JP2001212836A - Frp成形品の製造方法 - Google Patents
Frp成形品の製造方法Info
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- JP2001212836A JP2001212836A JP2000026653A JP2000026653A JP2001212836A JP 2001212836 A JP2001212836 A JP 2001212836A JP 2000026653 A JP2000026653 A JP 2000026653A JP 2000026653 A JP2000026653 A JP 2000026653A JP 2001212836 A JP2001212836 A JP 2001212836A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ピンホールや巣の発生による外観不良が改善
された、底部の外側にボス又はリブを有するFRP成形
品の製造方法を提供する。 【解決手段】 繊維補強不飽和ポリエステル樹脂成形材
料20aを上型11と下型12とからなる金型10内に
装填し熱圧成形することにより、底部にボス又はリブ2
1を有し、且つ好ましくは側面に段部が形成されたFR
P成形品(浴槽)20を製造する方法において、繊維補
強不飽和ポリエステル樹脂成形材料として、内部離型剤
であるステアリン酸亜鉛とともにステアリン酸カルシウ
ムを含有する繊維補強不飽和ポリエステル樹脂成形材料
20aを用いる。なお、22はFRP成形品(浴槽)2
0の側面に形成された段部(肘掛け部)である。
された、底部の外側にボス又はリブを有するFRP成形
品の製造方法を提供する。 【解決手段】 繊維補強不飽和ポリエステル樹脂成形材
料20aを上型11と下型12とからなる金型10内に
装填し熱圧成形することにより、底部にボス又はリブ2
1を有し、且つ好ましくは側面に段部が形成されたFR
P成形品(浴槽)20を製造する方法において、繊維補
強不飽和ポリエステル樹脂成形材料として、内部離型剤
であるステアリン酸亜鉛とともにステアリン酸カルシウ
ムを含有する繊維補強不飽和ポリエステル樹脂成形材料
20aを用いる。なお、22はFRP成形品(浴槽)2
0の側面に形成された段部(肘掛け部)である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外観良好なFRP
成形品の製造方法に関する。
成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シートモールディングコンパウンド(S
MC)やバルクモールディングコンパウンド(BMC)
などの繊維補強不飽和ポリエステル樹脂樹脂成形材料を
上型と下型とからなる金型内に装填し熱圧成形すること
により、浴槽などのFRP成形品を製造する方法は広く
知られている(例えば、特開昭57−41918号公報
及び特開昭59−108036号公報参照)。
MC)やバルクモールディングコンパウンド(BMC)
などの繊維補強不飽和ポリエステル樹脂樹脂成形材料を
上型と下型とからなる金型内に装填し熱圧成形すること
により、浴槽などのFRP成形品を製造する方法は広く
知られている(例えば、特開昭57−41918号公報
及び特開昭59−108036号公報参照)。
【0003】このような繊維補強不飽和ポリエステル樹
脂樹脂成形材料を用いて、底部にボス又はリブを有する
浴槽や防水パンのようなFRP成形品を熱圧成形する場
合は、底部にボス又はリブ形成用の凹部を有する金型が
使用され、上記成形材料は、ボス又はリブ形成用の凹部
には充填されることなく、この凹部の上方の金型内に載
置された状態で熱圧成形されている。
脂樹脂成形材料を用いて、底部にボス又はリブを有する
浴槽や防水パンのようなFRP成形品を熱圧成形する場
合は、底部にボス又はリブ形成用の凹部を有する金型が
使用され、上記成形材料は、ボス又はリブ形成用の凹部
には充填されることなく、この凹部の上方の金型内に載
置された状態で熱圧成形されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような底部にボ
ス又はリブを有するFRP成形品を製造する方法にあっ
ては、熱圧成形の際に、加熱により成形材料を構成する
