JP2000238058A - 繊維補強不飽和ポリエステル樹脂成形材料の圧縮成形方法 - Google Patents

繊維補強不飽和ポリエステル樹脂成形材料の圧縮成形方法

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JP2000238058A
JP2000238058A JP11041695A JP4169599A JP2000238058A JP 2000238058 A JP2000238058 A JP 2000238058A JP 11041695 A JP11041695 A JP 11041695A JP 4169599 A JP4169599 A JP 4169599A JP 2000238058 A JP2000238058 A JP 2000238058A
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unsaturated polyester
polyester resin
mold
reinforced unsaturated
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JP11041695A
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English (en)
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Yoshinori Kitagawa
善詔 北川
Norihito Morishima
憲仁 森島
Fumitake Nagamori
文剛 永森
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬化時間を短縮することができ、しかも成形
材料の保存安定性が良く、表面欠陥のない成形品を得る
ことのできる繊維補強不飽和ポリエステル樹脂成形材料
の圧縮成形方法を提供する。 【解決手段】 硬化触媒として有機過酸化物を含有する
繊維補強不飽和ポリエステル樹脂成形材料を金型に入れ
型締めして熱硬化させる圧縮成形方法において、成形材
料を構成する樹脂分100重量部に対して、硬化触媒と
して10時間半減期温度が85〜110℃の有機過酸化
物1.0〜3.0重量部を含有する繊維補強不飽和ポリ
エステル樹脂成形材料を用い、型締めの過程で金型内を
真空ゲージ圧200〜650mmHgに吸引脱気する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として硬化時間
を短縮することのできる繊維補強不飽和ポリエステル樹
脂成形材料の圧縮成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】硬化触媒として有機過酸化物を含有する
繊維強化不飽和ポリエステル樹脂成形材料、例えばシー
トモールディングコンパウンド(SMC)やバルクモー
ルディングコンパウンド(BMC)を金型に入れ、型締
めして熱硬化させる圧縮成形方法は、浴槽、防水パン等
の住宅設備や自動車部材などFRP成形品の製造に広く
使用されている。
【0003】具体的には、硬化触媒としてt−ブチルパ
ーオキシベンゾエートなどの高温硬化系の有機過酸化物
を含有するSMCやBMCの成形材料が用いられる。そ
して、予め120〜160℃に加熱された下金型と上金
型とからなる金型を用い、この金型の下金型上に所望枚
数の上記成形材料を重ねて載置し、これに上金型を降下
させて型締めして熱硬化させ、その後脱型することによ
り、各種のFRP成形品が製造される。
【0004】これ等の成形品の製造には、品質が良好で
あることはもとより、高い生産性が要求されている。成
形サイクルを短縮して生産性を向上させるには、成形温
度を高めたり、硬化触媒である有機過酸化物の配合量を
増やしたり、硬化触媒としてt−ブチルパーオキシ−2
−エチルヘキサノエートなどの有機過酸化物(中温硬化
系)を用いたり、硬化触媒として10時間半減期温度が
85〜110℃の有機過酸化物(高温硬化系)と10時
間半減期温度が50〜80℃の有機過酸化物(中温硬化
系)とを併用する方法が採用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の方法によれば、硬化時間は短縮されるが、成形材料
の保存安定性及び得られる成形品の表面平滑性の点で充
分でない。すなわち、下金型上に載置された成形材料
は、下金型からの熱によって金型を締めきるまでの間で
ゲル化が始まりやすく、所謂プリゲル化現象により、得
られる成形品の表面に肌あれ、あばた、光沢低下などの
表面欠陥が生じることがある。
