JP2001200859A - 等速自在継手 - Google Patents

等速自在継手

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JP2001200859A
JP2001200859A JP2000004801A JP2000004801A JP2001200859A JP 2001200859 A JP2001200859 A JP 2001200859A JP 2000004801 A JP2000004801 A JP 2000004801A JP 2000004801 A JP2000004801 A JP 2000004801A JP 2001200859 A JP2001200859 A JP 2001200859A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性及び強度の向上 【解決手段】 トリポード部材20および外側継手部材
10の接触面の直下には、浸炭窒化焼入れ焼戻しによる
表層部(浸炭窒化層)形成され、その表層部の残留オー
ステナイト量γR(vol%)が20≦γR≦40の範囲
内に規制されている。また、ローラアッセンブリを構成
する支持リング32、ローラ34、およびニードルロー
ラ36の接触面の直下には、窒化焼入れ焼戻しによる表
層部(窒化層)形成され、その表層部の残留オーステナ
イト量γR(vol%)が20≦γR≦40の範囲内に規
制されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車や各種産業
機械等の動力伝達装置に使用される等速自在継手に関
し、特にトリポード型等速自在継手に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、自動車のエンジンから車輪に回
転動力を伝達する動力伝達装置の一要素として(ドライ
ブシャフトやプロペラシャフトの連結用継手として)、
トリポード型等速自在継手が用いられている。
【0003】トリポード型等速自在継手は、一般に、内
周部に軸方向の3本のトラック溝が形成され、各トラッ
ク溝の両側にそれぞれ軸方向のローラ案内面を有する外
側継手部材と、半径方向に突出した3本の脚軸を有し、
各脚軸にそれぞれローラを回転自在に配設したトリポー
ド部材とを主体として構成される。トリポード部材の脚
軸と外側継手部材のローラ案内面とがローラを介して回
転方向に係合することにより、駆動側から従動側に回転
トルクが等速で伝達される。また、各ローラが脚軸に対
して回転しながらローラ案内面上を転動することによ
り、外側継手部材とトリポード部材との間の相対的な軸
方向変位や角度変位が吸収されると同時に、外側継手部
材とトリポード部材とが作動角を取りつつ回転トルクを
伝達する際の、回転方向位相の変化に伴う、各脚軸のロ
ーラ案内面に対する軸方向変位が吸収される。
【0004】トリポード型等速自在継手としては、上記
ローラを複数のニードルローラを介して脚軸の円筒状外
周面に装着したものもあるが、外側継手部材とトリポー
ド部材とが作動角をとりつつ回転トルクを伝達する際、
脚軸の傾きに伴って各ローラとローラ案内面とが互いに
斜交した関係になるので、両者の間に滑りが生じ、その
際の摺動抵抗によって各ローラの円滑な転動が妨げられ
て誘起スラストが大きくなるという問題がある。また、
各ローラとローラ案内面との間の摺動抵抗によって、外
側継手部材とトリポード部材とが軸方向に相対変位する
際のスライド抵抗が大きくなるという問題がある。
【0005】そこで、ローラとローラ案内面との斜交状
態を解消して、誘起スラストやスライド抵抗の低減を図
るため、脚軸に対するローラの首振り揺動を自在とする
機構(ローラ機構)を備えたトリポード型等速自在継手
が種々提案され、実用化されている。この種のトリポー
ド型等速自在継手として、例えば、ローラ案内面に案内
される外側ローラと、脚軸の外周面に複数のニードルロ
ーラを介して回転自在に支持された内側ローラとを備え
た構成が知られている。この構成はさらに以下の〜
の態様に大別することができる。
【0006】外側ローラの外周面を凸球状(曲率中心
が脚軸の軸線上にある「真球面」、曲率中心が脚軸の軸
線から外径側にオフセットされている、いわゆる「トー
ラス面」の双方を含む。)、内周面を円筒状、内側ロー
ラの外周面を凸球状とし、外側ローラの円筒状の内周面
と内側ローラの凸球状の外周面との間の滑りによって、
外側ローラの首振り揺動を自在としたもの(特公平3−
1529号等)。
【0007】外側ローラの外周面を凸球状(真球面、
トーラス面の双方を含む。)、内周面を内側ローラの外
周面と線接触する形状、内側ローラの外周面を凸球状と
し、外側ローラの内周面と内側ローラの凸球状の外周面
との間の滑りによって、外側ローラの首振り揺動を自在
とし、かつ、誘起スラストやスライド抵抗を一層低減す
るため、外側ローラの内周面を内側ローラの外周面との
接触位置で脚軸先端側に向いた負荷分力を発生させる形
状としたもの(特開平9−14280号等)。
【0008】ローラ案内面を平坦面、外側ローラの外
周面を円筒状、内周面を凹球状、内側ローラの外周面を
凸球状とし、外側ローラの凹球状の内周面と内側ローラ
の凸球状の外周面との間の滑りによって、外側ローラの
首振り揺動を自在としたもの(特願平8−4073号、
特願平8−138335号)。
【0009】上記の構成に加え、ローラ案内面と脚
軸の軸線とを作動角が0°の状態で互いに非平行とした
もの(特開平11−13779号)。
【0010】また、この種のトリポード型等速自在継手
として、脚軸の外周面を凸球状に形成すると共に、ロ
ーラを複数のニードルローラを介して支持リングに組み
付けてローラアッセンブリを構成し、支持リングの円筒
状の内周面を脚軸の凸球状の外周面に外嵌した構成が知
られている(特公平7−117108号、特許2623
216号等)。この構成によれば、支持リングの円筒状
の内周面と脚軸の凸球状の外周面との間の滑りによっ
て、ローラを含むローラアッセンブリの首振り揺動が自
在となる。
【0011】さらに、本出願人は、この種のトリポード
型等速自在継手における誘起スラストやスライド抵抗を
一層効果的に低減するため、ローラ案内面に案内され
るローラと、脚軸の外周面に外嵌されてローラを回転自
在に支持する支持リングとを有し、支持リングの内周面
は円弧状凸断面であり、脚軸の外周面は縦断面において
はストレート形状で、横断面においては継手の軸線と直
交する方向で支持リングの内周面と接触し、かつ、継手
の軸線方向で支持リングの内周面との間にすきまを形成
