JP2008232296A - トリポード型等速自在継手 - Google Patents

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卓 板垣
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Abstract

【課題】シングル・ローラ・タイプのトリポード型等速自在継手では、2軸が角度をとった状態で回転するとき、脚軸の外周に配列した針状ころが転動する。特に過酷な条件下でのトリポード部材の脚軸の転動疲労寿命を向上させる。
【解決手段】シングル・ローラ・タイプのトリポード型等速自在継手において、トリポード部材20の脚軸24に浸炭窒化焼入れ焼戻しによる表層を設け、かつ、ローラ30を支持する針状ころ32との接触部直下における浸炭窒化層深さを0.05mm以上とする。
【選択図】図1

Description

この発明は自動車や各種産業機械の動力伝達装置に使用される等速自在継手、より詳しくはトリポード型の等速自在継手に関する。
トリポード型等速自在継手は、外側継手部材と、内側継手部材としてのトリポード部材とを有し、両者間でトルクを伝達するための要素として、トリポード部材の脚軸と外側部材との間にローラが介在させてある。トリポード型等速自在継手で連結すべき2軸のうちの一方を外側継手部材と接続し、もう一方をトリポード部材と接続する。
トリポード型等速自在継手の一例を示す図1を参照して説明すると、外側継手部材10の内周面の軸方向に3本の円筒形トラック溝14が形成してあり、外側継手部材10内に挿入したトリポード部材20の半径方向に突出した3本の脚軸24の円筒状の外周面26に複数の針状ころ32を介して回転可能に円環状のローラ30が装着してあり、各ローラ30はトラック溝14に収容させてある(特許文献1参照)。トラック溝14の側壁はローラ30が転動するローラ案内面16となり、ローラ30の外周面がローラ案内面16と接触することによって外側継手部材10とトリポード部材20との間において回転トルクが伝達される。
トルク伝達要素として単一のローラを使用するシングル・ローラ・タイプ(特許文献1の図10参照)と、同心状の2つのリング体を使用するダブル・ローラ・タイプ(特許文献1の図1参照)があるが、この発明は前者を対象としている。
特開2000−320563号公報 特開平8−4774号公報 特開2001−200859号公報
シングル・ローラ・タイプのトリポード型等速自在継手では、2軸が角度をとった状態で回転するとき、脚軸24の外周に配列した針状ころ32が脚軸24の外周面26上を転動する。このため、特に過酷な条件下では、脚軸24の表面にピーリングやスミアリングといった異常が発生するおそれがある。脚軸24の表面にピーリングやスミアリングが発生すると脚軸24の転動疲労寿命の劣化につながる。
軸受部品の転動疲労に対して長寿命を与える熱処理方法として、焼入れ加熱時の雰囲気ガス中に、さらにアンモニアガスを添加するなどして、その軸受部品の表層部浸炭窒化処理を施す方法が知られている。この浸炭窒化処理を用いることにより、表層部を硬化させ、さらにミクロ組織中に残留オーステナイトを生成させ、転動疲労寿命を向上させることができる(特許文献2参照)。また、特許文献3にはトリポード型等速自在継手のトリポード部材に浸炭窒化層を設けることが記載されている。
この発明の目的は、トリポード型等速自在継手におけるトリポード部材の脚軸の転動疲労寿命を一層向上させることにある。
この発明は、トリポード部材の脚軸に浸炭窒化焼入れ焼戻しによる表層部(浸炭窒化層)を形成し、浸炭窒化層深さを転動体との接触部位の直下で0.05mm以上とすることによって課題を解決したものである。
すなわち、この発明は、シングル・ローラ・タイプのトリポード型等速自在継手において、トリポード部材の脚軸に浸炭窒化焼入れ焼戻しによる表層を設け、かつ、ローラを支持する針状ころとの接触部直下における浸炭窒化層深さが0.05mm以上であることを特徴とする。0.05mm未満では浸炭窒化層が浅すぎて、脚軸のピーリングや剥離寿命の延命には効果が薄いとの判断から、0.05mmを下限とする。上限については、1.3mm以下とするのが望ましい。浸炭窒化層深さは1.3mm以下で機能上十分と判断したためであり、また、窒化層が深くなるほど熱処理時間が長くなることから、適切な深さにとどめて熱処理時間をできるだけ短くするためである。
