JPH09109327A - セラミックスと金属からなる耐熱部材 - Google Patents

セラミックスと金属からなる耐熱部材

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JPH09109327A
JPH09109327A JP7268357A JP26835795A JPH09109327A JP H09109327 A JPH09109327 A JP H09109327A JP 7268357 A JP7268357 A JP 7268357A JP 26835795 A JP26835795 A JP 26835795A JP H09109327 A JPH09109327 A JP H09109327A
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metal
resistance
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JP7268357A
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Hiroaki Nishio
浩明 西尾
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JFE Engineering Corp
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた耐熱衝撃性と耐食性を兼備した耐熱部材
を提供すること。 【解決手段】肉厚10〜1000μmの金属箔1と、そ
の片面あるいは両面に施された肉厚10〜2000μm
のセラミック皮膜2,3とで構成されたシート、また
は、このシート2層以上の積層体からなる,セラミック
スと金属からなる耐熱部材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高炉、転炉、電
気炉、レードルファーネス、脱ガス炉、タンディッシ
ュ、ごみ焼却炉溶融炉、溶銑鍋、トーピードカー、取鍋
等の高温溶融液体処理容器に用いられる耐火物、エアシ
ールパイプ、浸漬ノズル等の高温溶融液体処理容器の接
続部品、粉末焼結用容器、セッター等の焼結治具等に用
いられる耐熱部材に関する。
【0002】
【従来の技術】高温溶融液体処理容器、接続部品、焼結
用治具等に使用される耐火材料は、まず優れた耐熱衝撃
性が要求される。さらに、用途に応じて、溶融金属、溶
融スラグ、固相の処理物あるいは気相雰囲気に対する耐
食性が要求される。これらの要求に合わせて設計された
耐熱材料が実用に供されている。
【0003】高温溶融液体処理容器、接続部品の耐火物
においては、加熱冷却の繰り返しを受けてスポーリング
が発生する。そこで、このような熱的スポーリングに対
して比較的抵抗性がある高アルミナ質煉瓦、シャモット
煉瓦、マグネシア煉瓦、マグネシア・クロム煉瓦、アル
ミナ・カーボン煉瓦、マグネシア・カーボン煉瓦等が実
用化されている。これらの耐火物には耐熱衝撃性を確保
するために通常10〜40vol%の空隙が導入され
る。一方、耐食性向上の観点からは緻密化が指向され
る。しかし、耐火物を緻密化すると、熱的スポーリング
に対する抵抗が低下するので、熱応力により材料に亀裂
が入りやすくなるといった問題が発生する。
【0004】これに対して、特開平2−502390号
公報には金属含浸耐火物が開示されており、この金属含
浸耐火物は、耐スラグアタック性、耐ガスアタック性、
耐スポーリング性に優れ、各種の金属処理容器に用いら
れる。MgOまたはAl23 を主体とする耐火性粒子
の原料を適当な方法で成形し、加熱し、外部に貫通する
開気孔を少なくとも4vol%含む多孔体を得る。この
多孔体に、Fe、CrおよびNiからなる群から選択さ
れた1種以上の金属を主体とする金属または合金を、開
気孔の25vol%以上に対して含浸させる。そして、
このような金属含浸耐火物は、少なくとも表面から一定
深さまでの領域に存在する開気孔に金属が充填されてい
るので、種々の高温損傷に耐え、長期間に渡り安定に使
用できるとしている。
【0005】また、特開平2−259007号公報に
は、ステンレス溶鋼を取り囲む炉壁であって、マグネシ
ア・クロム質、マグネシア質、マグネシア・ドロマイト
質、アルミナ質またはスピネル質のうちのいずれかの耐
火物多孔体に、その耐火物多孔体の重量に対して、ステ
ンレス鋼、クロム、ニッケル、アルミニウムおよび鉄の
群から選択された1種以上の金属または合金を3乃至9
0wt%の割合で含浸させた金属含浸耐火物で構築した
ステンレス鋼精錬炉用炉壁が開示されおり、このような
炉壁は、耐熱的スポーリング性、耐構造的スポーリング
性、耐溶損性、耐スラグ浸食性および耐酸化性に優れて
いることが示されている。
【0006】また、特開平2−263911号公報には
転炉の炉底からガスを吹き込むためなどに用いられる羽
口に、特開平2−263540号公報には水平連続鋳造
用ブレークリングに、同様の金属含浸耐火物を適用する
ことが開示されており、このような金属含浸耐火物を用
いることにより、長寿命化が可能になるとしている。
【0007】また、特開平2−259008号公報に
は、溶融金属にガスを吹き込むための管と、このガス吹
き込み管を保護するための保護層とを有し、この保護層
が、耐火物多孔体に金属を含浸させた金属含浸耐火物か
らなり、少なくとも溶融金属およびスラグに浸漬される
部位を覆うことを特徴とするガス吹き込み用ランスが開