するようになっている構成について既に出願している
(特願平11−059040号)。この構成によれば、
支持リングの円弧状凸断面の内周面と脚軸のストレート
形状の外周面との間の滑りによって、ローラを含むロー
ラアッセンブリの首振り揺動が自在となる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述したよ
うなローラ機構を備えたトリポード型等速自在継手にお
いて、構成部品の転動疲労寿命を高め、また割れ等に対
する強度を高めることにより、現状のサイズを維持した
ままより耐久性や強度に優れたトリポード型等速自在継
手を提供し、また、現状品と同等以上の耐久性や強度を
確保しつつよりコンパクトなトリポード型等速自在継手
を提供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、本発明は、内周部に軸方向の3本のトラック溝が形
成され、各トラック溝の両側にそれぞれ軸方向のローラ
案内面を有する外側継手部材と、半径方向に突出した3
本の脚軸を有するトリポード部材と、トリポード部材の
各脚軸にそれぞれ装着されたローラ機構とを備え、ロー
ラ機構は、脚軸に対して首振り揺動自在で、ローラ案内
面に沿って外側継手部材の軸線と平行な方向に案内され
るローラを有する等速自在継手において、少なくとも1
つの構成部品の表層部における残留オーステナイト量γ
R(vol%)が20≦γR≦40である構成を提供す
る。
【0014】一般に、転がり接触面の代表的な疲労形態
としてフレーキング(疲れ剥離)がある。すなわち、転
がり運動に伴う繰返し応力が接触面に加わると転走部に
亀裂が発生し、それがフレーキングに進展して転動疲労
寿命に至ることが知られている。多くの実験と経験か
ら、フレーキングの最初の起点である亀裂の多くは、接
触面から少し内部に入った部分に発生することが観察さ
れている。また、潤滑剤中に金属摩耗粉等の異物が混入
しやすい条件下では、異物噛み込みによる圧痕を起点と
する剥離、潤滑油膜が不十分なために生じるピーリング
やスミアリング、およびこれらを起点とする割れ(表面
起点型損傷)によって、接触面が本来的なフレーキング
と同様の損傷形態を呈して転動疲労寿命に至ることが観
察されている。後者の場合、接触面の転動疲労寿命は、
清浄な潤滑剤による潤滑条件下に比べて短くなる。
【0015】一方、この種の等速自在継手は、構成部品
の接触面の表面あらさが通常の転がり軸受に比べて大き
く、しかもローラが脚軸に対して首振り揺動する際に、
ローラ機構の支持リングと脚軸との接触部、あるいは、
ローラ機構の内側ローラと外側ローラとの接触部などに
滑りが生じる。そのため、接触部での摩耗粉の発生があ
り、これが潤滑剤中に混入し、接触面に噛み込まれて、
圧痕の生成や潤滑油膜の形成阻害の要因となり、上記の
表面起点型損傷が生じ易い傾向にある。
【0016】本発明によれば、少なくとも1つの構成部
品の表層部における残留オーステナイト量γR(vol
%)を20≦γR≦40の範囲内に規制したので、表層
部の亀裂敏感性が改善され、上記の表面起点型損傷が生
じにくくなる。これは次の理由による。すなわち、残留
オーステナイトは硬度が比較的低く(素材中の炭素含有
量によっても異なるが、例えばHv300程度であ
る。)、接触面に異物噛み込みによる圧痕が形成されて
も、表層部中に分散したオーステナイト粒が圧痕周縁で
容易に塑性変形して、表層部での応力集中を緩和し、亀
裂伝播を遅延させる。また、残留オーステナイトは、表
層部に加わる変形エネルギーによって、マルテンサイト
変態を起こして硬化する。そのため、表層部に残留オー
ステナイトを適正量含ませることにより、表層部の亀裂
敏感性を改善し、上記の表面起点型損傷の発生を抑制し
て、転動疲労寿命を向上させることができる。表層部の
残留オーステナイト量γRが20vol%未満である
と、表層部の亀裂敏感性を十分に改善することができ
ず、逆に表層部の残留オーステナイト量γRが40vo
l%を越えても、亀裂敏感性の改善はそれ以上期待でき
ない一方、表面硬さが低下し、却って転動疲労寿命を低
下させてしまう結果となる。従って、表層部の残留オー
ステナイト量γR(vol%)は、20≦γR≦40の範
囲内とするのが良い。尚、本発明における表層部は、構
成部品の少なくとも接触面の直下に形成すれば良く、接
触面の直下にのみ表層部を形成した構成、接触面および
その周辺の表面の直下に表層部を形成した構成、構成部
品の全表面の直下に表層部を形成した構成を含む。
【0017】例えば、外側継手部材、トリポード部材、
及びローラ機構を構成する部品のうち少なくとも一つ
を、炭素含有量0.15〜0.40wt%の鋼で形成す
ると共に、浸炭焼入れ焼戻しによる表層部(浸炭層)、
あるいは、浸炭窒化焼入れ焼戻しによる表層部(浸炭窒
化層)を形成し、かつ、表層部の残留オーステナイト量
γR(vol%)を20≦γR≦40の範囲内に規制した
構成とすることができる。この構成によれば、当該構成
部品の表層部は亀裂敏感性が改善されて、転動疲労に対
する耐久性に優れた組織になる一方、芯部は靭性をもっ
た組織になる。従って、当該構成部品は高い転動疲労寿
命と割れ強度等を兼ね備えたものとなる。特に、浸炭窒
化焼入れ焼戻しによる表層部(浸炭窒化層)を形成した
構成では、この効果が顕著である。すなわち、表層部に
適切な条件での窒素を複合させると、窒素の侵入により
残留オーステナイトや基地(マトリックス)のマルテン
サイトが熱に対して安定となり、熱変化しにくい組織に
なり、転動疲労に対する高い耐性や割れ等に対する高い
強度が得られる。また、トリポード部材の脚軸の基端部
やセレーション部は、トルク伝達時に捩り応力が集中
し、しかもこれらの部分は通常非研削の状態で残される
ため、捩り疲労が問題となるが、浸炭窒化層を形成する
ことにより焼入れ性が改善され、これら部位の表面硬さ
が上昇して、捩り疲労強度も向上する。
【0018】例えば、ローラ機構を構成する部品のうち
少なくとも一つを、炭素含有量0.95〜1.10wt
%の鋼で形成すると共に、接触面の直下に窒化焼入れ焼
戻しにより表層部に窒化層(窒素を多く固溶した層)を
形成し、かつ、表層部の残留オーステナイト量γR(v
ol%)を20≦γR≦40の範囲内に規制した構成と
することができる。上述した構成と同様に、当該構成部
品の表層部の亀裂敏感性が改善されて、転動疲労強度に
優れた組織になると同時に、内部にまで均等に焼きが入
るので、高荷重下での変形が少なくなる利点がある。従
って、当該構成部品は高い転動疲労寿命と耐荷重変形性
