JPH0911262A - 加飾成形品の製造方法 - Google Patents

加飾成形品の製造方法

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JPH0911262A
JPH0911262A JP7165682A JP16568295A JPH0911262A JP H0911262 A JPH0911262 A JP H0911262A JP 7165682 A JP7165682 A JP 7165682A JP 16568295 A JP16568295 A JP 16568295A JP H0911262 A JPH0911262 A JP H0911262A
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JP
Japan
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mold
molding
decorative sheet
molding material
speed
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JP7165682A
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English (en)
Inventor
Toshimitsu Tsuji
敏充 辻
Natsuki Morishita
夏樹 森下
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明は、金型内に加飾シート3と熱硬化性
成形材料4を重ねて配し、金型を締めて加熱圧縮成形を
行なう加飾成形品の製造方法に関する。本発明の方法
は、可動型1の締め切り速度を、可動型1が成形材料4
あるいは加飾シートに接触してから該型1を締め切るま
で間に、高速から低速に少なくとも1回変化させること
を特徴とする。 【効果】 自在な模様、色などの意匠を有する加飾シー
ト積層成形品を成形するに際し、加飾部の皺、破れ等の
不良の発生を顕著に少なくすることができて、加飾成形
品を効率よく生産することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金型内に加飾シートと
熱硬化性成形材料と重ねて配し、加熱圧縮成形を行なう
ことによって、加飾シートと成形材料を一体化させて、
加飾シートによって所望の模様ないしは色彩を有する各
種意匠を発現した加飾成形品を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、FRP(ガラス繊維強化プラスチ
ック)の分野、特にFRP製バスタブ、バスユニット床
等の生産においては、ハンドレイアップ成形法、あるい
はスプレーアップ成形法と言われる方式が広く採用され
て来たが、これらの方法は一個の製品を生産するのに長
い時間と多くの工数を必要とした。そこで、これらの生
産性を格段に改良するものとして、シート・モールディ
ング・コンパウンド(以下、SMCと略す)またはバル
ク・モールディング・コンパウンド(以下、BMCと略
す)等の熱硬化性成形材料が開発され、これを用いた加
熱圧縮成形法が現在広く採用されている。
【0003】しかしながら、熱硬化性成形材料だけを用
いたSMCあるいはBMCの加熱圧縮成形では、得られ
た成形品は、成形品全体の色が単一色に限られたものと
なり、例えば赤なら成形品全体が赤色のものしか生産で
きず、模様および色彩の自由度が狭められるという難点
がある。勿論、成形品に印刷、塗装等の後加工を施せ
ば、適宜の模様ないしは色彩を有する意匠を付加するこ
とは可能であるが、この場合には複雑な後加工の工程を
付け加える必要があり、生産性がいっそう低下する。
【0004】そこで、これらのFRP製品に加飾する方
法として、成形品に所望の模様ないしは色彩を有する意
匠を付加するための加飾シートをインサート成形する方
法が提案されている。例えば、ガラスクロス、ガラスマ
ット、不織布、織布等の基材に所望の模様柄を印刷して
なる加飾シートをSMCに重ねて金型内に配し、加熱圧
縮成形を行なうことによって、加飾シートと成形材料を
一体化させて成形品を加飾する方法が提案されている。
