JP2001207042A - ポリエステル系エラストマー組成物 - Google Patents
ポリエステル系エラストマー組成物Info
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Abstract
を維持できるポリエステル系エラストマー組成物の提
供。 【解決手段】 主として結晶性芳香族ポリエステル単
位からなる結晶性重合体セグメント(a)と、主として
脂肪族ポリエーテル単位からなる重合体セグメント
(b)とを主な構成成分とするポリエーテルエステルブ
ロック共重合体(A)(以下、「共重合体(A)」と記
す)と、該重合体100重量部あたり、ジチオカルバミ
ン酸塩系酸化防止剤(B)0.01〜5重量部と、ヒン
ダードフェノール系酸化防止剤(C)0.01〜5重量
部とイオウ系酸化防止剤(D)0.01〜5重量部およ
び/またはリン系酸化防止剤(E)0.01〜5重量部
とを配合してなるポリエステル系エラストマー組成物。
Description
なポリエステル系エラストマー組成物に関するものであ
る。
晶性芳香族ポリエステル単位をハードセグメントとし、
ポリ(アルキレンオキシド)グリコール単位等の脂肪族
ポリエーテル単位をソフトセグメントとするポリエーテ
ルエステルブロック共重合体は、押出成形性、射出成形
性に優れ、機械的強度が高く、耐衝撃性、弾性回復性、
柔軟性などのゴム的性質、低温および高温特性、常温で
の耐油性などに優れ、更に熱可塑性を有していて成形加
工が容易であるため、自動車部品、電気・電子部品、繊
維及びフィルム等に広く用いられている。
ック共重合体は、上記のような優れた特性を有する反
面、高温での耐油性が不十分で、強度や伸びの経時的な
劣化が著しいため、高温の油と長時間接触する用途への
適用は困難であった。また、ポリエーテルエステルブロ
ック共重合体は、酸化劣化を受けやすいため、耐熱老化
性が劣り、高温雰囲気で使用した場合に、比較的短時間
で強度や伸びが低下したり、成形品の表面に亀裂が発生
して外観が悪化したりするという欠点があり、高温や酸
化雰囲気下では使用に制限を受けていた。
共重合体の耐油性や耐熱老化性の欠点を、酸化防止剤の
選択や併用によって改良する試みが、従来から数多くな
されている。(例えば、特公昭46−38911号公
報、特開昭48−89955号公報、特開昭58−23
848号公報、特開平2−173059号公報など。)
特に、特開平11−323109号公報には、ポリエー
テルエステルブロック共重合体に芳香族アミン系酸化防
止剤と、ヒンダードフェノール系酸化防止剤とイオウ系
酸化防止剤および/またはリン系酸化防止剤とを配合し
た、ポリエーテルエステルブロック共重合体の耐油性、
耐グリース性及び耐熱エージング性を改良した樹脂組成
物が提案されている。しかしながら、高温用のCVJブ
ーツの材料、特にエンジン側のCVJブーツの材料とし
て、140℃の耐熱老化性を要求される場合には、上記
の組成物では依然として性能が不十分な場合があった。
技術を更に改良し、特に優れた耐熱老化性を有してい
て、CVJブーツ用として140℃での耐熱老化性を維
持できるポリエステル系エラストマー組成物の提供を目
的としている。
的を達成するために、ポリエステル系エラストマー組成
物に配合すべき助剤を広く検討した結果、ジチオカルバ
ミン酸塩系酸化防止剤を他の数種の酸化防止剤と併用す
ることにより、優れた効果が得られることを見出し、本
発明を完成した。
香族ポリエステル単位からなる結晶性重合体セグメント
(a)と、主として脂肪族ポリエーテル単位からなる重
合体セグメント(b)とを主な構成成分とするポリエー
テルエステルブロック共重合体(A)(以下、「共重合
体(A)」と記す)と、該重合体100重量部あたり、
ジチオカルバミン酸塩系酸化防止剤(B)0.01〜5
重量部と、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(C)
0.01〜5重量部とイオウ系酸化防止剤(D)0.0
1〜5重量部および/またはリン系酸化防止剤(E)
0.01〜5重量部とを配合してなるポリエステル系エ
ラストマー組成物、に存している。
0重量部あたり、更にスチレン系エラストマー(F)1
0〜100重量部を配合してなる前記のポリエステル系
エラストマー組成物にも存している。更に、本発明の要
旨は、共重合体(A)の構成成分である結晶性重合体セ
グメント(a)がポリブチレンテレフタレート単位で構
成される前記ポリエステル系エラストマー組成物、重合
体セグメント(b)が主としてポリテトラメチレンエー
テルグリコール単位で構成される前記ポリエステル系エ
ラストマー組成物にも存している。
成成分である重合体セグメント(b)の共重合体(A)
中の含有量が10〜80重量%である上記のポリエステ
ル系エラストマー組成物、及び共重合体(A)の融点が
180℃以上である上記のポリエステル系エラストマー
組成物にも存している。本発明の他の要旨は、ジチオカ
ルバミン酸塩系酸化防止剤(B)がジアルキルジチオカ
ルバミン酸塩化合物である上述のポリエステル系エラス
トマー組成物にも存している。
る。 (1)ポリエーテルエステルブロック共重合体(A) 本発明に用いられるポリエーテルエステルブロック共重
