JP2001213349A - 農作業機の操向装置 - Google Patents

農作業機の操向装置

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JP2001213349A JP2000024023A JP2000024023A JP2001213349A JP 2001213349 A JP2001213349 A JP 2001213349A JP 2000024023 A JP2000024023 A JP 2000024023A JP 2000024023 A JP2000024023 A JP 2000024023A JP 2001213349 A JP2001213349 A JP 2001213349A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 左右一対のクローラ型の走行装置を備えた農
作業機の操向操作を円滑に行えるようにする。 【解決手段】 サイドクラッチ20L,20Rの切られ
た走行装置1L,1Rと緩旋回用駆動手段とを旋回用ク
ラッチ90L,90Rを介して連動連結するよう構成
し、サイドクラッチ20L,20Rを、変速動力を左右
の走行装置1L,1Rに分配するセンターギヤG11と、
これの両側に咬合離脱可能に配備された左右一対のサイ
ドクラッチギヤ23L,23Rとから構成するととも
に、サイドクラッチギヤ23L,23Rを、油圧力によ
ってクラッチ切り方向にシフト操作されるよう構成し、
旋回用クラッチ90L,90Rを、サイドクラッチギヤ
23L,23Rを切り作動させる圧油によってピストン
92L,92Rが変位されてクラッチ入り作動する多板
クラッチに構成してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、左右一対のクロー
ラ型の走行装置を備えた農作業機の操向装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記操向装置としては、例えば、特開平
7−47973号公報に開示されているように、左右一
対のクローラ型の走行装置のそれぞれにサイドクラッチ
を装備するとともに、サイドクラッチが切られた一方の
走行装置を、サイドクラッチが切られていない他方の走
行装置の作動方向と同方向で、その作動速度より低速で
駆動する緩旋回駆動手段と、サイドクラッチが切られた
一方の走行装置を制動する急旋回駆動手段としての制動
機構とを備え、ステアリング操作具が、中立位置から左
右一方へ外れた第1操作域に操作されると、一方の走行
装置のサイドクラッチを切り、引き続く第2操作域に操
作されると、サイドクラッチの切られた走行装置を緩旋
回駆動手段によって減速駆動し、更に、引き続く第3操
作域に操作されると、サイドクラッチの切られた走行装
置を制動機構によって制動するように、ステアリング操
作具とサイドクラッチ、緩旋回駆動手段、および、制動
手段とを連係したものが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記操向装置は、ステ
アリング操作具の操作量が大きくなるに連れて、その旋
回機能が次第に高くなり、ステアリング操作量に対応し
た機体旋回を行うことができ、操作性に優れたものであ
るが、第1操作域の旋回モードから第2操作域の旋回モ
ードに移行する際に、サイドクラッチを構成するサイド
クラッチギヤがクラッチ切り位置から更にシフトされて
サイドギヤに軸心方向から咬合して、一気に減速駆動状
態に切り換わるようになっているので、サイドクラッチ
ギヤがサイドギヤに咬合する衝撃や咬合音が発生するこ
とがあった。
【0004】本発明は、このような点に着目してなされ
たものであって、ステアリング操作量に対応した機体旋
回を行うことができるとともに、円滑な機体操向を行う
ことのできる農作業機の操向装置を提供することを主た
る目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】〔請求項1に係る発明の
構成、作用および効果〕
【0006】(構成) 請求項1に係る発明の農作業機
の操向装置は、左右一対のクローラ型の走行装置のそれ
ぞれにサイドクラッチが装備されるとともに、サイドク
ラッチが切られた一方の走行装置を減速して、サイドク
ラッチが切られていない他方の走行装置と同方向に駆動
する緩旋回用駆動手段が備えられ、ステアリング操作具
が、中立位置から左右一方へ外れた第1操作域に操作さ
れると、一方の走行装置のサイドクラッチが切られ、引
き続く第2操作域に操作されると、サイドクラッチの切
られた走行装置が前記緩旋回用駆動手段によって減速駆
動されるように、前記ステアリング操作具と前記サイド
クラッチ、および、前記緩旋回用駆動手段とが連係され
た農作業機の操向装置において、サイドクラッチの切ら
れた走行装置と緩旋回用駆動手段とを旋回用クラッチを
介して連動連結するよう構成し、前記サイドクラッチ
を、変速動力を左右の走行装置に分配するセンターギヤ
と、これの両側に咬合離脱可能に配備された左右一対の
サイドクラッチギヤとから構成するとともに、サイドク
ラッチギヤを、油圧力によってクラッチ切り方向にシフ
ト操作されるよう構成し、前記旋回用クラッチを、前記
サイドクラッチギヤをクラッチ切り作動させる圧油によ
