JP2001213934A - 軽量弾性体形成用組成物、その塗膜およびその塗膜で被覆された基材 - Google Patents

軽量弾性体形成用組成物、その塗膜およびその塗膜で被覆された基材

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JP2001213934A
JP2001213934A JP2000027752A JP2000027752A JP2001213934A JP 2001213934 A JP2001213934 A JP 2001213934A JP 2000027752 A JP2000027752 A JP 2000027752A JP 2000027752 A JP2000027752 A JP 2000027752A JP 2001213934 A JP2001213934 A JP 2001213934A
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Shunkai Morifusa
房 春 海 森
Hiroyuki Kono
野 宏 之 河
Kazuo Miyamoto
本 和 夫 宮
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Chugoku Marine Paints Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 本発明に係る軽量弾性体形成用組成物
は、(a)合成樹脂エマルジョンと、(b)添加された界面活
性剤と、(c)自己乳化性ポリイソシアネートと、(d)中空
軽量骨材とからなることを特徴としている。 【効果】 本発明に係る軽量弾性体形成用組成物は、コ
ンクリート構造物等の構造体基材の補修などにおいて、
コンクリート等のひび割れ補修とコンクリート表面の塗
装を同時に行うことが可能で、ひび割れ等への充填性に
優れ、その塗膜は、強度、弾力性、コンクリートとの付
着性、耐湿性、耐候性に優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軽量弾性体形成用
組成物に関し、さらに詳しくは、コンクリート等の構造
体基材のひび割れ等の補修材および塗装材として使用で
きる軽量弾性体形成用組成物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】建築物の壁面、鉄道高架橋あるい
は鉄道トンネル内のコンクリートスラブ軌道(以下「ス
ラブ軌道」ともいう。)などのコンクリート構造物基材
のひび割れ補修に用いる下地材料は、コンクリートのひ
び割れや凹凸を埋めるために、従来、石膏、セメント、
繊維、骨材、合成樹脂(または合成樹脂エマルジョン)
を組み合わせた多様なプラスター材やポリエステル樹
脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂を主成分とするパテ材
が用いられていた。
【0003】このような従来のプラスター材を用いた補
修では、まず、コテ仕上げによりひび割れ部を補修し、
次にその上全面に下地材料を塗布し、さらに耐久性を付
与させるためにその上に数回の上塗り材(塗料を含む)
を塗布する必要があった。したがって作業工程数が多
く、作業に長時間を要するとともに、作業者には高い習
熟度が要求されていた。
【0004】また、道路あるいは鉄道トンネル内等の補
修工事は、車両等の通行制限をしたり、あるいは列車の
間合い、夜間の列車が走行しない間合いなどを利用して
行われるものであり、作業工程が複雑で工事期間の長い
上述のような方法は、工事に要するコストが高いという
問題点があった。さらに、従来のプラスター材は重量的
に重く、壁面や天井部分を補修する場合、補修に用いた
プラスター材の厚みが厚くなると通行車両や列車の振動
により工事中に落下したり、ずり下がったりするため、
軽量でコンクリート付着性に優れ、しかもローラ刷毛等
で素人でも簡単に施工でき、何回も塗布する必要がな
く、搬入作業も容易な軽量の補修材が望まれていた。
【0005】そこで、本発明者らは、補修材の上記のよ
うな問題を解決すべく鋭意研究し、合成樹脂エマルジョ
ンと添加された界面活性剤と自己乳化性ポリイソシアネ
ートと軽量中空骨材とが一定の比率で構成された軽量弾
性体形成用組成物が、コンクリート等の亀裂への充填性
に優れ、この組成物から形成される塗膜は、強度、弾力
性、コンクリートとの付着性、耐湿性、耐候性に優れる
ことを見出し本発明を完成するに至った。また、このよ
うな組成物を用いると、コンクリート等の構造体基材の
ひび割れの補修と機材表面の塗装を同時に行うことがで
きることを見い出した。
【0006】さらに、このような軽量弾性体形成用組成
物は、比較的安価な材料を主たる構成成分とするので安
価であるとともに、軽量であることから、補修工事の効
率化、さらには補修工事の低コスト化にも寄与する。ま
た本発明の組成物の主成分である合成樹脂エマルジョン
は可燃物ではないことから、火気に対する安全性が高い
などの特徴も有する。
【0007】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題を解決しようとするものであってコンクリート構造
物などの補修において、コンクリート等のひび割れ補修
とコンクリート表面の塗装を同時に行うことができ、ひ
び割れ等への充填性、強度、弾力性、コンクリートとの
付着性、耐湿性、耐候性に優れた塗膜を提供しうる軽量
弾性体形成用組成物、その塗膜、その塗膜で被覆された
基材を提供することを目的としている。
【0008】
【発明の概要】本発明に係る軽量弾性体形成用組成物
は、(a)合成樹脂エマルジョンと、(b)添加された界面活
性剤と、(c)自己乳化性ポリイソシアネートと、(d)中空
軽量骨材とからなることを特徴としている。
