JP2001203556A - 弾性表面波装置、弾性表面波フィルタ及び弾性表面波装置の製造方法 - Google Patents

弾性表面波装置、弾性表面波フィルタ及び弾性表面波装置の製造方法

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JP2001203556A
JP2001203556A JP2000009103A JP2000009103A JP2001203556A JP 2001203556 A JP2001203556 A JP 2001203556A JP 2000009103 A JP2000009103 A JP 2000009103A JP 2000009103 A JP2000009103 A JP 2000009103A JP 2001203556 A JP2001203556 A JP 2001203556A
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    • H03H9/64Filters using surface acoustic waves
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 損失を大きくすることなく、フィルタ特性の
通過帯域近傍の急峻性を高めることができ、電極形成後
にフィルタ特性の調整を行い得る弾性表面波装置を提供
する。 【解決手段】 圧電性基板に少なくとも1つの櫛形電極
2が形成されており、該少なくとも1つの櫛形電極2の
電極指間の少なくとも1つのギャップ部における分極方
向が、同一伝搬路上の他の電極指間のギャップ部の分極
方向とは異なる方向とされている、弾性表面波装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば共振子や帯
域フィルタとして用いられる弾性表面波装置、弾性表面
波フィルタ及び弾性表面波装置の製造方法に関し、より
詳細には、櫛形電極が形成されている部分の分極構造が
改良された弾性表面波装置、弾性表面波フィルタ及び弾
性表面波装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話システムでは、加入者の
増加及びサービスの多様化に伴い、送受信の各周波数帯
域が広くなってきなおり、かつ送信周波数と受信周波数
が近くなってきている。従って、携帯電話に使用される
帯域フィルタでは、広帯域であること、並びに通過域ご
く近傍における減衰特性に優れていることが要求されて
いる。欧州の携帯電話システムであるEGSMを例にと
ると、送信側周波数帯域は880〜915MHz、受信
側周波数帯域は925〜960MHzである。
【0003】受信側回路では、送信信号はノイズとな
る。従って、受信側回路に使用される帯域フィルタで
は、925〜960MHzの帯域では信号を通過させ、
880〜915MHzの帯域では信号を減衰させる必要
がある。すなわち、925〜960MHzが通過帯域、
880〜915MHzが減衰域であるフィルタ特性が要
求される。従って、通過帯域幅が35MHzと広帯域を
要求されるのに対し、通過帯域と減衰域との間の周波数
差はわずかに10MHzしかない。
【0004】他方、携帯電話において帯域フィルタとし
て用いられている弾性表面波フィルタでは、36°Li
TaO3 基板が利用されている。この基板は、周波数の
温度依存性が−30〜35ppm/℃と大きく、従って
表面波装置を含む回路の設計に際し温度変化に対するマ
ージンを確保する必要がある。
【0005】さらに、製造時の周波数ばらつきも考慮す
ると、通過帯域と減衰域との周波数間隔はますます狭く
なる。従って、通過帯域近傍におけるフィルタ特性の急
峻性をいかに高めるかが、非常に重要である。
【0006】弾性表面波フィルタの帯域幅や通過帯域近
傍の急峻性は、圧電性基板の電気機械結合係数によりほ
ぼ一義的に決められてしまう。一般に、電気機械結合係
数が大きいと、広帯域のフィルタ特性が得られ、電気機
械結合係数が小さいと、急峻性に優れたフィルタ特性が
得られる。
【0007】従って、弾性表面波フィルタにおいて、素
子によって電気機械結合係数の異なる圧電基板を用いれ
ば、これらの組合せにより、急峻性かつ比較的広帯域の
フィルタ特性を得ることができる。
【0008】特開平7−283688号公報には、梯子
型回路構成を有する弾性表面波フィルタにおいて、直列
腕共振子と並列腕共振子における表面波伝搬方向を異な
らせることにより、電気機械結合係数を調整する方法が
開示されている。36°YカットLiTaO3 基板で
は、電気機械結合係数が表面波伝搬方向に対して依存性
を有する。表面波伝搬方向をX軸とすると、電気機械結
合係数が最大となり、X軸からずらしていくと電気機械
結合係数が小さくなっていく。従って、例えば、梯子型
回路構成を有する弾性表面波フィルタにおいて、直列腕
共振子の伝搬方向をXとし、並列腕共振子の伝搬方向を
X軸からずらすことにより、図14に示すように並列腕
共振子の共振特性Aにおける共振周波数と反共振周波数
の間隔が、ずらさない場合の特性(破線Aaで示す。)
に比べて、並びに、直列腕共振子の共振特性Bに比べて
狭くされる。従って、図15の破線Cで示す急峻性に優
れたフィルタ特性を得ることができる。なお、図15に