示されており、このようなガス吹き込みランスは耐スポ
ーリング性、耐磨耗性、耐溶損性のいずれにも優れ、長
寿命であることが示されている。
【0008】また、特開平2−263547号公報に
は、溶融金属を通過させるための通路が第1の耐火物で
形成されたノズル本体と、このノズル本体の外面の少な
くとも浸漬部位に設けられ、第2の耐火物で形成された
金属含浸耐火物リング部材とを有し、この金属含浸耐火
物の多孔体に対して1乃至90wt%の割合で金属が含
浸されている連続鋳造用の浸漬ノズルが開示されてお
り、このような浸漬ノズルは、耐スポーリング性および
ノズル本体外面の溶融パウダーの侵入阻止に優れ、長寿
命であることが示されている。
【0009】さらに、特開平2−233576号公報に
は、連続焼鈍炉、セラミックス焼結炉、石灰焼成炉等の
高温雰囲気炉用炉壁を、耐火物多孔体に、その耐火物の
重量に対して1乃至90wt%の金属を含浸させた金属
含浸耐火物で形成することが開示されており、このよう
な炉壁を用いることにより耐スポーリング性とガス成分
の侵入阻止に優れ、長期間の操業が可能になるとしてい
る。
【0010】しかしながら、以上の金属含浸耐火物は優
れた耐熱衝撃性を有するものの、溶融金属を多孔質耐火
物に圧入してこの耐火物を製造しているため、程度の差
はあれ、高温で使用中に金属が外部に流出する現象が発
生し、含浸状態を保持することが困難となり、耐食性が
十分発揮されないといった問題がある。
【0011】また、セラミック粉末あるいは金属粉末の
成形体を焼結するに当たって、成形体は、セラミックス
製の収納容器に納められたり、セラミックス製のセッタ
ーに配設される。この収納容器あるいはセッターには、
耐食性の観点から高純度で緻密質のAl23 、ZrO
2 、MgO、SiO2 、MgO・Al23 、3Al2
3 ・2SiO2 、AlN等が適用されるが、これらの
材料は熱衝撃に弱いので、使用中の割れが問題になる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、緻
密なセラミックスでは耐熱衝撃性の確保が困難であり、
一方、多孔質のセラミックスでは耐食性の確保が困難で
ある。気孔を溶融金属によって埋める金属含浸セラミッ
クスは耐熱衝撃性の確保はできるが、金属の流出のため
依然として耐食性の確保に問題がある。本発明はかかる
事情に鑑みてなされたものであって、優れた耐熱衝撃性
と耐食性を兼備した耐熱部材を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、金属箔と
セラミック皮膜を積層し、柔軟性に富んだ金属箔により
セラミックス皮膜に発生する熱応力を緩和することによ
って耐熱衝撃性と耐食性に優れた耐熱部材が得られるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0014】すなわち、本発明は肉厚10〜1000μ
mの金属箔と、その片面あるいは両面に施された肉厚1
0〜2000μmのセラミック皮膜とで構成されたシー
ト、または、このシート2層以上の積層体からなること
を特徴とするセラミックスと金属からなる耐熱部材を提
供する。
【0015】また、本発明は、肉厚10〜1000μm
のアルミニウム箔またはステンレス鋼箔と、その片面あ
るいは両面に施されたAl23 、ZrO2 、MgOの
酸化物、この中の酸化物を含む複合酸化物、AlN、A
lON、BNの窒化物の中から選ばれた1種または2種
以上の化合物を70wt%以上含有する材料からなる肉
厚10〜2000μmの皮膜とで構成されたシートまた
は、このシート2層以上の積層体からなることを特徴と
するセラミックスと金属からなる耐熱部材を提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。本発明に係る耐熱部材は、肉厚10〜1000
μmの金属箔と、その片面あるいは両面に施された肉厚
10〜2000μmのセラミック皮膜とで構成されたシ
ート、または、このシート2層以上の積層体からなる。
【0017】ここでいう金属箔は保形性と塑性変形能を
有することが要求される。例えば、焼鈍処理をした軟質
のアルミニウム、銅、チタン、ニオブ、タンタル、ステ
ンレス鋼、モリブデンが挙げられる。軟質であることが
要求されるのはセラミック皮膜と金属箔の熱膨張率の違
いに基づく剥離あるいは亀裂の発生を防止するためであ
る。
【0018】前記金属のうち、アルミニウムがもっとも
好ましい。すなわち、アルミニウムは融点が660℃と
低いので、溶融すると前記の熱膨張率の不整合を容易に
補償し得る。また、アルミニウム箔の表面は通常アルミ
ナ皮膜により覆われ保護されているので溶液は外部に流
出し難い。したがって、表面に施すセラミック皮膜ある
いは雰囲気ガスとも反応し難く、2000℃まで溶融し
た箔の状態が維持される。すなわち、融液による熱膨張
率不整合補償効果は2000℃まで維持できるのであ
る。
【0019】金属箔の肉厚に関しては、肉厚10μm未
満では保形性が不十分となり、1000μmを超えると
塑性変形能が不十分となる。したがって金属箔の肉厚は
10〜1000μmとする。
【0020】このような金属箔の片面または両面にセラ
ミック皮膜を施すのであるが、セラミック皮膜には耐熱
性が要求される。皮膜材料としては、融点1700℃以
上の酸化物、窒化物、酸窒化物、ホウ化物、炭化物を適
用することができる。
【0021】酸化物としては、TiO2 、ZrO2 、C
23 、Al23 、MgO、SiO2 のなかから選