【0009】前記合成樹脂エマルジョン(a)と前記添加
された界面活性剤(b)との合計量は35〜95重量%、
前記自己乳化性ポリイソシアネート(c)は0.5〜20
重量%、前記中空軽量骨材(d)は4.5〜45重量%
(但し(a)+(b)+(c)+(d)=100重量%)の量で用い
られることが好ましい。また、前記添加された界面活性
剤(b)は、前記合成樹脂エマルジョン(a)の固形分に対し
て0.1〜10重量%の量でいられることが好ましい。
さらに、前記合成樹脂エマルジョン(a)は、合成樹脂エ
マルジョン(a)中に20〜80重量%の固形分を含むこ
とが好ましい。
【0010】前記合成樹脂エマルジョン(a)は、合成ゴ
ムエマルジョン、酢酸ビニル共重合体エマルジョンまた
は(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体エマルジョ
ンであることが好ましい。前記添加された界面活性剤
(b)は、非イオン性界面活性剤であることが好ましい。
【0011】前記自己乳化性ポリイソシアネート(c)
は、ポリイソシアネートとポリエチレングリコールとか
らなるプレポリマーを、前記自己乳化性ポリイソアイア
ネート(c)に対して5〜100重量%の量で含むことが
好ましい。前記中空軽量骨材(d)は、比重が0.7〜
0.9の範囲にあり、粒径が60〜200μmの範囲に
あり、SiO2とAl23を主成分とする中空軽量骨材
であることが好ましい。
【0012】本発明に係る軽量弾性体形成用組成物セッ
トは、合成樹脂エマルジョン(a)、添加された界面活性
剤(b)および中空軽量骨材(d)を含む主剤ユニットと、自
己乳化性ポリイソシアネート(c)を含む硬化剤ユニット
との組み合わせからなることを特徴としている。
【0013】本発明に係る基材の被覆方法は、基材を軽
量弾性体形成用組成物で被覆する際に、前記軽量弾性体
形成用組成物を用いることを特徴としている。また、本
発明に係る基材の被覆方法は、基材を軽量弾性体形成用
組成物で被覆する際に、上記に記載の軽量弾性体形成用
組成物セットを用いることを特徴としている。
【0014】本発明に係る塗膜は前記軽量弾性体形成用
組成物から形成した塗膜であることを特徴としている。
本発明に係る基材は、前記軽量弾性体形成用組成物から
形成した塗膜で基材が被覆されていること特徴としてい
る。
【0015】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る軽量弾性体形
成用組成物、その塗膜およびその塗膜で被覆された基材
について具体的に説明する。[軽量弾性体形成用組成物] 本発明に係る軽量弾性体形
成用組成物は、合成樹脂エマルジョンと、添加された界
面活性剤と、自己乳化性ポリイソシアネートと、中空軽
量骨材とを配合して形成される軽量弾性体形成用組成物
である。また、本発明に係る軽量弾性体形成用組成物に
は、染色顔料、ゴムチップなどを適宜含有させることが
できる。
【0016】以下、具体的に説明する。合成樹脂エマルジョン 本発明に係る軽量弾性体形成用組成物に用いる合成樹脂
エマルジョンとしては、具体的には、合成ゴムからなる
合成ゴムエマルジョン、酢酸ビニル共重合体からなる酢
酸ビニル共重合体エマルジョン、(メタ)アクリル酸エ
ステル(共)重合体からなる(メタ)アクリル酸エステ
ル(共)重合体エマルジョンなどが挙げられる。
【0017】いずれの合成樹脂エマルジョンも、エマル
ジョン調製に際し乳化剤としては陰イオンまたは非イオ
ン性界面活性剤を用いたものであることが好ましい。こ
のような乳化剤としては、具体的には、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフ
ェノール、ポリオキシエチレンアルキルエステル、アル
キルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホン
酸ナトリウム、脂肪酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0018】また、ガラス転移温度(Tg)が7℃以下
の柔軟性のある乳化重合ポリマーを使用することが望ま
しい。なお、エマルジョンポリマーはゲル透過クロマト
グラフィー(GPC)が使用できず、また、溶液重合な
どに較べ乳化重合の場合はかなりランダムに高分子化が
進むため合成樹脂エマルジョンの重量平均分子量を特定
することができない。
【0019】本発明に用いられる合成ゴムエマルジョン
としては、具体的には、スチレン−ブタジエンゴムラテ
ックス(SBRラテックス)、アクリロニトリル−ブタ
ジエンゴムラテックス(NBRラテックス)、ブタジエ
ンゴムラテックス(BRラテックス)、クロロプレンゴ
ムラテックス(CRラテックス)、イソプレンゴムラテ
ックス(IRラテックス)、メチルメタクリレートブタ
ジエンゴムラテックス(MBRラテックス)などが使用
でき、このうち、SBRラテックスを用いることがコス
トの点から望ましい。さらに、天然ゴムからの抽出によ
る天然ゴムラテックス(NRラテックス)も品質の安定
性が確保されれば使用することができる。
【0020】本発明に用いられる酢酸ビニル共重合体エ
マルジョンとしては、たとえばポリ酢酸ビニル共重合体
エマルジョンはTgが28℃と高く硬く脆いため、酢酸
ビニルと、柔軟性のあるマレイン酸エステルなどの不飽
和二塩基酸エステル、アクリル酸エステルあるいはエチ
レンなどとの共重合物のエマルジョンを使用することが
好ましい。酢酸ビニルと共重合させるモノマーとして
は、たとえば、マレイン酸ジブチル、マレイン酸2−エ
チルヘキシル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、
アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ブチル、
メタクリル酸2−エチルヘキシル、バーサチック酸ビニ
