JP2001213305A - 制動力制御装置 - Google Patents

制動力制御装置

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JP2001213305A
JP2001213305A JP2000029379A JP2000029379A JP2001213305A JP 2001213305 A JP2001213305 A JP 2001213305A JP 2000029379 A JP2000029379 A JP 2000029379A JP 2000029379 A JP2000029379 A JP 2000029379A JP 2001213305 A JP2001213305 A JP 2001213305A
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JP
Japan
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pressure
working fluid
master cylinder
control
fluid pressure
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JP2000029379A
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English (en)
Inventor
Toshiya Osawa
俊哉 大澤
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ストロークシミュレータバルブが駆動されると
きのブレーキペダル踏み感の違和感をなくす。 【解決手段】マスタシリンダ2とストロークシミュレー
タ9との間に、電磁比例リリーフ弁からなるストローク
シミュレータバルブ13を介装し、そのソレノイド印加
電流値を調整することによりリリーフ圧を調整できるよ
うにする。ブレーキペダルの踏込み中に制動力制御が開
始されたら、制動力制御開始時のマスタシリンダ圧をリ
リーフ圧とすることで、制動力制御開始と同時又はほぼ
同時にストロークシミュレータ9内に作動流体が流入す
るようにしてブレーキペダルの踏み感を付与する。ポン
ピング操作時には、再増圧時のマスタシリンダ圧をリリ
ーフ圧として、再踏込み時の違和感を払拭する。更に、
マスタシリンダ圧が大きいときにはリリーフ圧を少し高
めに設定して、剛性感を高める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブレーキペダルの
踏込みによって作動流体圧を昇圧するマスタシリンダと
は個別に各車輪の制動用シリンダへの作動流体圧を制御
可能な制動力制御装置に関し、特に各車輪の制動用シリ
ンダへの作動流体圧を制御し始めたときのブレーキペダ
ルの踏み感の改善に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】このような制動力制御装置としては、例
えば特開平10−119740号公報に記載されるもの
がある。この制動力制御装置は、例えば図11に示すよ
うに、マスタシリンダとは個別に、リザーバ内の作動流
体をポンプで昇圧し、例えば必要に応じてそれをアキュ
ームレータに蓄圧し、各車輪の制動用シリンダを電磁切
換弁(図ではMCV)でマスタシリンダから切換えて、
当該アキュームレータ内の作動流体圧を圧力制御弁で調
圧制御して各車輪の制動用シリンダに供給する。制動力
制御中、つまり各車輪の制動用シリンダへの作動流体圧
の制御中は、ポンプ及びアキュームレータが圧力制御弁
に接続されるように電磁断続弁(図ではプレッシャーサ
プライバルブPSV)を開き、且つ圧力制御弁のドレー
ンをリザーバに接続すべく電磁断続弁(図ではリターン
バルブRTV)を開く。また、各車輪の制動用シリンダ
への作動流体圧は、アンチロックブレーキ装置や駆動力
制御装置、車両挙動制御装置等の夫々でマスタシリンダ
の出力圧に応じて設定され、それに応じた制御信号を圧
力制御弁に出力する。
【0003】また、制動力制御中、即ち作動流体圧の制
御中は、マスタシリンダが切り離されてしまうので、ブ
レーキペダルによってマスタシリンダから送り出される
作動流体をストロークシミュレータで吸収することによ
り、ブレーキペダルの踏み感を保持、或いは付与する。
ちなみに、ストロークシミュレータとマスタシリンダと
の間には電磁断続弁(図ではストロークシミュレータバ
ルブSSV)とチェック弁とを並列に介装し、作動流体
圧の制御開始と同時に、この電磁断続弁を開くとマスタ
シリンダから作動流体がストロークシミュレータ内に流
入し、ストロークシミュレータ内の作動流体はチェック
弁からマスタシリンダに帰還するように構成されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般にブレ
ーキペダルの踏込み量とマスタシリンダでの作動流体圧
は、図10に示すように一意な関係にある(図ではペダ
ルストロークとマスタシリンダ圧)。しかしながら、前
記従来の制動力制御装置では、マスタシリンダとストロ
ークシミュレータとの間に電磁断続弁、つまり電磁開閉
弁が介装されてるだけであるために、例えば図12aに
示すように、例えばブレーキペダルが踏込まれる以前に
各車輪の制動用シリンダへの作動流体圧の制御が開始さ
れた場合には、実質的にブレーキペダルが踏込まれる以
前に電磁断続弁を開いておけばよいので問題ないが、図
12bに示すように、ブレーキペダルが踏込まれてい
る、正にその最中に作動流体圧制御が開始されると、電
磁断続弁が開かれた直後にストロークシミュレータ内の
ピストンがストロークし、それと共にブレーキペダルが
入り込んで運転者に違和感となってとられる恐れがあ
る。また、逆に、ブレーキペダルが踏込まれているのに
電磁断続弁を開かないと、ブレーキペダルがそれ以上ス
トロークしない状態、所謂石踏み状態となり、特にブレ
ーキペダル踏み力が小さい領域では運転者に違和感とな
ってとられる恐れがある。
【0005】そこで、特開平11−20672号公報に
記載されるように、前記ストロークシミュレータを断続
する電磁断続弁をデューティ比制御することにより、当
該電磁断続弁の開度を調整して、ブレーキペダルのスト
ロークを踏み力に応じたものに近づけることが考えられ
るが、このように電磁断続弁をデューティ比制御する
