JP2001212460A - メタノール改質触媒及びメタノール改質触媒の安定化処理方法 - Google Patents

メタノール改質触媒及びメタノール改質触媒の安定化処理方法

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JP2001212460A
JP2001212460A JP2000025429A JP2000025429A JP2001212460A JP 2001212460 A JP2001212460 A JP 2001212460A JP 2000025429 A JP2000025429 A JP 2000025429A JP 2000025429 A JP2000025429 A JP 2000025429A JP 2001212460 A JP2001212460 A JP 2001212460A
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catalyst
oxygen
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methanol reforming
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JP2000025429A
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Satonobu Yasutake
聡信 安武
Shigeru Nojima
野島  繁
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 活性化処理後に空気のような酸素存在雰囲気
に曝された際の活性種のシンタリングが回避され、活性
化処理後に酸素存在雰囲気下で保管することが可能なメ
タノール改質触媒を提供することを目的とする。 【解決手段】 金属銅及びCu2Oから選ばれる少なく
とも1種からなる活性種が担持された担体の粉末の集合
体1で、前記集合体1の表層部2に存在する前記活性種
の表面にCuO層が形成されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メタノール改質触
媒及びメタノール改質触媒の安定化処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境問題の高まりの中で、電
気エネルギーを効率的に、かつクリーンに生産する方法
として燃料電池が注目されている。とりわけ、自動車等
の内燃機関から排出される排気ガスには窒素酸化物や一
酸化炭素等の有害ガスが多く含まれているため、種々の
改善策が講ぜられている。改善策の一つとして内燃機関
の代わり固体高分子型燃料電池(PEFC)を搭載した
自動車の開発が鋭意なされている。
【0003】固体高分子型燃料電池(PEFC)は水素
(H2)を主体とする燃料ガスを高分子膜中にプロトン
として拡散させ、これに伴う電子の移動から電気エネル
ギーを得るものであり、自動車に搭載するには効率的な
水素製造装置が必要である。この燃料ガスの原料には、
メタノールが多用されている。メタノールは、化石燃料
から容易に合成される安価な液体燃料であり、しかも触
媒を用いて比較的容易に水素に転換できるという特長を
有するからである。
【0004】メタノールを改質して水素を製造する方法
としては、下記(1)式に示すような水蒸気改質反応
や、部分酸化反応が知られている。
【0005】 CH3 OH+H2 O→3H2 +CO2 −11.8 kcal/mol …(1) このメタノール改質反応の触媒としては、例えば酸化亜
鉛(ZnO)からなる担体に酸化銅(CuO)を担持さ
せたものが知られている。このCuO/ZnO触媒は、
CuOのままでは活性が低いため、CuOを金属銅また
はCu2Oに還元する活性化処理を行ってから使用され
る。
【0006】しかしながら、この活性化処理が施された
触媒は、空気に触れると金属銅及びCu2Oが直ちに酸
化され、この酸化に伴う急激な温度上昇により活性種に
シンタリング(半融)が生じるため、空気中で取り扱い
づらいという問題点を有する。このため、自動車に固体
高分子型燃料電池を搭載する際、予め活性化処理が施さ
れた触媒を、燃料ガス製造のための水素製造装置(メタ
ノール改質器)に充填することができず、触媒の活性化
を自動車において行う必要があり、水素製造装置が大型
化するという問題点を招く。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、活性化処理
後に空気のような酸素存在雰囲気に曝された際の活性種
