JP2001213973A - 成形体及びその製造法 - Google Patents

成形体及びその製造法

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JP2001213973A
JP2001213973A JP2000025496A JP2000025496A JP2001213973A JP 2001213973 A JP2001213973 A JP 2001213973A JP 2000025496 A JP2000025496 A JP 2000025496A JP 2000025496 A JP2000025496 A JP 2000025496A JP 2001213973 A JP2001213973 A JP 2001213973A
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rubber
olefin
vinyl
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JP2000025496A
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Shinya Matsunaga
松永  慎也
Hidenari Nakahama
秀斉 仲濱
Shuichi Nonaka
修一 野中
Masaaki Kawasaki
川崎  雅昭
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 イオウ加硫系よりも格段に優れた耐圧縮永久
歪性、耐熱性を示すパーオキサイド架橋系で空気中での
連続架橋成形を可能とし、更に、製品表面にウレタン塗
装や植毛等の2次処理を全く問題なく行うことが可能な
成形体を提供する。 【解決手段】 非共役ポリエン成分として5−ビニル−
2−ノルボルネンと5−ビニル−2−ノルボルネン以外
の少なくとも1種の非共役ポリエンとを含有し、エチレ
ン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム中の
5−ビニル−2−ノルボルネン含有量が0.01〜15
質量%であるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエ
ン共重合体ゴムを含む組成物からなり、次式(I): 【化1】(R−O−CS−S−)nn+ (I) (式中、Rは炭素数1〜30のアルキル基であり、nは
1〜3の整数であり、M n+はn価の金属イオン又はアン
モニウムイオンである。)で示される少なくとも1種の
キサントゲン酸塩系加硫促進剤と、イオウ、又は加硫剤
となりうるイオウ原子含有加硫促進剤とを含む塗布液で
表面処理された未加硫ゴム成形体を加硫してなることを
特徴とする成形体、及びその製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形体及びその製
造法に関し、更に詳しくは、熱空気加硫槽、マイクロ波
加硫装置(UHF)等の加熱手段により架橋(加硫)が
可能であり、しかも、耐圧縮永久歪性、耐熱性、強度特
性等の特性に優れる成形体及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】エチレン・プロピレン・ジエン共重合体
ゴム(EPDM)等のエチレン・α−オレフィン・非共
役ポリエン共重合体ゴムは、一般に、耐候性、耐熱性、
耐オゾン性に優れており、自動車のグラスラン製品や窓
枠製品等のウエザーストリップ製品等に用いられてい
る。これらのウエザーストリップ製品は、雨、風、音を
防ぐ目的で用いられ、重要なシール部品である。自動車
の耐用年数アップやメインテナンスフリーのため、更な
るシール性の向上とそのシール性能が維持することが求
められている。
【0003】一般に、耐熱性とシール性は、その架橋形
態に大きく依存している。通常用いられているイオウ加
硫系は、分子と分子を結びつけているイオウ架橋部分が
熱的に弱いため、分子主鎖骨格が有する耐熱性を充分に
享受できないでいる。更なるシール性の向上とその性能
維持は、熱的に弱いイオウ架橋部分に炭素−炭素結合を
可能とするパーオキサイド架橋を導入すれば可能であ
る。しかし、現在、これらの製品は、熱空気下における
押出成形法で製品化されていない。なぜならば、この方
法では、熱空気加硫槽、マイクロ波加硫装置(UHF)
等の加熱手段により架橋(加硫)(以下「熱空気架橋」
という。)をする場合、ゴム表面が架橋しない、あるい
は崩壊(デグラデイション)を起こし耐傷付き性が著し
く劣るという欠点がある。このような製品は商品価値が
全くなく、また、期待する耐熱性、シール性も得ること
ができない。
【0004】この原因は、熱空気架橋中にゴム表面が酸
素に触れると、架橋反応より先に酸素によって主鎖切断
反応が起こり、その製品表面の崩壊が進むためである。
この酸素を遮断することが可能であるスチーム架橋、被
鉛架橋等で架橋させれば、パーオキサイド加硫系による
製品を得ることができ、その結果、ゴム表面の耐傷付き
性は改良されるものの、その生産はバッチ方式となり、
連続生産可能な熱空気架橋方式に比べ、生産コストの面
で不利となり、実質的にグラスラン製品等のウエザース
トリップ製品を生産する方式としては適用されるもので
はない。
【0005】こうした状況の中で、その耐熱性と耐候性
を向上させるべく、多くの特許出願がなされている。ポ
リマーに関しては、特開平7−252392号公報、特
開平7−228706号公報、特開平10−11007
1号公報、特開平4−154855号公報、特公昭62
−119223号公報、特開平10−45982号公報
がある。配合からの取り組みとして、特公昭63−11
2617号公報、特開平3−124749号公報、特開
平7−138429号公報、特開平10−110070
号公報があるが、改良効果は不充分であった。また、成
形法からの検討として、特公昭57−8255号公報が
開示されており、熱空気下でパーオキサイドの連続加硫
を可能にするものである。しかし、酸素遮断のため用い
られるホウ酸を製品表面から除去することが難しく、グ
ラスラン製品では熱空気架橋による加硫後のウレタン塗
