JP2001213874A - イソクマリン誘導体の製造およびそのための中間体 - Google Patents

イソクマリン誘導体の製造およびそのための中間体

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JP2001213874A JP2000175015A JP2000175015A JP2001213874A JP 2001213874 A JP2001213874 A JP 2001213874A JP 2000175015 A JP2000175015 A JP 2000175015A JP 2000175015 A JP2000175015 A JP 2000175015A JP 2001213874 A JP2001213874 A JP 2001213874A
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Toshio Tsuchida
外志夫 土田
Masafumi Yoshida
政史 吉田
Asako Kuroda
麻子 黒田
Takashi Nakajima
崇 中島
Kunio Isshiki
邦夫 一色
Tomio Takeuchi
富雄 竹内
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Mercian Corp
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Microbial Chemistry Research Foundation
Mercian Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 イソクマリン−3−イル−酢酸誘導体の製造
方法およびその方法で使用するための合成中間体(β−
オキソカルボン酸誘導体)に関する。 【解決手段】 式(II) 【化1】 で表されるβ−オキソカルボン酸誘導体を環化反応に付
すことによる式(I) 【化2】 で表されるイソクマリン−3−イル−酢酸誘導体の製造
方法、ならびに式(II)で表される化合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イソクマリン−3
−イル−酢酸誘導体の製造方法およびその製造方法に用
いる合成中間体に関する。
【0002】
【従来の技術】イソクマリン−3−イル−酢酸誘導体、
例えば、式
【0003】
【化27】
【0004】で表される化合物は、免疫調節作用の異常
または血管新生に随伴する疾患の予防および治療に有効
であることが知られている(国際公開WO97/486
93)。この国際公開パンフレットによれば、8−ヒド
ロキシ−3−メチル−6−メトキシ−イソクマリンから
数段階を経て製造されている。この製造方法における各
段階は、いずれも良好な収率で進行する点ですぐれた方
法であるが、必ずしも、多様な置換基を有するイソクマ
リン−3−イル−酢酸誘導体を効率よく提供できるとは
限らない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、イソクマリン−3−イル−酢酸誘導体を効率よ
く製造でき、しかも、特に、生理活性に大きな影響を及
ぼしうるプロピオン酸鎖の2位置換基に多様性をもたし
うる該誘導体の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、効率よく
製造できる合成中間体であって、従来の技術文献未載の
特定の5−芳香族カルボン酸置換β−オキソカルボン酸
を出発原料とするか、あるいはホモフタル酸モノエステ
ルとマロン酸誘導体とのワンポット反応を利用すること
で、各種イソクマリン−3−イル−酢酸誘導体が効率よ
く製造できることを、ここに見い出した。本発明は、か
ような知見に基づくものである。
【0007】したがって、本発明は、式(I)
【0008】
【化28】
【0009】(上式中、Rは水素原子、未置換もしくは
置換低級アルキル基、未置換もしくは置換低級アルケニ
ル基、未置換もしくは置換低級アルキニル基、未置換も
しくは置換低級アルコキシ基、保護されたアミノ基、水
酸基または保護された水酸基を示し、Raは水素原子ま
たはカルボキシル基の保護基を示し、Rbは水素原子ま
たは水酸基の保護基を示し、そしてRcは未置換もしく
は置換低級アルキル基を示す)で表されるイソクマリン
−3−イル−酢酸誘導体の製造方法であって、式(I
I)
【0010】
【化29】
【0011】(上式中、RおよびRcは式(I)につい
て定義したのと同義であり、R1およびR3は独立して、
カルボキシル基の保護基を示し、R2は水酸基の保護基
を示す)で表されるβ−オキソカルボン酸誘導体を溶媒
中で環化反応に供し、次いで必要により保護基の脱離反
応に付することを特徴とする製造方法に関する。
【0012】また、式(I)で表されるイソクマリン−
3−イル酢酸誘導体の製造方法であって、塩基の存在す
る有機溶媒中で、反応途中で反応温度を高める条件下、
式(III)
【0013】
【化30】
【0014】(上式中、Rcは未置換もしくは置換低級
アルキル基を示し、R1はカルボキシル基の保護基を示
し、そしてR2は水酸基の保護基を示す)で表されるホ
モフタル酸モノエステルを、式(IV)
【0015】
【化31】
【0016】(上式中、Rは式(I)について定義した
のと同義であり、R3はカルボキシル基の保護基を示
し、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を示す)
で表されるマロン酸誘導体と反応させ、ワンポットで式
(I)の誘導体を製造することを特徴とする製造方法に
関する。また、本発明は式(I)のRbが、特に、低級
アルキル基である場合に、Rc基は残存させたまま、Rb
の低級アルキル基を選択的に脱離する工程を含む、一定
の式(I)で表される化合物の製造方法にも関する。
【0017】さらに本発明は、上記製造方法における合
成中間体として有用な式(II)で表される化合物およ
びその製造方法、ならびにさらなる上流の合成中間体の
新規な製造方法にも関する。
【0018】
【発明の具体的な態様】本発明における一つの中心をな
す式(II)の化合物(またはβ−オキソカルボン酸誘
導体)は、国際公開WO97/48693に記載された
イソクマリン−3−イル−酢酸誘導体、例えば、2−
(8−ヒドロキシ−6−メトキシ−1−オキソ−1H−
2−ベンゾピラン−3−イル)プロピオン酸を初めと
し、特に、本発明に従う式(I)におけるR基として多
様な置換基を担持しうる誘導体を提供でき、これらの誘
導体はいずれも該プロピオン酸と同様の生物学的活性を
有するか、またはそのような活性を有する前駆体となり
うる化合物である。なお、上記WO97/48693の
記載内容は、ここに引用することによって本明細書に組
み込まれる。
【0019】以下、本発明に関連する各式で表される化
合物を特定する各基の定義について具体的に説明する。
【0020】「低級アルキル」は、炭素数1〜6個を有
する直鎖もしくば分枝の飽和脂肪族炭化水素基を意味
し、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロ
ピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチ
ル、n−ペンチル、イソアミル、n−ヘキシルなどが挙
げられる。好ましいアルキル基は炭素数4個までの基で
ある。後述するように、本明細書においては、低級アル
キルが基の一部を占める場合も含め、以上の例示が適用
できる。これらのアルキル基が置換されている場合の置
換基は、ハロ、炭素数3〜7を有するシクロアルキル、
場合によって1個以上の低級アルキル、ハロ、ニトロで
置換されていてもよいアリール(例、フェニル、ナフチ
ル)、低級アルコキシ、低級アルキルチオ、モノ−もし
くはジ−低級アルキル置換アミノ、などを挙げることが
でき、これらの置換基は1個以上存在することができ
る。ハロは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を意味する
が、上記置換基におけるハロは、フッ素、塩素が好まし
い。低級アルコキシ、低級アルキルチオおよび低級アル
キル置換アミノにおける低級アルキルは、上記「低級ア
ルキル」の定義に従う(以下、本明細書全体を通じて共
通する)。置換アルキルの具体的なものとしては、フル
オロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、
クロロメチル、ジクロロメチル、シクロプロピルメチ
ル、シクロペンチルメチル、1−シクロプロピルエチ
ル、ベンジル、ベンズヒドリル、メトキシメチル、i−
プロポキシメチル、メチルチオメチル、メチルアミノメ
チル、ジメチルアミノメチル、ジメチルアミノエチル、
ジエチルアミノメチルなどが挙げられる。
【0021】「低級アルケニル」は、炭素数2〜6個を
有し、炭素−炭素二重結合を含有する直鎖もしくは分枝
の脂肪族炭化水素基を意味し、例えば、エテニル、プロ
ペニル、n−ブテニル、i−ブテニル、3−メチルブト
−2−エニル、n−ヘプテニルなどが挙げられる。これ
らの低級アルケニルが置換されている場合の置換基は、
上記「低級アルキル」についての置換基と同義であるこ
とができる。また、置換基の置換様式も上記低級アルキ
ルの場合に準じる。
【0022】「低級アルキニル」は、炭素数2〜6個を
有し、炭素−炭素三重結合を含有する直鎖もしくは分枝
の脂肪族炭化水素基を意味し、例えば、エチニル、プロ
ピニル、n−ブチニル、i−ブチニル、3−メチルブト
−2−イニル、n−ペンチニルなどを挙げることができ
る。これらの低級アルキニルが置換されている場合の置
換基は、上記「低級アルキル」についての置換基と同義
であることができる。また、置換基の置換様式も上記低
級アルキルの場合に準じる。
【0023】「R」基の定義における「低級アルコキ
シ」は、上記置換基低級アルコキシに共通するものであ
り、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i
−プロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、te
rt−ブトキシ、n−ペンチルオキシなどが挙げられ
る。これらの低級アルコキシが置換されている場合の置
換基は、上記「低級アルキル」の置換基と同義であるこ
とができ、置換低級アルコキシの具体的なものとして
は、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフル
オロメトキシ、シクロプロピルメトキシ、ベンジルオキ
シ、メトキシメトキシ、エトキシメトキシ、エトキシエ
トキシ、ジメチルアミノメトキシ、ジメチルアミノエト
キシなどが挙げられる。
【0024】「保護されたアミノ基」における保護基、
「水酸基の保護基」および「カルボキシル基の保護基」
は、本発明に従う反応において望ましくない副反応を回
避するかもしくは低減するために、それぞれ対応する官
能基の反応性をブロックもしくは抑制する機能を有する
基を意味する。また、本発明においては、これらの保護
基が存在したまま、対応する化合物をプロドラッグとし
て使用可能にする基も保護基に包含されうる。これらの
保護基は、当業者に常用されている、例えば、“Protec
tive Groups in Organic Chemistry”、John Wile
y and Sons、1991、に記載されているものから選ぶこ
とができる。
【0025】中でも好ましい「保護されたアミノ基」に
おける保護基は、低級アルカノル(例、アセチル、プロ
ピオニルなど)、アリールカルボニル(例、ベンゾイル
など)、シリル(例、tert−ブチルジメチルシリ
ル、tert−ブチルジフェニルシリルなど)、アリー
ル−もしくは低級アルキル−オキカルボニル(例、ベン
ジルオキカルボニル、tert−ブトキシカルボニルな
ど)、低級アルキルスルホニルもしくはアリールスルホ
ニル(例、メシル、トシルなど)が挙げられる。「水酸
基の保護基」としては、上記アミノ基に対する保護基に
加えて低級アルキル基が挙げられる。
【0026】「カルボキシル基の保護基」としては、低
級アルキル基、場合によって置換されていてもよいフェ
ニル置換低級アルキル(例、ベンジル、ベンズヒドリ
ル、トリチル、p−ニトロベンジルなど)が挙げられ
る。
【0027】また、式(I)において、Rbが水酸基の
保護基を示す場合の化合物がプロドラッグとなりうる保
護基としては、−ORbが、酢酸エステル、プロピオン
酸エステル、コハク酸エステル、フマル酸エステル、マ
レイン酸エステル、乳酸エステル、酒石酸エステル、マ
ロン酸エステルなどを最終的に形成しうるような、場合
によって水酸基や残りのカルボキシル基が保護されてい
る残基からRbが選ばれる場合を挙げることができる。
【0028】上記のように、例えば免疫調節作用の異常
または血管新生に随伴する疾患の予防および治療に有効
である式(I)のイソクマリン−3−イル−酢酸誘導体
は、それ自体新規である式(II)の化合物(または、
β−オキソカルボン酸誘導体ともいう)から環化反応を
介してあるいは、式(III)のホモフタル酸モノエス
テルと式(IV)のマロン酸誘導体とのワンポット反応
により有利に製造できる。したがって、本発明によれば
式(II)の化合物から、あるいは式(III)のホモ
フタル酸と式(IV)のマロン酸誘導体とのワンポット
反応を利用する式(I)の化合物への製造方法が提供さ
れる。
【0029】式(II)の化合物は、それ自体公知の合
成前駆体(または中間体)を利用して製造できるが、本
発明者が開発した典型例を示す以下の合成スキームに従
って、製造するのが好適である。これらの各工程は使用
する保護基、反応体の種類によって、適宜改変して実施
することが望ましい場合のあることも理解されている。
【0030】
【化32】
【0031】上記スキーム中、R、Rc、R1、R2、R3
およびMは上記されているとおりであり、THFはテト
ラヒドロフランであり、DMFはジメチルホルムアミド
であり、Etはエチルであり、t−Buはtert−ブ
チルである。また、カッコ内に記載している第5工程は
省略できることを意味する(以下、同様)。
【0032】上記第1工程の代替法として、次の第1′
工程を採用することもできる。
【0033】
【化33】
【0034】例えば、式(VI)で表される化合物の一
部は、M.Yamaguchi et al., J.Org.Chem.,55、16
11(1990)、R.N.Hurd et al., J.Med.Chem.,1
6、543(1973)、W.R.Rough et al., J.Org.Che
m.,57、6822(1992)、およびF.M.Hauser et al.,
J.Org.Chem.,42、4155(1977)より公知である。例
えば、第1の文献では、3−ハイドロキシグルタル酸エ
チルエステルから出発して、式(VI)のR1がter
t−ブチルである化合物を、第2の文献では、式(VI
I)の化合物の自己縮合、次いで脱炭酸を経て、R1
メチルである化合物を得ている。
【0035】勿論、本発明に従う上記合成スキームにお
いて、如何なる方法で得られる式(VI)の化合物を使
用することもできるが、本発明に従えば、式(VI)の
化合物は、上記合成スキームの第1工程または第1′工
程に従って製造することが好ましい。この工程は、適当
な不活性溶媒(例えば、THF、ジオキサン、ジメチル
スルホキシド(DMSO)、DMF、アセトニトリル、
トルエンなど)中、塩基、例えば、水素化ナトリウム、
ナトリウムメトキシド、tert−ブトキシドカリウ
ム、酸化カルシウムなどの存在下で、式(VII)のア
セトンジカルボン酸エステルと式(VIII)のジケテ
ンを反応させて、一段で目的の式(VI)の化合物を得
ることができる。かような式(VI)の化合物の製造方
法は、従来技術文献未載であり、本発明の一つの主題と
なる。この工程は、通常、アセトンジカルボン酸エステ
ルと塩基との混合物を0〜40℃において数分ないし数
10分間撹拌した後、反応混合液を約10℃以下に冷却
し、ジケテンを加えて同温度でさらに0.5〜5時間撹
拌反応させ、場合によって、20〜70℃でさらに反応
させることにより行うことができる。アセトンジカルボ
ン酸エステルとジケテンの使用割合は、1:3〜2:
1、好ましくはほぼ等モル当量とするのがよい。塩基の
使用量は、前者を若干上廻るモル量で使用する。
【0036】また、第1′工程は、適当な不活性有機溶
媒(例えば、THF、1,4−ジオキサン、ジエチレン
グリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジ
エチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテ
ル、DMF、DMSOなど)中、無機塩(例えば、塩化
リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、フッ化リチ
ウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリ
ウム、フッ化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウ
ム、ヨウ化カリウム、フッ化カリウム、塩化マグネシウ
ムなどのアルカリ金属−もしくはアルカリ土類金属ハロ
ゲン化物;塩化亜鉛、塩化銅などの遷移金属ハロゲン化
物)の存在下で、式(VII)で示されるアセトンジカ
ルボン酸エステルを自己縮合、脱炭酸させることによ
り、一段階で行われる。
【0037】この工程は、通常、アセトンジカルボン酸
エステルを有機溶媒に溶解し、さらにアルカリ金属塩を
加え、50〜150℃(好ましくは約130℃)におい
て、1〜30時間(好ましくは約3−23時間)攪拌反
応させることにより行うことができる。但し、溶媒とし
てTHFまたは1,4−ジオキサンを使用するときは還
流条件で反応させる。
【0038】アセトンジカルボン酸エステルとアルカリ
金属塩の使用割合は、1:0.1〜0.1:1、好ましく
は、1:0.1〜1:1.5とするのがよい。
【0039】第1工程および第1′工程に示した式(V
I)の化合物の製造方法は、本発明者らが調査した範囲
では従来技術文献未載であった。
【0040】こうして生成する式(VI)の化合物の反
応混合液からの精製は、酢酸エチル等の有機溶媒により
抽出、必要によりシリカゲル等を用いるクロマトグラフ
ィーにより得ることができる。
【0041】上記第2工程による式(VI)の化合物の
水酸基が保護された形態にある式(V)の化合物も上記
M.Yamaguchi et al.により一部は公
知である。式(VI)の化合物の2位水酸基と4位水酸
基はそれぞれ同時にか、または相互に順次エーテル化す
るか、あるいは4位水酸基をエーテル化し、次いで2位
水酸基をエステル化するか、またはエーテル化とエステ
ル化を逆の順に行うこともできる。これらのエーテル化
およびエステル化は、RcおよびR2に対応する適当な反
応体を用いてそれ自体公知の方法に従って行うことがで
きる。
【0042】こうして得られる式(V)の化合物は、第
3工程によりそのホモフタル酸ジエステルが部分加水分
解反応に付され、酢酸残基(アルキルカルボン酸エステ
ル基)が遊離カルボキシル基に加水分解された式(II
I)のハーフエステル(またはホモフタル酸モノエステ
ル)に転化される。式(V)の化合物における2つのR
1が同一の基の場合であっても、上記の部分加水分解は
効率よく起こるが、アルキルカルボン酸エステル基がア
リールカルボン酸エステル基より、加水分解の容易な基
となるように、それぞれのR1を選ぶこともできる。こ
れらの組み合わせは、例えば、前者のR1がメチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基であり、後者の
1がベンジル基である場合等を挙げることができる。
この加水分解反応条件は、選ばれるR1の種類により左
右されるが、通常、塩基(例、NaOH、KOH、Ba
(OH)2、LiOH)の存在下の水性溶液で行うのが
よい。
【0043】こうして生成する式(V)のハーフエステ
ルは、上記のような有機溶媒抽出、必要によりカラムク
ロマトグラフィーを用いて精製できる。式(V)のハー
フエステル(またはホモフタル酸モノエステル)も従来
技術文献未載であり、本発明の一つの主題となる。
【0044】第4工程では、不活性有機溶媒中で、上記
ホモフタル酸モノエステルと式(IV)のマロン酸誘導
体とを反応させる。溶媒は、本反応に悪影響を及ぼさな
いものであれば、いずれも用いることができるが、通
常、THF、DMF、ジオキサン、アセトニトリルなど
を用いるのが好ましい。塩基(例、トリエチルアミン、
ジイソプロピルアミン、ピリジン、ルチジンなど)およ
び添加物(例、MgCl 2、MgBr2、Mg、MgOな
ど)の存在下の溶媒中、0〜40℃、都合よくは、室温
(通常20〜30℃)下で式(IV)のマロン酸モノエ
ステル塩(式(IV)のMは、アルカリ金属、例えば、
カリウム、ナトリウム、またはアルカリ土類金属、例え
ばカルシウム、マグネシウムなどである)を0.5〜5
時間撹拌して、反応液を調製する。別に、式(III)
の化合物を、好ましくは上記反応液を調製するのに使用
した溶媒中、縮合剤(例、カルボニルジイミダゾールな
ど)の共存下で、0〜40℃、都合よくは室温下で0.
5〜5時間撹拌して、もう一つの反応液を調製する。こ
うして調製した両反応液を0〜40℃において混合し、
その後必要により加温して撹拌する。撹拌時間は、薄層
クロマトグラム上で出願原料の消失程度および/または
新たに生じる生成物の種類もしくは程度を追跡して決定
することができるが、通常、室温下の撹拌では約4〜2
0時間である。こうして生成した式(II)の化合物の
反応混合液からの精製は、適当な有機溶媒による抽出、
必要に有機相の水洗、溶媒の留去によって行うことがで
きる。こうして得られる式(II)の化合物は、従来技
術文献未載の化合物であり、本発明の一つの主題とな
る。
【0045】原料として使用する式(IV)の化合物
は、殆ど文献公知の化合物であるが、新規化合物も、公
知化合物と同様にまたは公知化合物から製造することが
できる。
【0046】上記増炭反応では、式(III)の化合物
と式(IV)の化合物は、1:1モル当量〜1:4モル
当量の割合で使用する。これらの化合物の反応液中の濃
度は、小実験を行うことにより、最適濃度を設定でき
る。
【0047】第5工程では、式(II)の化合物が環化
反応に付される。この環化反応は、適当な不活性有機溶
媒(例、THF、DMF、ジメトキエタン、ジオキサ
ン、アセトニトリル、トルエンなど)中、塩基(例、ア
ミン類、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルアミ
ン、ピリジン、ルチジン、あるいはアルカリ金属アルコ
ラート、例えば、tert−ブトキシドカリウム、ナト
リウムメトキシド、または水素化ナトリウム)の存在下
で、0〜40℃、都合よくは室温下で反応液を撹拌する
ことにより行うことができる。この反応により、上記環
化とともにR2およびR3の脱離が起こる場合がある。こ
うして式(I−1)または(I)′の化合物を得ること
ができる。
【0048】別法として、上記式(IV)の化合物の調
製液と式(III)の化合物の調製液との混合物を、上
記の温度条件下で一定時間撹拌した後、さらに温度を加
温することによって、ワンポットで式(I−1)または
式(I)′の化合物を生成することもできる。この操作
法では、反応中間体として式(II)の化合物を経由し
て反応が進行するものと推測されるが、本発明はこのよ
うな推測によって限定されるものでない。上記一定時間
は、反応液のアリコートを経時的に薄層クロマトグラフ
ィーを分析し、中間体(II)の消失の程度によって決
定する。消失の程度は、ほぼ50%を超える中間体(I
I)が消失するか、好ましくはほぼ80%以上の中間体
(II)の消失を待って、反応液を加温する。加温する
温度は、使用している溶媒の沸点まで利用できる。
【0049】なお、このワンポット反応では、塩基とし
て、有機アミン類、例えば、トリエチルアミン、ジイソ
プロピルアミンなどを使用するのが好都合である。生成
する式(I−1)または(I)′の化合物の追跡は、上
記のような薄層クロマトグラフィーによるのが便利であ
る。
【0050】こうして生成した式(I−1)または
(I)′の化合物を、必要により、各保護基を加水分解
して、ことに、R2およびR3が選択的に脱離した化合物
とすることができる。かような加水分解反応は、それ自
体公知の方法によって行うことができる。
【0051】特に、式(I−1)のR2が低級アルキル
(R2-1)基である場合(式(I−1)’、Rc基を残存
させたまま、R2-1基のみを選択的に脱離することは比
較的困難であるが、次のような方法に従うことができ
る。すなわち、かような脱離方法の典型的なものとして
は、"Protective Groups in Organic Chemistry", John
Wiley and Sons, 1991に記載されているような、例え
ば、三臭化ホウ素、塩化アルミニウム等を用いる方法
や、比較的近年報告された、Anthony G. et al., Chem.
