JPH10313034A - 電子装置の劣化・寿命診断方法および装置 - Google Patents

電子装置の劣化・寿命診断方法および装置

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JPH10313034A
JPH10313034A JP13793097A JP13793097A JPH10313034A JP H10313034 A JPH10313034 A JP H10313034A JP 13793097 A JP13793097 A JP 13793097A JP 13793097 A JP13793097 A JP 13793097A JP H10313034 A JPH10313034 A JP H10313034A
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JP
Japan
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deterioration
amount
life
electronic device
corrosion
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Keiichi Sasaki
恵一 佐々木
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アナログ回路、ディジタル回路の区別なく、ま
た診断対象回路に関する設計者の知識を必要とせずに、
ユーザーレベルでの劣化・寿命診断を精度よく行なうこ
と。 【解決手段】電子装置を構成する電子化制御基板から、
その劣化状態を反映するICを抽出し、ICを加工し
て、ICチップ上のアルミ配線部を分析面として取り出
し、電子装置の劣化と共に変化する抽出ICチップ上の
アルミ配線部の腐食量または当該腐食物質を構成する特
定元素量を分析により定量評価し、評価結果を、予め高
加速試験で調べておいたアルミ配線腐食量または当該腐
食物質を構成する特定元素量の時系列変化、およびアル
ミ配線腐食量または当該腐食物質を構成する特定元素量
と故障割合の相関から導き出される劣化・寿命診断曲線
と照合し計算することにより、電子装置の劣化度および
余寿命を推定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は劣化・寿命診断方
法、特に電子装置の劣化診断を行う診断パラメータとす
る状態量の検出の部分に特徴のある劣化・寿命診断方法
及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、機器の劣化診断においては、診断
対象機器を構成する電子化制御基板の入出力端子より時
系列的に電気的特性を検出し、定格値または初期値と比
較することにより、機器の劣化傾向を捕らえる方法が一
般的である。
【0003】それ以外の方法では、赤外線センサなどで
診断対象機器基板の劣化を基板表面温度の異常として観
測し、発熱部を検出することで、劣化部位や故障部位を
特定し、またその温度や発熱量から劣化度や寿命を診断
する方法もある。
【0004】また、ICの劣化診断においては、LSI
テスタなどを用いて、その入出力特性を測定して、その
時系列的なデータを定格値と比較することにより、劣化
度を求めることが行なわれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】入出力特性測定による
劣化・寿命診断をICについて行う場合には、オペアン
プ等のアナログ系では特性変化が連続的であるので、ま
だ有効であると考えられるが、C2 MOSやTTLのよ
うなディジタル系では特性変化が急激なために、劣化傾
向を捕らえるよりも先に故障に至る恐れがあり、あまり
好ましくない。
【0006】また、電子機器の場合には、機器の数ある
入出力特性のうち、どの特性に着目して診断を行なうの
がよいかを見極める必要があるが、これには、設計者等
の専門的知識が必要とされ、ユーザーレベルで診断を行
なうには困難を要する。
【0007】さらに、これら入出力特性の異常というの
は、ある程度ICや機器の劣化が進んでからでないと検
知できないという欠点があり、できるだけ早く劣化を検
知したい場合には、入出力特性よりも早期に異常を検出
できる状態量を観測しなければならない。
【0008】そこで、ICの劣化傾向をよく反映する状
態量として、ディジタル回路のマージナルボルテージや
アナログ回路の内部雑音などを測定することが提案され
たが、この手法も回路を構成するICの種類が増えた
り、アナログ系とディジタル系の回路が混在したりする
と、診断が困難となり実用上問題がある。
【0009】その他、赤外線センサでICや電子化制御
基板の表面の温度を捕らえて、発熱異常を検出すること
で劣化診断を行なう場合には、同じ部品でも発熱量にば
らつきがあるために判定精度が悪くなったり、正常部品
と劣化部品との間の熱伝導によって、誤診を起こしてし
まう等の問題がある。
【0010】本発明の目的は、入出力特性よりも早期に
ICの劣化傾向を示し、全てのICに共通な構成要素で
ある、アルミ配線上の腐食量を検出することにより、ア
ナログ回路、ディジタル回路の区別なく、また診断対象
回路に関する設計者の知識を必要とせずに、ユーザーレ
ベルでの劣化・寿命診断を精度よく行なうことが可能な
電子装置の劣化・寿命診断方法および装置を提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明では、ICを搭載した電子装置の
