JP2001210250A - シャドウマスク構体、シャドウマスク構体の製造方法およびカラーブラウン管 - Google Patents

シャドウマスク構体、シャドウマスク構体の製造方法およびカラーブラウン管

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JP2001210250A
JP2001210250A JP2000021815A JP2000021815A JP2001210250A JP 2001210250 A JP2001210250 A JP 2001210250A JP 2000021815 A JP2000021815 A JP 2000021815A JP 2000021815 A JP2000021815 A JP 2000021815A JP 2001210250 A JP2001210250 A JP 2001210250A
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shadow
mask frame
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Hiroshi Hasegawa
浩 長谷川
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Kansai Nippon Electric Co Ltd
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Renesas Semiconductor Manufacturing Co Ltd
Kansai Nippon Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のシャドウマスク構体ではシャドウマス
クの張力分布が中央部で低く左右端近傍で高いため、シ
ャドウマスクは対角線に沿って外側四方向に引っ張られ
た状態になる。またシャドウマスクの振動が中央部に停
留する。この結果カラーブラウン管画面中央部の色純度
が低下する。 【解決手段】 本発明のシャドウマスク構体10は、シ
ャドウマスク12張力が左右端部に比べ、中央部でより
大きい。本発明のシャドウマスク構体10の製造方法
は、マスクフレーム長辺11Aに、左右端部に比べ、中
央部により大きい圧力を加え、マスクフレーム11をピ
ン形状に弾性変形させ、マスクフレーム長辺11A間の
間隔を、特に左右端部に比べ中央部を狭くし、マスクフ
レーム長辺11Aにシャドウマスク12を張架し、圧力
を取り去ってシャドウマスク12に張力を加える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカラーブラウン管用
シャドウマスク構体、特にスロットまたはドットが多数
配列されたシャドウマスクが一方向に張架された構造の
シャドウマスク構体、前記シャドウマスク構体の製造方
法、および前記シャドウマスク構体を備えたカラーブラ
ウン管に関する。
【0002】
【従来の技術】図9は従来のシャドウマスク構体90の
斜視図である。図9において、91はマスクフレーム、
91Aはマスクフレーム長辺、91Bはマスクフレーム
短辺、92はシャドウマスク、92A(斜線部)はシャ
ドウマスク溶接部である。なおシャドウマスク92はマ
スクフレーム91上面を覆っているが、シャドウマスク
構体90の構造を見易くするため、図9ではシャドウマ
スク92は外周線だけを図示する。
【0003】従来のシャドウマスク構体90の製造方法
を図10〜図12を用いて説明する。図10は従来のシ
ャドウマスク構体90のマスクフレーム91(シャドウ
マスク92張架前)の正面図、側面図である。図10に
示すように、マスクフレーム91は外力が加わっていな
いとき、ほぼ直方体形状である。
【0004】まずシャドウマスク92を張架する前に、
マスクフレーム91に圧力を加える。図11(a)はマ
