JP2001210458A - 加熱調理器 - Google Patents

加熱調理器

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JP2001210458A
JP2001210458A JP2000021637A JP2000021637A JP2001210458A JP 2001210458 A JP2001210458 A JP 2001210458A JP 2000021637 A JP2000021637 A JP 2000021637A JP 2000021637 A JP2000021637 A JP 2000021637A JP 2001210458 A JP2001210458 A JP 2001210458A
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Yuji Fujii
裕二 藤井
Kenji Hattori
憲二 服部
Taizo Ogata
大象 緒方
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スイッチング素子の電気的ストレスを増加す
ることなく、制御回路の部品点数を削減し簡素化・小型
化して、使い勝手が良く、信頼性の高い加熱調理器を提
供することを目的とする。 【解決手段】 駆動時間比設定手段8に入力する制御信
号に応じて、時間比出力手段9が、一定周期で、時間比
の変更可能な信号を出力する機能をマイクロコンピュー
タ11のようなディジタル演算素子が担い、この出力を
信号分配手段10が、複数のスイッチング手段に分配
し、交互に駆動する構成にすることで、分配時にデッド
タイムを付与するなど、駆動時間比設定手段8において
マイクロコンピュータのような集積回路で実現可能な範
囲を拡大し、それ以外の部品で構成する部分を最小化し
て集積度を高め、駆動時間比設定手段8を簡素化・小型
化することのできる加熱調理器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家庭用または業務
用で使用されるインバータを用いた加熱調理器に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、誘導加熱、誘電加熱を応用し、イ
ンバータを用いた加熱調理器はその加熱応答性・制御性
の良さを生かして、負荷となる鍋や食材等の近傍に温度
検出素子や重量センサ等を載置し、鍋や食材等の温度や
食材等の重量を検出し、それに応じて火力の調節や調理
時間の調節を行うことで、きめ細かな調理を実現すると
共に、炎を用いず、かつ熱効率が高いので、室内の空気
を汚すことも少なく、安全かつ清潔であるという特性が
注目され、その需要が急速に伸びてきている。
【0003】また、これらのインバータを用いた加熱調
理器に用いられているスイッチング素子の電気的・熱的
ストレスを低減し、安価でかつ信頼性を向上したり、特
に多口の誘導加熱調理器では相隣り合うバーナ間の鍋同
志の干渉音を無くすために、動作周波数を同一・一定に
して、1バーナ内で複数のスイッチング素子を交互に駆
動する方式のインバータが用いられている。
【0004】以下に従来の加熱調理器の動作について図
面に基づいて説明する。図6は従来例の構成を示すブロ
ック図、図7は本従来例の各部波形図、図8は駆動時間
比に対する負荷火力特性図である。
【0005】図6において、31は商用電源、32は整
流回路、33は第1のスイッチング手段33a及び第2
のスイッチング手段33bと負荷コイル33cと共振コ
ンデンサ33dを含み、負荷コイル33cに高周波電流
を印加することにより負荷コイル33cと磁気結合した
負荷鍋34を誘導加熱するインバータ回路、制御回路3
5は、第1のスイッチング手段33a及び第2のスイッ
チング手段33bを駆動する駆動手段36と、インバー
タ回路33への入力電流が所望の値になる様なディジタ
ル信号を出力するレベル設定手段37と、レベル設定手
段37の出力をアナログ値に変換するD/A変換手段3
8と、High/Low比固定で周波数一定の矩形波を
出力する基準発振手段39と、基準発振手段39の出力
を所定の三角波に変換する信号変換手段41と、レベル
設定手段37の出力と信号変換手段41の出力とを入力
し、第1のスイッチング手段33a及び第2のスイッチ
ング手段33bの駆動信号を駆動手段36に出力させる
信号を出力する駆動信号生成手段42を有している。ま
た本従来例ではマイクロコンピュータ40がレベル設定
手段37と基準発振手段39を含んでいる。43は入力
電流検知手段で、インバータ回路33への入力電流を検
知し、この検知した値をマイクロコンピュータ40に出
力し、マイクロコンピュータ40はこの値に基づいて、
レベル設定手段37の出力値を可変させて、インバータ
回路33の入力電流が所望の値になる様に制御してい
る。
【0006】上記構成において、図7及び図8を参照し
ながら動作を説明する。図7には、基準発振手段39の
出力、D/A変換手段38の出力、信号変換手段41出
力、第1の比較手段42aの出力、第2の比較手段42
bの出力、第1の無導通時間付与手段42c及び第2の
無導通時間付与手段42dの出力のタイミングチャート
とを示す。また、図8は第1のスイッチング手段33a
の駆動時間T31と第2のスイッチング手段33bの駆
動時間T32との比で表される駆動時間比T31/T3
2と負荷鍋34への入力Pとの関係を示す。
【0007】上記構成において動作を説明する。インバ
ータ回路33は商用電源31を整流回路32で整流した
直流を高周波交流に変換し、負荷コイル33cと共振コ
ンデンサ33dで形成される共振ループに高周波電流を
流すことで、負荷コイル33cと磁気結合した負荷鍋3
4に渦電流を発生させて、そのジュール熱で負荷鍋34
を誘導加熱している。
【0008】マイクロコンピュータ40は、基準発振手
段39によって図7(a)の様な一定周期T0・一定振
幅でHigh/Low比一定(本実施例では1)の矩形
波を信号変換手段41に出力し、信号変換手段41はこ
の矩形波を図7(b)に示すような三角波に変換してい
る。また同時にマイクロコンピュータ40は、入力電流
