JPS60155588A - ガス雰囲気下で使用される耐火物部材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は新規な石炭燃焼ボイラをはじめガス雰囲気下で
使用されるキャスタブル耐火物に係リスラグに対する侵
食ガスの侵入及びその外壁及び内部に設けられた金属材
料の腐食を抑制するのに好適な耐火物部材に関する。

〔発明の背景〕

石油事情の逼迫から、石油に替る代替エネルギーの研究
が広範囲に行なわれている。その中で、石炭は石油に比
べ埋蔵量も豊富であり将来の基幹エネルギー資源として
重要な位置付けが与えられている。石状は固体燃料であ
り、液体燃料に比べ貯蔵・輸送に著しく不便という欠点
をもっている。

そこで、石炭を流体燃料として取扱いを容易にするとと
もに、ばいじん、Ｓ　Ｏｘなどの源となる物質を除去し
質の良いエネルギーとするための研究開発や石炭燃焼用
流動床ボイラの開発が積極的に推進されている。

近年、火力発電用ボイラの性能が高温高圧化するに伴な
い、在来のベイレー型から輻射型へと移行し、築炉の設
計や施工の様式に大きな変革がもたれた。これが契機と
なって、従来の煉瓦積みから継目なし炉体の出現となり
、かかる築炉に適した新炉材として使用されるようにな
ったのがキャスタブル耐火物である。特に石炭焚発電用
ボイラにキャスタブル耐火物を施工する工業的成立はこ
の耐火物の石炭燃焼ガス及びスラグ伺着による侵食並び
に耐火物外壁及び内部に設けられた金属材料の耐食性が
重要である。これは耐火物が多孔質であるため、ライニ
ング層よりガスが侵入による燃焼ガスによる高温腐食損
傷並びにボイラ停止時に燃焼ガス中の硫化物に水分が作
用し、その結果生成する酸性水結露等による局部腐食や
応力腐食割れとなる可能性が大きい。したがって、耐火
物の外壁及び内部に設けられる金属材料は石炭燃焼ガス
ＳＯ，やＮａ、ＳＯ４＊　Ｋ２ＳＯ４の低融点物質によ
る腐食性等に対する耐食性の高い材料を選定する必要が
ある。しかし、これらの材料として炭素鋼や低合金金鋼
では高温ガス腐食に対し腐食速度が大きく、また５ｔＪ
ｓ３０４等のオーステティ１〜系ステンレス鋼は温度が
４００〜６００℃となった場合、粒界にＣｒ炭化物を形
成させる材料であり、酸性水や硫化物と水分から生成さ
れるポリナオン酸等により粒界型の応力腐食割れがけね
んされる。したがって、もし耐火物外壁や内部にもうけ
た金属材料に腐食や割れによってき裂が入った場合、非
常に危険性が伴なうことになる。

そこで、気孔率の高いキャスタブル系耐火物の使用価値
を高めることが必要であった。

〔発明の目的〕

本発明の目的は、気孔率の高いキャスタブル系耐火物で
覆われ、その内部に設けられた金属材料が、耐火物から
侵入したガスによって腐食されるのを抑制することを有
するガス雰囲気下で使用される耐火物部材を提供するこ
とにある。

このキャスタブル耐火物は、骨材に粘土質シャモットの
外に用途に応じてＡ　Ｑ　、０３ＨＣ１：＊○３゜５ｉ
ｎ２等を配合したものに適度の軟がさを生ずる水を加え
混練した後コンクリー上施行と同様の流し込みあるいは
コテ塗りにより築炉される耐火物である。その特徴は（
１）使用現場で所要の形状や寸法のものが成形でき（２
）通常の粘土質耐火煉瓦のように焼成する必要がない（
３）継目なしの炉体が構築できる。（４）乾燥収縮が／
Ｉ＼さい（５）施工後２４時間程度で昇温できる。

（６）大きい炉温の変動に耐えるスポーリングを起さな
いことなどである。また、その用途は、（１）ボイラ炉
ばかりでなく、（２）コークス窯の扉、装入口、（３）
ガスレトルト炉のコークス冷却床、煙道ダンパー、（４
）焼鈍炉の天井、（５）石油精製装置の断熱内張り、耐
摩耗部など各種窯炉にわたり、施工技術の進歩とともに
応用範囲が拡大されている。

本発明の第１の目的は、気孔率の多いライニング用耐火
物において、耐火物内へのガス侵入及びその内部及び外
壁に設けた金属材料部材の腐食を抑制するため、その表
面に気孔をうめる金属の薄膜を有することを特徴とする
ガス雰囲気下で使用される耐火物部材にある。

