し破壊試験
を行うことを必要とすることなく電子機器の寿命を診断
することができる劣化診断方法およびその装置を提供す
ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の劣化診断方法は、金属材料の大気中
での暴露日数に対する腐食減量を大気環境の有害性の程
度を表す環境評価点の関数として定式化し、この関数か
ら求めた腐食減量を基に前記金属材料の寿命を診断する
ことを要旨とする。この構成により、大気環境の環境評
価点を測定、評価することで、当該金属材料の大気環境
中での腐食減量の進行状態、即ち、暴露日数と腐食減量
の関係が得られて、当該大気環境における、その金属材
料の寿命が診断される。
【0016】請求項2記載の劣化診断方法は、大気環境
における金属材料の腐食速度を当該大気環境の有害性の
程度を表す環境評価点の関数として定式化し、この関数
から求めた腐食速度を基に前記金属材料の寿命を診断す
ることを要旨とする。この構成により、大気環境の環境
評価点を測定、評価することで、当該金属材料の大気環
境中での腐食速度が得られて、当該大気環境における、
その金属材料の寿命が診断される。
【0017】請求項3記載の劣化診断方法は、上記請求
項1又は2記載の劣化診断方法において、前記環境評価
点は、大気環境中の温度、湿度、腐食性ガス、海塩粒子
又は海岸からの距離を含む複数の環境因子の各々の量
を、その量によって割り付けた各因子別評価点と各因子
別重み係数の積の和とすることを要旨とする。この構成
により、環境評価点は、金属材料が暴露される大気環境
中の複数の環境因子の各々の量を測定し、測定された各
量の値により割り付けた各因子別評価点と各因子別重み
係数の積の和として算出される。
【0018】請求項4記載の劣化診断方法は、上記請求
項3記載の劣化診断方法において、前記大気環境中の温
度、湿度、腐食性ガス、海塩粒子又は海岸からの距離を
含む複数の環境因子の各々の因子別評価点は、当該各環
境因子の量の範囲によってクラス分けして割り付けるか
又は当該各環境因子の量の中央値の関数の何れかとする
ことを要旨とする。この構成により、請求項1又は2記
載の方法による腐食減量又は腐食速度を求めるための環
境評価点が適切に定められる。
【0019】請求項5記載の劣化診断方法は、上記請求
項3又は4記載の劣化診断方法において、前記環境因子
における腐食性ガスの量の測定方法は、前記大気環境に
一定期間暴露したろ紙のガス吸着量として求めるろ紙法
とし、前記腐食性ガスのうちの酸性ガスの測定は、セル
ロースろ紙に所定%の炭酸カリウム水溶液又は炭酸ナト
リウム水溶液の何れかを含浸したアルカリろ紙により、
また前記腐食性ガスのうちのアルカリ性ガスの測定は、
ガラスろ紙に所定%リン酸水溶液を含浸した酸性ろ紙に
より測定を行うことを要旨とする。この構成により、酸
性ガスの測定は、セルロースろ紙に例えば5〜30%炭
酸カリウム水溶液又は例えば5〜30%炭酸ナトリウム
水溶液を含浸したアルカリろ紙により測定され、またア
ルカリ性ガスの測定は、ガラスろ紙に例えば5〜10%
リン酸水溶液を含浸した酸性ろ紙により行われる。これ
らのアルカリろ紙、酸性ろ紙は大気環境に例えば1〜3
ヶ月程度暴露される。腐食性ガス量の測定にろ紙法を採
用することで、大気環境の風速や風量の影響も加味した
測定が可能になる。また、アルカリろ紙及び酸性ろ紙は
小さな紙片で寿命診断対象の近傍に暴露でき、診断対象
が晒される環境を正確に測定することができる。
【0020】請求項6記載の劣化診断方法は、上記請求
項4記載の劣化診断方法において、前記各環境因子の量
の範囲による因子別評価点のクラス分けは、少なくとも
5段階とすることを要旨とする。この構成により、クラ
ス分け及び因子別評価点の根拠は、支配環境因子が異な
る国内のフィールド数百箇所の各環境因子の測定値とそ
の環境に暴露した金属材料の腐食性の調査結果による。
このように、実際に存在する測定値の範囲でクラス分け
を5段階とすることで実環境をより精緻に区分でき、的
確に大気環境を判定することが可能となる。
【0021】請求項7記載の劣化診断方法は、上記請求
項6記載の劣化診断方法において、前記環境因子におけ
る相対湿度の因子別評価点は、雨、雪に直接晒される大
気環境においては、各クラスの評価点に一定数の補正点
を加えたものとすることを要旨とする。この構成によ
り、大気環境が雨や雪が直接当たる屋外の場合は、腐食
促進効果が大きいことから、各クラスの評価点に、補正
点として例えば20点を加えた値を湿度の因子別評価点
とする。
【0022】請求項8記載の劣化診断方法は、上記請求
項6記載の劣化診断方法において、前記環境因子におけ
る海塩粒子の因子別評価点を、前記海岸からの距離によ
ってクラス分けして割り付けたものとすることを要旨と
する。この構成により、クラス分け及び因子別評価点の
根拠は、支配環境因子が異なる国内のフィールド数百箇
所の海岸からの距離と海塩粒子測定値とその環境に暴露
した金属材料の腐食性の調査結果による。この結果、地
図上の海岸からの距離を求めるだけで海塩粒子の量を測
定することなく、海塩粒子の因子別評価点を求めること
が可能となる。
【0023】請求項9記載の劣化診断方法は、上記請求
項1記載の劣化診断方法において、前記環境評価点は、
特定の金属材料を大気環境中に所定期間に渡って暴露
し、当該所定期間の暴露日数での前記特定の金属材料の
腐食減量を測定し、この腐食減量と暴露日数を環境評価
点との関係に当てはめることによって算出し、この算出
した環境評価点を用いて他の金属材料の大気環境におけ
る寿命を診断することを要旨とする。この構成により、
特定金属材料の暴露日数と腐食減量から環境評価点を逆
算することで、他の任意の金属材料の寿命を診断するこ
とが可能となる。
【0024】請求項10記載の劣化診断方法は、上記請
求項9記載の劣化診断方法において、前記特定の金属材
料は銅であることを要旨とする。この構成により、銅は
あらゆる環境因子を含む大気環境において、腐食に対す
る感受性が最も高いことから、逆算による環境評価点を
精度良く決定することが可能となる。
【0025】請求項11記載の劣化診断方法は、上記請
求項1記載の劣化診断方法において、大気環境における
金属材料の腐食減量を、当該金属材料の当該大気環境に
暴露された日数の平方根の1次式で表し、当該1次式中
の係数を請求項3記載の前記環境評価点の多項式で表す
ことを要旨とする。この構成により、大気環境の環境評
価点を測定、評価することで、当該金属材料の大気環境
中での暴露日数と腐食減量の関係が得られて、当該大気
環境における、その金属材料の寿命を診断することが可
能となる。
【0026】請求項12記載の劣化診断方法は、上記請
求項2記載の劣化診断方法において、大気環境における
金属材料の腐食速度を、当該金属材料の当該大気環境に
暴露された日数の平方根の1次式で表し、当該1次式中
の係数を請求項3記載の前記環境評価点の多項式で表す
ことを要旨とする。この構成により、大気環境の環境評
価点を測定、評価することで、当該金属材料の大気環境
中での腐食速度が得られて、当該大気環境における、そ
の金属材料の寿命を診断することが可能となる。
【0027】請求項13記載の劣化診断方法は、上記請
求項1又は11記載の劣化診断方法において、金属材料
が使用される大気環境について、当該大気環境中の温
度、湿度、腐食性ガス、海塩粒子又は海岸からの距離を
含む複数の環境因子を所定期間に渡って測定し、この各
測定値を用いて請求項4記載の方法により前記各因子別
評価点を決定し、この決定した各因子別評価点を用いて
請求項3記載の方法により前記環境評価点を決定し、こ
の決定した環境評価点を用いて当該金属材料の腐食減量
と暴露日数との関係を決定することを要旨とする。この
構成により、大気環境の環境評価点の測定、評価に基づ
いて当該金属材料の当該大気環境中での腐食減量と暴露
日数の関係が得られて、当該大気環境における、その金
属材料の寿命が診断される。
【0028】請求項14記載の劣化診断方法は、上記請
求項1又は11記載の劣化診断方法において、金属材料
が使用される大気環境について、請求項9記載の方法に
より前記環境評価点を算出し、この算出した環境評価点
を用いて当該金属材料の腐食減量と暴露日数との関係を
決定することを要旨とする。この構成により、特定の金
属材料の暴露試験のみを行って環境評価点を逆算するこ
とで、大気環境中での他の任意の金属材料の腐食減量と
暴露日数の関係を得て、当該他の任意の金属材料の寿命
が診断される。
【0029】請求項15記載の劣化診断方法は、上記請
求項2又は12記載の劣化診断方法において、金属材料
が使用される大気環境について、当該大気環境中の温
度、湿度、腐食性ガス、海塩粒子又は海岸からの距離を
含む複数の環境因子を所定期間に渡って測定し、この各
測定値を用いて請求項4記載の方法により前記各因子別
評価点を決定し、この決定した各因子別評価点を用いて
請求項3記載の方法により前記環境評価点を決定し、こ
の決定した環境評価点を用いて当該金属材料の腐食速度
を決定することを要旨とする。この構成により、大気環
境の環境評価点の測定、評価に基づいて当該金属材料の
当該大気環境中での腐食速度が得られて、当該大気環境
における、その金属材料の寿命が診断される。
【0030】請求項16記載の劣化診断方法は、上記請
求項2又は12記載の劣化診断方法において、金属材料
が使用される大気環境について、請求項9記載の方法に
より前記環境評価点を算出し、この算出した環境評価点
を用いて当該金属材料の腐食速度を決定することを要旨
とする。この構成により、特定金属材料の暴露試験のみ
を行って環境評価点を逆算することで、大気環境中での
他の任意の金属材料の腐食速度を得て、当該他の任意の
金属材料の寿命が診断される請求項17記載の劣化診断
方法は、金属材料を大気環境中に所定期間に渡って暴露
し、当該所定期間の暴露日数での当該金属材料の腐食減
量を測定し、この測定結果を用いて請求項13又は14
記載の方法によって算出した金属材料の腐食減量と暴露
日数の関係を補正することを要旨とする。この構成によ
り、当該金属材料を大気環境中に所定の短期間暴露試験
を行い、その試験結果により、その金属材料の腐食減量
と暴露日数の関係がより精度の高いものに補正される。
【0031】請求項18記載の劣化診断方法は、金属材
料を大気環境中に所定期間に渡って暴露し、当該所定の
期間の暴露日数での当該金属の腐食減量を測定し、この
測定結果を用いて請求項15又は16記載の方法によっ
て算出した金属材料の腐食速度を補正することを要旨と
する。この構成により、当該金属材料を大気環境中に所
定の短期間暴露試験を行い、その試験結果により、その
金属材料の腐食速度がより精度の高いものに補正され
る。
【0032】請求項19記載の劣化診断装置は、環境因
子量測定手段で測定された各環境因子の量の測定値を入
力する入力手段と、各環境因子の量と各因子別評価点の
関係を与える関数を内蔵する第1のデータベースと、各
種金属材料に対して環境評価点と各因子別評価点の関係
を与える関数を内蔵する第2のデータベースと、前記第
1のデータベースから読み取った前記関数及び前記入力
手段から入力した各環境因子の量を用いて各因子別評価
点を演算する因子別評価点演算手段と、前記第2のデー
タベースから読み取った前記関数及び前記因子別評価点
演算手段で演算された各因子別評価点を用いて大気環境
の有害性の程度を表す環境評価点を演算する環境評価点
演算手段と、この環境評価点演算手段で演算された環境
評価点を変数として定式化した関数により大気環境にお
ける金属材料の腐食減量と暴露日数との関係を演算する
腐食減量演算手段と、前記環境評価点演算手段で演算さ
れた環境評価点を変数として定式化した関数により大気
環境における金属材料の腐食速度を演算する腐食速度演
算手段と、金属材料の所定期間の暴露日数での腐食減量
に基づいて前記腐食減量演算手段で演算した腐食減量と
暴露日数の関係を補正演算する腐食減量補正演算手段
と、金属材料の所定期間の暴露日数での腐食減量に基づ
いて前記腐食速度演算手段で演算した腐食速度を補正演
算する腐食速度補正演算手段と、前記腐食減量補正演算
手段で補正された腐食減量と暴露日数の関係又は前記腐
食速度補正演算手段で補正された腐食速度を基に金属材
料の余寿命を算出する余寿命算出手段と、この余寿命算
出手段で算出された金属材料別の余寿命を診断結果とし
て出力する出力手段とを有することを要旨とする。この
構成により、各環境因子の量の測定値を入力すること
で、各環境因子毎の因子別評価点の演算、大気環境の環
境評価点の演算、その環境評価点の大気環境における金
属材料の腐食減量と暴露日数の関係の演算、その環境評
価点の大気環境における金属材料の腐食速度の演算、腐