スクフレーム91に圧力を加えたときの正面図、側面
図、また図11(b)はマスクフレーム91に加えた圧
力の水平方向に沿った分布である。図11(a)に示す
ように、マスクフレーム長辺91Aに上下から一様な圧
力(図中の矢印)を加えてマスクフレーム91を弾性変
形させ、マスクフレーム長辺91A間の間隔を狭くす
る。このときの圧力の水平方向に沿った分布は、図11
(b)に示すように水平方向の位置によらず一定であ
る。マスクフレーム91の変形は図11(a)の側面図
に示すように、マスクフレーム短辺91Bの円弧形の変
形が主である。一方マスクフレーム長辺91Aはほぼ直
線状態を保つ。
【0005】次にシャドウマスク92を図11(a)の
状態のマスクフレーム91に張架する。シャドウマスク
92の張架は、具体的には、マスクフレーム長辺91A
端面のシャドウマスク溶接部92Aにシャドウマスク9
2をシーム溶接することで実施される。溶接後マスクフ
レーム91に加えた圧力は取り去られる。
【0006】図12(a)はシャドウマスク92を張架
後、マスクフレーム91に加えた圧力を取り去ったとき
の正面図、側面図である。すなわち完成したシャドウマ
スク構体90の正面図、側面図である。また図12
(b)は完成したシャドウマスク構体90において、マ
スクフレーム91がシャドウマスク92に与える張力の
X−X’軸(図12(a))に沿った分布である。
【0007】図12(a)に示すように、圧力を取り去
ることでマスクフレーム91は図10と同様なほぼ直方
体に戻る。シャドウマスク92の張力は図12(b)に
示すように左右端近くに極大値を有する二山型である。
シャドウマスク92の張力がこのような二山型になる理
由を次に述べる。
【0008】まずシャドウマスク92の張力が左右端で
急激に低下する理由は、シャドウマスク92の左右端が
全く拘束されていない自由状態であるためである。次に
左右端の近くに張力の山ができる理由は、この部分がシ
ャドウマスク92の無孔域であって剛性が高いためであ
る。そしてシャドウマスク92の中央部にかけて徐々に
張力が低くなる理由は、この部分がシャドウマスク92
の有孔域であって剛性が低いためである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来のシャドウマスク
構体90の問題点を説明する。先に説明したようにシャ
ドウマスク92の張力分布が中央部で低く左右端で高い
二山型になっているため、シャドウマスク92は対角線
に沿って外側四方向に引っ張られた状態になる。シャド
ウマスク92は円筒面の一部であるため、外側四方向に
引っ張られると平面に近づくように変形する。その結果
シャドウマスク92の中央部が本来の位置からずれて低
くなり、蛍光面からの距離(Q値)が大きくなる。周知
のようにQ値のずれは色純度の低下を引き起こす。この
結果従来のシャドウマスク構体90ではシャドウマスク
92中央部、つまりカラーブラウン管画面中央部の色純
度が低下する。これが第一の問題である。
【0010】さらに第二の問題として、シャドウマスク
92が外部振動に共振して振動した場合、その振動エネ
ルギーが張力の低いシャドウマスク92中央部から張力
の高い左右端近傍に伝わりにくい。(その理由は張力の
高い部分の方が張力の低い部分よりも共振振動数が高い
ためである。)そのため振動エネルギーがシャドウマス
ク92中央部に長時間停留し、シャドウマスク92中央
部の振動が減衰しにくい。これもカラーブラウン管画面
中央部の色純度低下の原因となる。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明のシャドウマスク構体は、マスクフレームが
シャドウマスクに与える張力が、シャドウマスクの左右
端部に比べ、中央部でより大きいことを特徴とする。ま
た、本発明のシャドウマスク構体の製造方法は、マスク
フレーム長辺に、左右端部に比べ、中央部により大きい
圧力を加え、マスクフレームをピン形状に弾性変形さ