ル(VeoVa)、エチレンなどが挙げられる。本発明にお
いては、ポリ酢酸ビニルと共重合させるこれらのモノマ
ーは、1種または2種以上を用いることができる。
【0021】本発明に用いられる(メタ)アクリル酸エ
ステル(共)重合体エマルジョンは、柔軟性のあるアク
リル酸エステルまたはメタクリル酸エステルの単独また
は共重合物エマルジョンである。このようなアクリル酸
エステルとしては、具体的には、アクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エ
チルヘキシル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−
ヒドロキシルエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピルな
どが挙げられる。また、メタクリル酸エステルとして
は、具体的には、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘ
キシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリ
ル酸ヒドロキシプロピルなどが挙げられる。
【0022】このような合成樹脂エマルジョン(a)
は、(a)合成樹脂エマルジョンと、(b)添加された
界面活性剤と、(c)自己乳化性ポリイソシアネート
と、(d)中空軽量骨材との合計((a)+(b)+(c)+(d)
=100重量%)に対して、合成樹脂エマルジョン(a)と
添加された界面活性剤(b)との合計量が35〜95重量
%の量で用いられ、好ましくは50〜80重量%の量で
用いられることが望ましい。用いられる合成樹脂エマル
ジョンと添加された界面活性剤の合計量が、前記35重
量%より小さいと軽量弾性体形成用組成物の粘性が大き
すぎて実際の使用に適さなくなり、95重量%を越える
と組成物の流動性が大きくなり過ぎて実際の使用に適さ
なくなる。
【0023】また、このような合成樹脂エマルジョン
(a)は、該合成樹脂エマルジョン中に、好ましくは20
〜80重量%、より好ましくは30〜70重量%、特に
好ましくは40〜60重量%の固形分を含むことが望ま
しい。なお、合成樹脂エマルジョン中の固形分の含有量
は、JIS-K-5407「塗料成分試験方法」の4.加熱残分の
測定方法などによって分析することができる。
【0024】これらの合成樹脂エマルジョンを用いる
と、低コストで、優れた耐候性を有する軽量弾性体、塗
膜を得ることができる。本発明においては、上記の合成
樹脂エマルジョンは液体であるが、この液体の合成樹脂
エマルジョンの代わりに、本発明の効果を損なわない範
囲で、粉体エマルジョンを注水攪拌し液化したエマルジ
ョンを用いることもできる。
【0025】このような粉体エマルジョンとしては、エ
チレン酢酸ビニル共重合体粉体エマルジョン、酢酸ビニ
ルバーサチック酸ビニル共重合体粉体エマルジョン、ア
クリル粉体エマルジョンなどが挙げられる。粉体エマル
ジョンは硬化した組成物の改質を図ることができ、粉体
エマルジョンの使用により、良好な弾性、強度、耐久性
を有する塗膜等の軽量弾性体を得ることができる。添加された界面活性剤 本発明に係る軽量弾性体形成用組成物には、合成樹脂エ
マルジョンに含有される界面活性剤以外に、界面活性剤
を添加する(以下「添加された界面活性剤」とい
う。)。このような添加された界面活性剤としては、水
酸基を有するウレタン反応を導入できるものであること
が必要であり、このうち、非イオン性界面活性剤である
ことが好ましい。
【0026】このような非イオン性界面活性剤として
は、具体的には、ポリオキシエチレンプロピレンブロッ
クエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレ
ントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエー
テル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオ
キシエチレンオイレルエーテル、ポリオキシエチレンア
ネキルエーテル、ポリオキシエチレンモノラウレート、
ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチ
レンモノオレエート、スルビタンモノラウレート、ソル
ビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、
グリセロールモノラウレート、グリセロールモノステア
レート、グリセロールモノオレエート、ポリオキシエチ
レンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソ
ルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビ
タンモノオレエート、グリセロールモノステアレート、
ポリグリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられる。
【0027】さらに、本発明の軽量弾性体形成用組成物
に用いられる添加された界面活性剤としては、本発明で
使用される合成樹脂エマルジョンの良好な安定性に寄与
するものであれば、脂肪酸石鹸類などの陰イオン性界面
活性剤も用いることができる。これらの界面活性剤の親
水性バランス(HLB)は、8〜18であることが好ま
しく、特に10〜16であることが好ましい。
【0028】また、前記したとおり、このような添加さ
れた界面活性剤(b)は、(a)合成樹脂エマルジョン
中の固形分と、(b)添加された界面活性剤と、(c)
自己乳化性ポリイソシアネートと、(d)中空軽量骨材
との合計((a)+(b)+(c)+(d)=100重量%)に対し
て、合成樹脂エマルジョン(a)と添加された界面活性剤
