JP2000327876A - 加飾用アクリル系バルクモールディングコンパウンド及び加飾成形品の成形方法 - Google Patents

加飾用アクリル系バルクモールディングコンパウンド及び加飾成形品の成形方法

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JP2000327876A
JP2000327876A JP11143707A JP14370799A JP2000327876A JP 2000327876 A JP2000327876 A JP 2000327876A JP 11143707 A JP11143707 A JP 11143707A JP 14370799 A JP14370799 A JP 14370799A JP 2000327876 A JP2000327876 A JP 2000327876A
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Yoshinori Kitagawa
善詔 北川
Hideaki Takezaki
秀昭 竹崎
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鮮やかさや光沢に優れ、透明感や深み感があ
り、天然の石目調に似た外観の美麗な加飾成形品を得る
ことのできる繊維強化の成形材料(加飾用アクリル系B
MC)及びそれを用いた加飾成形品の成形方法を提供す
る。 【解決手段】 この加飾用アクリル系BMCは、アクリ
ルシラップを用いた加飾用アクリル系BMCであって、
上記アクリルシラップ100重量部に対して、平均大き
さ0.1〜2.5mmの着色薄片状物質からなる加飾用
柄材3〜30重量部が含有されてなる。この加飾用アク
リル系BMCからなる表面材と加飾用柄材を含有しない
繊維補強熱硬化性樹脂成形材料(汎用のSMCなど)か
らなる裏側材とを重ね、これを金型内で熱圧成形するこ
とにより加飾成形品を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクリルシラップ
を用いた加飾用アクリル系バルクモールディングコンパ
ウンド及び加飾成形品の成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】石目調の外観を有する繊維強化の加飾成
形品(浴槽や洗面化粧台など)を得るための成形材料と
して、特開昭59−108036号公報には、400〜
16メッシュサイズの薄片状物質(マイカ片、アルミホ
イル片、ポリエステルフィルム片など)からなる加飾用
柄材を0.5〜20重量%を含有するシートモールディ
ングコンパウンド(一般にSMCと略称される)が提案
されている。
【0003】この場合、SMCを構成する樹脂成分とし
ては、不飽和ポリエステル樹脂が用いられており、得ら
れる加飾成形品の鮮やかさや光沢の点でまだ改善の余地
がある。また、天然の石目調に似た外観の加飾成形品を
得るには、加飾用柄材を比較的多量に含有させねばなら
ないが、SMCは、キャリアーフィルム上にペースト状
の原料組成物をシート状にコーティングして製造するの
で、原料組成物の粘度が上昇してSMCの製造に支障が
生じる。
【0004】一方、特開昭57−41918号公報に
は、通常のシートモールディングコンパウンド(一般に
SMCと略称される)やバルクモールディングコンパウ
ンド(一般にBMCと略称される)と、これ等のSMC
やBMCよりも熱圧成形時の流動性を抑えたSMCやB
MCとを模様が出現するように重ね、これを金型内で熱
圧成形することにより、不自然な流れ模様がなく、深み
のある優雅な模様を有する成形品(浴槽など)を製造す
る方法が提案されている。
【0005】この場合も、SMCを構成する樹脂成分と
しては、不飽和ポリエステル樹脂が用いられており、得
られる加飾成形品の鮮やかさや光沢の点でまだ改善の余
地がある。また、易流動性の色違いコンパウンドを用
い、金型内を流動させることによってマーブル調の模様
を現出しようとする上記方法は、その意匠に再現性がな
く外観に微妙な差異が現れるため、例えば浴槽や床パン
に色のかたよりがあった場合、浴室の壁との色のバラン
スが崩れる。また、SMCやBMCの流動性の差異によ
って模様を出現させるものであるため、外観の深みに欠
