JP2001206896A - 2−アミノプリン誘導体 - Google Patents

2−アミノプリン誘導体

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JP2001206896A
JP2001206896A JP2000267330A JP2000267330A JP2001206896A JP 2001206896 A JP2001206896 A JP 2001206896A JP 2000267330 A JP2000267330 A JP 2000267330A JP 2000267330 A JP2000267330 A JP 2000267330A JP 2001206896 A JP2001206896 A JP 2001206896A
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JP2000267330A
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English (en)
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Shigeki Sasaki
茂貴 佐々木
Chikashi Nagatsugi
史 永次
Takeshi Kawasaki
猛 河崎
Daisaku Usui
大索 臼井
Minoru Maeda
稔 前田
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Hisamitsu Pharmaceutical Co Inc
Original Assignee
Hisamitsu Pharmaceutical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 標的核酸に対して高い反応性と高い塩基配列
特異性を同時に有する反応性基を開発し、それをオリゴ
ヌクレオチドに導入することにより標的核酸の塩基配列
に対して特異的な架橋反応を可能とするようなオリゴヌ
クレオチド前駆体として機能する2−アミノプリン誘導
体を提供すること。 【解決手段】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1は水素原子またはアシル基を表し、Xはホ
スホロアミダイト基またはオリゴヌクレオチドを表し、
Yはジメチルトリチル基またはオリゴヌクレオチドを表
し、nは0〜2の整数を表す。)で表される2−アミノ
プリン誘導体及び該誘導体を含むことを特徴とする遺伝
子発現制御用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、標的となる塩基配
列に対して特異的に反応性を有する核酸誘導体とその誘
導体を含む遺伝子発現制御用組成物に関する。より詳し
くは、標的となる塩基配列と特異的な複合体を形成する
ことにより架橋反応が惹起される核酸誘導体と、その誘
導体を含むことにより遺伝子の特異的な発現制御を可能
とする遺伝子発現制御用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、比較的低分子の核酸であるオリゴ
ヌクレオチドを薬物として用いる研究が急速に進展して
いる。中でも、mRNAと相補的な2重鎖を形成するこ
とにより遺伝子情報の翻訳を阻害するアンチセンス、染
色体中の遺伝子配列と相補的な3重鎖を形成することに
より遺伝子情報の転写を阻害するトリプレックス(TF
O)が注目を集めている。しかしながら、これらのオリ
ゴヌクレオチド薬物の標的核酸の塩基配列に対して特異
的な結合は、塩基間の水素結合によって生じているため
に必ずしも強固なものではなく、比較的解離しやすいこ
とが知られている。そのためオリゴヌクレオチドを薬物
として利用するためには、標的核酸とより強固な結合を
形成することが可能な新規のオリゴヌクレオチド薬物の
開発が強く望まれている。
【0003】また最近では、塩基配列に対して特異的な
架橋反応により、遺伝子配列への点変異導入の可能性が
示され(Woolf, T. et al. Nature Biotech. 1998, 16,
341)、その応用にも注目が集まっている。そのため、
オリゴヌクレオチドに反応性基を導入し、標的核酸の塩
基配列に対して特異的な架橋反応を目指した報告が数多
くなされている。代表的な反応性基としては、ハロアセ
チルアミド(Grant, K. et al. Biochemistry 1996, 6
5, 12313)、アジリジン(Shaw, J. et al. J.Am. Che
m. Soc. 1991, 113, 7765)、ソラレン誘導体(Chang,
E. et al. Biochemistry 1991, 30, 8283)等が挙げら
れ、これらについて検討がなされてきた。しかしなが
ら、これらの反応性基では非特異的な結合が形成されや
すく、真に標的核酸の塩基配列に特異的な架橋反応を達
成することはできなかった。
【0004】本発明者らは、上記問題を解決するため
に、2−アミノ−6−ビニルプリン構造がシチジンと塩
基配列に対して特異的に架橋反応をすることを見い出し
た(Nagatsugi, F. et al. Tetrahedron 1997, 53, 303