せ、マスクフレーム長辺間の間隔を、特に左右端部に比
べ中央部を狭くし、次にマスクフレーム長辺にシャドウ
マスクを張架し、次に圧力を取り去ってシャドウマスク
に張力を加え、最終的にマスクフレームがシャドウマス
クに与える張力が、シャドウマスクの左右端部に比べ、
中央部でより大きくなることを特徴とする。
【0012】前記の構成と製造方法を採ることにより、
本発明のシャドウマスク構体はシャドウマスク中央部に
おいてもQ値が精度良く維持され、またシャドウマスク
の振動が速やかに減衰する。それによりカラーブラウン
管画面中央部の色純度低下が防止できる。
【0013】従って本発明のシャドウマスク構体を備え
ることにより、色純度の優れた高画質のカラーブラウン
管が実現される。
【0014】請求項1記載の第1の発明は、ほぼ長方形
額縁状のマスクフレームと、前記マスクフレームに長辺
を張架されたほぼ長方形のシャドウマスクとからなるシ
ャドウマスク構体において、前記マスクフレームが前記
シャドウマスクに与える張力が、前記シャドウマスクの
左右端部に比べ、中央部でより大きいことを特徴とす
る。
【0015】また請求項2記載の第2の発明は、請求項
1記載のシャドウマスク構体において、前記シャドウマ
スクの材質が低熱膨張率金属であり、前記マスクフレー
ムの材質が高剛性金属であることを特徴とする。
【0016】また請求項3記載の第3の発明は、ほぼ長
方形額縁状のマスクフレームと、ほぼ長方形のシャドウ
マスクとからなるシャドウマスク構体において、前記マ
スクフレームの長辺に一対のマスク支持体が備えられ、
前記シャドウマスクの長辺が前記マスク支持体に張架さ
れ、前記マスクフレームおよび前記マスク支持体が前記
シャドウマスクに与える張力が、前記シャドウマスクの
左右端部に比べ、中央部でより大きいことを特徴とす
る。
【0017】また請求項4記載の第4の発明は、請求項
3記載のシャドウマスク構体において、前記シャドウマ
スクおよびマスク支持体の材質が低熱膨張率金属であ
り、前記マスクフレームの材質が高剛性金属であること
を特徴とする。
【0018】また請求項5記載の第5の発明は、ほぼ長
方形額縁状のマスクフレームと、前記マスクフレームに
長辺を張架されたほぼ長方形のシャドウマスクとからな
るシャドウマスク構体であって、前記マスクフレームが
前記シャドウマスクに与える張力が、前記シャドウマス
クの左右端部に比べ、中央部でより大きいシャドウマス
ク構体の製造方法において、まずマスクフレーム長辺
に、左右端部に比べ、中央部により大きい圧力を加え、
前記マスクフレームをピン形状に弾性変形させ、前記マ
スクフレーム長辺間の間隔を、特に左右端部に比べ中央
部を狭くし、次に前記マスクフレーム長辺に前記シャド
ウマスクを張架し、次に前記圧力を取り去って前記シャ
ドウマスクに張力を加え、最終的に前記マスクフレーム
が前記シャドウマスクに与える張力が、前記シャドウマ
スクの左右端部に比べ、中央部でより大きくなることを
特徴とする。
【0019】また請求項6記載の第6の発明は、ほぼ長
方形額縁状のマスクフレームと、前記マスクフレームに
長辺を張架されたほぼ長方形のシャドウマスクとからな
るシャドウマスク構体であって、前記マスクフレームの
長辺に一対のマスク支持体が備えられ、前記マスクフレ
ームおよび前記マスク支持体が前記シャドウマスクに与
える張力が、前記シャドウマスクの左右端部に比べ、中
央部でより大きいシャドウマスク構体の製造方法におい
て、まず前記マスクフレーム長辺および前記マスク支持
体に、左右端部に比べ、中央部により大きい圧力を加
え、前記マスクフレームおよび前記マスク支持体をピン
形状に弾性変形させ、前記マスクフレーム長辺間および
前記マスク支持体間の間隔を、特に左右端部に比べ中央
部を狭くし、次に前記マスク支持体に前記シャドウマス
クを張架し、次に前記圧力を取り去って前記シャドウマ
スクに張力を加え、最終的に前記マスクフレームおよび
前記マスク支持体が前記シャドウマスクに与える張力
