JP2002217680A - ラダー型弾性表面波フィルタ - Google Patents
ラダー型弾性表面波フィルタInfo
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- JP2002217680A JP2002217680A JP2001013395A JP2001013395A JP2002217680A JP 2002217680 A JP2002217680 A JP 2002217680A JP 2001013395 A JP2001013395 A JP 2001013395A JP 2001013395 A JP2001013395 A JP 2001013395A JP 2002217680 A JP2002217680 A JP 2002217680A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 広帯域でしかも小型なラダー型弾性表面波フ
ィルタを実現する手段を得る。 【解決手段】 一端子対表面波共振子を梯子状に複数個
配設して構成するラダー型弾性表面波フィルタであっ
て、並列接続した一端子対表面波共振子の中でインピー
ダンスの低い一端子対表面波共振子にパッケージの外部
からインダクタを直列接続してラダー型弾性表面波フィ
ルタを構成する。
ィルタを実現する手段を得る。 【解決手段】 一端子対表面波共振子を梯子状に複数個
配設して構成するラダー型弾性表面波フィルタであっ
て、並列接続した一端子対表面波共振子の中でインピー
ダンスの低い一端子対表面波共振子にパッケージの外部
からインダクタを直列接続してラダー型弾性表面波フィ
ルタを構成する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明はラダー型弾性表面波
フィルタに関し、特に通過帯域幅を広くしたラダー型弾
性表面波フィルタに関する。
フィルタに関し、特に通過帯域幅を広くしたラダー型弾
性表面波フィルタに関する。
【０００２】
【従来の技術】近年、弾性表面波フィルタ（以下、ＳＡ
Ｗフィルタと称す）は通信分野で広く利用され、高性
能、小型、量産性等の優れた特徴を有することから特に
携帯電話機等に多く用いられている。携帯電話機のＲＦ
段に用いられるＳＡＷフィルタの１つにラダー型弾性表
面波フィルタ（以下、ラダー型ＳＡＷフィルタと称す）
があり、その特徴は急峻な減衰傾度を有すること、挿入
損失が小さいこと等があげられる。最近、ＣＤＭＡ移動
通信システム（例えば、ｃｄｍａＯｎｅ）において、端
末機用のＲＦフィルタとして従来の帯域幅より広いＳＡ
Ｗフィルタが要求されている。例えば、受信用ＲＦフィ
ルタの通過帯域幅には８３２〜８７０ＭＨｚ、送信用Ｒ
Ｆフィルタとして８８７〜９２５ＭＨｚ、即ち、送受信
とも３８ＭＨｚの帯域幅が要求されている。
Ｗフィルタと称す）は通信分野で広く利用され、高性
能、小型、量産性等の優れた特徴を有することから特に
携帯電話機等に多く用いられている。携帯電話機のＲＦ
段に用いられるＳＡＷフィルタの１つにラダー型弾性表
面波フィルタ（以下、ラダー型ＳＡＷフィルタと称す）
があり、その特徴は急峻な減衰傾度を有すること、挿入
損失が小さいこと等があげられる。最近、ＣＤＭＡ移動
通信システム（例えば、ｃｄｍａＯｎｅ）において、端
末機用のＲＦフィルタとして従来の帯域幅より広いＳＡ
Ｗフィルタが要求されている。例えば、受信用ＲＦフィ
ルタの通過帯域幅には８３２〜８７０ＭＨｚ、送信用Ｒ
Ｆフィルタとして８８７〜９２５ＭＨｚ、即ち、送受信
とも３８ＭＨｚの帯域幅が要求されている。
【０００３】図３（ａ）はラダー型フィルタの基本区間
を示す回路で、並列腕の共振子Ｚｐと直列腕の共振子Ｚ
ｓとから構成され、それぞれの腕のリアクタンス曲線は
同図（ｂ）のように配置される。即ち、並列腕共振子Ｚ
