JP2001213772A - 皮膚塗布剤組成物 - Google Patents

皮膚塗布剤組成物

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JP2001213772A
JP2001213772A JP2000020113A JP2000020113A JP2001213772A JP 2001213772 A JP2001213772 A JP 2001213772A JP 2000020113 A JP2000020113 A JP 2000020113A JP 2000020113 A JP2000020113 A JP 2000020113A JP 2001213772 A JP2001213772 A JP 2001213772A
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skin coating
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Norimasa Tanaka
宣征 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】皮膚の保湿、保護および鎮痒効果に優れ、しか
も低刺激でアトピー性皮膚炎などの痒みを伴う乾燥肌に
対して有用性の高い皮膚塗布剤組成物を提供すること。 【解決手段】カプサイシン類似化合物を含有してなる皮
膚塗布剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、皮膚塗布剤組成物
に関する。さらに詳しくは、アトピー性皮膚炎などの痒
みを伴う乾燥肌のスキンケアに好適に使用しうる皮膚塗
布剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】アトピー性皮膚炎などの痒みを伴う乾燥
肌のスキンケア剤として、保湿製剤や皮膚保護製剤が用
いられている。保湿製剤や皮膚保護剤では、アトピー性
皮膚炎による痒みを抑制することができないため、掻破
をすることにより皮膚を悪化させるので、アトピー性皮
膚炎の治療が困難な状況にある。
【0003】皮膚の痒みに対しては、ジフェンヒドラミ
ン製剤などが用いられているが、皮膚に刺激を与えるた
め、アトピー性皮膚炎などの痒みを伴う乾燥肌のように
刺激に弱い皮膚には使用することができない。
【0004】米国では、カプサイシンを0.025〜
0.075重量%含有する製品が、帯状疱疹後の神経痛
や関節痛の治療薬として販売されており、透析患者の皮
膚そう痒にも有用であるとされている。しかし、副作用
として、灼熱感や刺激があり、刺激に弱い皮膚への使用
や長期間の適用が困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、皮膚
の保湿、保護および鎮痒効果に優れ、しかも低刺激でア
トピー性皮膚炎などの痒みを伴う乾燥肌に対して有用性
の高い皮膚塗布剤組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、カプサ
イシン類似化合物を含有してなる皮膚塗布剤組成物に関
する。
【0007】
【発明の実施の形態】カプサイシン類似化合物として
は、カプサイシン、ノニル酸ワニリルアミド、カプサゼ
ピン(capsazepine) 、オルバニル(olvanil) 、ジヒドロ
カプサイシン(dihydrocapsaicin) 、ノニバミド酢酸ナ
トリウム(sodium nonivamide acetate)、カプシノロー
ル(capsinolol)、アミノエトキシメトキシフェニルメチ
ルオクタデセンアミド、オクタデセニルヒドロキシメト
キシフェニルアセトアミド、ジメチルフェニルプロピル
ヒドロキシメトキシフェニルアセトアミド、グリセリル
ノナミド(glyceryl nonamide) 、ジメチルフェニルプロ
ピルアミノエトキシメトキシフェニルアセトアミド塩酸
塩、レジンフェラトキシン(resinferatoxin)、ホモバニ
リン酸(homovanillic acid) 、エグタジック酸(egtazic
acid)、シバミド(civamide)、コンパウンド57(compoun