等を兼ね備えたものとなる。
【0019】上記構成において、外側継手部材およびト
リポード部材のうち少なくとも一方の軟化抵抗特性値R
を、705<R≦820、好ましくは710≦R≦81
5の範囲内に規制するのが望ましい。これは、以下の理
由による。
【0020】一般に、鋼材料の疲労強度が表面硬さと相
関のあることは良く知られており、鋼材料に熱処理等を
施して表面硬化層を形成し、その表面硬化層の表面硬さ
を管理することによって、所要の疲労強度を確保するこ
とが行われている。しかしながら、本出願人による実験
の結果では、疲労強度は表面硬さよりも、表面から所定
深さまでの領域の軟化抵抗特性(ある程度の高温になっ
ても材料が軟化し難い性質)とより密接な相関を有する
ことが認められた。そして、この軟化抵抗特性は、所定
表面から深さ0.5mm以内の領域での最高硬さによっ
て正しく評価することができ(軟化抵抗特性値R)、こ
の軟化抵抗特性値Rを疲労強度の評価指数として使用で
きることが分かった。ここで、「軟化抵抗特性値R」
は、構成部品を焼入れした後に200°C×2時間の焼
戻しを行って、表面から0.5mm以内の領域での最高
ビッカース硬さHvの値として表す。この軟化抵抗特性
値Rを所定範囲内に規制することにより、構成部品の転
動疲労寿命を高め、また捩り疲労等に対する強度を高め
ることができる。
【0021】本発明の等速自在継手のローラ機構とし
て、ローラ案内面に案内されるローラと、脚軸の外周面
に外嵌されてローラを回転自在に支持する支持リングと
を有し、支持リングの内周面は円弧状凸断面であり、脚
軸の外周面は縦断面においてはストレート形状で、横断
面においては継手の軸線と直交する方向で支持リングの
内周面と接触し、かつ、継手の軸線方向で支持リングの
内周面との間にすきまを形成するようになっている構成
を採用することができる。この構成では、ローラ及び支
持リングを含むローラアッセンブリが、脚軸に対して、
ユニットとして首振り揺動する。ここで、首振揺動と
は、脚軸の軸線を含む平面内で、脚軸の軸線に対して支
持リングおよびローラの軸線が傾くことをいう。
【0022】脚軸の横断面形状について、継手の軸線と
直交する方向で支持リングの内周面と接触するとともに
継手の軸線方向で支持リングの内周面との間にすきまを
形成するような形状とは、言い換えれば、トリポード部
材の軸方向で互いに向き合った面部分が相互方向に、つ
まり、仮想円筒面よりも小径側に退避している形状を意
味する。その一つの具体例として略楕円形が挙げられ
る。「略楕円形」には、字義どおりの楕円形の他、一般
に卵形、小判形等と称される形状も含まれる。
【0023】従来円形であった脚軸の断面形状を上記の
形状としたことにより、継手が作動角をとったとき、ロ
ーラアセンブリの姿勢を変えることなく、脚軸が外側継
手部材に対して傾くことができる。しかも、脚軸の外周
面と支持リングとの接触楕円が従来の横長から点に近づ
くため(図1(C)参照)、ローラアセンブリを傾けよ
うとする摩擦モーメントが低減する。したがって、ロー
ラアセンブリの姿勢が常に安定し、ローラがローラ案内
面と平行に保持されるため円滑に転動することができ
る。これにより、スライド抵抗の低減ひいては誘起スラ
ストの低減に寄与する。
【0024】なお、ローラアセンブリは脚軸と外側継手
部材との間に介在してトルクを伝達する役割を果たすも
のであるが、この種の等速自在継手におけるトルクの伝
達方向は常に継手の軸線に直交する方向であるため、当
該トルクの伝達方向において脚軸と支持リングとが接し
ていることでトルクの伝達は可能であり、継手の軸線方
向において両者間にすきまがあってもトルク伝達に支障
を来すことはない。
【0025】上記構成において、支持リングの内周面の
母線を、中央部の円弧部と両端部の逃げ部とで構成する
ことができる。円弧部の曲率半径は、2〜3°程度の脚
軸の傾きを許容できる大きさとするのが好ましい。ま
た、支持リングとローラの間に複数の転動体を配置して
支持リングとローラを相対回転自在とすることができ、
その転動体として、ニードルローラを用いることができ
る。さらに、ローラの外周面を球状(真球面又はトーラ
ス面)に形成し、このローラの球状外周面を外側継手部
材のローラ案内面とアンギュラコンタクトさせた構成と
することができる。ローラとローラ案内面とをアンギュ
ラコンタクトさせることにより、ローラが振れにくくな
ってその姿勢が一層安定するため、ローラが外側継手部
材の軸方向に移動する際にローラ案内面上をより少ない
抵抗で円滑に転動する。かかるアンギュラコンタクトを
実現するための具体的な構成として、ローラ案内面の断
面形状をテーパ形状またはゴシックアーチ形状とするこ
とが挙げられる。
【0026】また、本発明の等速自在継手のローラ機構
として、ローラ案内面に案内されるローラと、脚軸の外
周面に外嵌されて前記ローラを回転自在に支持する支持
リングとを有し、脚軸の外周面は凸球状であり、支持リ
ングの内周面は円筒状又は円錐状である構成を採用する
ことができる。この構成では、ローラ及び支持リングを
含むローラアッセンブリが、脚軸に対して、ユニットと
して首振り揺動する。
【0027】さらに、本発明の等速自在継手のローラ機
構として、ローラ案内面に案内される外側ローラと、脚
軸に回転自在に支持され、外側ローラの内周面に嵌合さ
れた内側ローラとを有し、内側ローラの外周面は凸球状
であり、外側ローラの内周面は内側ローラの外周面との
接触位置で脚軸先端側に向いた負荷分力を発生させる形
状になっている構成を採用することができる。この構成
では、外側ローラが、脚軸に対して首振り揺動する。こ
こで、首振揺動とは、脚軸の軸線を含む平面内で、脚軸
の軸線に対して外側ローラの軸線が傾くことをいう。
【0028】より具体的には、外側ローラの内周面の形
状として、本出願人による特開平9−14280号に示
された種々の形状を採用することができる。すなわち、
外側ローラの内周面の形状として、脚軸先端側に向かっ
て漸次縮径した円錐状、脚軸の外周面の母線中心に対し
て脚軸基端側にオフセットされた点を母線中心とする凹
球面(特開平9−14280号、第3図の形状)、脚軸
の外周面の母線中心に対して脚軸先端側にオフセットさ
れた点を母線中心とする凸球面(特開平9−14280
号、第4図の形状)、脚軸先端側に向かって縮径した円
錐テーパ面と凸球面との合成面(特開平9−14280
号、第5図の形状)、円筒面と凸球面との合成面(特開
平9−14280号、第6図の形状)等、種々の形状を
採用することができる。但し、製造工程を簡略化できる
観点から、外側ローラの内周面は脚軸先端側に向かって