ける。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決するもので、その目的とするところは、鮮やかさ
や光沢に優れ、透明感や深み感があり、天然の石目調に
似た外観の美麗な加飾成形品を得ることのできる繊維強
化の成形材料(加飾用アクリル系バルクモールディング
コンパウンド)及びそれを用いた加飾成形品の成形方法
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明では、アクリルシラップを用いた
加飾用アクリル系バルクモールディングコンパウンドで
あって、上記アクリルシラップ100重量部に対して、
平均大きさ0.1〜2.5mmの着色薄片状物質からな
る加飾用柄材3〜30重量部が含有されていることを特
徴とする加飾用アクリル系バルクモールディングコンパ
ウンドが提供される。
【0008】また、請求項2の発明では、請求項1に記
載の加飾用アクリル系バルクモールディングコンパウン
ドと加飾用柄材を含有しない繊維強化熱硬化性樹脂成形
材料とを重ね、金型内で加圧成形することを特徴とする
加飾成形品の成形方法が提供される。
【0009】さらに、請求項3の発明では、請求項1記
載の加飾用アクリル系バルクモールディングコンパウン
ドと加飾用柄材を含有しない繊維強化熱硬化性樹脂成形
材料との間にシート状隔離材料を挟み、金型内で加圧成
形することを特徴とする加飾
【0010】<先ず、請求項1に記載の発明について、
詳しく説明する。>請求項1の発明において、加飾用ア
クリル系バルクモールディングコンパウンド(以下、加
飾用アクリル系BMCと略称する)を構成する樹脂成分
としては、アクリルシラップが用いられる。
【0011】この種のアクリルシラップとしては、例え
ば、メタアクリル酸メチルポリマー又はカルボキシル基
含有メタアクリル酸メチルポリマーと、メタアクリル酸
メチルモノマーとを主体とする重合性ビニルモノマーと
からなるシラップ状のものが好適に用いられる。その
他、メタアクリル酸メチルモノマー又は不飽和カルボン
酸を含有するメタアクリル酸メチルモノマーを主体とす
る重合性ビニルモノマーを、光重合法等により部分重合
して得られるシラップ状のものも用いることができる。
なお、これ等のアクリルシラップには、さらに架橋用の
多官能アクリレートを混合して用いるのが好ましい。
【0012】ここで、メタアクリル酸メチルポリマー又
はカルボキシル基含有メタアクリル酸メチルポリマーの
平均分子量は1万〜15万が好ましい。不飽和カルボン
酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタ
コン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、フマル酸等が用
いられる。メタアクリル酸メチル以外の重合性ビニルモ
ノマーとしては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、
α−メチルスチレン等が用いられる。また、架橋用の多
官能アクリレートとしては、例えば、プロピレングリコ
ールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジ
メタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタク
リレート、1,6−ヘキサンジオールジマタクリート、
トリメチロールプロパントリメタクリレート等が用いら
れる。
【0013】これ等のポリマー及びモノマーの配合割合
は、BMCの調製及び成形性を考慮して適当に決められ
るが、メタアクリル酸メチルポリマー又はカルボキシル
基含有メタアクリル酸メチルポリマー27〜50重量
%、メタアクリル酸メチルモノマー42〜65重量%、
架橋用の多官能アクリレート1〜8重量%とするのが好
ましい。また、メタアクリル酸メチルモノマー又は不飽
和カルボン酸を含有するメタアクリル酸メチルモノマー
を部分重合する場合は、粘度が1万〜20万cpsとす
るのが好ましい。また、酸価が5〜20となるようにカ
ルボキシル基を含有させるのが好ましい。なお、これ等
のアクリルシラップは市販されているので、市販品を用
いるのが便利である。