d 57)等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を
混合して用いることができる。また、カプサイシンは、
トウガラシチンキのような植物抽出物の形態でも用いる
ことができる。
【0008】本発明の皮膚塗布剤組成物におけるカプサ
イシン類似化合物の含有量は、鎮痒効果を十分に付与さ
せる観点から0.001重量%以上が好ましく、また皮
膚刺激を抑制する観点から0.01重量%以下であるこ
とが好ましい。かかる観点から、該カプサイシン類似化
合物の含有量は、0.001〜0.01重量%、好まし
くは0.001〜0.008重量%、より好ましくは
0.002〜0.005重量%である。このように、本
発明の皮膚塗布剤組成物には、カプサイシン類似化合物
が含有されているので、皮膚刺激性が低く、アトピー性
皮膚炎の患者や敏感肌にも好適に使用することができ、
しかも充分な鎮痒効果が発現されるという利点を有す
る。
【0009】本発明の皮膚塗布剤組成物には、低級アル
コールが含有されていることが好ましい。該皮膚塗布剤
組成物に低級アルコールが含有されている場合には、カ
プサイシン類似化合物の含有量を低減させることができ
る。
【0010】低級アルコールとしては、炭素数1〜4の
直鎖または分枝鎖のアルキル基を有する1価のアルコー
ルが挙げられる。その中では、人体への安全性の観点か
ら、エタノールおよびイソプロパノールが好ましい。低
級アルコールは、単独で用いてもよく、2種以上を併用
してもよい。
【0011】本発明の皮膚塗布剤組成物における低級ア
ルコールの含有量は、鎮痒効果を充分に発現させる観点
および皮膚刺激を抑制する観点から、1〜80重量%で
あることが好ましい。なお、そう痒軽減効果の速効性を
重視する場合には、皮膚塗布剤組成物における低級アル
コールの含有量は、20〜80重量%であることが好ま
しく、30〜60重量%であることがより好ましい。ま
た、一時的にそう痒を抑制した後、日常のスキンケアと
して長期間連続使用する場合には、皮膚塗布剤組成物に
おける低級アルコールの含有量は、1〜20重量%であ
ることが好ましく、2〜10重量%であることがより好
ましい。
【0012】本発明の皮膚塗布剤組成物には、被覆剤が
含有されていてもよい。かかる被覆剤を皮膚塗布剤組成
物に含有させた場合には、皮膚への密着性を向上させ、
カプサイシン類似化合物の含有量を低減させることがで
きる。
【0013】被覆剤としては、酸化亜鉛、酸化チタン、
カラミン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化
ジルコニウム、酸化鉄、酸化クロム、酸化カルシウム、
炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウム、硫酸バリウム、
ヒドロキシアパタイト、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ア
ルミン酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシ
ウム、マイカ、カオリン、トルマリン、モンモリロナイ
ト、ベントナイト、スメクタイト、酸化セリウム・シリ
カ複合体、無水ケイ酸、群青、紺青、カーボンブラッ
ク、マイカチタン、オキシ酸化ビスマス、ステアリン酸
亜鉛などの金属石鹸、窒化ホウ素、乾燥硫酸アルミニウ
ム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウ
ム、シリコーン樹脂、ナイロンパウダー、シルクパウダ
ー、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、
キチン、キトサン、コラーゲン、エラスチン、フィブロ
イン、セリシン、ヒアルロン酸、アルギン酸セルロー
ス、魚鱗箔、シェルパールおよびこれらの塩、これらの
成分相互の被覆物および焼成物、微粒子化物および粉体
をシリコーン、フッ素化合物、界面活性剤、高分子化合
物で被覆した被覆物ならびに被覆物からなる群より選ば
れた少なくとも1種を用いることができる。
【0014】本発明の皮膚塗布剤組成物における被覆剤
の含有量は、皮膚保護効果の観点および使用感の観点か
ら、0.01〜30重量%であることが好ましく、0.