おいて、実線Dは、直列腕共振子及び並列腕共振子にお
ける表面波伝搬方向を異ならせない場合の特性である。
【0009】他方、特開平8−65089号公報には、
梯子型回路構成を有する弾性表面波フィルタにおいて、
各共振子に容量を付加する方法が開示されている。弾性
表面波共振子に並列に静電容量を付加すると、反共振周
波数が低くなり、特開平7−283688号公報に開示
されている方法の場合と同様に、共振周波数と反共振周
波数との差が狭くなる。従って、やはり急峻性に優れた
フィルタ特性が得られるとされている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
7−283699号公報や特開平8−65089号公報
に開示されている弾性表面波フィルタでは、種々の問題
があった。
【0011】例えば、前者では、36°YカットLiT
aO3 基板において、表面波伝搬方向をX軸からずらす
と、表面波の進行方向とエネルギー伝達方向との角度差
であるパワーフロー角が大きくなり、導波路内からのエ
ネルギー漏れ量が大きくなり、損失が大きくなるという
問題があった。また、伝搬方向の異なる複数の弾性表面
波共振子を同一圧電基板上に形成しなければならないの
で、弾性表面波フィルタのサイズが大きくならざるを得
なかった。また、異なる共振子同士が音響的に一部結合
し、それによって特性の劣化が生じることもあった。
【0012】他方、特開平8−65089号公報に記載
の方法では、静電容量を付加するため、やはりチップサ
イズが大きくならざるを得なかった。また、電極形成後
にフィルタ特性を変えることはできないため、周波数調
整を行うことができなかった。
【0013】本発明の目的は、上述した従来技術の欠点
を解消し、大型化、損失の増大及び特性の劣化を招くこ
となく、帯域フィルタとして用いた場合の通過帯域近傍
の急峻性に優れた弾性表面波装置及びその製造方法を提
供することにある。
【0014】本発明の他の目的は、低損失であり、良好
なフィルタ特性を有し、小型に構成することができ、通
過帯域近傍の急峻性に優れた弾性表面波フィルタを提供
することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本願の第1の発明は、圧
電性基板と、前記圧電性基板に形成されており、複数の
電極指を有する少なくとも1つの櫛形電極とを備える弾
性表面波装置であって、前記少なくとも1つの櫛形電極
の電極指間の少なくとも1つのギャップ部における分極
方向が、同一伝搬路上の他の電極指間のギャップ部の分
極方向とは異なる方向とされている、弾性表面波装置で
ある。
【0016】第1の発明の特定の局面では、前記少なく
とも1つの櫛形電極の電極指の一部が間引かれている。
第1の発明の他の特定の局面では、複数の櫛形電極を備
え、少なくとも1つの前記櫛形電極における弾性表面波
伝搬方向が、他の櫛形電極における弾性表面波伝搬方向
と異ならされている。
【0017】第1の発明のさらに他の特定の局面では、
上記圧電性基板として、LiTaO 3 基板が用いられ
る。本願の第2の発明は、圧電性基板と、前記圧電性基
板上に形成された複数の一端子対弾性表面波素子とを備
え、複数の前記一端子対弾性表面波素子が、交互に並列
腕共振子及び直列腕共振子を構成するように梯子型回路
が構成されている弾性表面波フィルタであって、前記並
列腕共振子または直列腕共振子を構成する1つの一端子
対弾性表面波素子の少なくとも1つの櫛形電極における
電極指間の少なくとも1つのギャップ部における分極方
向が、同一伝搬路上の他の電極指間のギャップ部の分極
方向とは異なる、弾性表面波フィルタである。
【0018】本願の第3の発明は、圧電性基板と、前記
圧電性基板において同一伝搬路上に配置されており、か
つそれぞれ複数本の電極指を有する複数の櫛形電極とを
備える共振子型弾性表面波フィルタであって、前記少な
くとも1つの櫛形電極の電極指間の少なくとも1つのギ
ャップ部における分極方向が、同一伝搬路上の他の電極
指間のギャップ部の分極方向と異なる、弾性表面波フィ
ルタである。
【0019】第2,第3の発明の特定の局面では、前記
少なくとも1つの櫛形電極の電極指の一部が間引かれて
いる。第2,第3の発明の他の特定の局面では、複数の
櫛形電極を備え、少なくとも1つの前記櫛形電極におけ
る弾性表面波伝搬方向が、他の櫛形電極における弾性表
面波伝搬方向と異ならされている。
【0020】第2,第3の発明の他の特定の局面では、
前記圧電性基板が、LiTaO3 基板である。また、本
発明に係る弾性表面波フィルタを用いて、アンテナ共用
器のような共用器を構成することができ、さらに本発明
に係る表面波装置を用いて様々な通信装置を構成するこ
とができる。
【0021】本願の第4の発明は、圧電性基板と、前記
圧電性基板に形成されており、複数の電極指を有する少
なくとも1つの櫛形電極とを備える弾性表面波装置の製
造方法であって、圧電性基板に少なくとも1つの前記櫛
形電極を形成する工程と、前記少なくとも1つの櫛形電
極に50V/μm以上の電界強度が加わるように直流電
圧を印加する工程とを備える、弾性表面波装置の製造方
法である。
【0022】第4の発明の特定の局面では、直流電圧を
印加することにより、周波数調整が行われる。本願発明