【0005】また、特開平5−285973号公報に
は、所望の模様柄を印刷したチタン紙に熱硬化性樹脂を
含浸させてなる加飾シートの上にSMCを重ねて加熱圧
縮成形を行ない、加飾成形品を得る方法が開示されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報記載の従来の加熱圧縮成形方法において通常のSMC
プレス成形条件、即ち、3〜10mm/秒程度の高速で
の型閉めを検討したところ、加飾シートが成形時に破れ
たり、皺になったりしやすいという欠点があることが判
明した。このため、上記のような高速の型締め速度で
は、成形不良率が非常に高く、生産効率に劣るという難
点があるのであり、また破れ、皺の不良の程度が比較的
軽微なものについては修正を施して製品とすることも可
能であるが、この修正作業は、手作業によっているた
め、人手と時間を要するものであり、トータルとしてコ
ストが非常に高くなるという欠点を有する。
【0007】本発明は、上記欠点を解消すべくなされた
ものであり、自在な模様、色などの意匠を有する加飾シ
ート積層成形品を成形するに際し、加飾部の皺、破れ等
の不良が発生しにくい、加飾成形品の製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による加飾成形品
の製造方法は上記目的を達成すべく工夫されたものであ
り、加飾シートを、固定型および可動型のうちのいずれ
か一方の型と、同他方の型に保持された熱硬化性成形材
料との間に介在させた状態で加熱圧縮成形することによ
り、加飾成形品を製造する方法において、可動型の締め
切り速度を、可動型が成形材料あるいは加飾シートに接
触してから該型を締め切るまでの間に、高速から低速に
少なくとも1回変化させることを特徴とするものであ
る。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明に用いる加飾シートとは、着色ある
いは印刷されたシート状補強材をいう。この加飾シート
には、適宜、熱硬化性樹脂組成物を含浸させることがで
きる。熱硬化性樹脂組成物を含浸させた場合には、型内
にてこれが硬化し、硬質で耐久性などに優れる加飾表面
を得ることができる。
【0011】上記シート状補強材としては、紙あるいは
ガラス繊維、合成繊維(ポリエステル、ポリプロピレ
ン、レーヨン、ナイロン等)から構成された織布、不織
布などが挙げられる。
【0012】このシート状補強材の具体例としては、チ
タン紙、オーバーレー紙、上質紙、中質紙、更紙、アー
ト紙、コート紙、ガラスチョップストランドマット、ガ
ラスフィラメントマット、ガラスコンティニアスマッ
ト、ガラスロービングクロス、ガラスサーフェイスマッ
ト、ポリエステル織布、ナイロン織布、ポリエステル不
織布、ポリプロピレン不織布などである。
【0013】上記紙、有機繊維からなる織布、不織布の
目付量は、10〜300g/m2 、一方無機繊維からな
る織布、不織布の目付量は100〜500g/m2 が一
般的である。
【0014】シート状補強材への熱硬化性樹脂組成物の
含浸量としては、シート状補強材として有機系のものを
用いた場合には、含浸したシートの含浸後の全体の重量
に対して30〜70重量%となるように配合されること
が好ましく、より好ましくは40〜60重量%である。
【0015】一方、シート補強材として無機系のものを
用いた場合には、熱硬化性樹脂組成物の含浸量は、含浸
したシートの含浸後の全体の重量に対して10〜50重
量%となるように配合されることが好ましく、より好ま
しくは20〜40重量%である。
【0016】シートの加飾方法は印刷、着色などが挙げ
られる。ここで、印刷方法は、従来公知の各種方法によ
ればよく、具体的には、グラビア印刷方式、オフセット
印刷方式、スクリーン印刷方式、凸版印刷方式などが挙
げられる。また着色方法としても公知の方法によれば良
く、例えば繊維に染料で着色したものを用いる方法など
が挙げられる。
【0017】また、意匠性を向上させるために、シート
状補強材あるいは熱硬化性樹脂組成物に、熱硬化性樹脂
成形品を粗砕した粒状物、天然雲母、着色雲母、寒水
石、天然石粉、貝殻、金属粉などの柄材、顔料、染料を
加えても良い。
【0018】本発明において、加飾シートに熱硬化性樹