漸次縮径した円錐状とするのが好ましい。その場合、支
持体の内周面の傾斜角を0.1°〜3°、好ましくは
0.1°〜1°の範囲内の値に設定するのが、誘起スラ
ストを効果的に低減、安定化する観点から望ましい。
【0029】以上の構成において、構成部品の接触面に
は、微小な凹部を無数にランダムに形成しても良い。接
触面に形成された微小凹部が油溜りの役割を果たし、接
触面における油膜形成が促進されるので、潤滑性が改善
され、接触面の転動疲労寿命が向上する。微小凹部は、
例えば大きさ数10μm程度、深さ1μm程度のもので
ある。接触面の研磨条件を変えることにより、任意の大
きさ、深さ、数の微小凹部を形成することが可能であ
る。尚、接触面にのみ選択的に微小凹部を形成すること
が困難な場合は、その構成部品の接触面の周辺部を含め
て、あるいは全表面に微小凹部を形成しても良い。
【0030】また、構成部品の接触面には、化成処理被
膜を下地層とする固体潤滑被膜を形成しても良い。固体
潤滑被膜により、接触面の摩擦抵抗が軽減され、潤滑性
が改善されるので、接触面の転動疲労寿命が向上する。
下地層となる化成処理被膜は、固体潤滑被膜の接触面に
対する密着性を高める目的で形成される。化成処理被膜
としては、例えばりん酸マンガン処理被膜、りん酸鉄処
理被膜、りん酸亜鉛処理被膜等を挙げることができる。
また、固体潤滑被膜としては、二硫化モリブデン被膜、
PTFE被膜等を挙げることができる。尚、処理前の接
触面(母材表面)の表面粗さは処理後の効果に影響する
ので、適度な油溜りの作用が得られるように、接触面の
表面粗さを、Ra0.2〜0.8に仕上げ加工しておく
のが望ましい。また、接触面にのみ選択的に被膜処理を
施すことが困難な場合は、その構成部品の接触面の周辺
部を含めて、あるいは全表面に被膜処理を施しても良
い。
【0031】また、構成部品の接触面には、常温浸硫処
理を施しても良い。浸硫処理は、鋼の表面に硫黄を浸透
させ、硫化鉄を生成させる表面処理法である。浸硫処理
を施すことにより、表面の摩擦抵抗が軽減されるので、
初期なじみ性が改善され、転動疲労寿命の向上になる
他、NVH特性も安定する。また、常温浸硫処理によれ
ば、例えば30〜40°C×10〜30分の条件で処理
を行うので、表面硬化層の硬さ低下も起こらない。処理
前の接触面の表面粗さは処理後の効果に影響するので、
適度な油溜りの作用が得られるように、接触面の表面粗
さを、Ra0.2〜0.8に仕上げ加工しておくのが望
ましい。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0033】図1および図2は、本発明の第1の実施の
形態を示している。図1(A)は継手の横断面を示し、
図1(B)は脚軸に垂直な断面を示し、図1(C)は支
持リングの横断面を示し、図2は作動角(θ)をとった
状態の継手の縦断面を示している。
【0034】図1に示すように、等速自在継手は外側継
手部材10とトリポード部材20とを主体として構成さ
れ、連結すべき2軸の一方が外側継手部材10と連結さ
れ、他方がトリポード部材20と連結される。
【0035】外側継手部材10は内周部に軸方向に延び
る3本のトラック溝12を有する。各トラック溝12の
円周方向で向かい合った側壁にそれぞれローラ案内面1
4が形成されている。トリポード部材20は半径方向に
突設した3本の脚軸22を有し、各脚軸22にはローラ
34が取り付けてあり、このローラ34が外側継手部材
10のトラック溝12内に収容される。ローラ34の外
周面34aはローラ案内面14に適合する凸曲面であ
る。
【0036】ここでは、ローラ34の外周面34aは脚
軸22の軸線から半径方向に離れた位置に曲率中心を有
する円弧を母線とする凸曲面であり、ローラ案内面14
の断面形状はゴシックアーチ形状であって、これによ
り、ローラ34の外周面34aとローラ案内面14とが
アンギュラコンタクトをなす。図1(A)に、2つの当
たり位置を一点鎖線で示してある。球状のローラ外周面
に対してローラ案内面14の断面形状をテーパ形状とし
ても両者のアンギュラコンタクトが実現する。このよう
にローラ34の外周面34aとローラ案内面14とがア
ンギュラコンタクトをなす構成を採用することによっ
て、ローラが振れにくくなるため姿勢が安定する。な
お、アンギュラコンタクトを採用しない場合には、たと
えば、ローラ案内面14を軸線が外側継手部材10の軸
線と平行な円筒面の一部で構成し、その断面形状をロー
ラ34の外周面34aの母線に対応する円弧とすること
もできる。
【0037】脚軸22の外周面22aに支持リング32
が外嵌している。この支持リング32とローラ34とは
複数のニードルローラ36を介してアッセンブリ(ユニ
ット化)され、相対回転可能なローラアセンブリを構成
している。すなわち、支持リング32の円筒形外周面を
内側軌道面とし、ローラ34の円筒形内周面を外側軌道
面として、これらの内外軌道面間にニードルローラ36
が転動自在に介在する。図1(B)に示されるように、
ニードルローラ36は、できるだけ多くのころを入れ
た、保持器のない、いわゆる総ころ状態で組み込まれて
いる。符号33,35で示してあるのは、ニードルロー
ラ36の抜け落ち止めのためにローラ34の内周面に形
成した環状溝に装着した一対のワッシャである。
【0038】脚軸22の外周面22aは、縦断面{図1
(A)}で見ると脚軸22の軸線と平行なストレート形
状であり、横断面{図1(B)}で見ると、長軸が継手
の軸線に直交する楕円形状である。脚軸の断面形状は、
トリポード部材20の軸方向で見た肉厚を減少させて略
楕円状としてある。言い換えれば、脚軸の断面形状は、
トリポード部材の軸方向で互いに向き合った面が相互方
向に、つまり、仮想円筒面よりも小径側に退避してい
る。
【0039】支持リング32の内周面32cは円弧状凸
断面を有する。すなわち、内周面32cの母線が半径r
の凸円弧である{図1(C)}。このことと、脚軸22
の断面形状が上述のように略楕円形状であり、脚軸22
と支持リング32との間には所定のすきまが設けてある
ことから、支持リング32は脚軸22の軸方向での移動
が可能であるばかりでなく、脚軸22に対して首振り揺
動自在である。また、上述のとおり支持リング32とロ
ーラ34はニードルローラ36を介して相対回転自在に
アッセンブリ(ユニット化)されているため、脚軸22
に対し、支持リング32とローラ34がユニットとして
首振り揺動可能な関係にある。ここで、首振りとは、脚
軸22の軸線を含む平面内で、脚軸22の軸線に対して
支持リング32およびローラ34の軸線が傾くことをい
う(図2参照)。
