JP2001212612A - アルミニウムマトリックス複合材料被覆鋼管の製造方法 - Google Patents

アルミニウムマトリックス複合材料被覆鋼管の製造方法

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JP2001212612A JP2000026091A JP2000026091A JP2001212612A JP 2001212612 A JP2001212612 A JP 2001212612A JP 2000026091 A JP2000026091 A JP 2000026091A JP 2000026091 A JP2000026091 A JP 2000026091A JP 2001212612 A JP2001212612 A JP 2001212612A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱交換器用伝熱鋼管の表面に高耐食性厚膜を
形成することができるアルミニウムマトリックス複合材
料被覆鋼管の製造方法を提供する。 【解決手段】 固定容器1の中で、外表面にセラミック
皮膜4を施した鋼製内管3の外周にアルミニウム製外管
2を配し、該両管の間隙に無機材料粉末を充填して粉末
充填層5を形成し、該構造体を絶対圧力1MPa以下の
非酸化性ガス雰囲気で670〜1200℃の温度に加熱
してアルミニウム製外管2を溶融体となして粉末充填層
5中へ溶浸させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、都市ごみ、下水汚
泥、製紙スラツジ等の各種産業廃棄物または石炭の燃焼
排ガスから、水蒸気や空気等の流体を介して熱エネルギ
ーを回収して発電を行う熱回収・利用システムにおける
熱交換器用伝熱管に主として使用するアルミニウムマト
リックス複合材料被覆鋼管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】省エネルギーの観点から、都市ごみ、下
水汚泥、製紙スラツジ等の各種産業廃棄物または石炭の
燃焼廃熱の効率的な回収は極めて重要であり、より高温
の燃焼排ガスからより高温の高圧水蒸気を回収して発電
効率を上げることが望まれる。すなわち、500℃以上
で100気圧以上の水蒸気が得られれば30%を超える
高い発電効率が期待できる。しかしながら、前記燃料を
燃焼すると、ガス状あるいはダスト状の腐食性物質を含
む排ガスが発生する。例えば、都市ごみ燃焼排ガスは、
HCl等の塩化物ガス、H2S、SO2等の硫黄化合物ガ
ス、NaCl、KCl、CaCl2、Na2SO4等の塩
を含んでいる。このため、燃焼排ガスから熱回収を行う
廃熱ボイラーの熱交換器用伝熱管は、使用中に腐食が進
行する。腐食損傷を抑制するために、公知のCr鋼、N
i−Cr鋼からなる伝熱管においては、回収できる水蒸
気の温度は、通常、300℃以下に制限される。このた
め、15%程度の低い発電効率に留まることとなる。
【0003】伝熱管の耐食性を改善するために、鋼管表
面にAl、Si、Cr等の金属の被覆を施すことが知ら
れている。この方法は、拡散浸透、溶融メッキ、溶射等
によって母材と前記金属を接触後、反応させて膜厚0.
2〜1.0mmのFe−Al、Fe−Si、Fe−Cr
の合金皮膜を形成するものである。鉄合金皮膜は母材と
の密着性が良好であり、使用時に酸化物皮膜となって材
料の腐食抵抗を高めるとされている。
【0004】また、特開昭56−75562号公報で
は、耐熱鋼、純銅等の表面にCoまたはCrをメッキ
し、次にAlを拡散させて、Co−Al、Cr−Alの
合金皮膜を形成させることにより、高温状態下での酸化
損耗を減少させる金属の耐熱用表面処理方法を開示して
いる。特開昭56−81667号公報は、耐熱鋼、純銅
等の表面にNiをメッキし、次にAlを拡散させて、N
i−Alの合金皮膜を形成させる。Ni−Al合金皮膜
は、NiとAlの比が70:30程度が最も耐熱性に富
むとしている。しかしながら、このような合金皮膜の耐
食性はいずれも前記腐食性環境下では不十分である。
【0005】一方、鉄合金皮膜に比較して腐食抵抗に優
れたセラミック皮膜を施す方法も知られている。特開平
10一274401号公報は、耐熱金属からなるボイラ
ーチューブの外表面を、溶射、物理的蒸着、化学的蒸着
によりセラミック皮膜を施す方法を開示している。塩類
と濡れ難く卓抜した高温腐食性能を示すセラミックスに
より腐食抵抗を高めることができるとしている。皮膜を
形成する代表的なセラミックスとしてAl23、SiO
2、Cr23、Zr22、MgAl24、ZrSiO4
CaZrO3等が知られている。しかしながら、これら