1〜20重量%であることがより好ましい。
【0015】本発明の皮膚塗布剤組成物には、尿素が含
有されていてもよい。尿素を皮膚塗布剤組成物に含有さ
せた場合には、カプサイシン類似化合物の含有量を低減
させることができる。皮膚塗布剤組成物における尿素の
含有量は、保湿効果を充分に発現させ、皮膚刺激性を抑
制する観点から、0.01〜30重量%であることが好
ましく、0.5〜20重量%であることがより好まし
い。
【0016】本発明の皮膚塗布剤組成物には、清涼剤が
含有されていてもよい。清涼剤を皮膚塗布剤組成物に含
有させた場合には、カプサイシン類似化合物の含有量を
低減させることができる。
【0017】清涼剤としては、メントール、カンフル、
ボルネオールおよびそれらを含有するハッカ油、樟脳、
ローズマリー油などの植物抽出物が挙げられる。皮膚塗
布剤組成物における清涼剤の含有量は、充分な清涼効果
を発現させる観点および皮膚刺激を抑制する観点から、
0.01〜10重量%であることが好ましく、0.5〜
5重量%であることがより好ましい。
【0018】本発明の皮膚塗布剤組成物には、鎮痒剤が
含有されていてもよい。鎮痒剤を皮膚塗布剤組成物に含
有させた場合には、カプサイシン類似化合物の含有量を
低減させることができる。
【0019】鎮痒剤としては、クロタミトン、ジフェン
ヒドラミンおよびその塩などが挙げられる。皮膚塗布剤
組成物における鎮痒剤の含有量は、鎮痒効果の観点およ
び皮膚刺激抑制の観点から、0.1〜30重量%である
ことが好ましく、0.5〜5重量%であることがより好
ましい。
【0020】本発明の皮膚塗布剤組成物には、局所麻酔
剤が含有されていてもよい。局所麻酔剤を皮膚塗布剤組
成物に含有させた場合には、カプサイシン類似化合物の
含有量を低減させることができる。
【0021】局所麻酔剤としては、ベンジルアルコー
ル、クロロブタノール、アミノ安息香酸エチル、塩酸プ
ロカインなどの安息香酸エステル類、塩酸メプリルカイ
ンなどの安息香酸アルカミンエステル類、塩酸クロロプ
ロカインなどのハロゲンまたはオキシアミノ安息香酸ア
ルカミンエステル類、リドカインなどのアニリド系化合
物、塩酸ダイクロニンなどの塩酸ジブカインなどのフェ
ノール系化合物、キノリン系化合物、イソキノリン系化
合物などの薬剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種
以上を混合して用いることができる。皮膚塗布剤組成物
における局所麻酔剤の含有量は、鎮痒効果の観点および
皮膚刺激性の抑制の観点から、0.1〜30重量%であ
ることが好ましく、0.5〜10重量%であることがよ
り好ましい。
【0022】本発明の皮膚塗布剤組成物には、保湿剤が
含有されていてもよい。保湿剤を皮膚塗布剤組成物に含
有させた場合には、カプサイシン類似化合物の含有量を
低減させることができる。
【0023】保湿剤としては、ヒアルロン酸、コンドロ
イチン硫酸、ヘパリンなどのムコ多糖類、グリセリン、
キシリトール、ソルビット、トレハロース、植物多糖
類、コラーゲン、エラスチン、醗酵代謝産物、塩化ナト
リウム、海水成分、ポリアミノ糖縮合物、PCAソー
ダ、アミノ酸類などが挙げられ、これらは単独でまたは
2種以上を混合して用いることができる。皮膚塗布剤組
成物における保湿剤の含有量は、保湿効果の観点および
使用感(ベタツキの抑制)の観点から、0.01〜30
重量%であることが好ましく、0.05〜10重量%で
あることがより好ましい。
【0024】本発明の皮膚塗布剤組成物には、エモリエ
ント剤が含有されていてもよい。エモリエント剤を皮膚
塗布剤組成物に含有させた場合には、細胞間脂質を補完
し、皮膚のバリア機能を高めることにより、カプサイシ
ン類似物の含有量を低減させることができる。
【0025】エモリエント剤としては、合成セラミド、
植物セラミド、動物セラミド、バイオセラミドなどのセ
ラミド類、コレステロール、コレステロールエステル、
ステロール、ステロールエステル、リン脂質などが挙げ