不飽和ポリエステル樹脂の増粘結合(酸化マグネシウム
等の化学増粘剤により増粘結合されている)が分断され
て粘度が急激に低下し、型締め開始とともに低い圧力で
も流動していき、成形材料がボス又はリブ形成用の凹部
に十分に充満されない状態で型締めが行われる。
ス又はリブを有するFRP成形品を製造する方法にあっ
ては、熱圧成形の際に、加熱により成形材料を構成する
不飽和ポリエステル樹脂の増粘結合(酸化マグネシウム
等の化学増粘剤により増粘結合されている)が分断され
て粘度が急激に低下し、型締め開始とともに低い圧力で
も流動していき、成形材料がボス又はリブ形成用の凹部
に十分に充満されない状態で型締めが行われる。
【0005】そのため、金型のボス又はリブ形成用の凹
部に空気が閉じ込められ、この閉じ込まれた空気が型締
め終了間近の高い圧力により押し出されて、成形材料が
比較的流動しにくい金型の段部や角部(これによりFR
P成形品の側面に段部や角部が形成される)に溜まり、
この空気に起因して得られるFRP成形品の側面の段部
や角部などにピンホールや巣が発生し、外観が損なわれ
る。なお、底部にボス又はリブを有しないFRP成形品
を製造する場合は、このような問題は生じない。
部に空気が閉じ込められ、この閉じ込まれた空気が型締
め終了間近の高い圧力により押し出されて、成形材料が
比較的流動しにくい金型の段部や角部(これによりFR
P成形品の側面に段部や角部が形成される)に溜まり、
この空気に起因して得られるFRP成形品の側面の段部
や角部などにピンホールや巣が発生し、外観が損なわれ
る。なお、底部にボス又はリブを有しないFRP成形品
を製造する場合は、このような問題は生じない。
【0006】本発明は、上記のような従来技術の問題点
に鑑みてなされたもので、ピンホールや巣の発生による
外観不良が改善された、底部にボス又はリブを有するF
RP成形品の製造方法を提供することを目的とする。
に鑑みてなされたもので、ピンホールや巣の発生による
外観不良が改善された、底部にボス又はリブを有するF
RP成形品の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明では、繊維補強不飽和ポリエステ
ル樹脂成形材料を上型と下型とからなる金型内に装填し
熱圧成形することにより、底部にボス又はリブを有する
FRP成形品を製造する方法において、繊維補強不飽和
ポリエステル樹脂成形材料として、内部離型剤であるス
テアリン酸亜鉛とともにステアリン酸カルシウムとを含
有する繊維補強不飽和ポリエステル樹脂成形材料を用い
ることを特徴とするFRP成形品の製造方法が提供され
る。
めに、請求項1の発明では、繊維補強不飽和ポリエステ
ル樹脂成形材料を上型と下型とからなる金型内に装填し
熱圧成形することにより、底部にボス又はリブを有する
FRP成形品を製造する方法において、繊維補強不飽和
ポリエステル樹脂成形材料として、内部離型剤であるス
テアリン酸亜鉛とともにステアリン酸カルシウムとを含
有する繊維補強不飽和ポリエステル樹脂成形材料を用い
ることを特徴とするFRP成形品の製造方法が提供され
る。
【0008】また、請求項2の発明では、繊維補強不飽
和ポリエステル樹脂成形材料を上型と下型とからなる金
型内に装填し熱圧成形することにより、底部にボス又は
リブを有し且つ側面に段部又は角部が形成されたFRP
成形品を製造する方法において、繊維補強不飽和ポリエ
ステル樹脂成形材料として、内部離型剤であるステアリ
ン酸亜鉛とともにステアリン酸カルシウムを含有する繊
維補強不飽和ポリエステル樹脂成形材料を用いることを
特徴とするFRP成形品の製造方法が提供される。
和ポリエステル樹脂成形材料を上型と下型とからなる金
型内に装填し熱圧成形することにより、底部にボス又は
リブを有し且つ側面に段部又は角部が形成されたFRP
成形品を製造する方法において、繊維補強不飽和ポリエ
ステル樹脂成形材料として、内部離型剤であるステアリ
ン酸亜鉛とともにステアリン酸カルシウムを含有する繊
維補強不飽和ポリエステル樹脂成形材料を用いることを
特徴とするFRP成形品の製造方法が提供される。
【0009】本発明において、繊維補強不飽和ポリエス
テル樹脂成形材料としては、シートモールディングコン
パウンド(SMC)やバルクモールディングコンパウン
ド(BMC)などが用いられる。この場合、着色剤や加
飾用柄材を用いて、SMCやBMCを石目模様などに加