(b)との合計量が、35〜95重量%の量で用いられ、
好ましくは50〜80重量%の量で用いられることが望
ましい。
【0029】また、このような添加された界面活性剤
は、前記合成樹脂エマルジョン(a)の固形分に対して
0.1〜10重量%の量で用いることが好ましく、より
好ましくは、0.5〜5重量%の量で用いられる。添加
された界面活性剤の使用量が、0.1重量%より小さい
とウレタン架橋による軽量弾性体形成用組成物の良好な
硬化効果が得られず、10重量%を超えても効果の向上
は見られない。
【0030】なお、本発明の軽量弾性体形成用組成物中
に含まれる界面活性剤の量は、合成樹脂エマルジョンに
含有されるものと添加されたものとの合計量となるが、
その合計量は合成樹脂エマルジョン中の固形分に対し
て、0.5〜11重量%であることが好ましく、特に1
〜7重量%であることが好ましい。自己乳化性ポリイソシアネート 本発明に係る軽量弾性体形成用組成物において使用する
自己乳化性ポリイソシアネートは、ポリイソシアネート
中にポリオキシエチレンセグメントが導入されたポリイ
ソシアネート(プレポリマー)そのもの、あるいはこれ
をポリイソシアネートに溶解させたものである。
【0031】このような自己乳化性ポリイソシアネート
は、具体的には、ポリオキシエチレンセグメントとして
のポリエチレングリコールとポリイソシアネートとを反
応させて得られる末端にNCO基を有するプレポリマー、
またはこのプレポリマーをポリイソシアネートに溶解さ
せることにより得られるポリイソシアネートである。こ
のようにして得られるプレポリマーにおいては、末端イ
ソシアネート基が、好ましくは5〜40重量%、より好
ましくは10〜20重量%の量で残存していることが望
ましい。
【0032】このようなポリイソシアネートとしては特
に限定されず、いずれのポリイソシアネートを用いて
も、ポリイソシアネートに対して自己乳化性を付与する
ことができる。本発明においては、このようなポリイソ
シアネートとしては、ジイソシアネートが好ましく用い
られ、具体的には、たとえば、メチレンジフェニルジイ
ソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト(HDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)などが
挙げられる。
【0033】また、このような自己乳化性ポリイソシア
ネートは、前記プレポリマーを、自己乳化性ポリイソシ
アネート中に、好ましくは5〜100重量%、さらに好
ましくは10〜100重量%の量で含むことが望まし
い。本発明においては、このような自己乳化性ポリイソ
シアネート(c)は、(a)合成樹脂エマルジョン中の
固形分と、(b)添加された界面活性剤と、(c)自己
乳化性ポリイソシアネートと、(d)中空軽量骨材との
合計((a)+(b)+(c)+(d)=100重量%)に対して、
0.5〜20重量%の量で用いられ、好ましくは1〜1
5重量%の量で用いられることが望ましい。
【0034】自己乳化性ポリイソシアネートを組成物に
含む軽量弾性体形成用組成物では、自己乳化性ポリイソ
シアネートの使用量が少なくなると組成物の強度が低下
する傾向にあり、多くなると組成物の硬化速度が速くな
り過ぎ、軽量弾性体形成用組成物の実際の使用における
作業性が低下する要因となる。本発明に係るこのような
自己乳化性ポリイソシアネートは、合成樹脂エマルジョ
ンあるいは合成樹脂エマルジョンに含まれる界面活性剤
および添加された界面活性剤と架橋することによって、
コンクリート付着性および塗膜の耐アルカリ性が向上す
ることから、長期間優れたコンクリート付着性を維持す
ることができる。中空軽量骨材 本発明においては、コンクリートのひび割れや凹凸部を
充填するとともに、軽量弾性体形成用組成物の軽量化を
図るため、中空軽量骨材を配合する。
【0035】本発明に係る中空軽量骨材は特に限定され
ないが、たとえば、比重が0.7〜0.9の範囲にあ
り、粒径が60〜200ミクロンの微少中空球状であっ
て、SiO2とAl23を主成分とし微量のFeOを含
有する、アルカリ骨材反応をしない中空軽量骨材である
ことが望ましい。本発明においては、このような中空軽
量骨材(d)は、(a)合成樹脂エマルジョン中の固形
分と、(b)添加された界面活性剤と、(c)自己乳化
性ポリイソシアネートと、(d)中空軽量骨材との合計
((a)+(b)+(c)+(d)=100重量%)に対して、4.
5〜45重量%の量で用いられ、好ましくは10〜35
重量%の量で用いられることが望ましい。中空軽量骨材
を使用する量が多くなると硬化前の組成物の粘性が大き
くなる傾向にある。また、このような中空軽量骨材の粒
径は0.06〜0.2mm、好ましくは0.06〜0.
15mmであることが望ましい。
【0036】このような中空軽量骨材を軽量弾性体形成
用組成物に配合することにより、コンクリート表面のひ
び割れ補修が可能になり、軽量弾性体形成用組成物の軽
量化を図ることができ、作業効率の向上を図ることがで
きる。たとえば、実際の使用に際してローラー塗りで簡
単にコンクリートのひび割れ、凹凸を充填し、壁面、天
井部の塗装作業を容易にし、さらに、材料の搬入作業の
軽減を図ることができる。
【0037】軽量弾性体形成用組成物の軽量化には、中
空軽量骨材の他、硬化した組成物の強度に支障のない範
囲で、たとえば、雲母、泥石系のバーミキュライト、黒
曜石、真珠岩系のパーライト、アルミナバルーン、シラ
スバルーンなども添加することができる。その他の添加剤 本発明に係る組成物には、必要に応じ、着色顔料を添加
することができる。顔料としては、従来公知の有機系、
無機系の各種顔料(例:チタン白、ベンガラ、有機赤色
顔料、タルクなど)を用いることができる。なお、染料
等の各種着色剤が含まれていてもよい。
【0038】また、本発明では、軽量弾性体形成用組成