食減量と暴露日数の関係の補正演算、腐食速度の補正演
算及び金属材料の余寿命算出を含む一連の演算及びその
寿命診断結果の出力が行われる。
【0033】請求項20記載の劣化診断方法は、電子回
路を構成する金属材料について、請求項13又は14記
載の方法により演算される腐食減量、請求項17記載の
方法より補正演算される腐食減量、請求項15又は16
記載の方法により算出される腐食速度、又は請求項18
記載の方法により補正演算される腐食速度を、前記電子
回路を構成する金属材料に対して予め用意してある腐食
減量又は腐食速度と当該金属材料からなる電子回路部品
の腐食劣化指標との関係に当てはめて当該電子回路部品
の腐食劣化指標に換算し、この腐食劣化指標により前記
電子回路部品の腐食劣化状態を判定することを要旨とす
る。この構成により、大気環境の環境評価点を測定、評
価することで、電子回路部品の腐食劣化状態を判定する
ことが可能となる。
【0034】請求項21記載の劣化診断方法は、上記請
求項20記載の劣化診断方法において、前記電子回路を
構成する金属材料が銅、前記電子回路部品が銅パターン
配線である場合において、前記腐食劣化指標は前記銅パ
ターン配線の腐食厚さであることを要旨とする。この構
成により、大気環境の環境評価点を測定、評価すること
で、銅パターン配線の腐食劣化を判定することが可能と
なる。
【0035】請求項22記載の劣化診断方法は、上記請
求項20記載の劣化診断方法において、前記電子回路を
構成する金属材料がアルミニゥム、前記電子回路部品が
集積回路である場合において、前記腐食劣化指標は前記
集積回路のアルミニゥム配線の腐食面積率であることを
要旨とする。この構成により、大気環境の環境評価点を
測定、評価することで、集積回路のアルミニゥム配線の
腐食劣化を判定することが可能となる。
【0036】請求項23記載の劣化診断方法は、上記請
求項20記載の劣化診断方法において、前記電子回路を
構成する金属材料が銀、前記電子回路部品が銀接点であ
る場合において、前記腐食劣化指標は前記銀接点の接触
抵抗値であることを要旨とする。この構成により、大気
環境の環境評価点を測定、評価することで、銀接点の腐
食劣化を判定することが可能となる。
【0037】請求項24記載の劣化診断方法は、電子回
路を構成する金属材料からなる電子回路部品について、
請求項20記載の方法により判定された腐食劣化状態に
対して設定してある腐食劣化限界値を、請求項20記載
の腐食減量又は腐食速度と当該金属材料からなる電子回
路部品の腐食劣化指標との関係に当てはめて、前記電子
回路部品を構成する金属材料の腐食減量限界値又は腐食
速度限界値に換算することを要旨とする。この構成によ
り、大気環境の環境評価点を測定、評価して電子回路部
品を構成する金属材料の腐食減量又は腐食速度を求め、
腐食減量限界値又は腐食速度限界値と比較することで、
電子回路部品の腐食劣化限界の判定を行うことが可能と
なる。
【0038】請求項25記載の劣化診断方法は、上記請
求項24記載の劣化診断方法において、前記電子回路を
構成する金属材料が銅、前記電子回路部品が銅パターン
配線である場合において、前記腐食劣化限界値は前記銅
パターン配線の限界腐食減厚率であることを要旨とす
る。この構成により、銅パターン配線の腐食劣化限界値
は、原厚に対する限界比率である限界腐食減厚率が用い
られる。銅パターン配線の原厚は既知であるから、この
限界腐食減厚率により限界腐食厚さが算出される。そし
て、この限界腐食厚さが腐食減量限界値又は腐食速度限
界値に換算される。大気環境の環境評価点を測定、評価
して銅パターン配線の腐食減量又は腐食速度を求め、腐
食減量限界値又は腐食速度限界値と比較することで、銅
パターン配線の腐食劣化限界の判定を行うことが可能と
なる。
【0039】請求項26記載の劣化診断方法は、上記請
求項24記載の劣化診断方法において、前記電子回路を
構成する金属材料がアルミニゥム、前記電子回路部品が
集積回路である場合において、前記腐食劣化限界値は前
記集積回路のアルミニゥム配線の限界腐食面積率である
ことを要旨とする。この構成により、アルミニゥム配線
の腐食劣化限界値は、総面積に対する限界値である限界
腐食面積率が用いられる。この限界腐食面積率が腐食減
量限界値又は腐食速度限界値に換算される。大気環境の
環境評価点を測定、評価してアルミニゥム配線の腐食減
量又は腐食速度を求め、腐食減量限界値又は腐食速度限
界値と比較することで、集積回路のアルミニゥム配線の
腐食劣化限界の判定を行うことが可能となる。
【0040】請求項27記載の劣化診断方法は、上記請
求項24記載の劣化診断方法において、前記電子回路を
構成する金属材料が銀、前記電子回路部品が銀接点であ
る場合において、前記腐食劣化限界値は前記銀接点の限
界接触抵抗値であることを要旨とする。この構成によ
り、銀接点の腐食劣化限界値は限界接触抵抗値が用いら
れる。こ限界接触抵抗値が腐食減量限界値又は腐食速度
限界値に換算される。大気環境の環境評価点を測定、評
価して銀接点の腐食減量又は腐食速度を求め、腐食減量
限界値又は腐食速度限界値と比較することで、銀接点の
腐食劣化限界の判定を行うことが可能となる。
【0041】請求項28記載の劣化診断方法は、大気環
境の金属材料に対する有害性を環境評価点を用いて大気
環境区分法を行うことによって評価する劣化診断方法に
おいて、前記環境評価点は請求項9記載の方法によって
算出することを要旨とする。この構成により、特定金属
材料の暴露日数と腐食減量から逆算により求めた環境評
価点を用いることで、大気環境の金属材料に対する有害
性を簡便に評価することが可能となる。
【0042】請求項29記載の劣化診断方法は、電子回
路基板表面の汚損度と劣化指標との相関関数を予め求め
ておき、診断対象である電子機器における電子回路基板
の汚損度を測定し、この測定汚損度を前記相関関数に当
てはめて劣化指標に換算し、この劣化指標により前記電
子機器の寿命を診断することを要旨とする。この構成に
より、電子回路基板表面の汚損度を測定することで、こ
の汚損度と劣化指標との相関関数から劣化指標が求めら
れて電子機器の寿命が診断される。
【0043】請求項30記載の劣化診断方法は、電子回
路基板表面の汚損度と劣化費消との相関関数を予め求め
ておき、診断対象である電子機器における電子回路基板
の現状汚損度及び一定期間経過後の汚損度をそれぞれ測
定し、この各測定汚損度を前記相関関数にそれぞれ当て
はめて劣化指標の経時変化を求め、この劣化指標の経時
変化により前記電子機器の寿命を診断することを要旨と
する。この構成により、電子回路基板表面の汚損度を現
状と一定期間経過後について測定することで、汚損度と
劣化指標との相関関数から劣化指標の経時変化が求めら
れて電子機器の寿命が診断される。
【0044】請求項31記載の劣化診断方法は、上記請
求項29又は30記載の劣化診断方法において、環境評
価点と汚損度との相関関数を予め求めておき、前記汚損
度は、大気環境中の温度、湿度、腐食性ガス、海塩粒子
又は海岸からの距離を含む複数の環境因子の各々の量
を、その量によって割り付けた各因子別評価点と各因子
別重み係数の積の和から求めた環境評価点を前記相関数
に当てはめて決定することを要旨とする。この構成によ
り、汚損度の直接測定に代えて、大気環境の環境評価点
を求め、この環境評価点から換算した汚損度を基に電子
機器の寿命が診断される。
【0045】請求項32記載の劣化診断方法は、上記請
求項29又は30記載の劣化診断方法において、前記汚
損度として、前記電子回路基板表面に付着した塩素イオ
ン、硝酸イオン及び硫酸イオンを含む陰イオンの単位面
積当たりの付着量を用いることを要旨とする。この構成
により、絶縁低下や腐食に影響の大きい陰イオンの電子
回路基板表面への付着量を測定することで、電子機器の
寿命が診断される。
【0046】請求項33記載の劣化診断方法は、上記請
求項29又は30記載の劣化診断方法において、前記劣
化指標は、前記電子回路基板の熱分布画像のフラクタル
次元変化率であることを要旨とする。この構成により、
電子回路基板表面の汚損度を測定することで、この汚損
度から電子回路基板の熱分布画像のフラクタル次元変化
率が求められて電子機器の寿命が診断される。
【0047】請求項34記載の劣化診断方法は、上記請
求項29又は30記載の劣化診断方法において、前記劣
化指標は、前記電子回路基板における導体パターンの腐
食断線時間であることを要旨とする。この構成により、
電子回路基板表面の汚損度を測定することで、この汚損
度から導体パターンの腐食断線時間が求められて電子機
器の寿命が診断される。
【0048】請求項35記載の劣化診断方法は、上記請
求項29又は30記載の劣化診断方法において、前記劣
化指標は、前記電子回路基板における導体間の絶縁抵抗
値であることを要旨とする。この構成により、電子回路
基板表面の汚損度を測定することで、この汚損度から導
体間の絶縁抵抗値が求められて電子機器の寿命が診断さ
れる。
【0049】請求項36記載の劣化診断装置は、電子回
路基板表面の汚損度及び汚損速度を測定する汚損度測定
手段と、電子回路基板の汚損度と劣化指標との相関関数
を格納する劣化指標データベースと、前記汚損度測定手
段から出力された汚損度測定値と前記劣化指標データベ
ースから読み取った相関関数から前記汚損度測定値に対
応した劣化指標値を算出する劣化指標値算出手段と、電
子回路基板の劣化指標の寿命しきい値を格納する寿命デ
ータベースと、現状の劣化指標値と前記寿命データベー
スから読み取った寿命しきい値との差分に相当する差分
汚損度を前記劣化指標データベースから読み取った相関
関数から算出する差分汚損度算出手段と、この差分汚損
度算出手段で算出された差分汚損度を前記汚損度測定手
段から出力された汚損速度で除して余寿命を算出する余
寿命算出手段とを有することを要旨とする。この構成に
より、電子回路基板表面の汚損度及び汚損速度を測定
し、この汚損度測定値に対応した劣化指標値を算出し、
現状の劣化指標値とその寿命しきい値により差分汚損度
を算出し、この差分汚損度と汚損速度測定値により電子
機器の余寿命算出が実行される。
【0050】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0051】図1乃至図8は、本発明の第1の実施の形
態を示す図である。まず、図1を用いて、本実施の形態
の劣化診断装置の構成を説明する。同図において、1は
当該大気環境を測定する環境因子量測定手段であり、各
種の腐食性ガス濃度計、温度計、相対湿度計、海塩粒子
測定手段を含んでいる。各測定手段は、当該大気環境に
1〜3ヶ月間設置して環境因子の量を測定する。温度、
相対湿度は自動記憶装置付き温湿度計で測定し、平均温
度、平均湿度を求める。腐食性ガスは各腐食性ガス毎に
連続ガス濃度測定器によりガス濃度を測定し、平均ガス
濃度(ppm)を求めたり、アルカリろ紙、酸性ろ紙を
当該大気環境に一定期間暴露して、ろ紙の吸着したガス
吸着量(mdd)を求める。海塩粒子はガーゼ補集法で
海塩粒子量(mdd)を求めたり、当該大気環境の海岸
からの距離(km)を求める。腐食性ガス測定に用いる
アルカリろ紙及び酸性ろ紙はサイズ(横5cm、縦13
cmのものを通常使う)が小さく暴露場所に制限を受け
ることがないので、診断対象となる電子機器等のできる
だけ近くに暴露するのが望ましい。これにより、診断対
象物が晒される大気環境の環境因子量をより正確に計測
することができる。
【0052】環境因子量測定手段1で測定された各因子
の量は環境因子量入力手段としての環境因子量入力装置
2により入力され、因子別評価点演算手段としての因子
別評価点演算部へ送られる。因子別評価点演算部3は、
環境因子量入力装置2の出力を用いて因子別評価点を算
出する。因子別評価点演算部3は因子別評価点データベ
ース(第1のデータベース)4より因子量と因子別評価
点との関係を示すデータを読取り、因子別評価点を算出
する。因子別評価点データベース4には、クラス分けさ
れた環境因子の量による因子別評価点の他に、因子別評
価点を環境因子の量を用いて算出するための関数が格納
されている。格納された関数はクラス分けされたクラス
の値とそのクラスの環境因子の量の中央値を補間する関
数も含まれている。
【0053】5は環境評価点演算手段としての環境評価
点演算部であり、因子別評価点演算部3にて算出された
各因子別の評価点に対して因子別重み係数データベース
(第2のデータベース)6から因子別の重み係数を読み
出し各因子別評価点と各因子別重み係数の積の和により
環境評価点を算出する。因子別重み係数データベース6
は、金属材料と腐食性ガスの組み合わせにより決められ
た重み係数のテーブルが格納されている。また、因子別