装や植毛の表面処理を行い難いこと、また、連続加硫槽
がホウ酸で汚れるため実際には本方式で生産することは
できなかった。
【0006】また、特開平7−33924号公報には、
エチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴムに、少なく
とも1つの反応性基を有するポリシロキサンを配合して
なるゴム組成物をパーオキサイド架橋することにより、
熱空気架橋が可能で、耐傷付き性に優れたゴムを得るこ
とができることが記載されている。しかしながら、本発
明者らは、この公報に記載されている発明を追試し、そ
の結果、前記ゴム組成物にパーオキサイドを配合するこ
とにより架橋効率は高くなってはいるものの、パーオキ
サイドラジカルがシロキサンの付加反応を起こさせると
同時に、ポリマーラジカルを発生させるため、架橋後の
ゴム製品表面の耐傷付き性は実用に耐えうるものではな
いことを確認している。以上のように、これまで実用に
耐えうる熱空気架橋条件におけるパーオキサイド加硫系
により製造された成形体はなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記のよう
な従来技術に伴う問題を解決しようとするものであっ
て、イオウ加硫系よりも格段に優れた耐圧縮永久歪性、
耐熱性を示すパーオキサイド架橋系で空気中での連続架
橋成形を可能とし、更に、ある特定のエチレン・α−オ
レフィン・非共役ポリエン共重合体を用いることにより
製品性能が向上し、かつ、製品表面にウレタン塗装や植
毛等の2次処理を全く問題なく行うことが可能な成形体
を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の発明を
包含する。 (1)エチレン、炭素数3以上のα−オレフィン及び非
共役ポリエンからなるエチレン・α−オレフィン・非共
役ポリエン共重合体ゴムであって、前記非共役ポリエン
成分として5−ビニル−2−ノルボルネンと5−ビニル
−2−ノルボルネン以外の少なくとも1種の非共役ポリ
エンとを含有し、該エチレン・α−オレフィン・非共役
ポリエン共重合体ゴム中の5−ビニル−2−ノルボルネ
ン含有量が0.01〜15質量%であるエチレン・α−
オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムを含む組成物
からなり、次式(I):
【0009】
【化3】(R−O−CS−S−)nn+ (I) (式中、Rは炭素数1〜30のアルキル基であり、nは
1〜3の整数であり、M n+はn価の金属イオン又はアン
モニウムイオンである。)で示される少なくとも1種の
キサントゲン酸塩系加硫促進剤と、イオウ、又は加硫剤
となりうるイオウ原子含有加硫促進剤とを含む塗布液で
表面処理された未加硫ゴム成形体を加硫してなることを
特徴とする成形体。
【0010】(2)HBの鉛筆でひっかいても表面に傷
が全く付かず、100℃で22時間熱処理後の圧縮永久
歪が50%以下である前記(1)に記載の成形体。 (3)押出成形により成形される前記(1)又は(2)
に記載の成形体。 (4)エチレン、炭素数3以上のα−オレフィン及び非
共役ポリエンからなるエチレン・α−オレフィン・非共
役ポリエン共重合体ゴムであって、前記非共役ポリエン
成分として5−ビニル−2−ノルボルネンと5−ビニル
−2−ノルボルネン以外の少なくとも1種の非共役ポリ
エンとを含有し、該エチレン・α−オレフィン・非共役
ポリエン共重合体ゴム中の5−ビニル−2−ノルボルネ
ン含有量が0.01〜15質量%であるエチレン・α−
オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムを含む組成物
からなる未加硫ゴム成形体の表面に、次式(I):
【0011】
【化4】(R−O−CS−S−)nn+ (I) (式中、Rは炭素数1〜30のアルキル基であり、nは
1〜3の整数であり、M n+はn価の金属イオン又はアン
モニウムイオンである。)で示される少なくとも1種の
キサントゲン酸塩系加硫促進剤と、イオウ、又は加硫剤
となりうるイオウ原子含有加硫促進剤とを含む塗布液を
塗布して該成形体を加硫することを特徴とする成形体の
製造法。
【0012】(5)成形体の製造に際して、ゴム用押出
機と熱空気加硫槽の間に、未加硫ゴム成形体の表面に塗
布液を塗布するための装置を配置する前記(4)に記載
の製造法。 (6)塗布液が、溶媒に前記式(I)で示される少なく
とも1種のキサントゲン酸塩系加硫促進剤と、イオウ、
又は加硫剤となりうるイオウ原子含有加硫促進剤とを懸
濁させたものである前記(4)又は(5)に記載の製造
法。 (7)成形体が自動車のグラスラン製品、窓枠製品、ホ
ース又は建築用ガスケットである前記(4)〜(6)の
いずれかに記載の製造法。
【0013】
【発明の実施の形態】(エチレン・α−オレフィン・非
共役ポリエン共重合体ゴム組成物)エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴ
本発明において、エチレン・α−オレフィン・非共役ポ
リエン共重合体ゴム組成物に用いられる特定のエチレン
・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(以下
「エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体
ゴム(A)」という。)としては、エチレンと炭素数3
〜20のα−オレフィンと非共役ポリエンとをランダム
共重合させることにより得られるものであって、以下の
ような特性を有しているものが好ましい。
【0014】(i)エチレンと炭素数3〜20のα−オ
レフィンとの質量比(エチレン/α−オレフィン) エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴ
ム(A)は、(a)エチレンから導かれる単位と(b)
炭素数3〜20のα−オレフィン(以下単に「α−オレ
フィン」ということがある。)から導かれる単位とを、
通常55/45〜90/10、好ましくは60/40〜
90/10、更に好ましくは60/40〜85/15、
