JP2001205651A - 加飾成形品 - Google Patents

加飾成形品

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JP2001205651A
JP2001205651A JP2000018717A JP2000018717A JP2001205651A JP 2001205651 A JP2001205651 A JP 2001205651A JP 2000018717 A JP2000018717 A JP 2000018717A JP 2000018717 A JP2000018717 A JP 2000018717A JP 2001205651 A JP2001205651 A JP 2001205651A
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decorative
indentation hardness
weight
bmc
decorative molded
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JP2000018717A
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English (en)
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Yoshinori Kitagawa
善詔 北川
Hideaki Takezaki
秀昭 竹崎
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 深み感に優れ美麗な石目調の外観を有する加
飾成形品を得る。 【解決手段】 この加飾成形品は、薄片状物質からなる
加飾用柄材が含有され、増粘前に圧縮して平板化されて
なり、増粘後の押し込み硬さが0.5〜2.5である加
飾用バルクモールディングコンパウンドからなる表面材
と、押し込み硬さが2.5〜10である繊維補強熱硬化
性樹脂成形材料からなる裏側材とを重ね、金型内で熱圧
成形してなる。但し、上記押し込み硬さは、縦100m
m×横100mmの試料を重ねて厚さ約15mmの試験
片とし、直径16mmの剛球圧子を有する押し込み硬さ
試験機を用い、試験片に上方から垂直に98Nの荷重を
60秒間加え、その後さらに294Nの荷重を180秒
間加えて、総荷重392Nで生じるくぼみの深さ(mm
単位)で表す。なお、上記表面材と裏側材との間にシー
ト状隔離材が挟まれていてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石目調の外観を有
する加飾成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】薄片状物質からなる加飾用柄材が含有さ
れた加飾用バルクモールディングコンパウンドからなる
表面材と、繊維補強熱硬化性樹脂成形材料からなる裏側
材とを重ね、金型内で熱圧成形して、加飾成形品(浴槽
や床パンなど)を製造することは知られている(特開平
11−129265号公報参照)。
【0003】この場合、深み感に優れ、石目調の外観を
有する繊維強化の加飾成形品が得られるが、熱圧成形の
際に表面材と裏側材とが混じり合って、均一な厚さの表
面材層が得られなかったり、或いは表面材が裏側材より
も先に流動して破れが発生し、裏側材が表面に露出し
て、得られる加飾成形品の外観が損なわれることがあ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記問題を改善するた
めに、加飾用バルクシートモールディングコンパウンド
と繊維補強熱硬化性樹脂成形材料との間に、ガラスマッ
トなどのシート状隔離材を挟んでおり、これにより上記
欠点は相当に改善されるが、特に、段部などの屈曲部の
ある加飾成形品を得る場合には、未だ充分とはいえず、
上記のような問題が生ずることがある。