重み係数データベース6のデータは、ある環境因子のし
きい値を設定し、しきい値を超えると他の因子の重み係
数を変更する機能を具備する重み係数補正部7により変
更される。
【0054】金属別腐食関数作成部8では、環境評価点
演算部5で算出された環境評価点を用いて金属別の腐食
減量関数と腐食速度関数を作成する。それぞれの関数は
環境評価点と時間の関数として作成される。金属別の腐
食減量関数と腐食速度関数の係数の算出式は金属別関数
データベース9に格納されている。金属別腐食関数作成
部8には、関数補正部10があり、環境評価点を算出し
た当該環境で暴露した金属材料がある場合は腐食減量・
腐食速度検出手段11により検出された腐食減量と腐食
速度を用いて金属別腐食関数作成部8で作成した関数を
補正する。12は環境評価点算出部であり、腐食減量・
腐食速度検出手段11にてある金属の腐食減量や腐食速
度が算出されると、金属別関数データベース9に格納さ
れている金属の腐食関数と金属の腐食減量及び暴露期間
の値より環境評価点を算出する。環境評価点算出部12
は環境因子量測定手段1が利用されない場合、ある金属
の暴露結果(暴露期間、腐食減量)から環境評価点を求
めることができる。
【0055】余寿命算出手段としての金属別余寿命算出
部14では金属別腐食関数作成部8で作成された金属の
腐食減量関数と腐食速度関数を用いて、金属の余寿命を
演算する。金属別余寿命データベース13には、それぞ
れの金属の腐食減量限界値や腐食速度限界値が格納され
ており、金属別余寿命算出部14でのしきい値として使
用される。算出された金属別の余寿命は出力手段として
の診断結果表示部15にて金属材料の診断結果として表
示される。また、複数の金属で構成される部品では、そ
れぞれの金属別に余寿命が算出され、部品に使用されて
いる金属の中から最も早く寿命に到達する金属の寿命を
部品余寿命として算出し、診断結果表示部15にて部品
の診断結果として表示される。16は寿命因子換算デー
タベースであり、金属の腐食減量や腐食速度を部品の寿
命に直接関与する物理量に換算するための関数とそれら
の寿命判定しきい値が格納されている。部品余寿命算出
部17では金属別腐食関数から部品の寿命に直接関与す
る物量への変換を寿命因子換算データベース16のデー
タを用いて行い、部品の余寿命を算出する。算出結果は
部品の余寿命結果として診断結果表示部15にて表示さ
れる。
【0056】上記の金属別余寿命算出部14には、腐食
減量演算手段及び腐食速度演算手段が含まれている。腐
食減量演算手段は金属別腐食関数作成部8で作成された
金属腐食減量関数を用いて腐食減量の演算を行い、腐食
速度演算手段は金属別腐食関数作成部8で作成された金
属腐食速度関数を用いて腐食速度の演算を行う。また、
関数補正部10には、腐食減量補正演算手段及び腐食速
度補正演算手段が含まれている。腐食減量補正演算手段
は腐食減量・腐食速度検出手段11より選ばれた被爆金
属材料の腐食減量を用いて金属腐食減量関数の補正演算
を行い、腐食速度補正演算手段は腐食減量・腐食速度検
出手段11より選ばれた被爆金属材料の腐食速度を用い
て金属腐食速度関数の補正演算を行う。以上述べた1か
ら15までの構成要素により劣化診断装置が構成されて
いる。
【0057】図2は、因子別評価点データベース4のク
ラス分けされた環境因子の量による因子別評価点を示し
ている。環境因子の量により5つのクラスに分けられて
おり、因子別評価点演算部3はこのテーブルを参照して
測定した環境因子の量により因子別の評価点を得ること
ができる。測定する環境因子は、金属材料の腐食の程度
を左右する主要な環境因子である温度、湿度、腐食性ガ
ス(SO2 、H2 S、等の硫黄系ガス、NO2 等の窒素
酸化物ガス、Cl2 、HCl等の塩化物ガス、NH3
ス)、海塩粒子(海塩粒子量あるいは海岸からの距離)
である。腐食は環境因子の複合作用により発生するが、
その相互作用が複雑であることから、各環境因子のクラ
ス分け及び評価点の決定は各環境因子毎に行う。クラス
分け及び評価点の根拠は支配環境因子が異なる日本国内
のフィールド数百箇所の各環境因子の測定値と当該環境
に暴露した金属材料の腐食性の調査結果による。当該環
境の各環境因子毎の評価点を求め合計することで、大気
環境の各環境因子全体を考慮した環境評価点を求めるこ
とができ、環境評価点の数値により客観的に大気環境の
腐食性を判定することができる。その結果、金属材料の
腐食性を精度良く診断することができる。
【0058】次に、日本電子工業振興協会の工業用計算
機設置環境基準JEIDA−29−1990の4段階の
クラス分けと本実施の形態の5段階のクラス分けの違い
を説明する。JEIDA−29−1990では、各環境
因子の設定値を4段階にクラス分けして割り付けた各因
子別評価点を求め、その合計点により5段階に環境分類
して定性的な環境の腐食性の指標にしている。図3は、
JEIDA−29−1990で提唱されている4段階の
クラス分けと本実施の形態の5段階のクラス分けの違い
を湿度因子について説明するためのグラフであり、クラ
ス分けされた湿度量の中央値とそのときの因子別評価点
を通過する折れ線関数で示す。4段階のクラス分けの関
数と比較し、本実施の形態の5段階のクラス分けの関数
は湿度に対して評価点が加速的に増加している。これ
は、低湿度領域では湿度が金属材料の腐食反応に及ぼす
影響が小さく、高湿度領域になると影響が大きくなるこ
とを良く反映している。続いてガスのクラス分けの違い
について説明する。図4の(a),(b)は、JEID
A−29−1990で提唱されている4段階のクラス分
けと図2に示す本実施の形態の5段階のクラス分けの違
いをガス因子について説明するためのグラフであり、ク
ラス分けされた各ガス量の中央値とそのときの因子別評
価点を通過する折れ線関数を示す。ガス検知量の単位が
異なるので単純には比較できないが、JEIDA−29
−1990の4段階のクラス分けの区分の偏りが明かで
ある。これは4段階のクラス分けのうち、各ガスのクラ
ス4の測定値の上限値が人間が作業できる各ガスの最大
許容濃度を示しているためである。したがって、実際存
在する環境を区分しているのはクラス1〜3の3区分で
ある。これに対し、本実施の形態の腐食性ガスのクラス
分けは実際に存在する測定値の範囲で5段階に区分して
いる。これにより、実環境をより精緻に区分でき、的確
に大気環境を判定することができると同時に、金属材料
の腐食寿命診断の精度を向上させることができる。した
がって、本実施の形態による5段階のクラス分けテーブ
ルを使用することにより、金属材料の腐食寿命をより正
確に推定できることがわかる。
【0059】図5は、因子別評価点データベース4に格
納されている環境因子の量により因子別評価点を算出す
る関数の一例である。横軸は環境因子の量、縦軸は因子
別評価点を示す。図の例では、図2に記載したクラス分
けされた環境因子の量の中央値とそのときの因子別評価
点を通過する折れ線の関数と、それを近似した関数を示
している。因子別評価点データベース4には、クラス分
けテーブル、折れ線関数や近似関数、その他、実験で求
められたデータに基づく関数が格納されている。例え
ば、測定された環境因子Bの量がxであった場合、クラ
ス分けテーブルの因子別評価点はe1 、クラス分けテー
ブルの折れ線関数ではe2 、近似関数ではe3 が因子別
評価点演算部3で算出される。この近似関数や折れ線関
数を使用することにより、環境因子の量による因子別評
価点をより精密に算出することが可能となり、より正確
な環境評価点の算出と金属劣化量の予測が可能となる。
【0060】環境評価点演算部5では因子別評価点演算
部3にて算出された各因子別の評価点eに対して因子別
重み係数データベース6から因子別の重み係数kを読み
出し、式(1)により環境評価点Eを算出する。
【0061】
【数1】 因子別重み係数データベース6には、金属と当該環境の
支配的な腐食性ガスの組み合わせにより予め決められた
重み係数のテーブルが格納されている。因子別評価点デ
ータベース4に格納されている評価点は、銅、銀、アル
ミニゥム、鉄、ニッケル、クロム、亜鉛等の金属全般の
腐食劣化の予測に適用することができる値である。しか
し、例えば地熱発電所や下水処理場等の硫化水素ガスが
支配的な環境では銅の腐食速度が非常に大きいため、因
子別評価点データベース4に格納された評価点による診
断では銅の腐食劣化の予測の精度が低下する。そこで、
このような事態を改善するために、硫化水素ガス環境に
おける銅の腐食診断の場合、硫化水素ガス因子別評価点
に乗じる重み係数は適切な数値に、他の因子別評価点は
1に設定されている。同様に金属と環境因子の組み合わ
せ毎に設定された各因子別の重み係数が因子別重み係数
データベース6に格納されている。
【0062】また、その他にも因子別重み係数データベ
ース6が重み係数補正部7により、重み係数が乗ぜられ
る因子の他の因子の量xによって重みを補正することも
できる。例えば、環境因子Aの重み係数kA は図6に示
すように、その他の環境因子の量(ここでは、環境因子
Bの量)により重み係数補正部7で変更される。即ち、
重み係数kは環境因子の量xによる関数として表現され
る。
【0063】
【数2】 ki =f(xj ) (ただし、i≠j) …(2) 金属別腐食関数作成部8では環境評価点演算部5で算出
された環境評価点を基に、金属種類別の腐食減量関数と
腐食速度関数を作成する。金属の腐食減量関数Wは、そ
の金属が設置(暴露)された大気環境の環境評価点Eと
暴露された期間d(日数)の関数として作成される。
【0064】 W=f(E,d) …(3) 典型的な腐食減量関数は暴露された時間dの平方根の1
次式として表され、1次式の各係数は環境評価点の多項
式として記述できる。即ち、1次式の係数をそれぞれ
α、βとした場合、金属の腐食減量関数は式(4)で示
される。
【0065】 W−α(E)・√d+β(E) …(4) 図7には式(4)に基づいた金属の腐食減量関数Wと大
気環境暴露時間dのグラフを示す。式(4)の環境評価
点Eの多項式α、βは金属の種類によって多項式の項数
と係数が異なり、金属別の項数と係数は金属別関数デー
タベース9に格納されている。また、式(4)を時間d
について微分した式(5)が金属の腐食速度を示す。
【0066】
【数3】 dW/dt=g(E,d) =α(E)2 /(W−β(E)) …(5) 式(4)及び式(5)が得られることにより、環境評価
点Eと暴露期間dがわかれば、その大気環境での金属の
腐食減量及び腐食速度を求めることができる。即ち、現
地の環境での金属の腐食減量を調査し、金属の劣化状態
を把握したい場合、現地に暴露されている金属を調査し
なくても、腐食がどの程度進んでいるかを推定すること
ができる。よって、金属材料の劣化状態を定量的に表現
することが可能となる。また、腐食減量に限界値がある
場合、腐食減量及び腐食速度関数を用いることで、現状
から限界値に到達するまでの期間を推定することができ
るため、金属材料の余寿命を定量的に算出することがで
きる。
【0067】図8は、金属材料の腐食減量関数を補正す
る方法を示している。金属別腐食関数作成部8で作成さ
れた関数は、ある環境評価点で一意に決定される。図8
に示すグラフaが、ある環境評価点Aにより作成された
腐食減量関数である。しかし、同一環境評価点Aで同一
金属であっても、環境評価点Aを構成する環境因子の量
の違いがあり、金属の腐食減量にばらつきが存在する。
図8にばらつきの範囲の最大値をamax 、ばらつきの範
囲の最小値をamin として示す。通常、金属の腐食減量
はグラフaに従う、そのため、グラフaを用いることで
金属の腐食減量を推定することができる。ここで、当該
環境中に所定の期間、金属材料を暴露することにより、
金属の腐食減量と暴露期間との関係を把握することがで
きるため、ばらつきの範囲の中から、金属腐食減量関数
を決定することができる。例えば、金属暴露の結果、暴
露期間bで腐食減量がBであったとすると腐食減量関数
は点(b,B)を通過する関数に補正できる。
【0068】次に、短期間暴露された金属材料の腐食減
量又は腐食速度を用いて環境評価点を得る方法を述べ
る。金属の腐食減量は式(3)に示すように、金属の暴
露期間と暴露した大気環境の環境評価点との関数で表せ
る。この関数は金属別関数データベース9に格納されて
いる。そこで、短期間暴露された金属の腐食減量が既知
であれば、暴露期間と腐食減量及び式(3)を用いて環
境評価点を導出することができる。また、腐食速度と式
(5)を用いても同様である。このように、環境因子量
の測定を行わなくても短期間暴露された金属の腐食減量
又は腐食速度の情報を用いて環境評価点を導出でき、導
出した環境評価点を用いて、暴露した金属以外の腐食減
量関数や腐食速度関数を作成することができる。