のセラミックスの熱膨張率は母材の鋼に比べて著しく小
さいので、加熱冷却の繰り返しによってセラミック皮膜
には剥離、亀裂が生じる。この現象は皮膜が厚いほど顕
著となる。このため、皮膜の厚さは、通常、0.2mm
以下に制約される。このような薄いセラミック皮膜で
は、腐食性のガスおよび塩の母材金属への侵入を長期間
にわたって阻止することは困難となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、熱交換
器用伝熱管に高耐食性皮膜を形成する従来の方法では、
加熱、冷却の繰り返しで破損することのない信頼性の高
い厚い膜を施すことは困難であった。
【0007】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであって、熱交換器用伝熱鋼管の表面に高耐食性厚膜
を形成することができるアルミニウムマトリックス複合
材料被覆鋼管の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、金属アル
ミニウムを連続相とし、選ばれたセラミック粒子または
/および金属粒子、すなわち選ばれた無機物粒子を分散
相とするアルミニウムマトリックス複合材料からなる厚
膜を熱交換器用伝熱鋼管の外表面に形成する方法を見い
出し、該アルミニウムマトリックス複合材料が極めて優
れた耐食性を示すことを確認して、本発明を完成するに
到った。
【0009】すなわち、本発明は、まず第一に、鋼製内
管の外周にアルミニウム製外管を配し、該両管の間隙に
無機材料粉末を充填して粉末充填層を形成し、該構造体
を絶対圧力1MPa以下の非酸化性ガス雰囲気で670
〜1200℃の温度に加熱してアルミニウム製外管を溶
融体となして前記粉末充填層中へ溶浸させることを特徴
とするアルミニウムマトリックス複合材料被覆鋼管の製
造方法である。
【0010】本発明は、第二に、外表面にセラミック皮
膜を施した鋼製内管の外周にアルミニウム製外管を配
し、該両管の間隙に無横材料粉末を充填して粉末充填層
を形成し、該構造体を絶対圧力1MPa以下の非酸化性
ガス雰囲気で670〜1200℃の温度に加熱してアル
ミニウム製外管を溶融体となして前記粉末充填層中へ溶
浸させることを特徴とするアルミニウムマトリックス複
合材料被覆鋼管の製造方法である。
【0011】本発明は、第三に、外表面にセラミック皮
膜を施した鋼製内管の外周にアルミニウム製外管を配
し、該両管の間隙にAlまたは/およびAlNを50w
t%以上含む無機材料粉末を充填して粉末充填層を形成
し、該構造体を絶対圧力0.1〜1MPaの窒化性ガス
雰囲気で670〜900℃の温度に加熱してアルミニウ
ム製外管を溶融体となして前記粉末充填層中へ溶浸させ
るとともに、前記無機材料粉末またはアルミニウム製外
管由来の金属Alの1〜50%を窒化させることを特徴
とするアルミニウムマトリックス複合材料被覆鋼管の製
造方法である。
【0012】本発明は、第四に、外表面にセラミック皮
膜を施した鋼製内管の外周にアルミニウム製外管を配
し、該両管の間隙にAlまたは/およびAINを50w
t%以上含む無機材料紛末を充填して粉末充填層を形成
し、該構造体を絶対圧力0.1〜1MPaの窒化性ガス
雰囲気で670〜900℃の温度に加熱してアルミニウ
ム製外管を溶融体となして前記粉末充填層中へ溶浸させ
るとともに、前記無機材料粉末またはアルミニウム製外
管由来の金属Alの1〜50%を窒化させてのち、酸化
性ガス雰囲気で500〜800℃の温度に加熱すること
を特徴とするアルミニウムマトリックス複合材料被覆鋼
管の製造方法である。
【0013】本発明は、第五に、鋼製内管がCr鋼、C
r−Ni鋼のなかから選ばれた材料で構成されることを
特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一に記載の
アルミニウムマトリックス複合材料被覆鋼管の製造方法
である。
【0014】本発明は、第六に、鋼製内管の外表面に施
すセラミック皮膜が、肉厚5〜200μmであって、A
23、Cr23、SiO2、SiC、Si34、BN
のなかから選ばれた1種または複数のセラミック材料を
50wt%以上含む無機材料から構成されることを特徴
とする請求項2から請求項5のいずれか一に記載のアル
ミニウムマトリックス複合材料被覆鋼管の製造方法であ
る。
【0015】本発明は、第七に、アルミニウム製外管が
80wt%以上のAlを含有することを特徴とする請求
項1から請求項6のいずれか一に記載のアルミニウムマ
トリックス複合材料被覆鋼管の製造方法である。
【0016】本発明は、第八に、紛末充填層がAl、S
i、Cr、AlN、Si34、Cr 2Nのなかから選ば