【0014】そして、このようなアクリルシラップに、
硬化触媒、普通増粘剤又は化学増粘剤、内部離型剤、安
定剤、無機充填剤、補強繊維、顔料などの配合剤が必要
に応じて適量混合され、さらに特定の加飾用柄材が所定
量混合された原材料組成が用いられる。
【0015】硬化触媒としては、例えば、ベンゾイルパ
ーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド、t−ブチル
パーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシベンゾエ
ート、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチル
パーオキ−2−エチルヘキサノエート、メチルエチルケ
トンパーオキサイド等の芳香族型又は脂肪族型パーオキ
シエステルが用いられる。これ等の硬化触媒は、アクリ
ルシラップ100重量部に対して0.5〜1.5重量部
を配合するのが好ましい。
【0016】普通増粘剤としては、ヒュームドシリカの
ようなチキソトロープ剤やスチレンポリマー等の熱可塑
性樹脂が用いられる。普通増粘剤としてスチレンポリマ
ー等の熱可塑性樹脂を用いる場合は、成形収縮を改善す
る働きもある。また、化学増粘剤は、通常、酸価を有す
るアクリルシラップに用いられ、例えば、酸化マグネシ
ウムや水酸化マグネシウムやポリイソシアネート化合物
などが用いられる。これ等の化学増粘剤は、アクリルシ
ラップ100重量部に対して1〜4重量部を配合するの
が好ましい。
【0017】内部離型剤としては、ステアリン酸亜鉛や
ステアリン酸カルシウムなどが用いられる。これ等の内
部離型剤は、アクリルシラップ100重量部に対して1
〜5重量部を配合するのが好ましい。安定剤としては、
ハイドロキノンやメトキシキノンやパラベンゾキノンな
どが用いられる。これ等の安定剤は、アクリルシラップ
100重量部に対して0.05〜0.3重量部を配合す
るのが好ましい。
【0018】無機充填剤としては、水酸化アルミニウム
やクレーやガラス粉などが用いられる。これ等の無機充
填剤は、アクリルシラップ100重量部に対して120
〜250重量部を配合するのが好ましい。このような水
酸化アルミニウムやクレーやガラス粉は、アクリル樹脂
や補強用のガラス繊維の屈折率に近いので、得られる加
飾成形品の表面から深い位置にある加飾用柄材が透けて
見え、深みのある外観が得られる。
【0019】また、補強繊維としては、通常、ガラス繊
維(チョップ)が用いられ、このようなガラス繊維(チ
ョップ)は、一般に30重量%以下の範囲で含有される
が、透明性を向上させるために、特に10重量%以下の
範囲で含有されるのが好ましい。顔料としては、二酸化
チタン、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、弁
柄などが用いられる。
【0020】さらに、加飾用柄材としては、着色マイカ
(白マイカや黒白マイカ)、着色アルミフレーク、着色
されたポリエチレンフィルム、塩化ビニルフイルム、ポ
リカーボネートフィルム、ポリエステルフイルムなどの
着色されたプラスチックフィルムの裁断片であって、大
きさ0.1〜2.5mmの着色薄片状物質が用いられ
る。これ等の大きさが0.1mmを下回ると、加飾用柄
材が目立たなくなり意匠性に劣る。逆に、これ等の大き
さが2.5mmを上回ると、組成物中での分散が悪くな
り品質が低下する。また、加飾用柄材の厚さは、その大
きさにもよるが、厚さ6〜24μmのものが適当であ
る。
【0021】このような加飾用柄材は、同じ大きさのも
のだけ用いるよりも、0.1〜2.5mmの異なる大き
さのものを混合して用いるほうが、意匠的に良好な加飾
成形品が得られるので好ましい。また、自然の石目調と
しては、一般に大理石調や御影石調が考えられ、これ等
の石目調には白っぽいもの、黒っぽいもの、赤っぽいも
のまで各種のものが存在し、このような各種の石目調を
実現させるには2色以上の加飾用柄材を併用するのが望
ましい。
【0022】特に、上記加飾用柄材となる着色薄片状物
質として、着色されたポリエチレンフィルム、塩化ビニ
ルフイルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエステル
フイルムなどの着色されたプラスチックフィルムの裁断
片であって、大きさ0.1〜2.5mmのものが好適に
用いられる。このような着色されたプラスチックフィル
ムの裁断片からなる着色薄片状物質は、柔軟でアルミホ
イルやマイカに比べて、ニーダー或いは混練機で混合す
る際に破砕されることがない。
【0023】そして、上記加飾用柄材は、アクリルシラ
ップ100重量部に対して3〜30重量部、好ましくは
10〜25重量部含有される。このように、加飾用柄材
が3〜30重量部含有されると、加飾用柄材が十分に成
形品の表面を覆い、加飾用柄材が密に詰まって意匠的に
天然の石目調に似た美麗な加飾成形品が得られる。
【0024】この加飾用柄材の含有量が3重量部以下で
は、加飾用柄材が疎になって目立たず意匠的に劣り、ま
た加飾用柄材の含有量が3〜9重量部では、リブを有す
る加飾成形品を得る場合にリブ部に加飾用柄材の集合が
目立ようになり好ましくない。逆に、加飾用柄材を30
重量部よりも多く含有させても、加飾用柄材が十分に成
形品の表面を覆いつくしているので、それ以上の外観的
変化はなく、しかも加飾用柄材は高価であるので経済的
に好ましくない。
【0025】請求項1の発明に係る加飾用アクリル系B
MCは、上述の各種原材料を適量配合し、これをニーダ
ー或いは混練機で混合し、適当な条件、例えば20〜6
0℃で8〜60時間、好ましくは35〜50℃で18〜
30時間熟成することにより得ることができる。
【0026】上記発明の加飾用アクリル系BMCを用い
て、石目調を有する加飾成形品を得るには、例えば、所
望形状の加飾成形品を得るための凸状の可動上型と凹状
の固定下型とからなる金型を有する公知の加圧成形機を
用い、例えば80〜150℃、好ましくは120〜14
0℃に加熱した後、固定下型の凹部に所定量の上記BM
Cを載置し、凸状の可動上型を降下させて金型を閉じ
る。
【0027】その後、例えば10〜120kg/c
2 、好ましくは60〜100kg/cm2 の圧力で3
0秒〜20分間、好ましくは30秒〜90秒/mm(成
形品厚み)程度加圧して、加飾用アクリル系BMCを熱
硬化させ加圧成形する。型締め速度は1〜8mm/秒、
好ましくは1〜2.5mm/秒である。なお、型締めの
過程で吸引脱気してもよい。最後に、金型を開いて加飾
成形品を脱型する。こうして、石目調(大理石調や御影
石調)を有する美麗な加飾成形品(例えば、浴槽、防水
パン、洗面化粧台、キッチンカウンターなど)が得られ
る。加飾成形品の透明性は、厚さ4mmで全光線透過率
3%以上が好適である。
【0028】本発明の加飾用アクリル系BMCは、アク
リルシラップを用いており、このようなアクリルシラッ
プから得られるアクリル樹脂(特に、メタアクリル酸メ
チルポリマー)は、黄変せず、透明で硬くて、鮮やかさ
や光沢に優れており、しかもSMCの製造のように、ド
クターブレードでキャリアーフィルム上にコーティング
することはないので、大きさ1mm以上の加飾用柄材が
使用でき、そのため鮮やかさや光沢に優れ、透明感や深
みのある意匠性に優れた加飾成形品を得ることができ
る。さらに、SMCのように補強繊維(ガラス繊維)を
多量に含まないので、さらに透明感や深みのある加飾成
形品を得ることができる。
【0029】また、本発明の加飾用アクリル系BMC
は、SMCのように、キャリアーフィルム上にシート状
にコーティングして製造しないので、原料組成物の粘度
が上昇してもBMCの製造には支障がない。それゆえ、
加飾用柄材を比較的多量に含有させることができ、加飾
用柄材が密に含有されて天然の石目調(大理石調や御影
石調)に似た美麗な加飾成形品が得られる。
【0030】<次に、請求項2に記載の発明について、
詳しく説明する。>請求項2の発明では、上記請求項1
に記載の加飾用アクリル系BMCと加飾用柄材を含有し
ない繊維強化熱硬化性樹脂成形材料とを重ね、これを上
記と同様な方法で金型内で加圧成形する。
【0031】ここで、加飾用柄材を含有しない繊維強化
熱硬化性樹脂成形材料としては、公知の加飾用柄材を含
有しない普通のSMCや加飾用柄材を含有しない普通の
BMCなどの各種繊維強化熱硬化性樹脂成形材料が使用
される。ここで、普通のSMCやBMCを構成する樹脂
成分としては不飽和ポリエステル樹脂が用いられるが、
前述のようなアクリルシラップ単独又はアクリルシラッ