劣化状態を検知し、余寿命を推定する劣化・寿命診断方
法において、診断時に、電子装置を構成する電子化制御
基板から、その劣化状態を反映するICを抽出し、抽出
されたICを加工して、ICチップ上のアルミ配線部を
分析面として取り出し、電子装置の劣化と共に変化する
抽出ICチップ上のアルミ配線部の腐食量または当該腐
食物質を構成する特定元素量を分析により定量評価し、
評価結果を、予め高加速試験で調べておいたアルミ配線
腐食量または当該腐食物質を構成する特定元素量の時系
列変化、およびアルミ配線腐食量または当該腐食物質を
構成する特定元素量と故障割合の相関から導き出される
劣化・寿命診断曲線と照合し計算することにより、電子
装置の劣化度および余寿命を推定する。
【0012】従って、請求項1の発明の電子装置の劣化
・寿命診断方法においては、劣化度判定のパラメータと
して、当該診断対象の電子装置や機器の構成要素である
ICのアルミ配線腐食量やこの腐食物質を構成する特定
元素量を定量評価することにより、装置や機器の回路的
な専門知識を必要としなくても診断が可能となる。その
上、このICの腐食は、機器や装置の回路構成によらず
に発生するので、回路による区別のない診断が可能とな
る。
【0013】それから、分析により腐食や特定元素の量
の定量評価を行なうことにより、ICチップ表面方向だ
けでなく深さ方向の情報も含めて評価でき、画像情報等
の2次元情報をパラメータとするより信頼性の高い劣化
・寿命診断を行なうことができる。
【0014】また、診断対象の劣化に伴い発生する搭載
ICのアルミ配線腐食は、初期値がゼロ(未使用時は腐
食無しと考えられる)で連続的に変化するアナログ量で
あるので、その時系列変化を観測することにより、余寿
命の推定が可能となる。この腐食量の時系列変化は高加
速試験で作成したり、フィールドからのサンプル回収を
定期的に行うことにより作成するが、各種ICについて
得られた結果は、それをデータペースに蓄積する事によ
りその後の診断に応用できる。
【0015】さらに、ICのアルミ配線腐食は、従来診
断パラメータとされてきた、装置やICの入出力特性の
変動よりも早期に出現するため、劣化傾向の早期検出が
可能となる。
【0016】また、請求項2の発明では、ICを搭載し
た電子装置の劣化状態を検知し、余寿命を推定する劣化
・寿命診断方法において、診断時に、電子装置を構成す
る電子化制御基板から、その劣化状態を反映するICを
抽出し、抽出されたICを加工して、ICチップ上のア
ルミ配線部を分析面として取り出し、電子装置の劣化と
共に変化する抽出ICチップ上のアルミ配線腐食の変化
量をチップ表面の酸素の変化量として分析により定量評
価し、評価結果を、予め高加速試験で調べておいたアル
ミ配線腐食を構成する酸素量の時系列変化、および酸素
量と故障割合の相関から導き出される劣化・寿命診断曲
線と照合し計算することにより、前記電子装置の劣化度
および余寿命を推定する。
【0017】従って、請求項2の発明の電子装置の劣化
・寿命診断方法においては、アルミ配線腐食量と比例関
係にある腐食構成元素の酸素量だけに着目しているの
で、その定量分析がしやすいというメリットがある。こ
の場合は、腐食物質の化学的な結合状態を分析する必要
がないので、分析装置としては比較的安価な装置(SE
M等)により診断を行う事ができる。
【0018】一方、請求項3の発明では、ICを搭載し
た電子装置を構成する電子化制御基板から、その劣化状
態を反映するICを抽出して、電子装置の劣化状態を検
知し、余寿命を推定する劣化・寿命診断装置において、
抽出されたICのパッケージを開封したり、チップの表
面保護膜を取り除いたりして、アルミ配線の分析面を作
製するための加工手段と、加工手段により作製された分
析面を観察して、アルミ配線腐食または当該腐食物質を
構成する特定元素の定量分析または定性分析を行なう分
析手段と、電子装置の劣化状態を反映するICチップ上
のアルミ配線腐食量または当該腐食物質を構成する特定
元素量の時系列変化、およびアルミ配線腐食量または当
該腐食物質を構成する特定元素と故障割合の相関をIC
の種類別に蓄積しておくデータベースと、分析手段によ
る分析結果とデータベースに蓄積されているデータとを
照合することにより、電子装置の劣化度および余寿命を
計算する照合・計算手段とを備える。
【0019】従って、請求項3の発明の電子装置の劣化
・寿命診断装置においては、加工手段により所望の分析
面を取り出すことが出来るので、多種類のICについて
対応可能である。また、分析手段を選定することによ
り、様々な腐食物質や特定元素の分析をすることができ
る。
【0020】さらに、この装置では、データベースに腐
食量や特定元素量の時系列変化、腐食量と故障割合の相
関が蓄積されているIC種について劣化・寿命診断が可
能であると同時に、逆に時系列なサンプルを得た場合
に、分析手段でこのICのアルミ配線腐食量や特定元素
を分析することにより、ICのアルミ配線腐食量やこの
腐食を構成する特定元素量の時系列変化をデータベース
に蓄積することができる。
【0021】そして、診断対象ICが十分数確保されれ
ば余寿命を推定することも可能である。
【0022】また、請求項4の発明では、上記加工手段
として、ICパッケージを開封する装置と、チップ上の
表面保護膜を除去するRIE(Reactiveionetching)装
置、チップに選択的または部分的な加工を施すFIB(F