【0005】本発明は、上記の問題を解決するもので、
深み感に優れ、表面欠陥のない美麗な石目調の外観を有
する繊維補強の加飾成形品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明では、薄片状物質からなる加飾用
柄材が含有され、増粘前に圧縮して平板化されてなり、
増粘後の押し込み硬さが0.5〜2.5である加飾用バ
ルクモールディングコンパウンドからなる表面材と、押
し込み硬さが2.5〜10である繊維補強熱硬化性樹脂
成形材料からなる裏側材とを重ね、金型内で熱圧成形し
てなることを特徴とする加飾成形品が提供される。
【0007】但し、上記押し込み硬さは、縦100mm
×横100mmの試料を重ねて厚さ約15mmの試験片
とし、直径16mmの剛球圧子を有する押し込み硬さ試
験機を用い、試験片に上方から垂直に98Nの荷重を6
0秒間加え、その後さらに294Nの荷重を180秒間
加えて、総荷重392Nで生じるくぼみの深さ(mm単
位)で表す。
【0008】また、請求項2の発明では、表面材と裏側
材との間にシート状隔離材が挟まれていることを特徴と
する請求項1に記載の加飾成形品が提供される。
【0009】本発明において、加飾用バルクモールディ
ングコンパウンド(加飾用BMC)は、増粘前に圧縮し
て平板化すること及び増粘後の押し込み硬さを0.5〜
2.5とすること以外は、例えば前記特開平11−12
9265号公報に記載された方法より製造される。しか
し、この特許公報に記載された方法に限定されるもので
はない。
【0010】具体的には、液状の不飽和ポリエステル樹
脂に、硬化触媒、化学増粘剤、収縮防止用樹脂、無機充
填剤、内部離型剤、安定剤、顔料などの公知の配合剤を
必要に応じて適量混合し、さらに薄片状物質からなる加
飾用柄材及び補強用ガラス繊維を混合し、これを圧縮し
て平板化した後、所定の温度及び時間で熟成増粘し、増
粘後の押し込み硬さが0.5〜2.5とされる。
【0011】上記液状の不飽和ポリエステル樹脂は、無
水マレイン酸、フマル酸のような不飽和多塩基酸(必要
に応じて無水フタル酸のような飽和多塩基酸を併用す
る)と、エチレングリコール、プロピレンレングリコー
ル、ブチレングリコール、ジエチレングリコールのよう
な多価アルコールとを反応させて得られる不飽和ポリエ
ステルを、これと重合するスチレン、ビニルトルエン、
メチルメタクリレートのような架橋用ビニルモノマーに
溶解した液状樹脂である。
【0012】加飾用柄材としては、着色マイカ(白マイ
カや黒白マイカ)、着色アルミフレーク、着色されたポ
リエチレンフィルム、塩化ビニルフイルム、ポリカーボ
ネートフィルム、ポリエステルフイルムなどの着色され
たプラスチックフィルムの裁断片であって、通常、平均
大きさ0.1〜5.0mm、好ましくは平均大きさ0.
1〜2.5mmの薄片状物質が用いられる。これ等の平
均大きさが0.1mmを下回ると、加飾用柄材が目立た
なくなり意匠性に劣る。逆に、これ等の平均大きさが
5.0mmを上回ると、組成物中での分散が悪くなり品
質が低下する。また、加飾用柄材の厚さは、その大きさ
にもよるが厚さ5〜50μm、好ましくは6〜24μm
のものが適当である。
【0013】このような加飾用柄材は、同じ大きさのも
のだけを用いるよりも、異なる大きさのものを混合して
用いるほうが、意匠的に良好な加飾成形品が得られるの
で好ましい。また、自然の石目調としては、一般に大理
石調や御影石調が考えられ、これ等の石目調には白っぽ
いもの、黒っぽいもの、赤っぽいものまで各種のものが
存在し、このような各種の石目調を実現させるには2色
以上の加飾用柄材を併用するのが望ましい。
【0014】特に、上記加飾用柄材となる薄片状物質と
して、着色されたポリエチレンフィルム、塩化ビニルフ
イルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエステルフイ
ルムなどの着色されたプラスチックフィルムの裁断片で
あって、大きさ0.1〜4.0mmのものが好適に用い