物が硬化した組成物の硬さの調整あるいは弾性の付与の
ため、硬化した組成物の性能を損なわない範囲でゴムチ
ップを配合することもできる。本発明に係るゴムチップ
としては、特に限定されないが、たとえば、天然ゴムチ
ップあるいは合成ゴムブレンドなどのゴムチップを用い
ることができる。[軽量弾性体形成用組成物の製造、その塗膜およびその
塗膜を被覆した基材] 本発明に係る軽量弾性体形成用組
成物は、前記合成樹脂エマルジョン(a)と、添加された
界面活性剤(b)と、自己乳化性ポリイソシアネート(c)
と、中空軽量骨材(d)とを配合して得られる組成物であ
る。また、得られた軽量弾性体形成用組成物を基材等に
被覆して、軽量弾性体形成用組成物からなる塗膜で被覆
された基材を提供することができる。
【0039】軽量弾性体形成用組成物の調製方法は特に
限定されないが、たとえば以下のような方法により行う
ことができる。まず、配合タンクに所定量の合成樹脂エ
マルジョンを計量し、高速ディスパーで攪拌しながら、
非イオン性界面活性剤を少量ずつ添加し完全に溶解さ
せ、合成樹脂エマルジョンを安定化させた後に、中空軽
量骨材を配合し、約1時間程度十分混合する。この混合
溶液を使用するまでは缶詰等によって密閉して保存する
ことができる。塗膜として使用する際に、この混合溶液
にあらかじめ調製しておいた自己乳化性ポリイソシアネ
ートを配合し、ハンドミキサー(たとえば回転数100
0回転以上)等で混合攪拌して、軽量弾性体形成用組成
物を得ることができる。
【0040】また、本発明に係る軽量弾性体形成用組成
物セットは、前記合成樹脂エマルジョン(a)、前記添加
する界面活性剤(b)および前記中空軽量骨材(d)を含む主
剤ユニットと、前記自己乳化性ポリイソシアネート(c)
を含む硬化剤ユニットとの組み合わせからなっている。
本発明では、軽量弾性体形成用組成物を、このような主
剤ユニットと硬化剤ユニットとの組み合わせからなるセ
ットとして、保存、管理、供給し、使用時にこれらユニ
ットを前述したような配合量で混合して用いてもよい。
このように各ユニットを保存、管理、供給する際には、
各ユニットは、それぞれ(大型)タンク、ドラム缶、ペ
ール缶、石油缶、プラスチック容器のような各種材質・
形状の容器に入れ、「主剤ユニット」、「硬化剤ユニッ
ト」として取り扱うことができる。
【0041】なお、両ユニットを使用時に混合して軽量
弾性体形成用組成物として使用する限り、これらのユニ
ットをそれぞれ別々に保存、管理、供給することができ
る。このように軽量弾性体成型用組成物をユニット化し
ておくことによって、軽量弾性体形成用組成物成分の保
存、管理、供給作業が効率化できるとともに、使用の際
簡便に軽量弾性体形成用組成物を調製することができ
る。
【0042】このような軽量弾性体形成用組成物の塗装
方法としては、特に限定されず従来より公知の方法を採
用でき、刷毛塗り、ローラー塗りなど常法によればよ
い。本発明に係る軽量弾性体形成用組成物はコンクリー
ト等の亀裂等への充填性にも優れていることから、ロー
ラー塗りによってコンクリート等の構造体基材の亀裂や
素穴を充填、平滑しながら、コンクリート表面を塗装す
ることができるので、コンクリート等の構造体基材の亀
裂等の充填補修と塗装に係る施工効率を著しく高めるこ
とができる。
【0043】本発明に係る軽量弾性体形成用組成物から
形成される塗膜は、強度、コンクリート付着性、耐湿
性、長期間の耐候性に優れる。また、この軽量弾性体形
成用組成物は弾力性に優れることから、コンクリート等
の構造体基材表面の伸縮に追従して伸縮し、優れた防水
性能を発揮する。さらに、このような軽量弾性体形成用
組成物は、比較的安価な材料を主たる構成成分とするの
で安価である。本発明に係る組成物の比重は1程度ある
いは1以下に調整することが可能であり、従来のウレタ
ン系補修材に比べ約30%軽くなっていることから、壁
面、天井等の塗装作業効率の大幅改善、搬入作業労力の
軽減、輸送コストの低減を図ることができる。さらに、
本発明の主成分である合成樹脂エマルジョンは可燃物で
はないことから、火気に対する安全性が高いなどの特徴
も有する。
【0044】このような軽量弾性体形成用組成物は、建
築物、道路、鉄道高架橋、鉄道トンネルなどのRC、P
Cコンクリート構造物などの構造体基材のひび割れ補
修、防水補修、凍害対策、塩害対策などに使用すること
ができる。このようにして構造体基材等の表面に形成さ
れた塗膜の厚さは特に限定されないが、たとえば、10
0〜300μm/回程度である。
【0045】
【発明の効果】本発明に係る軽量弾性体形成用組成物
は、コンクリート構造物等の構造体基材の補修などにお
いて、コンクリート等のひび割れ補修とコンクリート表
面の塗装を同時に行うことが可能で、ひび割れ等への充
填性に優れ、その塗膜は強度、弾力性、コンクリートと
の付着性、耐湿性、耐候性に優れる。
【0046】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明は、これらの実施例により何ら限定されるものでは
ない。
【0047】
【実施例1】[アクリル酸エステル共重合体エマルジョ
ン系エマルジョン(A)を用いた軽量弾性体形成用組成
物の調製および硬化物]ポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテルを用いてアクリル酸エチルとメタクリル酸
メチルとを乳化重合して、ガラス転移温度(Tg)=6
℃、粒子径150nmのアクリル酸エステル共重合体を含
む、固形分50%のアクリル酸エステル共重合体エマル
ジョン(AEエマルジョン)(a)に、エチレンオキサ
イドを40重量%含むポリエチレングリコールポリプロ
ピレングリコール(重量平均分子量1700)のブロックエ
ーテル型界面活性剤を、AEエマルジョン(a)の固形
分に対して3重量%添加して、AEエマルジョン系エマ