検知手段43の出力が所望の値になる様にレベル設定手
段37のディジタル値出力を増減させることでD/A変
換手段38のアナログ出力レベルVoを図7(b)に示
すように、Vl〜Vhの間の電圧に任意に設定できる。
【0009】本従来例では、D/A変換手段38の出力
電圧Voが駆動時間比T31/T32=Xとなる図7
(b)に示すVmである場合を考える。第1の比較手段
42aは、D/A変換手段38の出力電圧Vmと信号変
換手段41の出力を比較して、信号変換手段41の出力
がD/A変換手段38の出力電圧Vmよりも大きいとH
ighを、信号変換手段41の出力がD/A変換手段3
8の出力電圧Vmよりも小さいとLowを図7(c)の
ように出力する。一方、第2の比較手段42bはD/A
変換手段38の出力電圧Vmと信号変換手段41の出力
を比較して、信号変換手段41の出力がD/A変換手段
38の出力電圧Vmよりも大きいとLowを、信号変換
手段41の出力がD/A変換手段38の出力電圧Vmよ
りも小さいとHighを図7(d)のように出力する。
即ち第1の比較手段42aの出力と論理反転した出力を
行うので、第1の比較手段42aの出力がHighの時
は、第2の比較手段42bの出力はLowであり、第1
の比較手段42aの出力がLowの時は、第2の比較手
段42bの出力はHighである。
【0010】第1の比較手段42aの出力を受けた第1
の無導通時間付与手段42cは図7(e)のように、第
1の比較手段42aの出力の立ち上がりを第1の所定期
間Tdaだけ遅らせて立ち上がり、第1の比較手段42
aの出力の立ち下がりと同期して立ち下がる。一方、第
2の比較手段42bの出力を受けた第2の無導通時間付
与手段42dは図7(f)のように、第2の比較手段4
2bの出力の立ち上がりを第2の所定期間Tdbだけ遅
らせて立ち上がり、第2の比較手段42bの出力の立ち
下がりと同期して立ち下がる。この第1の無導通時間付
与手段42c及び第2の無導通時間付与手段42dの出
力信号をそれぞれ駆動手段36に出力することによっ
て、第1のスイッチング手段33aと第2のスイッチン
グ手段33bを周波数一定で交互に駆動することができ
る。
【0011】また、負荷鍋34への加熱火力の設定はD
/A変換手段38の出力電圧VoをVhからVlの間で
任意に増減して設定することによって行う。つまりD/
A変換手段38の出力電圧VoがVhに等しいときは、
駆動時間比T31/T32はXより小さく図8のA点
で、D/A変換手段38の出力電圧VoがVmに等しい
ときは、駆動時間比T31/T32はXとなり図8のB
点で、更にD/A変換手段38の出力電圧VoがVlに
等しいときは、駆動時間比T31/T32はXより大き
く図8のC点で動作することになる。
【0012】以上のように従来のインバータ構成及び制
御方式で、発振周波数一定で負荷鍋34への入力Pの制
御を行えるものであった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような従来の加熱調理器では、レベル設定手段37のデ
ィジタル出力の1ディジットに対するD/A変換手段3
8のアナログ出力の変動幅を小さくすることで駆動時間
比T31/T32の変動幅も小さくして負荷鍋34の加
熱火力の変動幅を小さくし、所望の加熱火力制御範囲を
得るために、レベル設定手段37のディジタル出力を4
〜8ビットとしている。このため、D/A変換手段38
は抵抗をラダー状に構成しているので、レベル設定手段
37の出力ビット数に比例した数の抵抗を接続しなくて
はならない。また、基準発振手段39を三角波に変換す
る信号変換手段41も抵抗とコンデンサを組み合わせた
回路構成となるため、部品点数が増加すると共に、抵抗
やコンデンサの定数ばらつき等によって第1の比較手段
42a及び第2の比較手段42bの各入力にばらつきが
生じるので、第1の比較手段42a及び第2の比較手段
42bの出力タイミングもばらつくため、結果として、
第1のスイッチング手段33a及び第2のスイッチング
手段33bの駆動タイミング及び駆動時間比T31/T
32がばらついて負荷鍋34の加熱火力のばらつき大、
制御性の悪化という課題を有していた。
【0014】本発明は、上記課題を解決するもので、構
成電子部品数を削減すると共に第1のスイッチング手段
33a及び第2のスイッチング手段33bの駆動タイミ
ング及び駆動時間比T31/T32のばらつきを抑制
し、負荷鍋への所望の加熱火力を精度良く得ることで、
使い勝手が良く、信頼性が高く、より安価な加熱調理器
を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、一定周期で、複数のスイッチング手段を駆
動時間比を変えて駆動して出力を変更する駆動時間比設
定手段に、入力する制御信号に応じて、前記一定周期
で、時間比の変更可能な信号を出力する時間比出力手段
と、前記時間比出力手段の出力信号を入力して、複数の
駆動信号を出力する信号分配手段を具備させたものであ
り、これにより回路構成を簡素化もしくは小型化するこ
とができる。即ち周波数一定で変更可能な時間比を出力
する時間比出力手段は、出力する時間比に対応する第1
の時間をカウントするタイマー機能と、第1の時間との
和を一定周期とする、あるいは一定周期に対応する第2
の時間をカウントするタイマー機能を有することで実現
することができるので、マイクロコンピュータのような
ディジタル演算素子を用いて容易に出力することができ
る。そして信号分配手段がこの出力を、複数のスイッチ
ング手段に分配し、交互に駆動するように構成している
ので、分配時にスイッチング手段のオフあるいはオン時
に印加電圧や電流が所定の値に到達するまで待機するな
ど、マイクロコンピュータなどのプログラム処理速度で
は処理することの困難な高速度の処理を施すことができ
る。従って、駆動時間比設定手段をマイクロコンピュー
タのような集積回路で実現可能な範囲を拡大し、それ以
外の部品で構成する部分を最小化して集積度を高め、駆
動時間比設定手段を簡素化・小型化することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、共振コ