られる。このような着色されたプラスチックフィルムの
裁断片からなる薄片状物質は柔軟で、着色マイカや着色
アルミフレークに比べて、ニーダー或いは混練機で混合
する際に破砕されることがない。
【0015】そして、上記加飾用柄材は、不飽和ポリエ
ステル樹脂を主成分とする樹脂成分100重量部に対し
て、通常、1〜50重量部含有される。ここで、不飽和
ポリエステル樹脂を主成分とする樹脂成分とは、不飽和
ポリエステル樹脂単独、或いは収縮防止用樹脂が配合さ
れる場合は、不飽和ポリエステル樹脂とこの収縮防止用
樹脂との混合物を意味する。この加飾用柄材の含有量が
1重量部以下では、加飾用柄材が疎になって目立たず意
匠的に劣り、逆に、加飾用柄材を50重量部よりも多く
含有させても、加飾用柄材が十分に成形品の表面を覆い
つくしているので、それ以上の外観的変化はなく、しか
も加飾用柄材は高価であるので経済的に好ましくない。
【0016】ここで、加飾用柄材が3〜10重量部含有
される場合に、特に浴室床材を成形すると、裏リブ上に
柄材が集合し疎密が少し生じて意匠性が低下する。ま
た、加飾用柄材が30重量部を越えると、柄材の分散性
が少し悪くなり意匠性が低下する。したがって、加飾用
柄材が10〜25重量部含有されるのが好ましい。この
ように、特に、加飾用柄材が10〜25重量部含有され
ると、加飾用柄材が十分に成形品の表面を覆い、加飾用
柄材が密に詰まって意匠的に天然の石目調に似た美麗な
加飾成形品が得られる。
【0017】補強用ガラス繊維としては、通常、平均カ
ット長さ4.5〜14.0mm、好ましくは6.0〜1
2.0mmのガラス繊維チョップが用いられる。ガラス
繊維の平均カット長さが4.5mmを下回ると、増粘前
に圧縮して平板化した場合に、これが裂けたり、ばらば
らになったりして取扱い性(ハンドリング性)が劣る。
逆に、ガラス繊維の平均カット長さが14.0mmを上
回ると、熱圧成形時に加飾用柄材がこのガラス繊維に引
っ掛かり、柄材の疎密が発生し、また加飾用BMCの製
造の際に混練機に大きな負荷がかかり設備の耐久性が損
なわれる。
【0018】ここで、補強用ガラス繊維の平均カット長
さが9.0〜14.0mmのものを使用をする場合、平
均カット長さが4.5〜9.0mmのものを使用する場
合に比べて、熱圧成形時に加飾用柄材がこのガラス繊維
に引っ掛かりやすくなり、支障がない程度の若干の粗密
は生じるが、平板化した加飾用BMCの取扱い性(ハン
ドリング性)が向上し、また裂けにくくなることから熱
圧成形時の流動による破れ等が生じにくくなり、また裏
側材が加飾用BMCの表面材の方へ突出することが抑制
でき、成形性も向上する。
【0019】そして、上記補強用ガラス繊維は、不飽和
ポリエステル樹脂を主成分とする樹脂成分100重量部
に対して、通常、20〜55重量部含有される。このガ
ラス繊維の含有量が20重量部を下回ると、加飾用BM
Cが裂けたり、ばらばらになったりして取扱い性(ハン
ドリング性)が劣り、しかも得られる加飾成形品の強度
や低収縮性に劣る。逆に、ガラス繊維の含有量が55重
量部を上回ると、ガラス繊維への樹脂の含浸が不充分と
なり、得られる成形品の表面にガラス繊維の筋(ガラス
目)などが発生する。
【0020】硬化触媒としては、例えば、t−ブチルパ
ーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エ
チルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシオクトエー
ト、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、
1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリ
メチルシクロヘキサノンなどの有機過酸化物を単独で或
いは特定の2種以上を混合して用いられる。
【0021】化学増粘剤としては、例えば、水酸化マグ
ネシウムや酸化マグネシウムや有機ポリイソシアネート