と、実質的に電磁断続弁が細かく開閉され、それに伴う
作動流体圧の脈動がブレーキペダルを通じて運転者に伝
わり、運転者に違和感としてとられる恐れがある。
【0006】本発明はこれらの諸問題に鑑みて開発され
たものであり、運転者にブレーキペダルの違和感を感じ
させることのない制動力制御装置を提供することを目的
とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記諸問題を解決するた
めに、本発明のうち請求項1に係る制動力制御装置は、
ブレーキペダルの踏込みによって作動流体圧を昇圧し、
その作動流体圧を出力可能なマスタシリンダと、このマ
スタシリンダとは個別に作動流体圧を昇圧可能な圧力源
と、この圧力源からの作動流体圧を調圧制御して所定の
作動流体圧とする圧力制御弁と、少なくとも前記マスタ
シリンダと各車輪の制動用シリンダとの間の流体路を断
続する電磁切換弁と、前記マスタシリンダからの作動流
体圧を検出する作動流体圧検出手段と、少なくとも前記
作動流体圧検出手段で検出されるマスタシリンダの出力
作動流体圧に基づいて、各車輪の制動用シリンダの作動
流体圧を制御するために、少なくとも前記圧力制御弁及
び電磁切換弁を駆動するための制御信号を出力する制御
手段と、前記ブレーキペダルの踏込みによってマスタシ
リンダから送られる作動流体を吸収し、当該ブレーキペ
ダルの踏み感を付与するためのストロークシミュレータ
と、このストロークシミュレータとマスタシリンダとの
間に介装され、マスタシリンダからの作動流体がストロ
ークシミュレータに流入する圧力値を供給電流値によっ
て調整可能な電磁比例リリーフ弁と、この電磁比例リリ
ーフ弁に並設され、前記ストロークシミュレータからマ
スタシリンダへの作動流体の流れのみを許容するチェッ
ク弁とを備えたことを特徴とするものである。
【0008】また、本発明のうち請求項2に係る制動力
制御装置は、前記請求項1の発明において、前記制御手
段は、前記作動流体圧検出手段によって検出される、各
車輪の制動用シリンダの作動流体圧の制御が開始された
ときのマスタシリンダからの作動流体圧に基づいて、前
記マスタシリンダからの作動流体がストロークシミュレ
ータに流入する、前記電磁比例リリーフ弁の圧力値を制
御するリリーフ圧制御手段を備えたことを特徴とするも
のである。
【0009】また、本発明のうち請求項3に係る制動力
制御装置は、前記請求項2の発明において、前記リリー
フ圧制御手段は、前記ブレーキペダルの踏込みがない状
態で各車輪の制動用シリンダの作動流体圧の制御が開始
されたときには、前記電磁比例リリーフ弁の圧力値を小
さく設定することを特徴とするものである。また、本発
明のうち請求項4に係る制動力制御装置は、前記請求項
2又は3の発明において、前記リリーフ圧制御手段は、
前記ブレーキペダルが踏込まれた状態で各車輪の制動用
シリンダの作動流体圧の制御が開始されたときには、前
記電磁比例リリーフ弁の圧力値を、各車輪の制動用シリ
ンダの作動流体圧の制御が開始されたときの前記マスタ
シリンダからの作動流体圧と同等に設定することを特徴
とするものである。
【0010】また、本発明のうち請求項5に係る制動力
制御装置は、前記請求項2又は3の発明において、前記
リリーフ圧制御手段は、前記ブレーキペダルが踏込まれ
た状態で各車輪の制動用シリンダの作動流体圧の制御が
開始されたときには、前記電磁比例リリーフ弁の圧力値
を、各車輪の制動用シリンダの作動流体圧の制御が開始
されたときの前記マスタシリンダからの作動流体圧に所
定圧を付加した圧力値に設定することを特徴とするもの
である。
【0011】また、本発明のうち請求項6に係る制動力
制御装置は、前記請求項5の発明において、前記リリー
フ圧制御手段は、前記電磁比例リリーフ弁の圧力値を設
定するために前記マスタシリンダからの作動流体圧に付
加する所定圧を、当該マスタシリンダからの作動流体圧
の増加と共に大きく設定することを特徴とするものであ
る。
【0012】また、本発明のうち請求項7に係る制動力
制御装置は、前記請求項4乃至6の発明において、前記
リリーフ圧制御手段は、前記マスタシリンダからの作動
流体圧が減少し、再び増加するときには、当該再増加時
のマスタシリンダからの作動流体圧を用いて前記電磁比
例リリーフ弁の圧力値を設定することを特徴とするもの
である。
【0013】
【発明の効果】而して、本発明のうち請求項1又は2に
係る制動力制御装置によれば、マスタシリンダとストロ
ークシミュレータとの間に電磁比例リリーフ弁とチェッ
ク弁とを並列に介装し、各車輪の制動用シリンダの作動
流体圧の制御が開始されたときのマスタシリンダからの
作動流体圧に基づいて、当該電磁比例リリーフ弁の圧力
値、即ちリリーフ圧力値を制御する構成としたため、ブ
レーキペダルの踏込み中に各車輪の制動用シリンダの作
動流体圧の制御が開始されたときには、当該電磁比例リ
リーフ弁のリリーフ圧力値を、そのときのマスタシリン
ダの作動流体圧と同等又は同程度とすることにより、マ
スタシリンダの作動流体圧が、このリリーフ圧力値に到
達したときに、即ち作動流体圧の制御開始と同時に当該
マスタシリンダからの作動流体がストロークシミュレー
タに流入し、その後はブレーキペダルの踏み感がストロ
ークシミュレータによって付与されるので、その前後の
ブレーキペダルの踏み感に運転者が違和感を感じること
がない。
【0014】また、本発明のうち請求項3に係る制動力
制御装置によれば、ブレーキペダルの踏込みがない状態
で各車輪の制動用シリンダの作動流体圧の制御が開始さ
れたときには、電磁比例リリーフ弁のリリーフ圧力値を
小さく設定することとしたため、作動流体圧の制御中に
ブレーキペダルが踏込まれると、マスタシリンダからの
作動流体圧がすぐにリリーフ圧力値を越え、当該マスタ
シリンダからの作動流体がストロークシミュレータに流
入するので、ブレーキペダルの踏み感はストロークシミ
ュレータによって付与され、運転者が違和感を感じるこ
とがない。
【0015】また、本発明のうち請求項4に係る制動力
制御装置によれば、ブレーキペダルが踏込まれた状態で
各車輪の制動用シリンダの作動流体圧の制御が開始され
たときには、電磁比例リリーフ弁のリリーフ圧力値を、
各車輪の制動用シリンダの作動流体圧の制御が開始され
たときのマスタシリンダからの作動流体圧と同等に設定
することとしたため、作動流体圧の制御開始と同時に当
該マスタシリンダからの作動流体がストロークシミュレ