本発明の第２は、ガス雰囲気下で使用される耐火物が不
定形耐火物特にキャスタブル系であることにある。

本発明の第３は、耐火物の気孔をうめる金属の薄膜は、
気孔を埋めることはもちろんであるが、耐火物表面に少
なくとも２００μｍ以下形成させることにある。

本発明の第４は、耐火物表面に形成させる金属の薄膜は
無電解メッキ、電解メッキ及び溶射により形成するが、
その金属は高融点耐熱耐食性を有することが含まれる。

〔発明の概要〕

以下、本発明を更に詳細に説明する・ 高温部に設けられる耐火物にはいろいろな種類があるが
、米国の研究結果によれば、ガス化炉耐火物としてアル
ミナ（ＡＱＩＩｏ３）−クロミア（Ｃｒ、０３）系に高
い評価が与えられている。

したがって、これらの耐火物とともに。

ＡＱ−０３系ＡＱ、０３−８　ｉＯ，系、ＳｉＣ系及び
これらの複合耐火物が有望である。しかしながら、いず
れにしても、キャスタブル系耐火物は気孔率が高く、ガ
スを侵透させる性質があるとともに、金属と接触させた
場合に、そのすきま部よりガスの侵入を生じて内部へ導
入する。したがって外壁や内部に設けられた金属材料が
腐食される。

したがって、このガスの侵入により、金属材料が腐食及
び応力腐食割れにより穿孔した場合、重大事故につなが
ることが明らかとなった。以上のことから種々検討した
結果、耐火材施工後、その表面に耐熱・耐食性を有し、
耐火材と同じ材質のもので、耐火物の気孔をうめ、さら
に表面を覆えば、耐火物内へのガス侵入並びに金属との
境界よりのガス侵入を防ぐことが可能であると判断した
。このことにより、耐火物外壁及び内部に設けられる金
属材料は、高級材料でなくても、設計応力を満足し、さ
らに容器として製造可能な炭素鋼や低合金鋼でも使用で
きることが知られた。

本発明における耐火物への金属の薄膜形成には従来より
知られている種々の手段によって施工できる。その一手
段とし゛ての無電解メッキ方法はガラス、ホーロー、ポ
リプロピレン、テフロン製容器内に、メッキ液を入れ温
水により間接的に加熱し、被メッキ物を入れて行なうこ
とができる。メッキ作業の温度は４０°〜８０℃と比較
的低温で行なうことができ、メッキの厚さは温水の温度
あるいはメッキ時間によってコントロールできる。

この無電解メッキ法によれば非常に容易にメッキ液を浸
透させるとともに均一な厚さのメッキ層を形成すること
ができる。この無電解メッキは前述の如く、メリットが
多く最も好ましい方法であるが、電解メッキによって形
成させても良い。

本発明の金属被覆は、前述のメッキの代りに溶射によっ
ても形成することができる。そのガスの種類及びより激
しい条件の場合はこの溶射による方法が最も良い場合が
ある。

以上のように、金属の被覆形式には各種方法があるが、
ガス雰囲気を形成する機器には角型及び円筒状のものも
あり、また小形並びに大径のものまであるが、メッキ用
容器を製作し、耐火物に取付けその容器内にメッキ液を
入れて、加熱するだけで良い。無電解メッキ法による施
行法が最も簡単に施行できる。

この無電解メッキは、Ｎｉ　Ｂ、ＡＱ２０３゜Ｃｒ２Ｃ
３、Ｔ　ｉ　Ｃ等各種炭化物、酸化物をコーティング出
来る。

しかし、炉内雰囲気は酸化・還元雰囲気となりこれらの
安定な物質を選定する必要がある。しかしながら、一般
に、入手のしやすさや安定度を考慮すると工業的酸化物
はＳｉｎ、、Ａｌ２２０３　。

Ｃｒ、０３　ｒ　Ｃａｂ、ＭｇＯ，ＺｒＯ２゜Ｔｈｅ２
などにしぼらｈる。また炭化物としてはＣｒ　３０．　
、　Ｔ　ｉ　Ｃ，ＷＣなどが考えられるが、特に酸化雰
囲気に対してはすぐれているとはいえず、特に酸化物が
良いと思われる。

以上のことから、無電解メッキや溶射等により耐火物の
表面に形成させる被膜は、耐火物と同様な組成を有する
単一酸化物や複合酸化物が良いと思われる。

その中でも、融点等が高いものを選定する必要があるが
、Ａｎ、０３　（２０１５℃）、Ｚｒ０２（２６７７）
等の単−酸化物及びＣｒ２Ｏ３等との複合酸化物が良い
ことがわかった。融点が高いＴ　ｈ　０Ｑ（３３００℃
）は、放射性元素であり使用が限定されることが考えら
れ、一方、耐火物表面に形成させる金属の被膜は表面凹
凸を覆う程度で良いが、燃焼物による浸食も考えられる
ので厚いほうが良い。しかし、あまりＪ厚いと耐火物と
の熱膨張差によるハクリが考えられるので１５０〜２０
０μｍが良いことがわかった。