れた1種または複数の無機材料を50wt%以上含む無
機材料から構成されることを特徴とする請求項1から請
求項7のいずれか一に記載のアルミニウムマトリックス
複合材料被覆鋼管の製造方法である。
【0017】本発明は、第九に、アルミニウム製外管の
一部が溶浸処理後残留して皮膜を形成することを特徴と
する請求項1から請求項8のいずれか一に記載のアルミ
ニウムマトリックス複合材料被覆鋼管の製造方法であ
る。
【0018】本発明は、第十に、鋼製内管とアルミニウ
ム製外管がともに円管であることを特徴とする請求頻1
から請求項9のいずれか一に記載のアルミニウムマトリ
ックス複合材料被覆鋼管の製造方法である。
【0019】本発明において、鋼製内管は炭素鋼、Cr
鋼、Cr−Ni鋼のいずれでもよいが、耐熱性の観点か
らCr鋼、Cr−Ni鋼がより好ましい。Cr鋼として
は5〜30wt%Crを含む公知の材料が適用できる。
Cr−Ni鋼としては10〜30wt%Cr、8〜35
wt%Niを含む公知の材料が適用できる。これらは、
Mo、Ti、Si、Al、Nb、Cb、Ta等を含んで
もよい。その中でも、18wt%Cr−8wt%Ni鋼
はもっとも代表的な材料であり、本発明に好適な材料で
ある。
【0020】前記鋼製内管の外部に形成されるアルミニ
ウムマトリックス複合材料厚膜の構成成分であるAl
が、鋼製内管の母材中へ拡散してFe一Al系の金属間
化合物が生成すると、界面に沿う亀裂発生をもたらし、
鋼製内管とアルミニウムマトリックス複合材料厚膜はこ
の亀裂面で摺動が可能となり、加熱による膨張と冷却に
よる収縮が独立に行われる。これでもよいが、しかし、
これが起点となってアルミニウムマトリックス複合材料
厚膜中に亀裂が進展することがある。したがって、かか
る拡散接合を防止することがより好ましい。そこで、本
発明では、鋼製内管ともアルミニウムマトリックス複合
材料厚膜とも反応し難い薄いセラミック皮膜を鋼製内管
の外表面に施すのである。
【0021】このようなセラミック皮膜材料として、酸
化物では、まず、Al23が挙げられる。Al23はF
eともAlとも反応しない。次に、Cr23、Si
2、ZrO2、TiO2、MgOが挙げられる。これら
の酸化物はAlと比較的反応し難くFeとは反応しな
い。ここに挙げた酸化物同士の複合酸化物でもよい。例
えば、3Al23・2SiO2、Al23・TiO2、M
gO・Al23、MgO・Cr23、Zr23・SiO
2、2MgO・SiO2が挙げられる。Al23はベーマ
イト・ゾルを塗布して皮膜形成してもよい。SiO2
ケイ酸メチルやケイ酸エチルの加水分解液、水ガラス等
のSiO2前駆体を塗布してもよい。また、酸化物紛末
を水ガラス等の無機バインダーで結合してもよい。
【0022】炭化物ではSiCが挙げられる。SiC粉
末を無機バインダーで結合した皮膜でもよいが、特に、
有機ケイ素化合物の誘導体であるポリカルボシラン溶解
液を鋼製内管の外表面に塗布し、乾燥、熱分解して得ら
れるSiC皮膜は好適である。
【0023】窒化物ではSi34、BNが挙げられる。
これらは粉末と無機バインダーの組み合わせで皮膜を形
成してもよいし、液状の前駆体を適用してもよい。例え
ば、Si34の前駆体としてポリシラザンが挙げられ
る。
【0024】前記のセラミック皮膜材料のなかで、特
に、Al23、Cr23、SiO2、SiC、Si
34、BNが好適である。このなかで、BNはもっとも
好適である。なぜなら、BNはFe、Alと反応しない
だけでなく、潤滑性があり、熱膨張率の異なる鋼製内管
とアルミニウムマトリックス複合材料厚膜の接触界面の
摺動抵抗を軽減するからである。これらのセラミック皮
膜材料は前述の複数の成分を組み合わせてもよく、ま
た、50wt%未満に限定すれば、前述しなかったセラ
ミック材料と組み合わせてもよい。
【0025】セラミック皮膜の肉厚は5〜200μmと
することが好ましい。これは、5μm未満では十分な被
覆が困難であり、皮膜の信頼性に欠けるからである。ま
た、200μmを越えると、皮膜が弾性変形によって鋼
製内管の膨張、収縮の繰り返しに追従することが困難と
なり、セラミック皮膜に損傷を発生させ易くなるからで
ある。
【0026】アルミニウム製外管は80wt%以上のA
lを含有することが好ましい。耐食性に優れたAl23
皮膜を形成するには80wt%以上のAlを含有するこ
とが好ましい。すなわち、20wt%未満であれば、A
l以外の元素を含んでもよく、例えば、Si、Zn、M
g、Mnが挙げられる。
【0027】鋼製内管とアルミニウム製外管の間隙で構
成される空間に金属または/およびセラミックスの粉末
すなわち無機材料粉末を充填して粉末充填層を形成する
のであるが、この粉末充填層はアルミニウム製外管から