ータに流入し、その後はブレーキペダルの踏み感がスト
ロークシミュレータによって付与されるので、その前後
のブレーキペダルの踏み感に運転者が違和感を感じるこ
とがない。
【0016】また、本発明のうち請求項5又は6に係る
制動力制御装置によれば、ブレーキペダルが踏込まれた
状態で各車輪の制動用シリンダの作動流体圧の制御が開
始されたときには、電磁比例リリーフ弁のリリーフ圧力
値を、各車輪の制動用シリンダの作動流体圧の制御が開
始されたときのマスタシリンダからの作動流体圧に所定
圧を付加した圧力値に設定し、その所定圧を、当該マス
タシリンダからの作動流体圧の増加と共に大きく設定す
ることとしたため、作動流体圧制御開始時のマスタシリ
ンダからの作動流体圧が大きいときには、電磁比例リリ
ーフ弁のリリーフ圧力値が大きくなり、その分だけマス
タシリンダからの作動流体は、制御開始から少し遅れて
ストロークシミュレータに流入するので、その時間のブ
レーキペダルの踏み感の硬さが、ブレーキペダルを速く
或いは強く踏込んだときの剛性感となり、更にブレーキ
ペダルの踏み感を良好なものとすることができる。
【0017】また、本発明のうち請求項7に係る制動力
制御装置によれば、マスタシリンダからの作動流体圧が
減少し、再び増加するときには、当該再増加時のマスタ
シリンダからの作動流体圧を用いて電磁比例リリーフ弁
のリリーフ圧力値を設定することとしたため、例えばポ
ンピングブレーキ操作時の再踏込みと同時にマスタシリ
ンダからストロークシミュレータに作動流体が流入し、
その後はブレーキペダルの踏み感がストロークシミュレ
ータによって付与されるので、その前後のブレーキペダ
ルの踏み感に運転者が違和感を感じることがない。
【0018】
【発明の実施の形態】これ以下、本発明の制動力制御装
置の実施形態を添付図面に基づいて説明する。図1は本
発明の制動力制御装置の一例を示す流体圧系構成図であ
る。なお、図は、各電磁弁がオフの状態、つまり全く制
御されていない状態を示している。また、各車輪の制動
用シリンダであるホイールシリンダ1は、四輪を代表し
て一輪だけ、また、二系統あるマスタシリンダ2の出力
系は、当該ホイールシリンダ1に接続された一系統を代
表して示す。
【0019】前記マスタシリンダ2の各出力系と各ホイ
ールシリンダ1との流体路には、当該流体路を断続する
常時開のバックアップバルブ(電磁切換弁)11が介装
されている。また、マスタシリンダ2の各出力系には、
作動流体圧を検出するための作動流体圧検出手段として
の圧力センサ17が介装されている。一方、マスタシリ
ンダ2に並設されたリザーバ4には、モータ7で駆動さ
れるポンプ6の吸入側が接続され、その吐出側は圧力制
御弁10を介して各ホイールシリンダ1に接続されてい
る。また、ポンプ6の吐出側には、その吐出圧を蓄圧す
るアキュームレータ8が介装され、前記ポンプ6からア
キュームレータ8が個別の圧力源を構成する。また、前
記アキュームレータ8と各圧力制御弁10との間には、
両者間の流体路を断続する常時閉のプレッシャーサプラ
イバルブ(電磁断続弁)14が介装されている。
【0020】前記各圧力制御弁10は、例えばアンチロ
ックブレーキ制御装置に用いられる三方電磁切換弁のよ
うに、前記ポンプ6からの吐出圧、或いはアキュームレ
ータ8の蓄圧を各ホイールシリンダ1に供給したり、そ
のホイールシリンダ1の内圧を封じ込めたり、その内圧
をドレーンしたりするものであり、従ってそれらのドレ
ーンポートは前記リザーバ4に接続されている。そし
て、このリザーバ4と各圧力制御弁10のドレーンポー
トとの流体路に、当該流体路を断続する常時閉のリター
ンバルブ(電磁断続弁)15が介装されている。
【0021】従って、全ての電磁弁がオフの状態では、
前記ポンプ6やアキュームレータ8やリザーバ4は各ホ
イールシリンダ1から遮断され、各ホイールシリンダ1
はマスタシリンダ2に連通されているので、通常のブレ
ーキペダル3の踏込みによる制動が可能となる。一方、
前記バックアップバルブ11を閉じ、プレッシャーサプ
ライバルブ14及びリターンバルブ15を開くと、マス
タシリンダ2が各ホイールシリンダ1から切断され、代
わりにポンプ6又はアキュームレータ8及びリザーバ4
が接続されるので、例えばポンプ6の吐出圧或いはアキ
ュームレータ9の蓄圧を各圧力制御弁10で調圧制御す
れば、各ホイールシリンダ1の作動流体圧を、マスタシ
リンダ2と切り離して制御することが可能となる。
【0022】また、前記マスタシリンダ2の一方の出力
系には、前記バックアップバルブ11が閉じられ、結果
としてマスタシリンダ2がラインから切り離されたとき
に、ブレーキペダル3の踏込みを吸収するストロークシ
ミュレータ9が接続され、当該マスタシリンダ2とスト
ロークシミュレータ9との間の流体路に、電磁比例リリ
ーフ弁からなるストロークシミュレータバルブ13とチ
ェック弁12とが並列に介装されている。
【0023】前記ストロークシミュレータ9は、リター
ンスプリング9aで押圧されるピストン9bをマスタシ
リンダ2からの出力作動流体圧でストロークさせる構造
になっており、そのリターンスプリング9aの押圧力を
ブレーキペダル3の踏み力に合わせてある。前記チェッ
ク弁12は、このストロークシミュレータ9内に流入し
た作動流体をマスタシリンダ2側にのみ帰還する作用を
有する。
【0024】前記ストロークシミュレータバルブ13
は、例えば図2のような構造になっている。即ち、通常
はリターンスプリング21によってプランジャ22のボ
ール23がシート24に押し付けられ、入力ポート25
と出力ポート26とは遮断されている。一方、ソレノイ
ド27への電流信号がない状態で、入力ポート25にマ
スタシリンダ2からの作動流体圧が加わると、それがリ
ターンスプリング21の押圧力に抗してボール23及び
プランジャ22を動かし、これによりボール23がシー
ト25から離間して入力ポート25と出力ポート26と
が連通し、結果的にマスタシリンダ2からの作動流体は
ストロークシミュレータ9内に流入する。このボール2
3がシート25から離間する圧力値がリリーフ圧力値に
なるが、この実施形態では、ソレノイド27に電流信号
を印加すると、リターンスプリング21の押圧力に抗す
る方向、つまりマスタシリンダ2からの作動流体圧を補
助する方向にプランジャ22及びボール23を引張るの
で、ソレノイド27への電流信号が大きいほどリリーフ
圧力値は小さくなる。
【0025】このときの力のバランスは、下記1式で表