【0006】また、成形材料を常温において長期間(例
えば1か月)で保存したあと、この成形材料を用いて成
形品を製造する場合は、保存中に成形材料の硬化が進ん
で熱流動性が低下し、得られる成形品の表面の肌あれ、
あばた、光沢の低下などの表面欠陥が生じるが生じるこ
とがある。
【0007】本発明は、上記の問題を解決するものであ
り、第1の目的は、硬化時間を短縮することができる繊
維補強不飽和ポリエステル樹脂成形材料の圧縮成形方法
を提供することにある。さらに、第2の目的は、硬化時
間を短縮し、しかも成形材料の保存安定性が良く、表面
欠陥のない成形品を得ることができる繊維補強不飽和ポ
リエステル樹脂成形材料の圧縮成形方法を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明では、硬化触媒として有機過酸化
物を含有する繊維補強不飽和ポリエステル樹脂成形材料
を金型に入れ型締めして熱硬化させる圧縮成形方法にお
いて、型締めの過程で金型内を吸引脱気することを特徴
とする繊維補強不飽和ポリエステル樹脂成形材料の圧縮
成形方法が提供される。
【0009】請求項2の発明では、硬化触媒として10
時間半減期温度が85〜110℃の有機過酸化物を含有
する繊維補強不飽和ポリエステル樹脂成形材料を用いる
ことを特徴とする請求項1に記載の繊維補強不飽和ポリ
エステル樹脂成形材料の圧縮成形方法が提供される。
【0010】請求項3の発明では、成形材料を構成する
樹脂分100重量部に対して、硬化触媒として10時間
半減期温度が85〜110℃の有機過酸化物1.0〜
3.0重量部を含有する繊維補強不飽和ポリエステル樹
脂成形材料を用いることを特徴とする請求項1に記載の
繊維補強不飽和ポリエステル樹脂成形材料の圧縮成形方
法が提供される。
【0011】請求項4の発明では、型締めの過程で金型
内を真空ゲージ圧度200〜650mmHgに吸引脱気
することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記
載の維補強不飽和ポリエステル樹脂成形材料の圧縮成形
方法が提供される。
【0012】本発明において、硬化触媒として有機過酸
化物を含有する熱硬化性繊維強化樹脂成形材料として
は、シートモールディングコンパウンド(SMC)やバ
ルクモールディングコンパウンド(BMC)が好適に用
いられる。特に、成形性の点からSMCを用いるのが好
ましく、これ等のSMCの厚さは、一般に1〜10mm
のものが用いられ、特に1〜5mmが好ましい。
【0013】上記成形材料(SMCやBMC)は、不飽
和ポリエステルと架橋用ビニルモノマーとからなる液状
不飽和ポリエステル樹脂に、硬化触媒として有機過酸化
物を配合し、これに必要に応じて収縮防止用樹脂、無機
充填剤、化学増粘剤、内部離型剤、安定剤、流動性調整
剤、顔料どの公知の配合剤を適量混合して原材料組成を
調製し、さらにこのような原材料組成を補強用繊維チョ
ップ層に適量含浸させるか或いは補強用繊維チョップと
混合し、これを所定の温度及び時間で熟成増粘して製造
される。このような成形材料(SMCやBMC)の製造
技術は広く知られている。
【0014】ここで、不飽和ポリエステルは、(無水)
マレイン酸、フマル酸等の不飽和二塩基酸又はその一部
を(無水)フタル酸、イソフタル酸等の飽和二塩基酸で
置換したものと、プロピレングリコール、ネオペンチル
グリコール、水素添加ビスフェノール等の二価アコール
とを加熱下で重縮合反応させて得られる。この不飽和ポ
リエステルの平均分子量は、一般に800〜5000で
あり、その酸価は一般に8〜60のものが用いられる。
例えば、水添ビスフェノール系、イソフタル酸系、オル
ソフタル酸系の不飽和ポリエステルがそれぞれ単独で或
いは二種以上を混合して用いられる。
【0015】架橋用ビニルモノマーとしては、上記の不
飽和ポリエステルに溶解するスチレン、α−メチルスチ
レン、ビニルトルエン、メチルメタクリート等のビニル
モノマーが用いられる。このような架橋用ビニルモノマ
ーは、上記不飽和ポリエステル30〜60重量部に対し
て架橋用ビニル系モノマー70〜40重量部の割合で配
合して用いるのが好ましい。架橋用ビニル系モノマーの
配合量が少なくなると、得られる成形品の硬度や強度が
低下する。逆に、架橋用ビニル系モノマーの配合量が多
くなると、得られる成形品の表面平滑性や光沢が低下す
る。
【0016】硬化触媒としては、成形材料の保存安定性
等の点から、10時間半減期温度が85〜110℃の有
機過酸化物(高温硬化系)を用いるのが好ましいが、成
形材料を長期間保存しない場合は、10時間半減期温度
が50〜80℃の有機過酸化物(中温硬化系)或いは上
記高温硬化系の有機過酸化物と中温硬化系の有機過酸化
物とを混合して用いることができる。