ってピストンが変位されてクラッチ入り作動する多板ク
ラッチに構成してある、ことを特徴とする。
【0007】(作用) 上記構成によると、ステアリン
グ操作具を第1操作域に操作することで、一方のサイド
クラッチが切られ、サイドクラッチが切られた側の走行
装置は自由状態となり、サイドクラッチが切られない他
方の走行装置のみによる片駆動で機体は緩やかに旋回す
る。また、ステアリング操作具を第2操作域に操作する
と、サイドクラッチの切られた走行装置が前記緩旋回用
駆動手段によって減速駆動され、、機体は速度差をもっ
て駆動される左右の走行装置によって確実に旋回されて
ゆく。
【0008】この場合、サイドクラッチが切られた片駆
動による旋回モードから速度差をもった両駆動による旋
回モードへの切り換わりは、旋回用クラッチが入れられ
ることによるが、この旋回用クラッチの入り作動は多板
摩擦式によるので、かみ合い式のクラッチに比較して衝
撃なく滑らかに行われる。
【0009】また、旋回用クラッチのピストンを、サイ
ドクラッチギヤを切り作動させる圧油によって作動させ
るので、サイドクラッチに切り作動する時しか旋回用ク
ラッチの入り作動が行われることはない。
【0010】(効果) 従って、請求項1に係る発明に
よると、ステアリング操作量に対応した機体旋回を行う
ことができるとともに、旋回モードの切り変わりにおい
ても衝撃のない円滑な機体操向を行うことのでき、一層
操作性の優れたものとなる。
【0011】しかも、旋回用クラッチの操作用油圧系を
サイドクラッチの操作用油圧系に接続することで、サイ
ドクラッチの作動に応じたタイミングで旋回用クラッチ
を作動させることができ、操作系の共用化によって油圧
回路を簡素化できるものでりながら、所期のタイミング
でのクラッチ作動を好適に行うことができる。
【0012】〔請求項2に係る発明の構成、作用および
効果〕
【0013】(構成) 請求項2に係る発明の農作業機
の操向装置は、請求項1の発明において、前記旋回用ク
ラッチにおけるピストンおよび摩擦板を、前記サイドク
ラッチギヤに連設した大径のクラッチケースに内装して
ある。
【0014】(作用) 上記構成によると、旋回用クラ
ッチにおけるピストンおよび摩擦板をサイドクラッチギ
ヤに比較して径の大きいものにできるので、ピストンに
よる摩擦板押圧力を大きくすることができる。
【0015】(効果) 従って、請求項2に係る発明に
よると、旋回用クラッチにおいて、所期の動力伝達を少
ない枚数の摩擦板で行うことができ、旋回用クラッチの
軸心方向でのコンパクト化に有効となる。
【0016】〔請求項3に係る発明の構成、作用および
効果〕
【0017】(構成) 請求項3に係る発明の農作業機
の操向装置は、請求項2記載の発明において、前記サイ
ドクラッチギヤの内周に油室を形成して、この油室への
圧油供給によってサイドクラッチギヤをクラッチ切り方
向に作動させるように構成し、このサイドクラッチ操作
用の油室と旋回用クラッチ操作用の油室とを、サイドク
ラッチギヤ内に設けた連通油路を介して連通接続してあ
る。
【0018】(作用) 上記構成によると、サイドクラ
ッチの油室はサイドクラッチギヤの内周にあり、また、
旋回用クラッチの油室はサイドクラッチギヤに連設した
クラッチケース内にあるので、両油室はサイドクラッチ
ギヤに孔加工を施すことで連通させることができる。
【0019】(効果) 従って、請求項3に係る発明に
よると、サイドクラッチ用の油室と旋回用クラッチ用の
油室の連通構造を、簡単かつ安価な加工で構成でき、生
産性の向上およびコスト低減を図る上で有効となる。
【0020】〔請求項4に係る発明の構成、作用および
効果〕
【0021】(構成) 請求項4に係る発明の農作業機
の操向装置は、請求項3の発明において、前記連通油路
に絞り流路部分を設けてある。
【0022】(作用・効果) 上記構成によると、サイ
ドクラッチ操作用の油室から旋回用クラッチの油室への
圧油流入が抑制され、緩旋回用駆動手段への連動が緩慢
に行われる。その結果、一方のサイドクラッチを切って
の片駆動旋回モードから次の緩旋回モードへの切り変わ
りが徐々に実行されることになって、滑らかな機体旋回
が期待できる。
【0023】〔請求項5に係る発明の構成、作用および
効果〕
【0024】(構成) 請求項5に係る発明の農作業機
の操向装置は、請求項1〜4のいずれか一項の発明にお
いて、前記サイドクラッチギヤをクラッチ切り方向に作
動させるための油室と、前記旋回用クラッチにおけるピ
ストンをクラッチ入り方向に作動させるための油室と
を、前記サイドクラッチギヤがクラッチ切り位置にまで
変位した状態でのみ連通するよう構成してある。
【0025】(作用・効果) 上記構成によると、サイ
ドクラッチが切られてからでないと旋回用クラッチが入
らないので、サイドクラッチが切り終わらないうちに旋
回用クラッチが入って二重伝動状態になって伝動機構に
無理な負荷がかかるようなことがなく、耐久性の向上に
有効となる。
【0026】
【発明の実施の形態】図1に、本発明を適用した農作業
機の一例であるコンバインの右側面図が示されている。
このコンバインは、左右一対のクローラ型の走行装置1
L,1Rを備えた走行機体2の前部に、刈取り前処理部
3を昇降自在に連結するとともに、機体上に、脱穀装置
4、穀粒タンク5、エンジン6、操縦部7、などを搭載
した構造となっている。