され、ソレノイド27によるプランジャ22の推力は下
記2式で表されるから、リリーフ圧力値PRLは下記3式
で表される。 P1 ・S+FSOL =P2 ・S+FSP ……… (1) 但し、P1 :入力ポートの作動流体圧、P2 :出力ポー
トの作動流体圧、S:シートの断面積、FSOL :ソレノ
イドによるプランジャの推力、FSP:リターンスプリン
グによるプランジャの押圧力である。
【0026】 FSOL =a・I ……… (2) 但し、I:ソレノイドへの印加電流値、a:定数であ
る。 PRL=P1 ーP2 =(FSPーa・I)/S ……… (3) ここで、リターンスプリング21によるプランジャ22
の押圧力FSPはほぼ一定であるから、このストロークシ
ミュレータバルブ13のリリーフ圧力値PRLは、図3に
示すように、印加電流値によって調整することができ、
この実施形態では電流値が所定値以下の領域ではほぼ全
閉となり、電流値の増大に伴ってリニアに開き、所定値
以上で全開となる。従って、ソレノイド27への電流信
号を制御することにより、このストロークシミュレータ
バルブ13のリリーフ圧力値PRLをアナログ的に制御す
ることができる。
【0027】また、この特性を用いれば、例えば図4に
示すように、同等のマスタシリンダ圧に対して、ストロ
ークシミュレータバルブ13のソレノイド27への印加
電流値を小さくするとブレーキペダル3のストロークを
小さくする、つまり硬い踏み感を付与することができ、
同等のペダルストロークに対しては、印加電流を大きく
するとマスタシリンダ圧のリリーフ圧を小さくする、つ
まり柔らかでリニアな踏み感を付与することができるこ
とになる(前記図10と比較参照)。この実施形態で
は、後述する演算処理により、ブレーキペダルが踏込ま
れた状態で制動力制御、即ち各ホイールシリンダ1の作
動流体圧の制御が開始された場合には、そのときのマス
タシリンダ圧をリリーフ圧とするので、ペダルストロー
クは通常の制動時と同様のものになるが、後述する第2
実施形態では、この特性を生かして、更にブレーキペダ
ルの踏み感を改善するようにしている。
【0028】前記コントロールユニット5は、図示され
ないマイクロコンピュータ等の演算処理装置を介装して
構成される。そして、このコントロールユニット5で
は、例えば前記アキュームレータ8の圧力センサ16で
検出されるアキュームレータ8の作動流体圧が所定値以
下であるときにはポンプ6を駆動して作動流体圧を昇圧
したり、前記マスタシリンダ2の圧力センサ17で検出
される作動流体圧にホイールシリンダ1内の作動流体圧
が等しくなるように圧力制御弁10を作動させたりする
ための各種の制御信号を創成出力し、各駆動回路が各ア
クチュエータを駆動するのに適した駆動信号に変換す
る。ちなみに、こうした基本的な制御の演算処理は、前
記演算処理装置内で所定のロジックに従って行われる。
また、このような作動流体圧制御の他にも、例えばアン
チロックブレーキ制御、駆動力制御、車両挙動制御等を
平行して行うことも可能であり、本実施形態では、例え
ばそれらの制御の演算処理により、何れかの或いは複数
の車輪のホイールシリンダの作動流体圧を制御する必要
が生じた場合には、その制御に必要な作動流体圧を優先
して制御するようにしてある。
【0029】次に、前記コントロールユニット5で実行
される前記マスタシリンダカットバルブ11、プレッシ
ャーサプライバルブ14、リターンバルブ15、各圧力
制御弁10、及びストロークシミュレータバルブ13を
駆動するための演算処理について、図5のフローチャー
トを用いて説明する。この演算処理は、例えば予め設定
された所定時間ΔT(例えば10msec. )毎にタイマ割
込で行われる。
【0030】この演算処理では、まずステップS1で、
例えば前記アンチロックブレーキ制御や駆動力制御、車
両挙動制御などによって、制動力制御、即ち各車輪のホ
イールシリンダ1の作動流体圧(以下、単にホイールシ
リンダ圧とも記す)を制御する必要があるか否かを判定
し、ホイールシリンダ圧を制御する必要がある場合には
ステップS2に移行し、そうでない場合にはステップS
3に移行する。
【0031】前記ステップS3では、制動力制御を行う
必要がないので、同ステップ内で行われる個別に演算処
理に従って、前記マスタシリンダカットバルブ11を
開、プレッシャーサプライバルブ13及びリターンバル
ブ15を閉、各圧力制御弁10をOFF、ストロークシ
ミュレータバルブ13をOFF(全閉)としてからメイ
ンプログラムに復帰する。
【0032】一方、前記ステップS2では、制動力制
御、即ち各ホイールシリンダ圧の制御を行う必要がある
ので、同ステップ内で行われる個別の演算処理に従っ
て、前記マスタシリンダカットバルブ11を閉、プレッ
シャーサプライバルブ13及びリターンバルブ15を開
とすると共に、各圧力制御弁10は、前記各制動力制御
に必要なホイールシリンダ圧が達成される指令値に応じ
た出力圧としてからステップS4に移行する。
【0033】前記ステップS4では、同ステップ内で行
われる個別の演算処理に従って、ブレーキペダルが踏込
まれているか否かを判定し、ブレーキペダルが踏込まれ
ている場合にはステップS5に移行し、そうでない場合
にはステップS6に移行する。前記ステップS6では、
ブレーキペダルが踏込まれていないので、同ステップ内
で行われる個別の演算処理に従って、前記ストロークシ
ミュレータバルブ13に対し、最大電流制御信号を出力
し、これにより当該ストロークシミュレータバルブ13
を全開、つまりリリーフ圧を最小としてからメインプロ
グラムに復帰する。
【0034】一方、前記ステップS5では、同ステップ
内で行われる個別の演算処理に従って、制動力制御を開
始したときのマスタシリンダ圧PM/C を目標リリーフ圧
RL 0 として記憶してからステップS7に移行する。前
記ステップS7では、同ステップ内で行われる個別の演
算処理に従って、前記ストロークシミュレータバルブ1
3に対し、リリーフ圧PRLが前記目標リリーフ圧PRL0
に一致する電流制御信号を創成出力してからメインプロ
グラムに復帰する。
【0035】この演算処理によれば、制動力制御が必要
でない場合には、前記ステップS1からステップS3に
移行して、ここでマスタシリンダカットバルブ11を
開、プレッシャーサプライバルブ13及びリターンバル
ブ15を閉、各圧力制御弁10をOFF、ストロークシ
ミュレータバルブ13をOFF(全閉)とするので、マ