ocusedionbeam)装置等のエッチング装置とを備え、所望
の分析面を作製する。
【0023】従って、請求項4の発明の電子装置の劣化
・寿命診断装置においては、樹脂封止ICのパッケージ
やICチップ上の保護膜を容易に取り除く事ができるの
で、ICチップ上のアルミ配線を分析面として、分析装
置にさらすことが可能となる。この結果、高精度な分析
が実現できる。
【0024】さらに、請求項5の発明では、上記分析手
段として、EPMA(電子線プローブマイクロアナライ
ザ)のEDS(エネルギー分散型X線分光法)またはW
DS(波長分散型X線分光法)を備え、定性分析および
定量分析を行なう。
【0025】従って、請求項5の発明の電子装置の劣化
・寿命診断装置においては、固体試料について、B(ホ
ウ素)〜U(ウラン)までの元素の分析を行なうことが
できる。また、形態観察も同時にでき、定量精度もよ
い。さらに、点分析、線分析、面分析ができ、検出限界
は、0.1〜0.5%程度である。
【0026】また、請求項6の発明では、上記分析手段
として、AES(オージェ電子分光分析装置)を備え、
定性分析および定量分析を行なう。
【0027】従って、請求項6の発明の電子装置の劣化
・寿命診断装置においては、対象試料の極表面の元素分
析が行える。また、Li(リチウム)−U(ウラン)ま
での元素が分析可能であり、特に軽元素に関する分析感
度がよい。深さ方向のプロファイル測定もできるので、
アルミ配線腐食の深さ方向への進度をチェックすること
もできる。
【0028】さらに、請求項7の発明では、上記分析手
段として、XPS(X線光電子分光分析装置)を備え、
定性分析および定量分析を行なう。
【0029】従って、請求項7の発明の電子装置の劣化
・寿命診断装置においては、IC表面の元素分析の他、
化学状態分析、表面電子状態分析を行なうことができ
る。さらに、分析する腐食物質の化学状態別の定量分析
も可能なので、物質の状態変化に着目した診断を行なう
のに極めて有効である。
【0030】さらにまた、請求項8の発明では、上記照
合・計算手段としては、抽出されたICや分析物質の種
類でデータベース中の劣化・寿命診断曲線を照合し、分
析手段による分析結果を、アルミ配線腐食量または当該
腐食物質を構成する特定元素量の時系列曲線に当ては
め、腐食量または当該腐食物質を構成する特定元素量と
故障割合の関係から導かれる高加速試験寿命と抽出され
たICのフィールド使用時間の関係から、抽出されたI
Cの劣化度および余寿命である電子装置の劣化度および
余寿命を計算する。
【0031】従って、請求項8の発明の電子装置の劣化
・寿命診断装置においては、データベース中に適合する
劣化・寿命診断曲線が存在する場合は、分析により腐食
量や腐食物質を構成する特定元素量の定量結果が得られ
ると、ICの種類名や定量物質名または元素名により、
適当な劣化・寿命診断曲線を照合して、その曲線に定量
評価結果を当てはめ、自動的に劣化度や余寿命が出力さ
れる。データベース中に、劣化・寿命診断曲線がない場
合は、その分析結果自体が劣化・寿命診断曲線の一部と
なるべく保存されるので、分析すればするだけ、診断装
置としての有効性や価値が上がる。
【0032】一方、請求項9の発明では、電子装置の劣
化・寿命診断を行なうためのデータベースの作成方法に
おいて、初めに十分な数の診断対象ICを用意し、これ
らにある一定条件のストレスを印加してICの劣化(腐
食)を進行させながら、ある時間間隔でLSIテスタを
用いたIC動作チェックと適当数の開封用ICの抜き取
りを繰り返し、この繰り返しを、抜き取るICが無くな
るまで実行することにより、ICの故障割合の時系列変
化を求め、またトータルストレス印加量の違う時系列な
サンプル群を作成し、さらにこのトータルストレス量の
異なる時系列なサンプル群のアルミ配線腐食量を分析に
より定量評価した結果から、アルミ配線腐食量または当
該腐食物質を構成する特定元素量の時系列曲線と各時点
における平均腐食量または当該腐食物質を構成する特定
元素の平均元素量と故障割合の関係を求める。
【0033】従って、請求項9の発明のデータベース作
成方法においては、LSIテスタで故障判定ができるI
CならばどのようなICの種類でも、アルミ配線腐食量
または当該腐食物質を構成する特定元素量と故障割合の
相関を見出すことができる。また、短期間で故障割合の
時系列変化アルミ配線腐食量または当該腐食物質を構成
する特定元素量の時系列曲線を得ることができる。
【0034】また、請求項10の発明では、各種IC毎
に、上記請求項9の発明のデータベース作成方法で得ら
れた腐食量または当該腐食物質を構成する特定元素量の
時系列変化と故障割合の時系列変化と、各サンプル抽出
時の平均腐食量または当該腐食物質を構成する特定元素
の平均元素量と故障割合の関係から、平均高加速試験寿
命を導き出して劣化・寿命診断曲線を作成し、当該劣化
・寿命診断曲線を用いて電子装置の劣化度および余寿命
を推定する。
【0035】従って、請求項10の発明の電子装置の寿
命判定方法においては、各サンプル抽出時の平均腐食量
または当該腐食物質を構成する特定元素の平均元索量と
故障割合の関係が非常にクリティカルな立ち上がりを示
す曲線になる傾向があり、寿命点における平均腐食量や
腐食を構成する平均元素量を決定し易い。
【0036】また、各種ICにつき、それぞれの故障が
発生し始める時点での平均腐食量または当該腐食物質を
構成する平均元索量を故障点のしきい値とするが、寿命
時間の判定を、腐食量または当該腐食物質を構成する元