【0017】10時間半減期温度が85〜110℃の有
機過酸化物としては、メチルエチルケトンパーオキサイ
ド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、シクロヘ
キサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパー
オキサイド、トリス−t−ブチルパーオキシトリアジ
ン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,5−トリ
メチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオ
キシシクロヘキサン、2,2−ジ−t−ブチルパーオキ
シブタン、4,4ジ−t−ブチルパーオキシ吉草酸−n
−ブチルエステル、ジ−t−ブチルパーオキシアゼラエ
ート、t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチル
ヘキサノエート、t−ブチルパーオキシアセテート、t
−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキ
シイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシマ
レイン酸、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチ
ルパーオキシアリルカーボネート、2,5−ジメチル−
2,5−ジ−ベンゾイルパーオキシヘキサン、2,2−
ジ−t−ブチルパーオキシオクタン、パーオキシヘキサ
ン、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート等が挙げ
られる。
【0018】これ等の有機過酸化物は、単独で或いは二
種以上を混合して用いられる。そして、これ等の有機過
酸化物は、成形材料を構成する樹脂分(上記不飽和ポリ
エステル、架橋用ビニル系モノマー及び必要に応じて用
いられる後述の収縮防止用樹脂)100重量部に対し
て、1.0〜3.0重量部の割合で配合するのが好まし
く、より好ましくは1.5〜2.5重量部が配合され
る。これ等の有機過酸化物の配合量が少なくなると、成
形材料の硬化時間が長くなり、逆に配合量が多くなる
と、成形材料の保存安定性が低下し、また成形品の表面
平滑性や光沢が低下する。
【0019】特に、上記半減期温度が85〜110℃の
上記有機過酸化物としては、t−ブチルパーオキシベン
ゾエート等のベンゾエート系又はt−ブチルパーオキシ
イソプロピルカーボネート等のカーボネート系を用いる
か、或いは上記ベンゾエート系とカーボネート系とを併
用するの好ましい。
【0020】収縮防止用樹脂としては、ポリスチレン、
ポリエチレン、ポリウレタン、アクリル樹脂、飽和ポリ
エステル、スチレン−酢酸ビニルブロック共重合体、ス
チレン−ブタジエンブロック共重合体等の熱可塑性高分
子が用いられる。このような収縮防止用樹脂を用いる場
合は、30重量部以下の割合で配合して用いるのが好ま
しい。
【0021】無機充填剤としては、炭酸カルシウムやク
レーや水酸化アルミニウム等が用いられる。化学増粘剤
としては、酸化マグネシウムや水酸化マグネシウムや有
機ポリイソシアネート化合物等が用いられる。また、内
部離型剤としては、ステアリン酸亜鉛やステアリン酸カ
ルシウム等が用いられる。安定剤としては、パラベンゾ
キノンやハイドロキノン等が用いられる。さらに、補強
用繊維としては、一般にモノフィラメントの太さが1〜
50μm、長さが5〜150mmのガラス繊維が好適に
用いられる。
【0022】本発明においては、先ず、硬化触媒として
有機過酸化物を含有する不飽和ポリエステル樹脂成形材
料(SMCやBMC)を作製する。そして、予め所定温
度に加熱された下金型と上金型とからなり且つ金型内を
吸引脱気が可能に構成されたマッチドダイのような金型
を用い、この下金型上に常温又は予熱された上記のよう
な成形材料を載置して加熱し、これに上金型を降下させ
て所望の速度と圧力で型締めする。成形材料は適当な寸
法に裁断し、これを必要な量だけ複数枚を重ねて下金上
の所定位置に載置する。
【0023】金型は一般に電熱方式やスチーム方式で加
熱され、一般に油圧プレスで型締めされる。金型温度は
一般に120〜160℃、型締め圧力は一般に20〜1
50kg/cm2 で行われる。型締め速度は、上金型が
降下しはじめて下金型上の成形材料に接する時点からの
型締め速度が重要で、一般に数段階に速度を落としなが
ら行われ、例えば50mm/秒程度から数段階に速度を
落としながら行われる。型締め終了後の最小保圧時間
は、硬化触媒として10時間半減期温度が85〜110