(例えば、トリレンジイソシアネート、フェニレンジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート)などが用いられる。収縮防止
用樹脂としては、例えば、ポリスチレンやポリエチレン
やスチレン−無水マレイン酸共重合体などの熱可塑性樹
脂が用いられる。内部離型剤としては、例えば、ステア
リン酸亜鉛やステアリン酸カルシウムなどが用いられ
る。安定剤としては、例えば、ハイドロキノンやパラベ
ンゾキノンなどが用いられる。
【0022】また、無機充填剤としては、例えば、水酸
化アルミニウムやクレーやガラス粉が好適に用いられ
る。このような水酸化アルミニウムやクレーやガラス粉
は、不飽和ポリエステル樹脂や補強用ガラス繊維の屈折
率に近いので、得られる加飾成形品の表面から深い位置
にある加飾用柄材が透けて見え、深みのある外観が得ら
れる。深みのある外観が特に必要とされない場合は、炭
酸カルシウムなどの一般的な無機充填剤を用いてもかま
わない。また、顔料としては、二酸化チタン、カーボン
ブラック、フタロシアニンブルー、弁柄などが用いられ
る。
【0023】増粘前の加飾用BMCを圧縮して平板化す
るには、例えば、配合物を汎用のBMC製造装置(ニー
ダー)で混合した増粘前の加飾用BMCを、金型内にP
ETフィルム等の保護フィルムを介して載置し、常温で
0.49〜14.7MPaの圧力、好ましくは2.94
〜9.8MPaの圧力でプレスしたあと脱型し、その
後、熟成増粘し保護フィルムを除去して、圧縮平板化さ
れた加飾用BMCを得る方法が採用される。圧縮平板化
された加飾用BMCの厚さは、通常、0.5〜10m
m、好ましくは1〜5mmとされる。加飾用BMCを増
粘後に圧縮して平板化する場合は、配合にもよるが、加
飾用BMCが硬くなりすぎて平板化しにくくなる。
【0024】増粘後の加飾用BMCの押し込み硬さを
0.5〜2.5とするには、通常、原材料の配合の変更
や熟成増粘の温度及び時間の変更によって行われ、具体
的には、不飽和ポリエステル樹脂の酸価や粘度を変更し
たり、補強用ガラス繊維の長さや含有量を変更したり、
酸化マグネシウム等の増粘剤の配合量を変更したり、増
粘剤として有機機ポリイソシアネートを用いたり、収縮
防止用樹脂としてスチレン−無水マレイン酸共重合体
(無水マレイン酸成分3重量%以上含有)を用いたりす
ることによって行われる。
【0025】増粘後の加飾用BMCの押し込み硬さが
2.5を上回ると、熱圧成形の際に表面材と裏側材とが
が混じり合って、均一な厚さの表面材層が得られなかっ
たり、或いは表面材が裏側材よりも先に流動して破れが
発生し、裏側材が表面に露出して、外観の良好な加飾成
形品が得られなくなる。逆に、増粘後の加飾用BMCの
押し込み硬さが0.5を下回ると、金型内面に沿わなく
なり、型締め時に加飾用BMCが折れて、加飾成形品が
白化し外観の良好な加飾成形品が得られなくなる。特
に、増粘後の加飾用BMCの押し込み硬さは0.5〜
1.5となるようにしたものが好ましく、さらに好まし
くは0.8〜1.2である。
【0026】また、本発明において、繊維補強熱硬化性
樹脂成形材料からなる裏側材としては、加飾用柄材を含
有しない普通のシートモールディングコンパウンド(S
MC)及び加飾用柄材を含有しない普通のバルクモール
ディングコンパウンド(BMC)が好適に使用され、こ
のようなSMC及びBMCの製造には、押し込み硬さを
2.5〜10とする以外は、普通に用いられている公知
のSMC及びBMCの製造方法が採用される。
【0027】すなわち、繊維補強不飽和ポリエステル樹
脂成形材料(SMCやBMC)は、具体的には、例え
ば、不飽和ポリエステル及びこれと共重合する架橋用ビ
ニルモノマーからなる不飽和ポリエステル樹脂に、硬化
触媒、化学増粘剤、収縮防止用樹脂、無機充填剤、内部
離型剤、安定剤、顔料などの公知の配合剤を必要に応じ
て適量混合して樹脂組成物を調製し、この樹脂組成物を
補強用ガラス繊維チョップと混合してバルク状に形成す