択された1種または2種以上の酸化物、これらの酸化物
のなかの少なくとも一つを含む複合酸化物が挙げられ
る。複合酸化物としては、2MgO・SiO2 、3Mg
O・2SiO2 、MgO・SiO2 、MgO・CaO、
MgO・Cr23 、MgO・Al23 、2MgO・
TiO2 、MgO・ZrO2 、3Al23 ・2SiO
2 等が挙げられる。窒化物としては、TiN、ZrN、
Cr2 N、AlNが挙げられる。酸窒化物としては、A
lONが挙げられる。ホウ化物としてはMgB2 、Ca
6 、TiB2 、ZrB2 、AlB2 のなかから選択さ
れた1種または2種以上のホウ化物が挙げられる。また
炭化物としては、TiC、ZrC、Cr32 、Cr7
3 、Al43 のなかから選択された1種または2種
以上の炭化物が挙げられる。
【0022】ここで、上述の酸窒化物であるAlONは
Al、O、Nの固溶体の総称であるが、組成については
特に限定されるものではなく、いかなる組成であっても
よい。また、AlONのAlの一部がSiで置換されて
もよい。ただし、Si/Alのモル比で1.0以下であ
ることが耐食性の観点から好ましい。1.0を超えると
溶融物、特に溶鋼、溶融スラグに対する耐食性が低下す
るからである。このようなAlONの例としては、Al
1115N、AlON、Al1982884 、Al2739
N、Al1083 、Al937 、SiAl72
7 、Si3 Al34.55 が挙げられる。
【0023】上述した酸化物、窒化物、酸窒化物、ホウ
化物、炭化物は、耐溶鋼性、耐スラグ性、耐アルミナ付
着性、断熱性のうち、いずれかに優れていることが特徴
であり、これらが皮膜の主要部分を占める。セラミック
皮膜中におけるこれらの量は70wt%以上が好まし
い。70wt%未満では前記特性の発揮が不十分となる
おそれがある。
【0024】これらの化合物のなかで、Al23 、Z
rO2 、MgOの酸化物、これら酸化物のいずれかを含
む複合酸化物、AlN、AlON、BNの窒化物が耐熱
性と耐食性の観点から特に好ましい。すなわち、これら
の1種または2種以上を70wt%以上含むことが特に
好ましい。
【0025】皮膜材料の70wt%以上を前記の材料で
構成するが、残部については耐熱性と耐食性の比較的良
好な材料を適用する。例えば、SiC等のセラミック
ス、Cr、Zr、Mo、W、Nb、Ta等の高融点金属
が挙げられる。
【0026】セラミック皮膜の形成方法としては、特に
制約はなく、例えばCVD、PVD、塗布等が挙げられ
る。塗布の場合、セラミック粉末とバインダーを含むス
ラリーまたはペーストを用意して、刷毛塗り、噴霧、浸
漬、ドクターブレード法等によりスラリーまたはペース
トの皮膜を形成し、乾燥するか、その後必要に応じて焼
成してセラミック皮膜とするのである。
【0027】このセラミック皮膜の肉厚は10〜200
0μmが好ましい。これは、10μm未満では薄すぎて
耐用性が不十分となり、また2000μmを超えると、
金属箔とセラミック皮膜とからなるシートが外力や熱膨
張により変形するときに皮膜の亀裂、剥離が発生して耐
用性が不十分となるからである。
【0028】セラミック皮膜は耐食性の観点から開気孔
が少なく緻密質であることが好ましい。これは、開気孔
があると外部より腐食性のガス、融液が気孔に侵入しセ
ラミック皮膜を侵すからである。緻密質とするために、
加熱して焼結を促進することが好ましい。この焼結は、
この材料を高温炉で使用するに先だって実施する炉の予
熱の際に同時に行ってもよい。また、皮膜形成材料に金
属粉末を混合して、窒化あるいは酸化させて窒化物ある
いは酸化物を得、この際発生する体積膨張により緻密化
を図ってもよい。例としては、アルミニウム粉末をAl
NまたはAl23 に転化させることが挙げられる。
【0029】図1に、本発明の一実施形態に係る平板状
の耐熱部材の断面図を示す。まず、幅300mm長さ3
00mm肉厚50μmの焼鈍アルミニウム箔1の片面に
アルミナ接着剤(Al23 を主成分とする)をへらで
塗り広げ、肉厚約1mmの皮膜2を形成し、自然乾燥し
表面硬化後、電気炉に配設し、90℃で2時間、120
℃で2時間、370℃で1時間の加熱処理により完全硬
化させた。次いで、他面にジルコニア接着剤(ZrO2
とZrO2 ・SiO2 を主成分とする)をへらで塗り広
げ、肉厚約1mmの皮膜3を形成した。同様にしてシー
ト8枚を作製し、皮膜3の表面が皮を張る前に皮膜3を
下にして積層し、ジルコニア接着剤の滲みだしが発生し
ない範囲で軽く上面より押さえ圧着させた。2時間の自
然乾燥後、電気炉に配設し、90℃で2時間、120℃
で2時間、370℃で1時間の加熱処理により完全硬化
させた。これにより、平板状の耐熱部材が得られた。
【0030】図2に、本発明の他の実施形態に係る平板
状の耐熱部材を示す。まず、幅300mm長さ2500
mm肉厚50μmの焼鈍アルミニウム箔11の片面にア
ルミナ接着剤(Al23 を主成分とする)をへらで塗
り広げ、肉厚約1mmの皮膜12を形成し、自然乾燥し
表面硬化後、塗布面と非塗布面が接触しないようにコイ
ル状に巻いて電気炉に配設し、90℃で2時間、120
℃で2時間、370℃で1時間の加熱処理により完全硬
化させた。ついで、他面にジルコニア接着剤(ZrO2
とZrO2 ・SiO2 を主成分とする)をへらで塗り広
げ、肉厚約1mmの皮膜13を形成した。次に、300
mm毎に方向を変えて折り畳み、ジルコニア接着剤の滲
みだしが発生しない範囲で軽く上面より押さえ圧着し
た。2時間の自然乾燥後、電気炉に配設し90℃で2時