特に好ましくは60/40〜80/20の質量比
[(a)/(b)]で含有している。この質量比が前記
範囲内にあると、耐熱老化性、強度特性及びゴム弾性に
優れるとともに、耐寒性及び加工性に優れた加硫ゴム成
形体が得られる。
【0015】(ii)非共役ポリエン成分 エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴ
ム(A)の非共役ポリエン成分は、5−ビニル−2−ノ
ルボルネン(VNB)とVNB以外の少なくとも1種の
非共役ポリエンからなっており、該エチレン・α−オレ
フィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)中のVNB
含有量は0.01〜15質量%である。このVNB含有
量が前記範囲内にあると、製品表面の耐傷つき性及びゴ
ム弾性に優れた加硫ゴム成形体が得られる。前記VNB
含有量は、好ましくは0.05〜13質量%、更に好ま
しくは0.1〜10質量%である。該VNBとVNB以
外のポリエン成分との質量比(VNB/VNB以外のポ
リエン)は、通常99/1〜1/99、好ましくは95
/5〜5/95、更に好ましくは90/10〜5/95
である。
【0016】エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエ
ン共重合体ゴム(A)中の非共役ポリエン成分の含有量
は、フーリエ変換赤外分光法(FT−IR)により得ら
れたデータを元に、標準試料により作成した検量線によ
り求めることができる。
【0017】(iii) 極限粘度 エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴ
ム(A)の135℃のデカリン中で測定した極限粘度
[η]は、通常2.0〜4.5dl/g、好ましくは
2.2〜4.0dl/gである。この極限粘度[η]が
前記範囲内にあると、強度特性及び耐圧縮永久歪性に優
れるとともに、加工性に優れた加硫ゴム成形体が得られ
る。
【0018】エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエ
ン共重合体ゴム(A)における炭素数3〜20のα−オ
レフィンとしては、具体的には、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペ
ンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1
−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデ
セン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキ
サデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−
ノナデセン、1−エイコセン、9−メチル−1−デセ
ン、11−メチル−1−ドデセン、12−エチル−1−
テトラデセン等が挙げられる。これらのα−オレフィン
は、単独で、又は2種以上組み合わせて用いることがで
きる。これらのα−オレフィンのうち、炭素数3〜8の
α−オレフィン、例えばプロピレン、1−ブテン、4−
メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンが
特に好ましい。
【0019】エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエ
ン共重合体ゴム(A)における5−ビニル−2−ノルボ
ルネン(VNB)以外の非共役ポリエンとしては、環状
又は鎖状の非共役ポリエンを用いることができる。
【0020】環状の非共役ポリエンとしては、例えば、
メチルテトラヒドロインデン、5−エチリデン−2−ノ
ルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネ
ン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノル
ボルネン、ジシクロペンタジエン、ノルボルナジエン等
のジエン;2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボル
ネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノ
ルボルネン、2−プロペニル−2,5−ノルボルナジエ
ン等のトリエンが挙げられる。
【0021】また、鎖状の非共役ポリエンとしては、例
えば、1,4−ヘキサジエン、3−メチル−1,4−ヘ
キサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−
メチル−1,4−ヘキサジエン、4,5−ジメチル−
1,4−ヘキサジエン、6−メチル−1,6−オクタジ
エン、7−メチル−1,6−オクタジエン、6−エチル
−1,6−オクタジエン、6−プロピル−1,6−オク
タジエン、6−ブチル−1,6−オクタジエン、6−メ
チル−1,6−ノナジエン、7−メチル−1,6−ノナ
ジエン、6−エチル−1,6−ノナジエン、7−エチル
−1,6−ノナジエン、6−メチル−1,6−デカジエ
ン、7−メチル−1,6−デカジエン、6−メチル−
1,6−ウンデカジエン、7−メチル−1,6−オクタ
ジエン等のジエン;4−エチリデン−1,6−オクタジ
エン、4−エチリデン−7−メチル−1,6−オクタジ
エン、4−エチリデン−7−メチル−1,6−ノナジエ
ン、4−エチリデン−6,7−ジメチル−1,6−オク
タジエン、4−エチリデン−6,7−ジメチル−1,6
−ノナジエン、4−エチリデン−1,6−デカジエン、
4−エチリデン−7−メチル−1,6−デカジエン、4
−エチリデン−7−メチル−6−プロピル−1,6−オ
クタジエン、4−エチリデン−1,7−ノナジエン、4
−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、4−
エチリデン−1,7−ウンデカジエン、4−エチリデン
−8−メチル−1,7−ウンデカジエン、4−エチリデ
ン−7,8−ジメチル−1,7−ノナジエン、4−エチ
リデン−7,8−ジメチル−1,7−デカジエン、4−