プと不飽和ポリエステル樹脂との混合物を用いた普通の
アクリル系SMCやBMCを用いてもよい。
【0032】この場合、加飾用アクリル系BMCが加飾
成形品の表面となるようにして、金型内で加圧成形す
る。なお、加飾用アクリル系BMCは、成形品の加飾を
行うに必要な量であればよく、成形品の全表面を加飾す
るようにしてもよく、成形品の一部表面を加飾するよう
にしてもよい。
【0033】上記請求項2の成形方法によれば、上記請
求項1の発明の利点に加えて、次のような利点がある。
すなわち、成形品の表側層だけが加飾され、裏側層は加
飾されないので、加飾に必要な加飾用アクリル系BMC
の使用量を少なくすることができ、それだけ高価な加飾
用柄材の使用量も少なくなり、加飾成形品を安価に得る
ことができる。
【0034】<次に、請求項3に記載の発明について、
詳しく説明する。>請求項3の発明では、上記請求項1
に記載の加飾用アクリル系BMCと加飾用柄材を含有し
ない繊維強化熱硬化性樹脂成形材料との間にシート状隔
離材料を挟むようにして重ね、これを上記と同様な方法
で金型内で加圧成形する。
【0035】ここで、シート状隔離材料としては、紙、
布、不織布、プラスチックフィルム、ガラスクロス、ガ
ラスマットが使用される。特に、目付け量200〜80
0g/m2 の不織布やガラスマットを用いるのが好まし
い。
【0036】上記請求項3の成形方法によれば、上記請
求項2の発明の利点に加えて、次のような利点がある。
すなわち、シート状隔離材料により加飾層と裏側層とが
離隔され、加飾層に裏側層となる加飾用柄材を含有しな
い繊維強化熱硬化性樹脂成形材料が混入することが確実
に防止され、加飾面と他の部分との境界線が明瞭にな
り、美麗な加飾成形品が得られる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例及び比較例
を示す。 (実施例1) <本発明の加飾用アクリル系BMCの作製> アクリルシラップ(スミペックMHF:住友化学社製)
100重量部に、硬化触媒(t−ブチルパーオキシピバ
レート)1.2重量部、無機充填剤(平均粒径12μm
の水酸化アルミニウム)180重量部、化学増粘剤(酸
化マグネシウム)1重量部及び微量のグレー色顔料を配
合した。
【0038】さらに、上記配合物に、下記の加飾用柄材
20重量部(いずれも厚さ12μmの着色ポリエステル
フィルム裁断片)を配合し、さらにガラス繊維チョップ
(平均カット長さ1/4インチ)10重量部を配合し、
この配合物を慣用のBMC製造装置(ニーダー)で混合
し、40℃で2日間熟成して、加飾用アクリル系BMC
を作製した。
【0039】加飾用柄材(20重量部) 白色:大きさ0.2mm−4重量部、1.5mm−4重
量部、2.0mm−2重量部 黒色:大きさ0.2mm−3重量部、1.0mm−3重
量部 灰色:大きさ0.5mm−2重量部、1.5mm−2重
量部
【0040】<加飾成形品の成形>凸状の可動上型と凹
状の固定下型とからなるキッチンカウンター成形用の長
方形金型(長辺1600mm×短辺400mm)を有す
る慣用の加圧成形機を用い、可動上型を120℃、固定
下型を135℃に加熱した後、この固定下型の凹部に上
記加飾用アクリル系BMCをチャージ率90%の割合で
載置し、可動上型を降下させて金型を型締め速度0.8
mm/秒で閉める。
【0041】その後、65kg/cm2 の圧力で10分
間加圧して、成形材料を熱硬化させて一体的に加圧成形
し、金型を開いて成形品を脱型する。こうして、全体が
加飾された加飾成形品(キッチンカウンター)を得た。
【0042】上記加飾成形品について、外観を目視によ
り評価した。その結果、表面にはむら状(まだら模様)
の外観不良部はなく、また気孔、微小亀裂、ひけ、起伏
などの表面欠陥もなく、鮮やかで光沢に優れ、透明感や
深み感があり、天然の石目調に似た外観の美麗な石目調
外観の加飾成形品であった。
【0043】(実施例2) <加飾成形品の成形>実施例1において、加飾用アクリ
ル系BMCの上に、下記の方法で作製した加飾用柄材を
含有しない普通のSMCをチャージ率80%の割合で重
ねた。それ以外は実施例1と同様に行って、表面が加飾
された加飾成形品(キッチンカウンター)を得た。
【0044】(加飾用柄材を含有しない普通のSMCの