間、120℃で2時間、370℃で1時間の加熱処理に
より完全硬化させた。これにより、平板状の耐熱部材1
0が得られた。
【0031】図3に、本発明のさらに他の実施形態に係
る円管状の耐熱部材を示す。外径43mm長さ1.2m
のアクリル製管を用意し、まず、幅1m肉厚50μmの
焼鈍アルミニウム箔21をアクリル製管の幅1mの部分
に一重に巻き付けて切断した。次にアルミニウム箔21
にマグネシア接着剤(MgOとAl23 を主成分とす
る)をへらで塗り広げ、肉厚約1mmの皮膜22を形成
した。同様に、アルミニウム箔21の巻き付けおよび切
断とマグネシア接着剤の塗布を4回繰り返して合計5層
の積層を行った。そして、アクリル製管を抜き取り、内
側のアルミニウム箔21の表面にマグネシア接着剤をへ
らで塗り広げ、最内層にも肉厚約1mmの皮膜22を形
成した。2時間の自然乾燥後、電気炉に配設し、90℃
で2時間、120℃で2時間、370℃で1時間の加熱
処理により完全硬化させた。これにより、アルミニウム
箔21とマグネシア皮膜22からなる円管状の耐熱部材
30が得られた。
【0032】図4に、本発明のさらに他の実施形態に係
る円管状の耐熱部材を示す。外径43mm長さ1.2m
のアクリル製管を用意し、マグネシア接着剤(MgOと
Al23 を主成分とする)70重量部に200メッシ
ュ通過のAl粉末30重量部を加えて混練して塗布材と
し、まず、幅1mの長尺の肉厚50μmの焼鈍アルミニ
ウム箔31をアクリル製管の幅1mの部分に一重で巻き
付けた後、巻き終わった部分に塗布材をへらで塗り広
げ、肉厚約1mmの皮膜32を形成した。引き続き巻き
付けと塗布を螺旋状に5重になるまで繰り返した。そし
て、アクリル製管を抜き取り、アルミ箔31の内面にも
塗布材をへらで塗り広げ、肉厚約1mmの皮膜32を形
成した。2時間の自然乾燥後、電気炉に配設し、90℃
で2時間、120℃で2時間、370℃で1時間の加熱
処理により完全硬化させて、アルミニウム箔31と皮膜
32からなる円管を得た。この円管を焼結炉に配設し、
700℃、0.14MPa(絶対圧)の窒素雰囲気で1
0時間保持してAl粉末を窒化させ皮膜の主成分をMg
O、AlN、Al23 にしてセラミック皮膜に転化
し、円管状の耐熱部材40を得た。
【0033】図5に、本発明のさらに他の実施形態に係
る角管状の耐熱部材を示す。幅100mm奥行き100
mm長さ120mmの木製角柱を用意し、窒化ホウ素接
着剤(BNを主成分とする)50重量部に200メッシ
ュ通過のAl粉末50重量部を加えて混練して塗布材と
し、まず、幅100mmの長尺の肉厚50μmの焼鈍ア
ルミニウム箔41を木製角柱の長手方向120mmのう
ち幅100mmに一重に巻き付けて切断後、塗布材をへ
らで塗り広げ、肉厚約1mmの皮膜42を形成した。引
き続き巻き付け、切断、6重になるまで塗布を繰り返し
た。そして、木製角柱を抜き取り、内面にも塗布材をへ
らで塗り広げ、肉厚約1mmの皮膜42を形成した。2
時間の自然乾燥後、電気炉に配設し、90℃で2時間、
120℃で2時間、370℃で1時間の加熱処理により
完全硬化させて、アルミニウム箔41と皮膜42からな
る角管を得た。この角管を焼結炉に配設し、700℃、
0.14MPa(絶対圧)の窒素雰囲気で10時間保持
してAl粉末を窒化させ皮膜の主成分をAlN、BNに
して、セラミック皮膜に転化し、角管状の耐熱部材50
を得た。
【0034】図6に、本発明のさらに他の実施形態に係
る角管状の耐熱部材を示す。幅100mm奥行き100
mm長さ120mmの木製角柱を用意し、アルミナ接着
剤(Al23 を主成分とする)50重量部に200メ
ッシュ通過のAl粉末50重量部を加えて混練して塗布
材とし、まず、幅100mmの長尺の肉厚50μmの焼
鈍アルミニウム箔51を木製角柱の長手方向120mm
のうち幅100mmに一重に巻き付けて後、塗布材をへ
らで塗り広げ、肉厚約1mmの皮膜52を形成した。引
き続き巻き付けおよび塗布を6重になるまで繰り返し
た。そして、木製角柱を抜き取り、内面にも塗布材をへ
らで塗り広げ、肉厚約1mmの皮膜52を形成した。2
時間の自然乾燥後、電気炉に配設し、90℃で2時間、
120℃で2時間、370℃で1時間の加熱処理により
完全硬化させて、アルミニウム箔51と皮膜52からな
る角管を得た。この角管を焼結炉に配設し、700℃、
0.14MPa(絶対圧)の窒素雰囲気で10時間保持
してAl粉末を窒化させ、皮膜の主成分をAlN、Al
23 にし、さらに、1800℃で3時間保持してAl
ONを生成させた。こうして、皮膜の主成分をAlO
N、Al23 、AlNとして、セラミック皮膜に転化
し、角管状の耐熱部材60を得た。
【0035】図7に、本発明のさらに他の実施形態に係
るリング状の耐熱部材を示す。外径160mm高さ10
0mmのアクリル製短管を用意し、まず、幅70mmの
長尺の肉厚50μmの焼鈍アルミニウム箔をアクリル製
短管の長手方向100mmのうち幅70mmに一重に巻
き付けて後、ジルコニア接着剤(ZrO2 とZrO2
SiO2 を主成分とする)をへらで塗り広げ、肉厚約1
mmの皮膜を形成した。引き続き巻き付け、塗布を総肉
厚50mmになるまで繰り返した。そして、アクリル製
短管を抜き取り、内面にジルコニア接着剤をへらで塗り
広げ、肉厚約1mmの皮膜を形成した。2時間の自然乾
燥後、20mmの厚さで切り欠きを入れ、図7の形状に
加工した。次に、これを電気炉に配設し、90℃で2時
間、120℃で2時間、370℃で1時間の加熱処理に
より完全硬化させて、アルミニウム箔とセラミック皮膜