5)。しかし、この2−アミノ−6−ビニルプリン構造
は、反応性が極めて高く、生体内においては非特異的な
結合を形成するため、使用に適するものではないという
問題があった。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来
技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、標的核
酸に対して高い反応性と高い塩基配列特異性を同時に有
する反応性基を開発し、それをオリゴヌクレオチドに導
入することにより標的核酸の塩基配列に対して特異的な
架橋反応を可能とするようなオリゴヌクレオチド前駆体
として機能する2−アミノプリン誘導体を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、2−アミノ−6−
ビニルプリンのビニル基をスルフィド誘導体及びスルフ
ォン誘導体化することが極めて有用であることを見い出
した。
【0007】すなわち、本発明は、一般式(1)
【化3】 (式中、R1は水素原子またはアシル基を表し、Xはホ
スホロアミダイト基またはオリゴヌクレオチドを表し、
Yはジメチルトリチル基またはオリゴヌクレオチドを表
し、nは0〜2の整数を表す。)で表される2−アミノ
プリン誘導体及び前記2−アミノプリン誘導体を含む遺
伝子発現制御用組成物を提供する。
【0008】さらに、本発明は、2−アミノ−6−ビニ
ルプリン誘導体から上記2−アミノプリン誘導体を製造
する方法を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を更に詳細に説明
する。
【0010】本発明の誘導体は、相補的な構造を有する
シチジンと水素結合による複合体を形成する際に効率よ
く架橋反応が進行する2−アミノプリン誘導体である。
【0011】詳細には、本発明の反応性核酸は、2−ア
ミノプリン誘導体としての構造を有しており、一般式
(1)
【化4】 (式中、R1は水素原子またはアシル基を表し、Xはホ
スホロアミダイト基またはオリゴヌクレオチドを表し、
Yはジメチルトリチル基またはオリゴヌクレオチドを表
し、nは0〜2の整数を表す。)で表される2−アミノ
プリン誘導体である。
【0012】先ず、本発明の2−アミノプリン誘導体の
構造を有する化合物について説明する。
【0013】上記一般式(1)において、R1は水素原
子またはアシル基を表す。ここで、アシル基としては、
例えば、アセチル基、フェノキシアセチル基、ホルミル
基、プロピオニル基、ベンゾイル基またはベンジルオキ
シカルボニル基が挙げられる。この場合、上記一般式
(1)におけるR1としては、水素原子またはフェノキ
シアセチル基であることが好ましい。
【0014】また、上記一般式(1)において、Xはホ
スホロアミダイト基またはオリゴヌクレオチドを表す。
ここで、オリゴヌクレオチドとしては、その塩基配列及
び塩基数には特に制限はなく、架橋反応の標的とする塩
基配列に対して相補的になるように任意に設定すればよ
い。しかしながら、標的核酸とハイブリダイズすること
が可能な塩基数であることが好ましく、具体的には、5
〜10000塩基であることが好ましく、10〜100
塩基であることがより好ましい。塩基数が上記下限より
少ない場合には標的核酸とのハイブリダイゼーションの
効率が低下する傾向にあり、塩基数が上記上限より多い
場合には非特異的な核酸とハイブリダイゼーションしや
すい傾向にある。
【0015】さらに、上記一般式(1)において、Yは
ジメチルトリチル基またはオリゴヌクレオチドを表す。
ここで、オリゴヌクレオチドとしては、その塩基配列及
び塩基数には特に制限はなく、架橋反応の標的とする塩
基配列に対して相補的な塩基配列及び塩基数を有するよ
うに任意に設定すればよい。しかしながら、標的核酸と
ハイブリダイズすることが可能な塩基数であることが好
ましく、具体的には、5〜10000塩基であることが
好ましく、10〜100塩基であることがより好まし
い。塩基数が上記下限より少ない場合には標的核酸との
ハイブリダイゼーションの効率が低下する傾向にあり、
塩基数が上記上限より多い場合には非特異的な核酸とハ
イブリダイゼーションしやすい傾向にある。
【0016】上記一般式(1)において、XまたはYが
オリゴヌクレオチドである場合に、前記オリゴヌクレオ
チドに結合する2−アミノプリン誘導体の数に特に制限
はないが、少なくとも1以上であり該オリゴヌクレオチ
ドの全塩基数から1を差し引いた数以下であることが好
ましい。
【0017】また、上記一般式(1)において、Xまた
はYがオリゴヌクレオチドである場合に、前記オリゴヌ
クレオチドの塩基配列に特に制限はないが、前記オリゴ
ヌクレオチドの塩基配列に対し相補的な塩基配列と2重
鎖または3重鎖を形成する機能を有するものが好まし
い。
【0018】また、前記オリゴヌクレオチドが相補的塩
基配列と2重鎖または3重鎖を形成する際に標的となる
相補的な塩基配列中にシチジン構造を有することが好ま
しい。すなわち、前記オリゴヌクレオチド中の2−アミ
ノ−6−ビニルプリン構造が前記シチジン構造と特異的
な架橋反応を示しやすい傾向にあるため、生体内物質に
対し非特異的な反応を示すことなく、標的となる相補的