【0069】金属別余寿命算出部14では、金属別腐食
関数作成部8と関数補正部10にて作成された腐食関数
を用いて金属の腐食予想量と金属の腐食限界値に至るま
での時間を算出する。金属の腐食限界値は金属別余寿命
データベース13に格納されている。例えば、制御盤の
外壁に使用されている金属は鉄で何ミリの厚さがあり、
どの程度まで腐食により減量した場合に使用不可となる
かなどの情報が格納されている。金属別余寿命算出部1
4で算出された結果は診断結果表示部15に診断結果と
して表示される。また、金属別余寿命データベース13
では、部品を構成する金属の種類とそれらの金属の減量
が幾つになったときに部品として機能しなくなるかのし
きい値データが格納されている。金属別余寿命算出部1
4では、部品を構成する金属のうち、最も早く寿命に到
達する金属(余寿命が最も短い金属)の余寿命を部品の
余寿命として算出する。算出結果は診断結果表示部15
にて診断結果として表示される。
【0070】寿命因子換算データベース16には電子部
品や機構部品の寿命しきい値のデータが格納されてい
る。電子部品や機構部品の寿命しきい値は必ずしも金属
の腐食減量や腐食速度ではなく、その他の物理量が寿命
因子(腐食面積率、皮膜厚さ、腐食厚さ等)であること
もあり、寿命因子換算データベース16には金属の腐食
減量や腐食速度をその他の寿命因子に換算するための関
数も格納されている。部品余寿命算出部17では寿命因
子換算データベース16のデータと金属別腐食関数作成
部8で作成された関数を用いて部品の余寿命を算出し、
結果を診断結果表示部15にて診断結果として表示す
る。
【0071】図9乃至図11には、本発明の第2の実施
の形態を示す。本実施の形態は、大気環境中で使用され
る電子回路基板の劣化診断方法である。本実施の形態の
寿命診断対象は電子回路基板の導体であり、導体の構成
金属材料は銅である。銅は環境因子の1つである硫化水
素ガスにより著しく腐食する特性を有していることか
ら、硫化水素ガスが支配的な大気環境においては、硫化
水素の因子別評価点に1を超える重み係数を乗じる。即
ち、図1の重み係数補正部7にて硫化水素に対応する係
数を補正する。銅に対する腐食減量関数Wcuは、式
(4)より次の式(6)となる。
【0072】
【数4】 Wcu=fcu(E,d)=αcu(E)・√d+βcu(E) …(6) しかし、式(6)で計算した銅の腐食量を、直接導体の
腐食量に当てはめることはできない。電子回路基板の導
体は大気環境に直接晒されていないからである。図9に
示すように、導体19の表面にはソルダーレジスト20
が印刷されている。18は基材である。導体19の腐食
はソルダーレジスト20のピンホールから腐食性ガス、
海塩粒子又は水分が侵入することで発生する。そこで、
環境試験槽に銅板とモデル基板を暴露し、所定の時間毎
に銅板の腐食量と電子回路基板の導体の腐食厚さとの関
係を調査することで、図10(a)のような関数を予め
作成しておく。この関数は図1の寿命因子換算データベ
ース16に格納されている。格納する関数は、温度、湿
度、腐食性ガスの種類及び濃度等の条件の組み合わせを
変えて実施した環境試験で得られたもの数種類を格納す
る。電子回路基板の導体腐食断面は図11に示すように
局所的に腐食部分19aが進行するが、腐食厚さは最も
腐食19aが進行している部分で測定する。式(6)に
より当該大気環境に設置されてからt時間後の銅の腐食
量が予測でき、図10(a)の関係曲線によりt時間後
の銅の腐食量に対応するt時間後の導体腐食厚さが推定
できることから、導体の腐食状態の劣化状態判定が可能
になる。
【0073】寿命予測は以下の方法で行う。初期導体厚
さに対する導体腐食厚さを腐食減厚率と呼ぶ。導体の腐
食は導体厚さが初期の半分以下になると急激に進行する
ことから、腐食減厚率が40%〜50%を限界寿命判定
値とする。導体幅が250μm以下の細線パターンは一
旦腐食が発生すると進行が早いことから限界腐食減厚率
を40%とし、導体幅が250μmを超える導体は限界
腐食減厚率を50%とする。例えば幅150μm、厚さ
35μmの導体の限界導体腐食厚さは、35×0.4=
14μmとする。図10(b)に示すように限界導体腐
食厚さに対応する銅の限界腐食量を求める。次に、この
銅の限界腐食量から、式(5)を用いて銅の限界腐食量
に至る時間が求められる。この時間が当該大気環境にお
ける当該電子回路基板の導体寿命時間である。診断対象
導体は電子回路基板内の幅が最も小さいものを選択す
る。寿命予測精度を上げるために、銅板を大気環境中に
所定時間に渡って暴露し、腐食量を測定し、腐食減量と
時間の関係を補正する方法及び定期点検時に製品基板あ
るいは寿命診断用の基板の導体腐食厚さを測定し、図1
0(a)の関数を補正する方法も利用できる。また、電
子回路基板の導体表面にはソルダーレジストだけでな
く、耐環境性向上のためにコーティング剤が塗布されて
いたり、又は部品実装工程で使用される半田フラックス
が残存している無洗浄基板が多い。そのため、基板の種
類毎に図10(a)のような導体腐食厚さと銅の腐食量
の関数を作成し、寿命因子換算データベース16に格納
する。
【0074】図12乃至図16には、本発明の第3の実
施の形態を示す。図12は加速劣化試験により得られる
アルミニゥムの腐食減量と集積回路のアルミニゥム配線
の腐食面積率の相関関数l(W)を示す図、図13は図
1の寿命因子換算データベース16に格納された腐食面
積率データベースの詳細を説明するための図、図14は
同じく図1の寿命因子換算データベース16に格納され
た寿命診断データベースの詳細を説明するための図、図
15は集積回路のアルミ配線腐食面積率の時系列曲線U
=m(t)の詳細を説明するための図、図16はアルミ
配線腐食面積率と故障の相関曲線F=n(U)の詳細を
説明するための図である。
【0075】まず、第1の実施の形態で述べたように、
環境因子の量を測定し、当該大気環境におけるアルミニ
ゥムの腐食減量Wal=f(E,d)を演算する。次に、
予め寿命因子換算データベース16に用意しておいたア
ルミニゥム腐食減量Walと集積回路のアルミ配線腐食面
積率の相関関数U=l(W)に前記演算結果を代入し、
集積回路の腐食面積率を導出する。相関関数l(W)
は、集積回路のアルミ配線腐食面積率の時系列変化曲線
U=m(t)を作成する際に、同条件の加速劣化試験を
アルミニゥムのテストピースに施すことによって作成さ
れる。所望の時間毎に複数の集積回路との複数のテスト
ピース試験槽からサンプリングし、集積回路のアルミ配
線腐食面積率とアルミテストピースの腐食減量を計測す
るので、図12に示すように、グラフの両軸にある分布
幅を持ったデータプロットとなる。この際、各分布の平
均値データの回帰近似により相関曲線を導出する。な
お、この相関曲線として、アルミ腐食速度dWal/dt
と集積回路のアルミ配線腐食面積率の相関関数を用い、
大気環境におけるアルミニゥムの腐食速度dWal/dt
=g(E,d)の演算結果を代入して、集積回路のアル
ミ配線腐食面積率を導出してもよい。これらの相関曲線
U=l(W)もしくはU=l(dW/dt)は、集積回
路の材質や回路の種類等によって傾向が異なることが判
明している。そこで、腐食劣化状態判定の対象としたい
集積回路種については、種類毎に前記相関曲線U=l
(W)もしはくU=l(dW/dt)を予め作成してお
き、図13に示すようなデータベースとして蓄えておく
必要がある。
【0076】次に、導出した集積回路の腐食面積率を寿
命診断データベースに照合する。この寿命診断データベ
ースは、図14に示すとおり、集積回路の材質や回路の
種類、年代別にそれぞれに対応するアルミ配線腐食面積
率の時系列曲線U=m(t)とアルミ配線腐食面積率と
故障率の相関関数F=n(U)を保存している。したが
って、指定の対象のU=m(t)とF=n(U)を呼び
出すことができる。U=m(t)とF=n(U)は、一
般的に、それぞれ図15、図16に示すような傾向を示
し、集積回路の材質や回路の種類、年代等によって若干
その曲率や絶対値が異なる。しかし、腐食面積率と故障
率の関係曲線F=n(U)から集積回路の寿命点(故障
率が腐食面積率に対して急激に上昇する点)が定義でき
る。この点を寿命点腐食量ucとし、腐食面積率の時系
列曲線上にtc=m-1(uc)を満たす寿命時間tcを
定めると、余寿命を推定することができる。即ち、診断
時に前述した環境因子測定からの一連の手続きで導出し
た集積回路の腐食面積率と図15のU=m(t)との関
係から導出した時間をTとすると、時間Tは図15上の
消費寿命に相当し、実時間軸上では、経年使用時間に相
当する。一方、余寿命は加速試験時間軸上では、tc−
Tで得られるのて、比例配分式(余寿命)=(経年使用
時間)×(tc−T)/Tより、実時間軸上での余寿命
を算出できる。診断結果については、診断結果表示部1
5においてCRTやプリンタ等に出力するとともに、記
録媒体にも出力してデータベース化し、その後、同一の
装置種や集積回路種の寿命診断を行う際に活用する。
【0077】以上のように、本実施の形態の寿命診断方
法では、予め集積回路のアルミ配線腐食面積率とアルミ
ニゥムの腐食減量(もしはく腐食速度)の相関関数を用
意しておくことで、集積回路を開封して実際にアルミ配
線腐食量を計測することなく、装置設置環境因子の量を
測定するだけで、非破壊での集積回路の寿命の推定が可
能となる。
【0078】図17及び図18には、本発明の第4の実
施の形態を示す。本実施の形態の寿命診断対象は電子回
路に使用されるリレー等の金属接点を有する部品であ
り、部品の機能劣化を生ずる主な構成金属材料は銀であ
る。第1の実施の形態に述べたように環境因子の量を測
定し、銀の腐食関数を求める。銀の金属接点では性能劣
化が硫化銀の腐食皮膜厚さに起因するため、第2の実施
の形態と同様に環試験槽にて銀板を暴露し、所定の時間
毎に銀板の腐食量と硫化銀の腐食皮膜厚さとの関係を調
査し、関数関係を求める。この関数は図1の寿命因子換
算データベース16に格納される。格納する関数は、温
度、湿度、腐食性ガスの種類及び濃度等の条件の組み合
わせを変えて実施した環境試験で得られたもの数種類を
格納する。金属別腐食関数作成部8で求められた銀の腐
食減量関数から寿命因子換算データベース16に格納さ
れた関数を用いて硫化銀の腐食皮膜厚さに換算し、図1
7に示す皮膜厚さと接触抵抗の関係から現在の接触抵抗
を求め銀接点の腐食劣化の程度を判定する。また、図1
7のaに示すように、電子回路の銀接点の接触抵抗増加
の限界値を設定し、図18に示すように、上記演算によ
り当該環境での腐食減量を予測することにより腐食皮膜
成長予測を行い接触抵抗限界値に対する腐食皮膜厚さに
達するまでの時間を算出し、当該環境で使用した銀接点
の余寿命を判定する。図17のaに示す銀接点の接触抵
抗増加の限界値も寿命因子換算データベース16に格納
されており、図18で示す余寿命は部品余寿命算出部1
7にて算出される。
【0079】以上の方法により当該大気環境で使用され
ている電子回路を構成する銀接点の劣化状態を装置を停
止することなく判定し、当該環境での銀接点の余寿命を
予測することが可能となる。
【0080】図19には、本発明の第5の実施の形態を
示す。同図において、21は汚染度を測定する汚染度測
定手段である。電子回路表面の汚染物質を一定面積から
採取し、一定量の純水に溶解し、その汚染液の電導度を
測定する。塩化ナトリウム水溶液の濃度と電導度の相関
関係を予め求めておき、この関係から汚染液の電導度を
塩化ナトリウム濃度に換算する。換算した塩化ナトリウ
ム濃度と汚染液の容量及び汚染物質の採取面積から電子
回路基板単位面積当たりに付着している汚染物質の等価
塩分量即ち汚染度を求めることができる。この汚染度を
当該電子回路基板が設置されてからの経過時間で割るこ
とで、汚染速度を求めることができる。また、電気機器
の使用環境は時として納入当初と診断時点では異なるこ
とがあることから、現状の汚染速度を精度良く求めるた
めには、一定期間後に再度汚染度測定を行い、その汚染
度の増加分から汚染速度を求めることが望ましい。製品
電子回路基板で再測定が困難な場合は、汚染度測定用基
板を制御基板内に一定期間暴露し、その基板の汚染度測
定結果から汚染速度を求める方法もある。
【0081】上記の汚染度の代わりに、電子回路基板表
面に付着している塩素イオン、硝酸イオン、硫酸イオン
の単位面積当たりの合計付着量を求める方法をとること
もできる。絶縁低下や腐食に影響の大きい上記3種類の
陰イオンの合計付着量を汚損度の代わりに使うことで、
さらに精度のよい診断が可能になる。陰イオンの測定は
汚損度測定に使用した汚損液を分析することで容易に求
めることができる。