とからなるリング状の耐熱部材70を得た。
【0036】図8に、本発明のさらに他の実施形態に係
る耐熱部材を用いた焼成容器を示す。外径100mm高
さ120mmのアクリル製短管を用意し、まず、幅10
0mmの長尺の肉厚50μmの焼鈍アルミニウム箔をア
クリル製短管の長手方向120mmのうち幅100mm
に一重に巻き付けて後、アルミナ接着剤(アルミナを主
成分とする)をへらで塗り広げ、肉厚約1mmの皮膜を
形成した。引き続き巻き付け、塗布を総肉厚10mmに
なるまで繰り返した。そして、アクリル製短管を抜き取
り、内面にアルミナ接着剤をへらで塗り広げ、肉厚約1
mmの皮膜を形成した。2時間の自然乾燥後、これを電
気炉に配設し、90℃で2時間、120℃で2時間、3
70℃で1時間の加熱処理により完全硬化させて、アル
ミニウム箔とセラミック皮膜とからなる円管71を得
た。厚さ5mmの上下の蓋72,73は、厚さ50μm
のアルミニウム箔を用意し、図2と同様の手順でアルミ
ナ接着剤を箔の両面に厚さ約1mmで塗布し、熱処理
し、厚さ5mmの板を作製し、辺長120mmの正方形
から切り出して作製した。
【0037】図9に、本発明のさらに他の実施形態に係
る耐熱部材を用いた焼成容器を示す。幅100mm奥行
き100mm長さ120mmの木製角柱を用意し、ま
ず、幅100mmの長尺の肉厚30μmの焼鈍ステンレ
ス鋼箔(材質SUS304)を木製角柱の長手方向12
0mmのうち幅100mmに一重に巻き付けて後、マグ
ネシア接着剤(MgOとAl23 を主成分とする)を
へらで塗り広げ、肉厚約1mmの皮膜を形成した。引き
続き巻き付け、塗布を総肉厚10mmになるまで繰り返
した。そして、木製角柱を抜き取り、内面に塗布材をへ
らで塗り広げ、肉厚約1mmの皮膜を形成した。2時間
の自然乾燥後、電気炉に配設し、90℃で2時間、12
0℃で2時間、370℃で1時間の加熱処理により完全
硬化させて、ステンレス鋼箔と皮膜からなる角管81を
得た。厚さ5mmの上下の蓋82,83は、厚さ30μ
mのステンレス鋼箔を用意し、図2と同様の手順でマグ
ネシア接着剤を箔の両面に厚さ約1mmで塗布し、熱処
理し、厚さ5mmの板を作製し、辺長120mmの正方
形から切り出して作製した。
【0038】
【実施例】
(実施例1)325メッシュの篩目通過(粒径44μm
以下)のAl23 粉末、アルミナ接着剤(Al23
を主成分とする)をそれぞれ70wt%、30wt%の
割合で混合し、水分を添加してペースト状になるように
調整し、塗布材とした。幅30mm厚さ50μmの長尺
アルミニウム箔を用意し、図2に基づいて説明した手順
と同様の手順で、前記塗付材をこの箔の両面に厚さ約1
mmで塗布し、熱処理し、幅30mm奥行き30mm長
さ250mmの角柱1本、幅30mm奥行き30mm厚
さ10mmの板3枚を作製した。
【0039】次に、アルミナ坩堝に銑鉄25kgを入れ
て1550℃まで加熱後、前記角柱を浴面から深さ10
0mmまで約1秒間で挿入し、5分間保持した後、取り
出して放冷した。常温まで冷却後、表面を観察したが、
亀裂の発生は認められなかった。中央から切断して断面
を観察したが、内部にも剥離、亀裂、膨れは認められな
かった。
【0040】次に、前記の板1枚を大気雰囲気炉に装入
し、1550℃まで加熱して2時間保持後放冷した。常
温まで冷却後、中央から切断して断面を観察したが、剥
離、亀裂、膨れは認められなかった。
【0041】次に、前記板1枚の中央に1辺5mmの立
方体形状に切り出した13Cr鋼を載せたものを用意
し、真空加圧雰囲気炉に装入し、Ar雰囲気で1550
℃まで加熱し2時間保持後放冷した。常温まで冷却後、
試料の状態を観察したところ、13Cr鋼は試料と接着
しておらず、試料の13Cr鋼との接触部分は変色した
が窪みはなく健全であった。
【0042】次に、アルミナ坩堝にスラグ粉末(SiO
2 35.2wt%、Al23 4.1wt%、CaO
27.5wt%)を充填し、前記板1枚をこれに埋め
て、アルミナ製蓋で覆ってから、大気雰囲気炉に装入
し、1450℃まで加熱してその温度で150時間保持
後放冷した。常温まで冷却後、アルミナ坩堝ごと縦に中
央から切断して断面を観察したところ、試料はスラグに
溶解し消失していた。
【0043】これらの結果から、本実施例の材料は耐ス
ラグ性に劣るが、耐熱衝撃性、耐酸化性、耐溶鋼性に優
れていることが確認された。 (実施例2)325メッシュの篩目通過(粒径44μm
以下)のバッデライト粉末、ジルコニア接着剤(ZrO
2 とZrO2 ・SiO2 を主成分とする)をそれぞれ7
0wt%、30wt%の割合で混合し、水分を添加して
ペースト状になるように調整し、塗布材とした。幅30
mm厚さ50μmの長尺アルミニウム箔を用意し、図2
に基づいて説明した手順と同様の手順で、前記塗布材を
この箔の両面に厚さ約1mmで塗布し、熱処理し、幅3
0mm奥行き30mm長さ250mmの角柱1本、幅3
0mm奥行き30mm厚さ10mmの板3枚を作製し
た。
【0044】次に、アルミナ坩堝に銑鉄25kgを入れ
て1550℃まで加熱後、前記角柱を浴面から深さ10
0mmまで約1秒間で挿入し、5分間保持した後、取り
出して放冷した。常温まで冷却後、表面を観察したが、
亀裂の発生は認められなかった。中央から切断して断面
を観察したが、内部にも剥離、亀裂、膨れは認められな
かった。
【0045】次に、前記板1枚を大気雰囲気炉に装入
し、1550℃まで加熱し2時間保持後放冷した。常温
まで冷却後、中央から切断して断面を観察したが、剥