塩基配列に対し前記オリゴヌクレオチドが結合可能とな
る。この場合、標的となる塩基配列中のシチジン構造の
位置が、2−アミノプリン誘導体の位置と相補的に一致
することがより好ましい。
【0019】さらに、前記塩基配列が何らかの遺伝子を
コードしていることが好ましい。前記塩基配列が何らか
の遺伝子をコードしていることにより、本発明の2−ア
ミノプリン誘導体を含むオリゴヌクレオチドが前記遺伝
子に結合することが可能となり、その遺伝子の発現を抑
制することが可能となる。
【0020】また、上記一般式(1)において、nは0
〜2の整数を表す。前記nは、本発明の2−アミノプリ
ンが有するスルフィド基またはスルフォン基が有する酸
素原子の数である。
【0021】次に、本発明の遺伝子発現制御用組成物に
ついて説明する。
【0022】本発明の遺伝子発現制御用組成物は、上記
一般式(1)で表される2−アミノプリン誘導体を含む
ものであり、一般式(1)の化合物において、X及び/
またはYとしてオリゴヌクレオチドを含むことが好まし
い。
【0023】また、本発明の2−アミノプリン誘導体を
含む遺伝子発現制御用組成物において、上記一般式
(1)で表される化合物に薬理学的に許容できる塩が付
加されていてもよい。さらに、前記遺伝子発現制御用組
成物にはオリゴヌクレオチド用運搬体が含有されていて
もよい。
【0024】ここで、薬理学的に許容される塩とは、そ
の投与によって生体の機能が影響を受けない塩のことで
あり、従来より公知の酸または塩基を上記一般式(1)
で表される化合物に付加することによって得られるもの
である。薬理上許容される酸付加塩としては、具体的に
は、塩酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、
乳酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、p−トル
エンスルホン酸塩等の有機酸塩等が挙げられる。また、
薬理上許容される塩基付加塩としては、具体的には、ナ
トリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アルミニウム
塩、アンモニウム塩等の無機塩、有機アミン塩等が挙げ
られる。
【0025】また、オリゴヌクレオチド用運搬体として
は、例えば、カチオン性のタンパク質またはペプチド、
カチオン性の合成高分子、カチオン性のリポソーム、カ
チオン性のエマルション及びカチオン性の脂質が挙げら
れる。
【0026】このようにして合成された2−アミノプリ
ン誘導体含有オリゴヌクレオチドを含む遺伝子発現制御
用組成物の利用法としては、例えば、培養細胞系に導入
または投与することにより任意の遺伝子の発現を制御す
ることが可能となり、その結果、その遺伝子の機能に関
する発現または転写の制御等についての基礎的な検討を
可能とすることが挙げられる。また、前記遺伝子発現制
御用組成物の医薬としての利用法としては、例えば、生
体に直接投与することにより任意の遺伝子の発現を制御
することを可能とすることが挙げられ、その結果、その
遺伝子の発現の異常または発現量の変化等が原因となっ
て発症する疾患の遺伝子の発現異常を正常化することが
可能となる。
【0027】次に、本発明の2−アミノプリン誘導体の
製造方法について説明する。
【0028】本発明の2−アミノプリン誘導体の製造方
法は、一般式(2)
【化5】 (式中、R2、R3は同一または異なっていてもよく、シ
リル基を表し、R4は水素原子またはアシル基を表
す。)で表される2−アミノ−6−ビニルプリン誘導体
のビニル基にチオール基、スルフィニル基、スルホニル
基からなる群より選ばれるいずれか一つを導入する第1
の工程と、前記第1の工程で得られた化合物のR2にト
リチル基を導入し、R3にホスホロアミダイト基を導入
する第2の工程と、を含むことを特徴とするものであ
る。
【0029】なお、上記一般式(2)におけるR2及び
3は置換基を有していても有していなくてもよく、具
体的には、例えば、tert−butyldimeth
ylsilyl基が挙げられる。また、上記一般式
(2)におけるR4のアシル基としては、例えば、アセ
チル基、フェノキシアセチル基、ホルミル基、プロピオ
ニル基、ベンゾイル基またはベンジルオキシカルボニル
基が挙げられる。この場合、上記一般式(2)における
4としては、水素原子またはフェノキシアセチル基で
あることが好ましい。
【0030】前記2−アミノ−6−プリン誘導体のビニ
ル基にチオール基、スルフィニル基、スルホニル基から
なる群より選ばれるいずれか一つを導入するには、例え
ば、2−アミノ−6−プリン誘導体を溶解した溶液にチ
オフェノールを添加し攪拌すればよい。前記製造方法に
おける反応温度には特に制限はなく、室温で行えばよ
い。室温で反応させる場合においては、30分間〜3時
間程度攪拌することが好ましい。
【0031】また、上記一般式(2)で表される化合物
のR2にトリチル基を導入するには、例えば、本発明に
かかる第1の工程で得られた化合物とDimethox
ytrityl chlorideをピリジンに溶解
し、モレキュラーシーブ存在下で攪拌すればよい。この
ときの反応温度と反応時間には特に制限はないが、0℃
で30分間〜3時間程度攪拌することが好ましい。この
ようにして上記一般式(2)で表される化合物のトリチ