が、前記シャドウマスクの左右端部に比べ、中央部でよ
り大きくなることを特徴とする。
【0020】また請求項7記載の第7の発明は、請求項
1〜4記載のいずれかのシャドウマスク構体を備えたカ
ラーブラウン管である。
【0021】そして請求項8記載の第8の発明は、請求
項5〜6記載のいずれかの製造方法により製造されたシ
ャドウマスク構体を備えたカラーブラウン管である。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
シャドウマスク構体の実施の形態を説明する。図1は本
発明の第一実施例のシャドウマスク構体10の斜視図で
ある。図1において11はマスクフレーム、11Aはマ
スクフレーム長辺、11Bはマスクフレーム短辺、12
はシャドウマスク、12A(斜線部)はシャドウマスク
溶接部である。なおシャドウマスク12はマスクフレー
ム11の上面を覆っているが、シャドウマスク構体10
の内部構造を見易くするため、図1ではシャドウマスク
12は外周線のみを示す。なお本発明の第一実施例のシ
ャドウマスク構体10は19型カラーブラウン管用であ
る。
【0023】マスクフレーム11は厚さ2.5mmの1
3クロムステンレス材である。シャドウマスク12は厚
さ0.1mmのインバー材である。マスクフレーム11
はクロムモリブデン鋼材でもよい。シャドウマスク構体
10の概略寸法は長辺360mm、短辺270mm、高
さ43mmである。
【0024】本発明の第一実施例のシャドウマスク構体
10の製造方法を図2〜図4を用いて説明する。図2は
本発明の第一実施例のシャドウマスク構体10のマスク
フレーム11(シャドウマスク12張架前)の正面図、
側面図である。図2に示すように、マスクフレーム11
は外力が加わっていないとき、ほぼ直方体形状である。
【0025】シャドウマスク12を張架する前に、マス
クフレーム11に圧力を加える。図3(a)はマスクフ
レーム11に圧力を加えたときの正面図、側面図、また
図3(b)はマスクフレーム11に加えた圧力の水平方
向に沿った分布である。
【0026】図3(a)に示すように、マスクフレーム
長辺11Aに上下から圧力(図中の矢印)を加えてマス
クフレーム11を弾性変形させ、マスクフレーム長辺1
1A間の間隔を狭くする。このとき圧力の水平方向に沿
った分布は、図3(b)に示すように、従来(図11
(b))と異なり、圧力はマスクフレーム長辺11Aの
中央部で最大で、左右端に近づくにしたがい徐々に小さ
くなり、左右端で最小である。
【0027】マスクフレーム11の変形は図3(a)の
側面図に示すマスクフレーム短辺11Bの円弧形の変形
に加えて、前記の圧力分布に対応して図3(a)の正面
図に示すようにマスクフレーム長辺11Aの中央部が大
きく変形し、左右端に近づくほど変形が小さくなる。そ
の結果図3(a)正面図に示したように、マスクフレー
ム11はピン形状に弾性変形する。
【0028】次にシャドウマスク12を図3(a)の状
態のマスクフレーム11に張架する。シャドウマスク1
2の張架は、具体的には、マスクフレーム長辺11A端
面のシャドウマスク溶接部12Aにシャドウマスク12
をシーム溶接することで実施される。溶接後マスクフレ
ーム11に加えた圧力は取り去られる。
【0029】図4(a)はシャドウマスク12を張架
後、マスクフレーム11に加えた圧力を取り去ったとき
の正面図、側面図である。すなわち完成したシャドウマ
スク構体10の正面図、側面図である。また図4(b)
は完成したシャドウマスク構体10において、マスクフ
レーム11がシャドウマスク12に与える張力のX−
X’軸(図4(a))に沿った分布である。
【0030】図4(a)に示すように、圧力を取り去る
ことでマスクフレーム11は図2と同様なほぼ直方体に
戻る。シャドウマスク12の張力分布は図4(b)に示
すように中央部に極大値を有し、左右端に向かってなだ
らかに減少し、左右端で急激に落ち込む山型である。
【0031】シャドウマスク12の張力がこのような山