離、亀裂、膨れは認められなかった。
【0046】次に、前記板1枚の中央に1辺5mmの立
方体形状に切り出した13Cr鋼を載せたものを用意
し、真空加圧雰囲気炉に装入し、Ar雰囲気で1550
℃まで加熱し2時間保持後放冷した。常温まで冷却後、
試料の状態を観察したところ、13Cr鋼は試料と接着
しておらず、試料の13Cr鋼との接触部分は変色した
が窪みはなく健全であった。
【0047】次に、アルミナ坩堝にスラグ粉末(SiO
2 35.2wt%、Al23 4.1wt%、CaO
27.5wt%)を充填し、前記板1枚をこれに埋め
て、アルミナ製蓋で覆ってから、大気雰囲気炉に装入
し、1450℃まで加熱してその温度で150時間保持
後放冷した。常温まで冷却後、アルミナ坩堝ごと縦に中
央から切断して断面を観察したところ、試料は角が欠け
表面に凹凸が発生し内部に気泡が見られたが、形状は保
持していた。
【0048】これらの結果から、本実施例の材料は耐ス
ラグ性に劣るが、耐熱衝撃性、耐酸化性、耐溶鋼性に優
れていることが確認された。 (実施例3)325メッシュの篩目通過(粒径44μm
以下)のAl23 粉末、マグネシア接着剤(MgOと
Al23 を主成分とする)をそれぞれ70wt%、3
0wt%の割合で混合し、水分を添加してペースト状に
なるように調整し、塗布材とした。幅30mm厚さ50
μmの長尺アルミニウム箔を用意し、図2に基づいて説
明した手順と同様の手順で、前記塗布材をこの箔の両面
に厚さ約1mmで塗布し、熱処理し、幅30mm奥行き
30mm長さ250mmの角柱1本、幅30mm奥行き
30mm厚さ10mmの板3枚を作製した。
【0049】次に、アルミナ坩堝に銑鉄25kgを入れ
て1550℃まで加熱後、前記角柱を浴面から深さ10
0mmまで約1秒間で挿入し、5分間保持した後、取り
出して放冷した。常温まで冷却後、表面を観察したが、
亀裂の発生は認められなかった。中央から切断して断面
を観察したが、内部にも剥離、亀裂、膨れは認められな
かった。
【0050】次に、前記板1枚を大気雰囲気炉に装入
し、1550℃まで加熱し2時間保持後放冷した。常温
まで冷却後、中央から切断して断面を観察したが、剥
離、亀裂、膨れは認められなかった。
【0051】次に、前記板1枚の中央に1辺5mmの立
方体形状に切り出した13Cr鋼を載せたものを用意
し、真空加圧雰囲気炉に装入し、Ar雰囲気で1550
℃まで加熱し2時間保持後放冷した。常温まで冷却後、
試料の状態を観察したところ、13Cr鋼は試料と接着
しておらず、試料の13Cr鋼との接触部分は変色した
が窪みはなく健全であった。
【0052】次に、アルミナ坩堝にスラグ粉末(SiO
2 35.2wt%、Al23 4.1wt%、CaO
27.5wt%)を充填し、前記板1枚をこれに埋め
て、アルミナ製蓋で覆ってから、大気雰囲気炉に装入
し、1450℃まで加熱してその温度で150時間保持
後放冷した。常温まで冷却後、アルミナ坩堝ごと縦に中
央から切断して断面を観察したところ、試料は激しく膨
れ、内部に気泡が多数発生していた。
【0053】これらの結果から、本実施例の材料は耐ス
ラグ性に劣るが、耐熱衝撃性、耐酸化性、耐溶鋼性に優
れていることが確認された。 (実施例4)325メッシュの篩目通過(粒径44μm
以下)のAl23 粉末、窒化ホウ素接着剤(BNを主
成分とする)をそれぞれ80wt%、20wt%の割合
で混合し、水分を添加してペースト状になるように調整
し、塗布材とした。幅30mm厚さ50μmの長尺アル
ミニウム箔を用意し、図2に基づいて説明した手順と同
様の手順で、前記塗布材をこの箔の両面に厚さ約1mm
で塗布し、熱処理し、幅30mm奥行き30mm長さ2
50mmの角柱1本、幅30mm奥行き30mm厚さ1
0mmの板3枚を作製した。
【0054】次に、アルミナ坩堝に銑鉄25kgを入れ
て1550℃まで加熱後、前記角柱を浴面から深さ10
0mmまで約1秒間で挿入し、5分間保持した後、取り
出して放冷した。常温まで冷却後、表面を観察したが、
亀裂の発生は認められなかった。中央から切断して断面
を観察したが、内部にも剥離、亀裂、膨れは認められな
かった。
【0055】次に、前記板1枚を大気雰囲気炉に装入
し、1550℃まで加熱し2時間保持後放冷した。常温
まで冷却後、中央から切断して断面を観察したが、剥
離、亀裂、膨れは認められなかった。
【0056】次に、前記板1枚の中央に1辺5mmの立
方体形状に切り出した13Cr鋼を載せたものを用意
し、真空加圧雰囲気炉に装入し、Ar雰囲気で1550
℃まで加熱し2時間保持後放冷した。常温まで冷却後、
試料の状態を観察したところ、13Cr鋼は試料と接着
しておらず、試料の13Cr鋼との接触部分は変色した
が窪みはなく健全であった。
【0057】次に、アルミナ坩堝にスラグ粉末(SiO
2 35.2wt%、Al23 4.1wt%、CaO
27.5wt%)を充填し、前記板1枚をこれに埋め
て、アルミナ製蓋で覆ってから、大気雰囲気炉に装入
し、1450℃まで加熱してその温度で150時間保持
後放冷した。常温まで冷却後、アルミナ坩堝ごと縦に中
央から切断して断面を観察したところ、試料は激しく膨
れ、内部に気泡が多数発生していた。
【0058】これらの結果から、本実施例の材料は耐ス
ラグ性に劣るが、耐熱衝撃性、耐酸化性、耐溶鋼性に優
れていることが確認された。 (実施例5)幅30mm厚さ50μmの長尺アルミニウ
ム箔を用意し、図2に基づいて説明した手順と同様の手
順で、前記塗布材をこの箔の両面にそれぞれアルミナ接
着剤(Al23 を主成分とする)とジルコニア接着剤