のシンタリングが回避され、活性化処理後に酸素存在雰
囲気下で保管することが可能なメタノール改質触媒を提
供することを目的とする。
【0008】また、本発明は、活性化処理後に空気のよ
うな酸素存在雰囲気に曝された際の活性種のシンタリン
グを防止することができ、活性化処理後に酸素存在雰囲
気下で触媒を保管することが可能なメタノール改質触媒
の安定化処理方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係るメタノール
改質触媒は、金属銅及びCu2Oから選ばれる少なくと
も1種からなる活性種が担持された担体の粉末の集合体
で、前記集合体の表層部に存在する前記活性種の表面に
CuO層が形成されていることを特徴とするものであ
る。
【0010】本発明に係わるメタノール改質触媒の安定
化処理方法は、金属銅及びCu2Oから選ばれる少なく
とも1種を活性種として含むメタノール改質触媒の安定
化処理方法であって、活性種がCuOの状態にある未活
性のメタノール改質触媒の粉末の集合体を形成し、前記
活性種に還元処理を施すことにより触媒の活性化を行う
工程と、前記集合体の表面に露出した前記活性種の表面
を酸化する工程とを具備することを特徴とするものであ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わるメタノール
改質触媒について説明する。
【0012】このメタノール改質触媒は、金属銅及びC
2Oから選ばれる少なくとも1種からなる活性種が担
持された担体の粉末の集合体であると共に、前記集合体
の表層部に存在する前記活性種の表面にCuO層が形成
されていることを特徴とするものである。なお、前記集
合体には、前記担体粉末のみからなるものか、あるいは
前記担体粉末の他に、基材に担体粉末を担持させるため
のバインダー等を含むものを用いることができる。
【0013】前記集合体の形状は、例えば、ハニカム、
ラーシッヒリングまたはタブレットにすることができ
る。中でも、タブレットは、(a)集合体の強度を向上
することができるために集合体に欠け等が生じ難く、
(b)反応管への触媒充填量を多くすることができ、か
つ(c)反応管出口における圧力損失を小さくすること
ができるため、好ましい。
【0014】前記担体としては、例えば、両性酸化物
か、もしくは両性酸化物の複合酸化物から形成すること
ができる。前記両性酸化物としては、例えば、ZnO、
CeO 2、Al23、SnOx(但し、xはx>0を示
す)、TiO2、またはZrO2を挙げることができる。
一方、前記両性酸化物の複合酸化物としては、例えば、
ZnO,CeO2,Al23,SnOx(但し、xはx>
0を示す),TiO2及びZrO2からなる群より選ばれ
る2種以上の両性酸化物の複合酸化物を挙げることがで
きる。中でも、ZnOか、ZnOとAl23の複合酸化
物が好ましい。
【0015】前記表層部の厚さは、550μm以下にす
ることが好ましい。表層部の厚さが550μmを超える
ものは、活性種の表面にCuO層が形成される際に生じ
る反応熱により大幅な温度上昇が生じるため、活性種に
シンタリングが生じている可能性がある。表層部の厚さ
は、500μm以下にすることがより好ましい。また、
表層部の厚さを50μm未満にすると、酸素存在雰囲気
に保管された際の活性種のシンタリングを抑制すること
が困難になる恐れがあると共に、集合体に欠けが生じた
際に集合体表面にCuO層未形成の活性種が露出する可
能性がある。よって、表層部の厚さの下限値は50μm
にすることが好ましく、より好ましい下限値は300μ
mである。また、最も好ましい範囲は、300〜550
μmである。
【0016】本発明に係るメタノール改質触媒は、その
ままの状態でメタノール改質反応に供することが可能で
あるものの、メタノール改質反応に供する前に、活性種
表面に形成されたCuO層を金属銅もしくはCu2Oに
還元することが好ましい。この還元処理(活性化処理)
は、水素含有ガスの流通等で行うことができる。
【0017】以下、本発明に係るメタノール改質触媒の
安定化処理方法を説明する。
【0018】(第1工程)活性種がCuOの状態にある
未活性のメタノール改質触媒の粉末の集合体を形成し、
得られた集合体のCuOを金属銅か、Cu2Oか、ある
いは金属銅とCu2Oの双方に還元することにより触媒
の活性化を行う。
【0019】前記CuOの還元反応を、以下の反応式
(2)及び(3)に示す。
【0020】 CuO+1/2H2→Cu+H2O+Q(Q>0kcal/mol) …(2) 2CuO+1/2H2→Cu2O+H2O+Q(Q>0kcal/mol) …(3) 前記活性種が担持される担体は、例えば、両性酸化物