飾してもよい。また、SMCやBMCを単独で熱圧成形
する以外に、加飾されたSMCやBMCを表面材とし、
加飾されない普通のSMCやBMCを裏側材とした積層
構成で用いることもできる。
テル樹脂成形材料としては、シートモールディングコン
パウンド(SMC)やバルクモールディングコンパウン
ド(BMC)などが用いられる。この場合、着色剤や加
飾用柄材を用いて、SMCやBMCを石目模様などに加
飾してもよい。また、SMCやBMCを単独で熱圧成形
する以外に、加飾されたSMCやBMCを表面材とし、
加飾されない普通のSMCやBMCを裏側材とした積層
構成で用いることもできる。
【0010】上記SMCやBMCは、従来公知のSMC
製造法やBMC製造法と同様な方法で製造される。例え
ば、不飽和ポリエステル及びこれと共重合する架橋用ビ
ニルモノマーからなる不飽和ポリエステル樹脂に、硬化
触媒、化学増粘剤、収縮防止用樹脂、無機充填剤、内部
離型剤、安定剤、顔料、加飾用柄材などの公知の配合剤
を必要に応じて適量混合して樹脂組成物を調製し、この
樹脂組成物を補強用ガラス繊維チョップと混合するか
(BMCの場合)或いは補強用ガラス繊維チョップ層に
含浸させ(SMCの場合)、これを所定の温度及び時間
で熟成増粘して製造される。
製造法やBMC製造法と同様な方法で製造される。例え
ば、不飽和ポリエステル及びこれと共重合する架橋用ビ
ニルモノマーからなる不飽和ポリエステル樹脂に、硬化
触媒、化学増粘剤、収縮防止用樹脂、無機充填剤、内部
離型剤、安定剤、顔料、加飾用柄材などの公知の配合剤
を必要に応じて適量混合して樹脂組成物を調製し、この
樹脂組成物を補強用ガラス繊維チョップと混合するか
(BMCの場合)或いは補強用ガラス繊維チョップ層に
含浸させ(SMCの場合)、これを所定の温度及び時間
で熟成増粘して製造される。
【0011】上記液状の不飽和ポリエステル樹脂は、無
水マレイン酸、フマル酸のような不飽和多塩基酸(必要
に応じて無水フタル酸のような飽和多塩基酸を併用す
る)と、エチレングリコール、プロピレンレングリコー
ル、ブチレングリコール、ジエチレングリコールのよう
な多価アルコールとを反応させて得られる不飽和ポリエ
ステルを、これと重合するスチレン、ビニルトルエン、
メチルメタクリレートのような架橋用ビニルモノマーに
溶解した液状樹脂である。
水マレイン酸、フマル酸のような不飽和多塩基酸(必要
に応じて無水フタル酸のような飽和多塩基酸を併用す
る)と、エチレングリコール、プロピレンレングリコー
ル、ブチレングリコール、ジエチレングリコールのよう
な多価アルコールとを反応させて得られる不飽和ポリエ
ステルを、これと重合するスチレン、ビニルトルエン、
メチルメタクリレートのような架橋用ビニルモノマーに
溶解した液状樹脂である。
【0012】硬化触媒としては、t−ブチルパーオキシ
ベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキ
サノエート、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−
ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、1,1−
ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサノンなどの有機過酸化物を単独で或いは特定
の2種以上を混合して用いられる。
ベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキ
サノエート、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−
ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、1,1−
ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサノンなどの有機過酸化物を単独で或いは特定
の2種以上を混合して用いられる。
【0013】化学増粘剤としては、水酸化マグネシウム
や酸化マグネシウムなどが用いられる。収縮防止用樹脂
としては、ポリスチレンやポリエチレンやスチレン−無
水マレイン酸共重合体などの熱可塑性樹脂が用いられ
る。内部離型剤としては、ステアリン酸亜鉛やステアリ
ン酸カルシウムなどが用いられる。安定剤としては、例