るか(BMCの場合)或いは補強用ガラス繊維チョップ
層に含浸させてシート状に形成し(SMCの場合)、こ
れを所定の温度及び時間で熟成増粘して製造される。
【0028】上記繊維補強熱硬化性樹脂成形材料は、成
形性の点から、BMCよりもSMC)を用いるのが好ま
しく、これ等のSMCの厚さは、通常、1〜10mmで
あるが、好ましくは1〜5mmである。1mm未満では
十分な強度の成形品が得られず、10mmを越えると成
形金型からの伝熱が十分でなく硬化不良となる。
【0029】上記原材料及び配合剤については、加飾用
バルクモールディングコンパウンドの説明において述べ
たものと同様なものが用いられる。また、押し込み硬さ
を2.5〜10とするには、上記加飾用BMCの場合と
同様に、原材料の配合の変更や熟成増粘の温度及び時間
の変更によって行われる。
【0030】繊維補強不飽和ポリエステル樹脂成形材料
(SMCやBMC)の押し込み硬さを2.5〜10とす
ると、熱圧成形の際に、前記平板化された押し込み硬さ
0.5〜2.5の加飾用BMC(表面材)とこのSMC
やBMC(裏側材)とがうまく釣り合って流動し、表面
材が裏側材よりも先に流動して破れが発生し、裏側材が
表面に露出して、得られる加飾成形品の外観が損なわれ
ることがなくなる。しかも、表面材の厚さが不均一にな
ることがなく、外観の美麗な加飾成形品が得られる。特
に、繊維補強不飽和ポリエステル樹脂成形材料(SMC
やBMC)の押し込み硬さは2.5〜7.0となるよう
にしたものが好ましく、さらに好ましくは3.0〜6.
0である。
【0031】本発明の加飾成形品は、上記加飾用バルク
モールディングコンパウンドからなる表面材と、上記繊
維補強熱硬化性樹脂成形材料からなる裏側材とを重ね、
金型内で熱圧成形して製造される。具体的には、凹状の
可動上型と凸状の固定下型とからなる金型を有する熱圧
成形機を用い、低温成形では金型を約50〜120℃、
高温成形では金型を約120〜180℃に加熱した後、
固定下型の上に所定量の上記加飾用バルクモールディン
グコンパウンド(加飾用BMC)を載置し、さらにその
上に所定量の上記繊維補強熱硬化性樹脂成形材料(SM
CやBMC)を重ね、金型を閉める。可動上型が加飾成
形品の表面に相当する場合は、上記とは逆順に成形材料
を重ねる。
【0032】その後、低圧成形では約0.098〜1.
96MPa、高圧成形では約1.96〜14.7MPa
の圧力で約30秒〜20分間加圧して、熱硬化させ成形
し、金型を開いて成形品を脱型する。こうして、石目調
を有する美麗な加飾成形品(例えば、浴槽、防水パン、
洗面化粧台、キッチンカウンターなど)が得られる。加
飾成形品の表面層は1.5mm以上あるほうが深み感が
あり好ましい。また、加飾成形品の透明性は、厚さ4m
mで全光線透過率3%以上が好適である。
【0033】なお、加飾用BMCは、加飾成形品の表面
材となるように金型内に重ねる。加飾用BMCのサイズ
は、成形品の加飾を行うに必要なサイズであればよく、
成形品の全表面を加飾するようにしてもよく、成形品の
一部表面を加飾するようにしてもよい。成形品の全表面
を加飾する場合は、加飾用BMCを加飾面に対してでき
るだけ大きくチャージし、金型内を脱気しながら成形す
るほうが、均一な厚みに表面層が形成されピンホール等
のない高意匠性の加飾成形品が得られる。しかも表面材
の厚さが不均一になることがなく、外観の美麗な加飾成
形品が得られる。
【0034】さらに、本発明においては、加飾用バルク
モールディングコンパウンド(加飾用BMC)と繊維補
強熱硬化性樹脂成形材料(SMCやBMC)とを、その
間にシート状隔離材を挟んで重ね、これを上記と同様な
方法で金型内で熱圧成形してもよい。ここで、シート状
隔離材料としては、紙、布、不織布、プラスチックフィ
ルム、ガラスクロス、ガラスマットが使用される。特
に、目付け量100〜400g/m2 の不織布やガラス
マットを用いるのが好ましい。目付け量が小さい場合は
熱圧成形時に破れや伸びが生じ、逆に目付け量が大きい