Commun., 809(1998)に記載されているヨウ化マグネシウ
ムを用いる方法が挙げられる。
【0052】しかし、前者の方法は反応がドラスティッ
クなため若干のRcの脱離を伴うことや、他の部分に悪
影響を及ぼす場合がある。他方、後者は良好な選択性に
て、R2-1基を脱離できるが、用いるヨウ化マグネシウ
ムが高価であり、大量製造には適していない。そのた
め、より安価に実施できる方法が望まれていた。
【0053】本発明者らは、式(I−1)’の化合物
を、ヨウ化アルカリ金属塩(例えば、ヨウ化カリウム、
ヨウ化ナトリウム、ヨウ化リチウムなど)およびハロゲ
ン化マグネシウム(例えば、フッ化マグネシウム、塩化
マグネシウム、臭化マグネシウム、好ましくは塩化マグ
ネシウム)を含む適当な不活性な溶媒(例えば、TH
F、ジオキサン、アセトニトリル、トルエンなど)中
で、20〜100℃、好ましくは60〜80℃において
反応させることにより、8位の脱保護反応が定量的に進
行することを見出した。そして、引き続き、それ自体公
知の加水分解反応により、保護基R3を脱離させること
により、式(I)’の化合物を得ることができる。した
がって、本発明によれば、式(I−1)’の化合物のR
2-1基を選択的に脱離する工程を含む、式(I)または
式(I)’の化合物の製造方法が提供される。この方法
において、ヨウ化アルカリ金属塩とハロゲン化マグネシ
ウムはモル比で、約1:2〜2:1の範囲内で使用する
のが好ましいが、これに限定されない。また。式(I−
1)’の化合物に対するハロゲン化マグネシウムの使用
割合は、モル当量で、0.1〜3倍であることができ
る。
【0054】こうして得られる、式(I)の化合物に
は、WO97/48693に記載された2−(8−ヒド
ロキシ−6−メトキシ−1−オキソ−1H−2−ベンゾ
ピラン−3−イル)プロピオン酸およびその他の新規化
合物が包含されるが、新規化合物も該プロピオン酸と同
等または類似する生物学的活性を有し、免疫調節作用の
異常または血管新生に随伴する疾患の予防または治療に
おいて効能を有する。そして、該疾患の予防または治療
に用いるための製剤も、該プロピオン酸と同様に調製で
きる。
【0055】
【実施例】以下、具体的な製造例を挙げ、本発明をさら
に具体的に説明する。製造例1 :下記式で表される化合物6の製造
【0056】
【化34】
【0057】6aの合成(R1=Etの場合) アセトンジカルボン酸ジエチル(10.0g、49.4
mmol)のTHF200ml溶液に氷冷下、水素化ナ
トリウム(60%オイル)(2.38g、59.3mm
ol)を加え同温度で30分、室温で30分撹拌した。
【0058】反応混合液を氷冷し、ジケテン(4.5m
l、59.3mmol)を滴下した後、同温度で2時間
撹拌し室温で終夜反応した。
【0059】反応混合液を水100mlでクエンチし、
1mol/l HClでpH2にした後酢酸エチル40
0ml、250mlで2回抽出した。酢酸エチル層を無
水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮乾固するとオイル
状残留物が得られた。残留物は、メタノール:ヘキサ
ン:水(150ml:150ml:15ml)にて分配
し、メタノール層を濃縮乾固した。得られる残留物を酢
酸エチル300mlに溶解し、酢酸エチル層を順次5%
NaHCO3水溶液300ml、飽和食塩水300m
l、0.1mol/l HCl300ml、飽和食塩水
300mlで洗浄した後無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。酢酸エチル層を濃縮乾固し、得られた残留物をシリ
カゲルカラム(400ml、トルエン;2l、トルエン
−酢酸エチル=10:1;2.7l)により精製すると
目的物が2.6g(収率19.6%)で得られた。 物理化学的性状 外観:白色固体 Rf値:0.44(TLC:Merck Art.57
15トルエン−酢酸エチル=2:1) FABマススペクトル:m/z268(M+)1 H−NMRスペクトル(CDCl3):δ:1.27(3H, t, J=7.3
Hz, CH3)、 1.37(3H, t,J=7.3Hz, CH3)、 3.85(2H, s, CH
2)、 4.17(2H, q, J=7.3Hz, CH2)、 4.35(2H, q,J=7.3Hz,
CH2)、 5.93(1H, s, OH)、 6.19(1H, d, J=2.6Hz, CH)、
6.32(1H, d, J=2.6Hz, CH)、 11.72(1H, s, OH) 6bの合成(R1=Meの場合) アセトンジカルボン酸ジメチル(1.0g、5.74m
mol)のTHF10ml溶液に氷冷下、水素化ナトリ
ウム(60%オイル)(0.276g、6.89mmo
l)を加え同温度で30分、室温で30分撹拌した。
【0060】反応混合液を氷冷し、ジケテン(0.44
ml、5.74mmol)を滴下した後、同温度で2時
間撹拌し室温で終夜反応した。
【0061】反応混合液を水20mlでクエンチし、1
mol/l HClでpH1〜2にした後酢酸エチル5
0mlで2回抽出した。酢酸エチル層を無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した後、濃縮乾固するとオイル状残留物が得
られた。残留物は、メタノール:ヘキサン:水(30m
l:30ml:3ml)にて分配し、メタノール層を濃
縮乾固した。得られる残留物を酢酸エチル50mlに溶
解し、酢酸エチル層を順次5%NaHCO3水溶液50
ml、飽和食塩水50ml、0.1mol/lHCl5
0ml、飽和食塩水50mlで洗浄した後無水硫酸ナト
リウムで乾燥した。溶媒を除去した後、クロロホルムー
ヘキサンより結晶化すると目的物が0.444g(収率
32.0%)得られた。 物理化学的性状 外観:白色固体 Rf値:0.38(TLC:Merck Art.57
15トルエン−酢酸エチル=2:1) FABマススペクトル:m/z240(M+)1 H−NMRスペクトル(CDCl3):δ:3.71(3H, s, C
H3)、3.82(2H, s, CH2)、3.86(3H, s, CH3)、 5.97(1H,
s, OH)、 6.21(1H, d, J=2.6Hz, CH)、 6.33(1H, d, J=2.
6Hz, CH)、 11.57(1H, s, OH)製造例2 :下記式で表される化合物VIbの製造
【0062】
【化35】
【0063】アセトンジカルボン酸ジメチル10.0g
(57.4mmol)をジエチレングリコールジメチル
エーテル(ジグライム)50mlに溶解し、塩化リチウ
ム9.7g(228mmol、4eq.)を加え、13
0℃で23時間攪拌した。反応混合液を室温に戻し、水
50mlを加えた後、2mol/1 HCl 17.5
mlを加え、酸性とした。これに酢酸エチル100ml
を加えて抽出し、水50ml、5%重曹水50mlで各
2回、さらに水50mlで洗浄した。得られた酢酸エチ
ル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過後濃縮した。
濃縮液に酢酸エチル10mlを加え、ヘキサンを滴下し
終夜攪拌した。これを濾取し、ヘキサン50mlで洗浄
すると、目的物が1.56g(6.49mmol、収率2
2.8%)得られた。 物理化学的性状 外観:白色固体 FABマススペクトル:m/z 240(M+)1 H−NMRスペクトル(CDCl3):δ 11.57(1H, s, OH)、
6.33(1H, d, J=2.6Hz,CH)、 6.21(1H, d, J=2.6Hz, C
H)、 5.97(1H, s, OH)、 3.86(3H, s, CH3)、 3.82(2H, s,
CH2)、 3.71(3H, s, CH3)製造例3 :下記式で表される化合物5の製造
【0064】
【化36】
【0065】5aの合成 窒素下室温でジヒドロキシ体6a 1.31g(4.8
9mmol)をジメチルホルムアミド(DMF)10m
lに溶解し、0℃に冷却した。これに炭酸カリウム2.
02g(14.7mmol、3.0当量)、ヨウ化メチ
ル1.33ml(19.6mmol、4.0当量)を加
え、0℃で2時間撹拌した。反応液を水にあけ酢酸エチ
ルで3回抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄
した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し
た後、得られた残渣をシリカゲルカラム(トルエン−酢
酸エチル=10:1)にて精製したところ目的物5aが
1.15g(収率79.6%)得られた。 化合物5a(ジメトキシ体):淡黄色油状物1 H−NMR(400MHz, CDCl3) δ6.41(2H, s, 芳香族)、δ4.34(2H, q, J=7.0Hz, -CO2
CH 2CH3)、δ4.14(2H, q,J=7.3Hz, -CO2CH 2CH3)、δ3.81
(3H, s, -OMe)、δ3.80(3H, s, -OMe)、δ3.66(2H, s,
-CH2-)、δ1.35(3H, dd, J=7.0, 7.0Hz, -CO2CH2CH 3)、
δ1.25(3H, dd, J=7.0, 7.0Hz, -CO2CH2CH 3) 5bの合成 窒素下室温でジヒドロキシ体6a 3.57g(13.
3mmol)をDMF30.0mlに溶解し0℃に冷却
した。これに炭酸カリウム3.67g(26.59mm
ol、2.0当量)、ヨウ化メチル2.50ml(4
0.2mmol、3.0当量)を加え、室温で1時間撹
拌した。反応液を水にあけ、酢酸エチルで3回抽出し
た。有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄した後、無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した後得られた残
渣をシリカゲルカラム(シリカゲル;140ml、ヘキ
サン−酢酸エチル=9:1)にて精製すると目的物5a
が2.49g(収率66.4%)得られた。また、ジメ
トキシ体5bが0.49g(収率12.4%)得られ
た。 化合物5b(モノ−MeO-):無色針状晶1 H−NMR(400MHz, CDCl3) δ11.80(1H, s, -OH)、δ6.43(1H, d, J=2.9Hz, 芳香
族)、δ6.29(1H, d, J=2.9Hz, 芳香族)、δ4.35(2H, q,
J=7.3Hz, -CO2CH 2CH3)、δ4.15(2H, q, J=7.0Hz,-CO2C
H 2CH3)、δ3.86(2H, s, -CH2-)、δ3.81(3H, s, -OM
e)、δ1.37(3H, dd, J=7.3, 7.3Hz, -CO2CH2CH3 )、δ1.