ル化化合物が得られる。
【0032】さらに、上記一般式(2)で表される化合
物のR3にホスホロアミダイト基を導入するには、例え
ば、前記トリチル化化合物をジクロロメタンに溶解した
溶液に2−Cyanoehyl N,N−diisop
ropylchlorophosphoamidite
を添加して混合すればよい。このときの反応温度と反応
時間には特に制限はないが、0℃で30分間〜3時間程
度攪拌することが好ましい。
【0033】このようにして得られた化合物は、上記一
般式(1)におけるXがホスホロアミダイト基であり、
Yがジメチルトリチル基である化合物である。
【0034】また、本発明の2−アミノプリン誘導体の
製造方法は、上記の2−アミノプリン誘導体の製造方法
に、アデニン、グアニン、シトシン、チミン及び上記の
2−アミノプリン誘導体の製造方法で得られた化合物か
らなる群より選ばれるアミダイト試薬を所望の塩基配列
になるように順に結合せしめる工程をさらに含んでいて
もよい。
【0035】上記の2−アミノプリン誘導体の製造方法
で得られた化合物は、市販のアデニン、グアニン、シト
シン及びチミンと共にオリゴヌクレオチド合成の材料に
供され、市販のDNA合成機を用いて所望の塩基配列に
なるように連結される。
【0036】こうして得られた化合物は、上記一般式
(1)におけるX及びYの少なくとも一方がオリゴヌク
レオチドである化合物である。
【0037】以下に、本発明の2−アミノプリン誘導体
の製造方法の具体例について説明する。
【0038】上記一般式(I)において、R=フェノキ
シアセチル基、X=ホスホロアミダイト基、Y=ジメチ
ルトリチル基、n=0であるホスホロアミダイト試薬の
場合は、2−Amino−9−(3,5−di−O−t
ert−butyldimethylsilyl−2−
deoxy−D−ribofuranosyl)−6−
vinylpurineより、ビニル基にチオフェノー
ルを導入し、アミノ基をPhenoxyacetyl
chlorideで保護した後に2−deoxy−D−
ribofuranosyl基の3,5位を脱保護し、
3位にトリチル基、5位にホスホロアミダイト基を導入
することにより製造される。これを、例えばホスホロア
ミダイト試薬のカップリング反応を利用したDNA合成
機で用いることにより、オリゴヌクレオチドの任意の位
置に反応性塩基を導入することが可能となる。
【0039】また、上記一般式(I)において、R=水
素原子、X=オリゴヌクレオチド、Y=オリゴヌクレオ
チド、n=0である反応性オリゴヌクレオチドの場合
は、2−Amino−9−(3,5−di−O−ter
t−butyldimethylsilyl−2−de
oxy−D−ribofuranosyl)−6−vi
nylpurineのビニル基にチオフェノールを導入
し、アミノ基をPhenoxyacetyl chlo
rideで保護した後に2−deoxy−D−ribo
furanosyl基の3,5位を脱保護し、3位にト
リチル基、5位にホスホロアミダイト基を導入すること
により製造されるホスホロアミダイト試薬である2−P
henoxyacetylamino−9−[2−de
oxy−5−O−dimethoxytrityl−3
−O−(N,N−diisopropyl−β−cya
noethylphosphoramidyl)−β−
D−ribofuranosyl]−6−(2−phe
nylthioethyl)purineを、ホスホロ
アミダイト試薬のカップリング反応を利用したDNA合
成機でアデニン、グアニン、シトシン、チミンそれぞれ
のアミダイト試薬と同時に用いることにより製造され
る。この際、オリゴヌクレオチドの塩基配列、オリゴヌ
クレオチド中の反応性塩基の数及び位置は、架橋反応の
標的とする塩基配列に対して相補的になるように任意に
設定できる。
【0040】また、上記一般式(I)において、R=水
素原子、X=オリゴヌクレオチド、Y=オリゴヌクレオ
チド、n=1である反応性オリゴヌクレオチドの場合
は、2−Amino−9−(3,5−di−O−ter
t−butyldimethylsilyl−2−de
oxy−D−ribofuranosyl)−6−vi
nylpurineのビニル基にチオフェノールを導入
し、アミノ基をPhenoxyacetyl chlo
rideで保護した後に2−deoxy−D−ribo
furanosyl基の3,5位を脱保護し、3位にト
リチル基、5位にホスホロアミダイト基を導入すること
により製造されるホスホロアミダイト試薬である2−P
henoxyacetylamino−9−[2−de
oxy−5−O−dimethoxytrityl−3
−O−(N,N−diisopropyl−β−cya
noethylphosphoramidyl)−β−
D−ribofuranosyl]−6−(2−phe
nylthioethyl)purineを、ホスホロ
アミダイト試薬のカップリング反応を利用したDNA合
成機でアデニン、グアニン、シトシン、チミンそれぞれ
のアミダイト試薬と同時に用いることにより合成された
オリゴヌクレオチドを、さらに酸化することにより製造
される。この際、オリゴヌクレオチドの塩基配列、オリ
ゴヌクレオチド中の反応性塩基の数及び位置は、架橋反
応の標的とする塩基配列に対して相補的になるように任