ｐの反共振周波数と直列腕共振子Ｚｓの共振周波数とを
ほぼ一致するように設定すると、その周波数を中心周波
数として、図３（ｂ）に示すようにバンドパスフィルタ
Ｆが形成され、並列腕共振子Ｚｐの共振周波数と直列腕
共振子Ｚｓの反共振周波数とに減衰極が形成され、減衰
傾度の急峻なフィルタが得られる。図３（ｃ）に示すラ
ダー型フィルタは、同図（ａ）に示す基本区間を４区間
インピーダンスが整合するように縦続接続した回路構成
であり、直列腕のインピーダンスＸｓは２Ｚｓ、並列腕
のインピーダンスＸｐ、Ｘｐ２はそれぞれＺｐ、Ｚｐ／
２となる。そして、図３（ｃ）の各共振子を同図（ｄ）
に示す一端子対弾性表面波共振子（以下、ＳＡＷ共振子
と称す）で置換したラダー型フィルタが、所謂ラダー型
ＳＡＷフィルタである。
を示す回路で、並列腕の共振子Ｚｐと直列腕の共振子Ｚ
ｓとから構成され、それぞれの腕のリアクタンス曲線は
同図（ｂ）のように配置される。即ち、並列腕共振子Ｚ
ｐの反共振周波数と直列腕共振子Ｚｓの共振周波数とを
ほぼ一致するように設定すると、その周波数を中心周波
数として、図３（ｂ）に示すようにバンドパスフィルタ
Ｆが形成され、並列腕共振子Ｚｐの共振周波数と直列腕
共振子Ｚｓの反共振周波数とに減衰極が形成され、減衰
傾度の急峻なフィルタが得られる。図３（ｃ）に示すラ
ダー型フィルタは、同図（ａ）に示す基本区間を４区間
インピーダンスが整合するように縦続接続した回路構成
であり、直列腕のインピーダンスＸｓは２Ｚｓ、並列腕
のインピーダンスＸｐ、Ｘｐ２はそれぞれＺｐ、Ｚｐ／
２となる。そして、図３（ｃ）の各共振子を同図（ｄ）
に示す一端子対弾性表面波共振子（以下、ＳＡＷ共振子
と称す）で置換したラダー型フィルタが、所謂ラダー型
ＳＡＷフィルタである。
【０００４】ＳＡＷ共振子は図３（ｄ）に示すように圧
電基板１０の主面上に表面波の伝搬方向に沿って、ＩＤ
Ｔ電極１１を配置すると共にその両側にグレーティング
反射器（以下、反射器と称す）１２ａ、１２ｂを配設し
て構成される。ＩＤＴ電極１１は互いに間挿し合う複数
の電極指を有する一対のくし型電極から形成される。実
用に供されているラダー型ＳＡＷフィルタは、図３
（ｄ）に示すようなＳＡＷ共振子を一枚の圧電基板上に
表面波の伝搬方向に沿って複数個配置し、各共振子を図
３（ｃ）に示すように梯子状に接続して構成する。その
際、各ＳＡＷ共振子に要求されるインピーダンスの違い
はＩＤＴ電極の電極指対数、交差幅等で調整する。
電基板１０の主面上に表面波の伝搬方向に沿って、ＩＤ
Ｔ電極１１を配置すると共にその両側にグレーティング
反射器（以下、反射器と称す）１２ａ、１２ｂを配設し
て構成される。ＩＤＴ電極１１は互いに間挿し合う複数
の電極指を有する一対のくし型電極から形成される。実
用に供されているラダー型ＳＡＷフィルタは、図３
（ｄ）に示すようなＳＡＷ共振子を一枚の圧電基板上に
表面波の伝搬方向に沿って複数個配置し、各共振子を図
３（ｃ）に示すように梯子状に接続して構成する。その
際、各ＳＡＷ共振子に要求されるインピーダンスの違い
はＩＤＴ電極の電極指対数、交差幅等で調整する。
【０００５】図４（ａ）、（ｂ）はｃｄｍａＯｎｅ端末
機のＲＦ用ラダー型ＳＡＷフィルタのパスバンド及び減
衰域のフィルタ特性をシミュレーションにより求めたも
のである。シミュレーションには広帯域化を実現するた
め、例えば特開平５−１８３３８０号公報に開示されて
いるように、セラミックパッケージ上にマイクロストリ
ップラインによるインダクタンスを形成しておき、図４
（ｃ）に示すように並列腕の各共振子にこのインダクタ
ンスをそれぞれ直列に付加したものを用い、また、実装
法はフリップチップボンディングとした。図４のラダー
型ＳＡＷフィルタに用いたパラメータとしては、圧電基
板には４２°回転ＹカットＸ伝搬ＬｉＴａＯ3を用い、
ＳＡＷ共振子Ｘｓの波長λ1を4.213μm、ＩＤＴ電極対