25(3H, dd, J=7.3, 7.3Hz, -CO2CH2CH3 ) FAB-MS(NBA) : m/z 283(M+H)製造例4 :下記式で表される化合物4の製造
【0066】
【化37】
【0067】4aの合成 窒素下室温でジメトキシ体5a 1.14g(3.85
mmol)をメタノール5mlとアセトニトリル5ml
の混合液に溶解し、1mol/lの水酸化ナトリウム水
溶液5mlを加え、室温で2時間撹拌した。TLC上原
料の消失を確認し、反応液を1mol/lの塩にあけ、
水層のpHを2とし、酢酸エチルで3回抽出した。有機
層を合わせて飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。溶媒を留去した後、室温に静置すると
目的物4aの結晶が析出した。結晶をろ過して、ヘキサ
ンで洗浄した。ろ液にメタノール、クロロホルム、ヘキ
サンを加え、冷凍庫に終夜静置するとさらに目的物4a
の結晶が析出した。結晶をろ過してヘキサンで洗浄した
後、得られた結晶を合せると、目的物4aを0.96g
(収率93.9%)得られた。 化合物4a:無色針状晶1 H−NMR(400MHz, CDCl3) δ6.48(1H, d, J=2.2Hz, 芳香族)、δ6.42(1H, d, J=2.
2Hz, 芳香族)、δ4.41(2H, q, J=7.3Hz, -CO2CH 2CH3)、
δ3.82(6H, s, -OMe)、 δ3.65(2H, s, -CH2-)、δ1.38(3
H, dd, J=7.3, 7.3Hz, -CO2CH2CH3 ) FAB-MS(NBA) : m/z 269(M+H) 4bの合成 窒素下0℃で化合物5b 1.06g(3.76mmo
l)をアセトニトリル10.0mlに溶解し、1mol
/lの水酸化ナトリウム水溶液を加え、0℃で30分、
室温で1.5時間撹拌したところ、反応液は2層となっ
た。TLC上で原料の残存が確認されたのでメタノール
2.0mlを加えて反応液を1層とし、さらに室温で2
時間撹拌した。TLC上で原料の消失を確認し、反応液
を1mol/lの塩酸にあけ、水層のpHを2とし、酢
酸エチルで4回抽出した(40ml×4)。有機層を合
わせて飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで
乾燥した。溶媒を留去し、得られた残渣にn−ヘキサン
40mlを加えて結晶を析出させた。結晶を吸引ろ過し
て、目的物4bを0.817g(収率85.6%)得
た。 化合物4b:無色針状晶1 H−NMR(400MHz, CDCl3) δ11.80(1H, s, -OH)、δ6.44(1H, d, J=2.9Hz, 芳香
族)、δ6.30(1H, d, J=2.2Hz, 芳香族)、δ4.36(2H, q,
J=7.3Hz, -CO2CH 2CH3)、 δ3.90(2H, s)、 δ1.37(3H, d
d, J=7.0, 7.0Hz, -CO2CH2CH 3) FAB-MS(NBA, pos.) : m/z 255(M+H) (NBA, neg.) : m/z 253(M-H)製造例5 :下記式で表される化合物3の製造
【0068】
【化38】
【0069】3a:R1=Et、R2=Me、R3=E
t、R4=Meの合成 窒素下室温で、メチルマロン酸エチルカリウム塩72.
0mg(0.393mmol、2.1当量)をTHF
1.0mlに溶解し、トリエチルアミン52.0μl
(0.374mmol、2.0当量)、無水塩化マグネ
シウム45.0mg(0.468mmol、2.5当
量)を加え、室温で4時間撹拌した。これを反応液Aと
する。 窒素下室温で、ジメトキシ体4a 50.0m
g(0.187mmol)をTHF 0.7mlに溶解
し、カルボニルジイミダゾール(CDI)33.0mg
(0.205mmol、1.1当量)を加え、室温で
1.5時間撹拌した。これを反応液Bとする。
【0070】反応液Aを0℃に冷却し、反応液Bを滴下
(THF0.3ml追加)し、室温で18時間撹拌した
ところ反応液は白色懸濁となり、TLC上原料が消失し
た。反応液を酢酸エチル希釈(10.0ml)し、冷
0.5mol/l HCl水溶液(10.0ml)にあ
け有機層を分取した。水層を酢酸エチル抽出(10.0
ml×3)後、有機層をあわせ、飽和重曹水(10.0
ml)、飽和食塩水(10.0ml)で順次洗浄し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去したとこ
ろ、目的物を38.3mg(収率56.3%)得た。 化合物3a:無色針状晶1 H−NMR(400MHz, CDCl3) δ6.48(1H, d, J=2.2Hz, 芳香族)、δ6.32(1H, d, J=2.
2Hz, 芳香族)、δ4.32(22H, d, J=7.3Hz, -CO2 CH2 CH3)、
δ4.18(2H, q, J=7.0Hz, -CO2 CH 2CH3)、 δ3.91(1H, d,
J=15.4Hz, -CH2-)、 δ3.87(1H, d, J=15.4Hz, -CH2-)、
δ3.81(3H, s, -OMe)、 δ3.80(3H, s, -OMe)、 δ3.67
(1H, q, J=7.0Hz, -CH(CH3)-)、 δ1.34(3H, dd, J=7.
3, 7.3Hz, -CO2CH2CH 3)、 δ1.32(3H, d, J=7.3Hz, -CH
(CH3 ))、 δ1.27(3H, dd, J=7.3, 7.3Hz, -CO2CH2 CH3 ) FAB-MS(NBA) : m/z 353(M+H) 化合物3b:R1=Et、R2=H、R3=Et、R4=M
eの合成 窒素下室温で、マロン酸エチルカリウム塩109.0m
g(0.591mmol、3.0当量)をTHF 1.
0mlに溶解し、トリエチルアミン82.0μl(0.
591mmol、3.0当量)、無水塩化マグネシウム
67.0mg(0.690mmol、3.5当量)を加
え、室温で3時間撹拌した。これを反応液Aとする。
【0071】窒素下室温で、化合物4b 50.0mg
(0.197mmol)をTHF0.7mlに溶解し、
CDI 73.5mg(0.453mmol、2.3当
量)を加え、室温で1.5時間撹拌した。これを反応液
Bとする。
【0072】反応液Aを0℃に冷却し、反応液Bを滴下
(THF0.3ml追加)し、室温で17時間、70℃
で13時間撹拌したところ反応液は淡黄白色懸濁となっ
た。反応液を酢酸エチルで希釈(10.0ml)し、
0.5mol/lの塩酸(10.0ml)にあけ有機層
を分取した。水層を酢酸エチルで3回抽出した(10.
0ml×3)後、有機層をあわせ、飽和重曹水(10.
