JP2001213862A - ε−カプロラクタムの製造方法およびこれに使用する触媒 - Google Patents

ε−カプロラクタムの製造方法およびこれに使用する触媒

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固体触媒を使用して気相反応条件下にシクロ
ヘキサノンオキシムからε−カプロラクタムを製造する
方法において、シクロヘキサノンオキシムの転化率およ
びε−カプロラクタムの選択率を改善したε−カプロラ
クタムの製造方法およびこれに使用する触媒を提供する
ことである。 【解決手段】固体触媒として、表面に酸化ホウ素を蒸着
したゼオライト触媒を使用するか、あるいは水熱合成反
応によって得られたゼオライトをアルカリ処理した後、
空気中でか焼したゼオライト触媒を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体触媒を用いて
気相反応条件下にてシクロヘキサノンオキシムからε−
カプロラクタムを製造する方法およびこれに使用する触
媒に関する。
【従来の技術】
【0002】ε−カプロラクタムはナイロン等の原料と
して用いられている重要な基幹化学原料である。ε−カ
プロラクタムの製造方法としては、触媒として濃硫酸ま
たは発煙硫酸を用いて液相下にシクロヘキサノンオキシ
ムをε−カプロラクタムに転位させる方法(液相ベック
マン転位反応)が知られている。
【0003】しかし、液相ベックマン転位反応を用いる
方法は、硫酸を中和するために多量のアンモニアが必要
であり、その結果、副生成物として多量の硫酸アンモニ
ウムが発生し、その処理に多大な費用が必要となる。こ
のため、固体触媒を用いて気体のシクロヘキサノンオキ
シムをベックマン転位させる方法(気相ベックマン転位
反応)が古くから注目されている。
【0004】気相ベックマン転位反応による方法は、固
体触媒(不均一触媒)の存在下でシクロヘキサノンオキ
シム蒸気を反応させる方法であり、用いる固体触媒とし
ては例えば(1) シリカゲル触媒(米国特許第22345
66号明細書)、(2) シリカアルミナ触媒(英国特許第
831972号明細書)、(3) ゼオライト触媒(ジャー
ナル オブ キャタリシス,6巻,247頁,1966
年発行、米国特許第4359421号明細書、米国特許
第5741904号明細書)等が提案されている。
【0005】このうち、ゼオライト触媒はシリカ系触媒
等に比較してε−カプロラクタムへの選択率や触媒寿命
に優れていることから、種々の組成を有する結晶性ゼオ
ライト触媒が開発されており、転化率や選択率の改善さ
れた触媒が紹介されているが、まだ充分ではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、固体
触媒を使用して気相反応条件下でシクロヘキサノンオキ
シムからε−カプロラクタムを製造する方法において、
シクロヘキサノンオキシムの転化率およびε−カプロラ
クタムの選択率を改善したε−カプロラクタムの製造方
法およびこれに使用する触媒を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の第1の方法は、気相反応条件下で固体触媒を
用いてシクロヘキサノンオキシムからε−カプロラクタ
ムを製造する方法において、前記固体触媒として、表面
に酸化ホウ素を蒸着したゼオライト触媒を使用すること
を特徴とする。
【0008】また、本発明は、この第1の方法に使用さ
れる触媒をも提供するものであって、この触媒は、気相
反応条件下でシクロヘキサノンオキシムからε−カプロ
ラクタムを製造するために使用されるゼオライト触媒で
あって、該ゼオライト触媒の表面に酸化ホウ素を蒸着し
たことを特徴とする。
【0009】本発明の第2の方法は、気相反応条件下で
固体触媒を用いてシクロヘキサノンオキシムからε−カ
プロラクタムを製造する方法において、前記固体触媒と
して、水熱合成反応によって得られたゼオライトをアル
カリ処理した後、空気中でか焼したゼオライト触媒を使
用することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明が対象とする固体触媒は結
晶性ゼオライト触媒であり、これには結晶性アルミノシ
リケートや結晶性メタロシリケート等が包含される。結
晶性メタロシリケートとしては、例えばSi/M原子比