スタシリンダ2は各ホイールシリンダ1に連通された状
態に維持され、例えば運転者がブレーキペダル3を踏込
むと、マスタシリンダ2で昇圧された作動流体圧はその
ままホイールシリンダ1に供給され、通常の制動が行わ
れる。
【0036】これに対し、制動力制御が必要とされ、且
つブレーキペダル3が踏込まれていない場合には、前記
ステップS1からステップS2に移行し、ここでマスタ
シリンダカットバルブ11を閉、プレッシャーサプライ
バルブ13及びリターンバルブ15を開とすることによ
り、マスタシリンダ2を切り離し、ポンプ6又はアキュ
ームレータ8からなる個別の圧力源を各ホイールシリン
ダ1に接続すると共に、制動力制御に必要な指令値に応
じた出力圧を各圧力制御弁10からホイールシリンダ1
に供給し、更に前記ステップS4を経てステップS6に
移行し、ここでストロークシミュレータバルブ13に最
大電流制御信号を出力して、全開状態、即ちリリーフ圧
RLが最小の状態にする。従って、図6aに示すよう
に、制動力制御の開始後、ブレーキペダル3が踏込まれ
ると、マスタシリンダ2からの作動流体は即座にストロ
ークシミュレータ9に流入し、当該ストロークシミュレ
ータ9によりブレーキペダル3の踏み感が付与される。
【0037】また、制動力制御が必要とされ、且つブレ
ーキペダル3が踏み込まれている場合には、前記ステッ
プS2でマスタシリンダ2を切り離し、個別の圧力源を
各ホイールシリンダ1に接続すると共に制動力制御に必
要な指令値に応じた出力圧を各圧力制御弁10からホイ
ールシリンダ1に供給し、更に前記ステップS4を経て
ステップS5に移行し、ここで制動力制御開始時のマス
タシリンダ圧PM/C を目標リリーフ圧PRL0 として記憶
した後、ステップS7では、ストロークシミュレータバ
ルブ13に対し、リリーフ圧PRLが前記目標リリーフ圧
RL0 に一致する電流制御信号を創成出力する。従っ
て、例えばそれまで全閉状態にあったストロークシミュ
レータバルブ13は、この直後にリリーフ圧PRLが目標
リリーフ圧PRL0 、即ち制動力制御開始時のマスタシリ
ンダ圧PM/C となるので、例えば図6bに示すように、
制動力制御開始後に更にブレーキペダル3を踏込むと、
マスタシリンダ圧PM/C の増圧に伴って作動流体がスト
ロークシミュレータ9内に流入し、当該ストロークシミ
ュレータ9によりブレーキペダル3の踏み感が付与、或
いは保持される。
【0038】このように、本実施形態の制動力制御装置
によれば、ストロークシミュレータ9とマスタシリンダ
2との間に、電磁比例リリーフ弁からなるストロークシ
ミュレータバルブ13を介装し、例えばブレーキペダル
3の踏込み中に制動力制御が開始された場合には、その
リリーフ圧PRLを制動力制御開始時のマスタシリンダ圧
M/C とすることにより、制動力制御開始と同時又はほ
ぼ同時にマスタシリンダ2からの作動流体がストローク
シミュレータ9に流入し、このストロークシミュレータ
9によりブレーキペダル3の踏み感が付与されるように
したため、運転者がブレーキペダルの踏み感に違和感を
覚えることがない。また、ブレーキペダル3を踏込んで
いない状態で制動力制御が必要となった場合には、予め
ストロークシミュレータバルブ13のリリーフ圧PRL
小さく、この実施形態では最小にしているため、例えば
その後にブレーキペダル3を踏込むと、マスタシリンダ
2からの作動流体はストロークシミュレータ9内に即座
に流入し、このストロークシミュレータ9によりブレー
キペダル3の踏み感が付与されるので、運転者はブレー
キペダルの踏み感に違和感を覚えることがない。
【0039】以上より、図1に示すコントロールユニッ
トが本発明の制御手段を構成し、以下同様に図5の演算
処理がリリーフ圧制御手段を構成している。次に、本発
明の制動力制御装置の第2実施形態について図7〜図9
を用いて説明する。この実施形態の流体圧系構成図は、
前記図1に示す第1実施形態と同様である。また、この
流体圧系構成に含まれるストロークシミュレータバルブ
の構成や特性も、前記図2〜図4に示す第1実施形態の
ものと同様である。
【0040】本実施形態では、前記コントロールユニッ
ト5内で行われるマスタシリンダカットバルブ11、プ
レッシャーサプライバルブ14、リターンバルブ15、
各圧力制御弁10、及びストロークシミュレータバルブ
13を駆動するための演算処理が、前記図5のものから
図7のフローチャートに示すものに変更されている。こ
の演算処理も、例えば予め設定された所定時間ΔT(例
えば10msec. )毎にタイマ割込で行われる。
【0041】この演算処理では、まずステップS11
で、前記第1実施形態と同様に、例えば前記アンチロッ
クブレーキ制御や駆動力制御、車両挙動制御などによっ
て、制動力制御、即ち各ホイールシリンダ圧を制御する
必要があるか否かを判定し、ホイールシリンダ圧を制御
する必要がある場合にはステップS12に移行し、そう
でない場合にはステップS13に移行する。
【0042】前記ステップS13では、前記第1実施形
態と同様に、制動力制御を行う必要がないので、同ステ
ップ内で行われる個別に演算処理に従って、前記マスタ
シリンダカットバルブ11を開、プレッシャーサプライ
バルブ13及びリターンバルブ15を閉、各圧力制御弁
10をOFF、ストロークシミュレータバルブ13をO
FF(全閉)としてからステップS15に移行する。
【0043】前記ステップS15では、マスタシリンダ
圧記憶制御フラグSをリセットし、マスタシリンダ圧減
圧制御フラグFをリセットし、且つマスタシリンダ圧減
圧カウンタCをクリアしてからメインプログラムに復帰
する。一方、前記ステップS12では、前記第1実施形
態と同様に、制動力制御、即ち各ホイールシリンダ圧の
制御を行う必要があるので、同ステップ内で行われる個
別の演算処理に従って、前記マスタシリンダカットバル
ブ11を閉、プレッシャーサプライバルブ13及びリタ
ーンバルブ15を開とすると共に、各圧力制御弁10
は、前記各制動力制御に必要なホイールシリンダ圧が達
成される指令値に応じた出力圧としてからステップS1
4に移行する。
【0044】前記ステップS14では、前記第1実施形
態と同様に、同ステップ内で行われる個別の演算処理に
従って、ブレーキペダルが踏込まれているか否かを判定
し、ブレーキペダルが踏込まれている場合にはステップ
S16に移行し、そうでない場合にはステップS17に
移行する。前記ステップS17では、マスタシリンダ圧