(ZrO2 とZrO2 ・SiO2 を主成分とする)を厚
さ約1mmで塗布し、熱処理し、幅30mm奥行き30
mm長さ250mmの角柱1本、幅30mm奥行き30
mm厚さ10mmの板3枚を作製した。
【0059】次に、アルミナ坩堝に銑鉄25kgを入れ
て1550℃まで加熱後、前記角柱を浴面から深さ10
0mmまで約1秒間で挿入し、5分間保持した後、取り
出して放冷した。常温まで冷却後、表面を観察したが、
亀裂の発生は認められなかった。中央から切断して断面
を観察したが、内部にも剥離、亀裂、膨れは認められな
かった。
【0060】次に、前記板1枚を大気雰囲気炉に装入
し、1550℃まで加熱し2時間保持後放冷した。常温
まで冷却後、中央から切断して断面を観察したが、剥
離、亀裂、膨れは認められなかった。
【0061】次に、前記板1枚の中央に1辺5mmの立
方体形状に切り出した13Cr鋼を載せたものを用意
し、真空加圧雰囲気炉に装入し、Ar雰囲気で1550
℃まで加熱し2時間保持後放冷した。常温まで冷却後、
試料の状態を観察したところ、13Cr鋼は試料と接着
しておらず、試料の13Cr鋼との接触部分は変色した
が窪みはなく健全であった。
【0062】次に、アルミナ坩堝にスラグ粉末(SiO
2 35.2wt%、Al23 4.1wt%、CaO
27.5wt%)を充填し、前記板1枚をこれに埋め
て、アルミナ製蓋で覆ってから、大気雰囲気炉に装入
し、1450℃まで加熱してその温度で150時間保持
後放冷した。常温まで冷却後、アルミナ坩堝ごと縦に中
央から切断して断面を観察した処、試料は角が欠けてい
たが、内部は健全であった。
【0063】これらの結果から、本実施例の材料は耐ス
ラグ性にやや劣るが、耐熱衝撃性、耐酸化性、耐溶鋼性
に優れていることが確認された。 (実施例6)325メッシュの篩目通過(粒径44μm
以下)のAl粉末、アルミナ接着剤(Al23 を主成
分とする)をそれぞれ50wt%、50wt%の割合で
混合し、水分を添加してペースト状になるように調整
し、塗布材とした。幅30mm厚さ50μmの長尺アル
ミニウム箔を用意し、図2に基づいて説明した手順と同
様の手順で、前記塗布材をこの箔の両面に厚さ約1mm
で塗布し、熱処理し、幅30mm奥行き30mm長さ2
50mmの角柱1本、幅30mm奥行き30mm厚さ1
0mmの板3枚を作製した。これを真空加圧雰囲気炉に
装入し、700℃、窒素圧力0.14MPa(絶対圧)
で8時間保持後放冷し、アルミニウム粉末をAlNに転
化した。
【0064】次に、アルミナ坩堝に銑鉄25kgを入れ
て1550℃まで加熱後、前記角柱を浴面から深さ10
0mmまで約1秒間で挿入し、5分間保持した後、取り
出して放冷した。常温まで冷却後、表面を観察したが、
亀裂の発生は認められなかった。中央から切断して断面
を観察したが、内部にも剥離、亀裂、膨れは認められな
かった。
【0065】次に、前記板1枚を大気雰囲気炉に装入
し、1550℃まで加熱し2時間保持後放冷した。常温
まで冷却後、中央から切断して断面を観察したが、剥
離、亀裂、膨れは認められなかった。
【0066】次に、前記板1枚の中央に1辺5mmの立
方体形状に切り出した13Cr鋼を載せたものを用意
し、真空加圧雰囲気炉に装入し、Ar雰囲気で1550
℃まで加熱し2時間保持後放冷した。常温まで冷却後、
試料の状態を観察したところ、13Cr鋼は試料と接着
しておらず、試料の13Cr鋼との接触部分は変色した
が窪みはなく健全であった。
【0067】次に、アルミナ坩堝にスラグ粉末(SiO
2 35.2wt%、Al23 4.1wt%、CaO
27.5wt%)を充填し、前記板1枚をこれに埋め
て、アルミナ製蓋で覆ってから、大気雰囲気炉に装入
し、1450℃まで加熱して150時間保持後放冷し
た。常温まで冷却後、アルミナ坩堝ごと縦に中央から切
断して断面を観察したところ、試料は激しく膨れ、内部
に気泡が多数発生していた。
【0068】これらの結果から、本実施例の材料は耐ス
ラグ性に劣るが、耐熱衝撃性、耐酸化性、耐溶鋼性に優
れていることが確認された。 (実施例7)325メッシュの篩目通過(粒径44μm
以下)のAl粉末、アルミナ接着剤(Al23 を主成
分とする)をそれぞれ50wt%、50wt%の割合で
混合し、水分を添加してペースト状になるように調整
し、塗布材とした。幅30mm厚さ50μmの長尺アル
ミニウム箔を用意し、図2に基づいて説明した手順と同
様の手順で、前記塗布材をこの箔の両面に厚さ約1mm
で塗布し、熱処理し、幅30mm奥行き30mm長さ2
50mmの角柱1本、幅30mm奥行き30mm厚さ1
0mmの板3枚を作製した。これを真空加圧雰囲気炉に
配設し、1600℃、窒素圧力1.0MPa(絶対圧)
で8時間保持後放冷し、アルミニウム粉末をAlNに転
化し、さらにAlNの一部をAl23 と固溶させてA
lONに転化した。
【0069】次に、アルミナ坩堝に銑鉄25kgを入れ
て1550℃まで加熱後、前記角柱を浴面から深さ10
0mmまで約1秒間で挿入し、5分間保持した後、取り
出して放冷した。常温まで冷却後、表面を観察したが、
亀裂の発生は認められなかった。中央から切断して断面
を観察したが、内部にも剥離、亀裂、膨れは認められな
かった。
【0070】次に、前記板1枚を大気雰囲気炉に装入
し、1550℃まで加熱し2時間保持後放冷した。常温
まで冷却後、中央から切断して断面を観察したが、剥
離、亀裂、膨れは認められなかった。
【0071】次に、前記板1枚の中央に1辺5mmの立
方体形状に切り出した13Cr鋼を載せたものを用意