か、もしくは両性酸化物の複合酸化物から形成すること
ができる。前記両性酸化物並びに前記両性酸化物の複合
酸化物としては、前述したのと同様なものを挙げること
ができる。中でも、ZnOか、ZnOとAl23の複合
酸化物が好ましい。
【0021】前記還元処理は、例えば、集合体に水素含
有ガスを少なくとも1回流通させることによりなされ
る。水素含有ガスの流通を2回以上行う際、水素含有ガ
スの水素濃度を段階的に高くすることが望ましい。水素
含有ガスの水素濃度を段階的に高くすることによって、
活性種の還元反応を徐々に生じさせることができ、触媒
温度が急激に上昇するのを抑制することができるため、
活性種のシンタリング(半融)を回避することができ
る。また、水素含有ガスには、水素ガスと不活性ガスか
らなる混合ガスを用いることが望ましい。
【0022】前記還元処理では、集合体の温度を170
℃以下に保持することが望ましい。
【0023】(第2工程)前記集合体の表面に露出した
活性種の表面を酸化してCuO層を形成することにより
安定化処理を施す。
【0024】この酸化反応を下記の反応式(4)及び
(5)に示す。
【0025】 Cu+1/2O2→CuO+Q(Q>0kcal/mol) …(4) Cu2O+1/2O2→CuO+Q(Q>0kcal/mol) …(5) 前記酸化工程は、前記集合体に酸素含有ガスを少なくと
も2回流通させることによりなされることが好ましく、
この際、酸素含有ガス中の酸素濃度を段階的に高くする
ことが望ましい。活性種の酸化反応は前述した(4)及
び(5)式に示すように発熱反応であるため、酸素含有
ガスによる流通処理を1回にすると、活性種の酸化が急
激に生じて触媒温度が大幅に上昇し、活性種のシンタリ
ング(半融)を招く恐れがある。
【0026】酸素含有ガスとしては、酸素ガスと不活性
ガス(例えば、N2)の混合ガスを用いることが望まし
い。
【0027】最後に流通させる酸素含有ガスの酸素濃度
は、空気の酸素濃度と等しくすることが好ましい。この
ような処理を行うことによって、安定化処理後、空気中
に保管した際の安定性を向上することができる。この最
終過程で流通させる酸素含有ガスには、前記混合ガスの
他に、空気を使用することができる。
【0028】前記酸化工程では、前記集合体の温度を1
70℃以下に保持することが好ましい。集合体の温度が
170℃を超えると、活性種にシンタリングを生じる恐
れがある。集合体温度が低い方がシンタリングが生じ難
くなるものの、50℃より低くすると、酸化反応が生じ
難くなり、活性種表面を十分に酸化させることが困難に
なる恐れがある。よって、集合体温度のさらに好ましい
範囲は、50〜170℃である。
【0029】本発明に係る安定化処理方法によると、金
属銅及びCu2Oから選ばれる少なくとも1種からなる
活性種が担持された担体の粉末の集合体であり、前記集
合体の表層部に存在する前記活性種の表面にCuO層が
形成されているメタノール改質触媒を得ることができ
る。前記表層部の厚さは、酸素含有ガスの拡散速度によ
り調節することができる。なお、酸素含有ガスの拡散速
度は、ガスの温度や、酸素含有ガス中の酸素濃度を調節
することにより変えることができる。
【0030】以上詳述した本発明に係るメタノール改質
触媒は、金属銅及びCu2Oから選ばれる少なくとも1
種からなる活性種が担持された担体の粉末の集合体であ
り、前記集合体の表層部に存在する前記活性種の表面に
CuO層が形成されているため、空気のような酸素存在
雰囲気下に保管した際に活性種が酸化されるのを抑制す
ることができ、活性種のシンタリングを回避することが
できる。その結果、酸素存在雰囲気下で保管した際の安
定性を向上することができるため、触媒の取り扱いを容
易にすることができる。また、この触媒によれば、高い
メタノール転化率を得ることができる。さらに、本発明
に係る触媒によれば、車載用の固体高分子型燃料電池の
水素製造設備における活性化処理装置を省くことができ
るため、水素製造設備を小型にすることが可能になる。
【0031】本発明に係るメタノール改質触媒におい
て、前記表層部の厚さを550μm以下にすることによ
って、高い触媒活性を維持することができ、メタノール
改質反応において高いメタノール転化率を得ることがで
きる。
【0032】本発明に係るメタノール改質触媒の安定化
処理方法は、金属銅及びCu2Oから選ばれる少なくと
も1種を活性種として含むメタノール改質触媒の安定化
処理方法であって、活性種がCuOの状態にある未活性
のメタノール改質触媒の粉末の集合体を形成し、前記活
性種に還元処理を施すことにより触媒の活性化を行う工
程と、前記集合体の表面に露出した前記活性種の表面を