意に設定できる。
【0041】さらに、上記一般式(I)において、R=
水素原子、X=オリゴヌクレオチド、Y=オリゴヌクレ
オチド、n=2である反応性オリゴヌクレオチドの場合
は、2−Amino−9−(3,5−di−O−ter
t−butyldimethylsilyl−2−de
oxy−D−ribofuranosyl)−6−vi
nylpurineのビニル基にチオフェノールを導入
し、アミノ基をPhenoxyacetyl chlo
rideで保護した後に2−deoxy−D−ribo
furanosyl基の3,5位を脱保護し、3位にト
リチル基、5位にホスホロアミダイト基を導入すること
により製造されるホスホロアミダイト試薬である2−P
henoxyacetylamino−9−[2−de
oxy−5−O−dimethoxytrityl−3
−O−(N,N−diisopropyl−β−cya
noethylphosphoramidyl)−β−
D−ribofuranosyl]−6−(2−phe
nylthioethyl)purineを、ホスホロ
アミダイト試薬のカップリング反応を利用したDNA合
成機でアデニン、グアニン、シトシン、チミンそれぞれ
のアミダイト試薬と同時に用いることにより合成された
オリゴヌクレオチドを、さらに酸化することにより製造
される。この際、オリゴヌクレオチドの塩基配列、オリ
ゴヌクレオチド中の反応性塩基の数及び位置は、架橋反
応の標的とする塩基配列に対して相補的になるように任
意に設定できる。
【0042】前述のように、2−アミノ−6−ビニルプ
リン誘導体はシチジンと架橋反応をする性質を有する一
方、反応性が極めて高く、生体内においては非特異的な
結合を形成しやすいという欠点があった。しかしなが
ら、2−アミノ−6−ビニルプリン誘導体のビニル基に
スルフィド誘導体またはスルフォン誘導体を導入するこ
とにより標的核酸の塩基配列に特異的な架橋反応をせし
めることが可能となる化合物の製造が可能となる。
【0043】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0044】実施例1 (2−Phenoxyacetylamino−9−
[2−deoxy−5−O−dimethoxytri
tyl−3−O−(N,N−diisopropyl−
β−cyanoethylphosphoramidy
l)−β−D−ribofuranosyl]−6−
(2−phenylthioethyl)purine
(化合物2)の合成)
【0045】5mLのジクロロメタンに、169mg
(0.33mmol)の2−Amino−9−(3,5
−di−O−tert−butyldimethyls
ilyl−2−deoxy−D−ribofurano
syl)−6−vinylpurine(化合物1:Na
gatsugi, F. et al. Tetrahedron 1997, 53, 3035)を
溶解した溶液に、チオフェノール(0.041mL,
0.40mmol)を添加した。室温で1時間撹拌後、
適量のジクロロメタンを添加して5%のNaOH水溶
液、水、飽和食塩水でよく洗浄した。有機相を分取し、
Na2SO4で乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣を、
ヘキサン:酢酸エチル=2:1のシリカゲルカラムで精
製し、淡黄色で油状の2−Amino−9−(3,5−
di−O−tert−butyldimethylsi
lyl−2−deoxy−D−ribofuranos
yl)−6−(2−phenylthioethyl)
purine(158mg,0.26mmol,収率7
8%)を得た。以下に、IR及びNMR等の結果を示
す。 IR(neat)cm-1:3400,1590 1H-NMR(CDCl3)δ:7.97(1H,s),7.41-7.37(2H,m),7.29
-7.13(3H,m),6.33(1H,t,J=6.3Hz),4.92(2H,bs),4.60
(1H,dt,J=5.6,3.3Hz),3.99(1H,dd,J=7.3,3.3Hz),3.86
(1H,dd,J=11.2,4.0Hz),3.70(1H,dd,J=11.2,3.3Hz),3.
48-3.42(2H,m),3.37-3.30(2H,m),2.69-2.65(1H,m),
2.46-2.38(1H,m),0.92(9H,s),0.91(9H,s),0.11(6H,
s),0.08(6H,s) FABMS(m/z):616(M+1)+ HRFABMS calcd for C30H50O3N5Si2S 616.3173,found 6
16.3181。
【0046】アルゴン雰囲気下、1.5mLのアセトニ
トリルとピリジン(1:1)混合溶媒に、478mg
(0.78mmol)の2−Amino−9−(3,5
−di−O−tert−butyldimethyls
ilyl−2−deoxy−D−ribofurano
syl)−6−(2−phenylthioethy
l)purineを溶解した溶液に、4オングストロー
ムのモルキュラーシーブ存在下で1−Hydroxyb
enzotriazole(263mg,1.95mm
ol)を添加した。室温で1時間撹拌後、Phenox
yacetyl chloride(0.27mL,
1.95mmol)を添加し、さらに室温で8時間撹拌