脂組成物を含浸させる場合には、熱硬化性樹脂組成物と
しては、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシアクリレー
ト樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、ウレ
タンアクリレート樹脂、フェノール樹脂等の各種熱硬化
性樹脂を主成分とする組成物が使用可能である。
【0019】上記熱硬化性樹脂組成物には、必要に応じ
て、溶剤、あるいは共重合性モノマー等を添加しても良
い。例えば粘度の高い樹脂においては、含浸性を改良す
るために溶剤などを添加して粘度を低下させる。また反
応性の低い樹脂においては、スチレン、α−メチルスチ
レン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、ジアリルフ
タレート、各種アクリレートモノマー、各種メタクリレ
ートモノマーなどの共重合性モノマーを添加して反応性
を改良することができる。
【0020】上記共重合性モノマーの添加量は、通常、
熱硬化性樹脂100重量部に対して0〜100重量部で
ある。
【0021】また、上記熱硬化性樹脂組成物には、必要
に応じて、各種充填剤、添加剤を用いても良い。具体的
には、炭酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム
等の充填剤、有機過酸化物等の重合開始剤、パラベンゾ
キノン等の重合禁止剤、ステアリン酸亜鉛等の内部離型
剤、防かび剤、防腐剤、酸化防止剤などが適当量添加さ
れる。
【0022】シート基材への樹脂含浸は、従来公知の方
法により行なうことができる。即ち、例えば、樹脂の入
った槽にシート基材を浸漬して樹脂を含浸し、ロール等
で基材を押圧して余分な樹脂を落とし、必要に応じて乾
燥炉において乾燥する方法、あるいは、ベルトの上でシ
ート基材を流して行き、その上に樹脂を載置し、ロール
またはブレード等で基材を押圧して行く方法等がある。
【0023】本発明において、熱硬化性成形材料として
は、従来よりSMC、BMC等の各種熱硬化性成形材料
として使用されているものを用いることができる。
【0024】熱硬化性成形材料の調製例は、つぎのとお
りである。すなわち、熱硬化性樹脂として不飽和ポリエ
ステル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアク
リレート樹脂等が用いられ、必要に応じて各種充填材、
補強材、添加剤等が加えられ、従来公知の方法により、
SMCあるいはBMC等の形態を持つ熱硬化性樹脂組成
物が調製される。
【0025】本発明の製造方法は、上記のような材料を
用いて行なわれるが、その具体的操作は、以下のとおり
である。
【0026】本発明に用いる成形機としては、従来公知
のプレス成形機が使用可能である。また型としては、従
来公知の、金型、鋳物型等が使用可能である。
【0027】また型の形式としては、一般的には上下型
が好ましく用いられる。この場合、通常は上型を可動
型、下型を固定型として用いる。
【0028】上記の成形機に、上記成形型を取り付け、
80〜180℃に加熱した後、型を開いた状態で、型内
に被圧縮材料である加飾シートと成形材料を所要の位置
に重ねて配する。
【0029】ここで、型の温度は80〜180℃であ
り、好適には85℃〜165℃である。特に、汎用のS
MC、BMCのような高温用の成形材料を用いる場合に
は100〜155℃とすることが好適であり、また、い
わゆる低温SMCと呼ばれる、低温成形用の成形材料を
用いる場合には、85〜100℃とすることが好適であ
る。なお、型温度が低すぎる場合には、成形材料が充分
に固化し難く、逆に高すぎる場合には、成形材料の十分
な流動性が得られ難いので、いずれの場合も好ましくな
い。
【0030】ここで、加飾シートと成形材料の上下関係
としては、加飾シートを下型の型面上に載置し、その上
に成形材料を載置するのが、シートの位置ずれが少な
く、良好である。ただし、必要に応じて、成形材料を下
側としても構わない。
【0031】上記請求項において「可動型が成形材料あ
るいは加飾シートに接触」とは、加飾シートを下型上に
載置する場合は、可動の上型が成形材料に接触する時点
を意味し、下型上に載置した成形材料の上に加飾シート