エチリデン−7,8−ジメチル−1,7−ウンデカジエ
ン、7−エチル−4−エチリデン−8−メチル−1,7
−ウンデカジエン、4−エチリデン−7,8−ジエチル
−1,7−デカジエン、4−エチリデン−9−メチル−
1,8−デカジエン、4−エチリデン−8,9−ジメチ
ル−1,8−デカジエン、4−エチリデン−10−メチ
ル−1,9−ウンデカジエン、4−エチリデン−9,1
0−ジメチル−1,9−ウンデカジエン、4−エチリデ
ン−11−メチル−1,10−ドデカジエン、4−エチ
リデン−10,11−ジメチル−1,10−ドデカジエ
ン、3,7−ジメチル−1,4,8−デカトリエン等の
トリエンが挙げられる。これらのVNB以外の非共役ポ
リエンは、単独で、又は2種以上組み合わせて用いるこ
とができる。
【0022】その他の成分 本発明で用いるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリ
エン共重合体ゴム組成物中には、意図する加硫物の用途
等に応じて、ゴム補強剤、無機充填剤、軟化剤、老化防
止剤、加工助剤、有機過酸化物、加硫助剤、加硫促進
剤、発泡剤、発泡助剤、着色剤、分散剤、難燃剤等の従
来公知の添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配
合することができる。
【0023】前記ゴム補強剤は、架橋(加硫)ゴムの引
張強度、引き裂き強度、耐摩耗性等の機械的性質を高め
る効果がある。このようなゴム補強剤としては、具体的
には、カーボンブラック(例えば、SRF、GPF、F
EF、MAF、HAF、ISAF、SAF、FT、M
T)、シリカ、活性化炭酸カルシウム、微粉タルク、微
粉ケイ酸、ケイ酸塩等が挙げられる。これらはシランカ
ップリング剤等により表面処理が施されていてもよい。
【0024】シリカの具体例としては、煙霧質シリカ、
沈降性シリカ等が挙げられる。これらのシリカは、メル
カプトシラン、アミノシラン、ヘキサメチルジシラザ
ン、クロロシラン、アルコキシシラン等の反応性シラン
あるいは低分子量のシロキサン等で表面処理されていて
もよい。
【0025】これらのゴム補強剤の種類及び配合量は、
その用途により適宜選択できるが、ゴム補強剤の配合量
は、通常、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン
共重合体ゴム(A)100重量部に対して、最大300
重量部、好ましくは最大200重量部である。
【0026】前記無機充填剤としては、具体的には、軽
質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレ
ー等が挙げられる。これらの無機充填剤の種類及び配合
量は、その用途により適宜選択できるが、無機充填剤の
配合量は、通常、エチレン・α−オレフィン・非共役ポ
リエン共重合体ゴム(A)100重量部に対して、最大
300重量部、好ましくは最大200重量部である。
【0027】前記軟化剤としては、通常ゴムに使用され
る軟化剤を用いることができる。具体的には、プロセス
オイル、潤滑油、パラフィン油、流動パラフィン、石油
アスファルト、ワセリン等の石油系軟化剤;コールター
ル、コールタールピッチ等のコールタール系軟化剤;ヒ
マシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、ヤシ油等の脂肪
油系軟化剤;トール油;サブ(ファクチス);蜜ロウ、
カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;リシノール酸、
パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、
ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛等の脂肪酸及
び脂肪酸塩;ナフテン酸;パイン油、ロジン又はその誘
導体;テルペン樹脂、石油樹脂、アタクチックポリプロ
ピレン、クマロンインデン樹脂等の合成高分子物質;ジ
オクチルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチ
ルセバケート等のエステル系軟化剤;マイクロクリスタ
リンワックス、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタ
ジエン、液状チオコール、炭化水素系合成潤滑油等が挙
げられる。中でも石油系軟化剤、特にプロセスオイルが
好ましく用いられる。これらの軟化剤の配合量は、加硫
物の用途により適宜選択される。
【0028】前記老化防止剤としては、例えばアミン
系、ヒンダードフェノール系又はイオウ系老化防止剤等
が挙げられるが、これらの老化防止剤は、前述したよう
に、本発明の目的を損なわない範囲で用いられる。アミ
ン系老化防止剤としては、ジフェニルアミン類、フェニ
レンジアミン類等が挙げられる。イオウ系老化防止剤と
しては、通常ゴムに使用されるイオウ系老化防止剤が用
いられる。
【0029】前記加工助剤としては、通常のゴムの加工
に使用される加工助剤を使用することができる。具体的
には、リノール酸、リシノール酸、ステアリン酸、パル
チミン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸;ステアリン酸バ
リウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等
の高級脂肪酸の塩;前記高級脂肪酸のエステル類等が挙
げられる。このような加工助剤は、エチレン・α−オレ
フィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)100重量
部に対して、通常10重量部以下、好ましくは5重量部
以下の割合で用いられるが、要求される物性値に応じて
適宜最適量を決定することが望ましい。
【0030】有機過酸化物としては、ゴムの架橋の際に
通常使用されている従来公知の有機過酸化物を使用する
ことができ、具体的には、ジクミルペルオキシド、ジ-t
ert-ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5−ジ−(te