【0027】以下、前記走行装置1L,1Rの伝動構造
を図2、図3、および、図4に基づいて説明するが、説
明における左右方向の記述は機体の左右方向に基づいて
おり、正面から見たこれらの図における左右方向とは逆
の関係となっている。
【0028】前記エンジン6の動力は、前後進の切換え
が可能な主変速装置としての静油圧式無段変速装置(H
ST)8に伝達され、その変速出力がミッションケース
9に伝達される。ミッションケース9に入力された動力
は、ギヤG1 ,G2 を介して第1軸10に伝達された
後、ギヤG3 ,G4 を介して副変速機構11に伝達され
る。また、第1軸10からケース外に取り出された動力
のうち、正転動力のみがワンウエイクラッチOCを介し
て前記刈取り前処理部3に伝達される。なお、前記静油
圧式無段変速装置8は、操縦部7に備えた主変速レバー
29によって操作される。
【0029】前記副変速機構11は、コンスタントメッ
シュ式に3段のギヤ変速を行うものであり、第2軸12
に遊嵌装着した小径ギヤG5 ,中径ギヤG6 ,大径ギヤ
G7を、第3軸13に固着したギヤG8 ,G9 ,G10に
それぞれ常時咬合させ、前記第2軸12上に配備した2
つのシフトスリーブS1 ,S2 をシフトすることで、3
組の常噛みギヤ対のいずれか一組を用いて、第2軸12
から第3軸13への変速伝動を行うよう構成されてい
る。
【0030】つまり、図6、図7に示すように、前記シ
フトスリーブS1 ,S2 は、ミッションケース内に水平
支架した支軸14に沿って摺動移動するシフター15に
備えられた一対のシフトフォーク15a,15bにそれ
ぞれ係合支されており、シフター15の摺動変位に伴っ
て両シフトスリーブS1 ,S2 が、同時に同方向にシフ
ト操作されるようになっている。そして、ミッションケ
ース9に前後に貫通装着した変速操作軸16の先端に
は、前記シフター15に係合する操作アーム16aが備
えられており、操縦部7に備えた副変速レバー30を操
作して変速操作軸16を回動することで、シフター15
を左右に摺動操作するよう構成されている。
【0031】ここで、前記シフトスリーブS1 は、シフ
ト範囲の全域において第2軸12に直接スプライン咬合
されているのに対して、前記シフトスリーブS2 は、ギ
ヤG6 のボス部、第2軸12にスプライン外嵌したスプ
ラインカラー17、および、ギヤG7 のボス部に亘って
シフト可能となており、以下のようにして3段の変速が
行われる。
【0032】シフター15が低速「L」位置にある時に
は、図8に示すように、シフトスリーブS1 はギヤG5
のボス部と第2軸12に亘って咬合するとともに、シフ
トスリーブS2 は、ギヤG6 のボス部にのみ外嵌支持さ
れた状態となり、第2軸12の動力は、シフトスリーブ
S1 ,ギヤG5 ,G8 を介して第3軸13に低速で伝達
される。また、シフター15が中速「M」位置にある時
には、図9に示すように、シフトスリーブS1 は第2軸
12にのみ支持されるとともに、シフトスリーブS2
は、ギヤG6 のボス部とスプラインカラー17に亘って
外嵌咬合された状態となり、第2軸12の動力は、スプ
ラインカラー17,シフトスリーブS2 ,ギヤG6 ,G
9 を介して第3軸13に中速で伝達される。また、シフ
ター15が中立「N」位置にある時には、図10に示す
ように、シフトスリーブS1 は第2軸12にのみ支持さ
れるとともに、シフトスリーブS2 は、スプラインカラ
ー17にのみ外嵌支持された状態となり、第2軸12か
ら第3軸13へのの動力伝達は遮断される。また、シフ
ター15が高速「H」位置にある時には、図11に示す
ように、シフトスリーブS1 は第2軸12にのみ支持さ
れるとともに、シフトスリーブS2 は、ギヤG7 のボス
部とスプラインカラー17に亘って外嵌咬合された状態
となり、第2軸12の動力は、スプラインカラー17,
シフトスリーブS2 ,ギヤG7 ,G10を介して第3軸1
3に高速で伝達される。
【0033】なお、図7に示すように、前記シフター1
5は、ボールデテント18によって、倒伏穀稈の収穫用
速度である低速「L」、標準的な収穫用速度である中速
「M」、中立「N」、および、移動用速度である高速
「H」において位置保持することができるようになって
いる。
【0034】上記のようにして前記第3軸13に伝達さ
れた動力は、中央のギヤG9 を介して第4軸19のセン
ターギヤG11に伝達された後、左右のサイドクラッチ2
0L,20R、車軸ギヤ21L,21R、および、車軸
22L,22Rを介して左右の走行装置1L,1Rに伝
達される。
【0035】図4に示すように、前記サイドクラッチ2
0L,20Rは、第4軸19に遊嵌されるとともに車軸
ギヤ21L,21Rに常時咬合されたサイドクラッチギ
ヤ23L,23Rをシフトして、前記センターギヤG11
の中心内歯に側方から咬合離脱させることで、センター
ギヤG11から車軸22L,22Rへの動力伝達を断続す
るよう構成されたものであり、前記サイドクラッチギヤ
23L,23Rをシフトする手段が以下のように構成さ
れている。
【0036】前記第4軸19は、中央部位が大径の段付
き軸に構成されるとともに、サイドクラッチギヤ23
L,23Rは、この第4軸19の大径部と小径部とに亘
って外嵌する段付きの内径を備えており、互いの段差部
の間が油室g,hとなっている。そして、常時は、バネ
24L,24RによってセンターギヤG11側にスライド