0ml)、飽和食塩水(10.0ml)で順次洗浄し、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去したとこ
ろ、残渣40.9mgを得た。残渣をPTLC(ヘキサ
ン:酢酸エチル=3:2)にて精製したところ目的物3
bが18.0mg(収率28.2%)得られた。 3b:白色粉末1 H−NMR(400MHz, CDCl3) δ11.04(1H, s, -OH)、δ6.49(1H, d, J=2.2Hz, 芳香
族)、δ6.37(1H, d, J=2.2Hz, 芳香族)、δ4.20(4H, q,
J=7.0Hz, -CO2CH 2CH3)、δ3.87(3H, s, -OMe)、δ3.81
(2H, s, -CH2-)、δ3.59(1H, q, J=7.2Hz, -CH(CH3)
-)、δ1.54(3H, d, J=7.2Hz, -CH(CH 3)-)、δ1.27(6H,
t, J=7.0Hz, -CO2CH2CH 3) FAB-MS(NBA) : m/z 339(M+H) 化合物3c:R1=Et、R2=Me、R3=Et、R4
Hの合成 窒素下室温で、マロン酸エチルカリウム塩668.0m
g(3.93mmol、2.1当量)をTHF5.0m
lに溶解し、0℃に冷却した。トリエチルアミン57
0.0μl(3.74mmol、2.0当量)、塩水塩
化マグネシウム445.0mg(4.68mmol、
2.5当量)を加え、室温で3.5時間撹拌した。ここ
で溶液の撹拌が困難であったためTHF2.0mlを追
加した。これを反応液Aとする。
【0073】窒素下0℃で、化合物4a 500.0m
g(1.87mmol)をTHF5.0mlに溶解し、
CDI 333.0mg(2.05mmol、1.1当
量)を加え、室温で1時間撹拌した。これを反応液Bと
する。
【0074】反応液Aを0℃に冷却し、反応液Bを滴下
(THF 3.0ml追加)し、室温で4.5時間撹拌
したところ反応液は白色懸濁となり、TLC上原料が消
失した。反応液を酢酸エチル希釈(40.0ml)し、
冷0.5N HCl水溶液(40.0ml)にあけ有機
層を分取した。水層を酢酸エチルで3回抽出した(3
0.0ml×3)後、有機層をあわせ、飽和重曹水(1
0.0ml)、飽和食塩水(10.0ml)で順次洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去した
ところ、目的物を613.8mg(収率97.3%)得
た。 化合物3c:無色油状物1 H−NMR(400MHz, CDCl3) δ6.42(1H, d, J=2.2Hz, 芳香族)、δ6.33(1H, d, J=2.
2Hz, 芳香族)、δ4.33(2H, q, J=7.0Hz, -CO2CH 2CH3)、
δ4.18(2H, q, J=7.0Hz, -CO2CH 2CH3)、 δ3.82(3H, s,
-OMe)、 δ3.81(3H, s, -OMe)、δ3.80(2H, s, -CH2-)、
δ3.49(2H, s, -CH2-)、δ1.34(3H, dd, J=7.0, 7.0Hz,
-CO2CH2CH3 )、δ1.27(3H, dd, J=7.0, 7.0Hz, -CO2CH2
CH3 ) FAB-MS(NBA) : m/z 338[M+] 3d:R1=Et、R2=H、R3=Et、R4=Hの合成 窒素下室温で、マロン酸エチルカリウム塩1005.0
mg(5.91mmol、3.0当量)をTHF7.0
mlに溶解し、トリエチルアミン823.0μl(5.
91mmol、3.0当量)、無水塩化マグネシウム6
56.0mg(6.90mmol、3.5当量)を加
え、室温で3時間撹拌した。これを反応液Aとする。
【0075】窒素下室温で、化合物4b 500.0m
g(1.97mmol)をTHF5.0mlに溶解し、
CDI 670.0mg(4.13mmol、2.1当
量)を加え、室温で1時間撹拌した。これを反応液Bと
する。
【0076】反応液Aを0℃に冷却し、反応液Bを滴下
(THF3.0ml追加)し、室温で48時間撹拌した
ところ反応液は淡黄白色懸濁となった。反応液を酢酸エ
チル希釈(40.0ml)し、0.5mol/l HC
l水溶液(30.0ml)にあけ有機層を分取した。水
層を酢酸エチルで3回抽出した(30.0ml×3)
後、有機層をあわせ、飽和重曹水(10.0ml)、飽
和食塩水(10.0ml)で順次洗浄し、無水硫酸ナト
リウムで乾燥した後、溶媒を留去したところ、残渣79
1mgを得た。残渣をシリカゲルカラム(シリカゲル1
5g、ヘキサン:酢酸エチル=3:1→2:1→1:
1)にて精製したところ目的物3dが196.1mg
(収率30.7%)得られた。 3d:白色粉末1 H−NMR(400MHz, CDCl3) δ11.72(1H, s, -OH)、δ6.44(1H, d, J=2.9Hz, 芳香
族)、δ6.27(1H, d, J=2.9Hz, 芳香族)、δ4.38(2H, q,
J=7.3Hz, -CO2CH 2CH3)、δ4.19(2H, q, J=7.3Hz,-CO2C
H 2CH3)、δ4.02(2H, s, -CH2-)、δ3.82(3H, s, -OM
e)、δ3.44(2H, s, -CH2-)、δ1.36(3H, t, J=7.3Hz, -
CO2CH2CH 3)、 δ1.27(3H, t, J=7.3Hz, -CO2CH2CH 3) FAB-MS(NBA) : m/z 325(M+H) 3e:R1=Et、R2=Me、R3=pNB、R4=Hの
合成 窒素下0℃で、化合物4a 50.0mg(0.187
mmol)をTHF1.0mlに溶解し、CDI 3
3.0mg(0.205mmol、1.1eq)を加
え、室温で1時間撹拌した。これを反応液Aとする。
【0077】窒素下室温で、p−ニトロベンジルマロネ
ートマグネシウム塩二水和物181.0mg(0.33
7mmol、1.8eq)をDMFに溶解した後、溶媒
を減圧留去(30−40℃、2−10mmHg)し、無
水物とした。これをTHF1.0mlに溶解し、0℃に
冷却した反応液Aに滴下、室温で16時間撹拌したとこ
ろ反応液は白色懸濁となり、TLC上で原料が消失し
た。反応液を酢酸エチルで希釈し、冷0.5M塩酸、飽
和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した後、溶媒を留去し、残渣を得た。残渣をP
TLC(ヘキサン:酢酸エチル=2:1、×2)で精製
したところ、目的物3eが38.4mg(収率46.3
%)得られた。 3e:無色針状晶1 H−NMR(400MHz, CDCl3) δ8.21(1H, d, J=8.1Hz, m-pNB)、δ7.52(1H, d, J=8.8
Hz, o-pNB)、δ6.42(1H,d, J=2.2Hz, 芳香族)、δ6.31
(1H, d, J=2.2Hz, 芳香族)、δ5.25(2H, s, -CO2CH 2-pN
B)、δ4.31(2H, q, J=7.0Hz, -CO2CH 2CH3)、δ3.82(3H,
s, -OMe)、δ3.80(3H, s, -OMe)、δ3.78(2H, s, -CH2
-)、δ3.61(2H, s, -CH2-)、δ1.32(3H, dd, J=7.0, 7.
0Hz, -CO2CH2CH3 ) FAB-MS(NBA) : m/z 446(M+H)製造例6 :下記式で表される化合物2の製造
【0078】
【化39】
【0079】2a:R2=Me、R3=Et、R4=Me
の合成 窒素下室温で、原料3a 300.0mg(0.85m
mol)をTHF10.0mlに溶解し、tert−ブ
トキシカリウム120.0mg(1.02mmol、
1.2当量)を加え、室温で1.5時間撹拌したところ
TLC上で原料が消失した。反応液を酢酸エチルで希釈
(50.0ml)し、0.1mol/lの塩酸(30.
0ml)にあけ有機層を分取した。水層を酢酸エチルで
3回抽出した(50.0ml×3)後、有機層をあわ
せ、飽和食塩水(30.0ml)で洗浄し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した後、溶媒を留去したところ、残渣2
86.0mgが得られた。残渣をシリカゲルカラム(シ
リカゲル15g、ヘキサン:酢酸エチル=2:1)にて
精製したところ目的物2aが171.4mg(収率6
5.7%)得られた。 化合物2a:淡黄色油状物1 H−NMR(400MHz, CDCl3) δ6.46(1H, d, J=2.2Hz, 芳香族)、δ6.38(1H, d, J=2.