素量の最大値の回帰曲線が上記しきい値を超えた点で行
なうことにより、非常に診断対象の余寿命や寿命を安全
側で見積もることができる。
【0037】
【発明の実施の形態】本発明の骨子は、診断対象である
ICを搭載した電子装置を構成する電子化制御基板か
ら、その劣化状態を反映するICを抽出し、劣化・寿命
診断のパラメータとして、この抽出されたIC上の腐食
量または当該腐食物質を構成する特定元素量に着目し
て、これらを分析手段により定量評価することにより、
電子装置の劣化度や余寿命を推定するものである。
【0038】以下、上記のような考え方に基づく本発明
の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明す
る。
【0039】(第1の実施の形態)図1は、本実施の形
態に係る劣化・寿命診断方法を示すブロック図である。
【0040】この実施例の劣化・寿命診断方法は、以下
のようにして、劣化度や余寿命を推定すろ。
【0041】まず、診断希望時もしくは定期点検の際
に、劣化・寿命診断の対象となる電子装置や機器力、
ら、それを構成する電子化制御基板を取り出す。この電
子化制御基板上には、様々な種類の電子部品が実装され
ているが、その中から前記電子化制御基板の劣化状態を
良く反映すると考えられる部品を抽出する。この部品の
選択の基準としては、 (1)電子化制御基板の製造時から取り替えずに使用し
ているもの (2)劣化の兆候を検知しやすいもの (3)基板上に数多くあるもの 等が考えられる。
【0042】この条件に適合する部品を考えてみると、
条件(1)において、実装部品のうちコンデンサや重要
部品(CPU等)は、定期的に取り替えることが多く、
基板の劣化度を調ぺるには適さない。
【0043】次に、条件(2)を考慮すると、抵抗体や
IC(集積回路)ということになるが、ここで条件
(3)を考慮すると、ICについては、劣化による入出
力特性の変動が出現するかなり前から、劣化現象として
アルミ配線腐食が観測できることがわかっている。
【0044】従って、電子化制御基板の劣化・寿命診断
を行うために、その実装ICのアルミ配線腐食を定量評
価し、この時系列的変化を調べることが有効と言える。
特に、アルミ配線腐食の発生し易い樹脂封止タイプのデ
ィジタルICを診断対象ICに選択することが効果的で
ある。
【0045】そこで、まず第1に、電子化制御基板より
診断対象とするICを取りはずす。そして、次にこのI
Cのアルミ配線腐食を分析により定量評価するわけであ
るが、一般に、ICはパッケージ中に封入されているた
め、分析前に、発煙硝酸や有機溶剤等を用いてパッケー
ジを開封する。また、ICチップの表面にはパッシペー
ションと呼ばれる保護膜がついており、これがあると分
析によるアルミ配線腐食の定量が行ない難いため、エッ
チング等により、このパッシベーションを除去する。
【0046】このような加工が終了し、分析面が確保さ
れたら、各種分析器によって、アルミ配線腐食量の定量
分析を行なう。この分析においては、腐食物質そのもの
の定量を行なえれば問題ないが、腐食物質事態の定量分
析が困難な場合には、腐食物質を構成する元素の中か
ら、腐食量に比例して量が変化する元素を選択して分析
を行なうのがよい。
【0047】一方、本診断法のデータベースには、IC
の種別や腐食物質名(特定元索名)毎に、アルミ配線腐
食量またはこの腐食物質を構成する特定元素量の時系列
変化、およびアルミ配線腐食量または当該腐食物質を構
成する特定元素量と故障割合の相関曲線が蓄積されてい
る。
【0048】また、アルミ配線腐食量またはこの腐食物
質を構成する特定元素量と故障割合の相関曲線におい
て、アルミ配線腐食量またはこの腐食物質を構成する特
定元素量が、故障割合がゼロでなくなる量に到達する時
間で、アルミ配線腐食量または当該腐食物質を構成する
特定元素量の時系列変化の時間軸を規格化したものが、
本診断法の劣化・寿命診断曲線であり、これもデータベ
ースに蓄積してある。
【0049】そこで、次の段階として、診断対象から抽
出したICの種別と分析した腐食物質名(特定元素名)
で、データベースから適当な劣化・寿命診断曲線を選び
出し、抽出時に定量分析したアルミ配線腐食量または当
該腐食物質を構成する特定元索量が、劣化・寿命診断曲
線上のどの位置に当てはまるかを照合する。
【0050】この位置が決まると、これまでの使用年数
が劣化・寿命診断曲線の時間軸で対応する時間と、これ
から故障にいたるまでの時間(余寿命)が劣化・寿命診
断曲線の時間軸で対応する時間が分かり、比例配分によ
って、余寿命の推定を行なう。
【0051】上述したように、本実施の形態では、IC
のアルミ配線腐食を診断パラメータにしているので、入
出力特性をオンライン監視するよりも、早期の劣化傾向
検出が可能である。また、抽出するICの種類や分析物
質(元素)についての劣化・寿命診断曲線がデータベー
スに蓄積されている場合には、診断希望時にたった10
個程度のサンプリングでその腐食物質および構成元素の
量を分析するだけで、劣化度や余寿命を推定することが
できる。データベースにデータがないICを抽出した
り、データベースにない腐食物質または元素を分析する
場合には、以下に述べるデータベース作成法で、新たに
データを追加すればよい。
【0052】(第2の実施の形態)図2は、本実施の形
態における劣化・寿命診断方法のデータベースの作成方
法を示すダイヤグラムである。
【0053】図3は、本実施の形態における劣化寿命診
断方法のデータベース中に蓄積されるアルミ配線腐食量