ンデンサと負荷コイルと複数のスイッチング手段とを有
するインバータ回路と、一定周期で、前記複数のスイッ
チング手段を駆動時間比を変えて駆動して出力を変更す
る駆動時間比設定手段を有する制御回路を備え、前記駆
動時間比設定手段は、入力する制御信号に応じて、前記
一定周期で、時間比の変更可能な信号を出力する時間比
出力手段と、前記時間比出力手段の出力信号を入力し
て、複数の駆動信号を出力する信号分配手段を具備し、
前記信号分配手段の出力信号に基づいて、前記複数のス
イッチング手段を交互に駆動する構成としたものであ
り、駆動時間比設定手段の出力に基づき、インバータ回
路の複数のスイッチング手段を駆動して、負荷コイルと
共振コンデンサに高周波電流を供給することで、負荷コ
イルから発生する高周波磁束により鍋等の負荷を誘導加
熱する、あるいは負荷コイルから発生する高周波電圧に
よりマグネトロンを駆動し、そのマグネトロンから発す
るマイクロ波を負荷となる調理物等に当てて誘電加熱す
ることができる。負荷への加熱火力は各スイッチング手
段の駆動時間比を増減させることで、負荷コイルに流れ
る高周波電流量を変化させて制御できる。
【0017】駆動時間比設定手段に入力する制御信号に
応じて、時間比出力手段が、一定周期で、時間比の変更
可能な信号を出力する機能を有するものとしており、出
力する時間比に対応する第1の時間をカウントするタイ
マー機能と、第1の時間との和を一定周期とする、ある
いは一定周期に対応する第2の時間をカウントするタイ
マー機能を有することで実現することができる。従っ
て、マイクロコンピュータのようなディジタル演算素子
を用いて一定周期で、時間比の変更可能な信号を容易に
出力することができる。そして信号分配手段がこの出力
を、複数のスイッチング手段に分配し、交互に駆動する
ように構成しているので、分配時にスイッチング手段の
オフあるいはオン時に印加電圧が所定の値に到達するま
で待機するなど、マイクロコンピュータなどのプログラ
ム処理速度では処理することの困難な高速度の処理を施
すことができる。従って、駆動時間比設定手段において
マイクロコンピュータのような集積回路で実現可能な範
囲を拡大し、それ以外の部品で構成する部分を最小化し
て集積度を高め、駆動時間比設定手段を簡素化・小型化
すると共に、複数のスイッチング手段を一定周期で交互
に駆動して、負荷コイルに流れる高周波電流量を制御す
ることができるという作用を有する。
【0018】請求項2に記載の発明は、請求項1記載の
構成とすると共に、時間比出力手段の構成を、一定周期
で、第1の設定時間と前記一定周期と第1の設定時間か
ら決まる第2の設定時間からなる変更可能な時間比を出
力する様にし、信号分配手段の構成を前記第1の設定時
間の開始タイミングに対して第1の待機時間後に開始
し、前記第1の設定時間の終了に同期して終了する第1
の駆動信号と、前記第1の設定時間の終了タイミングに
対して第2の待機時間後に開始し、前記第2の設定時間
の終了に同期して終了する様にしているので、時間比出
力手段は信号分配手段への出力信号が1系統だけとな
り、且つ入力電流や、インバータ回路の出力電圧に関す
る情報を入力して、時間比を変更して出力すれば良い
(実質的には第1の設定時間のみ変更すれば良い)の
で、駆動時間比設定手段を他の制御回路ブロックとマイ
クロコンピュータなどのデジタル演算素子で一体に構成
することが容易となる。また、1系統の一定周期の駆動
時間比信号から、第1の待機時間と第2の待機時間を設
定して、複数のスイッチング手段を交互に駆動すること
ができるので、スイッチング手段の導通時あるいは遮断
時に印加する共振電圧や電流がスイッチングするのに望
ましい値に到達するまで待機して、スイッチングモード
を最適化しスイッチング手段の損失が増大するのを抑制
したり、安全動作領域を超え破壊することを防止し、且
つ高速処理の必要な信号分配部を分離することにより駆
動時間比設定手段の構成回路を小型化できるという作用
を有する。
【0019】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2記載の構成とすると共に、時間比出力手段を、記憶手
段を備えプログラムにより動作するマイクロコンピュー
タで構成し、信号分配手段をプログラムで動作しない比
較器とコンデンサを含む部品で構成したので、マイクロ
コンピュータでインバータ回路への入力の監視と制御機
能を集積化して小型化できると共に、比較器とコンデン
サで通常数〜10μs以下の狭い時間幅の上記第1及び
第2の待機時間の設定等の駆動および遮断タイミングの
設定を行い、適正なタイミングで複数のスイッチング素
子を交互に駆動することができるので、制御回路の部品
点数削減、小型化が図れ、これによって構成回路部品の
定数ばらつきによる各スイッチング手段の駆動タイミン
グのばらつき要因を低減して、回路動作を安定化し、更
には第1及び第2の待機時間をマイクロコンピュータと
は独立して設定並びに変更できることから出力の異なる
インバータ回路であってもマイクロコンピュータを共用
して第1及び第2の待機時間のみ他の素子で変更できる
等、設計の自由度を高めることができる。
【0020】請求項4に記載の発明は、共振コンデンサ
と負荷コイルと複数のスイッチング手段とを有するイン
バータ回路と、前記複数のスイッチング手段を駆動する
駆動手段と、一定周期で、前記複数のスイッチング手段
を駆動時間比を変えて前記駆動手段により交互に駆動し
て出力を変更する駆動時間比設定手段と待機時間変更手
段とを有する制御回路を備えているので、駆動時間比設
定手段の出力に基づき、インバータ回路の複数のスイッ
チング手段を駆動手段が交互に駆動して、負荷コイルと
共振コンデンサに高周波電流を供給することで、負荷コ
イルから発生する高周波磁束により鍋等の負荷を誘導加
熱する、あるいは負荷コイルから発生する高周波電圧に
よりマグネトロンを駆動し、そのマグネトロンから発す
るマイクロ波を負荷となる調理物等に当てて誘電加熱す
ることができる。負荷への加熱火力は各スイッチング手
段の駆動時間比を増減させることで、負荷コイルに流れ
る高周波電流量を変化させて制御できる。
【0021】駆動時間比設定手段は、一定周期と、入力