請求項2の発明は、請求項1のトリポード型等速自在継手において、前記脚軸の表層部における残留オーステナイト量が20体積%以上40体積%以下であることを特徴とする。残留オーステナイトは硬度が比較的低く(素材中の炭素含有量によっても異なるが、例えばHv300程度である。)、接触面に異物噛み込みによる圧痕が形成されても、表層部中に分散したオーステナイト粒が圧紺周縁で容易に塑性変形して、表層部での応力集中を緩和し、亀裂伝播を遅延させる。また、残留オーステナイトは、表層部に加わる変形エネルギーによって、マルテンサイト変態を起こして硬化する。そのため、表層部に残留オーステナイトを適正量含ませることにより、表層部の亀裂敏感性を改善し、表面起点型損傷の発生を抑制して、転動疲労寿命を向上させることができる。
表層部の残留オーステナイト量が20体積%未満であると、表層部の亀裂敏感性を十分に改善することができず、逆に表層部の残留オーステナイト量が40体積%を越えても、亀裂敏感性の改善はそれ以上期待できない一方、表面硬さが低下し、却って転動疲労寿命を低下させてしまう結果となる。したがって、表層部の残留オーステナイト量は、20体積%以上40体積%以下の範囲内とするのがよい。なお、当該表層部は、脚軸の少なくとも接触面の直下に形成すればよく、接触面の直下にのみ表層部を形成した構成、接触面およびその周辺の表面の直下に表層部を形成した構成、脚軸の全表面の直下に表層部を形成した構成を含む。
請求項3の発明は、請求項1または2のトリポード型等速自在継手において、前記トリポード部材の材料が炭素含有量0.15重量%以上0.40重量%以下の鋼であることを特徴とする。トリポード部材の母材の炭素含有量は、脚軸の芯部の硬さを左右するため、疲労強度確保の観点から0.15〜0.40重量%の範囲内とするのが好ましい。炭素含有量が0.15重量%よりも低くなると、浸炭に要する時間が長くなってしまうと同時に、芯部の硬さが不足し、満足する疲労強度が得られない。逆に、炭素含有量が0.4重量%よりも多くなると、芯部の硬さが上昇し、靭性が著しく低下し、同時に歪も増加する。
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれか1項のトリポード型等速自在継手において、前記脚軸の表面硬度がHRC57以上であることを特徴とする。強度と耐久性を確保するために硬度が必要であり、材質特性と過去の実績に基づき、HRC57を下限としたものである。
この発明によれば、トリポード型等速自在継手におけるトリポード部材の脚軸部の転動疲労寿命が延長される。したがって、従来のサイズを維持したまま、より耐久性や強度に優れたトリポード型等速自在継手を提供することができる。あるいは、従来品と同等以上の耐久性や強度を確保しつつ、より小型のトリポード型等速自在継手を提供することが可能となる。
以下、図面に従ってこの発明の実施の形態を説明する。
図1に示すように、トリポード型等速自在継手は、連結すべき2軸のうちの一方の回転軸と接続する外側継手部材10と、もう一方の回転軸と接続するトリポード部材20と、両者間に介在するトルク伝達要素としてのローラ30を主要な構成要素としている。
外側継手部材10はマウス部12とステム部18とからなり、マウス部12は中空カップ状で、円周方向等分位置に、軸方向に延びる3本のトラック溝14が配置してある。マウス部12の閉じた端部にステム部18が一体的に形成してあり、このステム部18のセレーション部で、図示しない回転軸とトルク伝達可能に接続するようになっている。各トラック溝14は向かい合った側壁にローラ案内面16が形成してある。ローラ案内面16は、外側継手部材10の軸線と平行な円筒面の一部すなわち部分円筒面である。外側継手部材10の横断面は、図1(B)から分かるように、円周方向に交互に現れる小内径部と大内径部をローラ案内面16で接続した3弁の花冠状を呈している。このような形状から外側継手部材10はチューリップとも呼ばれる。
トリポード部材20は、ボス部22と、ボス部22の円周方向三等分位置から半径方向に突出した脚軸24とからなり、その形状からスパイダとも呼ばれる。ボス部22には上で述べたように回転軸とトルク伝達可能に接続するためのセレーション孔が形成してある。各脚軸24は、円筒形外周面26と、軸端付近に形成した環状の輪溝28を有している。脚軸24は、複数の針状ころ32を介して回転自在にローラ30を支持している。脚軸24の外周面26が針状ころ32の内側軌道面を提供し、ローラ30の円筒形内周面が針状ころ32の外側軌道面を提供する。