数を68対、交差幅を14.0λ1、反射器の本数をそれぞれ1
02本と、ＳＡＷ共振子Ｘｐの波長λ2を4.439μm、ＩＤ
Ｔ電極対数を104対、交差幅を14.0λ1、反射器の本数を
それぞれ66本と、ＳＡＷ共振子Ｘｐ２の波長λ2を4.439
μm、ＩＤＴ電極対数を170対、交差幅を17.1λ1、反射
器の本数をそれぞれ10本である。また、ストリップライ
ンにより形成したインダクタンスＬ１、Ｌ２、Ｌ３はそ
れぞれ1.2 nH、0.2 nH、0.3nHとした。
機のＲＦ用ラダー型ＳＡＷフィルタのパスバンド及び減
衰域のフィルタ特性をシミュレーションにより求めたも
のである。シミュレーションには広帯域化を実現するた
め、例えば特開平５−１８３３８０号公報に開示されて
いるように、セラミックパッケージ上にマイクロストリ
ップラインによるインダクタンスを形成しておき、図４
（ｃ）に示すように並列腕の各共振子にこのインダクタ
ンスをそれぞれ直列に付加したものを用い、また、実装
法はフリップチップボンディングとした。図４のラダー
型ＳＡＷフィルタに用いたパラメータとしては、圧電基
板には４２°回転ＹカットＸ伝搬ＬｉＴａＯ3を用い、
ＳＡＷ共振子Ｘｓの波長λ1を4.213μm、ＩＤＴ電極対
数を68対、交差幅を14.0λ1、反射器の本数をそれぞれ1
02本と、ＳＡＷ共振子Ｘｐの波長λ2を4.439μm、ＩＤ
Ｔ電極対数を104対、交差幅を14.0λ1、反射器の本数を
それぞれ66本と、ＳＡＷ共振子Ｘｐ２の波長λ2を4.439
μm、ＩＤＴ電極対数を170対、交差幅を17.1λ1、反射
器の本数をそれぞれ10本である。また、ストリップライ
ンにより形成したインダクタンスＬ１、Ｌ２、Ｌ３はそ
れぞれ1.2 nH、0.2 nH、0.3nHとした。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ｃｄｍ
ａＯｎｅ端末機にＲＦフィルタとして用いるには、温度
変化による周波数変化や製造時の周波数偏差を考慮する
と、通過帯域幅は４６ＭＨｚ以上が望ましい。この帯域
幅に対し、図４から明らかように上記の構成のラダー型
ＳＡＷフィルタでは、３ｄＢ帯域幅が４３．１ＭＨｚ程
度であり、帯域幅が要求を満たさないという問題があっ
た。帯域幅を広げる手段として、（１）直列腕ＳＡＷ共
振子の共振周波数と並列腕ＳＡＷ共振子の共振周波数の
周波数間隔（Δｆ）を広げる方法、（２）各並列腕共振
子にさらに大きなインダクタを直列接続する方法等があ
るが、（１）の手法ではΔｆを広くし過ぎると挿入損失
の劣化をきたすという問題があり、（２）の手法では最
近の小型化要求により、パッケージ内にインダクタンス
値の大きなインダクタをストリップラインにより形成す
ることは困難であるという問題がある。そこで、ラダー
型ＳＡＷフィルタの帯域幅を広げるべく、パッケージの
外部にチップインダクタを設けることにより広帯域化を
図ることも考えられるが、部品点数の増加は携帯電話の
小型化に逆行するので、外付けインダクタの数は1個に
限定せざるを得ない。ところが、図５に示すようにマイ
クロストリップラインによるインダクタンスＬ1、Ｌ2、
Ｌ3の接地側の端子を接続し、これに直列に外付インダ
クタＬαを接続したラダー型ＳＡＷフィルタのフィルタ
特性は、図６（ａ）、（ｂ）に示すように減衰域特性が
著しく劣化することが判明した。本発明は上記問題を解
決するためになされたものであって、小型で広帯域なラ
ダー型ＳＡＷフィルタを提供することを目的とする。
ａＯｎｅ端末機にＲＦフィルタとして用いるには、温度
変化による周波数変化や製造時の周波数偏差を考慮する
と、通過帯域幅は４６ＭＨｚ以上が望ましい。この帯域
幅に対し、図４から明らかように上記の構成のラダー型
ＳＡＷフィルタでは、３ｄＢ帯域幅が４３．１ＭＨｚ程
度であり、帯域幅が要求を満たさないという問題があっ
た。帯域幅を広げる手段として、（１）直列腕ＳＡＷ共