酸化する工程とを具備する。このような方法によれば、
高い触媒活性を確保しつつ、空気のような酸素存在雰囲
気下に保管した際の活性種の酸化を抑制して活性種のシ
ンタリングを回避することができる。その結果、酸素存
在雰囲気下で保管した際の安定性を向上することができ
るため、触媒の取り扱いを容易にすることができる。さ
らに、本発明に係る方法で安定化処理が施された触媒に
よれば、車載用の固体高分子型燃料電池の水素製造設備
における活性化処理装置を省くことができるため、水素
製造設備を小型にすることが可能になる。
【0033】本発明に係るメタノール改質触媒の安定化
処理方法において、前記酸化工程を、前記集合体に酸素
含有ガスを2回以上流通させることにより行うと共に、
酸素含有ガスの酸素濃度を段階的に高くすることによっ
て、酸化工程時の触媒温度の上昇を抑制することができ
るため、酸化工程の際に活性種にシンタリングが生じる
のを回避することができ、触媒活性を向上することがで
きる。また、前記集合体に最終的に流通させる酸素含有
ガスの酸素濃度を空気の酸素濃度と等しくすることによ
って、空気中に保管した際の安定性をさらに高くするこ
とができる。
【0034】本発明に係るメタノール改質触媒の安定化
処理方法において、前記酸化工程で前記集合体の温度を
170℃以下に保持することによって、酸化工程時の活
性種のシンタリングを回避することができるため、触媒
活性を向上することができる。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0036】(実施例1) [触媒の調製]炭酸ナトリウム30molを水15リッ
トルに溶解させ、50℃に保温し、アルカリ水溶液Aを
得た。硫酸亜鉛6mol、硫酸アルミニウム4molま
たは硫酸銅12molを水5リットルに溶解させ、50
℃に保温した酸性溶液をそれぞれ溶液B、C、Dとし
た。
【0037】次いで、溶液Aを攪拌し、この攪拌を続行
しつつ溶液Aに溶液B〜DをB、C、Dの順にそれぞれ
30分かけて均一に添加し、沈殿生成溶液を得た。次い
で、2時間熟成を行った後、沈殿物を濾過し、さらにN
aイオン並びにNO3イオンが検出されないように洗浄
した。ひきつづき、100℃で24時間乾燥後、300
℃で3時間焼成することにより下記表1に示す組成並び
に比表面積を有する未活性のメタノール改質触媒を得
た。
【0038】
【表1】
【0039】[触媒の活性化]得られた未活性の触媒粉
末を圧縮成形により高さ(H)が3mmで、直径(φ)
が3mmのタブレット形状にした後、管型反応管に充填
触媒量が3.9リットルになるように充填し、気密試験
を実施した。次いで、反応管に下記表2に示す組成の水
素含有ガスを下記表2に示す条件で流通させ、活性化処
理を施した。活性化処理中、反応管から排出された水素
含有ガスの水素濃度を随時TCD検出器型のガスクロマ
トグラフで分析し、反応管入口の水素ガス濃度と反応管
出口の水素ガス濃度が等しくなった時点で活性化処理を
終了した。この活性化処理によって活性種であるCuO
はCu2Oと金属Cuに還元された。
【0040】
【表2】
【0041】[触媒の安定化処理]活性化処理が施され
た触媒が充填されている反応管を、窒素にて十分にパー
ジを行った後、下記表3に示す組成の酸素含有ガスを下
記表3に示すガス流量とガス温度で流通させることによ
り1回目の酸化処理を施した。この酸化処理中、反応管
に充填された触媒の温度は170℃以下であった。ま
た、酸化処理中、反応管を出た酸素含有ガスの酸素濃度
を随時TCD検出器型のガスクロマトグラフで分析し、
反応管入口の酸素ガス濃度と反応管出口の酸素ガス濃度
が等しくなった時点で1回目の酸化処理を終了した。
【0042】
【表3】
【0043】次いで、酸素含有ガスの酸素濃度を図1に
示すように段階的に高くして2回目以降の酸化処理を行
った。なお、2回目以降の酸化処理における酸素含有ガ
スの流量及び反応管入口のガス温度は、1回目の酸化処
理で説明したのと同様にした。また、2回目以降の酸化
処理の間、反応管に充填されている触媒の温度は170
℃以下であった。6回目(最終回)の酸化処理条件を下
記表4に示す。表4に示すように、6回目に流通させる
酸素含有ガスの酸素濃度は20mol%で、空気の酸素
濃度と等しい。
【0044】
【表4】
【0045】次いで、この安定化処理が施された触媒を
反応管から取り出し、タブレットの比表面積を測定し、
その結果を下記表8に示す。また、表面にCuO層が形
成された活性種の存在する領域の厚さ(タブレットの表
面を0μmとする)を測定し、その結果を表層部の厚さ
として下記表8に示す。さらに、タブレットを大気中に