【0040】この種の従来継手の場合、脚軸の外周面が
全周にわたって支持リングの内周面と接するため、接触
楕円が円周方向に延びた横長形状を呈する。そのため、
外側継手部材に対して脚軸が傾くとき、脚軸の動きに伴
って支持リングを、延いてはローラを傾かせるように作
用する摩擦モーメントが発生する。これに対し、図1に
示した実施の形態では、脚軸22の横断面が略楕円状
で、支持リング32の内周面32cの横断面が円弧状凸
断面であることから、図1(C)に破線で示すように、
両者の接触楕円は点に近いものとなり、同時に面積も小
さくなる。したがって、ローラアセンブリ(32、3
4、36)を傾かせようとする力が従来のものに比べる
と非常に低減し、ローラ34の姿勢の安定性が一層向上
する。
【0041】上記構成において、トリポード部材20は
炭素含有量0.15〜0.40wt%の鋼材料から、鍛
造加工→機械加工→浸炭窒化焼入れ焼戻し→脚軸22の
外周面22aの研削加工という主要工程を経て製造され
る。トリポード部材20の表面の直下には、浸炭窒化焼
入れ焼戻しによる表層部(浸炭窒化層)が形成され、そ
の表層部の残留オーステナイト量γR(vol%)が2
0≦γR≦40の範囲内に規制されている。尚、表層部
(浸炭窒化層)は少なくとも脚軸22の外周面22aの
直下に形成すれば良い。また、この実施形態において、
完成後のトリポード部材20における脚軸22の外周面
22aやその他の表面を基準とする軟化特性抵抗値R
は、705<R≦820、好ましくは710≦R≦81
0の範囲内に規制されている。
【0042】尚、上記工程中の浸炭窒化焼入れ焼戻しに
代えて、浸炭焼入れ焼戻しを採用し、浸炭焼入れ焼戻し
による表層部(浸炭層)の残留オーステナイト量γ
R(vol%)を20≦γR≦40の範囲内に規制しても
良い。
【0043】外側継手部材10は炭素含有量0.15〜
0.40wt%の鋼材料から、鍛造加工→機械加工→浸
炭窒化焼入れ焼戻し→軸部10a{図2(A)参照}の
研削加工という主要工程を経て製造される。浸炭窒化焼
入れ焼戻しに代えて、浸炭焼入れ焼戻しを採用すること
もできる。その他の事項はトリポード部材20に準じる
ので、重複する記載を省略する。
【0044】ローラアッセンブリを構成する支持リング
32、ローラ34、およびニードルローラ36は、炭素
含有量0.95〜1.10wt%の鋼材料、例えばSU
J2等の軸受鋼から、鍛造加工→機械加工→窒化焼入れ
焼戻し→研削加工という主要工程を経て製造される。ま
た、これら構成部品の表面の直下には、窒化焼入れ焼戻
しにより表層部に窒化層(窒素を固溶した層)形成さ
れ、その表層部の残留オーステナイト量γR(vol
%)が20≦γR≦40の範囲内に規制されている。
尚、これら構成部品の材料、製造工程、その他の事項
は、上述したトリポード部材20や外側継手部材10に
準じたものとしても良い。
【0045】また、トリポード部材20、外側継手部材
10、支持リング32、ローラ34、ニードルローラ3
6の接触面には、前述した微小凹部、化成処理被膜を下
地層とする固体潤滑被膜を形成しても良い。また、常温
浸硫処理を施しても良い。
【0046】さらに、上述した主要工程を経た後、トリ
ポード部材20の脚軸22の外周面22a、基端部、お
よびセレーション部(又はスプライン部)のうち少なく
とも1個所、外側継手部材10のローラ案内面14およ
び軸部10a(特にセレーション部又はスプライン部)
のうち少なくとも一個所にショットピーニング処理を施
しても良い。ショットピーニング処理を施すことによ
り、表面組織が微細化されると共に、表面に残留圧縮応
力が発生する。そのため、転動疲労寿命や捩り疲労に対
する強度が向上する。また、ショット粒の高い衝突エネ
ルギーにより、表層部の残留オーステナイトがマルテン
サイト変態を起こす。これにより、残留圧縮応力がさら
に増加し、同時に微小ディンプルが形成されて油溜りと
なり、耐摩耗性の向上、転動疲労寿命や捩り疲労強度の
向上に一層効果的である。特に、残留オーステナイト量
が多い浸炭窒化層ではその傾向が顕著である。
【0047】この実施形態の等速自在継手は、構成部品
の材料、表層部の性状が最適化され、転動疲労寿命の向
上や割れ等に対する強度向上が図られている結果、現状
の同サイズの等速自在継手と比較して、優れた耐久性や
強度を有する。また、現状品と同等以上の耐久性や強度
を確保しつつ、よりコンパクト化を図ることが可能であ
る。
【0048】図3および図4は、本発明の第2の実施の
形態を示している。この第2の実施の形態は、支持リン
グ32の内周面32cの母線が、上述の第1の実施の形
態では単一の円弧で形成されているのに対して、中央の
円弧部32aとその両側の逃げ部32bとの組合せで形
成されている点でのみ相違する。逃げ部32bは、図3
(C)のように作動角(θ)をとったときの脚軸22と
の干渉を避けるための部分であり、円弧部32aの端か
ら支持リング32の端部に向かって徐々に拡径した直線
または曲線で構成する。ここでは、逃げ部32bを円錐
角α=50°の円錐面の一部とした場合を例示してあ
る。円弧部32aは、支持リング32に対する脚軸22
の2〜3°程度の傾きを許容するため、たとえば30m
m程度の大きな曲率半径(r)とする。トリポード型等
速自在継手では、機構上、外側継手部材10が1回転す
るときトリポード部材20は外側継手部材10の中心に
対して3回振れ回る。このとき符号e{図2(A)}で
表わされる偏心量は作動角(θ)に比例して増加する。
そして、3本の脚軸22は120°ずつ離間している
が、作動角(θ)をとると、図2(B)に示すように、
図の上側に表われている垂直な脚軸22を基本として考
えると、他の2本の脚軸22は、一点鎖線で示す作動角
0のときのそれらの軸線からわずかに傾く。その傾きは
作動角(θ)がたとえば約23°のとき2〜3°程度と
なる。この傾きが支持リング32の内周面32cの円弧
部32aの曲率によって無理なく許容されるため、脚軸
22と支持リング32との接触部における面圧が過度に
高くなるのを防止することができる。なお、図2(B)
は、図2(A)の左側面から見たトリポード部材20の
3本の脚軸22を模式的に図示したもので、実線が脚軸
を表わしている。
【0049】この実施形態の等速自在継手も、構成部品
の材料、表層部の性状が最適化され、転動疲労寿命の向
上や割れ等に対する強度向上が図られている結果、現状
の同サイズの等速自在継手と比較して、優れた耐久性や
強度を有する。また、現状品と同等以上の耐久性や強度
を確保しつつ、よりコンパクト化を図ることが可能であ
る。