した。その後、適量のクロロホルムを添加して飽和Na
HCO3水溶液、水、飽和食塩水でよく洗浄した。有機
相を分取し、Na2SO4で乾燥後、減圧濃縮した。得ら
れた残渣を、ヘキサン:酢酸エチル=5:1から2:1
のシリカゲルカラムで精製し、淡黄色の2−Pheno
xyacetylamino−9−(3,5−di−O
−tert−butyldimethylsilyl−
2−deoxy−D−ribofuranosyl)−
6−[2−(phenylthio)ethyl]pu
rine(433mg,0.61mmol,収率78
%)を得た。以下に、IR及びNMR等の結果を示す。 IR(neat)cm-1:2920,1710,1600 1H-NMR(CDCl3)δ:8.87(1H,bs),8.25(1H,s),7.41-7.3
2(4H,m),7.29-7.12(3H,m),7.08-7.02(3H,m),6.46(1
H,t,J=6.4Hz),4.79(2H,bs),4.64(1H,Dt,J=3.1,6.2H
z),4.01(1H,q,J=3.4Hz),3.89(1H,dd,J=4.3,11.2Hz),
3.77(1H,dd,J=3.3,11.2Hz),3.53-3.46(4H,m),2.72(1
H,dt,J=4.6,13.1Hz),2.45(1H,ddd,J=3.9,6.2,13.1H
z),0.92(9H,s),0.91(9H,s),0.11(6H,s),0.08(6H,s) FABMS(m/z):750(M+1)+ HRFABMS calcd for C38H56O5N5Si2S 750.3541,found
750.3543。
【0047】上記化合物(462mg,0.84mmo
l)とnBu4NF(1M THF溶液,2.5mL,
2.5mmol)をテトラヒドロフラン(1.0mL)
に溶解し、アルゴン雰囲気下0℃で30分間撹拌した。
減圧濃縮後、得られた残渣にチオフェノール(0.13
mL,1.26mmol)を添加して室温で30分間撹
拌後、クロロホルム:メタノール=100:0から9
5:5のシリカゲルカラムで精製し、淡黄色粉末状の表
記化合物2−Phenoxyacetylamino−
9−(2−deoxy−D−ribofuranosy
l)−6−(2−phenylthioethyl)p
urine(321mg,0.75mmol,収率90
%)を得た。以下に、IR及びNMR等の結果を示す。 IR(nujol)cm-1:3420,1700,1600 1H-NMR(CD3OD)δ:8.56(1H,s),7.36-7.27(5H,m),7.21
-6.96(5H,m),6.50(1H,t,J=6.6Hz),4.96(2H,bs),4.66
(1H,dt,J=3.4,6.6Hz),4.02(1H,q,J=3.7Hz),3.83(1H,d
d,J=3.8,12.0Hz),3.75(1H,dd,J=4.5,12.0Hz),3.57-3.
40(4H,m),2.83(1H,dt,J=6.7,13.4Hz),2.47(1H,ddd,J=
4.0,6.5,13.4Hz) FABMS(m/z):522(M++1) Anal. calcd for C26H27O5N5S:C,59.97;H,5.19;
N,13.35,Found:C,59.86;H,5.22;N,13.43。
【0048】上記の2−Phenoxyacetyla
mino−9−(2−deoxy−D−ribofur
anosyl)−6−(2−phenylthioet
hyl)purine(170mg,0.33mmo
l)とDimethoxytrityl chlori
de(DMTr:140mg,0.41mmol)をピ
リジン(1.5mL)に溶解し、4オングストロームの
モルキュラーシーブ存在下0℃で2時間撹拌した。その
後、適量のクロロホルムを添加して飽和NaHCO3
溶液、飽和食塩水でよく洗浄した。有機相を分取し、N
2SO4で乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣を、ク
ロロホルム:メタノール=100:0から95:5
(0.5%ピロジン)のシリカゲルカラムで精製し、無
色のトリチル化物(240mg,0.29mmol,収
率90%)を得た。以下に、IR及びNMR等の結果を
示す。 IR(nujol)cm-1:3400,1700,1600 1H-NMR(CD3OD)δ:8.38 (1H, s),7.45-6.95(19H,m),
6.72-6.61(4H,m),6.45(1H,dd,J=5.8,6.8Hz),4.87(1H,
dt,J=3.0,6.0Hz),4.71(2H,s),4.13(1H,dd,J=3.3,6.8H
z),3.69(3H,s),3.68(3H,s),3.51-3.21(6H,m),3.04
(1H,dt,J=6.2,13.4Hz),2.49(1H,ddd,J=5.0,6.9,13.9H
z) FABMS(m/z):824(M++1)。
【0049】アルゴン雰囲気下0℃で、上記トリチル化
物(122mg,0.15mmol)とDiisopr
opylethylamine(0.16mL,0.9
mmol)のジクロロメタン(3.0mL)溶液に、2
−Cyanoethyl N,N−diisoprop
ylchlorophosphoamidite(0.