付勢されてクラッチ入り位置に保持され、第4軸19の
内部に穿設された油路a,bを介して油室g,hに圧油
が供給されて各サイドクラッチギヤ23L,23Rがバ
ネ24L,24Rに抗して限界までシフトされると、セ
ンターギヤG11から外れてクラッチ切り状態がもたらさ
れるようになっている。また、サイドクラッチギヤ23
L,23Rがクラッチ切り位置までシフトされると、圧
油供給用の前記油路a,bが、第4軸19の内部に穿設
された油路dに連通されるようになっている。
【0037】また、前記サイドクラッチギヤ23L,2
3Rは、センターギヤG11との咬合が外れたクラッチ切
り位置に到達した後、第4軸19の両端部位に遊嵌装着
された操向用サイドギヤ25L,25Rに、多板式の旋
回用クラッチ90L,90Rを介して連結可能となって
いる。
【0038】図5に示すように、前記旋回用クラッチ9
0L,90Rは、サイドクラッチギヤ23L,23Rに
一体回転可能に連設された大径のクラッチケース91
L,91Rにピストン92L,92Rを内嵌装着すると
ともに、操向用サイドギヤ25L,25Rから延出され
たスプラインボス部93L,93Rと前記クラッチケー
ス91L,91Rとの間に摩擦板94L,94R群を積
層して介在した構造となっており、通常はバネ95L,
95Rによってピストン92L,92Rを後退復帰させ
てクラッチ切り状態を維持し、クラッチケース91L,
91R内の油室i,jに圧油を供給してピストン92
L,92Rをバネ95L,95Rに抗して変位させ、摩
擦板94L,94R群を圧接することで、操向用サイド
ギヤ25L,25Rからサイドクラッチギヤ23L,2
3Rへの動力伝達を行うように構成されている。
【0039】ここで、旋回用クラッチ90L,90Rの
ピストン92L,92Rを作動させる油室i,jは、サ
イドクラッチギヤ23L,23Rを作動させる油室g,
hに、ギヤ内に穿設した連通油路k,mを介して連通接
続されるとともに、この連通油路k,mには絞り流路部
分p,qが備えられている。
【0040】また、前記操向用サイドギヤ25L,25
Rは、第5軸26の両端部位に固着されたギヤ27L,
27Rに咬合されるとともに、第5軸26に遊嵌したギ
ヤG13が、前記センターギヤG11の側部に連設された小
径のギヤG12に咬合されて減速連動されている。
【0041】前記ギヤG13と第5軸26との間には、緩
旋回を司る多板式のクラッチCが装備されている。この
クラッチCは、常時は内装したバネ31によってピスト
ン32が後退復帰されて、クラッチ切り状態に維持さ
れ、第5軸26の内部に穿設された油路cを介して圧油
が供給されることで、ピストン32がバネ31に抗して
変位されてクラッチ入り状態に切換えられるようになっ
ている。
【0042】また、ミッションケース9の右側面に取り
付けられたサイドカバー33に、第5軸26の一端が軸
受け支承されるとともに、このサイドカバー33に、信
地旋回を司る多板式の制動機構Bが装備されている。こ
の制動機構Bは、リング状のピストン34が油圧の印加
によってケース内方へ進出して、押圧プレート35を内
装バネ36に抗して押圧変位させることで、第5軸26
に摩擦制動作用が付加され、油圧の印加が解除されて押
圧プレート35が内装バネ36によって復帰後退するこ
とで、制動が解除されるようになっており、前記ピスト
ン34は、サイドカバー33の外側面に取り付けた油圧
ブロック37に組み込まれている。
【0043】図12に、前記サイドクラッチ20L,2
0R、旋回用クラッチ90L,90R、クラッチC、お
よび、制動機構Bを操作する操向用の油圧回路図および
制御系統図が示されている。図において、V1 は、前記
サイドクラッチ20L,20Rのサイドクラッチギヤ2
3L,23Rを択一的にシフト操作するための操向切換
え弁であって、ミッションケース9の外側に配備したソ
レノイドSL1 によって中立、および、正逆の3位置が
選択される。V2 は、前記クラッチCあるいは制動機構
Bのいずれかに圧油を選択供給して旋回モードを切換え
るモード切換え弁であって、通常はクラッチCへの圧油
供給位置に付勢され、ミッションケース9の外側に配備
したソレノイドSL2 によって制動機構Bへの圧油供給
位置に切換えられるようになっている。
【0044】また、図12中のV3 は、前記第4軸19
の内部に形成された油路dに接続されたシーケンス弁で
あり、その作動圧は、サイドクラッチ20L,20Rの
サイドクラッチギヤ23L,23Rをクラッチ切り位置
までシフトしてバネ24とバランスさせる圧に設定され
ている。そして、このシーケンス弁V3 の下手側に可変
リリーフ弁V4 が接続されて、作動油タンクを兼用する
ミッションケース9に連通されるとともに、シーケンス
弁V3 と可変リリーフ弁V4 との間から分岐した油路e
が前記モード切換え弁V2 の一次側に接続されている。
【0045】前記操向切換え弁V1 を操作するソレノイ
ドSL1 、および、モード切換え弁V2 を操作するソレ
ノイドSL2 は、操縦部7のハンドル塔41に備えたス
テアリング操作具としてのステアリングレバー42に、
制御装置43を介して電気的に連係されるとともに、前
記可変リリーフ弁V4 は、ステアリングレバー42に機
械的に連係されている。
【0046】図13,図14に示すように、ハンドル塔