【0050】図5および図6は、本発明の第3の実施形
態を示している。尚、図5は、継手の作動角が0°で、
かつ、継手に回転トルクが負荷されていない時の状態を
示している。
【0051】この実施形態のトリポード型等速自在継手
は、連結すべき二軸の一方に結合される外側継手部材1
と、他方に結合されるトリポード部材2とを備えてい
る。
【0052】外側継手部材1は概ねカップ状の外観をな
し、軸方向に延びる3本のトラック溝1aが内周部の円
周等配位置に形成されている。各トラック溝1aの両側
には、それぞれローラ案内面1a1が設けられている。
【0053】トリポード部材2は半径方向に突出した3
本の脚軸2aを円周等配位置に有する。各脚軸2aの外
周面2a1は凸球状に形成され、その外周面2a1に、
支持リング3、複数のニードルローラ4、およびローラ
5をアッセンブリしたローラアッセンブリAが装着され
ている。
【0054】図5(B)に拡大して示すように、ローラ
アッセンブリAは、支持リング3の円筒状の外周面3a
とローラ5の円筒状の内周面5aとの間に複数のニード
ルローラ4を転動自在に介装し、ローラ5の内周面5a
に嵌着した一対のスナップリング6によって、支持リン
グ3およびニードルローラ4の両端を係止して、ローラ
5に対する支持リング3およびニードルローラ4の軸方
向移動(脚軸2aの軸線Z方向への移動)を規制したも
のである。支持リング3の両端面およびニードルローラ
4の両端面と、一対のスナップ支持リング6との間には
僅かなアキシャル隙間δがある。図面では、アキシャル
隙間δの大きさを実際よりもかなり誇張して示してい
る。また、支持リング3の端面とスナップ支持リング6
との間のアキシャル隙間と、ニードルローラ4の端面と
スナップ支持リング6との間のアキシャル隙間とは、設
計上、同じ値に設定する場合もあるし、異なる値に設定
する場合もあるが、図面では両者の場合を区別すること
なくアキシャル隙間δとして示している。さらに、支持
リング3の外周面3aおよびローラ5の内周面5aとニ
ードルローラ4の転動面との間には僅かなラジアル隙間
がある。
【0055】支持リング3の内周面3bは、脚軸2aの
球状の外周面2a1に嵌合される。この実施形態におい
て、支持リング3の内周面3bは脚軸2aの先端側に向
かって漸次縮径した円錐状で、脚軸2aの外周面2a1
と線接触する。これにより、ローラアッセンブリAの脚
軸2aに対する首振り揺動が許容される。支持リング3
の内周面3bの傾斜角αは、例えば0.1°〜3°、好
ましくは0.1°〜1°と僅かなものであり、この実施
形態ではα=0.5°に設定している。図面では、内周
面3bの傾斜の度合をかなり誇張して示している。
【0056】ローラ5の外周面5bの母線は、脚軸2a
の中心から外側にオフセットされた点を中心とする円弧
である。
【0057】この実施形態において、外側継手部材1の
ローラ案内面1a1の断面形状は、2円弧状(ゴシック
アーチ状)になっている。そのため、ローラ案内面1a
1とローラ5の外周面5bとは2点p、qでアンギュラ
コンタクトする。アンギュラコンタクト点p、qは、ロ
ーラ5の外周面5bの中心を含み、脚軸2aの軸線Zと
直交する中心線に対して、軸線Z方向に等距離だけ反対
側に離れた位置にある。尚、ローラ案内面1a1の断面
形状は、V字状または放物線状等でも良い。また、この
実施形態において、トラック溝1aに、ローラ案内面1
a1と近接して肩面1a2が設けられ、この肩面1a2
によってローラ5の脚軸先端側の端面5cが案内され
る。
【0058】支持リング3の内周面3bが脚軸先端側に
向かって漸次縮径した円錐状になっているため、この継
手に回転トルクが負荷されると、図6に示すように(内
周面3bの傾斜の度合いを図5よりもさらに誇張して示
している。)、支持リング3の内周面3bと脚軸2aの
外周面2a1との接触位置Sに脚軸先端側に向いた負荷
分力Fが発生する。この負荷分力Fは、支持リング3お
よびニードルローラ4を脚軸先端側に押し上げるように
作用して、支持リング3およびニードルローラ4を、脚
軸先端側のワッシャ6に押し付けた状態にする。そのた
め、支持リング3の内周面3bと脚軸2aの外周面2a
1との接触位置Sが安定する。また、この負荷分力F
は、支持リング3およびニードルローラ4を介して、ロ
ーラ5を脚軸先端側に押し上げるように作用して、ロー
ラ案内面1a1に対するローラ5の姿勢を安定させる。
このような接触位置Sの安定化とローラ5の姿勢安定化
とが相俟って、誘起スラストが効果的に低減され、また
安定化される。尚、支持リング3の内周面3bは円筒状
にしても良い。
【0059】外側継手部材1、トリポード部材2、ロー
ラアッセンブリAを構成する部品(支持リング3、ニー
ドルローラ4、ローラ5)の材料、製造工程、表層部の
性状、その他の事項は第1の実施形態に準じるので説明
を省略する。
【0060】図7は、本発明の第4の実施形態を示して
いる。尚、図7は、継手の作動角が0°の時の状態を示
している。
【0061】図7に示すように、この実施形態の等速自
在継手は、連結すべき二軸の一方に結合される外側継手
部材1’と、他方に結合されるトリポード部材2’とを
備えている。外側継手部材1’は概ねカップ状の外観を
なし、軸方向に延びる3本のトラック溝1a’が内周部
の円周等配位置に形成されている。各トラック溝1a’
の両側には、それぞれローラ案内面1a’1が設けられ
ている。トリポード部材2’は半径方向に突出した3本
の脚軸2a’を円周等配位置に有する。各脚軸2a’の
円筒状の外周面には、複数のニードルローラ7’を介し
て内側ローラ3’が回転自在に嵌合され、さらにその外
側に外側ローラ4’が回転自在に嵌合されている。
【0062】図7(B)に拡大して示すように、ニード
ルローラ7’および内側ローラ3’は、それらの一端が
脚軸2a’の先端部に装着された抜け止めリング8’と
止め輪9’によって係止され、他端が脚軸2a’の基端
部に装着されたワッシャ10’によって係止され、脚軸
2a’の軸線Z方向への移動が規制されている。実際に
は、ニードルローラ7’および内側ローラ3’と、抜け
止めリング8’およびワッシャ10’との間には僅かな
アキシャル隙間δ’がある。図面では、アキシャル隙間
δ’の大きさが実際よりもかなり誇張されている。ま
た、脚軸2a’の外周面および内側ローラ3’の内周面
3a’とニードルローラ7’との間には僅かなラジアル
隙間がある。内側ローラ3’の内周面3a’は円筒状、
外周面3b’は凸球状である。この実施形態において、
外周面3b’の母線は、内側ローラ3’の半径中心O
2’から所定量だけ外側にオフセットされた点O1’を