の時系列曲線の例である。
【0054】図4は、本実施の形態におけろ劣化寿命診
断方法のデータベース中に蓄積されるアルミ配線腐食量
と故障割合との相関曲線の例である。
【0055】図5は、本実施の形態(こおける劣化寿命
診断方法のデータベース中に蓄積される劣化・寿命診断
曲線の例である。
【0056】データベースは、次の要領で作成する。
【0057】ある種のICを数十〜百数十個揃え、これ
に対してHAST(高加速試験)を実施し、適当時間毎
にLSIテスタによる動作確認と開封用試料の無作為な
抽出を行う。
【0058】例えば、HAST開始時に120個のIC
がある場合には、まず、HAST時間0h(高加速試験
を行わない状態)で120個のIC全てについて、入出
力特性(入出力電圧、入出力電流、ロジック動作等)を
LSIテスタを用いて測定し、正常か故障かの判定を行
なう。そして、そのうち10個の試料を無作為に取り出
して、開封およびパッシぺーション除去などの加Tを施
し、その腐食状態を分析する。次にに、残りの110個
の試料をHAST槽に入れ、高温・高湿及びバイアス印
加条件下で一定時間(例えば10h)ストレスを加え
る。その後、110個全てをHAST槽力ゝら取り出し
て、再び、LSIテスタでの故障判定→10個のICの
無作為抽出→抽出したICの加工→分析→残りのI00
個にIOhのHAST実施、といった具合に、HAST
10h毎にLSIテスタによる故障判定と10個の試料
抽出及び抽出試料の加工・分析を抽出試料が無くなるま
で繰り返す。この結果、HAST時間10hおきに10
点ずつの時系列的な分析データの分布が得られる。この
データの分布の平均を各時点でとり、これを回帰近似し
たものが図3に示すアルミ配線腐食量の時系列曲線であ
る。また、図4に示すように、それぞれの時刻における
アルミ配線腐食量や腐食を構成する特定元索量の分析結
果の平均値と故障割合力、ら腐食と故障の相関曲線も得
られる。さらに、この二つの曲線から、図5に示す劣化
・寿命診断曲線が導き出せ、図3、図4、図5に対応す
る3つの曲線が、一つのIC種かつ分析物質に関するデ
ータとしてデータベースに蓄積される。
【0059】本実施例では、HASTにより高速に劣化
を進行させるので、短期間でのデータベース作成が可能
である。また、LSIテスタで動作チェックが可能な範
囲のICに応用できる。
【0060】(第3の実施の形態)まず、腐食量と故障
割合の関係(図4)において、故障割合がゼロでなくな
る時間を寿命点として、これに対応する平均腐食量uを
見積もる。この平均腐食量uを図3に当てはめると、回
帰近似曲線の式より、平均HAST寿命を求める事が出
来る。ここで、この平均HAST寿命で図3の時間軸を
規格化して図5の劣化・寿命診断曲線を得る。
【0061】この時規格化した時間軸は、寿命点(こお
いてIの値を持ち、O 〜1の値を取る。この値は、寿命
を1とした時にどれだけ寿命を食いつぶしているかをあ
らわす指標として、寿命消費率(一実使用時間/寿命時
間)と呼ぶ。この図5に、診断時の対象装置から回収し
たICの平均腐食量を当てはめることにより、診断対象
装置の寿命消費率(劣化度)と余寿命(=フィールド実
使用時間÷寿命消費率×(1−寿命消費率))を推定す
る。
【0062】例えば、フィールドで使用した時間が10
年でこの時点で分析した平均腐食量に対応する寿命消費
率が0.6の場合(こは、余寿命は10÷0.6×(1−
0.6)=6.7年となる。
【0063】本実施の形態では、アルミ配線腐食量(又
は腐食を構成する特定元素量)と故障割合の関係が、図
4に示すようにクリティカルな関係を示すため、平均H
AST寿命の決定が容易にできる。
【0064】(第4の実施の形態)図6は、本実施例の
寿命推定方法を説明するためのグラフである。
【0065】本実施例は、診断時に抽出するIC種に関
する劣化・寿命診断データ(図3、図4、図5)がデー
タベース中にない場合の余寿命判定方法である。
【0066】まず、前述した方法で数十カ)ら百数十個の
ICにつき、HASTとLSIテスタによる動作チェッ
ク及び腐食の定量分析を繰り返し、腐食量または腐食を
構成する特定元素量の時系列変化と腐食と故障の相関曲
線を作成する。そして、これらより、劣化・診断曲線を
作成するのであるが、時間軸上で、このICの未使用時
の点が分からないと、時間軸を規格化することが出来な
い。そこで、データベース作成手順により得られた腐食
の時系列曲線をHAST時間0hの点から時間軸の負の
方向に外挿する。これにより、おおよその腐食発生ポイ
ント(図6のA点)が推測できる。また、ICのアルミ
配線腐食は、使用時からすぐに増え始めるものではな
く、ある潜伏期間をおいて発生し始める。
【0067】そこで、同種のICでHASTを行って、
この腐食の潜伏期間を求め、その分だけ図6のA点から
時間軸の負の方向に戻った時点(B点)がこのICの未
使用時点と推測できる。従って、図6において、B点か
ら原点までの時間が実使用時間に対応すると考え、HA
ST寿命時問との比例配分により、この診断対象の余寿
命が椎定できる。例えば、図6において、抽出ICのフ
ィールド使用時間が10年で、B点から原点までの時間
がHAST時間でI30hに対応し、HAST寿命が6
5hとすると、 余寿命=10年×(65h/130h)−5年 と推定できる。この推定をより安全側で行なうために
は、腐食(又は特定元素)量の時系列変化のグラフにお
いて、各データ点の分布の最大値に着目した回帰近似曲