rt−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5−
ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス
(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,
1-ビス(tert−ブチルペルオキシ)-3,3,5−トリメチル
シクロヘキサン、n-ブチル-4,4−ビス(tert−ブチルペ
ルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p-ク
ロロベンゾイルペルオキシド、2,4-ジクロロベンゾイル
ペルオキシド、tert−ブチルペルオキシベンゾエート、
tert−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジ
アセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert
−ブチルクミルペルオキシド等が挙げられる。
【0031】これらのうち、臭気性、スコーチ安定性の
点で、1,1-ビス(tert−ブチルペルオキシ)-3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサン、2,5-ジメチル-2,5−ジ−(te
rt-ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5−
ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス
(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンが好
ましい。
【0032】このような有機過酸化物は、エチレン・α
−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)10
0重量部に対し、通常0.1〜10重量部程度の割合で
用いられる。有機過酸化物をこの範囲で使用することに
より、充分な架橋により目的とする物性が得られ、か
つ、過剰の分解生成物による悪影響を防ぐことができ、
また、コスト的にも有利である。
【0033】また、有機過酸化物を使用するときは、加
硫助剤を併用することが好ましい。加硫助剤としては、
具体的には、イオウ;p−キノンジオキシム等のキノン
ジオキシム系化合物;ポリエチレングリコールジメタク
リレート等のメタクリレート系化合物;ジアリルフタレ
ート、トリアリルシアヌレート等のアリル系化合物;マ
レイミド系化合物;ジビニルベンゼン等が挙げられる。
このような加硫助剤は、使用する有機過酸化物1モルに
対して0.5〜2モル、好ましくは約等モルの量で用い
られる。
【0034】また、本発明で用いるゴム組成物中には、
本発明の目的を損なわない範囲で、公知の他のゴムをブ
レンドして用いることができる。このような他のゴムと
しては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)等
のイソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレ
ン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブ
タジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)等
の共役ジエン系ゴムを挙げることができる。
【0035】更に、従来公知のエチレン・α−オレフィ
ン系共重合体ゴムを用いることもでき、例えばエチレン
・プロピレンランダム共重合体(EPR)、前記エチレ
ン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム
(A)以外のエチレン・α−オレフィン・ポリエン共重
合体(例えばEPDM等)を用いることができる。 (塗布液)本発明で用いる塗布液は、次式(I):
【0036】
【化5】(R−O−CS−S−)nn+ (I) (式中、Rは炭素数1〜30のアルキル基であり、nは
1〜3の整数であり、M n+はn価の金属イオン又はアン
モニウムイオンである。)で示される少なくとも1種の
キサントゲン酸塩系加硫促進剤と、イオウ、又は加硫剤
となりうるイオウ原子含有加硫促進剤とを含む溶液又は
懸濁液である。
【0037】前記式(I)においてRで表される炭素数
1〜30のアルキル基としては、例えばメチル基、エチ
ル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブ
チル基、 sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル
基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチ
ル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル
基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、
ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノ
ナデシル基、エイコシル基、ヘンエイコシル基、ドコシ
ル基、トリアコンチル基、シクロプロピル基、シクロブ
チル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げら
れる。
【0038】前記式(I)においてMn+で表される金属
イオンとしては、例えばナトリウム、カリウム等のアル
カリ金属、亜鉛等の金属に由来するイオンが挙げられ
る。前記式(I)で示されるキサントゲン酸塩系加硫促
進剤としては、具体的には、イソプロピルキサントゲン
酸ナトリウム、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛、エチ
ルキサントゲン酸亜鉛、ブチルキサントゲン酸亜鉛等が
挙げられ、これらは単独で又は2種以上組み合わせて用
いられる。
【0039】前記の加硫剤となりうるイオウ原子含有加