(ここにMはB,Al,Ga,Fe,TiおよびZrか
らなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素を示
す)が通常5以上、好ましくは50以上のものが挙げら
れる。Si/M原子比は、原子吸光分析、蛍光X線分析
等により測定することができる。
【0011】実質的にゼオライト骨格を構成する金属成
分がSiのみからなる所謂高シリカゼオライトあるいは
金属成分としてBを含有するMFIゼオライト(以下、
[B]−ZSMという)は特に好ましい結晶性ゼオライ
トの一つである。
【0012】結晶性ゼオライトは公知の方法により製造
することができ、例えばシリカ源、水、有機アミンもし
くは第四級アンモニウム化合物、さらに必要に応じて金
属源を加えた混合物をオートクレーブ中で水熱合成反応
させた後、得られた結晶を乾燥し、か焼し、必要に応じ
てアンモニウム塩等でイオン交換し、乾燥することによ
り得ることができる。結晶性メタロシリケートには種々
の構造のものがあるが、MFI、MFL、BEA型構造
に属するものが好ましい。一例として高シリケート性の
MFI−ゼオライトであるシリカライト−1はテトラエ
チルオルソシリケート、水、水酸化テトラプロピルアン
モニウムの混合液を自己圧下に水熱合成することにより
合成することができる。また、ホウ素を含有するゼオラ
イトは実施例に示すように、シリカ、ヘキサメチレンジ
アミン、水の混合物を自己圧下に水熱合成することによ
り製造できる。
【0013】本発明の第1の方法は、固体触媒として、
表面に酸化ホウ素を蒸着したゼオライト触媒を使用す
る。使用するゼオライト触媒としては、例えば高シリケ
ート性のMFI−ゼオライト(シリカライト)が挙げら
れるが、他の結晶性ゼオライトであっても使用可能であ
る。また、使用するゼオライト触媒は粉状ないし粒状で
あるのがよく、例えば粒径が0.01〜5mm、なかん
づく0.02〜3mmのものが挙げられる。
【0014】ゼオライト触媒の表面に酸化ホウ素を蒸着
するには、例えば化学蒸着法(CVD法)、スパッタリ
ング法等が使用可能である。CVD法により酸化ホウ素
を蒸着するには、ゼオライト触媒を反応器に充填し、所
定の反応温度に加熱する。一方、ホウ酸またはそのエス
テル(例えばホウ酸トリエチル等)を有機溶媒に溶解し
て気化させ、これを酸化剤を兼ねたキャリヤーガスにて
前記反応器内に送るか、或いはホウ酸またはそのエステ
ルを直接に昇華あるいは蒸発させ、これを酸化剤を兼ね
たキャリヤーガスにて前記反応器内に送り、ゼオライト
触媒の表面に反応生成物である酸化ホウ素を蒸着させ
る。
【0015】前記有機溶媒としては、ホウ酸またはその
エステルを溶解しうるものであればいずれの溶媒も使用
可能であり、具体例としてはトルエン、キシレン等が挙
げられる。また、前記酸化剤を兼ねたキャリヤーガスと
しては、例えば空気、酸素ガス等が挙げられ、特に空気
を使用するのが好ましい。CVD法における反応温度は
特に限定されないが、250〜500℃であるのが好ま
しい。
【0016】また、前記ゼオライト触媒は、酸化ホウ素
の蒸着に先立って、予めアルカリ処理するのが好まし
い。かかるアルカリ処理は、例えばアンモニア水または
アンモニアとアンモニウム塩との混合水溶液をゼオライ
ト触媒に充分に接触させて行われる。アンモニウム塩と
しては、例えば塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、
硝酸アンモニウム等が挙げられる。
【0017】アルカリ処理方法としては、例えばオート
クレーブ等の反応釜にゼオライト触媒を充填し、この反
応釜に前記したアルカリ性の水溶液を注入し、ゼオライ
ト触媒を攪拌下に浸漬する方法、あるいはゼオライト触
媒を充填したカラムにアルカリ性の水溶液を通過する方
法等が挙げられる。具体的には、ゼオライト触媒をアン
モニア水またはアンモニアとアンモニウム塩との混合水
溶液に浸漬し、攪拌しながら約20〜120℃の温度で
約30分〜10時間程度保持してアルカリ処理を行う。
【0018】アルカリ処理後、ゼオライト触媒をろ別
し、水で洗浄し、約80〜150℃で約1〜10時間乾
燥させた後、前記した蒸着処理に供する。酸化ホウ素の
蒸着量は、該酸化ホウ素が触媒表面に均一に分散して蒸
着されている限り、特に限定されない。
【0019】本発明の第2の方法は、固体触媒として、