者らは、上記課題を達成すべく検討した結果、圧電性基
板上に櫛形電極を形成し、該櫛形電極に50V/μm以
上の電界強度が加わるように直流電圧を印加すれば、電
気機械結合係数を実質的に変化させ得ることを見い出し
た。この方法によれば、損失を増大させず、小型の弾性
表面波フィルタを実現することができる。この原理を、
図1及び図2を参照して説明する。
【0023】図2は、弾性表面波共振子の分極構造を示
す平面図である。弾性表面波共振子1では、櫛形電極2
の表面波伝搬方向外側に、それぞれ、反射器3,3が形
成されている。櫛形電極2は、複数本の電極指を有する
第1の電極2Aと第2の電極2Bとを有し、第1,第2
の電極2A,2Bの複数本の電極指が互いに間挿し合っ
ている。また、第1の電極2Aと第2の電極2Bは、そ
れぞれ、複数本の電極指を連結しているバスバーと、バ
スバーに連なる電極パッド4a,4bとを有する。
【0024】上記弾性表面波共振子1において、電極パ
ッド4a,4bにプローブを接触させ、電極パッド4
a,4b間に電圧を印加すると、櫛形電極2の電極指間
のギャップに電圧が加わり、基板の分極方向が変化す
る。
【0025】36°YカットX伝搬LiTaO3 基板の
場合、分極方向の基板平面上の成分は表面波伝搬方向に
対して直交している。従って、櫛形電極2を形成した後
に、50V/μm以上の強い電界強度をかけると、図1
に矢印で示すように、分極方向が、隣り合うギャップ同
士で異なる。すなわち、表面波伝搬方向に沿って電極指
間のギャップの分極方向が交互にずれることにある。こ
のように分極方向がずれると、圧電定数や弾性定数が変
化し、電気機械結合係数も変化する。
【0026】ここで、櫛形電極に加わる電界強度と電気
機械結合係数との関係を図3に示す。電界強度は、印加
電圧/櫛形電極のギャップ長である。図3から明らかな
ように、50V/μm以下の電界強度では、電気機械結
合係数はほとんど変化しない。従って、電気機械結合係
数を制御するには、50V/μm以上の電界強度が必要
となることがわかる。
【0027】また、300V/μm以上となると電界強
度が強すぎて、櫛形電極そのものが破壊される恐れがあ
る。従って、実用上は、電界強度は300V/μm以下
とすることが望ましいが、櫛形電極の構造や絶縁抵抗に
よって破壊の可能性が変動するため、上限値は特に限定
されるものではない。
【0028】なお、従来、特開平5−75378号公報
に記載のように、水晶などの圧電基板を使用した場合
に、直流電圧を櫛形電極に印加すると圧電基板に歪みが
生じ、圧電定数などが変化することが知られていた。し
かしながら、この先行技術に記載の方法では、直流電圧
の印加を停止すると、圧電定数は元に戻る。この先行技
術では、この効果により、直流電圧の値を変えることに
より電圧制御型の発振器が構成されている。
【0029】しかしながら、LiTaO3 基板の場合に
は、電圧を印加することにより上記のように分極方向が
変わり、材料の性質そのものが変化し、元には戻らな
い。すなわち一度上記のように大きな直流電界を印加す
ると、電圧印加を停止した後でも、材料の性質は変化し
た状態に保たれる。従って、予め定められた電圧を印加
することにより、自由に圧電性基板材料の定数を変える
ことができ、フィルタ特性の急峻性を高めたり、帯域幅
を制御したりすることができる。
【0030】また、上述したように、印加電圧が高すぎ
ると、櫛形電極そのものが破壊される恐れがあるので、
ある一定以上は、電気機械結合係数を小さくすることが
困難である。そのような場合、他の手法である程度の電
気機械結合係数を小さくすることにより、より大きな効
果を得ることができる。例えば、予め櫛形電極の電極指
を間引く方法や、特開平7−283688号公報に記載
のように、共振子によって表面波伝搬方向を異ならせる
方法を用いることにより、より大きな効果を得ることが
できる。
【0031】すなわち、本願の第1〜第4の発明は、上
記知見に基づくものであり、第1〜第3の発明では、櫛
形電極の電極指間の少なくとも1つのギャップ部におけ
る分極方向が、同一伝搬路上の他の電極指間のギャップ
部の分極方向と異なる方向とされているので、該分極方
向により、圧電性基板の材料定数が、もともとの圧電性
基板の材料定数と異ならされており、それによって帯域
幅やフィルタ特性の急峻性を制御することができる。
【0032】また、第4の発明では、少なくとも1つの
櫛形電極に50V/μm以上の電界強度が加わるように
直流電圧を印加するので、上記のように少なくとも1つ
の櫛形電極の電極指間の少なくとも1つのギャップ部に
おける分極方向は、同一伝搬路上の他の電極指間のギャ
ップ部の分極方向と異ならせ、それによって帯域幅やフ
ィルタ特性の急峻性を効果的に制御し得る。
【0033】よって、第1〜第4の発明によれば、従来
得られなかった広帯域かつフィルタ特性の急峻性に優れ
た弾性表面波装置や弾性表面波フィルタを得ることがで
き、この方法によれば、損失の増大を招くこともなく、
かつチップサイズの大型化を招くこともない。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、本発明
の具体的な実施例を説明することにより、本発明を明ら
かにする。
【0035】図4は、本発明の第1の実施例に係る弾性
表面波装置としての弾性表面波フィルタを示す模式的平