し、真空加圧雰囲気炉に装入し、Ar雰囲気で1550
℃まで加熱し2時間保持後放冷した。常温まで冷却後、
試料の状態を観察したところ、13Cr鋼は試料と接着
しておらず、試料の13Cr鋼との接触部分は変色した
が窪みはなく健全であった。
【0072】次に、アルミナ坩堝にスラグ粉末(SiO
2 35.2wt%、Al23 4.1wt%、CaO
27.5wt%)を充填し、前記板1枚をこれに埋め
て、アルミナ製蓋で覆ってから、大気雰囲気炉に装入
し、1450℃まで加熱して150時間保持後放冷し
た。常温まで冷却後、アルミナ坩堝ごと縦に中央から切
断して断面を観察したところ、試料は激しく膨れ、内部
に気泡が多数発生していた。
【0073】これらの結果から、本実施例の材料は耐ス
ラグ性に劣るが、耐熱衝撃性、耐酸化性、耐溶鋼性に優
れていることが確認された。 (実施例8)325メッシュの篩目通過(粒径44μm
以下)のAl23 粉末、アルミナ接着剤(Al23
を主成分とする)をそれぞれ70wt%、30wt%の
割合で混合し、水分を添加してペースト状になるように
調整し、塗布材とした。幅30mm厚さ30μmの長尺
ステンレス鋼箔(材質SUS304)を用意し、図2に
基づいて説明した手順と同様の手順で、前記塗布材をこ
の箔の両面に厚さ約1mmで塗布し、熱処理し、幅30
mm奥行き30mm長さ250mmの角柱1本、幅30
mm奥行き30mm厚さ10mmの板3枚を作製した。
【0074】次に、アルミナ坩堝に銑鉄25kgを入れ
て1550℃まで加熱後、前記角柱を浴面から深さ10
0mmまで約1秒間で挿入し、5分間保持した後、取り
出して放冷した。常温まで冷却後、表面を観察したが、
亀裂の発生は認められなかった。中央から切断して断面
を観察したが、内部にも剥離、亀裂、膨れは認められな
かった。
【0075】次に、前記板1枚を大気雰囲気炉に装入
し、1550℃まで加熱し2時間保持後放冷した。常温
まで冷却後、中央から切断して断面を観察したが、剥
離、亀裂、膨れは認められなかった。
【0076】次に、前記板1枚の中央に1辺5mmの立
方体形状に切り出した13Cr鋼を載せたものを用意
し、真空加圧雰囲気炉に装入し、Ar雰囲気で1550
℃まで加熱し2時間保持後放冷した。常温まで冷却後、
試料の状態を観察したところ、13Cr鋼は試料と接着
しておらず、試料の13Cr鋼との接触部分は変色した
が窪みはなく健全であった。
【0077】次に、アルミナ坩堝にスラグ粉末(SiO
2 35.2wt%、Al23 4.1wt%、CaO
27.5wt%)を充填し、前記板1枚をこれに埋め
て、アルミナ製蓋で覆ってから、大気雰囲気炉に装入
し、1450℃まで加熱して150時間保持後放冷し
た。常温まで冷却後、アルミナ坩堝ごと縦に中央から切
断して断面を観察したところ、試料はスラグに溶解し消
失していた。これらの結果から、本実施例の材料は耐ス
ラグ性に劣るが、耐熱衝撃性、耐酸化性、耐溶鋼性に優
れていることが確認された。
【0078】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、柔軟性に
富んだ金属箔がセラミック皮膜に発生する熱応力を緩和
して優れた耐熱衝撃性を示す一方、セラミック皮膜が優
れた耐食性を示すので、優れた耐熱衝撃性と耐食性とを
兼備した耐熱部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る平板状の耐熱部材を
示す断面図。
【図2】本発明の他の実施形態に係る平板状の耐熱部材
を示す断面図。
【図3】本発明のさらに他の実施形態に係る円管状の耐
熱部材を示す断面図。
【図4】本発明のさらに他の実施形態に係る円管状の耐
熱部材を示す断面図。
【図5】本発明のさらに他の実施形態に係る角管状の耐
熱部材を示す断面図。
【図6】本発明のさらに他の実施形態に係る角管状の耐
熱部材を示す断面図。
【図7】本発明のさらに他の実施形態に係るリング状の
耐熱部材を示す断面図。
【図8】本発明のさらに他の実施形態に係る耐熱部材を
用いた焼成容器を示す斜視図。
【図9】本発明のさらに他の実施形態に係る耐熱部材を
用いた焼成容器を示す斜視図。
【符号の説明】
1,11,21,31,41,51……アルミニウム
箔、2,3,12,13,22,32,42,52……
セラミック皮膜、10,20,30,40,50,6
0,70……耐熱部材、71……円管、72,73,8
2,83……蓋、81……角管。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 肉厚10〜1000μmの金属箔と、そ
    の片面あるいは両面に施された肉厚10〜2000μm
    のセラミック皮膜とで構成されたシート、または、この
    シート2層以上の積層体からなることを特徴とするセラ
    ミックスと金属からなる耐熱部材。
  2. 【請求項2】 肉厚10〜1000μmのアルミニウム
    箔またはステンレス鋼箔と、その片面あるいは両面に施
    されたAl23 、ZrO2 、MgOの酸化物、この中
    の酸化物を含む複合酸化物、AlN、AlON、BNの
    窒化物の中から選ばれた1種または2種以上の化合物を
    70wt%以上含有する材料からなる肉厚10〜200
    0μmの皮膜とで構成されたシートまたは、このシート
    2層以上の積層体からなることを特徴とするセラミック
    スと金属からなる耐熱材料。
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