【0082】汚染度測定手段21で測定した汚損度及び
汚染速度は、汚損度入力装置22により入力されて劣化
指標値算出手段としての劣化指標値算出部23に送られ
る。劣化指標値算出部23は、劣化指標データベース2
4に格納されている汚損度と劣化指標の相関関数を読取
り、入力した汚損度に相当する劣化指標値を算出する。
劣化指標データベース24に格納されている相関関数の
劣化指標は、電子回路基板の熱分布画像のフラクタル次
元変化率、電子回路基板の導体パターンの腐食断線時間
又は電子回路基板における導体間の絶縁抵抗値等であ
る。劣化指標値算出部23で算出された劣化指標値は、
診断時点の劣化指標の特性値を示していることから、劣
化診断結果として劣化診断結果表示部25にその値を表
示するようになっている。
【0083】次に寿命診断を行う。電子回路基板の各種
劣化指標の寿命しきい値が格納されている寿命データベ
ース27から寿命しきい値を読み出して寿命判定汚損度
算出部26に送る。読み出した寿命しきい値を劣化指標
データベース24に格納されている汚損度と劣化指標値
の相関関数に代入して寿命判定汚損度を算出し、差分汚
損度算出手段としての差分汚損度算出部28に送る。差
分汚損度算出部28では、汚損度入力装置22から送ら
れた汚損度と寿命判定汚損度算出部26から送られた寿
命判定汚損度の差を算出し、余寿命算出手段としての余
寿命算出部29に送る。余寿命算出部29では差分汚損
度算出部28から送られた差分汚損度を汚損度入力装置
22から送られた汚損速度で割って余寿命を算出する。
算出結果は診断結果表示部30に表示する。
【0084】以上のように、本実施の形態によれば、汚
損度と絶縁劣化又は腐食に係る電子回路基板の劣化指標
との相関関数を予め用意しておくことで、計測のための
電極を基板上に作成したり基板を破壊して劣化指標を計
測することなく、汚損度を測定するだけで電子回路基板
の寿命を推定することがでぎる。
【0085】図20には、本発明の第6の実施の形態を
示す。本実施の形態は、電子回路基板表面の汚損物質の
殆どは大気中の浮遊塵埃に吸着して持ち込まれ、大気中
の腐食性ガス量や海塩粒子量等の影響をトータルで数値
化した環境評価点と汚損度に相関関係があることから、
環境汚損の指標として汚損度の代わりに環境評価点を用
いるものである。
【0086】図20は、本実施の形態の構成を示してい
る。同図において、31は当該大気環境を測定する環境
因子量測定手段であり、各種の腐食性ガス濃度計、温度
計、相対湿度計、海塩粒子測定手段等で構成されてい
る。各測定手段は当該大気環境に1〜2ヶ月間設置して
環境を測定する。環境因子量測定手段31で測定された
各環境因子の量は環境因子量入力装置32により入力さ
れて因子別評価点演算部33に送られる。因子別評価点
演算部33は環境因子量入力装置32の出力を用いて因
子別評価点データベース34より因子量と因子量評価点
との関係を示すデータを読み取り因子別評価点を算出す
る。環境評価点演算部35では、因子別評価点演算部3
3にて算出された各因子別評価点の和を算出する。汚損
速度算出部36では、汚損速度換算データベース37に
格納されている環境評価点と汚損速度の相関関数に環境
評価点演算部35で算出された環境評価点を代入し、汚
損速度を算出する。算出された汚損速度に当該環境にお
ける稼働年数を乗じることで診断時の推定汚損度を求め
る。
【0087】汚損速度算出部36で算出された汚損速度
は前記図19の劣化指標値算出部23に送られ、劣化指
標データベース24に格納されている汚損度と劣化指標
の相関関数に代入して診断時点の劣化指標の特性値を算
出し、劣化診断結果表示部25に診断結果を表示する。
環境評価点から汚損速度、汚損度が換算されているの
で、寿命診断は第5の実施の形態と同様に行うことがで
きる。
【0088】以上のように、本実施の形態によれば、制
御盤等の奥に電子回路基板が設置されていて汚損度の測
定が困難な場合や、連続運転しており停止することがで
きない場合、汚損度測定の代わりに環境評価点を求め、
環境評価点から換算した汚損度により電子回路基板の寿
命診断が可能になる。
【0089】図21及び図22には、本発明の第7の実
施の形態を示す。図21は劣化指標データベース24に
格納された電子回路基板表面の汚損度Cとフラクタル次
元変化率Fの相関関数を説明するための図である。図2
2は当該環境の汚損度Cの経時変化を示す図である。
【0090】まず、第5の実施の形態又は第6の実施の
形態で示したように汚損度及び汚損速度を測定する。次
に、予め用意されていた劣化指標データベース24に格
納された図21の汚損度Cとフラクタル次元変化率Fの
相関関数F=i(C)に、求めた汚損度Caを代入し、
診断時のフラクタル次元変化率Faを求め、診断時の劣
化状態を診断する。相関関数F=i(C)はフィールド
回収品及び環境劣化試験により予め求めておいたもので
ある。フラクタル次元変化率は、電子回路基板に通電開
始してから一定時間毎に収集した基板全体の熱分布画像
のフラクタル次元を計算し、その時間毎の変化率を計算
したものである。汚損度とフラクタル次元変化率の相関
関数は電子回路基板の実装部品の種類や導体パターンの
配線状態により異なることから、電子回路基板の種類毎
に用意し、劣化指標データベース24に格納しておく必
要がある。
【0091】次に、寿命データベース27から診断対象
基板のフラクタル次元変化率の寿命しきい値Fcを呼び
出す。寿命しきい値はフラクタル次元変化率と故障率の
関係から電子回路基板の種類毎に予め求められている。
この寿命しきい値を劣化指標データベース24に格納さ
れている汚損度Cとフラクタル次元変化率Fの相関関数
F=i(C)に代入し、寿命しきい値Fcに相当する汚
損度即ち寿命判定汚損度Ccを算出する。
【0092】図22は当該環境の汚損度Cの経時変化関
数C=j(T)を示している。診断時の汚損度から寿命
判定汚損度に達するまでの時間即ち余寿命を、寿命判定
汚損度Ccから診断時の汚損度Caを引いた差分汚損度
を当該環境の汚損速度dC/dTで割ることで、即ち余
寿命=(Cc−Ca)/(dC/dT)で推定すること
ができる。
【0093】以上のように、本実施の形態によれば、電
子回路基板のフラクタル次元変化率と汚損度の相関関数
を予め求めておくことで、計測のために基板を制御盤か
ら抜き取り新たに通電する必要や、計測のための特殊な
装置を用意することなく、汚損度又は汚損度に代わり陰
イオン(塩素イオン、硝酸イオン、硫酸イオン)の総付
着量又は環境評価点を求めるだけでフラクタル次元変化
率に基づく電子回路基板の寿命診断が推定できる。
【0094】図23には、本発明の第8の実施の形態を
示す。図23は劣化指標データベース24に格納された
電子回路基板表面の汚損速度Dと電子回路基板導体パタ
ーンが断線するまでの時間Pとの相関関数を説明するた
めの図である。
【0095】まず、第5の実施の形態又は第6の実施の
形態で示したように汚損速度を測定する。次に、予め用
意された劣化指標データベース24に格納された図23
の汚損速度Dとパターン断線時間Pとの相関関数P=k
(C)に求めた汚損速度Dmを代入し、パターン断線ま
での時間Pm を算出する。求めたパターン断線時間Pm
は、当該環境に設置されてから導体パターンが断線する
までの時間を表している。相関関数P=k(C)はフィ
ールド回収品及び環境劣化試験により予め求めておいた
ものである。汚損速度Dとパターン断線時間Pの相関関
数P=k(C)は、パターン幅、パターン金属の厚さ、
パターン表面のソルダーレジスト膜の厚さ等によって傾
向が異なることから、診断対象電子回路基板のパターン
構成別の相関曲線を劣化指標データベース24に収納し
ておく必要がある。当然のことながら、電子回路基板上
には種々の幅のパターンが配線されているが、当該電子
回路基板の寿命判定は最も幅が狭いパターンで行う。
【0096】以上のように、本実施の形態によれば、電
子回路基板の導体パターン断線時間と汚損速度の関係を
求めておくだけで、製品基板を破壊しパターンの腐食状
態を調査することなく、汚損速度又は汚損速度の代わり
に陰イオン(塩素イオン、硝酸イオン、硫酸イオン)の
付着速度又は環境評価点を求めるだけでパターンが腐食
断線するまでの寿命を推定することができる。
【0097】図24及び図25には、本発明の第9の実
施の形態を示す。図24は劣化指標データベース24に
格納された電子回路基板表面の汚損度Cと導体間の絶縁
抵抗値Iの相関関数を説明するための図である。図25
は当該環境の汚損度Cの経時変化を示す図である。
【0098】まず、第5の実施の形態又は第6の実施の
形態で示したように汚損度及び汚損速度を測定する。次
に、予め用意されていた劣化指標データベース24に格
納された図24の汚損度Cと絶縁抵抗値Iの相関関数I
=m(C)に、求めた汚損度Caを代入し、診断時の絶
縁抵抗値Iaを求め、診断時の劣化状態を診断する。相
関関数I=m(C)はフィールド回収品及び環境劣化試
験により予め求めておいたものである。
【0099】次に、寿命データベース27から診断対象
基板の絶縁抵抗値の寿命しきい値Icを呼び出す。寿命
しきい値は絶縁低下の影響を最も受けやすい箇所に基づ
き、電子回路基板の種類及び仕様毎に設定されている。
この寿命しきい値を劣化指標データベース24に格納さ
れている汚損度Cと絶縁抵抗値Iの相関関数I=m
(C)に代入し、寿命しきい値Icに相当する汚損度即
ち寿命判定汚損度Ccを算出する。
【0100】図25は当該環境の汚損度Cの経時変化関
数C=n(T)を示している。診断時の汚損度から寿命
判定汚損度に達するまでの時間即ち余寿命を、寿命判定
汚損度Ccから診断時の汚損度Caをひいた差分汚損度
を当該環境の汚損速度dC/dTで割ることで、即ち余
寿命=(Cc−Ca)/(dC/dT)で推定すること
ができる。
【0101】以上のように、本実施の形態によれば、電
子回路基板の絶縁抵抗値と汚損度の相関関数を予め求め
ておくことで、計測のために基板を制御盤から抜き取
り、絶縁抵抗測定のための電極を貼付したりする必要な
く、汚損度又は汚損度に代わり陰イオン(塩素イオン、
硝酸イオン、硫酸イオン)の総付着量又は環境評価点を
求めるだけで絶縁劣化による電子回路基板の寿命が推定
できる。さらに、本実施の形態によることで、環境汚損
により絶縁劣化が発生しやすいが、測定が不可能な部品
リード間等の絶縁劣化状態が汚損度から推定できる。
【0102】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の劣
化診断方法によれば、金属材料の大気中での暴露日数に
対する腐食減量を大気環境の有害性の程度を表す環境評
価点の関数として定式化し、この関数から求めた腐食減
量を基に前記金属材料の寿命を診断するようにしたた
め、大気環境の環境評価点を測定、評価することで、長
期間に渡る金属材料の暴露試験を必要とすることなく、
当該金属材料の大気環境中での腐食減量を算定すること
ができて、当該大気環境における、その金属材料の寿命
を診断することができる。
【0103】請求項2記載の劣化診断方法によれば、大
気環境における金属材料の腐食速度を当該大気環境の有
害性の程度を表す環境評価点の関数として定式化し、こ
の関数から求めた腐食速度を基に前記金属材料の寿命を
診断するようにしたため、大気環境の環境評価点を測
定、評価することで、長期間に渡る金属材料の暴露試験
を必要とすることなく、当該金属材料の大気環境中での
腐食減量を算定することができて、当該大気環境におけ
る、その金属材料の寿命を診断することができる。
【0104】請求項3記載の劣化診断方法によれば、前
記環境評価点は、大気環境中の温度、湿度、腐食性ガ
ス、海塩粒子又は海岸からの距離を含む複数の環境因子
の各々の量を、その量によって割り付けた各因子別評価
点と各因子別重み係数の積の和としたため、長期間に渡
る金属材料の暴露試験を必要とすることなく腐食減量又
は腐食速度を算定するための環境評価点を適正に求める
ことができる。
【0105】請求項4記載の劣化診断方法によれば、前
記大気環境中の温度、湿度、腐食性ガス、海塩粒子又は
海岸からの距離を含む複数の環境因子の各々の因子別評
価点は、当該各環境因子の量の範囲によってクラス分け
して割り付けるか又は当該各環境因子の量の中央値の関
数の何れかとしたため、環境評価点を定めるための因子
別評価点を適切に決定することができる。
【0106】請求項5記載の劣化診断方法によれば、前
記環境因子における腐食性ガスの量の測定方法は、前記
大気環境に一定期間暴露したろ紙のガス吸着量として求
めるろ紙法とし、前記腐食性ガスのうちの酸性ガスの測
定は、セルロースろ紙に所定%の炭酸カリウム水溶液又
は炭酸ナトリウム水溶液の何れかを含浸したアルカリろ