41の上部右側(運転者から見て)に取り付けたブラケ
ット44に支軸45が前後向き支点x周りに回動指導自
在に貫通装着されるとともに、この支軸45の後端に連
設した支点金具46に、前記ステアリングレバー42が
横向き支点y周り揺動可能に装着されて、ステアリング
レバー42が十字揺動可能に構成されている。そして、
前記支点金具46からは棒材をL形に屈曲してなる第1
操作アーム47が突設されるとともに、前記支軸45の
前端部近くからは板材の第2操作アーム48が突設さ
れ、第1操作アーム47は、ハンドル塔41に取付けら
れたポテンショメータ49に以下のように連係されて、
ステアリングレバー42の操作位置が電気的に検出され
るようになっている。
【0047】つまり、前記ポテンショメータ49の操作
レバー49aは、前記第1操作アーム47に側方から常
に接当するよう、内装したバネによって図13中時計方
向に回動付勢されており、第1操作アーム47が中立位
置nから左右いずれの方向に操作されても、接当状態を
維持しながら操作レバー49aが第1操作アーム47に
追従して回動することで、ステアリングレバー42の操
作位置がポテンショメータ49の出力変化として連続的
に検出され、その検出信号が制御装置43に入力される
ようになっている。
【0048】また、前記第2操作アーム48は、前記可
変リリーフ弁V4 を操作するレリーズワイヤ50に以下
のように連携されている。つまり、前記支軸45には、
一対の作動アーム51,52が遊嵌装備され、両作動ア
ーム51,52はねじりバネ53によって互いに接近す
る方向に揺動付勢されて、ブラケット44に設けた固定
ピン54を挟むように接当支持されている。そして、一
方の作動アーム51の遊端部には、レリーズワイヤ50
におけるアウタワイヤ50aの端部が連結支持されると
ともに、他方の作動アーム52遊端部には、レリーズワ
イヤ50におけるインナワイヤ50bの端部が連結支持
されている。また、ステアリングレバー42によって前
後向き支点x周りに揺動される第2操作アーム48の遊
端部に設けた操作ピン48aが、両作動アーム51,5
2の間に設置されている。
【0049】上記構成によると、例えば図13におい
て、ステアリングレバー42を中立nから右旋回方向
(図では左方)に揺動操作すると、第2操作アーム48
が図中反時計方向に揺動され、操作ピン48aが一方の
作動アーム51を反時計方向に接当揺動させる。この
時、他方の作動アーム52は固定ピン54との接当によ
って反時計方向への揺動が阻止されているので、レリー
ズワイヤ50のインナワイヤ50bが相対的にアウタワ
イヤ50aから引き出される。また、逆に、ステアリン
グレバー42を中立nから左旋回方向(図では右方)に
揺動操作すると、第2操作アーム48が図中時計方向に
揺動され、操作ピン48aが他方の作動アーム52を時
計方向に接当揺動させる。この時、一方の作動アーム5
1は固定ピン54との接当によって時計方向への揺動が
阻止されているので、レリーズワイヤ50のインナワイ
ヤ50bがアウタワイヤ50aから引き出される。つま
り、ステアリングレバー42を中立nから左旋回方向あ
るいは右旋回方向のいずれに揺動操作しても、その操作
量に応じてレリーズワイヤ50のインナワイヤ50bが
引き出し操作され、そのワイヤ引き出し量が大きくなる
ほど前記可変リリーフ弁V4 の作動圧が高くなるように
連係されている。
【0050】操向切換え弁V1 とシーケンス弁V3 は前
記油圧ブロック37に組込まれるとともに、前記モード
切換え弁V2 と可変リリーフ弁V4 は前記サイドカバー
33に組込まれ、油圧ブロック37およびサイドカバー
33の内部に形成された油路を介して互いに連通接続さ
れて、図11に示す油圧回路が形成されている。以下
に、操向切換え弁V1 ,モード切換え弁V2 、および、
可変リリーフ弁V4 の操作構造を図15〜図18に基づ
いて詳細に説明する。
【0051】図15〜図17に示すように、前記操向切
換え弁V1 は、油圧ブロック37の上部に前後方向に摺
動自在に装着したスプール61を、支軸62を介して外
部から揺動される操作アーム63に係合して摺動操作す
るよう構成されており、支軸62の外端に装着したレバ
ー64に前記ソレノイドSL1 が連動連結されている。
【0052】上記構成によると、ステアリングレバー4
2が中立nにある時、ソレノイドSL1 は非通電状態に
あって、スプール61は復帰バネ65よって中立に保持
されており、ポンプポートPから供給された圧油はドレ
ン流路Dを経てミッションケース9に戻される。ステア
リングレバー42が左旋回方向に操作されると、これが
ポテンショメータ49で検出されてソレノイドSL1 が
押し駆動され、スプール61が図15中の左方向に摺動
操作され、ポンプポートPから供給された圧油は油路a
を介して左旋回用のサイドクラッチ20Lに供給され
る。また、ステアリングレバー42が右旋回方向に操作
されると、これがポテンショメータ49で検出されてソ
レノイドSL1 が引き駆動され、スプール61が図15
中の右方向に摺動操作され、ポンプポートPから供給さ
れた圧油は油路bを介して右旋回用のサイドクラッチ2
0Rに供給されるようになっている。
【0053】図4,図18に示すように、前記モード切
換え弁V2 は、サイドカバー33の上部に前後方向に摺
動自在に装着したスプール66を、支軸67を介して外