振子の共振周波数と並列腕ＳＡＷ共振子の共振周波数の
周波数間隔（Δｆ）を広げる方法、（２）各並列腕共振
子にさらに大きなインダクタを直列接続する方法等があ
るが、（１）の手法ではΔｆを広くし過ぎると挿入損失
の劣化をきたすという問題があり、（２）の手法では最
近の小型化要求により、パッケージ内にインダクタンス
値の大きなインダクタをストリップラインにより形成す
ることは困難であるという問題がある。そこで、ラダー
型ＳＡＷフィルタの帯域幅を広げるべく、パッケージの
外部にチップインダクタを設けることにより広帯域化を
図ることも考えられるが、部品点数の増加は携帯電話の
小型化に逆行するので、外付けインダクタの数は1個に
限定せざるを得ない。ところが、図５に示すようにマイ
クロストリップラインによるインダクタンスＬ1、Ｌ2、
Ｌ3の接地側の端子を接続し、これに直列に外付インダ
クタＬαを接続したラダー型ＳＡＷフィルタのフィルタ
特性は、図６（ａ）、（ｂ）に示すように減衰域特性が
著しく劣化することが判明した。本発明は上記問題を解
決するためになされたものであって、小型で広帯域なラ
ダー型ＳＡＷフィルタを提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係るラダー型弾性表面波フィルタの請求項１
記載の発明は、圧電基板上に表面波の伝搬方向に沿って
ＩＤＴ電極とその両側にグレーティング反射器を配置し
て形成する一端子対表面波共振子を梯子状に複数個配設
し、該圧電基板をパッケージ内に収容して構成するラダ
ー型弾性表面波フィルタにおいて、並列腕に配置された
一端子対表面波共振子の中でインピーダンスの低い共振
子にのみパッケージの外部からインダクタを直列接続し
て広帯域フィルタを構成したことを特徴とするラダー型
弾性表面波フィルタである。請求項２記載の発明は、５
個の一端子対表面波共振子を並列腕、直列腕、並列腕、
直列腕、並列腕の順にそれぞれ配置し、２つの直列腕に
挟まれた並列腕の一端子対表面波共振子に１個のインダ
クタを接続したこことを特徴とする請求項１に記載のラ
ダー型弾性表面波フィルタである。
に本発明に係るラダー型弾性表面波フィルタの請求項１
記載の発明は、圧電基板上に表面波の伝搬方向に沿って
ＩＤＴ電極とその両側にグレーティング反射器を配置し
て形成する一端子対表面波共振子を梯子状に複数個配設
し、該圧電基板をパッケージ内に収容して構成するラダ
ー型弾性表面波フィルタにおいて、並列腕に配置された
一端子対表面波共振子の中でインピーダンスの低い共振
子にのみパッケージの外部からインダクタを直列接続し
て広帯域フィルタを構成したことを特徴とするラダー型
弾性表面波フィルタである。請求項２記載の発明は、５
個の一端子対表面波共振子を並列腕、直列腕、並列腕、
直列腕、並列腕の順にそれぞれ配置し、２つの直列腕に
挟まれた並列腕の一端子対表面波共振子に１個のインダ
クタを接続したこことを特徴とする請求項１に記載のラ
ダー型弾性表面波フィルタである。
【０００８】
【発明の実施の形態】以下本発明を図面に示した実施の
形態に基づいて詳細に説明する。外付けインダクタＬα
1個をどの並列腕のＳＡＷ共振子に付加した場合に、通
過帯域が広がり減衰域も満足するか、ラダー型ＳＡＷフ
ィルタのフィルタ特性をシミュレーションにより求める
ことにした。外付するインダクタＬαのインダクタンス
値は２ｎＨとし、ラダー型回路は図３（ｃ）に示す５素
子構成とし、パッケージ内に設けたマイクロストリップ
ラインによるインダクタンスＬ1、Ｌ2、Ｌ 3は各並列腕
のＳＡＷ共振子に直列に付加されようにした。また、パ
ラメータは前記の図４と同じ値を用いた。
形態に基づいて詳細に説明する。外付けインダクタＬα
1個をどの並列腕のＳＡＷ共振子に付加した場合に、通
過帯域が広がり減衰域も満足するか、ラダー型ＳＡＷフ
ィルタのフィルタ特性をシミュレーションにより求める