作製)数平均分子量2,500の不飽和ポリエステル6
0重量部とスチレンモノマー40重量部とからなる不飽
和ポリエステル樹脂100重量部に、硬化触媒(t−ブ
チルパーオキシベンゾエート)1重量部、無機充填剤
(平均粒径10μmの炭酸カルシウム)160重量部、
化学増粘剤(酸化マグネシウム)1重量部及び微量のグ
レー色顔料を配合して、樹脂組成物のペーストを調製し
た。
【0045】慣用のSMC製造装置を用い、一方のキャ
リヤーフィルム(ポリエチレンフィルム)の片面に、上
記樹脂組成物のペーストをドクターブレードを通して塗
布し、他方のキャリヤーフィルムの片面にも上記樹脂組
成物のペーストをドクターブレードを通して塗布し、こ
の両方のキャリヤーフィルムの塗布面同士をガラス繊維
チョップ層(繊維長さ1インチ)を介して挟着し、この
ガラス繊維チョップ層に上記両方のペーストを含浸さ
せ、これを40℃で2日間熟成増粘させて、加飾用柄材
を含有しない普通のSMCを作製した。なお、ガラス繊
維チョップは全体の25重量%となるように調節した。
【0046】上記加飾成形品(キッチンカウンター)に
ついて、外観を目視により評価した。その結果、表面に
はむら状(まだら模様)の外観不良部はなく、また気
孔、微小亀裂、ひけ、起伏などの表面欠陥もなく、鮮や
かで光沢に優れ、透明感や深み感があり、天然の石目調
に似た外観の美麗な石目調外観の加飾成形品であった。
なお、この加飾成形品は、表層のみに加飾層を形成して
いるので、製品コストが低減される。
【0047】(実施例3) <加飾成形品の成形>実施例2において、加飾用アクリ
ル系BMCと加飾用柄材を含有しない普通のSMCとの
間に、シート状隔離材料としてガラスコンテニアンスス
トランドマット(450g/m2 )をチャージ率100
%の割合で挟んだ。それ以外は実施例2と同様に行っ
て、表面が加飾された加飾成形品(キッチンカウンタ
ー)を得た。
【0048】上記加飾成形品(キッチンカウンター)に
ついて、外観を目視により評価した。その結果、表面に
はむら状(まだら模様)の外観不良部はなく、また気
孔、微小亀裂、ひけ、起伏などの表面欠陥もなく、鮮や
かで光沢に優れ、透明感や深み感があり、天然の石目調
に似た外観の美麗な石目調外観の加飾成形品であった。
なお、この加飾成形品は、表層のみに加飾層を形成して
いるので、製品コストが低減される。しかも、加飾面と
他の部分との境界線が明瞭であった。
【0049】(比較例1) <加飾成形品の成形>実施例1において、加飾用アクリ
ル系BMCに替えて、下記の方法で作製した加飾用柄材
を含有するSMCをチャージ率80%の割合で重ねた。
それ以外は実施例1と同様に行って、表面が加飾された
加飾成形品(キッチンカウンター)を得た。
【0050】(加飾用柄材を含有するSMCの作製)数
平均分子量2,500の不飽和ポリエステル60重量部
とスチレンモノマー40重量部とからなる不飽和ポリエ
ステル樹脂100重量部に、硬化触媒(t−ブチルパー
オキシベンゾエート)1重量部、無機充填剤(平均粒径
10μmの炭酸カルシウム)160重量部、化学増粘剤
(酸化マグネシウム)1重量部、実施例1で用いた加飾
用柄材3重量部及び微量のグレー色顔料を配合して、樹
脂組成物のペーストを調製した。
【0051】慣用のSMC製造装置を用い、一方のキャ
リヤーフィルム(ポリエチレンフィルム)の片面に、上
記樹脂組成物のペーストをドクターブレードを通して塗
布し、他方のキャリヤーフィルムの片面にも上記樹脂組
成物のペーストをドクターブレードを通して塗布し、こ
の両方のキャリヤーフィルムの塗布面同士をガラス繊維
チョップ層(繊維長さ1インチ)を介して挟着し、この
ガラス繊維チョップ層に上記両方のペーストを含浸さ
せ、これを40℃で2日間熟成増粘させて、加飾用柄材
を含有するSMCを作製した。なお、ガラス繊維チョッ
プは全体の25重量%となるように調節した。
【0052】なお、上記加飾用柄材を含有するSMCの
作製においては、樹脂組成物のペーストをドクターブレ
ードを通してキャリアーフィルム上に塗布する際に、樹
脂組成物中の加飾用柄材が引っ掛かり円滑に塗布するの
が容易でなかった。また、樹脂組成物のペーストの粘度
が上昇して円滑にSMCを作製するのが容易でなかっ
た。
【0053】上記加飾成形品(キッチンカウンター)に