合体(A)の結晶性重合体セグメント(a)は、芳香族
ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と脂肪族
ジオールとから形成される結晶性芳香族ポリエステルか
らなる単位であり、好ましくはテレフタル酸およびまた
はジメチルテレフタレートと1,4−ブタンジオールと
から誘導されるポリブチレンテレフタレート単位である
が、この他にテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、
ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,
7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン
酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−スルホイソ
フタル酸、あるいはこれらのエステル形成性誘導体など
のジカルボン酸成分と、分子量300以下のジオール、
例えば1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、
トリメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、
ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、
デカメチレングリコールなどの脂肪族ジオール、1,4
−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメ
チロールなどの脂環式ジオール、キシリレングリコー
ル、ビス(p−ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2
−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ビス[4
−(2−ヒドロキシ)フェニル]スルホン、1,1−ビ
ス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロ
ヘキサン、4,4’−ジヒドロキシ−p−ターフェニ
ル、4,4’−ジヒドロキシ−トリフェニルベンゼンな
どの芳香族ジオールなどから誘導されるポリエステル単
位、あるいはこれらのジカルボン酸成分およびジオール
成分を2種以上併用した共重合ポリエステル単位であっ
ても良い。また、3官能以上の多官能カルボン酸成分、
多官能オキシ酸成分および多官能ヒドロキシ成分などを
5モル%以下の範囲で共重合することも可能である。
共重合体(A)の重合体セグメント(b)は、脂肪族ポ
リエーテルを主な構成成分とする単位である。脂肪族ポ
リエーテルの具体例としては、ポリエチレンエーテルグ
リコール、ポリプロピレンエーテルグリコール、ポリテ
トラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレン
エーテルグリコール、エチレンオキシドとプロピレンオ
キシドの共重合体、ポリプロピレンエーテルグリコール
のエチレンオキシド付加重合体、エチレンオキシドとテ
トラヒドロフランの共重合体などが挙げられる。
リテトラメチレンエーテルグリコールが、得られるポリ
エステルブロック共重合体の弾性特性が良好であるので
好ましい。また、この重合体セグメント(b)の数平均
分子量は、共重合された状態において300〜6000
程度であることが好ましい。
セグメント(b)の含有量は、10〜80重量%である
のが好ましく、15〜75重量%であるのが特に好まし
い。この含有量が10重量%未満では、得られる組成物
が硬くなる傾向となり、一方80重量%を超えて含まれ
ると、組成物が柔軟になり過ぎて物性が発現しないこと
がある。
ブロック共重合体(A)は特に限定されることなく、通
常用いられる方法で製造することができる。例えば、ジ
カルボン酸の低級アルコールジエステル、過剰量の低分
子量グリコール及び重合体セグメント(b)を構成する
成分を、触媒の存在下でエステル交換反応させ、得られ
る反応生成物を重縮合する方法、ジカルボン酸と過剰量
のグリコール及び重合体セグメント(b)を構成する成
分を触媒の存在下でエステル化反応させ、得られる反応
生成物を重縮合する方法、及び予め調製された結晶性セ
グメント(a)に重合体セグメント成分(b)を添加し
てエステル交換反応させてランダム化する方法など、い
ずれの方法も用いられる。
物に用いられる成分の一つであるジチオカルバミン酸塩
系酸化防止剤(B)としては、ジアルキルジチオカルバ
ミン酸の金属塩が好ましく、中でもジアルキルジチオカ
ルバミン酸ニッケルが好ましく、特にジブチルジチオカ
ルバミン酸ニッケルが、耐熱老化性の改良効果が大きい
ので好ましい。
物に用いられる成分の一つであるヒンダードフェノール
系酸化防止剤(C)の具体例としては、2,4−ジメチ
ル−6−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチ
ルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾー
ル、ヒドロキシメチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノ
ール、2,6−ジ−t−α−ジメチルアミノ−p−クレ
ゾール、2,5−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノー
ル、、4,4’−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノ
ール)、2,2’−メチレン−ビス−4−メチル−6−
t−ブチルフェノール、2,2’−メチレン−ビス(4
−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−メ
チレン−ビス(6−t−ブチル−o−クレゾール)、
4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフ
ェノール)、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−
6−シクロヘキシルフェノール)、4,4’−ブチリデ
ン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
4,4’−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェ
ノール)、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t
−ブチルベンジル)スルフィド、4,4’−チオビス
(6−t−ブチル−o−クレゾール)、2,2’−チオ
ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,
6−ビス(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’
−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸ジ
エチルエステル、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−
ジ(α−メチルシクロヘキシル)−5,5’−ジメチル
−ジフェニルメタン、α−オクタデシル−3(3’,
5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート、6−(ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブ
チルアニリノ)−2,4−ビス−オクチル−チオ−1,
3,5−トリアジン、ヘキサメチレングリコール−ビス
[β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ノール)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレン
−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒド
ロ桂皮酸アミド)、2,2−チオ[ジエチル−ビス−3
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシベンゼンホスホン酸ジオクタデシルエステル、テ
トラキス[メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,
3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−ジ−t−ブチルフェニル)ブタン、トリス(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌ
レート、トリス[β−(3,5−ジ−t−ブチル−4ヒ
ドロキシフェニル)プロピオニル−オキシエチル]イソ
シアヌレート等が挙げられる。
−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート]メタンのような分子量が500以
上のものの使用が好ましい。本発明のポリエステル系エ
ラストマー組成物に用いられる成分の一つのイオウ系酸
化防止剤(D)とは、チオエーテル系、ジチオ酸塩系、
メルカプトベンズイミダゾール系、チオカルバニリド
系、およびチオジプロピオンエステル系などのイオウを
含む化合物である。但し、上記のジチオカルバミン酸塩
系酸化防止剤(B)に相当するものは含まない。
ステル系化合物が好ましい。本発明のポリエステル系エ
ラストマー組成物に用いられる成分の一つのリン系酸化
防止剤(E)とは、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸誘導
体、フェニルホスホン酸、ポリホスホネート、ジアルキ
ルペンタエリスリトールジホスファイト、およびジアル
キルビスフェノールAジホスファイトなどのリンを含む
化合物である。
にイオウ原子も有する化合物、あるいは分子中に2つ以
上のリン原子を有する化合物の使用が好ましい。本発明
のポリエステル系エラストマー組成物への酸化防止剤
(B)〜(E)の配合量は、いずれもポリエーテルエス
テルブロック共重合体(A)100重量部あたり、0.