紙により、また前記腐食性ガスのうちのアルカリ性ガス
の測定は、ガラスろ紙に所定%リン酸水溶液を含浸した
酸性ろ紙により測定を行うようにしたため、腐食性ガス
量の測定にろ紙法を採用することで、大気環境の風速や
風量の影響も加味した測定をすることができ、また、ろ
紙は小さな紙片で寿命診断対象の近傍に暴露できるの
で、診断対象が晒される環境を正確に測定することがで
きる。したがって、金属材料の寿命を精度良く診断する
ことができる。
【0107】請求項6記載の劣化診断方法によれば、前
記各環境因子の量の範囲による因子別評価点のクラス分
けは、少なくとも5段階としたため、実際に存在する測
定値の範囲でクラス分けを5段階とすることで実環境を
より精緻に区分することができ、的確に大気環境を判定
することができる。したがって、金属材料の寿命を、よ
り正確に診断することができる。
【0108】請求項7記載の劣化診断方法によれば、前
記環境因子における相対湿度の因子別評価点は、雨、雪
に直接晒される大気環境においては、各クラスの評価点
に一定数の補正点を加えたものとしたため、大気環境が
雨や雪が直接当たる屋外の場合は、腐食促進効果が大き
いことから、大気環境の腐食性を精度良く診断するため
の湿度の因子別評価点を適切に決定することができる。
【0109】請求項8記載の劣化診断方法によれば、前
記環境因子における海塩粒子の因子別評価点を、前記海
岸からの距離によってクラス分けして割り付けたものと
したため、クラス分け及び因子別評価点の根拠は、支配
環境因子が異なる国内のフィールド数百箇所の海岸から
の距離と海塩粒子測定値とその環境に暴露した金属材料
の腐食性の調査結果による。この結果、地図上の海岸か
らの距離を求めるだけで実際に海塩粒子の量を測定する
ことなく、海塩粒子の因子別評価点を求めることができ
る。
【0110】請求項9記載の劣化診断方法によれば、前
記環境評価点は、特定の金属材料を大気環境中に所定期
間に渡って暴露し、当該所定期間の暴露日数での前記特
定の金属材料の腐食減量を測定し、この腐食減量と暴露
日数を環境評価点との関係に当てはめることによって算
出し、この算出した環境評価点を用いて他の金属材料の
大気環境における寿命を診断するようにしたため、特定
金属材料の暴露日数と腐食減量から環境評価点を逆算す
ることで、長期間に渡る金属材料の暴露試験を必要とす
ることなく、他の任意の金属材料の寿命を診断すること
ができる。
【0111】請求項10記載の劣化診断方法によれば、
前記特定の金属材料は銅としたため、銅はあらゆる環境
因子を含む大気環境において、腐食に対する感受性が最
も高いことから、逆算による環境評価点を精度良く決定
することができる。
【0112】請求項11記載の劣化診断方法によれば、
大気環境における金属材料の腐食減量を、当該金属材料
の当該大気環境に暴露された日数の平方根の1次式で表
し、当該1次式中の係数を請求項3記載の前記環境評価
点の多項式で表すようにしたため、大気環境の環境評価
点を測定、評価することで、長期間に渡る金属材料の暴
露試験を必要とすることなく、当該金属材料の大気環境
中での暴露日数と腐食減量の関係が得られて、その金属
材料の寿命を診断することができる。
【0113】請求項12記載の劣化診断方法によれば、
大気環境における金属材料の腐食速度を、当該金属材料
の当該大気環境に暴露された日数の平方根の1次式で表
し、当該1次式中の係数を請求項3記載の前記環境評価
点の多項式で表すようにしたため、大気環境の環境評価
点を測定、評価することで、長期間に渡る金属材料の暴
露試験を必要とすることなく、当該金属材料の大気環境
中での腐食速度が得られて、その金属材料の寿命を診断
することができる。
【0114】請求項13記載の劣化診断方法によれば、
金属材料が使用される大気環境について、当該大気環境
中の温度、湿度、腐食性ガス、海塩粒子又は海岸からの
距離を含む複数の環境因子を所定期間に渡って測定し、
この各測定値を用いて請求項4記載の方法により前記各
因子別評価点を決定し、この決定した各因子別評価点を
用いて請求項3記載の方法により前記環境評価点を決定
し、この決定した環境評価点を用いて当該金属材料の腐
食減量と暴露日数との関係を決定するようにしたため、
長期間に渡る金属材料の暴露試験を必要とすることな
く、大気環境の環境評価点を測定、評価に基づいて当該
金属材料の当該大気環境中での腐食減量と暴露日数の関
係が得られて、その金属材料の寿命を診断することがで
きる。
【0115】請求項14記載の劣化診断方法によれば、
金属材料が使用される大気環境について、請求項9記載
の方法により前記環境評価点を算出し、この算出した環
境評価点を用いて当該金属材料の腐食減量と暴露日数と
の関係を決定するようにしたため、特定金属材料の暴露
試験のみを行って環境評価点を逆算することで、複数の
環境因子の量の測定を必要とすることなく、他の任意の
金属材料の腐食減量と暴露日数の関係が得られて、当該
他の任意の金属材料の寿命を診断することができる。
【0116】請求項15記載の劣化診断方法によれば、
金属材料が使用される大気環境について、当該大気環境
中の温度、湿度、腐食性ガス、海塩粒子又は海岸からの
距離を含む複数の環境因子を所定期間に渡って測定し、
この各測定値を用いて請求項4記載の方法により前記各
因子別評価点を決定し、この決定した各因子別評価点を
用いて請求項3記載の方法により前記環境評価点を決定
し、この決定した環境評価点を用いて当該金属材料の腐
食速度を決定するようにしたため、長期間に渡る金属材
料の暴露試験を必要とすることなく、大気環境の環境評
価点の測定、評価に基づいて当該金属材料の当該大気環
境中での腐食速度が得られて、その金属材料の寿命を診
断することができる。
【0117】請求項16記載の劣化診断方法によれば、
金属材料が使用される大気環境について、請求項9記載
の方法により前記環境評価点を算出し、この算出した環
境評価点を用いて当該金属材料の腐食速度を決定するよ
うにしたため、特定金属材料の暴露試験のみを行って環
境評価点を逆算することとで、複数の環境因子の量の測
定を必要とすることなく、他の任意の金属材料の腐食速
度が得られて、当該他の任意の金属材料の寿命を診断す
ることができる。
【0118】請求項17記載の劣化診断方法によれば、
金属材料を大気環境中に所定期間に渡って暴露し、当該
所定期間の暴露日数での当該金属材料の腐食減量を測定
し、この測定結果を用いて請求項13又は14記載の方
法によって算出した金属材料の腐食減量と暴露日数の関
係を補正するようにしたため、短期間の当該金属材料の
暴露試験を行うことで、その金属材料の腐食減量と暴露
日数の関係より精度の高いものに補正することができ
て、その金属材料の寿命を精度良く診断することができ
る。
【0119】請求項18記載の劣化診断方法によれば、
金属材料を大気環境中に所定期間に渡って暴露し、当該
所定期間の暴露日数での当該金属の腐食減量を測定し、
この測定結果を用いて請求項15又は16記載の方法に
よって算出した金属材料の腐食速度を補正するようにし
たため、短期間の当該金属材料の暴露試験を行うこと
で、その金属材料の腐食速度をより精度の高いものに補
正することができて、その金属材料の寿命を精度良く診
断することができる。
【0120】請求項19記載の劣化診断装置によれば、
環境因子測定手段で測定された各環境因子の量の測定値
を入力する入力手段と、各環境因子の量と各因子別評価
点の関係を与える関数を内蔵する第1のデータベース
と、各種金属材料に対して環境評価点と各因子別評価点
の関係を与える関数を内蔵する第2のデータベースと、
前記第1のデータベースから読み取った前記関数及び前
記入力手段から入力した各環境因子の量を用いて各因子
別評価点を演算する因子別評価点演算手段と、前記第2
のデータベースから読み取った前記関数及び前記因子別
評価点演算手段で演算された各因子別評価点を用いて大
気環境の有害性の程度を表す環境評価点を演算する環境
評価点演算手段と、この環境評価点演算手段で演算され
た環境評価点を変数として定式化した関数により大気環
境における金属材料の腐食減量と暴露日数との関係を演
算する腐食減量演算手段と、前記環境評価点演算手段で
演算された環境評価点を変数として定式化した関数によ
り大気環境における金属材料の腐食速度を演算する腐食
速度演算手段と、金属材料の所定期間の暴露日数での腐
食減量に基づいて前記腐食減量演算手段で演算した腐食
減量と暴露日数の関係を補正演算する腐食減量補正演算
手段と、金属材料の所定期間の暴露日数での腐食減量に
基づいて前記腐食速度演算手段で演算した腐食速度を補
正演算する腐食速度補正演算手段と、前記腐食減量補正
演算手段で補正された腐食減量と暴露日数の関係又は前
記腐食速度補正演算手段で補正された腐食速度を基に金
属材料の余寿命を算出する余寿命算出手段と、この余寿
命算出手段で算出された金属材料別の余寿命を診断結果
として出力する出力手段とを具備させたため、長期間に
渡る金属材料の暴露試験を必要とすることなく、各環境
因子の量の測定値を入力するだけで、金属材料の寿命診
断に必要な一連の演算等処理が行われて、精度の良い診
断結果を出力することができる。
【0121】請求項20記載の劣化診断方法によれば、
電子回路を構成する金属材料について、請求項13又は
14記載の方法により演算される腐食減量、請求項17
記載の方法より補正演算される腐食減量、請求項15又
は16記載の方法により算出される腐食速度、又は請求
項18記載の方法により補正演算される腐食速度を、前
記電子回路を構成する金属材料に対して予め用意してあ
る腐食減量又は腐食速度と当該金属材料からなる電子回
路部品の腐食劣化指標との関係に当てはめて当該電子回
路部品の腐食劣化指標に換算し、この腐食劣化指標によ
り前記電子回路部品の腐食劣化状態を判定するようにし
たため、電子回路部品を回収し、その破壊試験を行うこ
とを必要とすることなく、大気環境の環境評価点を測
定、評価することで、電子回路部品の劣化状態を判定す
ることができる。
【0122】請求項21記載の劣化診断方法によれば、
前記電子回路を構成する金属材料が銅、前記電子回路部
品が銅パターン配線である場合において、前記腐食劣化
指標は前記銅パターン配線の腐食厚さとしたため、銅パ
ターン配線を回収し、その破壊試験を行うことを必要と
することなく、大気環境の環境評価点を測定、評価する
ことで、その銅パターン配線の劣化状態を判定すること
ができる。
【0123】請求項22記載の劣化診断方法によれば、
前記電子回路を構成する金属材料がアルミニゥム、前記
電子回路部品が集積回路である場合において、前記腐食
劣化指標は前記集積回路のアルミニゥム配線の腐食面積
率としたため、集積回路を回収し、その破壊試験を行う
ことを必要とすることなく、大気環境の環境評価点を測
定、評価することで、その集積回路のアルミニゥム配線
の劣化状態を判定することができる。
【0124】請求項23記載の劣化診断方法によれば、
前記電子回路を構成する金属材料が銀、前記電子回路部
品が銀接点である場合において、前記腐食劣化指標は前
記銀接点の接触抵抗値としたため、銀接点を回収し、そ
の破壊試験を行うことを必要とすることなく、大気環境
の環境評価点を測定、評価することで、その銀接点の劣
化状態を判定することができる。
【0125】請求項24記載の劣化診断方法によれば、
電子回路を構成する金属材料からなる電子回路部品につ
いて、請求項20記載の方法により判定された腐食劣化
状態に対して設定してある腐食劣化限界値を、請求項2
0記載の腐食減量又は腐食速度と当該金属材料からなる
電子回路部品の腐食劣化指標との関係に当てはめて、前
記電子回路部品を構成する金属材料の腐食減量限界値又
は腐食速度限界値に換算するようにしたため、電子回路
部品を回収し、その破壊試験を行うことを必要とするこ
となく、大気環境の環境評価点を測定、評価して電子回
路部品を構成する金属材料の腐食減量又は腐食速度を求
めることで、その電子回路部品の腐食劣化限界の判定を
行うことができる。
【0126】請求項25記載の劣化診断方法によれば、
前記電子回路を構成する金属材料が銅、前記電子回路部
品が銅パターン配線である場合において、前記腐食劣化
限界値は前記銅パターン配線の限界腐食減厚率としたた
め、銅パターン配線を回収し、その破壊試験を行うこと
を必要とすることなく、大気環境の環境評価点を測定、
評価して銅パターン配線の腐食減量又は腐食速度を求め
ることで、その銅パターン配線の腐食劣化限界の判定を
行うことができる。
【0127】請求項26記載の劣化診断方法によれば、
前記電子回路を構成する金属材料がアルミニゥム、前記
電子回路部品が集積回路である場合において、前記腐食
劣化限界値は前記集積回路のアルミニゥム配線の限界腐