えば、ハイドロキノンやパラベンゾキノンなどが用いら
れる。
や酸化マグネシウムなどが用いられる。収縮防止用樹脂
としては、ポリスチレンやポリエチレンやスチレン−無
水マレイン酸共重合体などの熱可塑性樹脂が用いられ
る。内部離型剤としては、ステアリン酸亜鉛やステアリ
ン酸カルシウムなどが用いられる。安定剤としては、例
えば、ハイドロキノンやパラベンゾキノンなどが用いら
れる。
【0014】また、無機充填剤としては、炭酸カルシウ
ム、水酸化アルミニウム、クレー、ガラス粉などに用い
られる。また、顔料としては、二酸化チタン、カーボン
ブラック、フタロシアニンブルー、弁柄などが用いられ
る。加飾用柄材としては、着色マイカ(白マイカや黒白
マイカ)、着色アルミフレーク、着色されたポリエチレ
ンフィルム、塩化ビニルフイルム、ポリカーボネートフ
ィルム、ポリエステルフイルムなどの着色されたプラス
チックフィルムの裁断片が用いられる。
ム、水酸化アルミニウム、クレー、ガラス粉などに用い
られる。また、顔料としては、二酸化チタン、カーボン
ブラック、フタロシアニンブルー、弁柄などが用いられ
る。加飾用柄材としては、着色マイカ(白マイカや黒白
マイカ)、着色アルミフレーク、着色されたポリエチレ
ンフィルム、塩化ビニルフイルム、ポリカーボネートフ
ィルム、ポリエステルフイルムなどの着色されたプラス
チックフィルムの裁断片が用いられる。
【0015】特に、本発明においては、内部離型剤とし
て、ステアリン酸亜鉛とともにステアリン酸カルシウム
が併用される。従来、この種の成形方法では内部離型剤
としてステアリン酸亜鉛が専ら用いられているが、ステ
アリン酸亜鉛のみの配合では、型締めの後のFRP成形
品の脱型はスムーズに行われるが、得られるFRP成形
品の段部などにピンホールや巣が発生し、外観不良とな
る。逆に、ステアリン酸カルシウムのみの配合では、得
られるFRP成形品の段部などにピンホールや巣が発生
しにくくなるが、離型性が劣り脱型性が劣り、しかも、
得られるFRP成形品の表面にクラックが発生し、外観
不良となる。
て、ステアリン酸亜鉛とともにステアリン酸カルシウム
が併用される。従来、この種の成形方法では内部離型剤
としてステアリン酸亜鉛が専ら用いられているが、ステ
アリン酸亜鉛のみの配合では、型締めの後のFRP成形
品の脱型はスムーズに行われるが、得られるFRP成形
品の段部などにピンホールや巣が発生し、外観不良とな
る。逆に、ステアリン酸カルシウムのみの配合では、得
られるFRP成形品の段部などにピンホールや巣が発生
しにくくなるが、離型性が劣り脱型性が劣り、しかも、
得られるFRP成形品の表面にクラックが発生し、外観
不良となる。
【0016】内部離型剤であるステアリン酸亜鉛ととも
にステアリン酸カルシウムを併用すると、得られるFR
P成形品の段部などにピンホールや巣が発生せず、しか
も得られるFRP成形品の表面にクラックも発生しなく
なることを見出した。この場合、ステアリン酸亜鉛:ス
テアリン酸カルシウムの割合は、特に限定されないが、
重量比で40:60〜60:40の範囲が好適である。
そして、樹脂成分100重量部に対して、一般にステア
リン酸亜鉛とステアリン酸カルシウムとの合計量で2〜
8重量部が配合されるのが好ましい。
にステアリン酸カルシウムを併用すると、得られるFR
P成形品の段部などにピンホールや巣が発生せず、しか
も得られるFRP成形品の表面にクラックも発生しなく
なることを見出した。この場合、ステアリン酸亜鉛:ス
テアリン酸カルシウムの割合は、特に限定されないが、
重量比で40:60〜60:40の範囲が好適である。
そして、樹脂成分100重量部に対して、一般にステア
リン酸亜鉛とステアリン酸カルシウムとの合計量で2〜
8重量部が配合されるのが好ましい。
【0017】上記のような繊維補強不飽和ポリエステル
樹脂成形材料を用いて、底部にリブを有するFRP成形
品(浴槽)を製造する方法を説明する。図1(イ)、
(ロ)は浴槽の製造方法を示す断面図である。
樹脂成形材料を用いて、底部にリブを有するFRP成形
品(浴槽)を製造する方法を説明する。図1(イ)、
(ロ)は浴槽の製造方法を示す断面図である。
【0018】先ず、図1(イ)に示すように、凹型を下
型12とし凸型を上型11とする金型(浴槽成形用金
型)10を用い、低温成形では金型10を約50〜12
0℃、高温成形では金型10を約120〜180℃に加