線を作成し、これを負の時間軸側に外挿することで、フ
ィールド使用時間に対応するHAST時間(図6におけ
るB点から原点までの時間)を見積もってやればよい本
実施の形態では、データベース内に予め劣化・寿命診断
データがない場合でも、十分な抽出IC数を確保するこ
とにより、診断要望時点での短期間での余寿命椎定を可
能(こする。また、この診断で獲得したデータをデータ
ベース内(こ新たに蓄積することによりその後の診断の
際の劣化・寿命診断データとして応用できる。
【0068】(第5の実施の形態)本診断法の第1の実
施例では、ICのアルミ配線腐食量を診断パラメータと
しているが、このアルミ配線腐食は、次のようなメカニ
ズムで発生する。
【0069】経年的な封止樹脂の吸湿(こともない、バ
イアス印加による酸素の還元と水素の発生により、電極
近傍のOH- イオン濃度が増加する。そして、これが保
護膜のピンホール、ボイド、クラックなどの欠陥部から
アルミ配線に拡散し、Al(OH)3 を生成させる。
【0070】さらに、封止樹脂中のNa+ やK+ 等のカ
チオンがOH- イオン濃度を増加させるので、腐食は連
鎖的に進行する可能性がある。反応式は O2 +2H2 0+4e- → 4OH- 2 0 + e- → OH- + 1/2H2 Al +3OH- →Al(OH)3 + 3e- のようになり、アルミ配線腐食の腐食物質は大部分がA
l(OH)3 であるといえる。
【0071】そこで、アルミ配線中の腐食量が増加すれ
ば、必然的にアルミ配線中の酸素量も増加することにな
るので、この酸素量の時系列変化と、酸素量と故障割合
との関係を見れば、劣化・寿命診断が行える。そこで、
本実施例は、請求請1の劣化・寿命診断方法において、
診断パラメータとしてアルミ配線腐食中の酸素量を分析
することを特徴とするものである。
【0072】本実施例では、診断パラメータとして酸素
量を分析するので、かなり多くの種類の分析機器での定
量評価が可能になり、診断を実行できる部所が多くな
る。同時に比較的安価な装置でも分析可能になるという
メリットも有する。
【0073】(第6の実施の形態)図7は、請求項3に
対応する発明の第一の実施例のブロック図である。
【0074】この実施例の劣化・寿命診断装置は、図7
に示すブロック図において、劣化・寿命診断装置0に相
当し、樹脂等により封止されているICを開封してチッ
プを外部に露出させたり、ICチップ上の保護膜を取り
除いてアルミ配線を露出させるための加工手段Iと、I
Cチップのアルミ配線表面全体または一部をスキャン
し、アルミ配線腐食(または腐食を構成する特定元素)
を定量評価する分析手段2と、IC種及び分析物質毎に
劣化・寿命診断データ(アルミ配線腐食量(腐食を構成
する特定元素量)の時系列変化、アルミ配線腐食量(腐
食を構成する特定元素量)と故障割合の相関曲線、劣化
・寿命診断曲線)を蓄積しておくデータベース3と、分
析手段2で分析した結果をデータベース3に蓄積してあ
る劣化・寿命診断データに照合し劣化度や余寿命を椎定
する照合・計算手段4と、計算結果を出力装置 (CRT
/プリンタ) や記憶装置に出力する出力手段5とから構
成されている。
【0075】図8はICのアルミ配線上の腐食発生状況
と分析領域例を示した図である。
【0076】図9はICチップの断面図でアルミ配線腐
食を表した図である。
【0077】劣化・寿命診断装置は以下のようにして、
劣化・寿命診断を実行する。
【0078】まず、フィールドで使用されていた診断対
象から抽出してきたICを加工手段に通し、分析手段2
でアルミ配線腐食部分を分析できるように加工する。加
工手段の内容としては、薬品や水で汚れや不純物を落と
す洗浄装置、酸や有機溶剤を用いてICの封止樹脂を溶
かして開封するプラスチックモールドオープナー、アル
ミ配線上を覆っているパッシペーシヨン(保護膜)の除
去を行うためのエッチング装置などがある。エッチング
装置としては、アルミ配線を残しパッシペーション膜を
選択的に除去するRIE (Reactive- Ion-Etching) 装
置や部分的なエッチングや断面作成が可能なFIB (Fo
cused-Ion-Beam)装置を用いると分析面を作成しやす
い。
【0079】その他、Arイオンエッチングやフッ酸な
どを用いた化学エッチングなどの方法もある。これらの
加工によりアルミ配線腐食の分析面が確保されたら、加
工後の試料を分析手段2に移す。分析手段としてどうい
う装置を選択するかは、アルミ配線腐食に関連して分析
する腐食物質や元素、イオン等の種類に依存する。例え
ば、アルミ配線腐食の変化量を反映する元素のうち元素
番号でB (ホウ素) 〜U(ウラン)の範囲にある元素を
分析する場合には、EPMA(電子線プローブマイクロ
アナライザ)を採用して、WDS法 (波長分散型X線分
光法) で定量評価を行う事が出来るし、腐食物質の標準
サンプルがあれば、化合物の定量評価も可能である。ま
た、Li−Uの範囲で特に軽元素の分析を行う場合やア
ルミ配線の極表面の分析を行う場合には、AES (オー
ジェ電子分光分析装置) が有効である。更に、OH-
等イオンの分析を行うには、XPS (X線光電子分光分
析) を用いた化学状態分析がよい。これらの分析は、チ
ップ表面のアルミ配線全体について行うが、場合によっ
ては、電源ラインなどの腐食が発生しやすい領域のみに
着目した方が効果的なこともある。
【0080】分析手段2で腐食物質 (元素、イオン含
む) が定量化された後、照合・計算手段4により、IC
種と分析物名をキーとして、データベース3内の劣化・