1mL,0.45mmol)を添加し、0℃で30分間
撹拌した。その後、適量のジクロロメタンを添加して飽
和NaHCO3水溶液、飽和食塩水でよく洗浄した。有
機相を分取し、Na2SO4で乾燥後、減圧濃縮した。得
られた残渣を、ヘキサン:酢酸エチル=2:1のシリカ
ゲルカラムで精製し、無色の化合物2(110mg,
0.11mmol,収率72%)を得た。以下に、IR
及びNMR等の結果を示す。また、化合物2の合成経路
について図1に示す。 IR(neat)cm-1:3500,3200,1620 1H-NMR(CDCl3)δ:8.83(1H,b),8.12(1H,s),7.40-7.01
(19H,m),6.76(4H,dd,J=8.9,2.0Hz),6.47(1H,t,J=6,3H
z),4.78(3H,b),4.27-4.26(1H,m),3.75(6H,s),3.90-
3.53(4H,m),3.89-3.81(1H,m),3.79-3.73(1H,m),3.48
(2H,t,J=4.9Hz),3.50-3.46(2H,m),3.37(2H,t,J=4.9H
z),2.63(2H,t,J=6.3Hz),1.18(6H,d,J=6.9Hz),1.11(6
H,d,J=6.9Hz) FABMS(m/z):1024(M++1) HRFABMS calcd for C56H63O8N7SP(M++1) 1024.4196,fo
und 1024.4215。
【0050】実施例2 (反応性オリゴヌクレオチド(化合物3:SPh体)の
合成)オリゴヌクレオチドの合成はCyclon Pl
us DNA−Synthesizer(MilliG
en/Biosearch製)を用い、1.0μmol
スケールで市販のアデニン、グアニン、シトシン、チミ
ンそれぞれのアミダイト試薬と化合物2を用い、定法に
従って行った。合成終了後、オリゴヌクレオチドの5’
末端の保護基は、0.1規定のNaOH水溶液(2.0
mL)を用いて除去した後、直ちに酢酸で中和を行っ
た。オリゴヌクレオチドの精製は、逆相HPLC(ナカ
ライテック COSMOSIL 5C18−MS,10
×250mm)を用い、移動相はアセトニトリル10−
40%濃度勾配の0.1MのTEA緩衝液、流速4.0
mL/minで行った。精製したオリゴヌクレオチド
は、10%酢酸水溶液中にて使用した。以下にマススペ
クトルの結果を示す。また、化合物3の合成経路につい
て図1に示す。MS(m/z):4875.15 (M-1, calcd 4873.8
4)。
【0051】実施例3 (反応性オリゴヌクレオチド(化合物4:SOPh体)
の合成)0.01MのNaOH水溶液でpH10に調整
したMagnesium monoperphthal
ate(以下MMPP)水溶液(660μM)を、化合
物3の水溶液(200μM)に加え、室温で30分間放
置して化合物4を調製し、後述する架橋反応に用いた。
以下にトフマススペクトルの結果を示す。また、化合物
4の合成経路について図1に示す。 TOF MASS to detect MS(m/z):4890.95 (M-1, calcd 48
89.83)。
【0052】実施例4 (反応性オリゴヌクレオチド(化合物5:SO2Ph
体)の合成)0.01MのNaOH水溶液でpH10に
調整したMMPP水溶液(10mM)を、化合物4の水
溶液(170μM)に加え、室温で30分間放置して化
合物4と化合物5の混合物を調製した。混合物はHPL
C(ナカライテック COSMOSIL 5C18−M
S,4.6×25;移動相 A: 0.1 M TEAA, B: CH3CN,
B:10% to 20%/20 min, linear gradient; flow rate, 1
mL/min)で精製し、化合物5(retention time;17.8
min)を得た。以下にマススペクトルの結果を示す。ま
た、化合物5の合成経路について図1に示す。MS(m/
z):4904.17 (M-1, calcd 4905.83)。
【0053】比較例1 (反応性オリゴヌクレオチド(vinyl体)の合成)
0.01MのNaOH水溶液でpH10に調整したMM
PP水溶液(660μM)を、化合物4の水溶液(20
0μM)に加え、室温で30分間放置した。その後、4
規定NaOH水溶液(5μL)を添加して、さらに室温
で30分間放置した。反応液はリン酸緩衝液(0.5M
から1.0M)に対して一晩透析後、HPLC(ナカラ
イテック COSMOSIL 5C18−MS,4.6
×25;移動相 A: 0.1 M TEAA, B: CH3CN, B:10% to 3
0%/20 min, linear gradient; flow rate, 1 mL/min)
で精製し、化合物(比較例1)(retention time;13.0
min)を得た。以下に、マススペクトルの結果を示す。
また、得られた化合物の合成経路について図1に示す。
MS(m/z):4761.10 (M-1, calcd 4763.82)。
【0054】比較例2 (オリゴヌクレオチドの5’末端32P−ラベル化)化合
物3、化合物4、化合物5と相補的塩基配列を有するオ
リゴヌクレオチド(20pM)と[γ-32P]ATP
(ICN;4500Ci/mmol)とT4ポリヌクレ
オチドキナーゼ(宝酒造)の混合溶液を37℃で1時間
反応させた後、0.5MのEDTAとTEN100 b
uffer(100mM NaCl in TE)30μ
Lを加え、60℃で5分間加熱した。5’末端が32P−
ラベルされたオリゴヌクレオチドは、イオン交換カラム
で精製した。
【0055】実施例5 (架橋反応実験(塩基特異的反応性の確認))化合物
3、化合物4、化合物5と相補的塩基配列を有するオリ