られ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いる
ことができる。皮膚塗布剤組成物におけるエモリエント
剤の含有量は、皮膚保護効果の観点および製剤の安定性
の観点から、0.1〜30重量%であることが好まし
く、0.2〜10重量%であることがより好ましい。
【0026】本発明の皮膚塗布剤組成物には、前記した
成分に加えて、さらに医薬品、医薬部外品、化粧品など
に使用されている基剤を含有させてもよい。
【0027】基剤としては、アボガド油、オリーブ油な
どの動植物油、ラノリン、ミツロウ、ホホバオイルなど
のロウ類、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプ
ロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル
などのエステル油類、トリ(カプリル・カプリン)酸グ
リセリド、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリンなどの
トリグリセリド類、スクワラン、ワセリン、流動ハラフ
ィンなどの炭化水素類、セタノール、オクチルドデカノ
ールなどの高級アルコール類、パルミチン酸、ステアリ
ン酸などの高級脂肪酸類、メチルポリシロキサンなどの
シリコーン油などの油性基剤、マクロゴール、ポリビニ
ルアルコール、カルボキシビニルポリマー、カルボキシ
メチルセルロースなどの高分子化合物、グリセリン脂肪
酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレ
ングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール
脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪
酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキ
シエチレン硬化ヒマシ油、レシチン誘導体、石鹸などの
界面活性剤を単独でまたは2種以上を混合して用いるこ
とができる。
【0028】さらに、本発明の皮膚塗布剤組成物には、
医薬品、医薬部外品、化粧品などに慣用されている着色
料、香料、粉体、紫外線吸収剤、pH調整剤、抗酸化
剤、殺菌防腐剤、金属イオン封鎖剤、ビタミン類、消炎
剤、植物抽出エキスなどを必要に応じて添加することが
できる。
【0029】本発明の皮膚塗布剤組成物の使用量は、特
に限定がない。通常、患部に本発明の皮膚塗布剤組成物
を1日に2〜3回程度、全身に塗布する場合には1回あ
たり1〜5g程度塗布すればよい。
【0030】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定される
ものではない。
【0031】実施例1〜6 表1に示す各成分を混合することにより、皮膚塗布剤組
成物を調製し、以下の試験方法で皮膚刺激性を評価し
た。
【0032】
【表1】
【0033】〔試験方法〕皮膚塗布剤組成物をフィン・
チャンバー(Finn chamber)およびスカンポールテープ(S
canpor tape)を用いて37名の被験者に49時間閉塞貼
付し、除去1時間経過後と24時間経過後に皮膚反応を
以下の判定基準に基づいて判定した。
【0034】(判定基準) 反応なし :0 僅かな紅斑 :0.5 明らかな紅斑 :1.0 丘疹ないし浮腫を伴う紅斑:2.0
【0035】次に、除去1時間経過後と24時間経過後
の判定結果のうち、評価の高いほうの結果を選び、評点
の総和を被験者数で除し、その商の百分率を皮膚刺激指
標とした。
【0036】比較として、市販の痒み止め製剤、精製白
色ワセリンについても同様にして皮膚刺激性を評価し
た。以上の結果を表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】表2に示された結果から、実施例1〜6で
得られた皮膚塗布剤組成物は、いずれも、皮膚に対する
刺激性が非常に弱いことがわかる。