℃の有機過酸化物を適量用いる場合は200秒以下で充
分である。
【0024】そして、本発明においては、上記型締めの
過程で金型内を吸引脱気する。吸引脱気は、金型内の真
空度が真空ゲージ圧で200〜650mmHgとなるよ
うに行うのが好ましい。ここで、真空ゲージ圧とは、吸
引脱気を行わないときを基準(0mmHg)とするもの
で、真空ゲージ圧200mmHgとは絶対圧力が560
mmHgを意味し、真空ゲージ圧で650mmHgとは
絶対圧力が110mmHgを意味する。特に、真空ゲー
ジ圧で350〜550mmHgとなるように行うのが好
ましい。真空ゲージ圧で200mmHg以下での成形で
は金型内の空気を充分に引くことができず、逆に650
mmHg以上での成形では成形材料中の架橋用ビニルモ
ノマーが過度に飛散しやすく、所謂プリゲル化現象によ
り成形品の表面の肌あれ、あばた、光沢の低下などの表
面欠陥が生じやすくなる。
【0025】(作用)このように、硬化触媒として有機
過酸化物を含有する不飽和ポリエステル樹脂成形材料を
金型に入れ型締めして熱硬化させる際に、型締めの過程
で金型内を適度に吸引脱気すると、金型内に充満するス
チレンモノマー等の架橋用ビニルモノマー、パラベンゾ
キノン等の安定剤及び空気(酸素)が排出され、それに
より、金型内を全く吸引脱気しない従来方法と比べて、
成形材料の硬化が促進され硬化時間が短縮されるもの推
察される。
【0026】特に、硬化触媒として10時間半減期温度
が85〜110℃の有機過酸化物を含有する繊維補強不
飽和ポリエステル樹脂成形材料を用いると、上記のよう
に成形材料の硬化が促進され硬化時間が短縮されるとと
もに、このような有機過酸化物は高温硬化系であるの
で、成形材料を長期間保存しても、硬化が進んで熱流動
性が低下することがなく保存安定性がよい。しかも、金
型上に載置された成形材料は、金型からの熱によって金
型を締めきるまでの間でゲル化が始まるようなこともな
く、得られる成形品の表面の肌あれ、あばた、光沢の低
下などの表面欠陥の発生が防止される。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例及び比較例
を示す。なお、各実施例において、金型内を吸引脱気し
ない場合の例は比較例に相当し、説明の便宜上各実施例
の中に記載した。 (実施例1) <SMCの作製> 不飽和ポリエステル樹脂 ・水添ビスフェノールA系(スチレンモノマー40重量%含有)30重量部 (武田薬品社製のポリマール9305Z) ・イソフタル酸系(スチレンモノマー40重量%含有) 20重量部 (日本ユピカ社製のユピカ7650) ・イソフタル酸系(スチレンモノマー40重量%含有) 20重量部 (日本ユピカ社製のユピカ7015) 収縮防止用樹脂 ・スチレン−酢酸ビニル共重合樹脂溶液(スチレンモノマー 30重量部 40重量%含有)(日本油脂社製のモディパーSV−10B) 化学増粘剤 ・酸化マグネシウム(キョーワマグ150:協和化学社製) 1重量部 無機充填剤 ・炭酸カルシウム(NS−100):日東粉化社製) 120重量部 内部離型剤 ・ステアリン酸亜鉛(堺化学社製) 3重量部 着色剤 ・酸化チタン(SR−1:堺化学社製) 6重量部 安定剤 ・パラベンゾキノン 0.025重量部 硬化触媒(有機過酸化物) ・t−ブチルパーオキシベンゾエート 1.0重量部 (化薬アクゾ社製のカヤブチルB) (10時間半減期温度105℃) ・t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート 1.0重量部 (化薬アクゾ社製のカヤカルボンBIC−75) (10時間半減期温度97℃)
【0028】先ず、上記の組成からなる不飽和ポリエス
テル樹脂組成物のペーストを調製した。次に、慣用のS
MC製造装置を用い、一方のキャリヤーフィルム(ポリ
エチレンフィルム)の片面に、上記樹脂組成物のペース
トを塗布し、他方のキャリヤーフィルム(ポリエチレン
フィルム)の片面にも上記樹脂組成物のペーストを塗布
し、この両方のキャリヤーフィルムの塗布面同士をガラ
ス繊維チョップ層(ER4630LBD166Wの25
mmカット品:旭ファイバーグラス社製)を介して挟着
し、このガラス繊維チョップ層に上記両方の上記樹脂組
成物のペーストを含浸させ、これを40℃で24時間熟
成増粘させて、厚さ5mmのシートモールディングコン
パウンド(SMC)を作製した。なお、ガラス繊維チョ
ップ層は成形材料全体の20重量%となるように調節し
た。
【0029】<成形品の製造>25℃で2週間及び4週
間放置した上記シートモールディングコンパウンド(S
MC)を、縦600mm×横500mmに裁断したもの
を各12枚(高さ60mmに相当)用意した。また、別