前記した水熱合成反応によって得られたゼオライトをア
ルカリ処理した後、空気中でか焼したゼオライト触媒を
使用するものである。前記ゼオライトとしては、例えば
前記した結晶性メタロシリケートが挙げられ、特にホウ
素含有MFIゼオライト([B]−ZSM−5)が好適
に使用可能である。
【0020】ゼオライトのアルカリ処理は、前記した本
発明の第1の方法におけるアルカリ処理と同様にして、
アンモニア水またはアンモニアとアンモニウム塩との混
合水溶液等に前記ゼオライトを接触させて行われ、特に
アンモニアとアンモニウム塩との混合水溶液に前記ゼオ
ライトを接触させる方法が好ましい。アンモニアとアン
モニウム塩を使用する場合のこれらの混合割合は特に限
定されないが、アンモニア100重量部に対してアンモ
ニウム塩20〜400重量部程度であるのがよい。
【0021】アルカリ処理後、ゼオライトをろ別し、水
で洗浄し、80〜150℃で1〜10時間乾燥させた
後、通常のゼオライト触媒を製造する場合と同様の条件
でか焼する。具体的には、空気中にて350〜650
℃、好ましくは450〜600℃で1〜20時間か焼す
ることによってゼオライト触媒が得られる。本発明の第
1および第2の方法におけるゼオライト触媒は、粉末形
態或いは触媒としての所望の形状に成形した成形体の形
態で使用されるが、担体上に担持させて使用してもよ
い。
【0022】本発明にかかるゼオライト触媒は、シクロ
ヘキサノンオキシムをε−カプロラクタムに転位させる
気相ベックマン転位反応に使用される。反応は、固定層
式または流動層式の気相接触反応によって行う。原料シ
クロヘキサノンオキシムは気体状態で触媒層に導入され
る。反応温度は、通常250〜500℃程度がよく、2
50℃未満では反応速度が充分でなく、かつε−カプロ
ラクタムの選択率も低下する傾向がある。一方、温度が
500℃を超えると、シクロヘキサノンオキシムの熱分
解が無視できなくなり、またε−カプロラクタムの選択
率が低下する傾向がある。特に好ましい温度範囲は約3
00〜400℃である。また、反応圧力は特に限定され
るものではないが、減圧下であるのが好ましく、通常約
5kPa〜0.2MPa、好ましくは約5kPa〜0.
1MPaである。
【0023】原料シクロヘキサノンオキシムの空間速度
は、通常WHSV=約0.1〜20h-1(すなわち、触
媒1g当たりシクロヘキサノンオキシムの供給速度が約
0.1〜20g/時間)、好ましくは約0.2〜10h
-1の範囲から選ばれる。また、シクロヘキサノンオキシ
ムの転位反応に際して、反応系にシクロヘキサノンオキ
シムと共に炭素数1〜6の低級アルコールを共存させて
もよい。かかる低級アルコールの使用により、ε−カプ
ロラクタムの選択率および触媒寿命が改善されうる。
【0024】低級アルコールとしては、例えばメタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノール、sec−ブタノール、イソブタノ
ール、n−アミルアルコール、n−ヘキサノール等が挙
げられ、これらは1種または2種以上が用いられる。中
でも、メタノールおよび/またはエタノールを使用する
のが好ましい。低級アルコールを使用する場合、その存
在量はシクロヘキサノンオキシムに対して重量比で約
0.1〜20倍量が適当であり、好ましくは約0.2〜
10倍量であるのがよい。
【0025】反応混合物からのε−カプロラクタムの分
離は、通常の方法で実施でき、例えば反応生成ガスを冷
却して凝縮させ、ついで抽出、蒸留あるいは晶析等によ
って精製することによってε−カプロラクタムを効率的
に製造することができる。
【0026】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明の方法を詳細に
説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるも
のではない。
【0027】実施例1 (ゼオライト触媒への酸化ホウ素の蒸着処理)高シリケ
ート性のMFI−ゼオライトであるシリカライト−1の
5gを、25重量%のアンモニア水5gと20重量%の
硝酸アンモニウム水溶液15gとの溶液に加え、混合物
をステンレス製オートクレーブ中90℃で1時間、自己
圧下にて攪拌した。固形物を洗浄し、ろ過して110℃
で4時間乾燥した。得られた3gの触媒ペレット(0.