熱した後、金型10の下型12のリブ形成用の凹部13
の上方に成形材料20aを載置した状態で装填する。こ
の場合、成形材料20aはFRP成形品(浴槽)を成形
するための量に相当する量になるように数枚を重ねて下
型12の内面に装填する。
型12とし凸型を上型11とする金型(浴槽成形用金
型)10を用い、低温成形では金型10を約50〜12
0℃、高温成形では金型10を約120〜180℃に加
熱した後、金型10の下型12のリブ形成用の凹部13
の上方に成形材料20aを載置した状態で装填する。こ
の場合、成形材料20aはFRP成形品(浴槽)を成形
するための量に相当する量になるように数枚を重ねて下
型12の内面に装填する。
【0019】次いで、図1(ロ)に示すように、型を閉
めて、低圧成形では約0.098〜1.96MPa、高
圧成形では約1.96〜14.7MPaの圧力で約30
秒〜20分間加圧して熱圧成形する。ここで、成形材料
20aは熱流動して金型10の上型11と下型12との
隙間の全体に充満した状態で樹脂が硬化する。その後、
金型10を開いて浴槽成形品20を脱型する。
めて、低圧成形では約0.098〜1.96MPa、高
圧成形では約1.96〜14.7MPaの圧力で約30
秒〜20分間加圧して熱圧成形する。ここで、成形材料
20aは熱流動して金型10の上型11と下型12との
隙間の全体に充満した状態で樹脂が硬化する。その後、
金型10を開いて浴槽成形品20を脱型する。
【0020】こうして、底部の外側にリブ21を有し、
外観良好な浴槽20が得られる。なお、14は上型11
に形成された肘掛け形成用の段部であって、この段部1
4によって浴槽20の側面に段部(肘掛け部)22が形
成される。
外観良好な浴槽20が得られる。なお、14は上型11
に形成された肘掛け形成用の段部であって、この段部1
4によって浴槽20の側面に段部(肘掛け部)22が形
成される。
【0021】(作用)内部離型剤であるステアリン酸亜
鉛とともにステアリン酸カルシウムを含有する熱圧成形
用繊維補強不飽和ポリエステル樹脂成形材料は、特にス
テアリン酸カルシウムの作用により熱圧成形時に熱流動
性が適度に抑えられ、しかも、従来と同様にステアリン
酸亜鉛により離型性が発現する。
鉛とともにステアリン酸カルシウムを含有する熱圧成形
用繊維補強不飽和ポリエステル樹脂成形材料は、特にス
テアリン酸カルシウムの作用により熱圧成形時に熱流動
性が適度に抑えられ、しかも、従来と同様にステアリン
酸亜鉛により離型性が発現する。
【0022】それゆえ、このような繊維補強不飽和ポリ
エステル樹脂成形材料を用いて、熱圧成形により底部に
ボス又はリブを有するFRP成形品を製造すると、熱圧
成形の際に、金型のボス又はリブ形成用の凹部にも成形
材料が良好に充満されながら全体に流動していき、型閉
めが完了する。
エステル樹脂成形材料を用いて、熱圧成形により底部に
ボス又はリブを有するFRP成形品を製造すると、熱圧
成形の際に、金型のボス又はリブ形成用の凹部にも成形
材料が良好に充満されながら全体に流動していき、型閉
めが完了する。
【0023】そのため、金型のボス又はリブ形成用の凹
部に空気が溜まることがなく、得られる成形品の段部や
角部にピンホールや巣が発生しにくくなる。
部に空気が溜まることがなく、得られる成形品の段部や
角部にピンホールや巣が発生しにくくなる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例及び比較例
により説明する。 (実施例1) <繊維強化不飽和ポリエステル樹脂成形材料(SMC)
の作製>イソフタル酸系の不飽和ポリエステル樹脂(数
平均分子量2,000)のスチレンモノマー溶液(スチ
レンモノマー濃度40重量%)80重量部、ポリスチレ
ン樹脂(数平均分子量120,000)のスチレンモノ
マー溶液(スチレンモノマー濃度50重量%)20重量
部、硬化剤(t−ブチルパーオキシベンゾエート)1重
量部、無機充填剤(平均粒径13μmの炭酸カルシウ
ム)160重量部、化学増粘剤(酸化マグネシウム)1
重量部、内部離型剤(ステアリン酸亜鉛2.5重量部、
ステアリン酸カルシウム2.5重量部)及び白色顔料1
重量部を配合して、樹脂組成物のペーストを調製した。
により説明する。 (実施例1) <繊維強化不飽和ポリエステル樹脂成形材料(SMC)
の作製>イソフタル酸系の不飽和ポリエステル樹脂(数