を配置する場合は、可動の上型が加飾シートに接触する
時点を意味する。またこのとき、加飾シートに剥離用フ
ィルムを積層したものを用いても構わないが、その場合
には、その剥離用フィルムに、可動の上型が接触する時
点をいう。
【0032】またここで、加飾シートを下型に載置する
面は、印刷あるいは着色がより多く施された面とするの
が普通であるが、必要に応じて、成形材料側を印刷ある
いは着色した面としても構わない。
【0033】ここで、加飾シートの大きさとしては、成
形品の表面全体を加飾するための大きなものであっても
構わないし、成形品表面のうち一部のみを加飾する小さ
いものであっても構わない。即ち、加飾シートの大きさ
は、求められる模様ないしは色彩等の意匠に応じて、任
意の大きさ、形とすればよい。
【0034】また、本発明においては、必要に応じて、
加飾シートと成形材料の間にガラスマット、ガラスクロ
ス、不織布、布、紙等あるいはそれらに樹脂を含浸させ
たもの等を適宜挿入しても構わない。
【0035】こうして、金型内に加飾シートと熱硬化性
成形材料を積層状に配した後、型を締める。型を締める
段階は、大略、下記の3つの工程に分けられる。
【0036】即ち、可動型を高速で、成形材料あるい
は加飾シートの近傍まで近づける。 可動型が成形材料あるいは加飾シートの近傍から、成
形材料あるいは加飾シートに接触するまで、可動型の速
度を減速する。
【0037】可動型が成形材料あるいは加飾シートに
接触してから、圧力を加えながら成形材料を押し流して
成形し、締め切る。の3工程である。
【0038】ただし、型の開閉ストロークが短い成形機
の場合には、、の工程をとらなくてもプリゲル等の
不良の起こらないこともあり、この場合には勿論、、
の工程をとらず、の低速締め切り工程のみとしても
構わない。
【0039】ここで、工程において、可動型が成形材
料あるいは加飾シート近傍まで近づくまでは、任意の速
度で可動型を動かすことが可能である。ただし、ここで
の型の動作速度が遅すぎる場合には、成形材料および加
飾シートが流動前に硬化して流動性を失って欠肉等の成
形不良の原因になりやすいので、この動作速度は20m
m/秒以上であることが好ましく、より好ましくは50
mm/秒以上である。ここで、「近傍」とは、成形機の
性能により異なるが、使用する成形機において、可動型
の動作速度を工程の高速動作状態から工程の低速動
作状態にスムーズに減速するに適した距離をいう。汎用
プレス成形機ではその距離は30〜50mm程度であ
る。
【0040】工程においては、可動型が成形材料ある
いは加飾シートの近傍から、これに接触するまでは、漸
時速度を低下させる。
【0041】そして、工程においては、可動型が成形
材料あるいは加飾シートに接触してから締め切るまでの
間に、少なくとも1回低速させる。この低速への変速は
何回行なってもよいが、好ましくは1〜3回である。4
回を越えると締め切りに要する時間が長くなる恐れがあ
る。
【0042】また可動型が成形材料あるいは加飾シート
に接触したときの締め切り速度は、2mm/秒〜12m
m/秒であることが好ましく、好適には3〜8mm/秒
である。ここで、2mm/秒より遅い締め切り速度で
は、締め切りに要する時間が長くなる。またプリゲルが
発生しやすくなるという恐れがある。一方、締め切り速
度が12mm/秒を越えると、加飾シートに急激に圧力
がかかるため、加飾シートが伸ばされて歪んだり、皺が
発生したり、あるいはまた破れたりするといった成形不
良が起こりやすく、いずれの場合も好ましくない。
【0043】また、金型を締め切る直前の締め切り速度
は、0.1〜3mm/秒であることが好ましい。ここで
の型の動作速度が遅すぎる場合には、成形材料が流動前
に硬化して流動性を失って欠肉等の成形不良の原因にな
りやすく、逆に早すぎる場合には、加飾シートに急激に
圧力がかかるため、加飾シートが伸ばされて歪んだり、
皺が発生したり、あるいはまた破れたりするといった成
形不良が起こりやすく、いずれの場合も好ましくない。
【0044】ここで、工程における型締め速度の制御
は、従来公知の方法によって行なうことができる。即
ち、速度制御機能の備えられている成形機を用いる場合
にはそれによれば良いし、また、出力制御方式が採用さ
れている成形機を用いる場合には、予め予備試験を行な