溶融Alの浸透を許容する必要がある。充填粉末は耐食
性に優れ、かつ、溶融Alと濡れることが要求される。
この観点より、Al、Si、Cr、AlN、Si34
Cr2Nが好適である。さらに、AlとAlNはもっと
も好適である。これらの無機材料を50wt%以上配合
すれば、溶融Alは粉末充填層の空隙への浸透、すなわ
ち含浸が起き易くなるのである。すなわち、50wt%
未満であれば、前記無機材料以外の無機材料を含んでも
よく、例えば、Mo、Ti、Nb、Cb、Ta、Mg等
の金属が挙げられる。また、Al23、Cr23、Si
2、ZrO2、TiO2、MgO、3Al23・2Si
2、Al23・TiO2、MgO・Al23、MgO・
Cr23、Zr23・SiO2、2MgO・SiO2等の
酸化物、TiN、ZrN、BN等の窒化物、AlON、
SiAlONで総称される多数の酸窒化物、SiC、C
32、TiC、ZrC等の炭化物、CrB、Ti
2、ZrB2等のホウ化物、MoSi2、WSi2等のケ
イ化物が挙げられる。
【0028】溶融Alの粉末充填層への浸透、すなわち
溶浸を首尾よく進行させるには、粉末充填層内の空隙を
非酸化性雰囲気にする必要がある。もし、雰囲気ガス中
にAlを酸化させるに十分なO2、H2O、CO2等の酸
化性成分が存在すると、生成するAl23が溶融Alの
浸透を妨げるのである。したがって、真空ポンプで排気
して絶対圧力1Pa以下とするか、絶対圧力1MPa以
下の不活性ガスArまたは還元性ガスH2に置換する必
要がある。また、Alの窒化を促す窒化性ガスでもよ
い。この場合、生成するAlNが空隙の減少に寄与す
る。また、1MPaを越える高い庄カは、ガスの存在が
Alの十分な浸透を阻害するので好ましくない。系全体
の温度は670〜1200℃が好ましい。すなわち、A
lの融点以上であって、鋼製内管の力学的特性を損なう
ことのない温度に上限を抑える必要から制限されるので
ある。
【0029】Alまたは/およびAlNを50wt%以
上含む無機材料粉末を充填して粉末充填層を形成し、窒
化性ガス雰囲気で溶融Alを浸透させる場合、窒化の発
熱を伴うので、温度、圧力とも低めに抑制することが必
要である。したがって、絶対圧力で0.1〜1MPa、
雰囲気温度670〜900℃が好ましい。さもないと、
処理物が異常加熱されてアルミニウムが噴き出したり、
鋼製内管の変形や溶融をもたらすからである。
【0030】粉末充填層の空隙に浸透した溶融Alは連
続体、すなわちアルミニウムマトリックスを構成する。
溶浸可能量は多数の因子により影響されて決まるが、こ
の溶浸可能量をやや上回る量のアルミニウム製外管を適
用することによって、アルミニウムマトリックス複合材
料被覆鋼管の外表面にAlを残留させてAlを主成分と
する緻密なAl皮膜を形成することができる。窒化性雰
囲気の場合、このAl皮膜はAlとAlNの両成分を含
む。該Al皮膜は外部からの腐食性ガスの侵入を阻止す
るのに有効に働くので好ましい。
【0031】前述のいくつかの方法により得られるアル
ミニウムマトリックス複合材料被覆鋼管は、あらかじめ
酸化性ガス雰囲気で加熱処理することによって厚い酸化
皮膜が生成し、耐食性が向上するので好ましい。この処
理は500〜800℃で実施することが望ましい。50
0℃未満では酸化の進行は不十分であり、また、800
℃を越えると溶融Alの噴き出しが激しく起きる。この
噴き出しは内部に通じる開気孔を表面で閉塞させる効果
はあるものの、一方で、内部の気孔が増加する欠点があ
るからである。
【0032】
【発明の実施の形態】アルミニウムマトリックス複合材
料被覆鋼管の断面形状は鋼製内管とアルミニウム製外管
の断面形状の選択により定まる。すなわち、両者をとも
に四角管とすれば四角管状アルミニウムマトリックス複
合材料被覆鋼管が得られ、また、両者をともに円管とす
れば円管状アルミニウムマトリックス複合材料被覆鋼管
が得られる。
【0033】図1〜図6に基づいて、四角管状アルミニ
ウムマトリックス複合材料被覆鋼管の製造工程を説明す
る。図1と図2は、それぞれ、溶浸処理前の処理物の型
横断方向切断面と長手方向切断面を示す。まず、アルミ
ニウム製外管2をその外面形状と同一の内面形状を有す
る固定容器1に収納する。固定容器1は溶浸温度までの
アルミニウム製外管2の保形と溶融Alとの非反応性が
要求される。固定容器1がないとアルミニウム製外管2
は溶浸に有効に消費されず、多くが流れ落ちて塊となっ
て集積することとなる。したがって、固定容器1の適用
が好ましい。また、溶融Alが固定容器1の内面で該容
器材料と反応すると、溶浸固化後の処理物が固定容器1
と固着して分離が困難となるだけでなく、固定容器1の
繰り返し使用が困難となる。したがって、該容器1は溶