寿命診断曲線を選択し、これに分析結果を当てはめ、前
記第4の実施の形態と同様に比例配分により寿命消費率
(劣化度)と余寿命を計算する。そして、この結果を出
力手段5で出力装置(プリンタ/CRT)や記憶装置に
出力する。また、データベース3内に照合できるデータ
がない場合には、前記第3の実施の形態のデータベース
の作成方法に基づき、加工手段1と分析手段2で一定H
AST時問毎に定量分析データを得て、そして、前記第
5の実施の形態の余寿命判定方法に従って、照合・計算
手段4で余寿命を計算する。
【0081】計算結果は、出力手段5で出力装置 (プリ
ンタ/CRT) や記憶装置に出力され、ここで得た時系
列な分析データは、予め蓄積されてある劣化・寿命診断
データと同様に、データベース3に蓄積する。そして、
新たな劣化・寿命診断データとして利用する。
【0082】本実施例では、加工手段や分析手段として
適当な装置を選ぶことにより、広範囲の形式のICに対
してアルミ配線腐食量や腐食を構成する特定元素量等の
定量評価が可能となる。従って、かなり多くの種類の電
子装置や機器の診断に対応できる。また、本劣化・寿命
診断装置は、診断時に用いるデータベース内の劣化・寿
命診断データを予め作成する際に、HAST装置、LS
Iテスタとならんで不可欠なものである。
【0083】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、診断実施
希望時に電子装置から適当数のICを回収し、そのアル
ミ配線腐食状態を分析するようにしているので、ICの
劣化、すなわち電子装置の劣化を早期かつ高感度に捉え
ることができる。そして、データベース中に蓄積してあ
る腐食量の時系列変化や腐食と故障の関係を利用して、
余寿命や寿命消費率(劣化度)の推定を行なうことが可
能である。
【0084】また、IC内部の回路構成やICを搭載し
ている基板の回路構成に関する専門知識がなくても、容
易に診断を行なうことができる。
【0085】さらに本発明によれば、予め劣化・寿命診
断に必要なデータがなくても、診断実施希望時に十分な
数のICを抽出することができれば、HAST(高加速
試験)やLSIテスタを用いて、診断に必要なデータを
作成することができる。そして、作成したデータから余
寿命と劣化度を推定することができ来る。それから、こ
こで作成したデータを、劣化・寿命診断データとしてそ
の後の診断に応用することができる。
【0086】また、加工手段や分析装置の種類により、
いろいろな種類のIC、腐食物質(構成イオン、元素を
含む)について、劣化・寿命診断データの採取・蓄積が
可能になり、診断対象電子装置の範囲を広範囲に広げる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明に対応する第1の実施の形態を
示すブロック図。
【図2】請求項9の発明に対応するデータベース作成方
法を示すダイヤグラム。
【図3】本劣化・寿命診断方法のデータベース中に蓄積
されるアルミ配線腐食量の時系列変化曲線の一例を示す
図。
【図4】本劣化・寿命診断方法のデータベース中に蓄積
されるアルミ配線腐食量と故障割合の相関曲線の一例を
示す図。
【図5】本劣化・寿命診断方法のデータベース中に蓄積
される劣化・寿命診断曲線の一例を示す図。
【図6】余寿命推定方法を説明するための図。
【図7】請求項1の発明に対応する第1の実施の形態を
示す概略的構成図。
【図8】ICチップ上のアルミ配線例とアルミ配線腐食
発生状況例を示す図。
【図9】ICチップの一例を示す断面図。
【符号の説明】
1 〜t5 …サンプリング時におけるトータルのHAS
T時間、 U1 〜U5 …HAST時間tl〜t5 にそれぞれ対応す
る腐食量分布の平均値、 tc …平均HAST寿命、 uc …寿命点における平均腐食量、 Uf …フィールドから回収した時点での平均腐食量、 Tf …フィールド実使用年数、 Tc …寿命、 Lf …フィールドから回収した時点での寿命消費率、 F…劣化・寿命診断曲線、 0…劣化・寿命診断装置、 1…加工手段、 2…分析手段、 3…データベース、 4…照合・計算手段、 5…出力手段。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ICを搭載した電子装置の劣化状態を検
    知し、余寿命を推定する劣化・寿命診断方法において、 診断時に、前記電子装置を構成する電子化制御基板か
    ら、その劣化状態を反映するICを抽出し、 前記抽出されたICを加工して、ICチップ上のアルミ
    配線部を分析面として取り出し、 前記電子装置の劣化と共に変化する前記抽出ICチップ
    上のアルミ配線部の腐食量または当該腐食物質を構成す
    る特定元素量を分析により定量評価し、 前記評価結果を、予め高加速試験で調べておいたアルミ
    配線腐食量または当該腐食物質を構成する特定元素量の
    時系列変化、および前記アルミ配線腐食量または当該腐
    食物質を構成する特定元素量と故障割合の相関から導き
    出される劣化・寿命診断曲線と照合し計算することによ
    り、前記電子装置の劣化度および余寿命を推定すること
    を特徴とする電子装置の劣化・寿命診断方法。
  2. 【請求項2】 ICを搭載した電子装置の劣化状態を検
    知し、余寿命を推定する劣化・寿命診断方法において、 診断時に、前記電子装置を構成する電子化制御基板か
    ら、その劣化状態を反映するICを抽出し、 前記抽出されたICを加工して、ICチップ上のアルミ