記憶制御フラグSをリセットし、マスタシリンダ圧減圧
制御フラグFをリセットし、且つマスタシリンダ圧減圧
カウンタCをクリアしてからステップS18に移行す
る。
【0045】前記ステップS18では、前記第1実施形
態と同様に、ブレーキペダルが踏込まれていないので、
同ステップ内で行われる個別の演算処理に従って、前記
ストロークシミュレータバルブ13に対し、最大電流制
御信号を出力し、これにより当該ストロークシミュレー
タバルブ13を全開、つまりリリーフ圧を最小としてか
らメインプログラムに復帰する。
【0046】一方、前記ステップS16では、前記マス
タシリンダ圧記憶制御フラグSが“0”のリセット状態
にあるか否かを判定し、当該マスタシリンダ圧記憶制御
フラグSがリセット状態にある場合にはステップS19
に移行し、そうでない場合にはステップS20に移行す
る。前記ステップS19では、同ステップ内で行われる
個別の演算処理に従って、制動力制御を開始したときの
マスタシリンダ圧PM/C を基本マスタシリンダ圧P
M/C-0 として記憶してからステップS21に移行する。
【0047】前記ステップS21では、前記マスタシリ
ンダ圧記憶制御フラグSを“1”にセットしてから前記
ステップS20に移行する。前記ステップS20では、
同ステップ内で行われる個別の演算処理に従って、マス
タシリンダ圧PM/C が前回に対して増圧したか否かを判
定し、当該マスタシリンダ圧PM/C が前回に対して増圧
しているときはステップS22に移行し、そうでない場
合にはステップS23に移行する。
【0048】前記ステップS22では、前記マスタシリ
ンダ圧減圧制御フラグFが“0”のリセット状態である
か否かを判定し、当該マスタシリンダ圧減圧制御フラグ
Fがリセット状態である場合には前記ステップS23に
移行し、そうでない場合にはステップS24に移行す
る。前記ステップS24では、同ステップ内で行われる
個別の演算処理に従って、ブレーキペダル3のポンピン
グ操作によりマスタシリンダ圧PM/C が再増圧されてい
るとし、この再増圧開始時のマスタシリンダ圧PM/C
基本マスタシリンダ圧PM/C-0 として記憶してからステ
ップS25に移行する。
【0049】これに対し、前記ステップS23では、同
ステップ内で行われる個別の演算処理に従って、マスタ
シリンダ圧PM/C が前回に対して減圧したか否かを判定
し、当該マスタシリンダ圧PM/C が前回に対して減圧し
ているときはステップS26に移行し、そうでない場合
にはステップS27に移行する。前記ステップS26で
は、前記マスタシリンダ圧減圧カウンタCをインクリメ
ントしてからステップS28に移行する。
【0050】また、前記ステップS27では、前記マス
タシリンダ圧減圧カウンタCを“0”にクリアしてから
前記ステップS28に移行する。前記ステップS28で
は、前記マスタシリンダ圧減圧カウンタCが予め設定さ
れた所定カウントアップ値C0 以上であるか否かを判定
し、当該マスタシリンダ圧減圧カウンタCが所定カウン
トアップ値C0 以上である場合にはステップS29に移
行し、そうでない場合には前記ステップS25に移行す
る。
【0051】前記ステップS29では、前記マスタシリ
ンダ圧減圧制御フラグFを“1”のセット状態としてか
らステップS30に移行する。また、前記ステップS2
5では、前記マスタシリンダ圧減圧制御フラグFを
“0”のリセット状態としてから前記ステップS30に
移行する。前記ステップS30では、同ステップ内で行
われる個別の演算処理に従って、前記基本マスタシリン
ダ圧PM/C-0 に所定圧ΔPを和して目標リリーフ圧P
RL0としてからステップS31に移行する。なお、所定
圧ΔPは、前記基本マスタシリンダ圧PM/C-0 、つまり
制動力制御が開始されたときのマスタシリンダ圧か、若
しくはブレーキペダルのポンピング操作による再増圧時
のマスタシリンダ圧に応じて、図8の制御マップによっ
て設定される。この制御マップによれば、マスタシリン
ダ圧が小さいときには所定圧ΔPも小さいが、マスタシ
リンダ圧の増加に伴って所定圧ΔPは二次曲線的に増大
設定されるようになっている。即ち、基本マスタシリン
ダ圧PM/C-0 が大きいほど、目標リリーフ圧PRL0 は当
該基本マスタシリンダ圧PM/C-0 より大きな値に設定さ
れることになる。
【0052】前記ステップS31では、前記第1実施形
態と同様に、同ステップ内で行われる個別の演算処理に
従って、前記ストロークシミュレータバルブ13に対
し、リリーフ圧PRLが前記目標リリーフ圧PRL0 に一致
する電流制御信号を創成出力してからメインプログラム
に復帰する。この演算処理によれば、制動力制御が必要
でない場合には、前記ステップS11からステップS1
3に移行して、ここでマスタシリンダカットバルブ11
を開、プレッシャーサプライバルブ13及びリターンバ
ルブ15を閉、各圧力制御弁10をOFF、ストローク
シミュレータバルブ13をOFF(全閉)とするので、
マスタシリンダ2は各ホイールシリンダ1に連通された
状態に維持され、例えば運転者がブレーキペダル3を踏
込むと、マスタシリンダ2で昇圧された作動流体圧はそ
のままホイールシリンダ1に供給され、通常の制動が行
われる。
【0053】これに対し、制動力制御が必要とされ、且
つブレーキペダル3が踏込まれていない場合には、前記
ステップS11からステップS12に移行し、ここでマ
スタシリンダカットバルブ11を閉、プレッシャーサプ
ライバルブ13及びリターンバルブ15を開とすること
により、マスタシリンダ2を切り離し、ポンプ6又はア
キュームレータ8からなる個別の圧力源を各ホイールシ
リンダ1に接続すると共に、制動力制御に必要な指令値
に応じた出力圧を各圧力制御弁10からホイールシリン
ダ1に供給し、更に前記ステップS14からステップS
17を経てステップS18に移行し、ここでストローク
シミュレータバルブ13に最大電流制御信号を出力し
て、全開状態、即ちリリーフ圧PRLが最小の状態にす
る。従って、前記第1実施形態と同様に、図6aに示す
ように、制動力制御の開始後、ブレーキペダル3が踏込
まれると、マスタシリンダ2からの作動流体は即座にス
トロークシミュレータ9に流入し、当該ストロークシミ
ュレータ9によりブレーキペダル3の踏み感が付与され
る。
【0054】また、制動力制御が必要とされ、且つブレ
ーキペダル3が踏み込まれている場合には、前記ステッ
プS12でマスタシリンダ2を切り離し、個別の圧力源
