JP2001213981A - シートモールディングコンパウンド及びそれを用いた成形品 - Google Patents

シートモールディングコンパウンド及びそれを用いた成形品

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JP2001213981A
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sheet molding
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polyester resin
smc
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Hiroshi Hasegawa
寛士 長谷川
Mitsuo Kaname
光男 要
Mamoru Kimura
守 木村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼却残分が少なく、したがって、セメント燃
原料としても熱効率が高く、又、残査も粉状であるた
め、廃棄処理も容易であり、リサイクル性に優れるシー
トモールディングコンパウンド並びにこれを用いた成形
品を提供することを目的とする。 【解決手段】 不飽和ポリエステル樹脂、重合性単量
体、低収縮材、硬化剤及び増粘剤を含有する不飽和ポリ
エステル組成物を有機繊維基材に含浸させてなるるシー
トモールディングコンパウンドにおいて有機繊維基材の
含有量を2質量%以上、40質量%未満とすることを特
徴とするシートモールディングコンパウンド並びにこれ
を加圧加熱成形したシートモールディングコンパウンド
成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浴槽、洗い場パ
ン、浴室壁パネル等の浴室機器、パネル組立式貯水槽、
浄化槽等に用いられる成形材料であるシートモールディ
ングコンパウンド(以下,SMCと称する)、並びにそ
のSMCを成形した成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】SMCは、ビニル系単量体に希釈させた
不飽和ポリエステルに、添加剤として低収縮剤、硬化
剤、重合禁止剤、充填剤、増粘剤、雛型剤、さらには着
色剤等を混ぜたぺ一ストにガラス繊維を含浸させてシー
ト状にして両側をキャリアフィルムで覆い、熟成して半
固形化させた成形材料である。この、SMCは、金型に
載置して加圧加熱成形され、浴槽、パネル組立式貯水
槽、浄化槽等のSMC成形品として製造される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにして加圧
加熱成形されたSMC成形品は、その優れた耐久性、耐
水性、機械強度、あるいは成形品表面の光沢等、及び形
状の自由度が大きく意匠性に優れる点等から浴槽等の浴
室機器やパネル組立式貯水槽、浄化槽等として広く用い
られている。しかしながら、前記のSMC成形品は、ジ
シクロペンタジエンや熱可塑性樹脂成形品等と比べてリ
サイクル性や産業廃棄物処理に難点がある。すなわち、
SMC成形品には補強材としてガラス繊維が、一般的に
は10〜50質量%含まれており、そのためにセメント
燃原料等で熱回収リサイクルを行う時には、他の熱可塑
性樹脂成形品に比べて、発生熱量が低く熱回収効率が悪
い、あるいはガラス繊維が残るために燃焼後の廃棄処理
量が多いなどの問題がある。
【0004】また、マテリアルリサイクルはガラス繊維
を含んでいるため、その分離が困難であり、現状不可能
であり、埋め立て処理せざるを得ず、環境問題になりつ
つあるのが現状である。また、SMC成形品は高比重の
ガラス繊維を含むために、ジシクロペンタジエン樹脂や
熱可塑性樹脂に比べて比重が高く、製品の軽量化が難し
く施工性にも劣っている。このようなことから、SMC
成形品は、浄化槽、パネル組み立て式貯水槽、自動車用
外装部材等で、ガラス繊維を含まないジシクロペンタジ
エン樹脂や熱可塑性樹脂にその用途を取って代られつつ
ある。
【0005】本発明は、かかる課題に鑑みてなされたも
ので、リサイクル性に優れるSMC及びSMC成形品を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、次のものに関
する。 (1)不飽和ポリエステル樹脂、重合性単量体、低収縮
材、硬化剤及び増粘剤を含有する不飽和ポリエステル組
成物を有機繊維基材に含浸させてなるるシートモールデ
ィングコンパウンドにおいて有機繊維基材の含有量を2
〜40質量%とすることを特徴とするシートモールディ
ングコンパウンド。 (2) 有機繊維基材は繊維長が3〜150mmのもの
を主体とする不織布である項(1)に記載のシートモー
ルディングコンパウンド。 (3) 有機繊維基材がポリエステル繊維を主体とした