部から揺動される操作アーム68で接当押圧して、バネ
69に抗して摺動操作するよう構成されており、支軸6
7の外端に装着したレバー70に前記ソレノイドSL2
が連動連結されている。
【0054】この構成によると、ソレノイドSL2 が非
通電状態にある時には、スプール66は図17に示す位
置にあり、シーケンス弁V3 の下手側の油路eはクラッ
チCに到る油路cに連通されている。そして、ソレノイ
ドSL2 が通電駆動されて引き作動すると、レバー70
が図18中反時計方向に揺動され、スプール66がバネ
69に抗して切換えられ、前記油路eが制動機構Bに到
る油路fに連通されるようになっている。
【0055】図18中に示すように、前記可変リリーフ
弁V4 は、サイドカバー33の上部に前後方向に移動可
能に組み込まれたポペット71と、このポペット71を
弁座72に付勢押圧して、前記油路eのドレン流路Dへ
の連通を遮断するバネ73と、このバネ73の後端を支
持するバネ受け部材74とからなり、このバネ受け部材
74を、前記支軸67に外嵌装着した筒状の支軸75を
介して外部から揺動される操作アーム76で接当押圧し
て摺動変位させることで、リリーフ圧を調節することが
可能に構成されており、支軸75の外端に装着したレバ
ー77に前記レリーズワイヤ50のインナーワイヤ50
bが連動連結されている。また、前記レバー77は、操
作アーム76をバネ受け部材74から離反させる方向に
ねじりバネ78によって揺動付勢されており、図に示す
ように、付勢揺動限界では操作アーム76がサイドカバ
ー33の内面に接当し、この時の可変リリーフ弁V4 の
リリーフ圧はほぼ零となっている。そして、前述のよう
に、ステアリングレバー42が左右に揺動されてレリー
ズワイヤ50のインナーワイヤ50bが引き操作される
と、操作アーム76が図18中、反時計方向に揺動操作
されてバネ受け部材74が押し込み変位され、ステアリ
ングレバー42の揺動量が大きくなってワイヤ引き量が
大きくなるに連れて、可変リリーフ弁V4 のリリーフ圧
が次第に高くなるようになっている。
【0056】なお、十字操作可能な前記ステアリングレ
バー42の前後揺動によって、前記刈取り前処理部3の
昇降が行われるようになっている。すなわち、図13,
図14に示すように、前記横向き支点yの延長線上の左
右には、ステアリングレバー42の前後揺動を検出する
ポテンショメータあるいはスイッチなどからなるセンサ
81と、ステアリングレバー42を前後揺動方向の中立
nに付勢するねじりバネ82が配備されており、ステア
リングレバー42が中立nより前方へ揺動されたことが
センサ81で検出されると、前記刈取り前処理部3を下
降作動させ、後方へ揺動されたことがセンサ81で検出
されると、前記刈取り前処理部3を上昇作動させるよう
に、センサ81と刈取り前処理部3の図示しない駆動昇
降機構とが連係されている。
【0057】また、図2中の83は、前記第3軸13の
端部に作用するよう配備された、停止および駐車用のブ
レーキであり、操縦部7の足元に備えられたペダル84
の踏み込み操作によって、エンジン6から静油圧式無段
変速装置8への伝動系に配備された図示しない主クラッ
チが切り操作されるとともに、前記ブレーキ83が制動
操作される。また、ペダル84を踏み込み位置に係止保
持しておくことで、駐車ブレーキをかけることができる
ようになっている。
【0058】本発明に係る操向装置は以上のように構成
されており、以下、その操向作動について説明する。
【0059】前記ステアリングレバー42が中立nにあ
る時には、サイドクラッチ20L,20Rは共にクラッ
チ入り状態にあり、左右のクローラ走行装置1L,1R
は等速で駆動され、機体は直進走行する。
【0060】ステアリングレバー42が中立nから左右
方向の一方、例えば右方の第1操作域Rcに揺動操作さ
れると、これがポテンショメータ49で検出されてソレ
ノイドSL1 が通電駆動されて、操向切換え弁V1 が右
旋回位置に切換えられ、圧油が油路bを介して油室hに
供給されてサイドクラッチギヤ23Rがクラッチ切り位
置までシフトされ、右側のサイドクラッチ20Rが切ら
れる。このため、右側のクローラ走行装置1Rだけが遊
転状態となり、左側のクローラ走行装置1Lのみの駆動
により機体は右方向に緩やかに旋回してゆく。
【0061】ここで、右側のサイドクラッチ20Rが切
られると、油室hの圧油が連通油路mを介して右側の旋
回用クラッチ90Rの油室jにも供給されて、旋回用ク
ラッチ90Rが入れられることになるが、ステアリング
レバー42が第1操作域Rcにある間は、可変リリーフ
弁V4 の作動圧が未だ低いために、モード切換え弁V2
を介して圧油供給を受ける状態にあるクラッチCはクラ
ッチ入り作動することはなく、操向用サイドギヤ25R
は駆動されていない。従ってこの状態では、旋回用クラ
ッチ90Rは入り操作されるが機体操向には関与しない
ことになる。
【0062】ステアリングレバー42が第2操作域Rs
にまで操作されると、可変リーフ弁V4 のリリーフ圧が
シーケンス弁V3 の作動圧を超えた大きさとなり、高い
圧油が油路eおよび油路cを介してクラッチCに供給さ
れ、クラッチCが入り操作されて操向用サイドギヤ25
Rが所定の低速で駆動される。従って、この操向用サイ
ドギヤ25Rの低速動力がクラッチ切り位置にあるサイ
ドクラッチ20Rに旋回用クラッチ90Rを介して伝達