〔発明の実施例〕

実施例 キャスタブル系耐火物から選んだアルミナ（Ａ　Ｑ　２
０３）−石英ガラス（Ｓ　ｉ　Ｏ２）からなる耐火物表
面に、ＡＱ、Ｏ，を含む無電解Ｎｉメッキを実施した。

第１図は市販のＡ　Ｑ　Ｑｏ　３を混合した無電解メッ
キ液水槽内に前処理したアルミナ（Ａ　Ｑ　＊　０３）
−石英ガラス（Ｓ　ｉ　Ｏ，）耐火物を浸漬しメッキ液
撹拌した場合の浸漬時間とメッキ生成厚さとの関係を示
す。なお、メッキ温度は５０℃で行った。

第２図はメッキ後の状況を模式的に示した。

耐火物１の、表面に生成されるメッキ層２は、時間とと
もに厚くなるが、１００〜２００μｍのメッキ厚さを得
るには５〜ｌＯ時間で得られる。この被膜厚さをより厚
く形成するには時間を長くすれば良い。このことより表
面にＮ１−Ａμ２０３の被膜が形成されるためガス侵入
は防止できる。

なお、Ｎ　１−ＡＱ２０３系被膜はＳＯ２等を含むガス
中で耐食性の良いことが実証された。

次に、石炭燃焼ボイラ等に使用される耐火物は石炭灰に
よる浸食も考えられる。そこでキャスタブル耐火物表面
に溶射によりＡ　Ｑ　２０３層を形成させたものについ
て浸食試験を実施した。

第３図は溶射によりＡｆｉ２０３層を形成しないものと
形成させたキャスタブル耐火材をルツボ状に作業しその
ルツボ内に石炭灰を入れ１６００℃で５ｈ加熱した場合
のその侵食試験結果を示す。

ＡＱｓ１０３を形成しない耐火物には、石炭灰による侵
食部３と石炭灰加熱によって生成されたガス浸透部４が
ｗｔ察された。しかし、耐火物表面にＡＱ２０３被覆を
施したものは、表面に多少侵食は認められたものの、ガ
スの浸透は見られなかった。特にＡ　Ｑ　２　、０３を
形成させないものに侵食等がみられたのは骨材が影響し
ているものと考えられる。

本発明による耐火物への無電解メッキ及び溶射による単
−酸化及び複合酸化物の被膜形成は、割れが発生するこ
となく被膜形成が可能で、また、高温に加熱しても、割
れ等がａｍされなかった。

〔発明の効果〕

以上のように本発明は、石炭燃焼ボイラをはじめ、ガス
雰囲気中で問題となるキャスタブル系耐火物のスラグ侵
食性、ガスの侵入による耐火物外壁及び内部に設けた金
属材料の腐食に対し、その侵食並びにガスの侵入を顕著
に防ぐことができる。

したがって、キャスタブル系耐火物の寿命を高めるとと
もに、耐火物内外壁は炭１ＩＪＩ！ｌｌｌや低合金鋼で
も可能となり経済性に対しても顕著な効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は浸漬時間とメッキ厚さとの関係を示す線図、第
２図はメッキ後の状況を示す図、第３図は侵食試験後の
表面状況を示す図である。 １・・・耐火物、２・・・メッキ層、３・・・侵食部、
４・・・ガ時期（ｈ） 屯２図 不３ 図 （ 第１頁の続き ＠発明者土井　裕之 日立市幸町３丁目１番１号　株式会社日立製作所日立研
究所内

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、気孔率の多いライニング用耐火物において、耐人物
   内へのガス侵入及びその外壁並びに内部に設けた金属材
   料の腐食を抑制するため、その表面に気孔を埋める金属
   の薄膜を有することを特徴とするガス雰囲気下で使用さ
   れる耐火物部材。 ２、気孔率の多い耐火物とは不定形耐火物であることを
   特徴とする特許請求の範囲第１項記載のガス雰囲気下で
   使用される耐火物部材。 ３、前記金属の薄膜は、少なくとも表面の気孔を埋める
   とともに、表面に２００μｍ以下形成させることを特徴
   とする特許請求の範囲第１項及び第２項に記載のガス雰
   囲気下で使用される耐火物部材。 ４、前記金属の薄膜は、無電解メッキ、電解メッキ又は
   溶射より選ばれた方法により密着して形成されることを
   特徴とする特許請求の範囲第１項及び第３項いずれかに
   記載のガス雰囲気下で使用される耐火物部材。