面図である。本実施例の弾性表面波装置では、36°Y
カットX伝搬LiTaO3 基板10上に、2個の直列腕
共振子11a,11bと、2個の並列腕共振子12a,
12bと、配線電極13a,13bと、電極パッド14
a〜14eとが、フォトリソグラフィー及びエッチング
法によって形成されている。これらの電極材料として
は、Alが用いられているが、適宜の金属を用いて構成
することができる。
【0036】上記直列腕共振子11a,11b及び並列
腕共振子12a,12bは、それぞれ、櫛形電極の表面
波伝搬方向両側に反射器を配置した構造を有する一端子
対弾性表面波共振子である。また、配線電極13aは、
電極パッド14aと直列腕共振子11aと並列腕共振子
12aとを接続している。並列腕共振子12aの配線電
極13aと電気的に接続されている側とは反対側の端部
は電極パッド14dに連ねられている。また、配線電極
13bは、直列腕共振子11aの配線電極13aと接続
されている側とは反対側の端部と、直列腕共振子14c
と、並列腕共振子12bと、電極パッド14bとを接続
している。
【0037】直列腕共振子11bの配線電極13bが接
続されている側とは反対側の端部は電極パッド14cに
連ねられている。同様に、並列腕共振子12bの配線電
極13bに接続されている側とは反対側の端部は電極パ
ッド14eに連ねられている。
【0038】直列腕共振子11aの櫛形電極は、交差幅
が40μmであり、電極指の対数が90対であり、その
反射器の電極指の本数は100本であり、櫛形電極及び
反射器における電極指ピッチは2.05μm(弾性表面
波の波長は4.1μm)である。
【0039】直列腕共振子11bの櫛形電極の電極指交
差幅は80μmであり、電極指の対数は90対であり、
反射器の電極指の本数は100本であり、櫛形電極及び
反射器における電極指ピッチは2.05μm(弾性表面
波の波長は4.1μm)である。
【0040】並列腕共振子12aの櫛形電極の交差幅は
80μmであり、電極指の対数は60対であり、1つの
反射器の電極指の本数は100本であり、櫛形電極及び
反射器における電極指ピッチ2.15μm(弾性表面波
の波長は4.3μm)である。
【0041】並列腕共振子12bの櫛形電極の交差幅は
120μmであり、電極指の対数は90対であり、1つ
の反射器の電極指の本数は100本であり、櫛形電極及
び反射器における電極指ピッチは2.15μm(弾性表
面波の波長は4.3μm)である。
【0042】なお、図4では、共振子は略図的に示され
ており、実際の電極指の対数及び交差幅の比率は異なっ
ていることを指摘しておく。上記各電極を形成した後、
電極パッド14aと14dの間、並びに電極パッド14
bと14eとの間に直流電圧180Vを印加し、並列腕
共振子12a,12bの双方に電圧を印加する。図5
に、この並列腕共振子12aの櫛形電極に直流電圧を印
加する工程を略図的に示す。なお、図5では反射器は省
略されている。
【0043】電極指幅Eは1.15μmであり、隣接す
る電極指間のギャップFの幅は1.00μmである。な
お、ギャップの幅とは、表面波伝搬方向に沿うギャップ
の寸法をいうものとする。従って、隣り合う電極指間に
は180V/μmの電界強度がかかることになる。な
お、上記電圧を印加する場合には、櫛形電極部が破壊し
ない電圧から徐々に電圧を高めてもよく、例えば50V
/μmから徐々に電界強度を高めていってもよい。
【0044】しかる後、上記圧電基板10を図6に示す
セラミックパッケージ20に搭載する。セラミックパッ
ケージ20は、中央に凹部21を有し、該凹部内に上記
弾性表面波フィルタ素子が固定されている。そして、凹
部21の周囲には、一対の凸状が形成されており、該凸
状の上面に、電極パッド21a,21b,22a,22
bが形成されている。
【0045】電極パッド21aと、弾性表面波フィルタ
素子の電極パッド14aとがワイヤボンディング23a
により電気的に接続される。また、電極パッド21b
が、弾性表面波フィルタ素子の電極パッド14eとワイ
ヤボンディング23bにより電気的に接続される。ま
た、電極パッド22aは、弾性表面波フィルタ素子の電
極パッド14dとワイヤボンディング23cにより電気
的に接続される。さらに、電極パッド22bは、弾性表
面波フィルタ素子の電極パッド14cとボンディングワ
イヤー23dにより電気的に接続される。
【0046】上記セラミックパッケージ20の電極パッ
ド21a,22bがホット側の端子を構成し、21b,
22aがアース側端子を構成している。上記セラミック
パッケージ20の凹部を覆うように板材を接合すること
により、弾性表面波フィルタ素子が収納された弾性表面
波フィルタ装置を得ることができる。
【0047】本実施例では、セラミックパッケージ20
に弾性表面波フィルタ素子を搭載する前に、上記のよう
に並列腕共振子に180Vの直流電圧が印加され、それ
によって圧電基板10の実質的な電気機械結合係数を小
さくすることができ、共振周波数と反共振周波数との間
隔が狭められている。これを、図7及び図8を参照して
説明する。
【0048】図7は、図4に示した並列腕共振子12a
単独のインピーダンス特性を示し、実線が上記電圧印加
前の特性を、破線が電圧印加後の特性を示す。実線及び
破線の特性を比較すれば明らかなように、上記直流電圧