され、右側のクローラ走行装置1Rは所定の比率で減速
された低速状態で駆動され、左右クローラ走行1R,1
Lの駆動速度差に基づいて機体は右方向に緩やかにかつ
確実に旋回してゆく。
【0063】この場合、中立nにあるステアリングレバ
ー42を一気に第2操作域Rsにまで操作すると、上記
のように、右側サイドクラッチ20Rが切られるととも
に速やかにクラッチCが入り作動し、かつ、右側の旋回
用クラッチ90Rもクラッチ入り作動するのであるが、
右側サイドクラッチ20Rにおける油室hの圧油は、絞
り流路qを有する連通油路mを介して旋回用クラッチ9
0Rにおける大きい断面積の油室jに除々に供給される
ので、旋回用クラッチ90Rのクラッチ入り作動は緩慢
かつ滑らかに行われる。従って、クラッチCを介して操
向用サイドギヤ25Rに伝達された動力は衝撃なくサイ
ドクラッチギヤ23Rに伝達されることになり、右側の
クローラ走行装置1Rは滑らかに減速駆動状態になる。
【0064】ここで、前記クラッチCに印加される油圧
は、可変リリーフ弁V4 によって制限されているので、
第2操作域Rs内のステアリングレバー42が中立n側
に近いほどクラッチCに印加される油圧は低く、クラッ
チCを介して伝達されるトルクは小さく、第2操作域R
s内のステアリングレバー42が中立nから離れるほ
ど、クラッチCに印加される油圧も高くなり、クラッチ
Cを介して右側のクローラ走行装置1Rに伝達されるト
ルクは次第に大きくなる。そして、ついにはクラッチC
は完全に繋がって、右側のクローラ走行装置1Rは所定
の比率で減速された低速状態で駆動されることになる。
【0065】ステアリングレバー42が第2操作域Rs
を超えて第3操作域Rbにまで操作されると、これがポ
テンショメータ49で検出されてソレノイドSL2 が通
電駆動されて、モード切換え弁V2 が切換えられ、油路
eが油路fにつながって圧油が制動機構Bに供給される
とともに、油路cがドレン流路Dに連通されてクラッチ
Cが切られる。この場合、ステアリングレバー42が大
きく操作されていることで、前記リリーフ圧が既に高く
なっているので、制動機構Bによって第5軸26は制動
され、第5軸26に連動連結されている右側のクローラ
走行装置1Rは制動停止された状態で、左側のクローラ
走行装置1Lのみが駆動され、機体は右方向に急旋回
(信地旋回)する。
【0066】なお、言うまでもないが、ステアリングレ
バー42が左旋回方向に操作される場合も上記と同様
に、第1操作域Lcでは、左側のサイドクラッチ20L
のみを切っての緩やかな左旋回が行われ、第2操作域L
sでは、クラッチCを入り操作して左側のクローラ走行
装置1Lを減速駆動しての左旋回が行われ、また、第3
操作域Lbでは、左側のクローラ走行装置1Lを制動し
ての左方への急旋回が行われる。
【0067】ここで、図13に示すように、前記第1操
作域Lc,Rc、第2操作域Ls,Rs、および、第3
操作域Lb,Rbの大きさは、旋回内側のサイドクラッ
チを切って旋回外側のクローラ走行装置の推力のみで旋
回する第1操作域Lc,Rcが最も小さく、旋回内側の
クローラ走行装置を制動停止させて旋回外側のクローラ
走行装置の推力のみで旋回する第3操作域Lb,Rbが
次に小さく、減速駆動する旋回内側のクローラ走行装置
と減速しない旋回外側のクローラ走行装置で旋回する最
も操作頻度の高い第2操作域Ls,Rsが最も大きく設
定されている。
【0068】図19に、前記旋回用クラッチ90L,9
0Rの他の実施形態が示されている。 この例の旋回用
クラッチ90L,90Rの構造そのものは先の例と同様
であるが、クラッチケース91L,91R内の油室i,
jへの油路構成が異なっている。つまり、この例におい
ては、サイドクラッチ20L,20Rがクラッチ切り位
置に到達するまでは、旋回用クラッチ90L,90Rの
油室i,jとサイドクラッチ20L,20Rの油室g,
hとは連通することがなく、サイドクラッチ20L,2
0Rがクラッチ切り位置に到達してはじめて、油室i,
jと油室g,hとが連通油路k,mを介して連通接続さ
れて、旋回用クラッチ90L,90Rがクラッチ入り操
作されるようになっている。
【0069】従って、この構成によると、サイドクラッ
チ20L,20Rが完全に切れていないうちに旋回用ク
ラッチ90L,90Rが入るようなことが未然に回避さ
れている。
【0070】本発明は、以下のような形態で実施するこ
ともできる。
【0071】(1)上記実施形態では、左右揺動自在な
ステアリングレバー42をステアリング操作具としてい
るが、回転操作するステアリングハンドルをステアリン
グ操作具として利用することもできる。
【0072】(2)前記サイドクラッチ20L,20R
のサイドクラッチギヤ23L,23Rを一対のシフトフ
ォークで外部からシフト操作するように構成してもよ
い。この場合、そのシフトフォークをそれぞれ外装した
油圧シリンダで操作するように構成することもできる。
【0073】(3)第3操作域Lb,Rbを、サイドク
ラッチの切られた側の走行装置を、減速逆転駆動する超
信地旋回モードにして実施することもできる。
【0074】(4)第3操作域Lb,Rbを、上記のよ
うにサイドクラッチの切られた側の走行装置を制動する
ブレーキ旋回モードにするとともに、第3操作域Lb,
Rbの更に外側に、サイドクラッチの切られた側の走行