する制御信号に応じて変更可能な第1の設定時間により
決まる第1の時間比を出力する第1の時間比出力手段
と、前記一定周期と第2の設定時間とにより決まる第2
の時間比を出力する第2の時間比出力手段を備え、前記
第2の時間比出力手段は前記第1の設定時間の終了のタ
イミングから第2の待機時間後に前記第2の設定時間の
出力を開始すると共に、前記第2の設定時間の終了から
前記第1の設定時間の開始までの第1の待機時間と前記
一定周期と前記第2の待機時間から数値演算により前記
第2の設定時間を決定する機能を有するものとしてお
り、出力する第1の時間比に対応する第1の設定時間を
カウントするタイマー機能と、第1の設定時間との和を
一定周期とする、あるいは一定周期に対応する時間をカ
ウントするタイマー機能と、第1の設定時間と第1及び
第2の待機時間の和を一定周期とする、あるいは一定周
期に対応する第2の設定時間をカウントするタイマー機
能と、第2の設定時間との和を一定周期とする、あるい
は一定周期に対応する時間をカウントするタイマー機能
と、第1の設定時間の終了タイミングから第2の待機時
間をカウントするタイマー機能を有することで実現する
ことができる。従って、マイクロコンピュータのような
ディジタル演算素子を用いて、そのプログラム処理に基
づき第1の設定時間を決定し、この第1の設定時間に対
する第2の設定時間を数値演算によって決定すると共
に、第1及び第2の待機時間を設けることができるの
で、一定周期で、時間比の変更可能な信号を容易に駆動
手段に出力することができる。駆動手段はこの信号に基
づき複数のスイッチング手段を交互に駆動するように構
成しているので、第1及び第2の待機時間を設けてスイ
ッチング手段のオフあるいはオン時に印加電圧や電流が
スイッチングするのに望ましい値に到達するまで待機す
るなどの処理を施し、スイッチングモードを最適化して
スイッチング手段の損失が増大するのを抑制したり安全
動作領域を超え破壊することを防止することができる。
従って、駆動時間比設定手段をマイクロコンピュータの
ような集積回路で実現し、それ以外の部品で構成する部
分を最小化して集積度を高め、駆動時間比設定手段を簡
素化・小型化し、複数のスイッチング手段を一定周期で
交互に駆動して、負荷コイルに流れる高周波電流量を制
御することができるという作用を有する。
【0022】請求項5に記載の発明は、請求項4記載の
構成とすると共に、商用電源の零点を検知する零点検知
手段を備え、駆動時間比設定手段を、記憶手段と演算手
段を備えたマイクロコンピュータで構成したことによっ
て、記憶手段に予め記憶しているプログラムに基づい
て、入力する制御信号に応じた第1の設定時間を決定
し、この第1の設定時間との和が一定周期となるような
第1の時間比を、零点検知手段で検知した商用電源の零
点を基にしたタイミングでマイクロコンピュータの1出
力端子から駆動手段に出力することができる。更に、入
力する制御信号に応じて決定した第1の設定時間と、第
1及び第2の待機時間との和が一定周期となるような第
2の設定時間を演算手段がプログラムに組み込まれてい
る数値演算式に基づいて算出し決定する、あるいはこの
演算式に基づいて計算した結果の第2の設定時間を予め
記憶手段のROMに記憶しておき、入力する制御信号に
より決定した第1の設定時間に対応した第2の設定時間
を都度読み出して設定し、この第2の設定時間との和が
一定周期となるような、且つ第1の設定時間の終了タイ
ミングから第2の待機時間後に第2の設定時間の出力を
開始する第2の時間比を前述した零点検知手段で検知し
た商用電源の零点を基にしたタイミングでマイクロコン
ピュータの他の1出力端子から駆動手段に出力すること
ができる。
【0023】また前記零点検知手段の出力に対応するタ
イミングで、第1の設定時間及び第2の設定時間を設定
して第1及び第2の時間比出力手段がそれぞれ第1及び
第2の時間比を出力するようにしているので、第1の設
定時間の決定や第2の設定時間の算出、各種タイマーの
セット等の処理動作を少なくとも商用電源の半周期毎に
行えば良いので、汎用的に用いられているクロック周波
数4〜8MHzで動作するマイクロコンピュータでも容
易に実現することができる。このようにして、駆動時間
比設定手段をマイクロコンピュータに全て搭載して集積
化できるので、制御回路の部品点数削減、小型化が図
れ、これによって構成回路部品の定数ばらつきによる各
スイッチング手段の駆動タイミングのばらつき要因を低
減できるという作用を有する。
【0024】請求項6に記載の発明は、待機時間変更手
段の出力に応じて記憶手段が予め記憶している第1の待
機時間または第2の待機時間を変更するようしているの
で、マイクロコンピュータの記憶手段が予め記憶してい
る第1の待機時間または第2の待機時間を、マイクロコ
ンピュータ完成後等マイクロコンピュータのプログラム
データを容易に変更出来ない状態においてもマイクロコ
ンピュータのプログラムデータを直接変更することな
く、マイクロコンピュータへ外部から与える信号で容易
に変更することができるという作用を有する。
【0025】請求項7に記載の発明は、動作設定手段を
有するので、制御回路への電源供給の有無やインバータ
回路の動作の開始・停止等を設定することができる。よ
ってマイクロコンピュータは、この動作設定手段の出力
で制御回路への電源供給開始時点、あるいはインバータ
回路の動作開始時点といった所定の動作状態である場合
に待機時間変更手段の出力を入力し、これに基づいて第
1または第2の待機時間を変更できる。この所定の動作
状態を、スイッチング手段が動作していない状態、例え
ば前述した制御回路への電源供給開始直後やインバータ
回路の動作開始設定直後等にしておくことでスイッチン
グ手段のスイッチング雑音等のインバータ回路から発生
する雑音の影響で、待機時間変更手段の出力をマイクロ
コンピュータが誤検知して第1または第2の待機時間を
誤った値に変更しないようにできるという作用を有す
る。
【0026】
【実施例】(実施例1)以下本発明の第1の実施例を図
面に基づいて説明する。図1は本発明の第1の実施例の
構成を示すブロック図、図2は本発明の第1の実施例の
各部出力波形図、図3は本発明の第1の実施例の信号分