ゴヌクレオチドの濃度はUVで測定を行った。反応性オ
リゴヌクレオチド(化合物3、化合物4、化合物5、比
較例1;7μM)は緩衝液(0.1M NaCl,50
mM MOPS,pH5.0)に溶解した後、5’末端
32P−ラベル化したオリゴヌクレオチド(2×104
cpm)と同様の配列のラベル化していないオリゴヌ
クレオチド(3μM)を加えた。その後、45℃で10
分間加熱させた後、室温で1時間放置した。反応は、3
3℃で行い、5時間後、17時間後に停止液及び色素
(95% ホルムアミド,20mM EDTA,0.05
% キシレンシアノール,0.05% ブロモフェノール
ブルー)を加え、95℃で5分間加熱して反応を停止さ
せ、サンプリングを行った。反応液は7Mの尿素を含む
20%ポリアクリルアミドのゲルにより電気泳動(40
0V,1時間)を行った。電気泳動後のゲルはBAS2
000(富士フィルム製)を用いて解析を行った。
【0056】その結果、反応性塩基を導入したオリゴヌ
クレオチドは、相補的な配列のオリゴヌクレオチドと架
橋反応し、その効率は反応性塩基に対して相補的位置に
ある塩基の影響を受けることが明かとなった。反応性塩
基に対して相補的位置にある塩基がC>G>A≫Tの順
に反応性は高まることから、合成した反応性塩基は相補
的塩基であるCと特異的な反応をすることが示された。
【0057】また、ビニル基を保護することにより、反
応効率が向上した。このことから合成した反応性塩基の
有用性が示された。(図2)
【0058】実施例6 (架橋実験(反応性速度の比較))実験例5と同様の試
料および方法で検討を行い、5時間後、12時間後、2
4時間後、36時間後にサンプリングを行った。
【0059】その結果、反応性塩基の反応性はビニル基
への置換基の種類によりに影響を受けることが示され
た。反応性は、SOPh>ビニル>SO2Ph>SPh
の順に高いことから、ビニル基をSOPhに置換するこ
とにより、高い反応性が示された。このことから今回合
成した反応性塩基の有用性が示された。(図3)
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の2−アミ
ノプリン誘導体によれば、前記誘導体が標的核酸に対し
て高い反応性と高い塩基配列特異性を同時に有するた
め、これをオリゴヌクレオチドに導入することにより標
的核酸の塩基配列に対して特異的な架橋反応を可能とす
るようなオリゴヌクレオチド前駆体として機能する2−
アミノプリン誘導体を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の2−アミノプリン誘導体の合成
経路を示す図である。
【図2】図2は相補的な塩基配列に対する特異的反応性
を確認した電気泳動像である。
【図3】図3は相補的な塩基配列に対する反応速度を確
認したグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 48/00 A61P 43/00 105 A61P 43/00 105 C12N 15/00 ZNAA (72)発明者 河崎 猛 福岡県福岡市東区馬出3丁目1番地1号 九州大学内 (72)発明者 臼井 大索 福岡県福岡市東区馬出3丁目1番地1号 九州大学内 (72)発明者 前田 稔 福岡県福岡市東区馬出3丁目1番地1号 九州大学内 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA20 CA01 CA20 FA01 FA20 HA13 HA17 4C057 BB05 DD01 LL19 LL36 4C084 AA13 NA14 ZB212 ZC802 4C086 AA03 AA04 EA18 MA01 MA04 ZB21 ZC80

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1は水素原子またはアシル基を表し、Xはホ
    スホロアミダイト基またはオリゴヌクレオチドを表し、
    Yはジメチルトリチル基またはオリゴヌクレオチドを表
    し、nは0〜2の整数を表す。)で表される2−アミノ
    プリン誘導体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の2−アミノプリン誘導
    体を含むことを特徴とする遺伝子発現制御用組成物。
  3. 【請求項3】 一般式(2) 【化2】 (式中、R2、R3は同一または異なっていてもよく、シ
    リル基を表し、R4は水素原子またはアシル基を表
    す。)で表される2−アミノ−6−ビニルプリン誘導体
    のビニル基にチオール基、スルフィニル基、スルホニル
    基からなる群より選ばれるいずれか一つを導入する第1
    の工程と、 前記第1の工程で得られた化合物のR2にトリチル基を
    導入し、R3にホスホロアミダイト基を導入する第2の
    工程と、 を含むことを特徴とする、請求項1に記載の2−アミノ
    プリン誘導体の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の2−アミノプリン誘導
    体の製造方法に、アデニン、グアニン、シトシン、チミ
    ン及び請求項3に記載の2−アミノプリン誘導体の製造
    方法で得られた化合物からなる群より選ばれるアミダイ
    ト試薬を所望の塩基配列になるように順に結合せしめる
    工程をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の
    2−アミノプリン誘導体の製造方法。
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