を各ホイールシリンダ1に接続すると共に制動力制御に
必要な指令値に応じた出力圧を各圧力制御弁10からホ
イールシリンダ1に供給し、更に前記ステップS14、
ステップS16を経てステップS19に移行し、ここで
制動力制御開始時のマスタシリンダ圧PM/C を基本マス
タシリンダ圧PM/C-0 として記憶した後、マスタシリン
ダ圧PM/C に減圧がない限り、ステップS21、ステッ
プS20、ステップS22、ステップS23、ステップ
S27〜ステップS29を経てステップS30に移行す
る。このステップS30では、前記基本マスタシリンダ
圧PM/C- 0 に所定圧ΔPを和して目標リリーフ圧PRL0
とし、次のステップS31では、ストロークシミュレー
タバルブ13に対し、リリーフ圧PRLが前記目標リリー
フ圧PRL0 に一致する電流制御信号を創成出力する。従
って、例えばそれまで全閉状態にあったストロークシミ
ュレータバルブ13は、この直後にリリーフ圧PRLが目
標リリーフ圧PRL0 、即ち制動力制御開始時のマスタシ
リンダ圧PM/C に所定圧ΔPを和した圧力値となるの
で、前記第1実施形態と同様に、例えば図6bに示すよ
うに、制動力制御開始後に更にブレーキペダル3を踏込
むと、マスタシリンダ圧PM/C の増圧に伴って作動流体
がストロークシミュレータ9内に流入し、当該ストロー
クシミュレータ9によりブレーキペダル3の踏み感が付
与、或いは保持される。
【0055】このように、本実施形態の制動力制御装置
によれば、ストロークシミュレータ9とマスタシリンダ
2との間に、電磁比例リリーフ弁からなるストロークシ
ミュレータバルブ13を介装し、例えばブレーキペダル
3の踏込み中に制動力制御が開始された場合には、その
リリーフ圧PRLを制動力制御開始時のマスタシリンダ圧
M/C に所定圧ΔPを和した圧力値とすることにより、
制動力制御開始と同時又はほぼ同時にマスタシリンダ2
からの作動流体がストロークシミュレータ9に流入し、
このストロークシミュレータ9によりブレーキペダル3
の踏み感が付与されるようにしたため、運転者がブレー
キペダルの踏み感に違和感を覚えることがない。
【0056】また、特に制動力制御開始時のマスタシリ
ンダ圧PM/C が大きいときには前記所定圧ΔPが大きく
なり、結果的に目標リリーフ圧PRL0 が当該制動力制御
開始時のマスタシリンダ圧PM/C より大きな値になるよ
うにしたため、例えばブレーキペダル3を速く又は強く
踏込んだ状態で、制動力制御開始後にブレーキペダル3
を更に踏増ししても直ちには作動流体がストロークシミ
ュレータ9内に流入せず、マスタシリンダ圧PM/C の増
圧を僅かに待ってからストロークシミュレータ9内に流
入するため、この間にブレーキペダル3の踏み感に硬さ
が加わり、それがブレーキペダルを速く或いは強く踏込
んだときの剛性感となり、更にブレーキペダルの踏み感
を良好なものとすることができる。逆に制動力制御開始
時のマスタシリンダ圧PM/C が小さいときには前記所定
圧ΔPが小さいので、目標リリーフ圧PRL0 は当該制動
力制御開始時のマスタシリンダ圧PM/C と同程度とな
り、例えばブレーキペダル3をゆっくりと或いは弱く踏
込んだ状態で、制動力制御開始後にブレーキペダル3を
踏増しするような場合には、作動流体が直ちにストロー
クシミュレータ9内に流入するため、ブレーキペダル3
の踏み感は穏やかなものとなり、前記ブレーキペダル3
を速く又は強く踏込んだときのものと比較して、ブレー
キペダルの踏み感を良好なものとすることができる。
【0057】また、ブレーキペダル3を踏込んでいない
状態で制動力制御が必要となった場合には、予めストロ
ークシミュレータバルブ13のリリーフ圧PRLを小さ
く、この実施形態では最小にしているため、例えばその
後にブレーキペダル3を踏込むと、マスタシリンダ2か
らの作動流体はストロークシミュレータ9内に即座に流
入し、このストロークシミュレータ9によりブレーキペ
ダル3の踏み感が付与されるので、運転者はブレーキペ
ダルの踏み感に違和感を覚えることがない。
【0058】また、本実施形態では、ブレーキペダル3
をポンピング操作したときのマスタシリンダ圧PM/C
変化にも対応できるようになっている。即ち、ブレーキ
ペダル3をポンピング操作することにより、マスタシリ
ンダ圧PM/C が減圧し、それが所定時間継続すると、前
記ステップS23からステップS26に移行するフロー
が繰り返され、その結果、マスタシリンダ圧減圧カウン
タCがインクリメントされ、それが所定カウントアップ
値C0 以上になると、前記ステップS28からステップ
S29に移行して、前記マスタシリンダ圧減圧制御フラ
グFが“1”にセットされる。そして、その後、マスタ
シリンダ圧PM/C が再増圧されると、前記ステップS2
0からステップS22を経てステップS24に移行し、
ここで再増圧開始時のマスタシリンダ圧PM/C を基本マ
スタシリンダ圧PM/C-0 に設定する。従って、これ以後
は、前記ステップS30で、この基本マスタシリンダ圧
M/C-0 、即ち再増圧開始時のマスタシリンダ圧PM/C
に前記所定圧ΔPを和して目標リリーフ圧PRL0 とし、
次のステップS31では、ストロークシミュレータバル
ブ13に対し、リリーフ圧PRLが前記目標リリーフ圧P
RL0 に一致する電流制御信号を創成出力する。従って、
例えば図9に示すように、ブレーキペダル3の踏込み中
に制動力制御が開始された場合には、ブレーキペダル3
のポンピング操作でマスタシリンダ圧PM/C が再増圧す
るまでは、前記ストロークシミュレータバルブ13のの
リリーフ圧PRLを制動力制御開始時のマスタシリンダ圧
M/Cに所定圧ΔPを和した圧力値とするが、マスタシ
リンダ圧PM/C が再増圧されたら、そのときのマスタシ
リンダPM/C に所定圧ΔPを和した圧力値とするので、
ブレーキペダル3の再踏込みと同時又はほぼ同時にマス
タシリンダ2からの作動流体がストロークシミュレータ
9に流入し、このストロークシミュレータ9によりブレ
ーキペダル3の踏み感が付与されるようにしたため、運
転者がブレーキペダルの踏み感に違和感を覚えることが
ない。また、この場合も、前記再増圧開始時のマスタシ
リンダ圧PM/C に対し、当該マスタシリンダ圧PM/C
大きさに応じて変化する所定圧ΔPを和して目標リリー
フ圧PRLとしているので、ブレーキペダル踏込み時の剛
性感は達成され続ける。
【0059】以上より、図1に示すコントロールユニッ