い、上述した締め切り速度となる出力範囲を測定し、そ
の条件にて成形を行なえば良い。
【0045】そのようにして型を締め切った後、2〜1
50kg/cm2 の圧力で30秒〜15分間加圧成形を
行ない、被成形物を硬化させた後、型を開け、製品を脱
型すれば、積層された加飾成形品が得られる。
【0046】ここで、上記成形圧力は、2〜150kg
/cm2 であり、好適には10〜120kg/cm2
ある。特に、汎用のSMCあるいはBMCの様な成形材
料を用いる場合には50〜120kg/cm2 とするこ
とが好適であり、また、いわゆる低圧SMCと呼ばれ
る、低圧成形用の成形材料を用いる場合には、5〜25
kg/cm2 とすることが好適である。成形圧力が低す
ぎる場合には、成形材料が充分な流動性が得られにくい
という欠点を有する。逆に高すぎる場合には、量産時の
型の劣化が進みやすくなり、いずれの場合も好ましくな
い。
【0047】
【作用】本発明の製造方法においては、可動型の締め切
り速度を、可動型が成形材料あるいは加飾シートに接触
してから該型を締め切るまでの間に、高速から低速に少
なくとも1回変化させることにより、加飾用シートに急
激に圧力がかかってシートが不均一に伸びて歪んだり、
皺が発生したり、あるいはまた破れたりするといった成
形不良が起こらない。
【0048】
【実施例】以下に、本発明の実施例を、図面を参照して
説明する。
【0049】1.成形機および金型の準備 図面において、成形機としては、川崎油工社製の800
トンプレス成形機を用いた。金型としては117cm×
87cmの防水パンを成形する金型を準備した。
【0050】上型(1) 、下型(2) 共に蒸気配管(図示
略)を埋め込んだ。
【0051】なお、この実施例では、上型(1) の中央部
下面に、防水パンにリブを施すためのリブ付け用凹部
(5) を所要数設けた。また、下型(2) の上面に、エンボ
ス(6)を施すとともに、所定間隔おきに細幅の目地形成
用平坦部(7) を形成し、得られる防水パンの成形品の底
部に、エンボス模様と細幅の目地とを形成した。
【0052】この金型を上記プレス成形機に取り付け
た。上型(1) を可動型とし、下型(2)を固定型とした。
【0053】2.加飾シートの調整 加飾シート(3) は、以下のように調整した。
【0054】1)含浸用樹脂液の調整 (1) 不飽和ポリエステル樹脂液(数平均分子量約830
0のイソフタル酸系の不飽和ポリエステル樹脂をアセト
ン:トルエン混合溶媒(1:1)に溶解したもの、溶剤
35重量%)100重量部 (2) 重合開始剤(ターシャリーブチルパーオキシベンゾ
エート)1重量部 上記(1) 、(2) を混合、攪拌し、含浸用樹脂液とした。
【0055】2)加飾シート(3) の調整 加飾シート1:チタン紙(厚さ0.1mm、80g/m
2 、PM11P:興人社製)に石目柄を印刷したものを
78cm×65cmの大きさに切り、この切断片を上記
樹脂液中に浸漬して樹脂を含浸させた後、切断片をロー
ルで押圧して余分な樹脂を落し、加飾シート1を得た。
この加飾シート中の基材(紙)の重量割合は、50重量
%であった。
【0056】加飾シート2:布(ナイロン製、厚さ0.
1mm、90g/m2 、東洋紡績社製)に石目柄を印刷
したものを用いた以外は加飾シート1と同様に加飾シー
ト2を得た。この加飾シート中の基材の重量割合は、4
5重量%であった。
【0057】加飾シート3:不織布(ポリエステル製、
厚さ0.36mm、40.7g/m 2 、ソンタラ#80
00:東レ・デュポン社製)に石目柄を印刷したものを
用いた以外は加飾シート1と同様に加飾シート3を得
た。この加飾シート中の基材の重量割合は、50重量%
であった。
【0058】加飾シート4:ガラスクロス(厚さ0.2
5mm、200g/m2 、平織り、WF230100B
S6:日東紡績社製)に石目柄を印刷したものを用いた
以外は加飾シート1と同様に加飾シート4を得た。この
加飾シート中の基材の重量割合は、35重量%であっ
た。
【0059】加飾シート5:ガラスマット(厚さ0.3
0mm、300g/m2 、MC300A104:日東紡
績社製)に石目柄を印刷したものを用いた以外は加飾シ
ート1と同様に加飾シート5を得た。この加飾シート中
の基材の重量割合は、35重量%であった。
【0060】加飾シート6:オーバーレー紙(厚さ0.