01〜5重量部である。この含有量が0.01重量部未
満では、耐熱老化性の改良効果が不十分であり、一方5
重量部を超えて使用しても、添加量の増加に見合う効果
は得られず経済的でないだけでなく、ブリード等の問題
を起こしたり、組成物の機械的強度が低下したりするこ
とがあり、好ましくない。
部、特に好ましくは0.1〜1.5重量部である。な
お、上記の酸化防止剤(B)〜(E)は、(B)〜
(E)の4種類、又は(B)、(C)、(D)もしくは
(B)、(C)、(E)の各3種類を組み合わせて配合
することが必要であり、これらの組合わせから1成分で
も欠いた場合には、目的の改良効果を得ることができな
い。
物に、スチレン系エラストマー(F)をポリエーテルエ
ステルブロック共重合体(A)100重量部あたり、5
〜100重量部配合すると、柔軟性・弾性が改良される
ので好ましい。この配合量が5重量部未満では、添加に
よる効果が不十分であり、一方100重量部を超えると
耐熱性が不足する傾向となる。
とは、ポリスチレンからなるブロックとブタジエン、イ
ソプレン、イソブテン等の炭素原子数3〜8のモノオレ
フィン、ジオレフィンの少なくとも一種を構成単位とす
る重合体ブロックからなる、ブロック重合体及びその水
素添加物を言い、いわゆるSEBS系ブロック重合体、
SIBS系ブロック共重合体、SEEPS系ブロック共
重合体やその水素添加物等が例示できる。
物には、上記び酸化防止剤(B)〜(E)及びスチレン
系エラストマー(F)に加えて、本発明の目的を損なわ
ない範囲で種々の添加剤を添加することができる。例え
ば結晶核剤や滑剤などの成形助剤、紫外線吸収剤やヒン
ダードアミン系化合物である光安定剤、耐加水分解改良
剤、顔料や染料などの着色剤、帯電防止剤、導電剤、難
燃剤、補強剤、充填剤、可塑剤、離型剤などを含有する
ことができる。
物の製造方法は、特に限定されるものではないが、例え
ば、ポリエーテルエステルブロック共重合体に所定の酸
化防止剤を配合した原料、あるいはポリエーテルエステ
ルブロック共重合体に所定の酸化防止剤とスチレン系エ
ラストマーを配合した原料を、スクリュー型押出機に供
給し溶融混練する方法、またスクリュー型押出機に、ま
ずポリエーテルエステルブロック共重合体を供給して溶
融し、さらに他の供給口より酸化防止剤や他の配合物を
供給して混練し、さらに他の供給口よりスチレン系エラ
ストマーを供給混練する方法などを、配合剤の量やその
種類に応じて適宜採用することができる。
テル系エラストマー組成物は、初期の物性が優れている
だけでなく、高温(140℃)雰囲気下での機械物性の
保持率も良好で、優れた耐熱老化性を示す。このような
特徴を活かして、本発明のポリエステル系エラストマー
組成物は、自動車部品、電気・電子部品、繊維およびフ
ィルムなどの分野に好適に使用でき、特に高温用(14
0℃耐熱)CVJブーツ用として極めて有用である。
を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない
限り、以下の実施例によって限定されるものではない。 <構成成分>ポリエーテルエステルブロック共重合体(“A”を付し
た記号で示す) A−1;ポリブチレンテレフタレートを結晶性重合体セ
グメント(a)とし、重量平均分子量1000のポリテ
トラメチレンエーテルグリコールを重合体セグメント
(b)とするポリエステルポリエーテルブロック共重合
体であって、ポリテトラメチレンエーテルグリコールの
含有量が20重量%のポリエステル系熱可塑性エラスト
マー(曲げ弾性率:410MPa、密度:1.24g/
cm3 、示差走査熱量計による融解ピーク温度:217
℃、JIS−D硬度:65、MFR(230℃、2.1
6kg荷重):22g/10分)。
晶性重合体セグメント(a)とし、重量平均分子量15
00のポリテトラメチレンエーテルグリコールを重合体
セグメント(b)とするポリエステルポリエーテルブロ
ック共重合体であって、該ポリテトラメチレンエーテル
グリコールの含有量が45重量%のポリエステル系熱可