ものである項(1)又は項(2)に記載のシートモール
ディングコンパウンド。 (4)有機繊維基材が天然繊維を主体としたものである
項(1)又は項(2)に記載のシートモールディングコ
ンパウンド。 (5)項(1)〜(4)のいずれかに記載のシートモー
ルディングコンパウンドを、加圧加熱成形したシートモ
ールディングコンパウンド成形品。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明におけるシートモールディ
ングコンパウンド(SMC)は、不飽和ポリエステル樹
脂、重合性単量体、低収縮剤、硬化剤、増粘剤及び繊維
強化材を配合してなる繊維強化成形材料であって、シー
ト状に形成してなるものである。
【0008】本発明における不飽和ポリエステル樹脂
は、α,β−不飽和多塩基酸又はその無水物を必須成分
として含む多塩基酸成分と多価アルコールを反応させて
得られる。本発明において、不飽和ポリエステル樹脂の
合成原料であるα,β−不飽和多塩基酸又はその無水物
としては、例えば、α,β−不飽和二塩基酸又はその無
水物、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シ
トラコン酸、無水マレイン酸、これらの無水物などが挙
げられる。これらは、2種以上併用してもよい。多塩基
酸成分としては、不飽和基の濃度を調節すること、可撓
性、耐熱性などの特性を付与するために、α,β−不飽
和多塩基酸又はその無水物のほか、飽和多塩基酸又はそ
の無水物を併用するのが好ましい。このとき、α,β−
不飽和多塩基酸又はその無水物としては、多塩基酸成分
のうち、40モル%以上とするのが好ましい。α,β−
不飽和多塩基酸又はその無水物が40モル%より少なく
なると得られる成形品の強度が漸次低下する傾向を示
す。このことから、α,β−不飽和多塩基酸又はその無
水物が、45〜80モル%であるのがより好ましく、5
0〜70モル%であることが特に好ましい。
【0009】併用される飽和多塩基酸又はその無水物と
しては、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレ
フタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フ
タル酸、3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタ
ル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル
酸、グルタル酸、アジピン酸、セバチン酸、トリメリッ
ト酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ダイマー
酸、こはく酸、アゼライン酸、ロジン−マレイン酸付加
物などが挙げられる。これらは、2種以上を併用しても
よい。
【0010】不飽和ポリエステル樹脂のもう一つの合成
原料である多価アルコールとしては、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,
4−シクロヘキサンジオール、水素添加ビスフェノール
A等の二価アルコール、グリセリン、トリメチロールプ
ロパン等の三価アルコール、ペンタエリスリトール等の
四価アルコールなどが挙げられる。これらは、2種以上
を併用してもよい。
【0011】多塩基酸成分と多価アルコールとは、当量
比で、多塩基酸成分を1とするとき、多価アルコールを
1〜1.3の範囲で使用することが好ましく、1.03
〜1.05の範囲で使用することがより好ましい。多価
アルコールが少なくなると、得られる不飽和ポリエステ
ル樹脂の分子量が小さくなる傾向にあり、多くなると酸
価が小さくなって増粘剤による増粘の進行が遅くなる傾
向がある。
【0012】不飽和ポリエステル樹脂の製造方法として
は、従来から公知の方法によることができる。例えば、
多塩基酸成分、多価アルコール成分とを縮合反応させ、
両成分が反応するときに生じる縮合水を系外に除きなが
ら進められる。縮合水を系外に除去することは、好まし
くは不活性気体を通じることによる自然留出又は減圧留
出によって行われる。縮合水の留出を促進するため、ト
ルエン、キシレンなどの溶剤を共沸成分として系中に添
加することもできる。反応の進行は、一般に反応により
生成する留出分量の測定、末端の官能基の定量、反応系
の粘度の測定などにより知ることができる。反応の温度
は150℃以上とすることが好ましく、また酸化による
副反応を防止するためにチッ素、二酸化炭素などの不活
性気体を通気しながら反応させることが好ましい。この
ことから、反応装置としては、ガラス、ステンレス製等
のものが選ばれ、撹拌装置、水とアルコール成分の共沸
によるアルコール成分の留出を防ぐための分留装置、反
応系の温度を高める加熱装置、この加熱装置の温度制御
装置、チッ素など不活性気体の吹込み装置等を備えた反
応装置を用いるのが好ましい。