場合は気泡が内包されることがあり、またコスト高にな
る。
【0035】このように、シート状隔離材を使用する場
合は、表面材の樹脂成分と裏側材の樹脂成分との混じり
やしみ出しが確実に防止され、表面材の厚さがより均一
になり、加飾面と他の部分との間の境界が明瞭な加飾成
形品を得ることができるとともに、加飾成形品の強度も
向上する。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例及び比較例
を示す。 (実施例1) <加飾用BMC(表面材)の作製>イソフタル酸系の不
飽和ポリエステル樹脂(数平均分子量2000)のスチ
レンモノマー溶液(スチレンモノマー濃度40重量%)
60重量部、スチレン−無水マレイン酸共重合体(数平
均分子量2800、重量平均分子量6800、無水マレ
イン酸含有量13重量%)のスチレンモノマー溶液(ス
チレンモノマー濃度50重量%)40重量部、硬化剤
(t−ブチルパーオキシベンゾエート)1重量部、無機
充填剤(平均粒径12μmの水酸化アルミニウム)23
0重量部、化学増粘剤(酸化マグネシウム)2重量部、
ステアリン酸亜鉛5重量部、ガラス繊維チョップ(繊維
長さ1/4インチ)35重量部及び小量のグレー色顔料
を配合した。
【0037】さらに、上記配合物に、下記の着色薄片状
物質からなる加飾用柄材20重量部(いずれも厚さ12
μmの着色ポリエステルフィルム裁断片)を配合し、こ
の配合物を汎用のBMC製造装置(ニーダー)で混合
し、これを金型内にPETフィルムを介して載置し、常
温で、7.84MPaの圧力でプレスしたあと脱型し、
その後、40℃で48時間間熟成し、PETフィルムを
除去して、厚さ3mmの圧縮平板化された加飾用バルク
モールディングコンパウンド(加飾用BMC)を作製し
た。
【0038】この加飾用バルクモールディングコンパウ
ンド(加飾用BMC)について、硬さ試験機(東海精機
株式会社製)を用い、前述の試験方法で押し込み硬さを
測定したところ1.25であった。
【0039】<SMC(裏側材)の作製>数平均分子量
3,500の汎用の不飽和ポリエステル60重量部とス
チレンモノマー40重量部とからなる不飽和ポリエステ
ル樹脂100重量部に、硬化触媒(t−ブチルパーオキ
シベンゾエート)1重量部、無機充填剤(平均粒径10
μmの炭酸カルシウム)160重量部、化学増粘剤(酸
化マグネシウム)1.6重量部、ステアリン酸亜鉛5重
量部及び小量のグレー色顔料を配合して、樹脂組成物の
ペーストを調製した。
【0040】慣用のSMC製造装置を用い、一方のキャ
リヤーフィルム(ポリエチレンフィルム)の片面に、上
記樹脂組成物のペーストを塗布し、他方のキャリヤーフ
ィルムの片面にも上記樹脂組成物のペーストを塗布し、
この両方のキャリヤーフィルムの塗布面同士をガラス繊
維チョップ層(繊維長さ1インチ)を介して挟着し、こ
のガラス繊維チョップ層に上記両方のペーストを含浸さ
せ、これを40℃で48時間熟成増粘させて、厚さ3m
mの加飾用柄材を含有しないシートモールディングコン
パウンド(SMC)を作製した。なお、ガラス繊維チョ
ップの含有量は全体の25重量%となるように調節し
た。
【0041】この加飾用柄材を含有しないシートモール
ディングコンパウンド(SMC)について、硬さ試験機
(東海精機株式会社製)を用い、前述の試験方法で押し
込み硬さを測定したところ4.00であった。
【0042】<加飾成形品の熱圧成形>凹状の可動上型
とエンボス付き凸状の固定下型とからなる防水パン用金
型(縦750mm×横450mm×厚さ4mm)を有す
る慣用の熱圧成形機を用い、可動上型を125℃、固定
下型を145℃に加熱した後、この固定下型に上記圧縮
平板化された加飾用BMC(表面材)(チャージ率10
0%)、シート状隔離材(ガラスコンティニアスストラ
ンドマット400g/m2 )(チャージ率100%)、
上記加飾用柄材を含有しないSMC(裏側材)(チャー
ジ率60%)をこの順に重ねて載置し、可動上型を降下
させ、金型内を吸引脱気しながら金型を型締め速度0.