融Alと反応し難い材料で構成することが好ましい。例
えば、Al23、ZrO2、Al23・TiO2、MgO
・Al23等の酸化物、TiB2、ZrB2、CrB、C
rB2等のホウ化物、Si34、BN等の窒化物、Si
C等の炭化物が材料として挙げられる。また、固定容器
1を黒鉛で構成し、溶融Alと接触する内面に上述のセ
ラミックスを主成分とする皮膜を施してもよい。
【0034】一方、前述のようにあらかじめ外周面にセ
ラミック皮膜4を施した鋼製内管3を用意して、これを
アルミニウム製外管2の内部に配設する。そして、両管
2と3の間隙に無機材料粉末を充填するのであるが、こ
れに先立って、図2のように間隙端部の一方を多孔質で
弾力性のある無機材料ブランケット6aで閉じる。それ
から、他端より充填を実施して無機材料からなる紛末充
填層5を形成し、充填ロを無機材料ブランケット6bで
閉じる。これを炉内に横にして配設し、前述のように溶
浸処理を施す。
【0035】溶融Alの溶浸、固化によって、図3に示
すように、固定容器1の内部にはアルミニウムマトリッ
クス複合材料皮膜7とセラミック皮膜4付きの鋼製内管
3からなるアルミニウムマトリックス複合材料被覆鋼管
8が生成する。このとき、該被覆鋼管8は未溶浸Alを
主成分とする緻密なAl皮膜2aを有してもよい。アル
ミニウムマトリックス複合材料被覆鋼管8の外寸は固定
容器1の内寸より小さく、ほぼアルミニウム製外管2の
内径に等しいので、図3および図4に示すように両者の
間に間隙9が発生する。このため、アルミニウムマトリ
ックス複合材料被覆鋼管8は固定容器1から容易に取り
出せる。こうして、図5および図6に示すアルミニウム
マトリックス複合材料被覆鋼管8が得られる。
【0036】アルミニウム製外管2と鋼製内管3に円管
を適用すると、図7に示すように、アルミニウムマトリ
ックス複合材料皮膜7、セラミック皮膜4、鋼製内管3
からなる円管状のアルミニウムマトリックス複合材料被
覆鋼管8が得られる。また、該被覆鋼管8は未溶漫Al
を主成分とする緻密なAl皮膜2aを有してもよい。
【0037】本発明の方法により、四角管、円管に留ま
ることなく多様な断面形状のアルミニウムマトリックス
複合材料被覆鋼管が得られる。長さについても特に制約
はない。なお、アルミニウム製外管2と鋼製内管3は同
心状に配置する必要は必ずしもない。すなわち、アルミ
ニウムマトリックス複合材料被覆部の厚さは必ずしも均
一である必要はない。厚さが不均一であっても被覆が完
全であれば問題ない。
【0038】
【実施例】(実施例1)鋼製内管として材質SUS30
4、径20A(外径27.2mm、内径21.6m
m)、長さ700mmの円管を採用した。この管の外面
に水ガラスをバインダーとするBN系塗布剤を塗布して
乾燥し、膜厚10〜20μmのBN−SiO 2を主成分
とするセラミック皮膜を施した。アルミニウム製外管と
して材質JIS6063、外径40mm、内径38m
m、長さ700mmの円管を採用した。固定容器として
材質黒鉛、内径40.2mm、外径100mm、長さ7
00mmの円管を採用した。
【0039】3つの円管を内側より、鋼製内管、アルミ
ニウム製外管、固定容器の順に同心円をなすように配設
し、一端を内径27.2mm、外径38mm、厚さ6m
mのムライト製の無機材料ブランケットを鋼製内管とア
ルミニウム製外管の間に配して塞ぎ、これを下端となる
ように立てた。この上端より、無横材料粉末を上端部6
mmを残して充填した。無機材料粉末の組成は78.6
wt%Al、15.6wt%AIN、5.8wt%Al
23である。充填量は379gであった。上端を内径2
7.2mm、外径38mm、厚さ6mmのムライト製の
無機材料ブランケットで塞いだ。これを横にして雰囲気
炉に配設した。
【0040】まず、常温で真空排気して窒素ガスと置換
した。ガス圧力を絶対圧で0.11MPaに保持しつ
つ、10℃/minの昇温速度で800℃まで加熱し、7
Hr、800℃で保持した。こののち、電源を切って放
冷した。炉から取り出した固定容器より内容物を引き出
し、Alマトリックス複合材料被覆鋼管が成形出来てい
ることを確認した。両端の無機材料ブランケットを除去
し、重量測定をしたところ、被覆部に6.6wt%の重
量増加が認められた。これはAlの窒化によるものであ
り、被覆部の組成は66.7wt%Al、29.2wt
%AIN、4.1wt%Al23と推定された。外径は
38.2mmであり、これより、嵩密度2.06g/c
c、気孔率28.7%と推定された。このAlマトリッ
クス複合材料被覆鋼管を大気炉で650℃に20Hr保
持して酸化したところ、2.6%の重量増加が認められ
た。
【0041】この管を管状炉に配設して腐食性高温ガス