に、上記シートモールディングコンパウンド(SMC)
を、縦500mm×横400mmに裁断したものを各1
5枚(高さ75mmに相当)用意した。
【0030】そして、図1の(A)示すように、下金型
11と上金型12からなり且つ金型内を、吸引ポンプ2
0により吸引脱気が可能に構成された洗い場付き浴槽成
形用の金型(マッチドダイ)10を用い、下金型11を
150℃、上金型12を140℃に加熱し、この下金型
11上のパン側に上記縦600mm×横500mmに裁
断したSMCの12枚(高さ60mm)30aを載置
し、さらに下金型11上の浴槽側に上記縦500mm×
横400mmに裁断したSMCの15枚(高さ75m
m)30bを載置し、これに上金型12を800mm/
秒で降下させる。
【0031】図1の(B)示すように、上金型12が降
下しはじめて下金型11上の浴槽側のSMCに接する時
点、すなわち下金型11と上金型12との合わせ面の間
隔が70mmとなった時点から45mmとなるまでは下
金型11を50mm/秒で降下させ、45mmから25
mmとなるまでは40mm/秒で降下させ、25mmか
ら10mmとなるまでは30mm/秒で降下させ、10
mmから5mmとなるまでは10mm/秒で降下させ、
10mmから0mm(合わせ面が合わさって型締めが終
了する時点)となるまでは2mm/秒で降下させて型締
めを行った。型締め後は、それぞれ90kg/cm2
圧力で必要とする最小保圧時間をかけて圧縮成形し、そ
の後金型10を開いて脱型し、洗い場付き浴槽を製造し
た。
【0032】この際、上記型締めの過程であって、合わ
せ面の間隔が60mmとなった時点(この時点では下金
型11と上金型12とはOリング13に接し、Oリング
13により金型10内は密封されている)で、吸引ポン
プ20を作動させて、金型10内を吸引脱気した。吸引
脱気条件は、吸引脱気なし(比較例)、真空ゲージ圧で
150mmHg、400mmHg、520mmHg及び
700mmHgに吸引脱気とし、それぞれの吸引脱気条
件で各40個(25℃で2週間放置したSMC使用のも
の20個、25℃で4週間放置したSMC使用のもの2
0個)の洗い場付き浴槽を成形した。ここで、吸引脱気
なし(比較例)及び真空ゲージ圧400mmHgの吸引
脱気条件で圧縮成形した場合について、必要とする最小
保圧時間を表1に示した。
【0033】成形材料(SMC)の保存安定性を評価す
るために、得られた洗い場付き浴槽(25℃で2週間放
置したSMC使用のもの20個、25℃で4週間放置し
たSMC使用のもの20個)について、その外観評価を
行い、外観良好なものを○(保存安定性良好)とし、外
観不良なものを×(保存安定性不良)とし、その間のも
のを△とし、その結果を表1に示した。
【0034】また、得られた洗い場付き浴槽(25℃で
4週間放置したSMC使用のもの20個)について、表
面欠陥(肌あれ、あばた、巣、ピンホール、膨れ)を調
べ、表面欠陥の発生率(表面欠陥のある個数/20個)
を表1に示した。さらに、得られた洗い場付き浴槽(2
5℃で4週間放置したSMC使用のもの20個)につい
て、その光沢(平均値)を測定し、その結果を表1に示
した。
【0035】(実施例2)実施例1において、t−ブチ
ルパーオキシベンゾエート1.0重量部及びt−ブチル
パーオキシイソプロピルカーボネート1.0重量部に替
えて、t−ブチルパーオキシベンゾエート(化薬アクゾ
社製のカヤブチルB)(10時間半減期温度105℃)
2.0重量部を使用した。それ以外は実施例1と同様に
行った。その結果をまとめて表1に示す。
【0036】(実施例3)実施例1において、t−ブチ
ルパーオキシベンゾエート1.0重量部及びt−ブチル
パーオキシイソプロピルカーボネート1.0重量部に替
えて、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート
(化薬アクゾ社製のカヤカルボンBIC−75)(10
時間半減期温度97℃)2.0重量部を使用した。それ
以外は実施例1と同様に行った。その結果をまとめて表
1に示す。
【0037】(実施例4)実施例1において、t−ブチ
ルパーオキシベンゾエート1.0重量部及びt−ブチル
パーオキシイソプロピルカーボネート1.0重量部に替
えて、t−ブチルパーオキシベンゾエート(化薬アクゾ
社製のカヤブチルB)(10時間半減期温度105℃)
0.3重量部及びt−ブチルパーオキシイソプロピルカ
ーボネート(化薬アクゾ社製のカヤカルボンBIC−7
5)(10時間半減期温度97℃)0.4重量部を使用
した。それ以外は実施例1と同様に行った。その結果を
まとめて表1に示す。
【0038】(実施例5)実施例1において、t−ブチ
ルパーオキシベンゾエート1.0重量部及びt−ブチル