【0013】不飽和ポリエステルの数平均分子量は25
00〜4500であることが好ましい。分子量が250
0よりも低いと増粘剤を適量添加しても増粘が上がらず
樹脂組成物とした場合に柔らかく作業性が悪化するなど
の問題が発生する。分子量が4500よりも大きいと粘
度が高くガラス繊維の含浸不良をおこし成形した場合表
面光沢性が低下する。
【0014】本発明に用いられる重合性単量体として
は、例えば、スチレン、クロルスチレン、ジビニルベン
ゼン、ターシャリブチルスチレン、臭化スチレン等のス
チレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のメタクリ
ル酸又はアクリル酸のアルキルエステル、β−ヒドロキ
シメタクリル酸エチル、β−ヒドロキシアクリル酸エチ
ル等のメタクリル酸又はアクリル酸のヒドロキシアルキ
ルエステル、ジアリルフタレート、アクリルアミド、フ
ェニルマレイミドなどがあげられる。また、エチレング
リコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジ
メタクリレート、トリメチールプロパントリメタクリレ
ートなどの多官能のメタクリル酸又はアクリル酸のエス
テル類を用いることもできる。
【0015】不飽和ポリエステル樹脂と重合性単量体と
を配合し、必要により重合禁止剤などを加えて不飽和ポ
リエステル樹脂組成物とされる。このときの不飽和ポリ
エステル樹脂と重合性単量体との配合割合は、両者の合
計量を100重量部とするとき、不飽和ポリエステル樹
脂が25〜80重量部、重合性単量体が75〜20重量
部とするのが好ましい。25重量部未満であると不飽和
ポリエステル樹脂組成物の粘度が低すぎてシート状に塗
布しにくく、また、沈降等のため他の成分と均一に混合
しにくくなり、さらに、得られる繊維強化成形材料を成
形しても硬化収縮率が大きく、成形品に割れ、クラック
等が生じる場合がある。不飽和ポリエステル樹脂が80
重量部を超えると、粘度が高すぎて塗布したり、他の成
分と混合しにくくなる場合がある。このことから、不飽
和ポリエステル樹脂が40〜65重量部、重合性単量体
が60〜35重量部とするのがより好ましい。重合禁止
剤としては、p−ベンゾキノン、ナフトキノン、トルキ
ノン、ハイドロキノン、モノ−t−ブチルハイドロキノ
ン、ジブチルヒドロキシトルエン等が挙げられる。重合
禁止剤は、前記不飽和ポリエステル樹脂と重合性単量体
との総量に対して0.5重量%以下で使用されることが
好ましい。硬化剤を配合したときは、貯蔵安定性のた
め、0.05重量%以上含有させることが好ましい。
【0016】本発明で用いられる低収縮剤としては、ポ
リメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリカプロラク
トン、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ブタジエンゴム
などの熱可塑性樹脂が用いられる。使用量は、成形品の
収縮率や表面平滑性、表面光沢を考慮して決定され、特
に制限はない。低収縮剤は、前記不飽和ポリエステル樹
脂と重合性単量体との総量に対して20〜50重量%の
範囲で使用されることが好ましい。
【0017】本発明で用いられる硬化剤としては、ケト
ンパーオキサイド類、パーオキシジカーボネート類、ハ
イドロパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、
パーオキシケタール類、ジアルキルパーオキサイド類、
パーオキシエステル類、アルキルパーエステル類などが
挙げられる。硬化剤の量は、成形サイクルのみではなく
材料の保存性、色ムラ等の面に影響があるため、それぞ
れに応じて決定される。材料の保存性、成形サイクルの
面から前記不飽和ポリエステル樹脂及び重合性単量体の
総量に対して0.5〜5重量%が好ましく、より好まし
くは1〜3重量%である。
【0018】増粘剤としては、酸化マグネシウム、水酸
化マグネシウム、酸化カリウム、水酸化カリウム等が用
いられるが、一般的には酸化マグネシウムが用いられ
る。増粘剤の量は、成形材の作業性に応じて決定される
が、前記不飽和ポリエステル樹脂及び重合性単量体の総
量に対して、0.5〜5重量%が好ましく、より好まし
くは0.7〜2重量%である。増粘剤が少なすぎると樹
脂組成物の粘度が上昇しない場合がある。また増粘剤が
多すぎると粘度が上昇し過ぎて制御できなくなる場合が
ある。
【0019】前記の不飽和ポリエステル樹脂組成物に
は、さらに、適宜、無機充填材、離型剤、安定剤、着色
剤等が配合される。
【0020】無機充填材としては、珪砂、炭酸カルシウ
ム、タルク、クレー等が挙げられる。無機充填材の配合
量は、不飽和ポリエステル樹脂、重合性単量体及び低収
縮剤との混合物100質量部に対して、100〜200
質量部であることが好ましい。