配手段の回路構成図である。
【0027】図1において、1は商用電源、2は整流回
路、3は、チョークコイル3fと、平滑コンデンサ3e
と、互いに同電位に並列接続されない第1のスイッチン
グ手段3aと第2のスイッチング手段3bと、ダイオー
ドFWDa、FWDbと、負荷コイル3cと、共振コン
デンサ3d1、3d2(3d1の静電容量≪3d2の静
電容量)を含み、負荷コイル3cに高周波電流を印加す
ることにより負荷鍋4を誘導加熱するインバータ回路、
制御回路5は、第1のスイッチング手段3aと第2のス
イッチング手段3bを駆動する駆動手段6と、インバー
タ回路3への入力電流を検知する入力電流検知手段7
と、入力電流検知手段7の出力が、所望の入力電流にな
る様に駆動手段6に第1及び第2のスイッチング手段3
a、3bを周波数一定で交互に駆動するタイミング信号
を出力する駆動時間比設定手段8と、マイクロコンピュ
ータ11を有している。
【0028】駆動時間比設定手段8は、周波数一定で、
High/Low比をプログラムにより任意に可変し、
マイクロコンピュータ11に内蔵された時間比出力手段
9と、この時間比出力手段9の単一の出力を第1及び第
2のスイッチング手段3a、3bを交互に駆動できるよ
うな信号に変換・分配する信号分配手段10を含んでい
る。
【0029】マイクロコンピュータ11は、CPU、R
AM、ROM及び入出力端子を有する樹脂等でモールド
されたワンチップマイコンであり、具体的な機能として
は、入力電流検知手段7の出力がプログラムによって設
定された所望の値になる様に第1及び第2のスイッチン
グ手段3a、3bの駆動時間比を決定する駆動タイミン
グ信号を、内蔵する時間比出力手段9でプログラムに基
づいて信号分配手段10に1系統出力するものである。
【0030】上記構成において、以下その動作を説明す
る。インバータ回路3は商用電源1を整流回路2で整流
し、チョークコイル3fと平滑コンデンサ3eで平滑し
た直流を高周波交流に変換し、負荷コイル3cと共振コ
ンデンサ3d1、3d2で形成される共振ループに高周
波電流を流すことで、負荷コイル3cと磁気結合した負
荷鍋4に渦電流を発生させて、そのジュール熱で負荷鍋
4を誘導加熱している。本実施例ではインバータ回路3
は図1に示す構成にしてあり、第1スイッチング手段3
a及び第2のスイッチング手段3bの動作は図2(f)
〜(i)に示す波形となる。
【0031】マイクロコンピュータ11は、入力電流検
知手段7で検知した値が、所望の値になる様に時間比出
力手段9出力のHigh/Low比をプログラムに基づ
いて可変させている。つまり図2(a)に示される様
に、マイクロコンピュータ11は時間比に対応する第1
の時間(High期間)T1をカウントするタイマー機
能と、第1の時間T1との和Tを一定時間とする、ある
いは一定周期に対応する第2の時間(Low期間)T2
をカウントするタイマー機能を有しているので、時間比
出力手段9出力の第1の時間(High期)T1と第2
の時間(Low期間)T2の和Tが常に一定になる様に
T1、T2を増減させて時間比出力手段9出力のHig
h/Low比を制御している。
【0032】本実施例では図3に示す様に、コンパレー
タ、抵抗、コンデンサで構成された信号分配手段10
は、図2(a)の時間比出力手段9出力を図2(b)〜
(e)の様に、時間比出力手段9出力の第1の時間(H
igh期間)T1の開始タイミングに対して第1の待機
時間Td1後に開始し、時間比出力手段9出力の第1の
時間(High期間)T1の終了に同期して終了する第
1の駆動信号T11と、時間比出力手段9出力の第1の
時間(High期間)T1の終了タイミングに対して第
2の待機時間Td2後に開始し、時間比出力手段9出力
の第2の時間(Low期間)T2の終了に同期して終了
する第2の駆動信号T12とを出力することで、第1及
び第2の待機時間Td1、Td2を持った駆動タイミン
グ信号を駆動手段6に出力し、駆動手段6は第1の駆動
信号T11と、第2の駆動信号T12で、各スイッチン
グ手段を駆動する。ここで第1及び第2の待機時間Td
1、Td2は時間比出力手段9出力のHigh/Low
比に依らず各々一定の値である。
【0033】また、第1及び第2のスイッチング手段3
a、3bの駆動タイミングにそれぞれ第1または第2の
待機時間Td1、Td2を付与することにより、第1及
び第2のスイッチング手段3a、3bの導通時あるいは
遮断時に印加する共振電圧や電流がスイッチングに適し
た値に到達するまで待機して、各スイッチング手段の損
失が増大するのを抑制したり安全動作領域を超え破壊す
ることを防止している。例えば、本来、第1のスイッチ
ング手段3aの両端電圧Vce1がゼロまで降下してダ
イオードFWDaに回生電流が流れている間に第1のス
イッチング手段3aをオンさせておいてゼロボルトスイ
ッチングさせているが、図2(d)の波線に示すように
Td1の設定が不適切で小さい場合には、第1のスイッ
チング手段3aはゼロボルトスイッチングできずに図2
(k)のようになり、第1のスイッチング手段3aとダ
イオードFWDaに流れる電流は図2(j)のように短
絡電流が流れてしまう。これでは第1のスイッチング手
段3aのスイッチング損失が増大したり、この短絡電流
で安全動作領域を超えて破壊してしまうのである。
【0034】よって、時間比出力手段9出力のHigh
/Low比に対応した、第1のスイッチング手段3aと
第2のスイッチング手段3bとの駆動時間比T11/T
12が増減されることによって、第1及び第2のスイッ
チング手段3a、3bを一定周期で交互に駆動して、負
荷鍋4の加熱火力を制御することができる。
【0035】以上のように本実施例によれば、駆動時間
比設定手段8をディジタル処理により時間比1系統の出
力を行う時間比出力手段9とこの時間比出力手段9の出
力を2系統に分配、変換する信号分配手段10とで構成
することによって、マイクロコンピュータ11に時間比
出力手段9を取り込むことが可能となり、マイクロコン
ピュータ11の使用出力端子数や外付け電子回路部品の
削減が図れ、駆動時間比設定手段8を簡素化・小型化で
きると共に、コンデンサと抵抗から成る充放電回路を第