硫促進剤とは、チウラム系加硫促進剤をいい、具体的に
は、テトラメチルチウラムモノスルフィド(TMT
M)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMT
D)、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチ
ルチウラムジスルフィド、テトラキス(2−エチルヘキ
シル)チウラムジスルフィド(TOT)、ジペンタメチ
レンチウラムテトラスルフィド(TRA)、モルホリン
ジスルフィド等が挙げられる。
【0040】また、この塗布液には、前記のようなキサ
ントゲン酸塩系加硫促進剤、イオウ原子含有加硫促進剤
に加えて、他の加硫促進剤、例えばアミン系加硫促進
剤、チアゾール系加硫促進剤、ジチオカルバミン酸系加
硫促進剤を1種以上含めることができる。特に、ジベン
ジルアミンやジチオカルバミン酸のアミン塩と併用して
用いると効果が大きい。
【0041】この塗布液に用いる溶媒としては、キサン
トゲン酸塩系加硫促進剤、イオウ及びイオウ原子含有加
硫促進剤を溶解しうる溶剤、又は溶解することはできな
いが、ミキサー等で撹拌して懸濁状態で使用可能になる
ような溶剤、具体的には、メタノール、エタノール、イ
ソプロピルアルコール等のアルコールが挙げられる。ま
た、各種の界面活性剤を溶剤に添加して前記のキサント
ゲン酸塩系加硫促進剤等を溶解してもよい。
【0042】前記の塗布液中におけるキサントゲン酸塩
系加硫促進剤の濃度は、好ましくは0.1重量%以上、
更に好ましくは1〜20重量%である。イオウの濃度
は、好ましくは1〜40重量%、更に好ましくは5〜3
0重量%である。加硫剤となりうるイオウ原子含有加硫
促進剤の濃度は、好ましくは1〜50重量%、更に好ま
しくは3〜30重量%である。塗布液による表面処理方
法としては、刷毛による塗布、ディッピング等の方法が
挙げられるが、連続的に塗布する場合には、ディッピン
グによる表面処理方法が好ましい。
【0043】成形体 本発明において、成形体としては、例えば押出成形によ
り成形される成形体が挙げられ、具体的には自動車のグ
ラスラン製品、窓枠製品、ホース又は建築用ガスケット
等が挙げられる。これらの成形体は、物性上の特性を損
なわない範囲であれば、発泡成形体であってもよい。
【0044】ウエザーストリップ製品成形体及びその加
硫ゴム成形体の調製 本発明で用いるゴム組成物は、バンバリーミキサー、ニ
ーダー、インターミックスのようなインターナルミキサ
ー(密閉式混合機)類により、エチレン・α−オレフィ
ン・非共役ポリエン共重合体ゴム、ゴム補強剤、無機充
填剤、軟化剤等の添加剤を80〜170℃の温度で2〜
20分間混練した後、加硫剤(イオウ、有機過酸化物
等)をオープンロールのようなロール類、あるいはニー
ダーを使用して、必要に応じて加硫促進剤、加硫助剤、
発泡剤、発泡助剤を追加混合し、ロール温度40〜80
℃で5〜30分間混練した後、分出しすることにより調
製することができる。
【0045】前記のようにして調製されたゴム組成物
は、ゴム用押出機により意図する形状とし、キサントゲ
ン酸塩とイオウに代表される加硫剤が懸濁しているアル
コール溶液等にディッピングし、未加硫ゴム表面の細部
に薄膜を形成させ、続いて押出し材を加硫槽内に導入
し、140〜270℃の温度で1〜30分間加熱するこ
とにより、加硫することができる。加硫の工程は、通常
連続的に実施される。加硫槽における加熱方法として
は、熱空気加硫槽、ガラスビーズ流動床、マイクロ波加
硫装置(UHF)、スチーム等の加熱手段を用いること
ができる。
【0046】ウエザーストリップ製品成形体の製造に際
しては、ゴム用押出機と熱空気加硫槽(HAV)の間
に、押出し製品表面に塗布液を塗布するための装置、例
えば塗布液を貯めておいた槽を配置し、押出し未加硫ゴ
ム材料をこの装置中に通すことにより、複雑な形状をし
た製品の細部に塗布液を均一に塗布し、押出し製品表面
に極めて薄い、具体的には、300μm以下のイオウ加
硫層を形成させることでパーオキサイド架橋が可能な未
加硫ゴム成形体を得ることができる。イオウ加硫層の厚
さを前記範囲内にすることにより、耐圧縮永久歪性、耐
熱性、強度特性等の特性に優れる成形体を得ることがで
きる。
【0047】以上のようにして得られるゴム成形体は、
HBの鉛筆による鉛筆硬度試験で表面に傷が全く付か
ず、100℃で22時間熱処理後の圧縮永久歪(CS)
が50%以下である。本発明の成形体としては、例えば
グラスラン製品(例えばグラスランチャネル)、窓枠製
品、水切り材、モール、自動車ルーフ部に用いられるト
リップ材等のウエザーストリップ製品、ホース;建築用
ガスケットが挙げられる。
【0048】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を更に
具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を何ら限定
するものではない。 (実施例1〜4及び比較例1〜3) 自動車用グラスラ
ンチャネル・窓枠用ゴム組成物及びその製品 共重合体ゴムとしては、以下に示すEPT−1、EPT
−2、EPT−3を用いた。 EPT−1:エチレン・プロピレン・5−ビニル−2−
ノルボルネン(VNB)・5−エチリデン−2−ノルボ
ルネン(ENB)ランダム共重合体ゴム、エチレン/プ
ロピレンの質量比=64/36、VNB含有量=0.6
質量%、VNB/ENBの質量比=6/94、135℃
のデカリン中で測定した極限粘度[η]=2.4dl/
【0049】EPT−2:エチレン・プロピレン・5−
ビニル−2−ノルボルネン(VNB)・5−エチリデン
−2−ノルボルネン(ENB)ランダム共重合体ゴム、
エチレン/プロピレンの質量比=60/40、VNB含
有量=0.8質量%、VNB/ENBの質量比=7/9
3、135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]=
2.6dl/g EPT−3: エチレン・プロピレン・5−エチリデン
−2−ノルボルネンランダム共重合体ゴム、エチレン/
プロピレンの質量比=70/30、VNB含有量=8.