図1(C)に示すように、針状ころ32はトリポード部材20の半径方向で見た外側の端面にてアウタ・ワッシャ34と接し、反対側の端面にてインナ・ワッシャ38と接する。アウタ・ワッシャ34は脚軸24の輪溝28に装着したサークリップ36で軸方向移動を規制されるため、結局、針状ころ32も軸方向移動を規制される。アウタ・ワッシャ34は、脚軸24の半径方向に延びた円盤部34aと、脚軸24の軸線方向に延びた円筒部34bとからなる。アウタ・ワッシャ34の円筒部34aはローラ30の内径より小さな外径を有し、トリポード部材20の半径方向で見た外側の端部34cにてローラ30の内径よりも大径に拡大している。したがって、ローラ30は脚軸24の軸線方向に移動することができる。
ローラ30の外周面は球面の一部すなわち部分球面状で、軸線上に曲率中心をもつもの、あるいは、軸線から半径方向に離れた位置に曲率中心をもつものなどがある。ローラとローラ案内面との接触形態にはアンギュラ・コンタクト(図2(A))とサーキュラ・コンタクト(図2(B))の二通りがある。アンギュラ・コンタクトはある接触角θをもち、二点で接触する。サーキュラ・コンタクトは横断面で見て円弧同士の接触となる。なお、図2ではローラの外周面の曲率半径を符号rで表し、ローラ案内面の曲率半径を符号Rで表してある。符合Tはトルクを表す。
ローラ30とローラ案内面16との接触率すなわち、ローラ30の外周面の曲率半径に対するローラ案内面16の曲率半径の比の値は、小さいとトルク負荷時、接触楕円が大きくなり、ローラ30の幅を越えてしまい短寿命となる。逆に、接触率が大きいと接触楕円は小さくなるが、面圧が高くなり、接触部の摩耗が促進され、短寿命となる。ただし、トリポード型等速自在継手の面圧は、構造上、脚軸24/針状ころ32間が最も厳しくなっているため、この部分の面圧を超えないように、接触率を設定すればよい。具体的には、この接触率は1.02〜1.2の範囲が好ましく、より好ましくは1.05〜1.18の範囲とする。
接触楕円長さがローラ30の幅長さLs以下になるように接触率を設定することにより、ローラ30の幅を小さくすることが可能となる。また、そうすることによって外側継手部材10ひいてはトリポード型等速自在継手全体のコンパクト化に寄与する。具体的には、ローラ30の幅Lsと外径doとの比の値Ls/doを0.32以下、より好ましくは0.24〜0.27とする。
トリポード部材20の脚軸24に浸炭窒化焼入れ焼戻しによる表層部(浸炭窒化層)を形成して回転耐久試験を実施した。その結果を表1に示す。比較のため、脚軸に浸炭焼入れ焼戻しによる表層部浸炭層を形成した試料(比較例1、比較例2)での試験結果も併記する。脚軸外周面の損傷(剥離、摩耗等)が一定割合を越えた運転時間を寿命とした。比較例1が目標時間を満足せず、比較例2が目標時間を満足したにとどまるのに対して、実施例1、実施例2はいずれも目標時間を十分満足している。この結果より、浸炭窒化層を設けることにより転動疲労寿命が延長されたことが判る。
(A)はこの発明の実施の形態を示すトリポード型等速自在継手の縦断面図、(B)は横断面図、(C)は図1(B)の部分拡大図である。 ローラとローラ案内面との接触部の拡大断面図であって、(A)はアンギュラ・コンタクトの例、(B)はサーキュラ・コンタクトの例を示す。
符号の説明
10 外側継手部材
12 マウス部
14 トラック溝
16 ローラ案内面
18 ステム部
20 トリポード部材
22 ボス部
24 脚軸
26 外周面
28 輪溝
30 ローラ
32 針状ころ軸受
34 アウタ・ワッシャ
36 サークリップ
38 インナ・ワッシャ

Claims (4)

  1. シングルローラタイプのトリポード型等速自在継手において、トリポード部材の脚軸に浸炭窒化焼入れ焼戻しによる表層を設け、かつ、ローラを支持する針状ころとの接触部直下における浸炭窒化層深さが0.05mm以上であるトリポード型等速自在継手。
  2. 前記脚軸の表層部における残留オーステナイト量が20体積%以上40体積%以下である請求項1のトリポード型等速自在継手。
  3. 前記トリポード部材の材料が炭素含有量0.15重量%以上0.40重量%以下の鋼である請求項1または2のトリポード型等速自在継手。
  4. 前記脚軸の表面硬度がHRC57以上である請求項1から3のいずれか1項のトリポード型等速自在継手。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011058582A (ja) * 2009-09-11 2011-03-24 Ntn Corp トリポード型等速自在継手用ローラカセット、トリポード型等速自在継手用サブアッシー、トリポード型等速自在継手用トリポードキッド、およびトリポード型等速自在継手

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