1及び第2の待機時間Td1、Td2生成のための2回
路で済むので、各部の入出力信号のタイミングのばらつ
き要因を少なくでき、第1及び第2のスイッチング手段
3a、3bの駆動時間比T11/T12を精度良く制御
し、負荷鍋4の加熱火力も精度良く制御することができ
る。
【0036】尚、上記効果は本実施例のインバータ回路
3の構成に限定されるものではなく、複数のスイッチン
グ手段を一定周期で交互に駆動し、その駆動時間比を変
更することにより負荷への火力を連続可変するインバー
タであれば同様の効果を得ることができる。また、入力
する制御信号を入力電流について述べているが、第1ま
たは第2のスイッチング手段3a、3bの両端電圧や、
インバータ回路3に流れる電流を制御している場合でも
同様の効果が得られる。そして、以上の効果は誘導加熱
調理器に限らず、電子レンジ等のインバータを有する加
熱調理器に適用できる。
【0037】(実施例2)以下本発明の第2の実施例を
図面に基づいて説明する。図4は本発明の第2の実施例
の構成を示すブロック図、図5は本発明の第2の実施例
の各部出力波形図である。図4において、第1の実施例
と同様の機能を有するものは同一の符号を付してその説
明を省略する。制御回路15は、第1のスイッチング手
段3aと第2のスイッチング手段3bを駆動する駆動手
段6と、インバータ回路3への入力電流を検知する入力
電流検知手段7と、入力電流検知手段7の出力が、所望
の入力電流になる様に駆動手段6に第1及び第2のスイ
ッチング手段3a、3bを周波数一定で交互に駆動する
タイミング信号を出力する駆動時間比設定手段18とプ
ログラムやデータを予め記憶している記憶手段21aと
プログラムに基づいて各種演算を行う演算手段21bと
を備えたマイクロコンピュータ21と、インバータ回路
3の動作を変更するようにマイクロコンピュータ21に
信号を出力するスイッチ等で構成した動作設定手段22
と、第1の待機時間Td21または第2の待機時間Td
22の値を変更する信号をマイクロコンピュータ21に
出力する待機時間変更手段23と、商用電源1のゼロク
ロス点を検知する零点検知手段24を有している。
【0038】駆動時間比設定手段18は、一定周期T
で、第1の設定時間T21をHigh、一定周期Tと第
1の設定時間T21との差をLowとした矩形波を出力
し、そのHigh/Low比をマイクロコンピュータ2
1のプログラムにより任意に可変する第1の時間比出力
手段18aと、一定周期Tで、第1の時間比出力手段1
8aが出力している第1の設定時間T21に対して、こ
の第1の設定時間T21と記憶手段21aが予め記憶し
ている第1及び第2の待機時間Td21、Td22(待
機時間変更手段23によって変更する場合は変更後の
値)との和が一定周期Tとなるような第2の設定時間T
22をHigh、第1の設定時間T21と記憶手段21
aが予め記憶している第1及び第2の待機時間Td2
1、Td22(待機時間変更手段23によって変更する
場合は変更後の値)との和をLowとした矩形波を生成
すると共に、第1の設定時間T21の終了のタイミング
から記憶手段21aが記憶している第2の待機時間Td
22(待機時間変更手段23によって変更する場合は変
更後の値)後に第2の設定時間T22の出力を開始する
第2の時間比出力手段18bとを含んでいる。
【0039】マイクロコンピュータ21は、演算手段2
1bを含むCPUと、RAM、ROM等の記憶手段21
a及び入出力端子を有する樹脂等でモールドされたワン
チップマイコンであり、具体的な機能としては、入力電
流検知手段7の出力がプログラムによって設定された所
望の値になる様に第1及び第2のスイッチング手段3
a、3bの駆動時間比を決定する駆動タイミング信号
を、プログラムに基づいて第1及び第2の時間比出力手
段18a、18bで駆動手段6に出力するものである。
【0040】上記構成において、以下その動作を説明す
る。使用者が動作設定手段22のスイッチを押す等して
マイクロコンピュータ21にインバータ回路3を動作さ
せる信号を出力すると、インバータ回路3は商用電源1
を整流回路2で整流し、チョークコイル3fと平滑コン
デンサ3eで平滑した直流を高周波交流に変換し、負荷
コイル3cと共振コンデンサ3d1、3d2で形成され
る共振ループに高周波電流を流すことで、負荷コイル3
cと磁気結合した負荷鍋4に渦電流を発生させて、その
ジュール熱で負荷鍋4を加熱し始める。この時、マイク
ロコンピュータ21は待機時間変更手段23の出力を入
力し、その値に応じて、予め記憶手段21aがROMに
記憶している第1の待機時間Td21または第2の待機
時間Td22を変更するかどうか、変更するならどのレ
ベルかを判断し、この判断に基づいて予め記憶手段21
aがROMに記憶している第1の待機時間Td21また
は第2の待機時間Td22を変更する。例えば、図4の
ように設定時間設定手段23を2本の抵抗R1、R2で
構成し、この抵抗R1、R2で制御回路15の動作電源
電圧Vddを分圧した電圧値をマイクロコンピュータ2
1のA/D入力端子に入力する。この入力値が0または
Vddなら第1の待機時間Td21または第2の待機時
間Td22を変更しない。また、(1/5)Vdd、
(2/5)Vddであれば第1の待機時間Td21を記
憶手段21aがROMに記憶している現状の値よりもそ
れぞれ+2μs、−2μsずらすという判断を行う。
(3/5)Vdd、(4/5)Vddであれば第2の待
機時間Td22を記憶手段21aがROMに記憶してい
る現状の値よりもそれぞれ+1μs、−1μsずらすと
いう判断を行う。この判断結果をRAMに一時保存して
おく。勿論、このマイクロコンピュータ21に入力する
電圧値を更に細かくしていき、それに対する変更レベル
を設定しておけば更にきめ細かく第1の待機時間Td2
1または第2の待機時間Td22を変更できる。本実施
例ではインバータ回路3は図4に示す構成にしてあり、
第1スイッチング手段3a及び第2のスイッチング手段
3bの動作は図4(c)〜(f)に示す波形となる。
【0041】次に、マイクロコンピュータ21は、商用
電源1の周波数が60Hzである時は零点検知手段24
が商用電源1のゼロクロス点を検知してから約4〜4.