5〜1mm)を後述する触媒試験に使用したと同じ固定
層型反応器内に設置した。一方、ホウ酸トリエチルB
(OC253 をトルエンに溶解し(10重量%)、
この混合物を5g/時間のマスフローにて気化させ、キ
ャリヤーガスおよび酸化剤として空気を用いて(5L/
時間)、前記反応器に4時間供給した。そして、250
℃、300℃、350℃および400℃の各反応温度に
て化学蒸着を行わせ、4種類の触媒、すなわちSil
(B−250)、Sil(B−300)、Sil(B−
350)、Sil(B−400)を得た。得られた触媒
をバインダーなしで押し出し成形を行ってタブレットを
得、ついで粉砕し、篩分けした0.5〜1mmのものを
下記の触媒試験に使用した。
【0028】(触媒試験)シクロヘキサノンオキシムか
らε−カプロラクタムを得る気相ベックマン転位反応を
内径10mmの固定層反応器内にて実施した。触媒量を
1.5gとしたため、触媒層の長さは約40mmであっ
た。シクロヘキサノンオキシムとエタノールとの溶液
(重量比で1:9)を気化し、キャリヤーガス(窒素)
を使用して反応器に供給した。主要反応条件は、300
℃で0.1bar(10kPa)、シクロヘキサノンオ
キシムの空間速度をWHSV=0.33h-1とした。液
体窒素で冷却して得られた反応生成物は、内部標準とし
てウンデカン酸メチルを使用したガスクロマトグラフィ
ー(50mFS−SE54カラム)にて分析した。比較
のために、酸化ホウ素の蒸着処理を行わなかったシリカ
ライト−1(Sil)についても同様にして触媒試験を
行った。試験結果を表1に示す。
【0029】
【表1】 表において、シクロヘキサノンオキシムの転化率および
ε−カプロラクタムの選択率は次式から求めた。 転化率(%)=[(X−Y)/X]×100 選択率(%)=[Z/(X−Y)]×100 ただし、X、YおよびZは以下のとおりである。 X=供給した原料シクロヘキサノンオキシムのモル数 Y=未反応シクロヘキサノンオキシムのモル数 Z=生成物中のε−カプロラクタムのモル数 表1から明らかなように、CVD処理しなかったシリカ
ライト−1(Sil)は、反応開始から2時間経過後の
転化率は高い値を示したが、8時間経過後では転化率が
90%まで低下した。これに対して、酸化ホウ素を蒸着
したSil(B−250)、Sil(B−300)、S
il(B−350)およびSil(B−400)は、8
時間経過でも高い転化率を維持していた。特に、300
℃の反応温度で処理したSil(B−300)では8時
間経過後で約98%の高い転化率を示していた。
【0030】実施例2 (ゼオライト触媒のアルカリ処理)ホウ酸12.2gを
ヘキサメチレンジアミンの50重量%水溶液800gに
攪拌下で加え、ついでSiO2 [アエロジル(Aerosil)
−200]の64gを加えた。得られたゲルを170℃
で自己圧下(攪拌速度50rpm)にオートクレーブ中
で水熱合成反応を行った。14日後、結晶を分離し、蒸
留水で洗浄後、110℃で12時間乾燥し、[B]−Z
SM−5の初期生成物(以下、これをBZSMという)
を得た。このようにして得たゼオライトの5gを、25
重量%のアンモニア水と20重量%の硝酸アンモニウム
水溶液との混合液20gに攪拌しながら加えた。その
際、アンモニア水と硝酸アンモニウム水溶液との重量比
(w)を調整することによって、異なるアンモニア濃度
でBZSMを処理し、BZSM(3)、BZSM
(1)、BZSM(0.33)を得た(括弧内は上記重
量比(w)を示している)。処理操作は、ステンレスス
チール製のオートクレーブ内で自圧下90℃で1時間行
った。アルカリ処理後、ゼオライトをろ別し、110℃
で4時間乾燥させ、大気中550℃で12時間か焼した
(加熱速度2℃/分)。
【0031】比較例 アルカリ処理しなかったほかは、実施例2と同様にして
[B]−ZSM−5を調製した。
【0032】得られた各試料について、実施例1と同様
にして触媒試験を行い、シクロヘキサノンオキシムの転
化率を反応開始からの経過時間毎に求めた。その結果を
図1に示す。図1から明らかなように、アルカリ処理さ
れた実施例の触媒は、比較例の触媒と比較して高い転化
率が得られたことから、活性が向上していることがわか
る。特に、重量比(w)が1および0.33であるBZ
SM(1)およびBZSM(0.33)は、2時間経過
後で84%という最も高い転化率を示した。なお、実施
例および比較例の各触媒はいずれもε−カプロラクタム
への選択率が93%程度であった。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、固体触媒として、表面
に酸化ホウ素を蒸着したゼオライト触媒を使用するか、
あるいは水熱合成反応によって得られたゼオライトをア
ルカリ処理した後、空気中でか焼したゼオライト触媒を