と接触させて耐食試験を行った。すなわち、大気雰囲気
で加熱して管外雰囲気温度を700℃とする一方、鋼製
内管に空気を流通させて管内温度を500℃に制御し、
温度制御が安定したところで、外部雰囲気を10%
2、20%HO2、1000ppmHCl、残部N2の雰囲
気に切り替えた。この腐食性雰囲気に前記被覆管を60
0Hr、晒した。放冷後、Alマトリックス複合材料被
覆鋼管を取り出して観察した。外面に変色が見られたが
脆化は認められず、重量変化はなく、極めて健全であっ
た。
【0042】(実施例2)鋼製内管として材質SUS3
04、径20A(外径27.2mm、内径21.6m
m)、長さ700mmの円管を採用した。この管の外面
に水ガラスをバインダーとするBN系塗布剤を塗布して
乾燥し、膜厚10〜20μmのBN−SiO 2を主成分
とするセラミック皮膜を施した。アルミニウム製外管と
して材質JIS6063、外径40mm、内径37m
m、長さ700mmの円管を採用した。
【0043】3つの円管を内側より、鋼製内管、アルミ
ニウム製外管、固定容器の順に同心円をなすように配設
し、一端を内径27.2mm、外径38mm、厚さ6m
mのムライト製の無機材料ブランケットを鋼製内管とア
ルミニウム製外管の間に配して塞ぎ、これを下端となる
ように立てた。この上端より、無機材料粉末を上端部6
mmを残して充填した。無機材料粉末の組成は56.1
wt%Al、40.0wt%SiO2、3.9wt%A
23である。充填量は368gであった。上端を内径
27.2mm、外径38mm、厚さ6mmのムライト製
の無機材料ブランケットで塞いだ。これを横にして雰囲
気炉に配設した。
【0044】炉内を真空排気しつつ、10℃/minの昇
温速度で700℃まで加熱し、16Hr、700℃で保
持した。この間、ガス圧力は約1Paに到達し安定して
いた。こののち、電源を切って放冷した。炉から取り出
した固定容器より内容物を引き出し、Alマトリックス
複合材料被覆鋼管が成形出来ていることを確認した。両
端の無機材料ブランケットを除去した。被覆部の組成は
73.1wt%Al、24.5wt%SiO2、2.4
wt%Al23と准定された。外径は37.1mmであ
り、これより、嵩密度1.75g/cc、気孔率32.
0%と推定された。
【0045】この管を管状炉に配設して腐食性高温ガズ
と接触させて耐食試験を行った。すなわち、大気雰囲気
で加熱して管外雰囲気温度700℃とする一方、鋼製内
管に空気を流通させて管内温度を500℃に制御し温度
制御が安定したところで、外部雰囲気を10%O2、2
0%H2O、1000ppmHCl、残部N2の雰囲気に切
り替えた。この腐食性雰囲気に前記被覆管を600H
r、晒した。放冷後、Alマトリックス複合材料被覆鋼
管を取り出して観察した。外面に変色が見られたが脆化
は認められず、重量変化はなく、極めて健全であった。
【0046】(実施例3)鋼製内管として材質SUS3
04、径20A(外径27.2mm、内径21.6m
m)、長さ700mmの円管を採用した。この管の外面
にポリカルボシラン系塗布剤の塗布と乾燥を5回線り返
してのち、800℃、窒素雰囲気で1Hr焼成した。こ
うして、膜厚80〜100μmのSiC皮膜を施した。
アルミニウム製外管として材質JIS6063、外径4
0mm、内径37mm、長さ700mmの円管を採用し
た。固定容器として材質黒鉛、内径40.2mm、外径
100mm、長さ700mmの円管を採用した。
【0047】3つの円管を内側より、鋼製内管、アルミ
ニウム製外管、固定容器の順に同心円をなすように配設
し、一端を内径27.2mm、外径38mm、厚さ6m
mのムライト製の無機材料ブランケットを鋼製内管とア
ルミニウム製外管の間に配して塞ぎ、これを下端となる
ように立てた。この上端より、無機材料粉末を上端部6
mmを残して充填した。無機材料粉末の組成は51.4
wt%Al、45.0wt%Cr23、3.6wt%A
23である。充填量は553gであった。上端を内径
27.2mm、外径38mm、厚さ6mmのムライト製
の無機材料ブランケットで塞いだ。これを横にして雰囲
気炉に配設した。
【0048】炉内を真空排気しつつ、10℃/minの昇
温速度で700℃まで加熱し、20Hr、700℃で保
持した。この間、ガス庄カは約1Paに到達し安定して
いた。こののち、電源を切って放冷した。炉から取り出
した固定容器より内容物を引き出し、Alマトリックス
複合材料被覆鋼管が成形出来ていることを確認した。両
端の無機材料ブランケットを除去した。被覆部の組成は
65.9wt%Al、31.6wt%Cr23、2.5
wt%Al23と推定された。外径は37.1mmであ
り、これより、嵩密度2.28g/cc、気孔率29.