【0021】離型剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステ
アリン酸カルシウム等が使用される。離型剤の量は、前
記不飽和ポリエステル樹脂及び重合性単量体の総量に対
して、1〜10重量%が好ましく、より好ましくは2〜
4重量%である。離型剤の量が少なすぎると1重量部未
満では成形品が型に付き、脱型しづらく、また成形品に
クラック等が入る場合がある。また、離型剤が多すぎる
と成形品強度が低下する傾向にある。
【0022】繊維補強材として、有機繊維が用いられ
る。この有機繊維のSMC中の含有率は2〜40質量%
が好適である。2質量%未満では、その補強効果が十分
でなく、得られたSMC成形品の強度が不足するためで
ある。また、40質量を超えると、不飽和ポリエステル
樹脂組成物への含浸性が低下し、成形品に繊維目、ふく
れ、クラック、ピンホール等の欠陥が発生し、製品外観
を損ねるとともに強度も低下してしまうためである。ま
た、使用する有機繊維の形態は、不織布、クロス、ある
いはチョップド短繊維等を用いることができるが、不織
布は、SMCの成形時(成形品の製造時)に、クロスよ
りも樹脂の流動性がよく、チョップド短繊維よりも繊維
の均一分散性、樹脂含浸性がよい。有機繊維基材を構成
する有機繊維の長は、3〜150mmが好適である。繊
維長が3mm未満では補強効果が不十分で成形品の強度
が不足し、150mmを超えると成形時の樹脂の流動性
が悪く、成形品外観が損なわれ、又、リブやボスヘの充
填性も悪く、成形品の用途、形状が制限されるためであ
る。上記の有機繊維としては、ポリエステル繊維、セル
ロース繊維、ナイロン繊維、アラミド繊維等の合成繊維
やサイザル麻、ジュート等の天然繊維を用いることがで
きるが、ポリエステル繊維が、不飽和ポリエステル樹脂
との密着性に優れることから、好適である。又、サイザ
ル麻やジュート等の天然繊維は、合成繊維に比べて安価
であり、しかも天然物を有効利用できることから環境配
慮の点からも好適である。
【0023】SMCは、通常のSMC製造装置を用いて
通常の方法により製造することができる。例えば、前記
不飽和ポリエステル樹脂組成物を、上下に配置されたキ
ャリアフィルムに均一な厚さとなるように塗布し、巻き
だし装置から巻き出された所定の大きさの繊維補強材
(織布又は不織布)を上記した上下に配置されたキャリ
アフィルムの不飽和ポリエステル樹脂組成物に挾み込
み、次いで、全体を含浸ロールの間に通して、圧力を加
えて繊維補強材を不飽和ポリエステル樹脂組成物に含浸
させた後、ロール状に巻き取るかつづら折りに畳む。ま
た、繊維補強剤として単繊維を用いる場合、キャリアフ
ィルムに不飽和ポリエステル樹脂組成物を塗布し、つい
で、単繊維をその上に散布する方法もある。この後、必
要に応じて熟成等を行う。増粘剤を配合した場合には室
温〜60℃の温度に加熱して熟成することが好ましい。
離型フィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプ
ロピレンフィルム等を用いることができる。
【0024】SMCの粘度は、40℃において1,00
0〜18,000Pa・sとなるように調整されるのが
好ましい。粘度が低すぎると、成形品表面にスカミング
が発生し易く、また粘度が高すぎると型締め時間が長く
なって成形サイクルが長くなる傾向を示す。繊維強化成
形材料の粘度は、40℃において1,500Pa・s〜
15,000Pa・sとなるように調整されるのがより
好ましく、3,500〜12,000Pa・sとなるよ
うに調整されるのが特に好ましい。ただし、繊維強化成
形材料の最適の粘度は、成形品によって決定される。ま
た、繊維強化成形材料の粘度は増粘剤の配合量や熟成条
件によって調整することができる。
【0025】SMCは、圧縮成形、トランスファー成形
等により成形され、広範囲なFRP成形品を得ることが
できる。成形温度は70〜150℃、成形圧力は0.1
〜10MPaであることが好ましい。
【0026】上記のようにして作製したSMCを用いる
と、運搬時等に衝撃を受けた時にクラックが発生しにく
くなり、パネル組立式貯水槽、浄化槽等の大型容器、大
型成形品等に優れた特性を持たせることができる。
【0027】
【実施例】以下において、スチレンで希釈された不飽和
ポリエステル樹脂として、ポリセツトPS−9415
(不飽和ポリエステル樹脂40質量%のスチレン溶液、
日立化成工業株式会社製、商品名)、低収縮剤としてポ
リスチレン(デンカスチロール、電気化学工業株式会社
商品名)を用いた。
【0028】実施例1〜5及び比較例1〜5 (SMCの作製)スチレンに溶解された不飽和ポリエス
テル樹脂80質量部(スチレン60質量部%)及びスチ
レンに溶解したポリスチレン20質量部(スチレン60
質量部%)、そして、この重合性単量体のスチレンで希
釈された不飽和ポリエステルとスチレンで溶解したポリ