8mm/秒で型閉めを行い、その後6.37MPaの圧
力で10分間加圧して、表面材及び裏側材を熱硬化させ
て一体的に成形し、金型を開いて成形品を脱型する。こ
うして、加飾成形品(防水パン)を得た。
【0043】得られた加飾成形品(10個)は、いずれ
も、表裏2層の混じりがなく、深み感のある美麗な石目
調外観を呈するものであった。
【0044】(実施例2)実施例1のSMC(裏側材)
の作製において、化学増粘剤(酸化マグネシウム)1.
6重量部を1.3重量部に変更した。それ以外は実施例
1と同様に行った。
【0045】この場合、加飾用BMC(表面材)の押し
込み硬さは1.25、SMC(裏側材)の押し込み硬さ
は6.00であり、得られた加飾成形品(10個)は、
いずれも、表裏2層の混じりがなく、深み感のある美麗
な石目調外観を呈するものであった。
【0046】(比較例1)実施例1のSMC(裏側材)
の作製において、化学増粘剤(酸化マグネシウム)1.
6重量部を2.4重量部に変更した。それ以外は実施例
1と同様に行った。
【0047】この場合、加飾用BMC(表面材)の押し
込み硬さは1.25、SMC(裏側材)の押し込み硬さ
は2.20であり、得られた加飾成形品(10個)は、
いずれも、表裏2層の混じりがあり、石目調外観が劣る
ものであった。
【0048】(比較例2)実施例1のSMC(裏側材)
の作製において、化学増粘剤(酸化マグネシウム)1.
6重量部を0.8重量部に変更し、熟成増粘時間48時
間を12時間に変更した。それ以外は実施例1と同様に
行った。
【0049】この場合、加飾用BMC(表面材)の押し
込み硬さは1.25、SMC(裏側材)の押し込み硬さ
は11.00であり、得られた加飾成形品(10個)
は、いずれも、表裏2層の混じりがあり、石目調外観が
劣るものであった。
【0050】(比較例3)実施例1の加飾用BMC(表
面材)の作製において、化学増粘剤(酸化マグネシウ
ム)2.0重量部を0.8重量部に変更した。また、S
MC(裏側材)の作製において、化学増粘剤(酸化マグ
ネシウム)1.6重量部を2.4重量部に変更した。そ
れ以外は実施例1と同様に行った。
【0051】この場合、加飾用BMC(表面材)の押し
込み硬さは3.00、SMC(裏側材)の押し込み硬さ
は2.20であり、得られた加飾成形品(10個)は、
いずれも、表裏2層の混じりがあり、石目調外観が劣る
ものであった。
【0052】(比較例4)実施例1の加飾用BMC(表
面材)の作製において、化学増粘剤(酸化マグネシウ
ム)2.0重量部を0.8重量部に変更した。また、実
施例1のSMC(裏側材)の作製において、化学増粘剤
(酸化マグネシウム)1.6重量部を0.8重量部に変
更し、熟成増粘時間48時間を12時間に変更した。そ
れ以外は実施例1と同様に行った。
【0053】この場合、加飾用BMC(表面材)の押し
込み硬さは3.00、SMC(裏側材)の押し込み硬さ
は11.00であり、得られた加飾成形品(10個)
は、いずれも、表裏2層の混じりがあり、石目調外観が
劣るものであった。
【0054】(比較例5)実施例1の加飾用BMC(表
面材)の作製において、化学増粘剤(酸化マグネシウ
ム)2.0重量部を3.0重量部に変更し、熟成増粘温
度40℃を60℃に変更し、さらに熟成増粘時間48時
間を50時間に変更した。また、SMC(裏側材)の作
製において、化学増粘剤(酸化マグネシウム)1.6重
量部を2.4重量部に変更しした。それ以外は実施例1
と同様に行った。