ことにした。外付するインダクタＬαのインダクタンス
値は２ｎＨとし、ラダー型回路は図３（ｃ）に示す５素
子構成とし、パッケージ内に設けたマイクロストリップ
ラインによるインダクタンスＬ1、Ｌ2、Ｌ 3は各並列腕
のＳＡＷ共振子に直列に付加されようにした。また、パ
ラメータは前記の図４と同じ値を用いた。
【０００９】まず、図７に示すように入出力両側に位置
する並列腕ＳＡＷ共振子に接続されたマイクロストリッ
プラインによるインダクタンスＬ1、Ｌ3の接地側の端子
同士を接続し、これに外付インダクタＬαを接続したラ
ダー型ＳＡＷフィルタのフィルタ特性は、図８（ａ）、
（ｂ）に示すようになった。同図（ｂ）から明らかなよ
うに減衰域特性が著しく劣化していることが分かる。そ
こで、図９に示すように、入力側の並列腕のＳＡＷ共振
子に接続されたマイクロストリップラインによるインダ
クタンスＬ1の接地側の端子に、直列に外付インダクタ
Ｌαを接続したラダー型ＳＡＷフィルタのフィルタ特性
は（出力側の並列腕のＳＡＷ共振子の場合でも同様）、
図１０（ａ）、（ｂ）に示すようなフィルタ特性が得ら
れた。減衰特性は良好であるが、同図（ａ）から３ｄＢ
帯域幅は42.5ＭＨｚとなり、帯域幅は広がらないことが
判明した。
する並列腕ＳＡＷ共振子に接続されたマイクロストリッ
プラインによるインダクタンスＬ1、Ｌ3の接地側の端子
同士を接続し、これに外付インダクタＬαを接続したラ
ダー型ＳＡＷフィルタのフィルタ特性は、図８（ａ）、
（ｂ）に示すようになった。同図（ｂ）から明らかなよ
うに減衰域特性が著しく劣化していることが分かる。そ
こで、図９に示すように、入力側の並列腕のＳＡＷ共振
子に接続されたマイクロストリップラインによるインダ
クタンスＬ1の接地側の端子に、直列に外付インダクタ
Ｌαを接続したラダー型ＳＡＷフィルタのフィルタ特性
は（出力側の並列腕のＳＡＷ共振子の場合でも同様）、
図１０（ａ）、（ｂ）に示すようなフィルタ特性が得ら
れた。減衰特性は良好であるが、同図（ａ）から３ｄＢ
帯域幅は42.5ＭＨｚとなり、帯域幅は広がらないことが
判明した。
【００１０】図１（ａ）は本発明に係るラダー型ＳＡＷ
フィルタの回路構成を示す図であり、５個のＳＡＷ共振
子Ｘｐ、Ｘｓ、Ｘｐ２、Ｘｓ、Ｘｐは圧電基板上に表面
波の伝搬方向に沿って形成され、梯子状に接続されてお
り、パッケージ内にはマイクロストリップラインによる
インダクタンスＬ1、Ｌ2、Ｌ3がそれぞれ並列腕のＳＡ
Ｗ共振子Ｘｐ、Ｘｐ２、Ｘｐに直列に接続される構造と
なっている。そして、インダクタンスＬ1、Ｌ3はパッケ
ージのグランド端子と接続し、インダクタンスＬ2は接
地していない端子Ｎに接続する。さらに、パスバンドを
広げるべくインダクタＬαの一方の端子は、パッケージ
の端子Ｎに接続し、他方の端子は接地した構成とする。
図１（ｂ）はパッケージ裏面の端子側からみた図であ
る。図１（ａ）に示すラダー型ＳＡＷフィルタには２種
類の並列腕共振子Ｘｐ、Ｘｐ２が在るが、本発明の特徴
は並列腕の中でインピーダンスの低いＳＡＷ共振子Ｘｐ
２（前述したようにＸｐ２のインピーダンスはＸｐの１
／２）のみに外付インダクタＬα（＝２ｎＨ）を付加し
たことである。図２（ａ）、（ｂ）は図１（ａ）に示し
た回路構成のラダー型ＳＡＷフィルタのフィルタ特性
で、（ａ）はパスバンド特性、（ｂ）は減衰域特性であ
る。図２（ａ）から３ｄＢの帯域幅は４６．５ＭＨｚが
得られ、４６ＭＨｚより広くなっていることが分かる。
減衰域特性も従来の特性（図４）に比べても何の遜色も
なく、むしろ減衰量が改善されている。
フィルタの回路構成を示す図であり、５個のＳＡＷ共振
子Ｘｐ、Ｘｓ、Ｘｐ２、Ｘｓ、Ｘｐは圧電基板上に表面
波の伝搬方向に沿って形成され、梯子状に接続されてお
り、パッケージ内にはマイクロストリップラインによる
インダクタンスＬ1、Ｌ2、Ｌ3がそれぞれ並列腕のＳＡ