放置した際に温度上昇がないことを確認した。なお、本
実施例では、図3の斜線で示す領域がタブレット1の表
層部2である。
【0046】ひきつづき、この触媒を再度反応管に充填
し、反応管に下記表5に示す組成の水素含有ガスを下記
表5に示す条件で2時間流通させて反応管入口の水素ガ
ス濃度と反応管出口の水素ガス濃度を同じにすることに
より再度活性化処理を行った。この再度活性化処理中、
反応管の触媒温度は170℃以下であった。
【0047】
【表5】
【0048】(実施例2)実施例1で説明したのと同様
にして触媒の調製並びに触媒の活性化を行った後、下記
に説明する安定化処理を行った。
【0049】[触媒の安定化処理]活性化処理が施され
た触媒が充填されている反応管を、窒素にて十分にパー
ジを行った後、下記表6に示す組成の酸素含有ガスを下
記表6に示すガス流量とガス温度で流通させることによ
り1回目の酸化処理を施した。この酸化処理中、反応管
に充填された触媒の温度は170℃以下であった。ま
た、酸化処理中、反応管を出た酸素含有ガスの酸素濃度
を随時TCD検出器型のガスクロマトグラフで分析し、
反応管入口の酸素ガス濃度と反応管出口の酸素ガス濃度
が等しくなった時点で1回目の酸化処理を終了した。
【0050】
【表6】
【0051】次いで、酸素含有ガスの酸素濃度を図2に
示すように段階的に高くして2回目以降の酸化処理を行
った。なお、2回目以降の酸化処理における酸素含有ガ
スの流量及び反応管入口のガス温度は、1回目の酸化処
理で説明したのと同様にした。また、2回目以降の酸化
処理の際、反応管に充填されている触媒の温度は170
℃以下であった。6回目(最終回)の酸化処理条件を下
記表7に示す。表7に示すように、6回目に流通させる
酸素含有ガスの酸素濃度は20mol%で、空気の酸素
濃度と等しい。
【0052】
【表7】
【0053】次いで、この安定化処理が施された触媒を
反応管から取り出し、タブレットの比表面積を測定し、
その結果を下記表8に示す。また、表面にCuO層が形
成された活性種の存在する領域の厚さ(タブレットの表
面を0μmとする)を測定し、その結果を表層部の厚さ
として下記表8に示す。さらに、タブレットを大気中に
放置した際に温度上昇がないことを確認した。
【0054】ひきつづき、この触媒を再度反応管に充填
し、前述した実施例1で説明したのと同様にして再度活
性化処理を行った。
【0055】(比較例1)実施例1で説明したのと同様
にして触媒の調製及び触媒の活性化処理を行った後、安
定化処理を行わずにそのまま反応管に充填し、比較触媒
1を得た。
【0056】(比較例2)実施例1で説明したのと同様
にして触媒の調製及び触媒の活性化処理を行った後、安
定化処理を行わずにそのまま反応管に充填し、さらに大
気中に放置し、比較触媒2を得た。なお、反応管を大気
中に放置すると直ちに発熱し、触媒表面温度が最高約4
00℃に達した。
【0057】得られた比較触媒2について、タブレット
の比表面積を測定し、その結果を下記表8に示す。ま
た、表面にCuO層が形成された活性種の存在する領域
の厚さ(タブレットの表面を0μmとする)を測定し、
その結果を表層部の厚さとして下記表8に示す。
【0058】得られた実施例1〜2のメタノール改質触
媒及び比較触媒1〜2について、流通式マイクロリアク
タによりメタノール水蒸気改質反応での触媒性能を評価
し、その結果を下記表8に示す。但し、流通式マイクロ
リアクタでの反応条件は、水とメタノールからなる原料
流量(ガス換算)を105NL/分、水/メタノール比
を2.2mol/mol、圧力を3kg/cm2G、反
応管入口のガス温度を240℃とした。
【0059】なお、評価パラメータとなるメタノール転
化率については、TCD及びFID検出器型のガスクロ
マトグラフにより反応ガス組成を分析し、以下の定義式
(1)に基づいて算出した。
【0060】 メタノール転化率(%)=(1−X/Y)×100 …(1) 但し、(1)式において、Xは反応管出口のメタノール
流量(mol/h)、Yは反応管入口のメタノール流量
(mol/h)を示す。
【0061】
【表8】
【0062】表8から明らかなように、実施例1〜2の
触媒は、活性化処理後、大気にさらすことなく改質反応
に供した比較触媒1とメタノール転化率がほぼ同等であ
ることがわかる。また、実施例1〜2の触媒は、比表面
積が未活性の時とほとんど変わらず、安定化処理により
比表面積が損なわれないことがわかる。
【0063】これに対し、活性化処理後、安定化処理を
行わない状態で大気に曝された比較触媒2は、比表面積
が未活性の時に比べて著しく減少し、またメタノール転
化率が実施例1〜2に比べて低いことがわかる。なお、
比較触媒2の比表面積が減少したのは、大気に曝された