0質量%、135℃のデカリン中で測定した極限粘度
[η]=2.3dl/g
【0050】共重合体ゴム100重量部、FEFカーボ
ンブラック[旭カーボン(株)製、商品名:旭#60
G]130重量部、軟化剤[出光興産(株)製、商品
名:ダイアナプロセスPW−380]70重量部、亜鉛
華[堺化学工業(株)製、商品名:1号]5重量部及び
ステアリン酸1重量部を容量16リットルのバンバリー
ミキサー[(株)神戸製鋼所製]で混練した。この混練
は充填率75%で行った。
【0051】混練方法は、先ず共重合体ゴムを15秒素
練りし、次いで、亜鉛華、ステアリン酸、軟化剤を入
れ、最後にカーボンブラックを投入して4分間混練し、
排出した。排出後のコンパウンド温度は165℃であっ
た。
【0052】次に、このコンパウンドを、8インチオー
プンロ−ル(前ロールの表面温度50℃、後ロールの表
面温度50℃、前ロールの回転数16rpm、後ロール
の回転数18rpm)に巻き付けて、加硫剤、加硫促進
剤を入れ2分間混練した後、混練物を厚み10mm、幅7
0mmのリボン状に分出し、50mmゴム用押出機に投入
し、押出し未加硫ゴム材料を、図1に示すディッピング
槽(以下に示す組成のキサントゲン酸塩/イオウ/アル
コール溶液を10リットル含有)中に通し、マイクロ波
加硫装置(UHF)加硫槽(200℃・4kw)と熱空
気加硫槽(HAV)(250℃・5分)が直列につなが
れた成形ラインに連続的に通しながら図2に示す形状の
グラスランチャネル製品を得た。
【0053】キサントゲン酸塩/イオウ/アルコール溶
液の組成 (1)イソプロピルキサントゲン酸亜鉛(2g)/粉末
イオウ(10g)/エタノール(100g) (2)イソプロピルキサントゲン酸亜鉛(2g)/粉末
イオウ(10g)/イソプロピルアルコール(100
g) (3)エチルキサントゲン酸ナトリウム(2g)/粉末
イオウ(10g)/エタノール(100g) (4)イソプロピルキサントゲン酸亜鉛(2g)/モル
ホリンジスルフィド(5g)/イソプロピルアルコール
(100g)
【0054】キサントゲン酸塩/イオウ/アルコール溶
液の作成方法 秤量したキサントゲン酸塩系加硫促進剤と、イオウ又は
イオウ原子含有加硫促進剤とをディッピング槽の中に入
れ、少量のアルコールを加えた後、充分に攪拌し、キサ
ントゲン酸塩系加硫促進剤が溶解した状態で残りのアル
コールを入れる。
【0055】ディッピング槽(図1) 押し出された未加硫ゴムに傷がつかないように、入り
口、出口にローラーを設けてある。また、アルコールに
溶解しないイオウを製品表面に付着させるために、槽内
を循環あるいは攪拌する装置を設けてある。以上のよう
にして得られた製品について、下記の評価試験を行っ
た。結果を表1及び表2に示す。
【0056】[圧縮永久歪試験]JIS K6262
(1993年)に従い、図2に示す形状の製品を得、圧
縮永久歪試験を行った。リップ厚み;2mm [加硫表面の粘着性]製品の表面を成形直後に(温度2
00℃)マイナスドライバーにて強くひっかき、削れ状
態を観察した。 5;全く削れのない状態 4;ところどころ削れる状態 3;室温下では削れがない状態(成形直後は傷がつく) 2;室温下でところどころ削れる状態 1;室温下で削れが付く状態 *削れ易さ 成形直後>>>室温下
【0057】[鉛筆硬度ひっかき試験]HBの鉛筆を用
いて、製品表面をひっかき、傷の有無を評価する。 [耐フォギング試験]加硫ゴム試験片10gをガラス製
シャーレ(直径12cm、高さ3cm)に入れ、15c
m角のガラス板でシャーレの蓋をした。その状態で12
0℃に保たれた鉄板上に3時間放置した後、室温で1時
間冷却した。その後、耐フォギング性の指標となる蓋の
ガラス板の光沢度及びヘーズ(曇価)をJIS K71
05に従って測定した。
【0058】[臭気試験(官能試験)]押出し後加硫製
品(室温まで冷却したもの)を10cm切り出し、これ
に鼻をつけて臭いの強さを3段階で示した。 1:全く臭わない 2:やや臭う 3:非常に強い [製品肌官能試験] ◎:極めて良好 ○:くすみあり ×:ブルーム、ある
いは、斑
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】加硫系−1:加硫促進剤N−シクロヘキシ
ル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(三新化学
工業(株)製サンセラーCM)1.5重量部、加硫促進
剤2−メルカプトベンゾチアゾール(三新化学工業
(株)製サンセラーM)2.5重量部、加硫促進剤テト
ラメチルチウラムジスルフィド(三新化学工業(株)製
サンセラーTT)2.0重量部、加硫促進剤ジペンタメ
チレンチウラムテトラスルフィド(三新化学工業(株)
製サンセラーTRA)1.5重量部、イオウ3.0重量
【0062】加硫系−2:1,1-ビス(tert−ブチルペル
オキシ)-3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを炭酸カル
シウム等で40%に希釈したもの(パーヘキサ3M、日
本油脂(株)製)8.2重量部、トリアリルイソシアヌ
レート(日立化成(株)製)6.75重量部 加硫系−3:ジクミルペルオキシドを炭酸カルシウム等
で40%に希釈したもの(パークミルD−40、日本油
脂(株)製)6.8重量部 加硫系−4:1,1-ビス(tert−ブチルペルオキシ)-3,
3,5−トリメチルシクロヘキサンを炭酸カルシウム等で
40%に希釈したもの(パーヘキサ3M、日本油脂
(株)製)8.2重量部、イオウ1.0重量部
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、パーオキサイド架橋系
での連続架橋成形が可能となる。本発明の成形体は、こ
れまでにない耐圧縮永久歪性、耐熱性を有しており、更