【0039】実験例1 カプサイシンの経皮吸収性の基剤による差を調べるため
に、マクロゴール軟膏、親水軟膏または白色ワセリン中
にカプサイシンが0.005重量%含有されている皮膚
塗布剤組成物を調製した。
【0040】これらの皮膚塗布剤組成物と実施例4で得
られた皮膚塗布剤組成物とをフランツ(Franz) 型の拡散
セルを装着した、自作の膜透過実験装置を用いてマウス
の皮膚で試験した。
【0041】その結果、24時間経過後の透過量は、実
施例4で得られた皮膚塗布剤組成物では1.8μg/c
2 であるのに対し、マクロゴール軟膏では0μg/c
2、親水性軟膏では0.2μg/cm2 、白色ワセリ
ンでは0.7μg/cm2 であることから、実施例2で
得られたエタノールを含有する皮膚塗布剤組成物は、他
の汎用基剤が使用されたものよりも皮膚透過性が2倍以
上も優れたものであることがわかる。
【0042】実施例7 表3に示す各成分を混合することにより、皮膚塗布剤組
成物を調製した。
【0043】
【表3】
【0044】得られた皮膚塗布剤組成物を、痒みを有す
るアトピー性皮膚炎の患者13名に、その患部に4週間
連日朝夕に単純塗布させ、痒みスコアを以下の方法で評
価し、皮膚所見(乾燥、落屑・粃糠、表皮剥離)の変化
を目視で観察した。
【0045】〔痒みスコアの評価基準〕最も痒いときを
100とし、痒みのないときを0として、痒みの程度を
0〜100までの数値で表し、この数値を痒みスコアと
した。
【0046】その結果、痒みスコアの平均値は、試験開
始時には72であったが、試験終了時には23に減少し
ていた。また、刺激感、赤味、はれなどの副作用は一例
も生じなかった。
【0047】痒みスコアおよび皮膚所見の全般改善およ
び副作用を総合的に判断した有用性の評価結果は、やや
有用以上が92%であり、アトピー性皮膚炎患者の皮膚
の乾燥および痒みに対する効果が高いと判断された。
【0048】実施例8および比較例1 表4に示す各成分を混合することにより、皮膚塗布剤組
成物を調製した。
【0049】
【表4】
【0050】なお、実施例8においては、表4中の酸化
亜鉛から精製白色ワセリンまでを80℃に加温溶解した
後、混合攪拌し、攪拌下で50℃まで冷却したのち、残
りのエタノールおよびノナン酸バニリルアミドを溶解さ
せたものを添加し、攪拌下で20℃まで冷却することに
より、皮膚塗布剤組成物を調製した。
【0051】また、比較例1では、表4中のエタノール
以外の成分を80℃に加温溶解した後、混合攪拌し、攪
拌下で20℃まで冷却することにより、皮膚塗布剤組成
物を調製した。
【0052】次に、そう痒を有する乾燥肌のパネル3名
のそう痒部分に、実施例8および比較例1で得られた皮
膚塗布剤組成物を左右半分ずつ塗り分けたところ、実施
例8で得られた皮膚塗布剤組成物および比較例1で得ら
れた皮膚塗布剤組成物のいずれについても、単純塗布に
より、落屑・粃糠が減少した。
【0053】また、実施例8で得られた皮膚塗布剤組成
物が用いられた部分には、痒みを抑える効果が現れた
が、比較例8で得られた皮膚塗布剤組成物が用いられた
部分には、痒みの抑制効果が認められなかった。
【0054】実施例9〜10および比較例2〜4 表5に示す各成分を混合することにより、皮膚塗布剤組
成物を調製した。
【0055】次に、敏感肌の女性10名にパネルテスト
で使用感を評価してもらった。使用感は、「すっとして
気持ちがよい」、「何も感じない」または「ピリピリす
る」のいずれかに○印をつけてもらい、その人数を求め
た。また、そのときに、今後継続使用を希望するかどう
かについて評価してもらった。その結果を表5に併記す
る。
【0056】
【表5】
【0057】表5に示された結果から、比較例2〜3で
得られた皮膚塗布剤組成物を使用した場合には、何も感
じない人が多く、また比較例4で得られた皮膚塗布剤組
成物を使用した場合には、ピリピリとした刺激を感じる
人が多かった。
【0058】一方、実施例9〜10で得られた皮膚塗布
剤組成物を使用した人は、すっとして気持ちがよいと回
答した人が多く、継続使用の希望者も多いことがわか
る。