0%と推定された。
【0049】この管を管状炉に配設して腐食性高温ガス
と接触させて耐食試験を行った。すなわち、大気雰囲気
で加熱して管外雰囲気温度700℃とする一方、鋼製内
管に空気を流通させて管内温度を500℃に制御し温度
制御が安定したところで、外部雰囲気を10%O2、2
0%H2O、1000ppmHCl、残部N2の雰囲気に切
り替えた。この腐食性雰囲気に前記被覆管を600H
r、晒した。放冷後、Alマトリックス複合材料被覆鋼
管を取り出して観察した。外面に変色が見られたが脆化
は認められず、重量変化はなく、極めて健全であった。
【0050】以上の実施例1〜3について述べた構成材
料(鋼製内管、アルミニウム製外管、無機材料粉末)の
仕様、溶浸条件、アルミニウムマトリックス複合材料の
仕様、酸化処理条件、および耐食試験の条件と結果を表
1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】(比較例1)鋼管として材質SUS30
4、径20A(外径27.2mm、内径21.6m
m)、長さ700mmの円管を採用した。この管を管状
炉に配設して腐食性高温ガスと接触させて耐食試験を行
った。すなわち、大気雰囲気で加熱して管外雰囲気温度
700℃とする一方、鋼製内管に空気を流通させて管内
温度を500℃に制御し温度制御が安定したところで、
外部雰囲気を10%O2、20%H2O、1000ppmH
Cl、残部N2の雰囲気に切り替えた。この腐食性雰囲
気に前記被覆管を600Hr、晒した。放冷後、鋼管を
取り出して観察したところ、全面にわたって顕著な減肉
が認められた。
【0053】(比較例2)鋼管として材質SUS30
4、径20A(外径27.2mm、内径21.6m
m)、長さ700mmの円管を採用した。この管の外面
に水ガラスをバインダーとするBN系塗布剤を塗布して
乾燥し、膜厚10〜20μmのBN−SiO2を主成分
とするセラミック皮膜を施した。この管を管状炉に配設
して腐食性高温ガスと接触させて耐食試験を行った。す
なわち、大気雰囲気で加熱して管外雰囲気温度700℃
とする一方、鋼製内管に空気を流通させて管内温度を5
00℃に制御し温度制御が安定したところで、外部雰囲
気を10%O2、20%H2O、1000ppmHCl、残
部N2の雰囲気に切り替えた。この腐食性雰囲気に前記
被覆管を600Hr、晒した。放冷後、鋼管を取り出し
て観察したところ、剥離と減肉が多数個所、認められ
た。
【0054】(比較例3)鋼管として材質SUS30
4、径20A(外径27.2mm、内径21.6m
m)、長さ700mmの円管を採用した。この管の外面
にポリカルボシラン系塗布剤の塗布と乾燥を5回線り返
してのち、800℃、窒素雰囲気で1Hr焼成した。こ
うして、膜厚80〜100μmのSiC皮膜を施した。
この管を管状炉に配設して腐食性高温ガスと接触させて
耐食試験を行った。すなわち、大気雰囲気で加熱して管
外雰囲気温度700℃とする一方、鋼製内管に空気を流
通させて管内温度を500℃に制御し温度制御が安定し
たところで、外部雰囲気を10%O2、20%H2O、1
000ppmHCl、残部N2の雰囲気に切り替えた。この
腐食性雰囲気に前記被覆管を600Hr、晒した。放冷
後、鋼管を取り出して観察したところ、剥離と減肉が多
数個所、認められた。
【0055】以上の比較例1〜3の構成および耐食試験
の条件と結果を表2に示す。
【0056】
【表2】
【0057】以上のように、鋼管の外面に、アルミニウ
ムマトリックス複合材料を被覆した3つの実施例では、
被覆部および鋼管のガス腐食が認められないのに対し
て、アルミニウムマトリックス複合材料を被覆しなかっ
た3つの比較例では、表面にセラミック皮膜を施したか
どうかにかかわらず、ガス腐食が進行した。
【0058】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、鋼管の外
面に、高温高圧下で耐食性に富む厚膜のアルミニウムマ
トリックス複合材料を被覆することができる。このた
め、鋼管の腐食を防止できるので、熱交換器用伝熱管の
寿命を大幅に延ばすことができる。また、高温水蒸気の
回収が可能となるので、熱交換器の熱効率の上昇がもた
らされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアルミニウムマトリックス複合材料被
覆鋼管の製造方法における溶浸処理前の処理物の断面正
面図である。
【図2】上記溶浸処理前の処理物の断面側面図である。
【図3】本発明のアルミニウムマトリックス複合材料被
覆鋼管の製造方法における溶浸処理後の処理物の断面正
面図である。
【図4】上記溶浸処理後の処理物の断面側面図である。
【図5】本発明によるアルミニウムマトリックス複合材
料被覆鋼管の断面正面図である。
【図6】上記アルミニウムマトリックス複合材料被覆鋼
管の断面側面図である。
【図7】本発明の他の実施の形態によるアルミニウムマ
トリックス複合材料被覆鋼管の断面正面図である。
【符号の説明】