平均分子量2,000)のスチレンモノマー溶液(スチ
レンモノマー濃度40重量%)80重量部、ポリスチレ
ン樹脂(数平均分子量120,000)のスチレンモノ
マー溶液(スチレンモノマー濃度50重量%)20重量
部、硬化剤(t−ブチルパーオキシベンゾエート)1重
量部、無機充填剤(平均粒径13μmの炭酸カルシウ
ム)160重量部、化学増粘剤(酸化マグネシウム)1
重量部、内部離型剤(ステアリン酸亜鉛2.5重量部、
ステアリン酸カルシウム2.5重量部)及び白色顔料1
重量部を配合して、樹脂組成物のペーストを調製した。
【0025】慣用のSMC製造装置を用い、一方のキャ
リヤーフィルム(ポリエチレンフィルム)の片面に、上
記樹脂組成物のペーストを塗布し、他方のキャリヤーフ
ィルムの片面にも上記樹脂組成物のペーストを塗布し、
この両方のキャリヤーフィルムの塗布面同士をガラス繊
維チョップ層(繊維長さ1インチ)を介して挟着し、こ
のガラス繊維チョップ層に上記両方のペーストを含浸さ
せ、これを40℃で2日間熟成増粘させて、厚さ3mm
の繊維強化樹脂成形材料(SMC)を作製した。なお、
ガラス繊維チョップ層は全体の25重量%となるように
調節した。
リヤーフィルム(ポリエチレンフィルム)の片面に、上
記樹脂組成物のペーストを塗布し、他方のキャリヤーフ
ィルムの片面にも上記樹脂組成物のペーストを塗布し、
この両方のキャリヤーフィルムの塗布面同士をガラス繊
維チョップ層(繊維長さ1インチ)を介して挟着し、こ
のガラス繊維チョップ層に上記両方のペーストを含浸さ
せ、これを40℃で2日間熟成増粘させて、厚さ3mm
の繊維強化樹脂成形材料(SMC)を作製した。なお、
ガラス繊維チョップ層は全体の25重量%となるように
調節した。
【0026】<FRP成形品の製造>図1に示すような
凹型を下型12とし凸型を上型11とする浴槽成形用の
金型10を用いた。この金型10の下型12の底部には
リブ成形用の凹部13が格子状に形成されている。
凹型を下型12とし凸型を上型11とする浴槽成形用の
金型10を用いた。この金型10の下型12の底部には
リブ成形用の凹部13が格子状に形成されている。
【0027】上型11を145℃、下型12を125℃
に加熱した後、この下型12の底面に上記成形材料(S
MC)20aを約80%の面積で6枚重ねて載置した。
に加熱した後、この下型12の底面に上記成形材料(S
MC)20aを約80%の面積で6枚重ねて載置した。
【0028】その後、上型11を降下させて最終型締め
速度約1mm/秒で型閉めを行い、7.84MPaの圧
力で約10分間加圧して、成形材料(SMC)20aを
熱圧成形し、その後金型10を開いて脱型した。こうし
て、底部の外側にリブ21を有し且つ側壁に段部(肘掛
け部)22を有する浴槽20を製造した。
速度約1mm/秒で型閉めを行い、7.84MPaの圧
力で約10分間加圧して、成形材料(SMC)20aを
熱圧成形し、その後金型10を開いて脱型した。こうし
て、底部の外側にリブ21を有し且つ側壁に段部(肘掛
け部)22を有する浴槽20を製造した。
【0029】上記浴槽を10個成形し、この浴槽の全
体、特に側壁に段部におけるピンホールや巣の発生の有
無を調べたところ、全ての浴槽にピンホールや巣の発生
がなく、また表面のクラックもなく、外観良好であっ
た。
体、特に側壁に段部におけるピンホールや巣の発生の有
無を調べたところ、全ての浴槽にピンホールや巣の発生
がなく、また表面のクラックもなく、外観良好であっ
た。
【0030】(比較例1)実施例1において、内部離型
剤(ステアリン酸亜鉛2.5重量部、ステアリン酸カル
シウム2.5重量部)に替えて、内部離型剤(ステアリ
ン酸亜鉛5重量部)を配合した。それ以外は、実施例1
と同様に行った。この場合は、全ての浴槽に表面のクラ
ックはなかったが、10個中で5個の浴槽にピンホール
や巣の発生があった。
剤(ステアリン酸亜鉛2.5重量部、ステアリン酸カル
シウム2.5重量部)に替えて、内部離型剤(ステアリ
ン酸亜鉛5重量部)を配合した。それ以外は、実施例1
と同様に行った。この場合は、全ての浴槽に表面のクラ
ックはなかったが、10個中で5個の浴槽にピンホール
や巣の発生があった。
【0031】(比較例2)実施例1において、内部離型
剤(ステアリン酸亜鉛2.5重量部、ステアリン酸カル
シウム2.5重量部)に替えて、内部離型剤(ステアリ