Ｗ共振子Ｘｐ、Ｘｐ２、Ｘｐに直列に接続される構造と
なっている。そして、インダクタンスＬ1、Ｌ3はパッケ
ージのグランド端子と接続し、インダクタンスＬ2は接
地していない端子Ｎに接続する。さらに、パスバンドを
広げるべくインダクタＬαの一方の端子は、パッケージ
の端子Ｎに接続し、他方の端子は接地した構成とする。
図１（ｂ）はパッケージ裏面の端子側からみた図であ
る。図１（ａ）に示すラダー型ＳＡＷフィルタには２種
類の並列腕共振子Ｘｐ、Ｘｐ２が在るが、本発明の特徴
は並列腕の中でインピーダンスの低いＳＡＷ共振子Ｘｐ
２（前述したようにＸｐ２のインピーダンスはＸｐの１
／２）のみに外付インダクタＬα（＝２ｎＨ）を付加し
たことである。図２（ａ）、（ｂ）は図１（ａ）に示し
た回路構成のラダー型ＳＡＷフィルタのフィルタ特性
で、（ａ）はパスバンド特性、（ｂ）は減衰域特性であ
る。図２（ａ）から３ｄＢの帯域幅は４６．５ＭＨｚが
得られ、４６ＭＨｚより広くなっていることが分かる。
減衰域特性も従来の特性（図４）に比べても何の遜色も
なく、むしろ減衰量が改善されている。
【００１１】以上の説明では５つの共振子を有するラダ
ー型ＳＡＷフィルタについて述べたが、本発明はこれに
限定されるものではなく、５つ以上の共振子を有するラ
ダー型ＳＡＷフィルタにも適用でき、このときはインピ
ーダンスの低い並列腕の少なくともいずれか一つに外付
けのインダクタを付加すればよい。また、並列腕あるい
は直列腕を複数の共振子の直列接続構成としたものにつ
いても同様のことが言える。また、外付けインダクタＬ
αの値について２ｎＨを例に挙げて説明したが、これに
限定する必要はなく、ＲＦフィルタに要求されるフィル
タ特性に最適なインダクタンス値を選定すればよい。ま
た、圧電基板についても４２°回転ＹカットＸ伝搬Ｌｉ
ＴａＯ3に限定する必要はなく、その他の切断角度でも
よく、また他の圧電基板例えばニオブ酸リチウム、四硼
酸リチウム、ランガサイト等を用いたラダー型ＳＡＷフ
ィルタにも適用できることは明らかである。
ー型ＳＡＷフィルタについて述べたが、本発明はこれに
限定されるものではなく、５つ以上の共振子を有するラ
ダー型ＳＡＷフィルタにも適用でき、このときはインピ
ーダンスの低い並列腕の少なくともいずれか一つに外付
けのインダクタを付加すればよい。また、並列腕あるい
は直列腕を複数の共振子の直列接続構成としたものにつ
いても同様のことが言える。また、外付けインダクタＬ
αの値について２ｎＨを例に挙げて説明したが、これに
限定する必要はなく、ＲＦフィルタに要求されるフィル
タ特性に最適なインダクタンス値を選定すればよい。ま
た、圧電基板についても４２°回転ＹカットＸ伝搬Ｌｉ
ＴａＯ3に限定する必要はなく、その他の切断角度でも
よく、また他の圧電基板例えばニオブ酸リチウム、四硼
酸リチウム、ランガサイト等を用いたラダー型ＳＡＷフ
ィルタにも適用できることは明らかである。
【００１２】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成した
ので、請求項１に記載の発明は広帯域で小型なラダー型
ＳＡＷフィルタを実現できるという優れた効果を表す。
請求項２に記載の発明は５素子のラダー型ＳＡＷフィル
タで特に携帯電話等に適し、小型で、広帯域なラダー型
ＳＡＷフィルタを実現できるという優れた効果を表す。
ので、請求項１に記載の発明は広帯域で小型なラダー型
ＳＡＷフィルタを実現できるという優れた効果を表す。
請求項２に記載の発明は５素子のラダー型ＳＡＷフィル
タで特に携帯電話等に適し、小型で、広帯域なラダー型
ＳＡＷフィルタを実現できるという優れた効果を表す。
【図１】（ａ）は本発明に係るラダー型ＳＡＷフィルタ
の構成を示す回路図、（ｂ）はパッケージの裏面からみ
た図である。
の構成を示す回路図、（ｂ）はパッケージの裏面からみ
た図である。