食面積率としたため、集積回路を回収し、その破壊試験
を行うことを必要とすることなく、大気環境の環境評価
点を測定、評価してアルミニゥム配線の腐食減量又は腐
食速度を求めることで、その集積回路のアルミニゥム配
線の腐食劣化限界の判定を行うことができる。
【0128】請求項27記載の劣化診断方法によれば、
前記電子回路を構成する金属材料が銀、前記電子回路部
品が銀接点である場合において、前記腐食劣化限界値は
前記銀接点の限界接触抵抗値としたため、銀接点を回収
し、その破壊試験を行うことを必要とすることなく、大
気環境の環境評価点を測定、評価して銀接点の腐食減量
又は腐食速度を求めることで、その銀接点の腐食劣化限
界の判定を行うことができる。
【0129】請求項28記載の劣化診断方法によれば、
大気環境の金属材料に対する有害性を環境評価点を用い
て大気環境区分法を行うことによって評価する劣化診断
方法において、前記環境評価点は請求項9記載の方法に
よって算出するようにしたため、長期に渡る多数の環境
因子の測定を必要とすることなく、特定金属材料の暴露
日数と腐食減量から逆算により求めた環境評価点を用い
ることで、大気環境の金属材料に対する有害性を簡便に
評価することができる。
【0130】請求項29記載の劣化診断方法によれば、
電子回路基板表面の汚損度と劣化指標との相関関数を予
め求めておき、診断対象である電子機器における電子回
路基板の汚損度を測定し、この測定汚損度を前記相関関
数に当てはめて劣化指標に換算し、この劣化指標により
前記電子機器の寿命を診断するようにしたため、電子回
路基板を回収し、その破壊試験を行うことを必要とする
ことなく、電子回路基板表面の汚損度を測定すること
で、電子機器の寿命を診断することができる。
【0131】請求項30記載の劣化診断方法によれば、
電子回路基板表面の汚損度と劣化指標との相関関数を予
め求めておき、診断対象である電子機器における電子回
路基板の現状汚損度及び一定期間経過後の汚損度をそれ
ぞれ測定し、この各測定汚損度を前記相関関数にそれぞ
れ当てはめて劣化指標の経時変化を求め、この劣化指標
の経時変化により前記電子機器の寿命を診断するように
したため、電子回路基板を回収し、その破壊試験を行う
ことを必要とすることなく、電子回路基板表面の汚損度
を現状と一定期間経過後について測定することで、電子
機器の寿命を診断することができる。
【0132】請求項31記載の劣化診断方法によれば、
環境評価点と汚損度との相関関数を予め求めておき、前
記汚損度は、大気環境中の温度、湿度、腐食性ガス、海
塩粒子又は海岸からの距離を含む複数の環境因子の各々
の量を、その量によって割り付けた各因子別評価点と各
因子別重み係数の積の和から求めた環境評価点を前記相
関関数に当てはめて決定するようにしたため、汚損度の
直接測定に代えて、大気環境の環境評価点を測定、評価
することで、電子回路基板が、汚損度の直接測定が困難
な制御盤の奥等に設置されている場合でも、その環境評
価点から換算した汚損度を基に非破壊で電子機器の寿命
を診断することができる。
【0133】請求項32記載の劣化診断方法によれば、
前記汚損度として、前記電子回路基板表面に付着した塩
素イオン、硝酸イオン及び硫酸イオンを含む陰イオンの
単位面積当たりの付着量を用いるようにしたため、電子
回路基板を回収し、その破壊試験を行うことを必要とす
ることなく、絶縁低下や腐食に影響の大きい陰イオンの
電子回路基板表面への付着量を測定することで、電子機
器の寿命を診断することができる。
【0134】請求項33記載の劣化診断方法によれば、
前記劣化指標は、前記電子回路基板の熱分布画像のフラ
クタル次元変化率としたため、測定に特殊な装置を必要
とする電子回路基板の熱分布の測定及びフラクタル次元
計算を行うことなく、電子回路基板表面の汚損度を測定
するだけで、フラクタル次元変化率を求めることができ
て、電子機器の寿命を診断することができる。
【0135】請求項34記載の劣化診断方法によれば、
前記劣化指標は、前記電子回路基板における導体パター
ンの腐食断線時間としたため、電子回路基板を回収し、
その破壊試験を行うことを必要とすることなく、電子回
路基板表面の汚損度を測定することで、導体パターンの
腐食断線時間を求めることができて、電子機器の寿命を
診断することができる。
【0136】請求項35記載の劣化診断方法によれば、
前記劣化指標は、前記電子回路基板における導体間の絶
縁抵抗値としたため、電子回路基板を回収し、その破壊
試験を行うことを必要とすることなく、電子回路基板表
面の汚損度を測定することで、実際の測定することが困
難なコネクタリード間や部品リード間等の絶縁抵抗値を
求めることができて、電子機器の寿命を診断することが
できる。
【0137】請求項36記載の劣化診断装置によれば、
電子回路基板表面の汚損度及び汚損速度を測定する汚損
度測定手段と、電子回路基板の汚損度と劣化指標との相
関関数を格納する劣化指標データベースと、前記汚損度
測定手段から出力された汚損度測定値と前記劣化指標デ
ータベースから読み取った相関関数から前記汚損度測定
値に対応した劣化指標値を算出する劣化指標値算出手段
と、電子回路基板の劣化指標の寿命しきい値を格納する
寿命データベースと、現状の劣化指標値と前記寿命デー
タベースから読み取った寿命しきい値との差分に相当す
る差分汚損度を前記劣化指標データベースから読み取っ
た相関関数から算出する差分汚損度算出手段と、この差
分汚損度算出手段で算出された差分汚損度を前記汚損度
測定手段から出力された汚損速度で除して余寿命を算出
する余寿命算出手段とを具備させたため、電子回路基板
を回収し、その破壊試験を行うことを必要とすることな
く、電子回路基板表面の汚損度及び汚損速度を測定する
ことで、寿命診断に必要な一連の演算等処理が行われ
て、精度の良い電子機器の寿命診断を行うこができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である劣化診断装置
のブロックである。
【図2】上記第1の実施の形態において環境因子の量に
よりクラス分けした因子別評価点テーブルである。
【図3】上記第1の実施の形態における湿度についての
5段階のクラス分けとJEIDA−29−1990の4
段階のクラス分けとの違いを説明するためのグラフであ
る。
【図4】上記第1の実施の形態における腐食性ガスにつ
いての5段階のクラス分けとJEIDA−29−199
0の4段階のクラス分けとの違いを説明するためのグラ
フである。
【図5】上記第1の実施の形態において環境因子の量と
因子別評価点の関係を示すグラフである。
【図6】上記第1の実施の形態において環境因子の量と
環境因子の重み係数の関係を示すグラフである。
【図7】上記第1の実施の形態において金属材料の腐食
減量と暴露時間との関係を示すグラフである。
【図8】上記第1の実施の形態において金属材料の暴露
による腐食減量関数の補正方法を説明するためのグラフ
である。
【図9】本発明の第2の実施の形態における電子回路基
板上の導体断面を示す図である。
【図10】上記第2の実施の形態において導体の腐食厚
さと同時暴露された銅板の腐食量との関係を示す図であ
る。
【図11】上記第2の実施の形態において腐食した導体
の断面を示す図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態においてアルミニ
ゥムの腐食減量と集積回路のアルミ配線の腐食面積率と
の関係を示す図である。
【図13】上記第3の実施の形態における腐食面積率デ
ータベースの詳細を説明するための表である。
【図14】上記第3の実施の形態における寿命診断デー
タベースの詳細を説明するための表である。
【図15】上記第3の実施の形態において集積回路のア
ルミ配線腐食面積率の時系列曲線U=m(t)の詳細を
説明するためのグラフである。
【図16】上記第3の実施の形態においてアルミ配線腐
食面積率と故障の相関曲線F=n(U)の詳細を説明す
るためのグラフである。
【図17】本発明の第4の実施の形態において腐食被膜
厚さと接触抵抗の関係を示すグラフである。
【図18】上記第4の実施の形態において硫化銀の被膜
厚さと暴露時間との関係を示す図である。
【図19】本発明の第5の実施の形態である劣化診断装
置のブロック図である。
【図20】本発明の第6の実施の形態である環境評価点
に基づく劣化診断装置のブロック図である。
【図21】本発明の第7の実施の形態における汚損度と
フラクタル次元変化率の関係を示すグラフである。
【図22】上記第7の実施の形態において汚損度の経時
変化を示す図である。
【図23】本発明の第8の実施の形態において汚損速度
と導体パターンの腐食断線時間の関係を示すグラフであ
る。
【図24】本発明の第9の実施の形態において汚損度と
電子回路基板表面の導体間の絶縁抵抗値の関係を示すグ
ラフである。
【図25】上記第9の実施の形態において汚損度の経時
変化を示す図である。
【符号の説明】
1 環境因子量測定手段 2 環境因子量入力装置(環境因子量入力手段) 3 因子別評価点演算部(因子別評価点演算手段) 4 因子別評価点データベース(第1のデータベース) 5 環境評価点演算部(環境評価点演算手段) 6 因子別重み係数データベース(第2のデータベー
ス) 8 金属別腐食関数作成部 10 関数補正部(腐食減量補正演算手段、腐食速度補
正演算手段) 14 金属別余寿命算出部(余寿命算出手段) 15 診断結果表示部(出力手段) 21 汚損度測定手段 23 劣化指標値算出部(劣化指標値算出手段) 24 劣化指標データベース 27 寿命データベース 28 差分汚損度算出部(差分汚損度算出手段) 29 余寿命算出部(余寿命算出手段)
フロントページの続き (72)発明者 佐々木 恵一 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 澤田 彰 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 安達 健二 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 木村 和成 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 Fターム(参考) 2G050 AA01 BA05 CA01 DA01 EB02

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属材料の大気中での暴露日数に対する
    腐食減量を大気環境の有害性の程度を表す環境評価点の
    関数として定式化し、この関数から求めた腐食減量を基
    に前記金属材料の寿命を診断することを特徴とする劣化
    診断方法。
  2. 【請求項2】 大気環境における金属材料の腐食速度を
    当該大気環境の有害性の程度を表す環境評価点の関数と
    して定式化し、この関数から求めた腐食速度を基に前記
    金属材料の寿命を診断することを特徴とする劣化診断方
    法。
  3. 【請求項3】 前記環境評価点は、大気環境中の温度、
    湿度、腐食性ガス、海塩粒子又は海岸からの距離を含む
    複数の環境因子の各々の量を、その量によって割り付け
    た各因子別評価点と各因子別重み係数の積の和とするこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の劣化診断方法。
  4. 【請求項4】 前記大気環境中の温度、湿度、腐食性ガ
    ス、海塩粒子又は海岸からの距離を含む複数の環境因子
    の各々の因子別評価点は、当該各環境因子の量の範囲に
    よってクラス分けして割り付けるか又は当該各環境因子
    の量の中央値の関数の何れかとすることを特徴とする請
    求項3記載の劣化診断方法。
  5. 【請求項5】 前記環境因子における腐食性ガスの量の
    測定方法は、前記大気環境に一定期間暴露したろ紙のガ
    ス吸着量として求めるろ紙法とし、前記腐食性ガスのう
    ちの酸性ガスの測定は、セルロースろ紙に所定%の炭酸
    カリウム水溶液又は炭酸ナトリウム水溶液の何れかを含
    浸したアルカリろ紙により、また前記腐食性ガスのうち
    のアルカリ性ガスの測定は、ガラスろ紙に所定%リン酸
    水溶液を含浸した酸性ろ紙により測定を行うことを特徴
    とする請求項3又は4記載の劣化診断方法。
  6. 【請求項6】 前記各環境因子の量の範囲による因子別
    評価点のクラス分けは、少なくとも5段階とすることを
    特徴とする請求項4記載の劣化診断方法。
  7. 【請求項7】 前記環境因子における相対湿度の因子別
    評価点は、雨、雪に直接晒される大気環境においては、