パーオキシイソプロピルカーボネート1.0重量部に替
えて、t−ブチルパーオキシベンゾエート(化薬アクゾ
社製のカヤブチルB)(10時間半減期温度105℃)
2.0重量部及びt−ブチルパーオキシイソプロピルカ
ーボネート(化薬アクゾ社製のカヤカルボンBIC−7
5)(10時間半減期温度97℃)2.0重量部を使用
した。それ以外は実施例1と同様に行った。その結果を
まとめて表1に示す。
【0039】(実施例6)実施例1において、t−ブチ
ルパーオキシベンゾエート1.0重量部及びt−ブチル
パーオキシイソプロピルカーボネート1.0重量部に替
えて、t−ブチルパーオキシベンゾエート(化薬アクゾ
社製のカヤブチルB)(10時間半減期温度105℃)
1.0重量部及びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘ
キサノエート(化薬アクゾ社製のカヤエステルO−5
0)(10時間半減期温度74℃)1.0重量部を使用
した。それ以外は実施例1と同様に行った。その結果を
まとめて表1に示す。
【0040】(実施例7)実施例1において、t−ブチ
ルパーオキシベンゾエート1.0重量部及びt−ブチル
パーオキシイソプロピルカーボネート1.0重量部に替
えて、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト(化薬アクゾ社製のカヤエステルO−50)(10時
間半減期温度74℃)2.0を使用した。それ以外は実
施例1と同様に行った。その結果をまとめて表1に示
す。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】上述の通り、本発明の繊維補強不飽和ポ
リエステル樹脂成形材料の圧縮成形方法によれば、硬化
時間を短縮して生産性を著しく向上させることができ
る。また、硬化時間を短縮して生産性を著しく向上させ
ることができるとともに、成形材料の保存安定性が良
く、しかも表面欠陥のない成形品を得ることができる。
【0043】したがって、本発明の繊維補強不飽和ポリ
エステル樹脂成形材料の圧縮成形方法は、SMCやBM
Cを用いて浴槽、防水パン等の住宅設備や自動車部材な
どFRP成形品の製造に好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧縮成形方法の一例を示し、(A)は
型締め前の縦断面図、(B)は型締め途中の縦断面図で
ある。
【符号の説明】
10 金型(マッチドダイ) 11 下金型 12 上金型 13 Oリング 20 真空ポンプ 30a、30b 成形材料(SMC)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F202 AA41 AB03 AD16 AH17 AH49 AM32 AR02 AR15 CA09 CB01 CK41 CN01 CP06 4F204 AA41 AB03 AD16 AH17 AH49 AM32 AR02 AR15 FA01 FB01 FF01 FF06 FG09 FN12 FN15 FQ15

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬化触媒として有機過酸化物を含有する
    繊維補強不飽和ポリエステル樹脂成形材料を金型に入
    れ、型締めして熱硬化させる圧縮成形方法において、型
    締めの過程で金型内を吸引脱気することを特徴とする繊
    維補強不飽和ポリエステル樹脂成形材料の圧縮成形方
    法。
  2. 【請求項2】 硬化触媒として10時間半減期温度が8
    5〜110℃の有機過酸化物を含有する繊維補強不飽和
    ポリエステル樹脂成形材料を用いることを特徴とする請
    求項1に記載の繊維補強不飽和ポリエステル樹脂成形材
    料の圧縮成形方法。
  3. 【請求項3】 成形材料を構成する樹脂分100重量部
    に対して、硬化触媒として10時間半減期温度が85〜
    110℃の有機過酸化物1.0〜3.0重量部を含有す
    る繊維補強不飽和ポリエステル樹脂成形材料を用いるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の繊維補強不飽和ポリエ
    ステル樹脂成形材料の圧縮成形方法。
  4. 【請求項4】 型締めの過程で金型内を真空ゲージ圧2
    00〜650mmHgに吸引脱気することを特徴とする
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の維補強不飽和ポリ
    エステル樹脂成形材料の圧縮成形方法。
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