【図２】本発明に係るラダー型ＳＡＷフィルタのフィル
タ特性を示す図で、（ａ）はパスバンド特性、（ｂ）は
減衰域特性を示す図である。
タ特性を示す図で、（ａ）はパスバンド特性、（ｂ）は
減衰域特性を示す図である。
【図３】ラダー型ＳＡＷフィルタを説明するための図
で、（ａ）はラダー型フィルタの基本区間、（ｂ）は基
本区間のリアクタンス特性とフィルタ特性、（ｃ）は基
本区間を４区間縦続接続して構成した５素子ラダー型フ
ィルタ、（ｄ）一端子対弾性表面波共振子の構成を示す
平面図である。
で、（ａ）はラダー型フィルタの基本区間、（ｂ）は基
本区間のリアクタンス特性とフィルタ特性、（ｃ）は基
本区間を４区間縦続接続して構成した５素子ラダー型フ
ィルタ、（ｄ）一端子対弾性表面波共振子の構成を示す
平面図である。
【図４】従来の５素子ラダー型ＳＡＷフィルタのフィル
タ特性を示す図で、（ａ）はパスバンド特性、（ｂ）は
減衰域特性を示す図、（ｃ）は５素子ラダー型ＳＡＷフ
ィルタの回路構成を示す図である。
タ特性を示す図で、（ａ）はパスバンド特性、（ｂ）は
減衰域特性を示す図、（ｃ）は５素子ラダー型ＳＡＷフ
ィルタの回路構成を示す図である。
【図５】全ての並列腕ＳＡＷ共振子の接地側端子を接続
し、それに直列にインダクタを接続した５素子ラダー型
ＳＡＷフィルタの回路構成を示す図である。
し、それに直列にインダクタを接続した５素子ラダー型
ＳＡＷフィルタの回路構成を示す図である。
【図６】図５の構成の５素子ラダー型ＳＡＷフィルタの
フィルタ特性を示す図で、（ａ）はパスバンド特性、
（ｂ）は減衰域特性を示す図である。
フィルタ特性を示す図で、（ａ）はパスバンド特性、
（ｂ）は減衰域特性を示す図である。
【図７】入力、出力側の並列腕ＳＡＷ共振子の接地側端
子を互いに接続し、それに直列にインダクタを接続した
５素子ラダー型ＳＡＷフィルタの回路構成を示す図であ
る。
子を互いに接続し、それに直列にインダクタを接続した
５素子ラダー型ＳＡＷフィルタの回路構成を示す図であ
る。
【図８】図７の構成の５素子ラダー型ＳＡＷフィルタの
フィルタ特性を示す図で、（ａ）はパスバンド特性、
（ｂ）は減衰域特性を示す図である。
フィルタ特性を示す図で、（ａ）はパスバンド特性、
（ｂ）は減衰域特性を示す図である。
【図９】インダクタを入力側の並列腕ＳＡＷ共振子に直
列接続した５素子ラダー型ＳＡＷフィルタの回路構成を
示す図である。
列接続した５素子ラダー型ＳＡＷフィルタの回路構成を
示す図である。
【図１０】図９の構成の５素子ラダー型ＳＡＷフィルタ
のフィルタ特性を示す図で、（ａ）はパスバンド特性、
（ｂ）は減衰域特性を示す図である。
のフィルタ特性を示す図で、（ａ）はパスバンド特性、
（ｂ）は減衰域特性を示す図である。
Ｘｓ・・直列腕弾性表面波共振子 Ｘｐ、Ｘｐ２・・並列腕弾性表面波共振子 Ｌα・・インダクタ
Claims (2)
- 【請求項１】 圧電基板上に表面波の伝搬方向に沿って
ＩＤＴ電極とその両側にグレーティング反射器を配置し
て形成する一端子対表面波共振子を梯子状に複数個配設
し、該圧電基板をパッケージ内に収容して構成するラダ
ー型弾性表面波フィルタにおいて、 並列腕に配置された一端子対表面波共振子の中でインピ
ーダンスの低い共振子にのみパッケージの外部からイン
ダクタを直列接続して広帯域フィルタを構成したことを
特徴とするラダー型弾性表面波フィルタ。 - 【請求項２】 ５個の一端子対表面波共振子を並列腕、
直列腕、並列腕、直列腕、並列腕の順にそれぞれ配置
し、２つの直列腕に挟まれた並列腕の一端子対表面波共
振子に１個のインダクタを接続したこことを特徴とする