の印加により、反共振周波数の位置は動かないものの、
共振周波数が高くなり、それによって共振周波数と反共
振周波数との周波数間隔が狭められていることがわか
る。
【0049】また、上記のようにして構成された弾性表
面波フィルタ装置の減衰量周波数特性を図8に破線で示
す。なお、上記直流電圧を印加しなかったことを除いて
は同様に構成された弾性表面波フィルタ装置の減衰量周
波数特性を図8に実線で示す。なお、図8における破線
I及び実線Jはそれぞれ破線G及び実線Hで示した特性
を拡大して示した特性である。
【0050】図8の実線及び破線で示した特性を比較す
れば明らかなように、上記のように並列腕共振子に直流
電圧を印加し、並列腕共振子12aの共振周波数が高く
なったことにより、フィルタ全体としての周波数特性に
おいて、通過帯域低域側の急峻性が高められていること
がわかる。これは、図1に示したように、電極指間に電
圧が印加されて、電極指間のギャップが表面波伝搬方向
において交互に異なっていることによる。
【0051】なお、上記実施例では、圧電性基板として
36°YカットLiTaO3 基板を用いたが、他のカッ
ト角、例えば36°超〜46°のYカットLiTaO3
基板を用いても同様の効果が得られる。さらに、上記実
施例では、ボンディングワイヤーにより、セラミックパ
ッケージと弾性表面波フィルタ素子との電気的接続が図
られていたが、バンプボンドなどの他の電気的接続構造
によりパッケージの電極パッドと弾性表面波フィルタ素
子の電極パッドとが電気的に接続されていてもよい。
【0052】また、上記のように、直流電圧印加前後の
特性差を利用して、周波数調整を行うこともできる。こ
の場合には、電圧を印加する前にプローブピンなどによ
り梯子型回路構成を有する弾性表面波フィルタ素子の電
気的特性を予め測定する。そして、印加電圧を50V/
μm〜300V/μmまでの範囲で変えることにより、
所望の周波数特性を得ることができる。
【0053】ただし、通過帯域の高域側の周波数は変わ
らないため、予め通過帯域を広めに設計しておくことが
望ましい。本実施例では、セラミックパッケージに搭載
される前に弾性表面波フィルタ素子に上記直流電圧を印
加したが、セラミックパッケージ搭載後に弾性表面波フ
ィルタ素子に直流電圧を印加してもよい。もっとも、こ
の場合には、圧電性基板10上の特定の共振子に集中し
て電圧を印加することが困難であるため、予めどの共振
子にどれだけの電圧が印加されるかを予想しておき、電
圧印加後の特性が所望の特性となるように電極を設計し
ておくことが望ましい。
【0054】なお、全ての共振子に電圧が印加された場
合は、異常のある共振子に過電流が流れて破壊するた
め、上記直流電圧の印加によりクリーニング効果も期待
できる。
【0055】図9は、本発明の第2の実施例に係る弾性
表面波装置としての弾性表面波フィルタを示す模式的平
面図である。本実施例の弾性表面波装置では、46°Y
カットX伝搬LiTaO3 基板30上に、2個の直列腕
共振子31a,31bと、2個の並列腕共振子32a,
32bと、配線電極13a,13bと、電極パッド14
a〜14eとが、フォトリソグラフィー及びエッチング
法によって形成されている。これらの電極材料として
は、Alが用いられているが、適宜の金属を用いて構成
することができる。
【0056】上記直列腕共振子31a,31b及び並列
腕共振子32a,32bは、それぞれ、櫛形電極の表面
波伝搬方向両側に反射器を配置した構造を有する一端子
対弾性表面波共振子である。また、配線電極13aは、
電極パッド14aと直列腕共振子31aと並列腕共振子
32aとを接続している。並列腕共振子32aの配線電
極13aと電気的に接続されている側とは反対側の端部
は電極パッド14dに連ねられている。また、配線電極
13bは、並列腕共振子31aの配線電極13aと接続
されている側とは反対側の端部と、直列腕共振子34c
と、並列腕共振子32bと、電極パッド14bとを接続
している。
【0057】直列腕共振子31bの配線電極13bが接
続されている側とは反対側の端部は電極パッド14cに
連ねられている。同様に、並列腕共振子32bの配線電
極13bに接続されている側とは反対側の端部は電極パ
ッド14eに連ねられている。
【0058】直列腕共振子31aの櫛形電極は、交差幅
が20μmであり、電極指の対数が90対であり、その
反射器の電極指の本数は100本であり、櫛形電極及び
反射器における電極指ピッチは1.04μm(弾性表面
波の波長は2.08μm)である。
【0059】直列腕共振子11bの櫛形電極の電極指交
差幅は40μmであり、電極指の対数は90対であり、
反射器の電極指の本数は100本であり、櫛形電極及び
反射器における電極指ピッチは1.04μm(弾性表面
波の波長は2.08μm)である。
【0060】並列腕共振子12aの櫛形電極の交差幅は
40μmであり、電極指の対数は60対であり、1つの
反射器の電極指の本数は100本であり、櫛形電極及び
反射器における電極指ピッチ1.08μm(弾性表面波
の波長は2.16μm)である。
【0061】並列腕共振子12bの櫛形電極の交差幅は
60μmであり、電極指の対数は90対であり、1つの
反射器の電極指の本数は100本であり、櫛形電極及び
反射器における電極指ピッチは1.08μm(弾性表面