型になる理由を次に述べる。まずシャドウマスク12の
張力が左右端で急激に低下する理由は、従来のシャドウ
マスク構体と同じく、シャドウマスク12の左右端が全
く拘束されていない自由状態であるためである。
【0032】次に中央部に極大値を有し、左右端に向か
ってなだらかに減少する理由は次のとおりである。マス
クフレーム11をピン形状に弾性変形させるために、マ
スクフレーム長辺11Aの中央部ほど強い圧力を加えて
いる。その状態でシャドウマスク12をマスクフレーム
長辺11Aに溶接しているため、圧力を取り去るとマス
クフレーム長辺11Aの中央部ほど強い復元力が発生す
る。この復原力は当然シャドウマスク12に中央部ほど
強い張力を与える。
【0033】従来のシャドウマスク構体のようにマスク
フレーム長辺全体に一様な復原力が発生する場合は、前
述の通りシャドウマスクの左右端近傍が無孔域で、中央
部付近が有孔域であるため、左右端近くに張力の極大部
分が発生する。
【0034】しかし本発明の第一実施例のシャドウマス
ク構体10ではマスクフレーム長辺11Aの中央部ほど
強い復元力があり、したがってシャドウマスク12の中
央部ほど強い張力があるため、シャドウマスク中央部の
張力が増加する。そのため従来のシャドウマスク構体で
見られたシャドウマスク中央部の張力の凹みが無くな
り、中央部に極大値を有し、左右端に向かってなだらか
に減少する張力分布が得られる。
【0035】本発明の第一実施例のシャドウマスク構体
10においてはシャドウマスク12の張力がシャドウマ
スク12中央部で最も大きいため、従来のシャドウマス
ク構体で生じていたような、シャドウマスクが対角線に
沿って外側四方向に引っ張られるような状態は生じな
い。そのため本発明の第一実施例のシャドウマスク構体
10ではシャドウマスク12の中央部が本来の位置から
ずれることはなく、シャドウマスク12全体にわたりQ
値が本来の値に保たれる。
【0036】さらにシャドウマスク12が外部振動に共
振して振動した場合、その振動エネルギーが張力の高い
シャドウマスク12中央部から張力の低い左右端近傍に
容易に伝わる。そのため振動エネルギーがシャドウマス
ク12中央部から速やかにシャドウマスク12左右端に
移動し、シャドウマスク12中央部の振動が速やかに減
衰する。
【0037】この結果本発明の第一実施例のシャドウマ
スク構体10を備えたカラーブラウン管は画面全体にわ
たり色純度が良好である。
【0038】図5は本発明の第二実施例のシャドウマス
ク構体50の斜視図である。図5において51はマスク
フレーム、51Aはマスクフレーム長辺、51Bはマス
クフレーム短辺、52はシャドウマスク、52A(斜線
部)はシャドウマスク溶接部、53はマスク支持体であ
る。なおシャドウマスク52はマスクフレーム51の上
面を覆っているが、シャドウマスク構体50の内部構造
を見易くするため、図5ではシャドウマスク52は外周
線のみを示す。なお本発明の第二実施例のシャドウマス
ク構体50は19型カラーブラウン管用である。
【0039】マスクフレーム51は厚さ2.5mmの1
3クロムステンレス材である。シャドウマスク52は厚
さ0.1mmのインバー材である。マスクフレーム51
はクロムモリブデン鋼材でもよい。マスク支持体53は
厚さ3mmのインバー材である。シャドウマスク構体5
0の概略寸法は長辺360mm、短辺270mm、高さ
43mmである。
【0040】本発明の第二実施例のシャドウマスク構体
50の製造方法を図6〜図8を用いて説明する。図6は
本発明の第二実施例のシャドウマスク構体50のマスク
フレーム51(シャドウマスク52張架前)の正面図、
側面図である。図6に示すように、マスクフレーム51
は外力が加わっていないとき、ほぼ直方体形状である。
【0041】シャドウマスク52を張架する前に、マス
クフレーム51およびマスク支持体53に圧力を加え
る。図7(a)はマスクフレーム51およびマスク支持