装置を減速逆転駆動する超信地旋回モードの第4操作域
を設けることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバイン全体の右側面図
【図2】走行用ミッションケースの伝動構造をしめす正
面図
【図3】ミッションケースの上半部を示す縦断正面図
【図4】ミッションケースの下半部を示す縦断正面図
【図5】サイドクラッチ周辺の拡大した縦断正面図
【図6】副変速機構の操作構造を示す側面図
【図7】副変速機構を操作するシフターの縦断正面図
【図8】副変速機構を低速に切換えた状態を示す要部の
縦断正面図
【図9】副変速機構を中速に切換えた状態を示す要部の
縦断正面図
【図10】副変速機構を中立に切換えた状態を示す要部
の縦断正面図
【図11】副変速機構を高速に切換えた状態を示す要部
の縦断正面図
【図12】操向用の油圧回路と制御系の構成図
【図13】ステアリング操作部の正面図
【図14】ステアリング操作部の側面図
【図15】操向用制御部を示す側面図
【図16】操向切換え弁の周辺を示す縦断側面図
【図17】操向切換え弁の操作部を示す正面図
【図18】モード切換え弁および可変リリーフ弁の周辺
を示す縦断側面図
【図19】サイドクラッチ周辺の別実施形態を拡大した
縦断正面図
【符号の説明】
1L,1R 走行装置 20L,20R サイドクラッチ 23L,23R サイドクラッチギヤ 42 ステアリング操作具 90L,90R 旋回用クラッチ 91L,91R クラッチケース 92L,92R ピストン g,h 油室 i,j 油室 k,m 連通油路 p,q 絞り流路部分 Lc,Rc 第1操作域 Ls,Rs 第2操作域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 有作 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボ タ堺製造所内 (72)発明者 竹内 由明 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボ タ堺製造所内 Fターム(参考) 3D036 EA01 EB16 EB23 EB24 EC06 GG42 GH01 GH20 GJ11 GJ12 3D052 AA02 AA11 BB09 BB10 BB11 CC01 DD04 EE01 FF01 FF02 GG03 GG04 HH01 HH02 JJ06 JJ12 JJ19

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右一対のクローラ型の走行装置のそれ
    ぞれにサイドクラッチが装備されるとともに、サイドク
    ラッチが切られた一方の走行装置を減速して、サイドク
    ラッチが切られていない他方の走行装置と同方向に駆動
    する緩旋回用駆動手段が備えられ、ステアリング操作具
    が、中立位置から左右一方へ外れた第1操作域に操作さ
    れると、一方の走行装置のサイドクラッチが切られ、引
    き続く第2操作域に操作されると、サイドクラッチの切
    られた走行装置が前記緩旋回用駆動手段によって減速駆
    動されるように、前記ステアリング操作具と前記サイド
    クラッチ、および、前記緩旋回用駆動手段とが連係され
    た農作業機の操向装置において、 サイドクラッチの切られた走行装置と緩旋回用駆動手段
    とを旋回用クラッチを介して連動連結するよう構成し、 前記サイドクラッチを、変速動力を左右の走行装置に分
    配するセンターギヤと、これの両側に咬合離脱可能に配
    備された左右一対のサイドクラッチギヤとから構成する
    とともに、サイドクラッチギヤを、油圧力によってクラ
    ッチ切り方向にシフト操作されるよう構成し、 前記旋回用クラッチを、前記サイドクラッチギヤをクラ
    ッチ切り作動させる圧油によってピストンが変位されて
    クラッチ入り作動する多板クラッチに構成してある、 ことを特徴とする農作業機の操向装置。
  2. 【請求項2】 前記旋回用クラッチにおけるピストンお
    よび摩擦板を、前記サイドクラッチギヤに連設した大径
    のクラッチケースに内装してある請求項1記載の農作業
    機の操向装置。
  3. 【請求項3】 前記サイドクラッチギヤの内周に油室を
    形成して、この油室への圧油供給によってサイドクラッ
    チギヤをクラッチ切り方向に作動させるように構成し、
    このサイドクラッチ操作用の油室と旋回用クラッチ操作
    用の油室とを、サイドクラッチギヤ内に設けた連通油路
    を介して連通接続してある請求項2記載の農作業機の操
    向装置。
  4. 【請求項4】 前記連通油路に絞り流路部分を設けてあ
    る請求項3記載の農作業機の操向装置。
  5. 【請求項5】 前記サイドクラッチギヤをクラッチ切り
    方向に作動させるための油室と、前記旋回用クラッチに
    おけるピストンをクラッチ入り方向に作動させるための
    油室とを、前記サイドクラッチギヤがクラッチ切り位置
    にまで変位した状態でのみ連通するよう構成してある請
    求項1〜4のいずれか一項に記載の農作業機の操向装
    置。
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