2Hz, 芳香族)、δ6.25(1H, s, オレフィン)、 δ4.19(2
H, q, J=7.0Hz, -CO2CH 2CH3)、 δ3.96(3H, s, -OMe)、
δ3.89(3H, s, -OMe)、 δ3.57(1H, q, J=7.3Hz, -CH(C
H3)-)、 δ1.53(3H,d, J=7.3Hz, -CH(CH 3)-)、 δ1.26(3
H, t, J=7.0Hz, -CO2CH2CH 3) FAB-MS(NBA) : m/z 307(M+H) 2b:R2=Me、R3=Et、R4=Hの合成 窒素下室温で、原料3c 50.0mg(0.148m
mol)をトルエン1.0mlに溶解し、水素化ナトリ
ウム(60%オイル)6.0mg(0.150mmo
l、1.0当量)、tert−ブトキシカリウム1.4
mg(0.015mmol、0.1当量)を加え、室温
で30分、80℃で3時間撹拌した。TLC上に原料が
残っていたため、室温下水素化ナトリウム(60%オイ
ル)9.0mg(0.225mmol、1.5当量)を
追加し、さらに80℃で14時間撹拌した。反応液を酢
酸エチル希釈(20.0ml)し、0.1mol/l
HCl水溶液(20.0ml)にあけ有機層を分取し
た。水層を酢酸エチルで3回抽出した(30.0ml×
3)後、有機層をあわせ飽和重曹水(10.0ml)、
飽和食塩水(10.0ml)で順次洗浄し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した後、溶媒を留去したところ、残渣4
8.5mgが得られた。残渣をPTLC(ヘキサン:酢
酸エチル=2:1)で精製したところ、目的物2bが
1.5mg(収率3.5%)得られた。 化合物2b:白色粉末1 H−NMR(400MHz, CDCl3) δ6.47(1H, d, J=2.2Hz, 芳香族)、δ6.36(1H, d, J=2.
2Hz, 芳香族)、δ6.30(1H, s, オレフィン)、 δ4.20(2
H, q, J=7.3Hz, -CO2CH 2CH3)、 δ3.97(3H, s, -OMe)、
δ3.96(3H, s, -OMe)、δ3.50(2H, s, -CH2-)、δ1.28
(3H, t, J=7.3Hz, -CO2CH2CH 3) FAB-MS(NBA) : m/z 293(M+H)製造例7 :ワンポット反応による化合物2aの製造
【0080】
【化40】
【0081】マロン酸エチルカリウム塩(12.2g、
66mmol)に脱水アセトニトリル135mlを加
え、次いでトリエチルアミン(8.8ml、63mmo
l)と塩化マグネシウム(7.5g、79mmol)を
加えた。1時間後、別のフラスコで化合物4c(8.0
g、31mmol)を脱水アセトニトリル135mlに
溶解し、1,1′−カルボニルビス−1H−イミダゾー
ル(5.6g、35mmol)を加えた。室温で2.5
時間撹拌後、この溶液を先の溶液に滴下した。室温で1
6.5時間撹拌した後、還流下で1時間撹拌した。室温
下で放冷、次いで氷冷し、0.5M−塩酸水溶液200
mlを加えた。この溶液を減圧濃縮しアセトニトリルを
留去した後、酢酸エチル160mlで抽出した。酢酸エ
チル層を精製水50ml、5%塩化ナトリウム水溶液5
0mlで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過
減圧濃縮後、酢酸エチル8mlとエタノール16mlを
加え2時間撹拌した。析出した結晶をろ取し、製造例5
で得られた化合物2aと同一の1H−NMRスペクトル
を示す目的物化合物2aの6.99g(72.2%)を
得た。製造例8 :下記式で表される化合物1の製造
【0082】
【化41】
【0083】(I−1)窒素下0℃で、原料2a 3
0.0mg(0.098mmol)をCH2Cl21.0
mlに溶解し、三臭化ホウ素(1mol/l CH2
2中)196.0μl(0.196mmol、2.0
当量)を加え、0℃で1.5時間、室温で1時間撹拌し
たところTLC上で原料が消失した。反応液をCHCl
3希釈(20.0ml)し、水(10.0ml)にあけ
有機層を分取した。水層をクロロホルムで3回抽出した
(15.0ml×3)後、有機層をあわせ、飽和食塩水
(10.0ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
した後、溶媒を留去したところ、目的物(8−OH体)
を24.8mg(収率86.6%)得た. (2)別法 化合物2a(2.45g、8.0mmol)、塩化マグ
ネシウム(1.52g、16mmol)、ヨウ化カリウ
ム(2.62g、16mmol)を乾燥THF40ml
に懸濁させたのち、還流した。3時間還流した後室温化
で空冷した。酢酸エチル100mlを反応溶液に加え、
次いでこの溶液を10%チオ硫酸ナトリウム水溶液で洗
浄した。引き続き、精製水、1mol/1の塩酸、飽和
食塩水で洗浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで
乾燥させた後、ろ過濃縮すると、化合物2aのR2のメ
チル基が脱離した目的物[化合物8−OH体(R3=E
t)]2.33g(quant.)を得た。 化合物8−OH体(R3=Et):白色粉末1 H−NMR(400MHz, CDCl3) δ11.03(1H, s, -OH)、δ6.46(1H, d, J=2.2Hz, 芳香
族)、δ6.38(1H, d, J=2.2Hz, 芳香族)、δ6.34(1H, s,
オレフィン)、δ4.20(2H, q, J=7.0Hz, -CO2CH 2CH 3)、
δ3.87(3H, s, -OMe)、δ3.59(1H, q, J=7.3Hz, -CH(CH
3)-)、δ1.54(3H, d, J=7.3Hz, -CH(CH 3)-)、δ1.27(3
H, t, J=7.0Hz, -CO2CH2CH 3) FAB-MS(NBA) : m/z 293(M+H) 窒素下0℃で、上記で得られる8−OH体24.0mg
(0.082mmol)をメタノール1.0mlに溶解
し、1mol/lの水酸化ナトリウム水溶液0.5ml
を加え、室温で1.5時間撹拌したところTLC上で原
料が消失した。反応液を酢酸エチルで希釈(15.0m
l)し、1mol/lの塩酸(10.0ml)にあけ、
pHを2として、有機層を分取した。水層を酢酸エチル
で3回抽出した(10.0ml×3)後、有機層をあわ
せ、飽和食塩水(5.0ml)で洗浄し、無水硫酸ナト
リウムで乾燥した後、溶媒を留去したところ、化合物1
が22.1mg(quant.)得られた。 化合物1:白色粉末1 H−NMR(400MHz, CDCl3) δ10.99(1H, s, -OH)、δ6.50(1H, d, J=2.3Hz, 芳香
族)、δ6.38(1H, 重複芳香族)、δ6.38(1H, s, オレフ
ィン)、δ3.87(3H, s, -OMe)、δ3.64(1H, q, J=7.3Hz,
-CH(CH3)-)、δ1.57(3H, d, J=7.3Hz, -CH(CH 3)-
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒田 麻子 神奈川県川崎市川崎区大師駅前2−10−1 −502 (72)発明者 中島 崇 神奈川県藤沢市鵠沼神明2−9−2 N 204 (72)発明者 一色 邦夫 神奈川県座間市南栗原2−2−17 (72)発明者 竹内 富雄 東京都品川区東五反田5−1−11ニューフ ジマンション701 Fターム(参考) 4C062 GG03 GG07 GG08 4H006 AA01 AB84 AC22 BJ50 BP30 BR10 BS30 KA31

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I) 【化1】 (上式中、Rは水素原子、未置換もしくは置換低級アル
    キル基、未置換もしくは置換低級アルケニル基、未置換
    もしくは置換低級アルキニル基、未置換もしくは置換低
    級アルコキシ基、保護されたアミノ基、水酸基または保
    護された水酸基を示し、Raは水素原子またはカルボキ
    シル基の保護基を示し、Rbは水素原子または水酸基の
    保護基を示し、そしてRcは未置換もしくは置換低級ア
    ルキル基を示す)で表されるイソクマリン−3−イル−
    酢酸誘導体の製造方法であって、式(II) 【化2】 (上式中、RおよびRcは式(I)について定義したの
    と同義であり、R1およびR3は独立して、カルボキシル
    基の保護基を示し、R2は水酸基の保護基を示す)で表
    されるβ−オキソカルボン酸誘導体を溶媒中で環化反応
    に付し、次いで必要により保護基の脱離反応に付するこ
    とを特徴とする製造方法。
  2. 【請求項2】 式(II)で表されるβ−オキソカルボ
    ン酸誘導体が、式(III) 【化3】 (上式中、Rcは未置換もしくは置換低級アルキル基を
    示し、R1はカルボキシル基の保護基を示し、そしてR2