    各クラスの評価点に一定数の補正点を加えたものとする
    ことを特徴とする請求項6記載の劣化診断方法。
  8. 【請求項8】 前記環境因子における海塩粒子の因子別
    評価点を、前記海岸からの距離によってクラス分けして
    割り付けたものとすることを特徴とする請求項6記載の
    劣化診断方法。
  9. 【請求項9】 前記環境評価点は、特定の金属材料を大
    気環境中に所定期間に渡って暴露し、当該所定期間の暴
    露日数での前記特定の金属材料の腐食減量を測定し、こ
    の腐食減量と暴露日数を環境評価点との関係に当てはめ
    ることによって算出し、この算出した環境評価点を用い
    て他の金属材料の大気環境における寿命を診断すること
    を特徴とする請求項1記載の劣化診断方法。
  10. 【請求項10】 前記特定の金属材料は銅であることを
    特徴とする請求項9記載の劣化診断方法。
  11. 【請求項11】 大気環境における金属材料の腐食減量
    を、当該金属材料の当該大気環境に暴露された日数の平
    方根の1次式で表し、当該1次式中の係数を請求項3記
    載の前記環境評価点の多項式で表すことを特徴とする請
    求項1記載の劣化診断方法。
  12. 【請求項12】 大気環境における金属材料の腐食速度
    を、当該金属材料の当該大気環境に暴露された日数の平
    方根の1次式で表し、当該1次式中の係数を請求項3記
    載の前記環境評価点の多項式で表すことを特徴とする請
    求項2記載の劣化診断方法。
  13. 【請求項13】 金属材料が使用される大気環境につい
    て、当該大気環境中の温度、湿度、腐食性ガス、海塩粒
    子又は海岸からの距離を含む複数の環境因子を所定期間
    に渡って測定し、この各測定値を用いて請求項4記載の
    方法により前記各因子別評価点を決定し、この決定した
    各因子別評価点を用いて請求項3記載の方法により前記
    環境評価点を決定し、この決定した環境評価点を用いて
    当該金属材料の腐食減量と暴露日数との関係を決定する
    ことを特徴とする請求項1又は11記載の劣化診断方
    法。
  14. 【請求項14】 金属材料が使用される大気環境につい
    て、請求項9記載の方法により前記環境評価点を算出
    し、この算出した環境評価点を用いて当該金属材料の腐
    食減量と暴露日数との関係を決定することを特徴とする
    請求項1又は11記載の劣化診断方法。
  15. 【請求項15】 金属材料が使用される大気環境につい
    て、当該大気環境中の温度、湿度、腐食性ガス、海塩粒
    子又は海岸からの距離を含む複数の環境因子を所定期間
    に渡って測定し、この各測定値を用いて請求項4記載の
    方法により前記各因子別評価点を決定し、この決定した
    各因子別評価点を用いて請求項3記載の方法により前記
    環境評価点を決定し、この決定した環境評価点を用いて
    当該金属材料の腐食速度を決定することを特徴とする請
    求項2又は12記載の劣化診断方法。
  16. 【請求項16】 金属材料が使用される大気環境につい
    て、請求項9記載の方法により前記環境評価点を算出
    し、この算出した環境評価点を用いて当該金属材料の腐
    食速度を決定することを特徴とする請求項2又は12記
    載の劣化診断方法。
  17. 【請求項17】 金属材料を大気環境中に所定期間に渡
    って暴露し、当該所定期間の暴露日数での当該金属材料
    の腐食減量を測定し、この測定結果を用いて請求項13
    又は14記載の方法によって算出した金属材料の腐食減
    量と暴露日数の関係を補正することを特徴とする劣化診
    断方法。
  18. 【請求項18】 金属材料を大気環境中に所定期間に渡
    って暴露し、当該所定期間の暴露日数での当該金属の腐
    食減量を測定し、この測定結果を用いて請求項15又は
    16記載の方法によって算出した金属材料の腐食速度を
    補正することを特徴とする劣化診断方法。
  19. 【請求項19】 環境因子量測定手段で測定された各環
    境因子の量の測定値を入力する入力手段と、各環境因子
    の量と各因子別評価点の関係を与える関数を内蔵する第
    1のデータベースと、各種金属材料に対して環境評価点
    と各因子別評価点の関係を与える関数を内蔵する第2の
    データベースと、前記第1のデータベースから読み取っ
    た前記関数及び前記入力手段から入力した各環境因子の
    量を用いて各因子別評価点を演算する因子別評価点演算
    手段と、前記第2のデータベースから読み取った前記関
    数及び前記因子別評価点演算手段で演算された各因子別
    評価点を用いて大気環境の有害性の程度を表す環境評価
    点を演算する環境評価点演算手段と、この環境評価点演
    算手段で演算された環境評価点を変数として定式化した
    関数により大気環境における金属材料の腐食減量と暴露
    日数との関係を演算する腐食減量演算手段と、前記環境
    評価点演算手段で演算された環境評価点を変数として定
    式化した関数により大気環境における金属材料の腐食速
    度を演算する腐食速度演算手段と、金属材料の所定期間
    の暴露日数での腐食減量に基づいて前記腐食減量演算手
    段で演算した腐食減量と暴露日数の関係を補正演算する
    腐食減量補正演算手段と、金属材料の所定期間の暴露日
    数での腐食減量に基づいて前記腐食速度演算手段で演算
    した腐食速度を補正演算する腐食速度補正演算手段と、
    前記腐食減量補正演算手段で補正された腐食減量と暴露
    日数の関係又は前記腐食速度補正演算手段で補正された
    腐食速度を基に金属材料の余寿命を算出する余寿命算出
    手段と、この余寿命算出手段で算出された金属材料別の
    余寿命を診断結果として出力する出力手段とを有するこ
    とを特徴とする劣化診断装置。
  20. 【請求項20】 電子回路を構成する金属材料につい
    て、請求項13又は14記載の方法により演算される腐
    食減量、請求項17記載の方法より補正演算される腐食
    減量、請求項15又は16記載の方法により算出される
    腐食速度、又は請求項18記載の方法により補正演算さ
    れる腐食速度を、前記電子回路を構成する金属材料に対
    して予め用意してある腐食減量又は腐食速度と当該金属
    材料からなる電子回路部品の腐食劣化指標との関係に当
    てはめて当該電子回路部品の腐食劣化指標に換算し、こ
    の腐食劣化指標により前記電子回路部品の腐食劣化状態
    を判定することを特徴とする劣化診断方法。
  21. 【請求項21】 前記電子回路を構成する金属材料が
    銅、前記電子回路部品が銅パターン配線である場合にお
    いて、前記腐食劣化指標は前記銅パターン配線の腐食厚
    さであることを特徴とする請求項20記載の劣化診断方
    法。
  22. 【請求項22】 前記電子回路を構成する金属材料がア
    ルミニゥム、前記電子回路部品が集積回路である場合に
    おいて、前記腐食劣化指標は前記集積回路のアルミニゥ
    ム配線の腐食面積率であることを特徴とする請求項20
    記載の劣化診断方法。
  23. 【請求項23】 前記電子回路を構成する金属材料が
    銀、前記電子回路部品が銀接点である場合において、前
    記腐食劣化指標は前記銀接点の接触抵抗値であることを
    特徴とする請求項20記載の劣化診断方法。
  24. 【請求項24】 電子回路を構成する金属材料からなる
    電子回路部品について、請求項20記載の方法により判
    定された腐食劣化状態に対して設定してある腐食劣化限
    界値を、請求項20記載の腐食減量又は腐食速度と当該
    金属材料からなる電子回路部品の腐食劣化指標との関係
    に当てはめて、前記電子回路部品を構成する金属材料の
    腐食減量限界値又は腐食速度限界値に換算することを特
    徴とする劣化診断方法。
  25. 【請求項25】 前記電子回路を構成する金属材料が
    銅、前記電子回路部品が銅パターン配線である場合にお
    いて、前記腐食劣化限界値は前記銅パターン配線の限界
    腐食減厚率であることを特徴とする請求項24記載の劣
    化診断方法。
  26. 【請求項26】 前記電子回路を構成する金属材料がア
    ルミニゥム、前記電子回路部品が集積回路である場合に
    おいて、前記腐食劣化限界値は前記集積回路のアルミニ
    ゥム配線の限界腐食面積率であることを特徴とする請求
    項24記載の劣化診断方法。
  27. 【請求項27】 前記電子回路を構成する金属材料が
    銀、前記電子回路部品が銀接点である場合において、前
    記腐食劣化限界値は前記銀接点の限界接触抵抗値である
    ことを特徴とする請求項24記載の劣化診断方法。
  28. 【請求項28】 大気環境の金属材料に対する有害性を
    環境評価点を用いて大気環境区分法を行うことによって
    評価する劣化診断方法において、前記環境評価点は請求
    項9記載の方法によって算出することを特徴とする劣化
    診断方法。
  29. 【請求項29】 電子回路基板表面の汚損度と劣化指標
    との相関関数を予め求めておき、診断対象である電子機
    器における電子回路基板の汚損度を測定し、この測定汚
    損度を前記相関関数に当てはめて劣化指標に換算し、こ
    の劣化指標により前記電子機器の寿命を診断することを
    特徴とする劣化診断方法。
  30. 【請求項30】 電子回路基板表面の汚損度と劣化費消
    との相関関数を予め求めておき、診断対象である電子機
    器における電子回路基板の現状汚損度及び一定期間経過
    後の汚損度をそれぞれ測定し、この各測定汚損度を前記
    相関関数にそれぞれ当てはめて劣化指標の経時変化を求
    め、この劣化指標の経時変化により前記電子機器の寿命
    を診断することを特徴とする劣化診断方法。
  31. 【請求項31】 環境評価点と汚損度との相関関数を予
    め求めておき、前記汚損度は、大気環境中の温度、湿
    度、腐食性ガス、海塩粒子又は海岸からの距離を含む複
    数の環境因子の各々の量を、その量によって割り付けた
    各因子別評価点と各因子別重み係数の積の和から求めた
    環境評価点を前記相関関数に当てはめて決定することを
    特徴とする請求項29又は30記載の劣化診断方法。
  32. 【請求項32】 前記汚損度として、前記電子回路基板
    表面に付着した塩素イオン、硝酸イオン及び硫酸イオン
    を含む陰イオンの単位面積当たりの付着量を用いること
    を特徴とする請求項29又は30記載の劣化診断方法。
  33. 【請求項33】 前記劣化指標は、前記電子回路基板の
    熱分布画像のフラクタル次元変化率であることを特徴と
    する請求項29又は30記載の劣化診断方法。
  34. 【請求項34】 前記劣化指標は、前記電子回路基板に
    おける導体パターンの腐食断線時間であることを特徴と
    する請求項29又は30記載の劣化診断方法。
  35. 【請求項35】 前記劣化指標は、前記電子回路基板に
    おける導体間の絶縁抵抗値であることを特徴とする請求
    項29又は30記載の劣化診断方法。
  36. 【請求項36】 電子回路基板表面の汚損度及び汚損速
    度を測定する汚損度測定手段と、電子回路基板の汚損度
    と劣化指標との相関関数を格納する劣化指標データベー
    スと、前記汚損度測定手段から出力された汚損度測定値
    と前記劣化指標データベースから読み取った相関関数か
    ら前記汚損度測定値に対応した劣化指標値を算出する劣
    化指標値算出手段と、電子回路基板の劣化指標の寿命し
    きい値を格納する寿命データベースと、現状の劣化指標
    値と前記寿命データベースから読み取った寿命しきい値
    との差分に相当する差分汚損度を前記劣化指標データベ
    ースから読み取った相関関数から算出する差分汚損度算
    出手段と、この差分汚損度算出手段で算出された差分汚
    損度を前記汚損度測定手段から出力された汚損速度で除
    して余寿命を算出する余寿命算出手段とを有することを
    特徴とする劣化診断装置。
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