波の波長は2.16μm)である。
【0062】なお、図9では、各共振子は略図的に示さ
れており、実際の電極指の対数及び交差幅の比率は異な
っていることを指摘しておく。上記各電極を形成した
後、電極パッド14aと14bの間、並びに電極パッド
14bと14cとの間に直流電圧70Vを印加し、直列
腕共振子31a,31bの双方に70Vの電圧を印加す
る。図10に、この直列腕共振子31aの櫛形電極に直
流電圧を印加する工程を略図的に示す。なお、図10で
は反射器は省略されている。
【0063】電極指幅Eは0.54μmであり、隣接す
る電極指間のギャップFの幅は0.50μmである。な
お、ギャップの幅とは、表面波伝搬方向に沿うギャップ
の寸法をいうものとする。従って、隣り合う電極指間に
は140V/μmの電界強度がかかることになる。な
お、上記電圧を印加する場合には、櫛形電極部が破壊し
ない電圧から徐々に電圧を高めていってもよい。
【0064】しかる後、上記圧電基板30を図6に示し
たセラミックパッケージ20に搭載し、第1の実施例と
同様にワイヤボンディングにより電極パッド21a,2
1b,22a,22bと、電極パッド14a〜14eと
を接続し、上記セラミックパッケージ20の凹部を覆う
ように板材を接合することにより、弾性表面波フィルタ
素子が収納された弾性表面波フィルタ装置を得ることが
できる。
【0065】本実施例では、セラミックパッケージ20
に弾性表面波フィルタ素子を搭載する前に、上記のよう
に並列腕共振子に70Vの直流電圧が印加され、それに
よって圧電基板30の実質的な電気機械結合係数を小さ
くすることができ、共振周波数と反共振周波数との間隔
が狭められている。これを、図11を参照して説明す
る。
【0066】上記のようにして構成された弾性表面波フ
ィルタ装置の減衰量周波数特性を図11に破線で示す。
なお、上記直流電圧を印加しなかったことを除いては同
様に構成された弾性表面波フィルタ装置の減衰量周波数
特性を図11に実線で示す。なお、図11における破線
M及び実線Nはそれぞれ破線K及び実線Lで示した特性
を拡大して示した特性である。
【0067】図11の実線及び破線で示した特性を比較
すれば明らかなように、上記のように直列腕共振子に直
流電圧を印加し、直列腕共振子31aの共振周波数が高
くなったことにより、フィルタ全体としての周波数特性
において、通過帯域高域側の急峻性が高められているこ
とがわかる。これは、電極指間に電圧が印加されて、電
極指間のギャップが表面波伝搬方向において交互に異な
っていることによる。
【0068】なお、上記第1,第2の実施例では、並列
腕共振子と直列腕共振子とを有する梯子型回路構成を有
する弾性表面波フィルタ素子を例にとり説明したが、一
端子対弾性表面波共振子を用いる様々な弾性表面波装
置、例えばレゾネータ、共振子型フィルタに一端子対弾
性表面波共振子を複合させてなる弾性表面波フィルタ、
ラチス型フィルタ及び多重モード弾性表面波共振子フィ
ルタなどにも本発明を適用することができ、同様に直流
電圧を電極指間に印加することにより、フィルタ特性の
急峻性の向上や周波数調整を行うことができる。
【0069】また、従来より周知の方法に従って、一部
の櫛形電極において間引きを施したり、表面波伝搬方向
をX軸からずらしたりすることにより、電圧印加前後の
実質的な電気機械結合係数を予め小さくしておけば、よ
り一層大きな効果を得ることができる。
【0070】次に、本発明に係る弾性表面波フィルタを
用いて構成されたアンテナ共用器の実施例を、図11を
参照して説明する。図11は、本実施例のアンテナ共用
器を説明するための回路図である。本実施例のアンテナ
共用器70は、図4に示したラダー型弾性表面波フィル
タと段数は異なるが同様のラダー型フィルタ61を一対
用いている。すなわち、各ラダー型フィルタ61の入力
端子62,62が共通接続されて、第1のポート71が
構成されている。他方、各ラダー型フィルタ61,61
の出力端子63,63はそのまま用いられ、それぞれ、
本実施例のアンテナ共用器の第2,第3のポートを構成
している。
【0071】このように、一対のラダー型フィルタ6
1,61を用いることにより、アンテナ共用器を構成す
ることができる。また、上記アンテナ共用器を用いて、
通信機を構成することができ、このような通信機の一例
を図12に示す。
【0072】本実施例の通信機81では、アンテナ共用
器70と、送信もしくは受信回路82,83とが備えら
れている。アンテナ共用器70の第1のポート71がア
ンテナ84に接続されており、第2,第3のポートを構
成している出力端子63,63が、それぞれ、送信もし
くは受信回路82,83に接続されている。
【0073】このアンテナ共用器70においては、一対
のラダー型フィルタ61,61は、通過帯域が異なるよ
うに構成されており、それによってアンテナ84は、送
信アンテナ及び受信アンテナとして用いられ得る。
【0074】
【発明の効果】第1の発明に係る弾性表面波装置では、
少なくとも1つの櫛形電極の電極指間の少なくとも1つ
のギャップ部における分極方向が、同一伝搬路上の他の
電極指間のギャップ部の分極方向とは異なる方向とされ
ているので、該櫛形電極における全てのギャップ部の分
極方向が同一である場合に比べて実質的に電気機械結合
係数が小さくなり、従って共振周波数−反共振周波数間