中心とする半径r1の円弧である。半径r1は、外周面
3b’の最大半径r2よりも小さい。
【0063】外側ローラ4’は、内側ローラ3’の外周
面3b’に嵌合される。この実施形態において、外側ロ
ーラ4’の内周面4a’は脚軸2a’の先端側に向かっ
て漸次縮径した円錐状で、内側ローラ3’の外周面3
b’と線接触する。これにより、外側ローラ4’の脚軸
2a’に対する首振り揺動が許容される。内周面4a’
の傾斜角は例えば0.1°〜3°と僅かなものであり、
この実施形態では0.3°〜0.7°に設定している。
図面では、内周面4a’の傾斜がかなり誇張されてい
る。外側ローラ4’の外周面4b’の母線は、点O1’
よりもさらに外側にオフセットされた点O3’を中心と
する半径r3の円弧である。
【0064】この実施形態において、外側継手部材1’
のローラ案内面1a’1の断面形状は、2円弧状(ゴシ
ックアーチ状)になっている。そのため、ローラ案内面
1a’1と外側ローラ4’の外周面4b’とは2点
p’、q’でアンギュラコンタクトする。アンギュラコ
ンタクト点p’、q’は、外側ローラ4’の外周面4
b’の中心O3’を含み、脚軸2a’の軸線Zと直交す
る中心線に対して、軸線Z方向に等距離だけ反対側に離
れた位置にある。尚、ローラ案内面1a’1の断面形状
は、V字状または放物線状等でも良い。
【0065】外側ローラ4’の内周面4a’が脚軸先端
側に向かって漸次縮径した円錐状になっているため、図
7(C)に示すように、内側ローラ3’の外周面3b’
との接触位置S’に脚軸先端側に向いた負荷分力Fが発
生する。この負荷分力Fは、外側ローラ4’を脚軸先端
側に押し上げるように作用して、非負荷側のローラ案内
面1a’1におけるB部の接触面圧を低減する。また、
接触位置S’には、負荷分力Fの反力として脚軸基端側
(同図で下側)に向いた力が発生する。この反力は、内
側ローラ3’を脚軸基端側に押し下げるように作用し
て、内側ローラ3’およびニードルローラ7’の脚軸2
a’に対する軸方向移動を抑制する。その結果、図7
(b)に示すように、内側ローラ3’およびニードルロ
ーラ7’は下側のワッシャ10’に押し付けられた状態
になり、アキシャル隙間δ’に起因する接触位置S’の
変動が抑制される。このような非負荷側のローラ案内面
1a’1におけるB部の接触面圧低減と、接触位置S’
の安定化とが相俟って、誘起スラストが効果的に低減さ
れ、また安定化される。尚、外側ローラ4’の内周面4
a’は円筒状にしても良い。
【0066】外側継手部材1’、トリポード部材2’、
ローラ機構を構成する部品(内側ローラ3’、外側ロー
ラ4’、ニードルローラ7’)の材料、製造工程、表層
部の性状、その他の事項は第1の実施形態に準じるので
説明を省略する。
【0067】尚、本発明は、以上に説明した構成の等速
自在継手に限らず、例えば、ローラ案内面を平坦面、外
側ローラの外周面を円筒状、内周面を凹球状、内側ロー
ラの外周面を凸球状とし、外側ローラの凹球状の内周面
と内側ローラの凸球状の外周面との間の滑りによって、
外側ローラの首振り揺動を自在とした等速自在継手(特
願平8−4073号、特願平8−138335号)、さ
らにローラ案内面と脚軸の軸線とを作動角が0°の状態
で互いに非平行とした等速自在継手(特開平11−13
779号)にも同様に適用することができる。
【0068】
【実施例】第1の実施形態の等速自在継手において、ト
リポード部材に浸炭窒化焼入れ焼戻しによる表層部(浸
炭窒化層)を形成して、転動疲労寿命試験を行った。表
層部の残留オーステナイト量(vol%)を20未満、
20、22、25、28、30、35、40、40超と
したものを各種類ごとに複数個づつ製作し(資料No1
8〜26)、それらを等速自在継手に組み込み、動力循
環式耐久試験にて、同一条件下で運転した。そして、脚
軸の外周面の損傷(剥離、摩耗等)が一定度合を超えた
運転時間を寿命とし、各種類ごとにワイブル評価を行っ
た。その結果を表1にまとめて示す。評価項目の◎は目
標時間を十分満足できたもの、○は目標時間を満足でき
たもの、△は目標時間を満足できなかったものを表して
いる。
【0069】
【表1】
【0070】表1に示す結果より、表層部の残留オース
テナイト量γRを20vol%以上、40vol%以下
に規制することにより、良好な転動疲労寿命が得られ、
特に25vol%以上、35vol%以下の範囲で好ま
しい結果が得られることが確認できた。
【0071】尚、上記はトリポード部材について行った
試験の結果であるが、外側継手部材、ローラ機構を構成
する部品(ローラ、ニードルローラ)等の他の構成部品
についても同様の結果が得られた。また、第2、第3、
第4の実施形態の等速自在継手においても同様の結果が
得られた。これらの試験結果の記載は省略する。
【0072】下記の表2、表3は、トリポード部材につ
いて行った他の試験の結果を示している。まず、主要成
分含有量が種々異なる鋼材料を用いてトリポード部材を
形成し(試料No1〜No17)、950°C×8時間
の浸炭焼入れの後、200°C×2時間の焼戻しを行っ
て、脚軸の外周面の軟化特性抵抗値R(外周面から深さ
0.5mm以内の領域での最高ビッカース硬さHv)を
実測した。その結果を表2に示す。尚、脚軸の外周面に
は、浸炭焼入れ焼戻しの後、研削加工を施してあり、上
記の「深さ0.5mm」は研削加工後の表面を基準にし
ている。つぎに、各試料について、耐久性、鍛造加工性
を評価した。その内、6種類の試料に対する評価と軟化
抵抗特性値R(Hv)の実測値および推測値(推測値に
ついては後述する)との関係を表3に示す。評価項目の
◎は目標特性を十分満足できたもの、○は目標特性を満
足できたもの、△は目標特性を満足できなかったものを
表している。
【0073】
【表2】
【0074】
【表3】
【0075】表3に示す結果より、浸炭焼入れ焼戻し品
の場合、軟化特性抵抗値Rを705<R≦820、好ま
しくは710≦R≦815の範囲内に規制することによ
り、耐久性および鍛造加工性ともに満足できる結果が得
られることが確認できた。軟化特性抵抗値Rが705以
下であると、耐久性の点で好ましい結果が得られず、ま
た軟化特性抵抗値Rが820を越えると鍛造加工性の点
で好ましい結果が得られない。
【0076】一方、芯部の硬さを左右する母材の炭素含
有量は、疲労強度確保の観点から、0.15〜0.40
wt%の範囲内とするのが好ましい。母材の炭素含有量
が0.15wt%よりも低くなると、浸炭に要する時間
が長くなってしまうと同時に、芯部の硬さが不足し、満
足する疲労強度が得られない。逆に、炭素含有量が0.