ついて、外観を目視により評価した。その結果、表面に
はむら状(まだら模様)の外観不良部はなく、また気
孔、微小亀裂、ひけ、起伏などの表面欠陥はなかった。
しかし、実施例1で得られる加飾成形品に比べて、鮮や
かさや光沢が劣り、透明感や深み感も劣っていた。
【0054】
【発明の効果】上述の通り、請求項1に係る発明の加飾
用アクリル系バルクモールディングコンパウンドによれ
ば、鮮やかさや光沢に優れ、透明感や深み感があり、天
然の石目調に似た外観の美麗な加飾成形品を得るための
成形材料を提供することができる。また、得られる加飾
成形品は、黄変せず、耐汚染性も優れている。
【0055】また、請求項2及び3に係る発明の加飾成
形品の成形方法によれば、鮮やかさや光沢に優れ、透明
感や深み感があり、天然の石目調に似た外観の美麗な加
飾成形品を(例えば、浴槽、防水パン、洗面化粧台、キ
ッチンカウンターなど)を提供することができる。ま
た、得られる加飾成形品は、黄変せず、耐汚染性も優れ
ている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 7/00 C08K 7/00 // B29K 33:00 105:06 105:16 B29L 31:00 C08L 67:06 Fターム(参考) 4F072 AA02 AA07 AB09 AD38 AE26 AF03 AF04 AG04 AG22 AK14 AL06 4F204 AA21 AA36 AB27 AD16 AD19 AH49 AR12 AR15 FA01 FB01 FB11 FF01 FF06 FG02 FN11 4J002 BB032 BD042 BG061 BG071 CF032 CG002 DA097 DJ057 EH076 FA012 FA017 GL00 4J011 GA06 GB03 GB04 PA13 PA64 PA69 PA88 PA89 PB25 PC02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリルシラップを用いた加飾用アクリ
    ル系バルクモールディングコンパウンドであって、上記
    アクリルシラップ100重量部に対して、平均大きさ
    0.1〜2.5mmの着色薄片状物質からなる加飾用柄
    材3〜30重量部が含有されていることを特徴とする加
    飾用アクリル系バルクモールディングコンパウンド。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の加飾用アクリル系バル
    クモールディングコンパウンドと加飾用柄材を含有しな
    い繊維強化熱硬化性樹脂成形材料とを重ね、金型内で加
    圧成形することを特徴とする加飾成形品の成形方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の加飾用アクリル系バルク
    モールディングコンパウンドと加飾用柄材を含有しない
    繊維強化熱硬化性樹脂成形材料との間にシート状隔離材
    料を挟み、金型内で加圧成形することを特徴とする加飾
    成形品の成形方法。
JP11143707A 1999-05-24 1999-05-24 加飾用アクリル系バルクモールディングコンパウンド及び加飾成形品の成形方法 Pending JP2000327876A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016513741A (ja) * 2013-03-08 2016-05-16 アルケマ フランス 繊維性基材を含浸するための液体(メタ)アクリルシロップ、繊維性基材を含浸するための方法、及びこのプレ含浸基材の重合後に製造された複合材料

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JP2016513741A (ja) * 2013-03-08 2016-05-16 アルケマ フランス 繊維性基材を含浸するための液体(メタ)アクリルシロップ、繊維性基材を含浸するための方法、及びこのプレ含浸基材の重合後に製造された複合材料

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