体53に圧力を加えたときの正面図、側面図、また図7
(b)はマスクフレーム51およびマスク支持体53に
加えた圧力の水平方向に沿った分布である。
【0042】図7(a)に示すように、マスクフレーム
長辺51Aおよびマスク支持体53に上下から圧力(図
中の矢印)を加えてマスクフレーム51を弾性変形さ
せ、マスクフレーム長辺51A間の間隔およびマスク支
持体53間の間隔を狭くする。このとき圧力の水平方向
に沿った分布は、図7(b)に示すように、圧力はマス
クフレーム長辺51Aおよびマスク支持体53の中央部
で最大で、左右端に近づくにしたがい徐々に小さくな
り、左右端で最小である。
【0043】マスクフレーム11の変形は図7(a)の
側面図に示すマスクフレーム短辺51Bの円弧形の変形
に加えて、前記の圧力分布に対応して図7(a)の正面
図に示すようにマスクフレーム長辺51Aおよびマスク
支持体53の中央部が大きく変形し、左右端に近づくほ
ど変形が小さくなる。その結果図7(a)正面図に示し
たように、マスクフレーム51およびマスク支持体53
はピン形状に弾性変形する。
【0044】次にシャドウマスク52を図7(a)の状
態のマスク支持体53に張架する。シャドウマスク52
の張架は、具体的には、マスク支持体53端面のシャド
ウマスク溶接部52Aにシャドウマスク52をシーム溶
接することで実施される。溶接後マスクフレーム51お
よびマスク支持体53に加えた圧力は取り去られる。
【0045】図8(a)はシャドウマスク52を張架
後、マスクフレーム51およびマスク支持体53に加え
た圧力を取り去ったときの正面図、側面図である。すな
わち完成したシャドウマスク構体50の正面図、側面図
である。また図8(b)は完成したシャドウマスク構体
50において、マスクフレーム51およびマスク支持体
53がシャドウマスク52に与える張力のX−X’軸
(図8(a))に沿った分布である。
【0046】図8(a)に示すように、圧力を取り去る
ことでマスクフレーム51は図6と同様なほぼ直方体に
戻る。シャドウマスク52の張力分布は図8(b)に示
すように中央部に極大値を有し、左右端に向かってなだ
らかに減少し、左右端で急激に落ち込む山型である。こ
の張力分布形状は本発明の第一実施例のシャドウマスク
構体10の張力分布形状と同じである。またシャドウマ
スク52の張力分布がこのような山型になる理由は、先
に説明した本発明の第一実施例のシャドウマスク構体1
0における理由と同じである。
【0047】本発明の第二実施例のシャドウマスク構体
50においてもシャドウマスク52の張力がシャドウマ
スク52中央部で最も大きいため、シャドウマスク52
が対角線に沿って外側四方向に引っ張られるような状態
は生じない。そのため本発明の第二実施例のシャドウマ
スク構体50においてもシャドウマスク52の中央部が
本来の位置からずれることはなく、シャドウマスク52
全体にわたりQ値が本来の値に保たれる。
【0048】さらにシャドウマスク52が外部振動に共
振して振動した場合、その振動エネルギーが張力の高い
シャドウマスク52中央部から張力の低い左右端近傍に
容易に伝わり、シャドウマスク52中央部の振動が速や
かに減衰する。前記作用効果も本発明の第一実施例のシ
ャドウマスク構体10と同様である。
【0049】次に本発明の第二実施例のシャドウマスク
構体50の、本発明の第一実施例のシャドウマスク構体
10に対する優位性を説明する。
【0050】本発明の第一実施例のシャドウマスク構体
10においては、シャドウマスク12が直接マスクフレ
ーム11に溶接されている。シャドウマスク12が熱膨
張率の小さいインバー(室温で約1.2ppm)である
一方、マスクフレーム11は熱膨張率がその約10倍の
13クロムステンレスまたはクロムモリブデン鋼であ
る。カラーブラウン管の使用中は電子ビームがシャドウ
マスク12に衝突し、シャドウマスク12およびマスク
フレーム11の温度が最高100℃程度まで上昇する。
そのため特に動作温度が高い場合、また特に画面輝度を