の周波数間隔が狭められ、弾性表面波フィルタに用いた
場合、通過帯域近傍の急峻性を高めることができる。
【0075】第1の発明において、少なくとも1つの櫛
形電極の電極指の一部が間引かれている場合には、該間
引きにより電気機械結合係数が小さくなるので、より一
層共振周波数−反共振周波数間の間隔を狭めることがで
き、弾性表面波フィルタとして用いた場合、通過帯域近
傍のフィルタ特性の急峻性をより一層高め得る。
【0076】同様に、複数の櫛形電極を備え、少なくと
も1つの櫛形電極における弾性表面波伝搬方向が、他の
櫛形電極における弾性表面波伝搬方向と異なる場合に
も、実質的に電気機械結合係数を小さくすることがで
き、共振周波数−反共振周波数間の周波数間隔を狭める
ことができ、弾性表面波装置として用いた場合、通過帯
域近傍の急峻性を高め得る。
【0077】また、上記圧電性基板として、LiTaO
3 基板を用いた場合、第1の発明に従って、共振周波数
−反共振周波数間隔が狭く、弾性表面波フィルタとして
用いた場合のフィルタ特性の急峻性を効果的に高め得
る。
【0078】第2の発明に係る弾性表面波フィルタで
は、複数の一端子対弾性表面波素子が梯子型回路を構成
するように結合されている弾性表面波フィルタにおい
て、少なくとも1つの一端子対弾性表面波素子の少なく
とも1つの櫛形電極における電極指間の少なくとも1つ
のギャップ部における分極方向が同一伝搬路上の他の電
極指間のギャップの分極方向と異なるため、該弾性表面
波素子において共振周波数−反共振周波数間の周波数間
隔が狭められる。従って、弾性表面波フィルタの通過帯
域近傍の急峻性を高め得る。
【0079】例えば、並列腕共振子において、上記のよ
うに少なくとも1つのギャップ部における分極方向が他
のギャップ部の分極方向と異なる場合には、該並列腕共
振子において共振周波数が高められて、通過帯域低域側
のフィルタ特性の急峻性が高められる。また、直列腕共
振子において、上記のようにギャップ部の分極方向が異
なる場合には、弾性表面波フィルタの通過帯域高域側の
急峻性が高められる。
【0080】第3の発明によれば、圧電性基板におい
て、同一伝搬路上に複数の櫛形電極が配置された共振子
型弾性表面波フィルタにおいて、少なくとも1つの櫛形
電極の電極指間の少なくとも1つのギャップ部における
分極方向は、同一伝搬路上の他の電極指間のギャップ部
の分極方向と異なるので、該ギャップ部の分極方向が異
なる櫛形電極を有する共振子において、共振周波数と反
共振周波数との間隔が縮められ、それによって同様に通
過帯域近傍の急峻性が高められた弾性表面波フィルタを
提供することができる。
【0081】第2,第3の発明において、少なくとも1
つの櫛形電極の電極指の一部が間引かれている場合に
は、該間引きによっても圧電性基板の電気機械結合係数
が実質的に小さくなるため、フィルタ特性の急峻性をよ
り効果的に高め得る。
【0082】第2,第3の発明において、複数の櫛形電
極を備え、少なくとも1つの櫛形電極における弾性表面
波伝搬方向が、他の櫛形電極における弾性表面波伝搬方
向と異なる場合には、同様に、実質的に圧電性基板の電
気機械結合係数が低下され、フィルタ特性の急峻性がよ
り効果的に高められる。
【0083】第2,第3の発明において、圧電性基板と
してLiTaO3 基板を用いた場合は、第2,第3の発
明に従って、ギャップ部の分極方向が異ならされている
ことにより、フィルタ特性の急峻性が効果的に高められ
た弾性表面波フィルタを提供することができる。
【0084】さらに、本発明に係る表面波フィルタは、
前述したように共用器や通信装置に用いることができ、
共用器や通信装置の小型化を図ることができる。第4の
発明に係る弾性表面波装置の製造方法では、少なくとも
1つの櫛形電極に50V/μm以上の電界強度が加わる
ように直流電圧が印加されるので、該櫛形電極の電極指
間の少なくとも1つのギャップ部における分極方向は、
同一伝搬路上の他の電極指間のギャップ部の分極方向と
異なることになる。そのため、該櫛形電極において電気
機械結合係数が実質的に低下されることになり、共振周
波数と反共振周波数との周波数間隔を狭めることができ
る。よって、例えば弾性表面波フィルタの製造方法に応
用した場合には、フィルタ特性の急峻性を高めることが
できる。
【0085】また、第4の発明において、上記直流電圧
の印加により、フィルタ特性の急峻性を高め得るので、
周波数調整を行うことも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例において、櫛形電極に直
流電圧を印加した場合の電極指間ギャップの分極方向を
説明するための略図的平面図。
【図2】第1の実施例で用いられている一端子対弾性表
面波共振子の電極構造を示す平面図。
【図3】櫛形電極に直流電圧を印加した場合の電界強度
と、電気機械結合係数との関係を示す図。
【図4】第1の実施例の弾性表面波フィルタの平面図。
【図5】第1の実施例で用いられている並列腕共振子の
櫛形電極部の電極構造を示す模式的拡大平面図。
【図6】第1の実施例の弾性表面波フィルタ素子をパッ
ケージに搭載した状態を説明するための平面図。
【図7】第1の実施例の弾性表面波フィルタにおいて、
並列腕共振子に直流電圧を印加した前(実線)及び印加