スチレンの混合物100質量部に対して、硬化剤のt−
ブチルパーオキシベンゾエート1質量部、重合禁止剤の
パラベンゾキノン0.05質量部、離型剤のステアリン
酸亜鉛4質量部、及び増粘剤の酸化マグネシウム0.8
質量部を配合した。このように配合して得られた不飽和
ポリエステル樹脂組成物を、表1又は表2に示すように
所定の有機繊維に不織布を用いる通常の方法又は単繊維
を用いる通常の方法により所定含有量にて含浸させ、S
MCを作製した。なお、実施例及び比較例で用いたポリ
エステル繊維は、ポリエチレンテレフタレートの繊維で
あり、繊維径はいずれも25μmであった。また、この
ポリエステル繊維の不織布の坪量は、いずれも200g
/m2であった。
【0029】成形品の製造 上記で得られたSMCを用いて、220cm角の平板を
加圧加熱成形した。なお、成形条件は、SMC投入重量
1.5kg、チャージ面積0.05m2(15cm
角)、成形圧力9MPa、保圧時間4分に成形した。
【0030】試験方法 (1)繊維基材の含浸性 得られたSMCシートの中の繊維基材をカッターナイフ
で表面の樹脂を取り除きながら観察し、樹脂が含浸され
ていない繊維基材の箇所の有無を目視判断した。樹脂が
含浸されていない繊維基材の箇所がない場合を〇とし
て、その箇所が有る場合を×として評価した。 (2)成形品の外観 得られた成形品を目視観察し、SMCの充填度合い、ふ
くれ、巣、ピンホール等の欠陥の有無を調べた。欠陥の
ないものを〇として、欠陥のあるものを×として評価し
た。 (3)成形品比重 電子天秤式の比重計により測定した。 (4)曲げ強さ JIS K 6911に準じ、オリエンテック(株)製
引張試験機により測定した。 (5)灼熱時の発熱量及び残分 SMC成形品を示差熱熱重量同時測定装置にて600℃
で2時間処理したときの発熱量及び処理後の残分量を測
定した。比較例1のSMC成形品では残分が70質量%
で、ガラス繊維がその中に含まれていたのに対して、実
施例1〜5のSMC成形品は残分が50質量%で、ガラ
ス繊維が存在しないために完全な微粉状であった。ま
た、発熱量も同重量当たりの燃焼可能分が多いために高
かった。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】実施例6 (SMCの作製)実施例1〜5において得られたのと同
じ不飽和ポリエステル樹脂組成物を、サイザル麻の単繊
維(平均繊維長50mm)にSMC中の単繊維の含有量
が3重量%になるように、通常方法にて含浸させ、SM
Cを作製した。得られたSMC特性として、繊維基材の
含浸性及び成形品の外観を前記と同様にして試験したと
ころ、いずれも良好(評価〇)であった。
【0034】実施例7 サイザル麻の単繊維(平均繊維長50mm)の代わり
に、このサイザル麻の単繊維と実施例1におけるポリエ
ステル繊維(平均繊維長50mm)のものを同重量用い
て、実施例6と同様にして繊維基材の含浸性及び成形品
の外観の優れるSMCを作成することができる。一般
に、有機繊維基材として合成繊維と天然繊維を混紡した
ものを用いることは有用である。
【0035】
【発明の効果】不飽和ポリエステル樹脂組成物に従来の
ガラス繊維に代えて有機繊維を含浸させたSMC及びそ
の成形品は、焼却不可能なガラス繊維を含まないために
焼却残分が少なく、したがって、セメント燃原料として
も熱効率が高く、又、残査も粉状であるため、廃棄処理
も容易である。また、ガラス繊維に代えて比重の低い有
機繊維を用いるために成形品の低比重化が図れ、製品の
軽量化にも有用である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和ポリエステル樹脂、重合性単量
    体、低収縮材、硬化剤及び増粘剤を含有する不飽和ポリ
    エステル組成物を有機繊維基材に含浸させてなるるシー
    トモールディングコンパウンドにおいて有機繊維基材の
    含有量を2〜40質量%とすることを特徴とするシート
    モールディングコンパウンド。
  2. 【請求項2】 有機繊維基材は繊維長が3〜150mm
    のものを主体とする不織布である請求項1に記載のシー
    トモールディングコンパウンド。
  3. 【請求項3】 有機繊維基材がポリエステル繊維を主体
    としたものである請求項1又は2に記載のシートモール
    ディングコンパウンド。
  4. 【請求項4】 有機繊維基材が天然繊維を主体としたも
    のである請求項1又は2に記載のシートモールディング
    コンパウンド。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のシート
    モールディングコンパウンドを、加圧加熱成形したシー
    トモールディングコンパウンド成形品。
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