高くした場合、シャドウマスク12とマスクフレーム1
1との間に熱膨張の不整合が発生し、シャドウマスク1
2が歪んで色純度が低下する恐れがある。
【0051】一方本発明の第二実施例のシャドウマスク
構体50においては、シャドウマスク52が、同じイン
バーからなるマスク支持体53に溶接されているため、
シャドウマスク52とマスク支持体53の間に熱膨張の
不整合が発生しない。そのため動作温度が高い場合、ま
た画面輝度が高い場合にもシャドウマスク52がひずむ
恐れは全く無く、常に色純度の安定した画像が得られ
る。これが、第一実施例のシャドウマスク構体10に対
する、第二実施例のシャドウマスク構体50の優位点で
ある。
【0052】この結果本発明の第二実施例のシャドウマ
スク構体50を備えたカラーブラウン管は動作条件に関
係なく画面全体にわたり色純度が常に安定して良好であ
る。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のシャドウ
マスク構体は、マスクフレームがシャドウマスクに与え
る張力が、シャドウマスクの左右端部に比べ、中央部で
より大きいことを特徴とする。また、本発明のシャドウ
マスク構体の製造方法は、マスクフレーム長辺に、左右
端部に比べ、中央部により大きい圧力を加え、マスクフ
レームをピン形状に弾性変形させ、マスクフレーム長辺
間の間隔を、特に左右端部に比べ中央部を狭くし、次に
マスクフレーム長辺にシャドウマスクを張架し、次に圧
力を取り去ってシャドウマスクに張力を加え、最終的に
マスクフレームがシャドウマスクに与える張力が、シャ
ドウマスクの左右端部に比べ、中央部でより大きくなる
ことを特徴とする。
【0054】前記の構成と製造方法を採ることにより、
本発明のシャドウマスク構体はシャドウマスク中央部に
おいてもQ値が精度良く維持され、またシャドウマスク
の振動が速やかに減衰する。それによりカラーブラウン
管画面中央部の色純度低下が防止できる。
【0055】従って本発明のシャドウマスク構体を備え
ることにより、色純度の優れた高画質のカラーブラウン
管が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一実施例のシャドウマスク構体の
斜視図
【図2】 本発明の第一実施例のシャドウマスク構体の
マスクフレームの正面図、側面図
【図3】 (a)本発明の第一実施例のシャドウマスク
構体のマスクフレームに圧力を加えたときの正面図、側
面図、(b)圧力分布図
【図4】 (a)本発明の第一実施例のシャドウマスク
構体の正面図、側面図、(b)張力分布図
【図5】 本発明の第二実施例のシャドウマスク構体の
斜視図
【図6】 本発明の第二実施例のシャドウマスク構体の
マスクフレームの正面図、側面図
【図7】 (a)本発明の第二実施例のシャドウマスク
構体のマスクフレームに圧力を加えたときの正面図、側
面図、(b)圧力分布図
【図8】 (a)本発明の第二実施例のシャドウマスク
構体の正面図、側面図、(b)張力分布図
【図9】 従来のシャドウマスク構体の斜視図
【図10】 従来のシャドウマスク構体のマスクフレー
ムの正面図、側面図
【図11】 (a)従来のシャドウマスク構体のマスク
フレームに圧力を加えたときの正面図、側面図、(b)
圧力分布図
【図12】 (a)従来のシャドウマスク構体の正面
図、側面図、(b)張力分布図
【符号の説明】
10、50、90 シャドウマスク構体 11、51、91 マスクフレーム 11A、51A、91A マスクフレーム長辺 11B、51B、91B マスクフレーム短辺 12、52、92 シャドウマスク 12A、52A、92A シャドウマスク溶接部 53 マスク支持体

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ほぼ長方形額縁状のマスクフレームと、 前記マスクフレームに長辺を張架されたほぼ長方形のシ