際に活性種にシンタリングが生じたためと考えられる。
【0064】なお、前述した実施例においては、タブレ
ット形状の触媒を使用した例を説明したが、ハニカム構
造の触媒及びラーシッヒリング形状の触媒についてもタ
ブレット形状の場合と同様な効果を得ることができる。
【0065】また、前述した実施例1においては、6段
階の酸化処理を行う例を説明したが、酸化処理は、触媒
温度が急激に上昇するのを抑制できるのであれば、何段
階に分けて行っても良い。
【0066】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、活
性化処理後に空気のような酸素存在雰囲気にさらされた
際の活性種のシンタリングが回避され、活性化処理後に
酸素存在雰囲気下で保管することが可能なメタノール改
質触媒を提供することができる。また、本発明によれ
ば、活性化処理後に空気のような酸素存在雰囲気にさら
された際の活性種のシンタリングを防止することがで
き、活性化処理後に酸素存在雰囲気下での保管が可能な
メタノール改質触媒の安定化処理方法を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の酸化処理工程における反応管入口の
酸素含有ガスの酸素濃度と酸素含有ガスの流通時間を示
す特性図。
【図2】実施例2の酸化処理工程における反応管入口の
酸素含有ガスの酸素濃度と酸素含有ガスの流通時間を示
す特性図。
【図3】実施例1におけるタブレットの表層部並びに表
層部の厚さを説明するためのもので、タブレットの断面
を示す模式図。
【符号の説明】
1…タブレット、 2…表層部、 T…表層部の厚さ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G040 EA02 EC01 EC07 4G069 AA03 AA08 BA01B BB01C BB02A BB04A BB06A BB06B BC31A BC31B BC35B BD01C BD02C CC25 CC32 EB15Y EC02Y EC29 FA01 FB40 FB44 FC04 FC07 FC08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属銅及びCu2Oから選ばれる少なく
    とも1種からなる活性種が担持された担体の粉末の集合
    体で、前記集合体の表層部に存在する前記活性種の表面
    にCuO層が形成されていることを特徴とするメタノー
    ル改質触媒。
  2. 【請求項2】 前記表層部の厚さは、550μm以下で
    あることを特徴とする請求項1記載のメタノール改質触
    媒。
  3. 【請求項3】 金属銅及びCu2Oから選ばれる少なく
    とも1種を活性種として含むメタノール改質触媒の安定
    化処理方法であって、 活性種がCuOの状態にある未活性のメタノール改質触
    媒の粉末の集合体を形成し、前記活性種に還元処理を施
    すことにより触媒の活性化を行う工程と、 前記集合体の表面に露出した前記活性種の表面を酸化す
    る工程とを具備することを特徴とするメタノール改質触
    媒の安定化処理方法。
  4. 【請求項4】 前記酸化工程は、前記集合体に酸素含有
    ガスを2回以上流通させることによりなされると共に、
    酸素含有ガスの酸素濃度を段階的に高くすることを特徴
    とする請求項3記載のメタノール改質触媒の安定化処理
    方法。
  5. 【請求項5】 前記酸化工程では、前記集合体の温度を
    170℃以下に保持することを特徴とする請求項3ない
    し4いずれか1項記載のメタノール改質触媒の安定化処
    理方法。
  6. 【請求項6】 前記集合体に最後に流通させる酸素含有
    ガスの酸素濃度は、空気の酸素濃度と等しいことを特徴
    とする請求項4記載のメタノール改質触媒の安定化処理
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008047676A1 (fr) * 2006-10-12 2008-04-24 Idemitsu Kosan Co., Ltd. Procédé de fabrication d'un gaz contenant de l'hydrogène
CN114768805A (zh) * 2022-01-12 2022-07-22 广州氢动科技有限公司 一种非贵金属Cu+基甲醇光热制氢催化剂制备用溶剂热合成装置以及制备方法

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