【0059】実施例11〜12 表6に示す各成分を混合することにより、皮膚塗布剤組
成物を調製した。
【0060】
【表6】
【0061】次に、頭部の痒みを有するアトピー性皮膚
炎の患者5名に、各実施例で得られた皮膚塗布剤組成物
を用いて、実施例7と同様にして痒みスコアを調べても
らった。その結果、いずれの実施例で得られた皮膚塗布
剤組成物を使用した場合であっても、痒みスコアの平均
値は、試験開始時には66であったが、1週間経過後の
試験終了時には39と低下した。なお、いずれの患者に
ついても、刺激感、赤味などの副作用が認められなかっ
た。
【0062】実験例2 実施例12で得られた皮膚塗布剤組成物35重量部をエ
アゾール缶に充填し、バルブを装着した後、圧縮窒素ガ
ス65重量部を充填し、エアゾール製品とした。
【0063】次に、背中に痒みを有する敏感肌のパネル
10名に、エアゾール製品を使用してもらった結果、1
0名中8名が痒みが減ったと回答した。また、使用によ
る刺激感などの副作用は認められなかった。
【0064】実施例13 表7に示す各成分を混合することにより、皮膚塗布剤組
成物を調製した。
【0065】
【表7】
【0066】次に、アトピー性皮膚炎の患者5名に、得
られた皮膚塗布剤組成物10mLを浴槽内に入れて温浴
を毎日してもらった。その結果、温浴開始から2週間後
には、乾燥、落屑・粃糠などの皮膚症状が軽減されてい
ることが認められた。また、実施例7と同様にして痒み
スコアを調べてもらったところ、試験開始時には平均値
が65であったのが、4週間経過後には37に軽減して
いた。なお、刺激、赤味などの皮膚の異常を示した患者
は認められなかった。
【0067】
【発明の効果】本発明の皮膚塗布剤組成物は、カプサイ
シン類似化合物が低濃度でも鎮痒効果を発現し、しかも
低刺激性であるため、刺激に弱いアトピー性皮膚炎のよ
うな痒みを伴う乾燥肌のスキンケア剤などとして好適に
使用しうるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // A61K 35/78 A61K 35/78 R Fターム(参考) 4C076 AA06 AA11 AA24 BB31 CC03 CC18 DD08 DD29 DD37 DD38 DD41 DD46 DD50 DD54 DD69 EE37 EE51 EE54 4C088 AB50 BA33 ZA89 ZB13 4C206 AA01 FA11 MA03 MA05 MA83 ZA89 ZB13

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カプサイシン類似化合物を含有してなる
    皮膚塗布剤組成物。
  2. 【請求項2】 カプサイシン類似化合物の含有量が0.
    001〜0.01重量%である請求項1記載の皮膚塗布
    剤組成物。
  3. 【請求項3】 低級アルコールを1〜80重量%含有す
    る請求項1または2記載の皮膚塗布剤組成物。
  4. 【請求項4】 被覆剤を0.01〜30重量%含有する
    請求項1〜3いずれか記載の皮膚塗布剤組成物。
  5. 【請求項5】 尿素を0.01〜30重量%含有する請
    求項1〜4いずれか記載の皮膚塗布剤組成物。
  6. 【請求項6】 清涼剤を0.01〜10重量%含有する
    請求項1〜5いずれか記載の皮膚塗布剤組成物。
  7. 【請求項7】 鎮痒剤を0.1〜30重量%含有する請
    求項1〜6いずれか記載の皮膚塗布剤組成物。
  8. 【請求項8】 局所麻酔剤を0.1〜30重量%含有す
    る請求項1〜7いずれか記載の皮膚塗布剤組成物。
  9. 【請求項9】 保湿剤を0.01〜30重量%含有する
    請求項1〜8いずれか記載の皮膚塗布剤組成物。
  10. 【請求項10】 エモリエント剤を0.1〜30重量%
    含有する請求項1〜9いずれか記載の皮膚塗布剤組成
    物。
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