5ms後に、ピークホールド回路で形成される入力電流
検知手段7でインバータ回路3への略最大入力電流を検
知する。この値が、所望の値になる様な第1の設定時間
T21をプログラムに基づいて決定し、マイクロコンピ
ュータ21が第1の設定時間T21(High期間)を
カウントするタイマー機能と、第1の設定時間T21
(High期間)との和を一定周期Tとする、あるいは
一定周期Tに対応する時間(Low期間)をカウントす
るタイマー機能によって、図5(a)に示す様に駆動時
間比設定手段18の第1の時間比出力手段18aが、こ
の第1の設定時間T21をHigh、一定周期Tとなる
様な時間をLowとする矩形波を設定する。これと同時
に決定した第1の設定時間T21に対して、この第1の
設定時間T21と第1の待機時間Td21と第2の待機
時間Td22との和が一定周期Tとなるような第2の設
定時間T22を記憶手段21aのROMから読み出す
か、あるいは演算手段21bで都度数値演算して、第1
または第2の待機時間Td21、Td22が変更のある
場合はRAMに一時保存してある変更値を基に演算を行
い、この結果を第2の設定時間T22とする。マイクロ
コンピュータ21が第2の設定時間T22(High期
間)をカウントするタイマー機能と、第2の設定時間T
22(High期間)との和を一定周期Tとする、ある
いは一定周期Tに対応する時間(Low期間)をカウン
トするタイマー機能と、第2の待機時間Td22をカウ
ントするタイマー機能によって、図5(b)に示すよう
に第2の時間比出力手段18bが、この第2の設定時間
T22をHigh、第2の設定時間T22との和が一定
周期Tとなる時間をLowとする矩形波を設定する。そ
して、零点検知手段24が次のゼロクロス点を検知した
タイミングで、第1の時間比出力手段18aが設定した
時間比を駆動手段6に出力すると共に、第1の時間比出
力手段18aが出力している第1の設定時間T21の終
了のタイミングから、記憶手段21aのROMで記憶し
ている第2の待機時間Td22、または変更する場合は
この第2の待機時間Td22とRAMに一時保存してあ
る変更値を基に演算手段21bで演算した結果を第2の
待機時間Td22として、この第2の待機時間Td22
後に第2の設定時間T22が開始するタイミングで駆動
手段6にこの矩形波を出力する。そして、再び零点検知
手段24が商用電源1のゼロクロス点を検知してから約
4〜4.5ms後に、入力電流検知手段7でインバータ
回路3への略最大入力電流を検知して、次のゼロクロス
点での、第1の設定時間T21、第2の設定時間T22
を決定し出力する。このように商用電源1の半周期に一
度の処理を行うことで、汎用的に用いられるクロック周
波数4〜8MHzの4ビット・8ビットのマイクロコン
ピュータの演算処理能力(1マシンサイクル0.125
〜0.25μs)でも容易に実現できる。この結果、駆
動タイミング信号を駆動手段6に与えて、駆動手段6は
このタイミングで第1及び第2のスイッチング手段3
a、3bを周波数一定で交互に、且つ駆動時間比T21
/T22で駆動している。
【0042】結果として、図5のように第1及び第2の
スイッチング手段3a、3bの駆動タイミングとなる第
1及び第2の設定時間T21、T22にそれぞれ無導通
時間となる第1及び第2の待機時間Td21、Td22
が付与されるので、第1及び第2のスイッチング手段3
a、3bの導通時あるいは遮断時に印加する共振電圧や
電流がスイッチングするのに望ましい値に到達するまで
待機して、各スイッチング手段の損失が増大するのを抑
制したり安全動作領域を超えて破壊することを防止して
いる。例えば、本来、第1のスイッチング手段3aの両
端電圧Vce1がゼロまで降下してダイオードFWDa
に回生電流が流れている間に第1のスイッチング手段3
aをオンさせておいてゼロボルトスイッチングさせてい
るが、図5(a)の波線に示すようにTd21の設定が
不適切で小さい場合には、第1のスイッチング手段3a
はゼロボルトスイッチングできずに図5(h)のように
なり、第1のスイッチング手段3aとダイオードFWD
aに流れる電流は図5(g)のように短絡電流が流れて
しまう。これでは第1のスイッチング手段3aのスイッ
チング損失が増大したり、この短絡電流で安全動作領域
を超えて破壊してしまうのである。このようにして負荷
鍋4の加熱火力を制御することができる。
【0043】以上のように本実施例によれば、駆動時間
比設定手段18をディジタル処理による第1及び第2の
時間比出力手段18a、18bで構成することによっ
て、マイクロコンピュータ21に駆動時間比設定手段1
8を取り込むことが可能となり、制御回路15の構成回
路部品の削減が図れ、制御回路15を簡素化・小型化で
きると共に、コンデンサと抵抗から成る充放電回路等を
含まずに構成できるので、各部の入出力信号のタイミン
グのばらつき要因を少なくでき、第1及び第2のスイッ
チング手段3a、3bの駆動時間比T21/T22を精
度良く制御し、負荷鍋4の加熱火力も精度良く制御する
ことができる。また、製品の開発段階末期等にマイクロ
コンピュータ21のROM内容を容易に変更できない場
合であってもマイクロコンピュータ21外部から与える
信号レベルによって容易に第1または第2の待機時間T
d21、Td22を変更できると共に、マイクロコンピ
ュータ21が外部の待機時間変更手段23から読み込む
タイミングをインバータ回路3が動作していない等所定
のタイミングで行えるので、第1または第2のスイッチ
ング手段3a、3bのスイッチング雑音等のインバータ
回路3から発生する雑音の影響で待機時間変更手段23
の出力値を誤検知してしまうことなく、確実に検知して
正確に第1または第2の待機時間Td21、Td22の
変更処理を行うことができる。
【0044】尚、上記効果は本実施例のインバータ回路
3の構成に限定されるものではなく、複数のスイッチン
グ手段を一定周期で交互に駆動し、その駆動時間比を変
更することにより負荷への火力を連続可変するインバー
タであれば同様の効果を得ることができる。また、入力
する制御信号を入力電流について述べているが、第1ま
たは第2のスイッチング手段3a、3bの両端電圧や、
インバータ回路3に流れる電流を制御している場合でも
同様の効果が得られる。そして、以上の効果は誘導加熱
調理器に限らず、電子レンジ等のインバータを有する加
熱調理器に適用できる。また、零点検知手段24が検知
した零点の1タイミング毎(商用電源1の半周期毎)に
第1及び第2の時間比出力手段の出力の設定を行ってい
るが、零点の1タイミング毎でなくとも、入力電流を制
御している場合であれば、制御している入力電流が大き
く変動するなどして、ブレーカが落ちたり、加熱火力が
変動しすぎて調理性能に影響しない範疇で、適宜商用電
源1の1周期毎以上で設定しても同様の効果が得られる
ことは言うまでもないことである。