【0055】この場合、加飾用BMC(表面材)の押し
込み硬さは0.40、SMC(裏側材)の押し込み硬さ
は2.20であり、得られた加飾成形品(10個)は、
いずれも、表裏2層の混じりがあり、石目調外観が劣る
ものであった。
【0056】(比較例6)実施例1の加飾用BMC(表
面材)の作製において、化学増粘剤(酸化マグネシウ
ム)2.0重量部を3.0重量部に変更し、熟成増粘温
度40℃を60℃に変更し、さらに熟成増粘時間48時
間を50時間に変更した。また、SMC(裏側材)の作
製において、化学増粘剤(酸化マグネシウム)1.6重
量部を0.8重量部に変更し、熟成増粘時間48時間を
12時間に変更した。それ以外は実施例1と同様に行っ
た。
【0057】この場合、加飾用BMC(表面材)の押し
込み硬さは0.40、SMC(裏側材)の押し込み硬さ
は11.00であり、得られた加飾成形品(10個)
は、いずれも、表裏2層の混じりがあり、石目調外観が
劣るものであった。
【0058】
【発明の効果】上述の通り、本発明によれば、深み感に
優れ、表面欠陥のない美麗な石目調の外観を有する繊維
補強の加飾成形品(例えば、浴槽、防水パン、洗面化粧
台、キッチンカウンターなど)を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 105:20 B29K 105:20 B29L 31:00 B29L 31:00 Fターム(参考) 4F072 AA02 AA08 AB09 AD04 AD06 AD37 AD38 AD41 AE06 AE09 AE24 AF03 AF06 AG03 AG17 AK05 AK14 AL06 AL17 4F204 AA36 AB27 AD04 AD05 AD06 AD08 AD16 AF09 AG03 AH49 FA01 FB01 FB12 FB13 FB22 FG02 FG09 FN11 FN15 FQ15

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄片状物質からなる加飾用柄材が含有さ
    れ、増粘前に圧縮して平板化されてなり、増粘後の押し
    込み硬さが0.5〜2.5である加飾用バルクモールデ
    ィングコンパウンドからなる表面材と、押し込み硬さが
    2.5〜10である繊維補強熱硬化性樹脂成形材料から
    なる裏側材とを重ね、金型内で熱圧成形してなることを
    特徴とする加飾成形品。但し、上記押し込み硬さは、縦
    100mm×横100mmの試料を重ねて厚さ約15m
    mの試験片とし、直径16mmの剛球圧子を有する押し
    込み硬さ試験機を用い、試験片に上方から垂直に98N
    の荷重を60秒間加え、その後さらに294Nの荷重を
    180秒間加えて、総荷重392Nで生じるくぼみの深
    さ(mm単位)で表す。
  2. 【請求項2】 表面材と裏側材との間にシート状隔離材
    が挟まれていることを特徴とする請求項2に記載の加飾
    成形品。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008155543A (ja) * 2006-12-25 2008-07-10 Matsushita Denko Bath & Life Kk Frpの柄付け方法とその成形品

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