    は水酸基の保護基を示す)で表されるホモフタル酸モノ
    エステルを、式(IV) 【化4】 (上式中、Rは式(I)について定義したのと同義であ
    り、R3はカルボキシル基の保護基を示し、Mはアルカ
    リ金属またはアルカリ土類金属を示す)で表されるマロ
    ン酸誘導体を用いる増炭反応に付して製造されたもので
    ある請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 式(I) 【化5】 (上式中、Rは水素原子、未置換もしくは置換低級アル
    キル基、未置換もしくは置換低級アルケニル基、未置換
    もしくは置換低級アルキニル基、未置換もしくは置換低
    級アルコキシ基、保護されたアミノ基、水酸基または保
    護された水酸基を示し、Raは水素原子またはカルボキ
    シル基の保護基を示し、Rbは水素原子または水酸基の
    保護基を示し、そしてRcは未置換もしくは置換低級ア
    ルキル基を示す)で表されるイソクマリン−3−イル−
    酢酸誘導体の製造方法であって、塩基の存在する有機溶
    媒中で、反応途中で反応温度を高める条件下、式(II
    I) 【化6】 (上式中、Rcは未置換もしくは置換低級アルキル基を
    示し、R1はカルボキシル基の保護基を示し、そしてR2
    は水酸基の保護基を示す)で表されるホモフタル酸モノ
    エステルを、式(IV) 【化7】 (上式中、Rは式(I)について定義したのと同義であ
    り、R3はカルボキシル基の保護基を示し、Mはアルカ
    リ金属またはアルカリ土類金属を示す)で表されるマロ
    ン酸誘導体と反応させ、ワンポットで式(I)の誘導体
    を製造することを特徴とする製造方法。
  4. 【請求項4】 式(III)で表されるホモフタル酸モ
    ノエステルが、式(V) 【化8】 (上式中、Rc、R1およびR2は式(III)について
    定義したのと同義である)で表されるジエステルを、部
    分加水分解反応に付して製造されたものである請求項2
    または3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 式(V)で表されるジエステルが、
    (i)式(VII) 【化9】 (上式中、2個のR1は、それぞれ独立してカルボキシ
    ル基の保護基を示す)で表されるアセトンジカルボン酸
    エステルを、適当な溶媒中で、式(VIII) 【化10】 で示されるジケテンと反応させて、式(VI) 【化11】 (上式中、2個のR1は、それぞれ独立してカルボキシ
    ル基の保護基を示す)で表されるホモフタル酸誘導体を
    取得し、次いで(ii)こうして取得した式(VI)の
    ホモフタル酸誘導体の水酸基を、溶媒中で、式Rc−I
    または(RcO)2SO2(ここで、Rcは上記式(I)につ
    いて定義したのと同義である)を用いるアルキル化反応
    に付し、さらに必要により未アルキル化水酸基を保護す
    る反応に付して製造されたものである請求項4記載の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 式(V)のホモフタル酸誘導体が(i)
    式(VII) 【化12】 (上式中、2個のR1は、それぞれ独立してカルボキシ
    ル基の保護基を示す)で表されるアセトンジカルボン酸
    エステルを、適当な無機塩の存在下、不活性有機溶媒中
    で環化反応−脱炭酸反応させて、式(VI) 【化13】 (上式中、2個のR1は、それぞれ独立してカルボキシ
    ル基の保護基を示す)のホモフタル酸ジエステルを取得
    し、(ii)こうして取得した式(VI)のホモフタル
    酸ジエステルの水酸基を、有機溶媒中で、式Rc−Iま
    たは(RcO)2SO2(ここで、Rcは上記式(I)につい
    て定義したのと同義である)を用いるアルキル化反応に
    付し、さらに必要により未アルキル化水酸基を保護する
    反応に付して製造されたものである請求項4記載の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 式(II)で表されるβ−オキソカルボ
    ン酸誘導体の環化反応を介して得られる化合物が、式
    (I−1)’ 【化14】 (上式中、RおよびRcは式(I)について定義したの
    と同義であり、R2-1は低級アルキル基を示し、R3はカ
    ルボキシル基の保護基を示す)で表されるイソクマリン
    −3−イル−酢酸誘導体である場合に、該イソクマリン
    −3−イル−酢酸誘導体を、さらに、ヨウ化アルカリ金
    属塩およびハロゲン化マグネシウム(但し、ヨウ化マグ
    ネシウムは除く)を含む適当な溶媒中で、基R2- 1の選
    択的な脱保護反応に付し、次いで必要により、保護基R
    3の脱保護反応に付す請求項1記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 式(I)’ 【化15】 (上式中、Rは水素原子、未置換もしくは置換低級アル
    キル基、未置換もしくは置換低級アルケニル基、未置換
    もしくは置換低級アルキニル基、未置換もしくは置換低
    級アルコキシ基、保護されたアミノ基、水酸基または保
    護された水酸基を示し、Rcは未置換もしくは置換低級
    アルキル基を示す)で表されるイソクマリン−3−イル
    −酢酸誘導体の製造方法であって、式(I−1)’ 【化16】 (上式中、RおよびRcは式(I)’について定義した
    のと同義であり、R2-1は低級アルキル基を示し、R3
    カルボキシル基の保護基を示す)で表されるイソクマリ
    ン−3−イル−酢酸誘導体を、ヨウ化アルカリ金属塩お
    よびハロゲン化マグネシウム(但し、ヨウ化マグネシウ
    ムは除く)を含む適当な溶媒中で、基R2-1の選択的な
    脱保護反応に付し、次いで保護基R3の脱保護反応に付
    することを特徴とする製造方法。
  9. 【請求項9】 式(II) 【化17】 (上式中、RおよびRcは式(I)について定義したの
    と同義であり、R1およびR3は独立して、カルボキシル
    基の保護基を示し、R2は水酸基の保護基を示す)で表
    されるβ−オキソカルボン酸誘導体の製造方法であっ
    て、式(III) 【化18】 (上式中、Rcは未置換もしくは置換低級アルキル基を
    示し、R1はカルボキシル基の保護基を示し、そしてR2
    は水酸基の保護基を示す)で表されるホモフタル酸モノ
    エステルを、式(IV) 【化19】 (上式中、Rは式(I)について定義したのと同義であ
    り、R3はカルボキシル基の保護基を示し、Mはアルカ
    リ金属またはアルカリ土類金属を示す)で表されるマロ
    ン酸誘導体を用いる増炭反応に付することを特徴とする
    製造方法。
  10. 【請求項10】 式(VI) 【化20】 (上式中、2個のR1はそれぞれ独立してカルボキシル
    基の保護基を示す)で表されるホモフタル酸誘導体の製
    造方法であって、式(VII) 【化21】 (上式中、2個のR1はそれぞれ独立してカルボキシル
    基の保護基を示す)で表されるアセトンジカルボン酸エ
    ステルを、適当な溶媒中で、式(VIII) 【化22】 で示されるジケテンと反応させることを特徴とする製造
    方法。
  11. 【請求項11】 式(VI) 【化23】 (上式中、2個のR1はそれぞれ独立してカルボキシル
    基の保護基を示す)で表されるホモフタル酸誘導体の製
    造方法であって、式(VII) 【化24】 (上式中、2個のR1はそれぞれ独立してカルボキシル
    基の保護基を示す)で表されるアセトンジカルボン酸エ
    ステルを、適当な無機塩の存在下、不活性有機溶媒中で
    環化反応−脱炭酸反応させることを特徴とする製造方
    法。
  12. 【請求項12】 式(II) 【化25】 (上式中、Rは水素原子、未置換もしくは置換低級アル
    キル基、未置換もしくは置換低級アルケニル基、未置換
    もしくは置換低級アルキニル基、未置換もしくは置換低
    級アルコキシ基、保護されたアミノ基、水酸基または保
    護された水酸基を示し、Rcは未置換もしくは置換低級
    アルキル基を示し、R1およびR3は独立してカルボキシ
    ル基の保護基を示し、R2は水酸基の保護基を示す)で
    表されるβ−オキソカルボン酸誘導体。
  13. 【請求項13】 式(III) 【化26】 (上式中、Rcは未置換もしくは置換低級アルキル基を
    示し、R1はカルボキシル基の保護基を示し、そしてR2
    は水酸基の保護基を示す)で表されるジカルボン酸モノ
    エステル。
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