【0045】
【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、本発
明によれば、一定周期で動作する駆動時間比設定手段に
おいてマイクロコンピュータのような集積回路で実現可
能な部分を拡大し、それ以外の部品で構成する部分を最
小化して集積度を高め、駆動時間比設定手段を簡素化・
小型化した、インバータを有する加熱調理器を提供でき
る。
【0046】また、駆動時間比設定手段をディジタル演
算処理による第1及び第2の時間比設定手段で構成でき
るので集積回路での実現が容易となり、スイッチング手
段の損失が増大するのを抑制したり安全動作領域を超え
破壊することを防止すると共に、制御回路を簡素化・小
型化した、インバータを有する加熱調理器を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の加熱調理器の構成を示
すブロック図
【図2】本発明の第1の実施例の各部出力波形図
【図3】本発明の第1の実施例の信号分配手段の回路構
成図
【図4】本発明の第2の実施例の加熱調理器の構成を示
すブロック図
【図5】本発明の第2の実施例の各部出力波形図
【図6】従来の加熱調理器の構成を示すブロック図
【図7】従来の加熱調理器の各部出力波形図
【図8】従来の加熱調理器の駆動時間比に対する負荷火
力特性図
【符号の説明】
3 インバータ回路 3a 第1のスイッチング手段 3b 第2のスイッチング手段 3c 負荷コイル 3d1、3d2 共振コンデンサ 5、15 制御回路 6 駆動手段 7 入力電流検知手段 8、18 駆動時間比設定手段 9 時間比出力手段 10 信号分配手段 11、21 マイクロコンピュータ 18a 第1の時間比出力手段 18b 第2の時間比出力手段 21a 記憶手段 21b 演算手段 22 動作設定手段 23 待機時間変更手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 緒方 大象 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3K051 AA03 AC07 AD13 AD28 CD23

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共振コンデンサと負荷コイルと複数のス
    イッチング手段とを有するインバータ回路と、一定周期
    で、前記複数のスイッチング手段を駆動時間比を変えて
    駆動して出力を変更する駆動時間比設定手段を有する制
    御回路を備え、前記駆動時間比設定手段は、入力する制
    御信号に応じて、前記一定周期で、時間比の変更可能な
    信号を出力する時間比出力手段と、前記時間比出力手段
    の出力信号を入力して、複数の駆動信号を出力する信号
    分配手段を具備し、前記信号分配手段の出力信号に基づ
    いて、前記複数のスイッチング手段を交互に駆動してな
    る加熱調理器。
  2. 【請求項2】 時間比出力手段は一定周期で、第1の設
    定時間と前記一定周期と前記第1の設定時間から決まる
    第2の設定時間からなる変更可能な時間比を出力し、信
    号分配手段は前記第1の設定時間の開始タイミングに対
    して第1の待機時間後に開始し、前記第1の設定時間の
    終了に同期して終了する第1の駆動信号と、前記第1の
    設定時間の終了タイミングに対して第2の待機時間後に
    開始し、前記第2の設定時間の終了に同期して終了する
    第2の駆動信号を出力してなる請求項1記載の加熱調理
    器。
  3. 【請求項3】 時間比出力手段を、記憶手段を備え前記
    記憶手段に記憶したプログラムにより動作するマイクロ
    コンピュータで構成し、信号分配手段をプログラムで動
    作しない比較器とコンデンサを含む部品で構成してなる
    請求項1または2記載の加熱調理器。
  4. 【請求項4】 共振コンデンサと負荷コイルと複数のス
    イッチング手段とを有するインバータ回路と、前記複数
    のスイッチング手段を駆動する駆動手段と、一定周期
    で、前記複数のスイッチング手段を駆動時間比を変えて
    前記駆動手段により交互に駆動して出力を変更する駆動
    時間比設定手段とを有する制御回路を備え、前記駆動時
    間比設定手段は、前記一定周期と、入力する制御信号に
    応じて変更可能な第1の設定時間とにより決まる第1の
    時間比を出力する第1の時間比出力手段と、前記一定周
    期と第2の設定時間とにより決まる第2の時間比を出力
    する第2の時間比出力手段を備え、前記第2の時間比出
    力手段は前記第1の設定時間の終了のタイミングから第
    2の待機時間後に前記第2の設定時間の出力を開始する
    と共に、前記第2の設定時間の終了から前記第1の設定
    時間の開始までの第1の待機時間と前記一定周期と前記
    第2の待機時間から数値演算により前記第2の設定時間
    を決定してなる加熱調理器。
  5. 【請求項5】 商用電源の零点を検知する零点検知手段
    を備え、駆動時間比設定手段を、記憶手段と演算手段を
    備えたマイクロコンピュータで構成し、前記零点検知手
    段の出力に対応するタイミングで、第1の設定時間及び
    第2の設定時間を設定してなる請求項4記載の加熱調理
    器。
  6. 【請求項6】 制御回路は待機時間変更手段を備え、前
    記待機時間変更手段の出力に応じて記憶手段が予め記憶
    している第1の待機時間または第2の待機時間を変更し
    てなる請求項5記載の加熱調理器。
  7. 【請求項7】 制御回路の動作状態を設定する動作設定
    手段を有し、前記動作設定手段で前記制御回路の動作状
    態が変更されたタイミングまたは制御回路が動作を開始
    したタイミングで、待機時間変更手段の出力に応じて記
    憶手段が予め記憶している前記第1の待機時間または第
    2の待機時間を変更してなる請求項6記載の加熱調理
    器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004192862A (ja) * 2002-12-09 2004-07-08 Mitsubishi Electric Corp Ih調理器
JP2008066013A (ja) * 2006-09-05 2008-03-21 Tiger Vacuum Bottle Co Ltd 電気炊飯器
JP2011204543A (ja) * 2010-03-26 2011-10-13 Panasonic Corp マグネトロン駆動用電源

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