トが本発明の制御手段を構成し、以下同様に図7の演算
処理がリリーフ圧制御手段を構成している。なお、前期
実施形態では、コントロールユニット内の演算処理機能
をマイクロコンピュータで実行するように構成したが、
これに代えて各種の演算処理回路を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制動力制御装置の一例を示す制動用作
動流体圧系の構成図である。
【図2】図1の制動用作動流体圧系に介装された電磁比
例リリーフ弁の構造説明図である。
【図3】図2の電磁比例リリーフ弁の特性図である。
【図4】図2の電磁比例リリーフ弁を用いた場合のマス
タシリンダ圧とペダルストロークとの関係を示す説明図
である。
【図5】図1のコントロールユニットで行われる電磁弁
駆動のための演算処理の第1実施形態を示すフローチャ
ートである。
【図6】本発明の制動力制御装置の作用説明図である。
【図7】図1のコントロールユニットで行われる電磁弁
駆動のための演算処理の第2実施形態を示すフローチャ
ートである。
【図8】図7の演算処理で用いられる制御マップであ
る。
【図9】本発明の制動力制御装置の作用説明図である。
【図10】一般的なマスタシリンダ圧とペダルストロー
クとの関係を示す説明図である。
【図11】従来の制動力制御装置の一例を示す制動用作
動流体圧系の構成図である。
【図12】従来の制動力制御装置の作用説明図である。
【符号の説明】
1はホイールシリンダ(制動用シリンダ) 2はマスタシリンダ 3はブレーキペダル 4はリザーバ 5はコントロールユニット 6はポンプ 7はモータ 8はアキュームレータ 9はストロークシミュレータ 10は圧力制御弁 11はバックアップバルブ(電磁切換弁) 12はチェック弁 13はストロークシミュレータバルブ(電磁比例リリー
フ弁) 14はプレッシャーサプライバルブ 15はリターンバルブ 17は圧力センサ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキペダルの踏込みによって作動流
    体圧を昇圧し、その作動流体圧を出力可能なマスタシリ
    ンダと、このマスタシリンダとは個別に作動流体圧を昇
    圧可能な圧力源と、この圧力源からの作動流体圧を調圧
    制御して所定の作動流体圧とする圧力制御弁と、少なく
    とも前記マスタシリンダと各車輪の制動用シリンダとの
    間の流体路を断続する電磁切換弁と、前記マスタシリン
    ダからの作動流体圧を検出する作動流体圧検出手段と、
    少なくとも前記作動流体圧検出手段で検出されるマスタ
    シリンダの出力作動流体圧に基づいて、各車輪の制動用
    シリンダの作動流体圧を制御するために、少なくとも前
    記圧力制御弁及び電磁切換弁を駆動するための制御信号
    を出力する制御手段と、前記ブレーキペダルの踏込みに
    よってマスタシリンダから送られる作動流体を吸収し、
    当該ブレーキペダルの踏み感を付与するためのストロー
    クシミュレータと、このストロークシミュレータとマス
    タシリンダとの間に介装され、マスタシリンダからの作
    動流体がストロークシミュレータに流入する圧力値を供
    給電流値によって調整可能な電磁比例リリーフ弁と、こ
    の電磁比例リリーフ弁に並設され、前記ストロークシミ
    ュレータからマスタシリンダへの作動流体の流れのみを
    許容するチェック弁とを備えたことを特徴とする制動力
    制御装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記作動流体圧検出手
    段によって検出される、各車輪の制動用シリンダの作動
    流体圧の制御が開始されたときのマスタシリンダからの
    作動流体圧に基づいて、前記マスタシリンダからの作動
    流体がストロークシミュレータに流入する、前記電磁比
    例リリーフ弁の圧力値を制御するリリーフ圧制御手段を
    備えたことを特徴とする請求項1に記載の制動力制御装
    置。
  3. 【請求項3】 前記リリーフ圧制御手段は、前記ブレー
    キペダルの踏込みがない状態で各車輪の制動用シリンダ
    の作動流体圧の制御が開始されたときには、前記電磁比
    例リリーフ弁の圧力値を小さく設定することを特徴とす
    る請求項2に記載の制動力制御装置。
  4. 【請求項4】 前記リリーフ圧制御手段は、前記ブレー
    キペダルが踏込まれた状態で各車輪の制動用シリンダの
    作動流体圧の制御が開始されたときには、前記電磁比例
    リリーフ弁の圧力値を、各車輪の制動用シリンダの作動
    流体圧の制御が開始されたときの前記マスタシリンダか
    らの作動流体圧と同等に設定することを特徴とする請求
    項2又は3に記載の制動力制御装置。
  5. 【請求項5】 前記リリーフ圧制御手段は、前記ブレー
    キペダルが踏込まれた状態で各車輪の制動用シリンダの
    作動流体圧の制御が開始されたときには、前記電磁比例
    リリーフ弁の圧力値を、各車輪の制動用シリンダの作動
    流体圧の制御が開始されたときの前記マスタシリンダか
    らの作動流体圧に所定圧を付加した圧力値に設定するこ
    とを特徴とする請求項2又は3に記載の制動力制御装
    置。
  6. 【請求項6】 前記リリーフ圧制御手段は、前記電磁比
    例リリーフ弁の圧力値を設定するために前記マスタシリ
    ンダからの作動流体圧に付加する所定圧を、当該マスタ
    シリンダからの作動流体圧の増加と共に大きく設定する
    ことを特徴とする請求項5に記載の制動力制御装置。
  7. 【請求項7】 前記リリーフ圧制御手段は、前記マスタ
    シリンダからの作動流体圧が減少し、再び増加するとき
    には、当該再増加時のマスタシリンダからの作動流体圧
    を用いて前記電磁比例リリーフ弁の圧力値を設定するこ
    とを特徴とする請求項4乃至6の何れかに記載の制動力
    制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006076564A (ja) * 2004-09-08 2006-03-23 Robert Bosch Gmbh 自動車のためのブレーキ装置

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