請求項１に記載のラダー型弾性表面波フィルタ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001013395A JP2002217680A (ja) | 2001-01-22 | 2001-01-22 | ラダー型弾性表面波フィルタ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001013395A JP2002217680A (ja) | 2001-01-22 | 2001-01-22 | ラダー型弾性表面波フィルタ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002217680A true JP2002217680A (ja) | 2002-08-02 |
Family
ID=18880252
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001013395A Pending JP2002217680A (ja) | 2001-01-22 | 2001-01-22 | ラダー型弾性表面波フィルタ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2002217680A (ja) |
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| GB2393054A (en) * | 2002-09-12 | 2004-03-17 | Agilent Technologies Inc | Electrical notch filter with acoustic resonators |
| US6906600B2 (en) * | 2002-01-08 | 2005-06-14 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Surface acoustic wave device and branching filter with specified signal terminal locations |
| WO2005055423A1 (ja) * | 2003-12-01 | 2005-06-16 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | フィルタ装置 |
| US7301420B2 (en) * | 2003-11-20 | 2007-11-27 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Piezoelectric resonator filter |
| WO2016024559A1 (ja) * | 2014-08-12 | 2016-02-18 | 株式会社村田製作所 | 高周波モジュール |
| JP2018074562A (ja) * | 2016-07-13 | 2018-05-10 | 株式会社村田製作所 | マルチプレクサ、高周波フロントエンド回路、通信装置、及び、マルチプレクサの設計方法 |
| KR20220044321A (ko) | 2019-09-27 | 2022-04-07 | 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 | 탄성파 필터 |
-
2001
- 2001-01-22 JP JP2001013395A patent/JP2002217680A/ja active Pending
Cited By (10)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| US6879224B2 (en) | 2002-09-12 | 2005-04-12 | Agilent Technologies, Inc. | Integrated filter and impedance matching network |
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