1 固定容器 2 アルミニウム製外管 2a Al皮膜 3 鋼製内管 4 セラミック皮膜 5 無機材料の粉末充填層 6a、6b 無機材料ブランケット 7 アルミニウムマトリックス複合材料皮膜 8 アルミニウムマトリックス複合材料被覆鋼管
フロントページの続き (72)発明者 藪田 和哉 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 3H024 EA02 EB07 EC15 ED08 ED13 EE02 4E067 AA02 AA05 AB00 AD04 BA05 DB02 DC06 EC06

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼製内管の外周にアルミニウム製外管を
    配し、該両管の間隙に無機材料粉末を充填して粉末充填
    層を形成し、該構造体を絶対圧力1MPa以下の非酸化
    性ガス雰囲気で670〜1200℃の温度に加熱してア
    ルミニウム製外管を溶融体となして前記粉末充填層中へ
    溶浸させることを特徴とするアルミニウムマトリックス
    複合材料被覆鋼管の製造方法。
  2. 【請求項2】 外表面にセラミック皮膜を施した鋼製内
    管の外周にアルミニウム製外管を配し、該両管の間隙に
    無機材料粉末を充填して粉末充填層を形成し、該構造体
    を絶対圧力1MPa以下の非酸化性ガス雰囲気で670
    〜1200℃の温度に加熱してアルミニウム製外管を溶
    融体となして前記粉末充填層中へ溶浸させることを特徴
    とするアルミニウムマトリックス複合材料被覆鋼管の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 外表面にセラミック皮膜を施した鋼製内
    管の外周にアルミニウム製外管を配し、該両管の間隙に
    Alまたは/およびAlNを50wt%以上含む無機材
    料粉末を充填して粉末充填層を形成し、該構造体を絶対
    圧力0.1〜1MPaの窒化性ガス雰囲気で670〜9
    00℃の温度に加熱してアルミニウム製外管を溶融体と
    なして前記粉末充填層中へ溶浸させるとともに、前記無
    機材料粉末またはアルミニウム製外管由来の金属Alの
    1〜50%を窒化させることを特徴とするアルミニウム
    マトリックス複合材料被覆鋼管の製造方法。
  4. 【請求項4】 外表面にセラミック皮膜を施した鋼製内
    管の外周にアルミニウム製外管を配し、該両管の間隙に
    Alまたは/およびAINを50wt%以上含む無機材
    料紛末を充填して粉末充填層を形成し、該構造体を絶対
    圧力0.1〜1MPaの窒化性ガス雰囲気で670〜9
    00℃の温度に加熱してアルミニウム製外管を溶融体と
    なして前記粉末充填層中へ溶浸させるとともに、前記無
    機材料粉末またはアルミニウム製外管由来の金属Alの
    1〜50%を窒化させてのち、酸化性ガス雰囲気で50
    0〜800℃の温度に加熱することを特徴とするアルミ
    ニウムマトリックス複合材料被覆鋼管の製造方法。
  5. 【請求項5】 鋼製内管がCr鋼、Cr−Ni鋼のなか
    から選ばれた材料で構成されることを特徴とする請求項
    1から請求項4のいずれか一に記載のアルミニウムマト
    リックス複合材料被覆鋼管の製造方法。
  6. 【請求項6】 鋼製内管の外表面に施すセラミック皮膜
    が、肉厚5〜200μmであって、Al23、Cr
    23、SiO2、SiC、Si34、BNのなかから選
    ばれた1種または複数のセラミック材料50wt%以上
    含む無機材料から構成されることを特徴とする請求項2
    から請求項5のいずれか一に記載のアルミニウムマトリ
    ックス複合材料被覆鋼管の製造方法。
  7. 【請求項7】 アルミニウム製外管が80wt%以上の
    Alを含有することを特徴とする請求項1から請求項6
    のいずれか一に記載のアルミニウムマトリックス複合材
    料被覆鋼管の製造方法。
  8. 【請求項8】 粉末充填層がAl、Si、Cr、Al
    N、Si34、Cr2Nのなかから選ばれた1種または
    複数の無機材料を50wt%以上含む無機材料から構成
    されることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれ
    か一に記載のアルミニウムマトリックス複合材料被覆鋼
    管の製造方法。
  9. 【請求項9】 アルミニウム製外管の一部が溶浸処理後
    残留して皮膜を形成することを特徴とする請求項1から
    請求項8のいずれか一に記載のアルミニウムマトリック
    ス複合材料被覆鋼管の製造方法。
  10. 【請求項10】 鋼製内管とアルミニウム製外管がとも
    に円管であることを特徴とする請求項1から請求項9の
    いずれか一に記載のアルミニウムマトリックス複合材料
    被覆鋼管の製造方法。
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