に、製品表面にウレタン塗装や植毛等の2次処理も可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いたディッピング槽を示す図であ
る。
【図2】実施例で製造したグラスランチャネル製品の形
状を示す図である。
【符号の説明】
1 押出機 2 ディッピング槽 3 熱空気加硫槽(HAV) 4 引取り機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/06 C08K 5/38 5/38 5/40 5/40 C08L 23/16 C08L 23/16 B29K 19:00 // B29K 19:00 105:24 105:24 B29L 31:30 B29L 31:30 B60J 5/00 501G (72)発明者 野中 修一 千葉県市原市千種海岸3番地 三井化学株 式会社内 (72)発明者 川崎 雅昭 千葉県市原市千種海岸3番地 三井化学株 式会社内 Fターム(参考) 4F070 AA13 AB16 AC05 AC42 AC50 AE08 AE28 GA08 GC07 GC09 4F071 AA13 AA15X AA20X AA21X AB04 AC13 AE02 AE03 AE19 AF18 AF25 AF45 AG05 AG12 AH03 AH07 AH19 BA01 BB06 BC07 4F203 AA09 AB03 AH23 DA08 DA11 DB02 DC02 DF02 DF24 DL01 4F207 AA09 AH23 KA01 KA17 4J002 BB051 BB141 BB151 DA046 EV116 EV166 FD146 GL00 GN00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン、炭素数3以上のα−オレフィ
    ン及び非共役ポリエンからなるエチレン・α−オレフィ
    ン・非共役ポリエン共重合体ゴムであって、前記非共役
    ポリエン成分として5−ビニル−2−ノルボルネンと5
    −ビニル−2−ノルボルネン以外の少なくとも1種の非
    共役ポリエンとを含有し、該エチレン・α−オレフィン
    ・非共役ポリエン共重合体ゴム中の5−ビニル−2−ノ
    ルボルネン含有量が0.01〜15質量%であるエチレ
    ン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムを含
    む組成物からなり、次式(I): 【化1】(R−O−CS−S−)nn+ (I) (式中、Rは炭素数1〜30のアルキル基であり、nは
    1〜3の整数であり、M n+はn価の金属イオン又はアン
    モニウムイオンである。)で示される少なくとも1種の
    キサントゲン酸塩系加硫促進剤と、イオウ、又は加硫剤
    となりうるイオウ原子含有加硫促進剤とを含む塗布液で
    表面処理された未加硫ゴム成形体を加硫してなることを
    特徴とする成形体。
  2. 【請求項2】 HBの鉛筆でひっかいても表面に傷が全
    く付かず、100℃で22時間熱処理後の圧縮永久歪が
    50%以下である請求項1記載の成形体。
  3. 【請求項3】 押出成形により成形される請求項1又は
    2記載の成形体。
  4. 【請求項4】 エチレン、炭素数3以上のα−オレフィ
    ン及び非共役ポリエンからなるエチレン・α−オレフィ
    ン・非共役ポリエン共重合体ゴムであって、前記非共役
    ポリエン成分として5−ビニル−2−ノルボルネンと5
    −ビニル−2−ノルボルネン以外の少なくとも1種の非
    共役ポリエンとを含有し、該エチレン・α−オレフィン
    ・非共役ポリエン共重合体ゴム中の5−ビニル−2−ノ
    ルボルネン含有量が0.01〜15質量%であるエチレ
    ン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムを含
    む組成物からなる未加硫ゴム成形体の表面に、次式
    (I): 【化2】(R−O−CS−S−)nn+ (I) (式中、Rは炭素数1〜30のアルキル基であり、nは
    1〜3の整数であり、M n+はn価の金属イオン又はアン
    モニウムイオンである。)で示される少なくとも1種の
    キサントゲン酸塩系加硫促進剤と、イオウ、又は加硫剤
    となりうるイオウ原子含有加硫促進剤とを含む塗布液を
    塗布して該成形体を加硫することを特徴とする成形体の
    製造法。
  5. 【請求項5】 成形体の製造に際して、ゴム用押出機と
    熱空気加硫槽の間に、未加硫ゴム成形体の表面に塗布液
    を塗布するための装置を配置する請求項4記載の製造
    法。
  6. 【請求項6】 塗布液が、溶媒に前記式(I)で示され
    る少なくとも1種のキサントゲン酸塩系加硫促進剤と、
    イオウ、又は加硫剤となりうるイオウ原子含有加硫促進
    剤とを懸濁させたものである請求項4又は5記載の製造
    法。
  7. 【請求項7】 成形体が自動車のグラスラン製品、窓枠
    製品、ホース又は建築用ガスケットである請求項4〜6
    のいずれか1項に記載の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005133090A (ja) * 2003-10-10 2005-05-26 Mitsui Chemicals Inc 加硫ゴム成形体、その製造方法および成形体の用途
US7906560B2 (en) 2003-10-10 2011-03-15 Mitsui Chemicals, Inc. Vulcanized rubber molded product, method of producing the same, and use of the molded product

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