ルジョン(A)を調製した。
【0048】また、ヘキサメチレンジイソシアネート
(HDI)とポリエチレングリコールとを反応させて末
端イソシアネート基が20重量%残存するジイソシアネ
ートプレポリマー(自己乳化性HDI)を調製した。実
験室用の高速ディスパーを用い、ステンレス容器に、先
に調製したポリオキシエチレンプロピレンブロックポリ
マー界面活性剤を添加調製したAEエマルジョン系エマ
ルジョン(A)を65重量部装入し、攪拌しながら比重
が0.8、平均粒径が130μmの微小中空形状であっ
て、SiO2とAl23を主成分とする中空軽量骨材2
5重量部を配合し、約1時間混合攪拌した。
【0049】次に、この混合溶液に、先に調製した自己
乳化性HDIを10重量部加え、3分間攪拌した。この
ようにして得られた組成物を、モルタルブロックに乾燥
膜厚が約150μmになるようにローラー刷毛で塗布し
たところ、半硬化するまでの乾燥時間は約45分であっ
た。また、得られた組成物を高密度ポリエチレン板に2
0ミルのドクターブレードで塗布し、室温で7日間養生
し、高密度ポリエチレン板からはがし取った塗膜フィル
ムの破断強度、伸びを計測した。また、モルタルブロッ
クに乾燥膜厚が約150μmになるようにローラー刷毛
で塗布したものを室温で7日間養生し、コンクリート付
着性、耐湿性を計測した。
【0050】比重は、硬化した組成物の破片を装置によ
り測定した。塗膜破断強度(kg/cm2)および塗膜伸び
(%)は、JIS−K−6301の加硫ゴムの物理試験
方法の引張試験(ダンベル2号試験片)により測定し
た。コンクリート付着性(kg/cm2)は、JIS−K−5
600の塗料の一般試験方法第5部第7節の付着性(プ
ルオフ法)試験によって測定した。耐湿性は、JIS−
K−5400の塗料一般試験方法の耐湿性試験のうち回
転式によって評価した。
【0051】以上の結果を表1に示す。
【0052】
【実施例2】[アクリル酸エステル共重合体エマルジョ
ン系エマルジョン(A)を用いた軽量弾性体形成用組成
物の調製および硬化物]実施例1において、AEエマル
ジョン系エマルジョン(A)65重量部、自己乳化性H
DIを10重量部用いる代わりに、AEエマルジョン系
エマルジョン(A)70重量部、自己乳化性HDIを5
重量部用いた以外は実施例1と同様にして、組成物を調
製した。
【0053】得られた組成物を、実施例1と同様にして
モルタルブロックに乾燥膜厚が約150μmになるよう
にローラー刷毛で塗布したところ、半硬化するまでの乾
燥時間は約35分であった。また、得られた組成物を高
密度ポリエチレン板に20ミルのドクターブレードで塗
布し、室温で7日間養生し、高密度ポリエチレン板から
はがし取った塗膜フィルムの破断強度、伸びを実施例1
と同様にして計測した。また、モルタルブロックに乾燥
膜厚が約150μmになるようにローラー刷毛で塗布し
たものを室温で7日間養生し、コンクリート付着性、耐
湿性を実施例1と同様にして計測した。
【0054】以上の結果を表1に示す。
【0055】
【実施例3】[EVAエマルジョン系エマルジョン
(B)を用いた軽量弾性体形成用組成物の調製および硬
化物]ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルを用
いて乳化重合した、ガラス転移温度(Tg)=0℃のエ
チレン酢酸ビニル共重合体を含む、固形分55%のエチ
レン酢酸ビニル共重合体エマルジョン(EVAエマルジ
ョン)(b)に、エチレンオキサイドを40重量%含む
ポリエチレングリコールポリプロピレングリコール(重
量平均分子量1700)のブロックエーテル型界面活性剤
を、EVAエマルジョン(b)の固形分に対して3重量
%添加して、EVAエマルジョン系エマルジョン(B)
を調製した。
【0056】また、ヘキサメチレンジイソシアネート
(HDI)とポリエチレングリコールを反応させて末端
イソシアネート基が20重量%残存するジイソシアネー
トプレポリマー(自己乳化性HDI)を調製した。実験
室用の高速ディスパーを用い、ステンレス容器に、先に
調製したポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマ
ー界面活性剤を添加調製したEVAエマルジョン系エマ
ルジョン(B)を65重量部装入し、攪拌しながら比重
が0.8、平均粒径が130μmの微小中空形状であっ
て、SiO2とAl23を主成分とする中空軽量骨材2
5重量部を配合し、約1時間混合攪拌した。
【0057】次に、この混合溶液に、先に調製した自己
乳化性HDIを10重量部加え、3分間攪拌した。得ら
れた組成物を、実施例1と同様にしてモルタルブロック
に乾燥膜厚が約150μmになるようにローラー刷毛で
塗布したところ、半硬化するまでの乾燥時間は約45分
であった。また、得られた組成物を高密度ポリエチレン
板に20ミルのドクターブレードで塗布し、室温で7日
間養生し、高密度ポリエチレン板からはがし取った塗膜
フィルムの破断強度、伸びを実施例1と同様にして計測
した。また、モルタルブロックに乾燥膜厚が約150μ
mになるようにローラー刷毛で塗布したものを室温で7
日間養生し、コンクリート付着性、耐湿性を実施例1と
同様にして計測した。
【0058】以上の結果を表1に示す。
【0059】
【実施例4】[SBRエマルジョン系エマルジョン
(C)を用いた軽量弾性体形成用組成物の調製および硬
化物]アルキルスルホン酸ナトリウムを用いて乳化重合
した、ガラス転移温度(Tg)=0℃、粒子径220nm
のSBRを含む、固形分50%のSBRエマルジョン
(c)に、エチレンオキサイドを40重量%含むポリエ
チレングリコールポリプロピレングリコール(重量平均
分子量1700)のブロックエーテル型界面活性剤をSBR
エマルジョン(c)の固形分に対して3重量%添加し
て、SBRエマルジョン系エマルジョン(C)を調製し
た。