4wt%よりも多くなると、芯部の硬さが上昇し、靭性
が著しく低下し、同時に歪みも増加する。
【0077】以上により、トリポード部材および外側継
手部材のうち少なくとも一方を炭素含有量0.15〜
0.40wt%の鋼で形成し、かつ、軟化抵抗特性値R
を705<R≦820、好ましくは710≦R≦815
の範囲内に規制することが望ましく、これにより、表層
部の残留オーステナイト量γRの適正化と相俟って、耐
久性や強度を向上させ、同時に鍛造加工性も確保するこ
とができる。さらに、軟化抵抗特性値Rを上記範囲に規
制することにより、材料の焼入れ性も良くなり、従来よ
りも深焼きが可能となるので、疲労強度等の向上に一層
効果的である。
【0078】上述した軟化抵抗特性値Rは、実測によっ
て求めても良いが、以下に示す回帰式(a)を用いて比
較的精度良く推定することができる。 R(推定値)=713.4+{20.7×Si(%)}+{12.3×Mn(%)}+{6.4×Ni(%)}− {14.8×Cr(%)}+{159.0×Mo(%)} ・・・(a) 上記回帰式(a)は、表2に示す17種類の試料(試料
No1〜No17)の軟化特性抵抗値R(実測値)と各
試料の主要成分元素含有率(wt%)との重回帰分析を
行って求めたものである。この例では、主要成分元素と
してSi、Mn、Ni、Cr、Moを選定し、炭素Cに
ついては浸炭によりどの試料も含有率が均等になるた
め、変数から除外している。
【0079】表3に示すように、上記回帰式(a)に求
めた軟化特性抵抗値Rの推定値は、実測値と良く近似し
ており、この推定値Rを705<R≦820、好ましく
は710≦R≦815の範囲内に規制することにより、
耐久性および鍛造加工性を簡易にかつ比較的精度良く評
価することが可能となる。
【0080】尚、トリポード部材、外側継手部材、その
他の構成部品に浸炭焼入れ焼戻し、浸炭窒化焼入れ焼戻
しを行う場合、表1に示す鋼材料の他、表4に示す種々
の鋼材料を使用することができる。
【0081】
【表4】
【0082】尚、ローラ機構を構成する部品に窒化焼入
れ焼戻しを行う場合、高炭素クロム鋼を用いることがで
き、より具体的には表5に示す種々の軸受鋼を用いるこ
とができる。
【0083】
【表5】
【0084】
【発明の効果】本発明によれば、構成部品の材料、表層
部の性状が最適化され、転動疲労寿命、特に摩耗粉等の
異物噛み込みによる表面起点型損傷に対する耐性が向上
するので、現状のサイズを維持したままより耐久性や強
度に優れたトリポード型等速自在継手を提供し、また、
現状品と同等以上の耐久性や強度を確保しつつよりコン
パクトなトリポード型等速自在継手を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示し、図1(A)
は一部を断面にした端面図、図1(B)は図1(A)に
おける脚軸に垂直な断面図、図1(C)は接触楕円を説
明するための支持リングの断面図である。
【図2】図2(A)は図1の等速自在継手の縦断面図で
あって作動角をとった状態を示し、図2(B)は図2
(A)におけるトリポード部材の模式的側面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態を示し、図3(A)
は一部を断面にした端面図、図3(B)は図3(A)に
おける脚軸に垂直な断面図、図3(C)は作動角をとっ
た状態を示す縦断面図である。
【図4】図3における支持リングの拡大断面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態を示し、図5(A)は
一部を断面にした端面図、図5(B)は図5(A)の要
部拡大横断面図である。
【図6】図5における支持リングと脚軸との接触位置に
発生する負荷分力Fを説明するための図である。
【図7】本発明の第4の実施形態を示し、図7(A)は
横断面図、図7(B)は図7(A)の要部拡大横断面
図、図7(C)は外側ローラと内側ローラとの接触位置
に発生する負荷分力Fを説明するための図である。
【符号の説明】
10 外側継手部材 12 トラック溝 14 ローラ案内面 20 トリポード部材 22 脚軸 32 支持リング 32a 円弧部 32b 逃げ部 34 ローラ 36 ニードルローラ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年1月24日(2000.1.2
4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正内容】
【0069】
【表1】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0073
【補正方法】変更
【補正内容】
【0073】
【表2】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正内容】
【0074】
【表3】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0081
【補正方法】変更
【補正内容】
【0081】
【表4】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0083
【補正方法】変更
【補正内容】
【0083】
【表5】

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周部に軸方向の3本のトラック溝が形
    成され、各トラック溝の両側にそれぞれ軸方向のローラ
    案内面を有する外側継手部材と、半径方向に突出した3
    本の脚軸を有するトリポード部材と、前記トリポード部
    材の各脚軸にそれぞれ装着されたローラ機構とを備え、
    前記ローラ機構は、前記脚軸に対して首振り揺動自在
    で、前記ローラ案内面に沿って外側継手部材の軸線と平
    行な方向に案内されるローラを有する等速自在継手にお
    いて、 少なくとも1つの構成部品の表層部における残留オース
    テナイト量γR (vol%)が20≦γR≦40であることを特徴とす
    る等速自在継手。
  2. 【請求項2】 前記構成部品が炭素含有量0.15〜
    0.40wt%の鋼で形成され、前記表層部が浸炭層で
    ある請求項1記載の等速自在継手。
  3. 【請求項3】 前記構成部品が炭素含有量0.15〜
    0.40wt%の鋼で形成され、前記表層部が浸炭窒化
    層である請求項1記載の等速自在継手。
  4. 【請求項4】 前記構成部品が炭素含有量0.95〜
    1.10wt%の鋼で形成され、前記表層部が窒化層で
    ある請求項1記載の等速自在継手。
  5. 【請求項5】 前記ローラ機構が、前記ローラ案内面に
    案内されるローラと、前記脚軸の外周面に外嵌されて前
    記ローラを回転自在に支持する支持リングとを有し、前
    記支持リングの内周面は円弧状凸断面であり、前記脚軸
    の外周面は縦断面においてはストレート形状で、横断面
    においては継手の軸線と直交する方向で前記支持リング
    の内周面と接触し、かつ、継手の軸線方向で前記支持リ
    ングの内周面との間にすきまを形成するようになってい
    る請求項1〜4の何れかに記載の等速自在継手。
  6. 【請求項6】 前記脚軸の横断面が、継手の軸線と直交
    する長軸をもった略楕円形である請求項5記載の等速自
    在継手。
  7. 【請求項7】 前記ローラ機構が、前記ローラ案内面に
    案内されるローラと、前記脚軸の外周面に外嵌されて前
    記ローラを回転自在に支持する支持リングとを有し、前
    記脚軸の外周面は凸球状であり、前記支持リングの内周
    面は円筒状又は円錐状である請求項1〜4の何れかに記
    載の等速自在継手。
  8. 【請求項8】 前記ローラ機構が、前記ローラ案内面に
    案内される外側ローラと、前記脚軸に回転自在に支持さ
    れ、前記外側ローラの内周面に嵌合された内側ローラと
    を有し、前記内側ローラの外周面は凸球状であり、前記
    外側ローラの内周面は前記内側ローラの外周面との接触
    位置で脚軸先端側に向いた負荷分力を発生させる形状に
    なっている請求項1〜4の何れかに記載の等速自在継
    手。
  9. 【請求項9】 前記外側ローラの内周面が脚軸先端側に
    向かって漸次縮径した円錐状である請求項8記載の等速
    自在継手。
  10. 【請求項10】 少なくとも前記接触面に微小な凹部が
    無数にランダムに形成されている請求項1〜4の何れか
    に記載の等速自在継手。
  11. 【請求項11】 少なくとも前記接触面に化成処理被膜
    を下地層とする固体潤滑被膜が形成されている請求項1
    〜4の何れかに記載の等速自在継手。
  12. 【請求項12】 少なくとも前記接触面に常温浸硫処理
    が施されている請求項1〜4の何れかに記載の等速自在
    継手。
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