    配線部を分析面として取り出し、 前記電子装置の劣化と共に変化する前記抽出ICチップ
    上のアルミ配線腐食の変化量をチップ表面の酸素の変化
    量として分析により定量評価し、 前記評価結果を、予め高加速試験で調べておいたアルミ
    配線腐食を構成する酸素量の時系列変化、および前記酸
    素量と故障割合の相関から導き出される劣化・寿命診断
    曲線と照合し計算することにより、前記電子装置の劣化
    度および余寿命を推定することを特徴とする電子装置の
    劣化・寿命診断方法。
  3. 【請求項3】 ICを搭載した電子装置を構成する電子
    化制御基板から、その劣化状態を反映する前記ICを抽
    出して、前記電子装置の劣化状態を検知し、余寿命を推
    定する劣化・寿命診断装置において、 前記抽出されたICのパッケージを開封したり、チップ
    の表面保護膜を取り除いたりして、アルミ配線の分析面
    を作製するための加工手段と、 前記加工手段により作製された分析面を観察して、アル
    ミ配線腐食または当該腐食物質を構成する特定元素の定
    量分析または定性分析を行なう分析手段と、 前記電子装置の劣化状態を反映する前記ICチップ上の
    アルミ配線腐食量または当該腐食物質を構成する特定元
    素量の時系列変化、および前記アルミ配線腐食量または
    当該腐食物質を構成する特定元素と故障割合の相関をI
    Cの種類別に蓄積しておくデータベースと、 前記分析手段による分析結果と前記データベースに蓄積
    されているデータとを照合することにより、前記電子装
    置の劣化度および余寿命を計算する照合・計算手段と、 を備えて成ることを特徴とする電子装置の劣化・寿命診
    断装置。
  4. 【請求項4】 前記加工手段としては、 ICパッケージを開封する装置と、 チップ上の表面保護膜を除去するRIE(Reactiveionet
    ching)装置、チップに選択的または部分的な加工を施す
    FIB(Focusedionbeam)装置等のエッチング装置とを備
    え、 所望の分析面を作製することを特徴とする請求項3に記
    載の電子装置の劣化・寿命診断装置。
  5. 【請求項5】 前記分析手段としては、 EPMA(電子線プローブマイクロアナライザ)のED
    S(エネルギー分散型X線分光法)またはWDS(波長
    分散型X線分光法)を備え、 定性分析および定量分析を行なうことを特徴とする請求
    項3に記載の電子装置の劣化・寿命診断装置。
  6. 【請求項6】 前記分析手段としては、 AES(オージェ電子分光分析装置)を備え、 定性分析および定量分析を行なうことを特徴とする請求
    項3に記載の電子装置の劣化・寿命診断装置。
  7. 【請求項7】 前記分析手段としては、 XPS(X線光電子分光分析装置)を備え、 定性分析および定量分析を行なうことを特徴とする請求
    項3に記載の電子装置の劣化・寿命診断装置。
  8. 【請求項8】 前記照合・計算手段としては、 前記抽出されたICや分析物質の種類で前記データベー
    ス中の劣化・寿命診断曲線を照合し、 前記分析手段による分析結果を、前記アルミ配線腐食量
    または当該腐食物質を構成する特定元素量の時系列曲線
    に当てはめ、前記腐食量または当該腐食物質を構成する
    特定元素量と故障割合の関係から導かれる高加速試験寿
    命と前記抽出されたICのフィールド使用時間の関係か
    ら、前記抽出されたICの劣化度および余寿命である前
    記電子装置の劣化度および余寿命を計算することを特徴
    とする請求項3に記載の電子装置の劣化・寿命診断装
    置。
  9. 【請求項9】 前記電子装置の劣化・寿命診断を行なう
    ための前記データベースの作成方法において、 初めに十分な数の診断対象ICを用意し、これらにある
    一定条件のストレスを印加してICの劣化(腐食)を進
    行させながら、ある時間間隔でLSIテスタを用いたI
    C動作チェックと適当数の開封用ICの抜き取りを繰り
    返し、この繰り返しを、抜き取るICが無くなるまで実
    行することにより、前記ICの故障割合の時系列変化を
    求め、またトータルストレス印加量の違う時系列なサン
    プル群を作成し、さらにこのトータルストレス量の異な
    る時系列なサンプル群のアルミ配線腐食量を分析により
    定量評価した結果から、アルミ配線腐食量または当該腐
    食物質を構成する特定元素量の時系列曲線と各時点にお
    ける平均腐食量または当該腐食物質を構成する特定元素
    の平均元素量と故障割合の関係を求めることを特徴とす
    るデータベース作成方法。
  10. 【請求項10】 各種IC毎に、前記請求項9に記載の
    データベース作成方法で得られた腐食量または当該腐食
    物質を構成する特定元素量の時系列変化と故障割合の時
    系列変化と、各サンプル抽出時の平均腐食量または当該
    腐食物質を構成する特定元素の平均元素量と故障割合の
    関係から、平均高加速試験寿命を導き出して前記劣化・
    寿命診断曲線を作成し、当該劣化・寿命診断曲線を用い
    て前記電子装置の劣化度および余寿命を推定することを
    特徴とする電子装置の寿命判定方法。
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