【0060】また、ヘキサメチレンジイソシアネート
(HDI)とポリエチレングリコールを反応させて末端
イソシアネート基が20重量%残存するジイソシアネー
トプレポリマー(自己乳化性HDI)を調製した。実験
室用の高速ディスパーを用い、ステンレス容器に、先に
調製したポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマ
ー界面活性剤を添加調製したSBRエマルジョン系エマ
ルジョン(C)を65重量部装入し、攪拌しながら比重
が0.8、平均粒径が130μmの微小中空形状であっ
て、SiO2とAl23を主成分とする中空軽量骨材2
5重量部を配合し、約1時間混合攪拌した。
【0061】次に、この混合溶液に、先に調製した自己
乳化性HDIを10重量部加え、3分間攪拌した。得ら
れた組成物を、実施例1と同様にしてモルタルブロック
に乾燥膜厚が約150μmになるようにローラー刷毛で
塗布したところ、半硬化するまでの乾燥時間は約45分
であった。また、得られた組成物を高密度ポリエチレン
板に20ミルのドクターブレードで塗布し、室温で7日
間養生し、高密度ポリエチレン板からはがし取った塗膜
フィルムの破断強度、伸びを実施例1と同様にして計測
した。また、モルタルブロックに乾燥膜厚が約150μ
mになるようにローラー刷毛で塗布したものを室温で7
日間養生し、コンクリート付着性、耐湿性を実施例1と
同様にして計測した。
【0062】以上の結果を表1に示す。
【0063】
【比較例1】[アクリル酸エステル共重合体エマルジョ
ン(a)を用いた組成物の調製および硬化物]ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテルを用いてアクリル酸
エチルとメタクリル酸メチルとを乳化重合して、ガラス
転移温度(Tg)=6℃、粒子径150nmのアクリル酸
エステル共重合体を含む、固形分50%のアクリル酸エ
ステル共重合体エマルジョン(AEエマルジョン)
(a)を調製した。
【0064】実験室用の高速ディスパーを用い、ステン
レス容器に、先に調製したAEエマルジョン(a)を6
5重量部装入し、攪拌しながら比重が0.8、平均粒径
が130μmの微小中空形状であって、SiO2とAl2
3を主成分とする中空軽量骨材25重量部を配合し、
約1時間混合攪拌した。
【0065】得られた組成物を、実施例1と同様にして
モルタルブロックに乾燥膜厚が約150μmになるよう
にローラー刷毛で塗布したところ、半硬化するまでの乾
燥時間は約30分であった。また、得られた組成物を高
密度ポリエチレン板に20ミルのドクターブレードで塗
布し、室温で7日間養生し、高密度ポリエチレン板から
はがし取った塗膜フィルムの破断強度、伸びを実施例1
と同様にして計測した。また、モルタルブロックに乾燥
膜厚が約150μmになるようにローラー刷毛で塗布し
たものを室温で7日間養生し、コンクリート付着性、耐
湿性を実施例1と同様にして計測した。
【0066】このうち、耐湿性の試験においては、塗膜
が軟化し、ふくれが発生した。以上の結果を表1に示
す。
【0067】
【比較例2】[エチレン酢酸ビニル共重合体エマルジョ
ン(b)を用いた組成物の調製および硬化物]ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテルを用いて乳化重合し
た、ガラス転移温度(Tg)=0℃のエチレン酢酸ビニ
ル共重合体を含む、固形分55%のエチレン酢酸ビニル
共重合体エマルジョン(EVAエマルジョン)(b)を
調製した。
【0068】実験室用の高速ディスパーを用い、ステン
レス容器に、先に調製したEVAエマルジョン(b)を
65重量部装入し、攪拌しながら比重が0.8、平均粒
径が130μmの微小中空形状であって、SiO2とA
23を主成分とする中空軽量骨材25重量部を配合
し、約1時間混合攪拌した。得られた組成物を、実施例
1と同様にしてモルタルブロックに乾燥膜厚が約150
μmになるようにローラー刷毛で塗布したところ、半硬
化するまでの乾燥時間は約35分であった。また、得ら
れた組成物を高密度ポリエチレン板に20ミルのドクタ
ーブレードで塗布し、室温で7日間養生し、高密度ポリ
エチレン板からはがし取った塗膜フィルムの破断強度、
伸びを実施例1と同様にして計測した。また、モルタル
ブロックに乾燥膜厚が約150μmになるようにローラ
ー刷毛で塗布したものを室温で7日間養生し、コンクリ
ート付着性、耐湿性を実施例1と同様にして計測した。
【0069】このうち、耐湿性の試験においては、塗膜
が軟化し、ふくれが発生した。以上の結果を表1に示
す。
【0070】
【比較例3】[SBRエマルジョン(c)を用いた組成
物の調製および硬化物]アルキルスルホン酸ナトリウム
を用いて乳化重合した、ガラス転移温度(Tg)=0
℃、粒子径220nmのSBRを含む、固形分50%のS
BRエマルジョン(c)を調製した。
【0071】実験室用の高速ディスパーを用い、ステン
レス容器に、先に調製したSBRエマルジョン(c)を
65重量部装入し、攪拌しながら比重が0.8、平均粒
径が130μmの微小中空形状であって、SiO2とA
23を主成分とする中空軽量骨材25重量部を配合
し、約1時間混合攪拌した。得られた組成物を、実施例
1と同様にしてモルタルブロックに乾燥膜厚が約150
μmになるようにローラー刷毛で塗布したところ、半硬
化するまでの乾燥時間は約35分であった。また、得ら
れた組成物を高密度ポリエチレン板に20ミルのドクタ
ーブレードで塗布し、室温で7日間養生し、高密度ポリ
エチレン板からはがし取った塗膜フィルムの破断強度、
伸びを実施例1と同様にして計測した。また、モルタル
ブロックに乾燥膜厚が約150μmになるようにローラ
ー刷毛で塗布したものを室温で7日間養生し、コンクリ
ート付着性、耐湿性を実施例1と同様にして計測した。
【0072】このうち、耐湿性の試験においては、塗膜