塑性エラストマー(曲げ弾性率:150MPa、密度:
1.17g/cm3 、示差走査熱量計による融解ピーク
温度:202℃、JIS−D硬度:49、MFR(23
0℃、2.16kg荷重):10g/10分)。
晶性重合体セグメント(a)とし、重量平均分子量20
00のポリテトラメチレンエーテルグリコールを重合体
セグメント(b)とするポリエステルポリエーテルブロ
ック共重合体であって、ポリテトラメチレンエーテルグ
リコールの含有量が65重量%のポリエステル系熱可塑
性エラストマー(曲げ弾性率:35MPa、密度:1.
09g/cm3 、示差走査熱量計による融解ピーク温
度:184℃、JIS−D硬度:33、MFR(230
℃、2.16kg荷重):25g/10分)。ジチオカルバミン酸塩系酸化防止剤(“B”を付した記
号で示す) B−1;ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル
(“C”を付した記号で示す) C−1;テトラキス〔メチレン−3(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メ
タン
4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジル)ベンゼン
で示す) D−1;ペンタエリスリチル−テトラキス(3−ラウリ
ルチオプロピオネート) (H25C12-S-CH2CH2COOCH2)4Cリン系酸化防止剤(“E”を付した記号で示す) E−1;トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホ
スファイト
記号で示す) F−1;スチレンーブタジエンースチレンブロック共重
合体の水素添加物(スチレン含有量:32重量%、重量
平均分子量:246,000、ブタジエンブロックの
1,2−ビニル結合含有量:37重量%、水素添加率:
98%以上、シェルジャパン株式会社製「クレイトンG
1651」)100重量部に対して、パラフィン系オイ
ル(40℃動粘度:381.6cSt、重量平均分子
量:746、出光興産株式会社製「ダイアナプロセスオ
イルPW380」)50重量部、及びポリプロピレン樹
脂(曲げ弾性率:1,400MPa、密度:0.90〜
0.91g/cm3、日本ポリケム株式会社製「ノバテ
ックPP MA2P」)15重量部を添加した上、この
配合物の合計量100重量部として、これにフェノール
系酸化防止剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式
会社製「イルガノックス1010」)を0.05重量部
添加して、ヘンシェルミキサーを用いて2分間常温にて
均一混合した。この混合物を、圧縮比L/D=30、シ
リンダー径:44mmの二軸押出機を用いて設定温度2
20℃の条件で溶融混練してスチレン系エラストマー
(JIS−A硬度:60)を得た。芳香族アミン系酸化防止剤(“G”を付した記号で示
す) G−1;4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)
ジフェニルアミン
に示す組成比にて各成分を配合し、ヘンシェルミキサー
を用いて2分間常温にて均一混合した。この混合物に、
混合物100重量部あたりヒンダードアミン系光安定剤
(ビス−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ルセバケート、三共株式会社製「サノールLS77
0」)0.2重量部を添加した上で、シリンダー径:4
4mm、圧縮比L/D=30の二軸押出機を用いて22
0℃で溶融混練してポリエステル系エラストマー組成物
のペレットを製造した。得られたペレットを100℃で
3時間乾燥した後、インラインスクリュータイプ射出成
型機(東芝機械株式会社製「IS130GN−5A」)
を用いて、射出圧力600kg/cm2、射出温度22
0℃、金型温度30℃にて、幅120mm×長さ80m
m×厚み2mmのシートを作成した。以下の方法に従っ