した後(破線)のインピーダンス−周波数特性を示す
図。
【図8】第1の実施例の弾性表面波装置の減衰量−周波
数特性(破線)及び比較のために用意した直流電圧が印
加されていないことを除いては同様に構成された弾性表
面波フィルタの減衰量−周波数特性(実線)を示す図。
【図9】本発明の第2の実施例に係る弾性表面波フィル
タを説明するための平面図。
【図10】第2の実施例において、直列腕共振子に直流
電圧を印加する工程を説明するための模式的拡大平面
図。
【図11】第2の実施例の弾性表面波フィルタの減衰量
−周波数特性(破線)及び比較のために用意した直列腕
共振子に直流電圧を印加しないことを除いては同様にし
て構成された弾性表面波装置の減衰量−周波数特性(実
線)を示す図。
【図12】本発明に係る弾性表面波フィルタを用いて構
成されたアンテナ共用器の実施例を示す概略構成図。
【図13】本発明の実施例に係るアンテナ共用器を用い
て構成された通信機の概略ブロック図。
【図14】従来の弾性表面波フィルタにおける共振子の
インピーダンス−周波数特性を示す図。
【図15】従来の梯子型回路構成を有する弾性表面波フ
ィルタの減衰量−周波数特性を示す図。
【符号の説明】
10…圧電性基板 11a,11b…直列腕共振子 12a,12b…並列腕共振子 30…圧電性基板 31a,31b…直列腕共振子 32a,32b…並列腕共振子

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電性基板と、 前記圧電性基板に形成されており、複数の電極指を有す
    る少なくとも1つの櫛形電極とを備える弾性表面波装置
    であって、 前記少なくとも1つの櫛形電極の電極指間の少なくとも
    1つのギャップ部における分極方向が、同一伝搬路上の
    他の電極指間のギャップ部の分極方向とは異なる方向と
    されている、弾性表面波装置。
  2. 【請求項2】 前記少なくとも1つの櫛形電極の電極指
    の一部が間引かれている、請求項1に記載の弾性表面波
    装置。
  3. 【請求項3】 複数の櫛形電極を備え、少なくとも1つ
    の前記櫛形電極における弾性表面波伝搬方向が、他の櫛
    形電極における弾性表面波伝搬方向と異なる、請求項1
    または2に記載の弾性表面波装置。
  4. 【請求項4】 前記圧電性基板が、LiTaO3 基板で
    ある、請求項1〜3のいずれかに記載の弾性表面波装
    置。
  5. 【請求項5】 圧電性基板と、 前記圧電性基板上に形成された複数の一端子対弾性表面
    波素子とを備え、 複数の前記一端子対弾性表面波素子が、交互に並列腕共
    振子及び直列腕共振子を構成するように梯子型回路が構
    成されている弾性表面波フィルタであって、 前記並列腕共振子または直列腕共振子を構成する1つの
    一端子対弾性表面波素子の少なくとも1つの櫛形電極に
    おける電極指間の少なくとも1つのギャップ部における
    分極方向が、同一伝搬路上の他の電極指間のギャップ部
    の分極方向とは異なる、弾性表面波フィルタ。
  6. 【請求項6】 圧電性基板と、 前記圧電性基板において同一伝搬路上に配置されてお
    り、かつそれぞれ複数本の電極指を有する複数の櫛形電
    極とを備える共振子型弾性表面波フィルタであって、 前記少なくとも1つの櫛形電極の電極指間の少なくとも
    1つのギャップ部における分極方向が、同一伝搬路上の
    他の電極指間のギャップ部の分極方向と異なる、弾性表
    面波フィルタ。
  7. 【請求項7】 前記少なくとも1つの櫛形電極の電極指
    の一部が間引かれている、請求項5または6に記載の弾
    性表面波フィルタ。
  8. 【請求項8】 複数の櫛形電極を備え、少なくとも1つ
    の前記櫛形電極における弾性表面波伝搬方向が、他の櫛
    形電極における弾性表面波伝搬方向と異なる、請求項5
    〜7のいずれかに記載の弾性表面波フィルタ。
  9. 【請求項9】 前記圧電性基板が、LiTaO3 基板で
    ある、請求項5〜8のいずれかに記載の弾性表面波フィ
    ルタ。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の弾性
    表面波フィルタを用いたことを特徴とする、共用器。
  11. 【請求項11】 請求項1〜9のいずれかに記載の弾性
    表面波フィルタを用いたことを特徴とする、通信装置。
  12. 【請求項12】 圧電性基板と、 前記圧電性基板に形成されており、複数の電極指を有す
    る少なくとも1つの櫛形電極とを備える弾性表面波装置
    の製造方法であって、 圧電性基板に少なくとも1つの前記櫛形電極を形成する
    工程と、 前記少なくとも1つの櫛形電極に50V/μm以上の電
    界強度が加わるように直流電圧を印加する工程とを備え
    る、弾性表面波装置の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記直流電圧を印加することにより、
    周波数調整を行うことを特徴とする、請求項10に記載
    の弾性表面波装置の製造方法。
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