使用することによって、気相ベンクマン転位反応におけ
るシクロヘキサノンオキシムの転化率およびε−カプロ
ラクタムの選択率が向上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】アルカリ処理した[B]−ZSM−5ゼオライ
トを用いた触媒試験におけるシクロヘキサノンオキシム
の転化率の経時変化を示すグラフである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年2月1日(2000.2.1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項8
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項10
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項11
【補正方法】変更
【補正内容】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07D 223/10 C07D 223/10 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 ゲオルグ フィリップ ハイトマン ドイツ連邦共和国 ハインスベルグ シュ ヴィンバートシュトラーセ 30 (72)発明者 市橋 宏 愛媛県新居浜市惣開町5番1号 住友化学 工業株式会社内 Fターム(参考) 4C034 DE03 4G069 AA02 AA08 AA09 BA07A BA07B BA21C BA45A BB01A BB01B BC01A BD01C BD02A BD02B BD02C BD03A BD03B BD03C BD06C BE09C CB41 CB59 DA05 EA02Y EB18Y FB02 FB03 FC04 FC07 ZA01A ZA11A ZA11B ZA36A ZA36B ZD01 ZD05 ZE04 ZF05A ZF05B 4H039 CA42 CH90

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】気相反応条件下で固体触媒を用いてシクロ
    ヘキサノンオキシムからε−カプロラクタムを製造する
    方法において、前記固体触媒として、表面に酸化ホウ素
    を蒸着したゼオライト触媒を使用することを特徴とする
    ε−カプロラクタムの製造方法。
  2. 【請求項2】前記ゼオライト触媒が高シリケート性のM
    FI−ゼオライトである請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】前記酸化ホウ素が、所定の反応温度に加熱
    されたゼオライト触媒の表面にホウ酸またはそのエステ
    ルと酸化剤との混合ガスを流して、該ゼオライト触媒の
    表面に蒸着された請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】反応温度が250〜500℃である請求項
    3記載の方法。
  5. 【請求項5】前記ゼオライト触媒をアルカリ処理した
    後、表面に酸化ホウ素を蒸着した請求項1〜4のいずれ
    かに記載の方法。
  6. 【請求項6】前記アルカリ処理がアンモニア水またはア
    ンモニアとアンモニウム塩との混合水溶液をゼオライト
    触媒に接触させて行われる請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】気相反応条件下でシクロヘキサノンオキシ
    ムからε−カプロラクタムを製造するために使用される
    ゼオライト触媒であって、該ゼオライト触媒の表面に酸
    化ホウ素を蒸着したことを特徴とする触媒。
  8. 【請求項8】前記ゼオライト触媒が高シリケート性のM
    FI−ゼオライトである請求項1記載の触媒。
  9. 【請求項9】気相反応条件下で固体触媒を用いてシクロ
    ヘキサノンオキシムからε−カプロラクタムを製造する
    方法において、前記固体触媒として、水熱合成反応によ
    って得られたゼオライトをアルカリ処理した後、空気中
    でか焼したゼオライト触媒を使用することを特徴とする
    ε−カプロラクタムの製造方法。
  10. 【請求項10】前記ゼオライト触媒がホウ素含有MFI
    ゼオライトである請求項10記載の方法。
  11. 【請求項11】前記アルカリ処理がアンモニア水または
    アンモニアとアンモニウム塩との混合水溶液をゼオライ
    トに接触させて行われる請求項10記載の方法。
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