て、ペレット及び射出成形シートの評価を実施した。結
果は表1及び表2にまとめて示す。
2.16kg荷重)を測定した。柔軟性 JIS−K−6301に準拠してJIS−A硬度を、J
IS−K−7215に準拠してD硬度を測定した。
6301に準拠して引張強さと引張伸びを測定した。140℃耐熱老化性 得られたシートから引張試験片を作成し、140℃のギ
アー・オーブン中で500時間暴露した後に、JIS−
K−6301に準拠して引張強さと引張伸びを測定し、
引張強さと引張伸びの保持率を計算した。
用いた比較例1、7、9は、140℃での熱老化試験後
は、著しく劣化が進んでいる。 (2)(B)成分を加えない比較例では、対応する実施
例(例えば比較例2→実施例1、比較例8→実施例7、
比較例10→実施例9)と比べて、140℃での熱老化
試験後の引張強さ、引張伸びの保持率が大きく劣ってい
る。 (3)(C)成分、(D)成分を含まない比較例4、5
では、やはり対応する実施例1〜3と比べて、同様に熱
老化試験後の物性の低下が見られる。 (4)(B)成分に代えて、(G)成分を用いた比較例
6でも、対応する実施例1と比べて、20%程物性の保
持率が劣っている。
成物は、ポリエーテルエステルブロック共重合体に、ジ
チオカルバミン酸塩系酸化防止剤と、ヒンダードフェノ
ール系酸化防止剤と、イオウ系酸化防止剤および/また
はリン系酸化防止剤とを組み合わせて配合したことによ
り、140℃における耐熱老化試験後の物性の保持率が
極めて良好である。
Claims (7)
- 【請求項1】 主として結晶性芳香族ポリエステル単位
からなる結晶性重合体セグメント(a)と、主として脂
肪族ポリエーテル単位からなる重合体セグメント(b)
とを主な構成成分とするポリエーテルエステルブロック
共重合体(A)(以下、「共重合体(A)」と記す)
と、該重合体100重量部あたり、ジチオカルバミン酸
塩系酸化防止剤(B)0.01〜5重量部と、ヒンダー
ドフェノール系酸化防止剤(C)0.01〜5重量部と
イオウ系酸化防止剤(D)0.01〜5重量部および/
またはリン系酸化防止剤(E)0.01〜5重量部とを
配合してなるポリエステル系エラストマー組成物。 - 【請求項2】 共重合体(A)100重量部あたり、更
にスチレン系エラストマー(F)10〜100重量部を
配合してなる請求項1に記載のポリエステル系エラスト
マー組成物。 - 【請求項3】 共重合体(A)の構成成分である結晶性
重合体セグメント(a)がポリブチレンテレフタレート
単位で構成される請求項1又は2に記載のポリエステル
系エラストマー組成物。 - 【請求項4】 共重合体(A)の構成成分である重合体
セグメント(b)が主としてポリテトラメチレンエーテ
ルグリコール単位で構成される請求項1〜3のいずれか
1項に記載のポリエステル系エラストマー組成物。 - 【請求項5】 共重合体(A)の構成成分である重合体
セグメント(b)の共重合体(A)中の含有量が10〜
80重量%である請求項1〜4のいずれか1項に記載の
ポリエステル系エラストマー組成物。 - 【請求項6】 共重合体(A)の融点が180℃以上で
ある請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリエステル
系エラストマー組成物。 - 【請求項7】 ジチオカルバミン酸塩系酸化防止剤
(B)がジアルキルジチオカルバミン酸塩化合物である
請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリエステル系エ
ラストマー組成物。
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JP2016006159A (ja) * | 2014-05-27 | 2016-01-14 | 三菱化学株式会社 | 熱可塑性エラストマー組成物、成形体及び建材 |
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