12mm、100g/m2 :興人社製)に石目柄を印刷
したものを78cm×65cmの大きさに切り、上記樹
脂液中に浸漬して樹脂を含浸させた後、ロールで余分な
樹脂をしごいて、乾燥した後加飾シート6を得た。得ら
れた加飾シートの、基材(紙)含有率は、45重量%で
あった。
【0061】3.成形材料の調整 成形材料(4) としては以下のものを用いた。
【0062】(1) 不飽和ポリエステル樹脂液(数平均分
子量約2000のイソフタル酸系の不飽和ポリエステル
樹脂をスチレンに溶解してもの、スチレン濃度40重量
%)70重量部 (2) ポリスチレン樹脂液(重量平均分子量約95000
のポリスチレン樹脂を、スチレンに溶解したもの、スチ
レン濃度65重量%)30重量部 (3) 重合開始剤(ターシャリーブチルパーオキシベンゾ
エート)1重量部 (4) 炭酸カルシウム粉末(NS−100:日東粉化社
製)120重量部 (5) 着色顔料(酸化チタン粉末、SR−1:堺化学工業
社製)6重量部 (6) 増粘剤(酸化マグネシウム粉末、平均粒径約3μ
m、キョーワマグ150:協和化学工業社製)1重量部 (7) 内部離型剤(ステアリン酸亜鉛:堺化学工業社製)
3重量部 (8) ガラス繊維(旭ファイバーグラス社製のロービン
グ:ER4630LBD166Wを長さ25mmに切断
したもの、以下、GFと略す)70重量部 上記配合材料のうち(1) 〜(7) の配合材料を混合し、充
分に混練を行なった後、得られた混練物をSMC製造装
置により(8) のガラス繊維に含浸させ、40℃にて24
時間熟成して、厚み約2mmの着色(白色)SMC成形
材料(4) を得た。
【0063】4.成形方法 このようにして得られたSMC成形材料(4) および加飾
シート(3) を、以下のように成形した。
【0064】(実施例1)上型(1) を140℃、下型
(2) を150℃に加熱した後、加飾シート(3) として上
記加飾シート1を下型に載せた。その上に上記SMC成
形材料(4) を70cm×50cmの大きさに切ったもの
を9枚チャージした。上型(1) を、SMC成形材料に
接触する位置より30mm上まで50mm/秒で、S
MC成形材料(4) に接触する位置より30mm上からS
MC成形材料(4) に接触するまで(締め切り位置より2
8mm上の高さ)10mm/秒で、SMC成形材料
(4) に接触した後、締め切りから10mmの高さまで5
mm/秒で、締め切りから10mmの高さから締め切る
まで1mm/秒の速度で上型(1) を締め、締め切った後
70kg/cm2 の圧力で240秒間加圧成形を行なっ
た。その後、上型(1) を開いて脱型し、底部にエンボス
模様と細幅の目地とが施された防水パンの加飾成形品を
得た。この成形を10回繰り返し、10個の成形品を得
た。
【0065】(実施例2〜9、比較例1〜11)それぞ
れ、下表に記す加飾シート(3) を用い、下表に記す型締
め速度を用いた以外は、実施例1と同様に成形を行なっ
た。各実施例および比較例では、実施例1と同様に、そ
れぞれ10回ずつ成形を繰り返し、10個の成形品を得
た。
【0066】5.評価方法 上記各実施例および比較例において、得られた成形品に
ついて、目視にて加飾シート(3) の破れ、皺、SMCの
欠肉等の不良の有無を評価した。
【0067】
【表1】
【表2】 上記の表1および表2の結果から明らかなように、本発
明の各実施例においては、不良が少ないものであった
が、比較例においては、不良率の多いものであった。
【0068】
【発明の効果】本発明による加飾成形品の製造方法は以
上のとおり構成されているので、加飾部の歪み、皺、破
れ等の不良の発生を顕著に少なくすることができるとい
う効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施する装置の概略縦断面図
で、金型による成形前の状態示している。
【符号の説明】
1:可動型(上型) 2:固定型(下型) 3:加飾シート 4:成形材料(SMC) 5:リブ付け用凹部 6:エンボス 7:目地形成用平坦部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/10 B32B 27/10 27/12 27/12 29/06 29/06 // B29K 105:06 B29L 9:00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加飾シートを、固定型および可動型のう
    ちのいずれか一方の型と、同他方の型に保持された熱硬
    化性成形材料との間に介在させた状態で加熱圧縮成形す
    ることにより、加飾成形品を製造する方法において、可
    動型の締め切り速度を、可動型が成形材料あるいは加飾
    シートに接触してから該型を締め切るまでの間に、高速
    から低速に少なくとも1回変化させることを特徴とする
    加飾成形品の製造方法。
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