ン酸カルシウム5重量部)を配合した。それ以外は、実
施例1と同様に行った。この場合は、10個中で2個の
浴槽にピンホールや巣の発生があり、また10個中で3
個の浴槽に表面のクラックがあった。
剤(ステアリン酸亜鉛2.5重量部、ステアリン酸カル
シウム2.5重量部)に替えて、内部離型剤(ステアリ
ン酸カルシウム5重量部)を配合した。それ以外は、実
施例1と同様に行った。この場合は、10個中で2個の
浴槽にピンホールや巣の発生があり、また10個中で3
個の浴槽に表面のクラックがあった。
【0032】
【発明の効果】上述のとおり、本発明の底部にボス又は
リブを有するFRP成形品の製造方法によれば、得られ
る成形品の屈曲部や角部にピンホールや巣が発生しにく
くなり、外観不良が改善される。
リブを有するFRP成形品の製造方法によれば、得られ
る成形品の屈曲部や角部にピンホールや巣が発生しにく
くなり、外観不良が改善される。
【0033】本発明方法は、特に、底部にボス又はリブ
を有し且つ側面に段部又は角部が形成されたFRP成形
品、例えば側面に段部(肘掛け部)が形成された浴槽、
角部(低面からほぼ垂直に立ち上がった部分)が形成さ
れた防水パンなどの成形に有効である。
を有し且つ側面に段部又は角部が形成されたFRP成形
品、例えば側面に段部(肘掛け部)が形成された浴槽、
角部(低面からほぼ垂直に立ち上がった部分)が形成さ
れた防水パンなどの成形に有効である。
【図1】本発明方法の一例を説明する断面図であり、
(イ)は金型を閉じる前の状態を示し、(ロ)は金型を
閉じた後の状態を示す。
(イ)は金型を閉じる前の状態を示し、(ロ)は金型を
閉じた後の状態を示す。
10 金型 11 上型(凸型) 12 下型(凹型) 13 リブ形成用の凹部 14 段部形成用の段部 20 成形品(浴槽) 20a 成形材料(SMC) 21 成形品のリブ 22 成形品の段部
Claims (2)
- 【請求項1】 繊維補強不飽和ポリエステル樹脂成形材
料を上型と下型とからなる金型内に装填し熱圧成形する
ことにより、底部にボス又はリブを有するFRP成形品
を製造する方法において、繊維補強不飽和ポリエステル
樹脂成形材料として、内部離型剤であるステアリン酸亜
鉛とともにステアリン酸カルシウムを含有する繊維補強
不飽和ポリエステル樹脂成形材料を用いることを特徴と
するFRP成形品の製造方法。 - 【請求項2】 繊維補強不飽和ポリエステル樹脂成形材
料を上型と下型とからなる金型内に装填し熱圧成形する
ことにより、底部にボス又はリブを有し且つ側面に段部
又は角部が形成されたFRP成形品を製造する方法にお
いて、繊維補強不飽和ポリエステル樹脂成形材料とし
て、内部離型剤であるステアリン酸亜鉛とともにステア
リン酸カルシウムを含有する繊維補強不飽和ポリエステ
ル樹脂成形材料を用いることを特徴とするFRP成形品
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000026653A JP2001212836A (ja) | 2000-02-03 | 2000-02-03 | Frp成形品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000026653A JP2001212836A (ja) | 2000-02-03 | 2000-02-03 | Frp成形品の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001212836A true JP2001212836A (ja) | 2001-08-07 |
Family
ID=18552363
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000026653A Pending JP2001212836A (ja) | 2000-02-03 | 2000-02-03 | Frp成形品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001212836A (ja) |
-
2000
- 2000-02-03 JP JP2000026653A patent/JP2001212836A/ja active Pending
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