が軟化し、ふくれが発生した。以上の結果を表1に示
す。
【0073】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C04B 111:70 C04B 111:70 (72)発明者 宮 本 和 夫 滋賀県野洲郡野洲町字三上2306番地の7 中国塗料株式会社内 Fターム(参考) 2E176 AA01 BB04 BB14 4G065 AA02 AB38X BA01 BA07 BA15 CA02 DA03 EA01 EA10 4J002 AC001 AC031 AC061 AC071 AC081 BF021 BG041 BG051 CH053 CK032 DE147 DJ017 EH056 FD017 FD313 FD316 4J034 BA03 DA01 DB04 HA07 HC03 HC12 JA42 MA03 MA22 RA07 RA10

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)合成樹脂エマルジョンと、(b)添加され
    た界面活性剤と、(c)自己乳化性ポリイソシアネート
    と、(d)中空軽量骨材とからなることを特徴とする軽量
    弾性体形成用組成物。
  2. 【請求項2】前記合成樹脂エマルジョン(a)と前記添加
    された界面活性剤(b)との合計量が35〜95重量%、
    前記自己乳化性ポリイソシアネート(c)が0.5〜20
    重量%、前記中空軽量骨材(d)が4.5〜45重量%
    (但し(a)+(b)+(c)+(d)=100重量%)の量で用い
    られることを特徴とする請求項1に記載の軽量弾性体形
    成用組成物。
  3. 【請求項3】前記添加された界面活性剤(b)が、前記合
    成樹脂エマルジョン(a)の固形分に対して0.1〜10
    重量%の量で用いられることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の軽量弾性体形成用組成物。
  4. 【請求項4】前記合成樹脂エマルジョン(a)が、該合成
    樹脂エマルジョン(a)中に20〜80重量%の固形分を
    含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    軽量弾性体形成用組成物。
  5. 【請求項5】前記合成樹脂エマルジョン(a)が、合成ゴ
    ムエマルジョンであることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれかに記載の軽量弾性体形成用組成物。
  6. 【請求項6】前記合成樹脂エマルジョン(a)が、酢酸ビ
    ニル共重合体エマルジョンであることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれかに記載の軽量弾性体形成用組成物。
  7. 【請求項7】前記合成樹脂エマルジョン(a)が、(メ
    タ)アクリル酸エステル(共)重合体エマルジョンであ
    ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の軽
    量弾性体形成用組成物。
  8. 【請求項8】前記添加された界面活性剤(b)が、非イオ
    ン性界面活性剤であることを特徴とする請求項1〜7の
    いずれかに記載の軽量弾性体形成用組成物。
  9. 【請求項9】前記自己乳化性ポリイソシアネート(c)
    が、ポリイソシアネートとポリエチレングリコールとか
    らなるプレポリマーを、前記自己乳化性ポリイソアイア
    ネート(c)に対して5〜100重量%の量で含むことを
    特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の軽量弾性体
    形成用組成物。
  10. 【請求項10】前記中空軽量骨材(d)が、比重が0.7
    〜0.9の範囲にあり、粒径が60〜200μmの範囲
    にあり、SiO2とAl23を主成分とする中空軽量骨
    材であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記
    載の軽量弾性体形成用組成物。
  11. 【請求項11】合成樹脂エマルジョン(a)、添加された
    界面活性剤(b)および中空軽量骨材(d)を含む主剤ユニッ
    トと、 自己乳化性ポリイソシアネート(c)を含む硬化剤ユニッ
    トとの組み合わせからなる軽量弾性体形成用組成物セッ
    ト。
  12. 【請求項12】基材を軽量弾性体形成用組成物で被覆す
    る際に、請求項1〜10のいずれかに記載の軽量弾性体
    形成用組成物を用いることを特徴とする基材の被覆方
    法。
  13. 【請求項13】基材を軽量弾性体形成用組成物で被覆す
    る際に、請求項11に記載の軽量弾性体形成用組成物セ
    ットを用いることを特徴とする基材の被覆方法。
  14. 【請求項14】請求項1〜10のいずれかに記載の軽量
    弾性体形成用組成物から形成した塗膜。
  15. 【請求項15】請求項1〜10のいずれかに記載の軽量
    弾性体形成用組成物から形成した塗膜で基材が被覆され
    ていること特徴とする基材。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003126558A (ja) * 2001-10-24 2003-05-07 Takao Kaneko ソフト遊具、成型体補修剤
JP2003192412A (ja) * 2001-12-25 2003-07-09 Asahi Kasei Corp 石灰系プラスターの改質剤及び組成物
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