    ャドウマスクとからなるシャドウマスク構体において、 前記マスクフレームが前記シャドウマスクに与える張力
    が、前記シャドウマスクの左右端部に比べ、中央部でよ
    り大きいことを特徴とするシャドウマスク構体。
  2. 【請求項2】請求項1記載のシャドウマスク構体におい
    て、 前記シャドウマスクの材質が低熱膨張率金属であり、 前記マスクフレームの材質が高剛性金属であることを特
    徴とするシャドウマスク構体。
  3. 【請求項3】ほぼ長方形額縁状のマスクフレームと、 ほぼ長方形のシャドウマスクとからなるシャドウマスク
    構体において、 前記マスクフレームの長辺に一対のマスク支持体が備え
    られ、 前記シャドウマスクの長辺が前記マスク支持体に張架さ
    れ、 前記マスクフレームおよび前記マスク支持体が前記シャ
    ドウマスクに与える張力が、前記シャドウマスクの左右
    端部に比べ、中央部でより大きいことを特徴とするシャ
    ドウマスク構体。
  4. 【請求項4】請求項3記載のシャドウマスク構体におい
    て、 前記シャドウマスクおよびマスク支持体の材質が低熱膨
    張率金属であり、 前記マスクフレームの材質が高剛性金属であることを特
    徴とするシャドウマスク構体。
  5. 【請求項5】ほぼ長方形額縁状のマスクフレームと、 前記マスクフレームに長辺を張架されたほぼ長方形のシ
    ャドウマスクとからなるシャドウマスク構体であって、 前記マスクフレームが前記シャドウマスクに与える張力
    が、前記シャドウマスクの左右端部に比べ、中央部でよ
    り大きいシャドウマスク構体の製造方法において、 まずマスクフレーム長辺に、左右端部に比べ、中央部に
    より大きい圧力を加え、前記マスクフレームをピン形状
    に弾性変形させ、前記マスクフレーム長辺間の間隔を、
    特に左右端部に比べ中央部を狭くし、 次に前記マスクフレーム長辺に前記シャドウマスクを張
    架し、 次に前記圧力を取り去って前記シャドウマスクに張力を
    加え、 最終的に前記マスクフレームが前記シャドウマスクに与
    える張力が、前記シャドウマスクの左右端部に比べ、中
    央部でより大きくなることを特徴とするシャドウマスク
    構体の製造方法。
  6. 【請求項6】ほぼ長方形額縁状のマスクフレームと、 前記マスクフレームに長辺を張架されたほぼ長方形のシ
    ャドウマスクとからなるシャドウマスク構体であって、 前記マスクフレームの長辺に一対のマスク支持体が備え
    られ、 前記マスクフレームおよび前記マスク支持体が前記シャ
    ドウマスクに与える張力が、前記シャドウマスクの左右
    端部に比べ、中央部でより大きいシャドウマスク構体の
    製造方法において、 まず前記マスクフレーム長辺および前記マスク支持体
    に、左右端部に比べ、中央部により大きい圧力を加え、
    前記マスクフレームおよび前記マスク支持体をピン形状
    に弾性変形させ、前記マスクフレーム長辺間および前記
    マスク支持体間の間隔を、特に左右端部に比べ中央部を
    狭くし、 次に前記マスク支持体に前記シャドウマスクを張架し、 次に前記圧力を取り去って前記シャドウマスクに張力を
    加え、 最終的に前記マスクフレームおよび前記マスク支持体が
    前記シャドウマスクに与える張力が、前記シャドウマス
    クの左右端部に比べ、中央部でより大きくなることを特
    徴とするシャドウマスク構体の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1〜4記載のいずれかのシャドウマ
    スク構体を備えたカラーブラウン管。
  8. 【請求項8】請求項5〜6記載のいずれかの製造方法に
    より製造されたシャドウマスク構体を備えたカラーブラ
    ウン管。
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