JP7270706B2 - 等速自在継手およびそのケージ - Google Patents

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この発明は、等速自在継手およびこれに用いるケージに関する。
一般に、回転運動を伝達する等速自在継手(等速ジョイントとも別称される。)は、例えば自動車の車輪や車軸の接続部分に用いられ、作動角度を変化させても等速でトルク伝達が可能な接続部品である。
図1、2を利用して代表的な等速自在継手の主な構造を説明すると、複数の案内溝1を形成した外球面2を備える内輪3と、複数の案内溝4を形成した内球面5を備える外輪6と、内輪3の案内溝1と外輪6の案内溝4との間に介在してトルクを伝達する複数のボール7と、内輪3の外球面2と外輪6の内球面5との間に介在してボール7を保持するケージ9とを備え、内輪3と外輪6の回転軸とがなす角度が付いてもボール7が、案内溝1、4内を移動し、これら両溝の対向する位置に介在することにより回転速度を等速で伝達できる機構を備えている。
因みに、上記構造の等速自在継手のケージは、低・中炭素鋼などからなる短円筒状素形材の円周方向に、トルク伝達ボールを転動自在に収容する複数のポケット(窓部とも称さ
れる。) をプレス加工により打ち抜いて形成し、その強度を高めるために、ガス浸炭を施した後、焼入れ、焼戻しが行われ、これによって表面全体をできるだけ硬くし、中心部に延性を付与している。
等速自在継手のケージについての改良技術としては、ポケットのケージ周方向に対向する一対の端面を、焼入れ後に切削することにより、その表面硬さをポケットのケージ軸方向で対向する一対の側面の表面硬さより低くし、ポケット間の柱部に靱性を持たせて、柱部の引張り強度および捩じり強度を向上させた固定式等速自在継手のケージが知られている(特許文献1)。
また、素材全体を焼入れにより硬化したケージについて、ポケットの軸方向に対向する一対のボール転走面(接触面)に、プレス加工で剪断面を形成し、さらに熱処理後の切削による仕上げ面を形成し、ケージの強度を高めた等速自在継手用のケージが知られている(特許文献2)。
さらにまた、ケージ(保持器)の横断面の全体が同じ延性および硬度であるように、いわゆる全硬化焼入れし、ケージ全体を炭素含有量0.3~0.5%の炭素鋼を無心焼入れおよび焼戻しすることにより、500~650Hvの硬度としたケージが知られている(特許文献3)。
特開2001-153148号公報 特開2006-226412号公報 特許第4708430号公報
等速自在継手のケージは、ケージのボール接触表面硬度を高めて耐摩耗性を確保しつつ
、ケージの靭性を高め、ケージに捩じれ変形が繰り返し起こることによって生じるポケット(窓部)の周縁部表面の亀裂を発生し難くする必要がある。
特許文献1に記載されるように、ポケットのケージ周方向に対向する一対の端面を焼入れ後に切削した面とし、その表面硬さをポケットのケージ軸方向に対向する一対の側面の表面硬さより低くしても、ポケットの周縁部分は、浸炭焼入れされた肌焼き鋼からなっていて硬質であるので、亀裂の発生は避けられなかった。
また、特許文献2に記載されたものは、ケージ全体の硬度を高めているので、耐摩耗性は充分にあるが、ポケットの周縁部分の表面には靱性は付与されていない。
さらにまた、炭素含有量が所定範囲の炭素鋼からなり、全硬化(無心)焼入れしたケージ(保持器)の全体を500~650Hvに焼き戻しした特許文献3に記載されるケージでは、ポケットの周縁部分の亀裂は発生し難くなるが、ケージのボール接触面の硬度が低く、耐摩耗性が充分ではない。
また、等速自在継手は、作動角が大きく変化するほどボールからケージに及ぶ負荷(面圧)も大きく変化するが、できるだけ作動角度を大きく変化させる使用状態にも対応できる等速自在継手が必要である。
そこで、この発明の課題は、上記した問題点であるポケットの周縁部分の亀裂の発生とその進展を抑制することにより、等速自在継手のケージに所要強度を確保すると共に、ケージのボールとの接触面の耐摩耗性を確保することである。そして、このような高い強度と耐久性を保持したケージを用いることで、等速自在継手の軽量化や小型化を可能とし、しかも大きな作動角度で使用しても所要強度を有することを可能とすることも課題としている。
上記の課題を解決するために、この発明においては、複数の案内溝を形成した外球面を備える内輪と、複数の案内溝を形成した内球面を備える外輪と、前記内輪の案内溝と前記外輪の案内溝との間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、これらボールの収容される窓部を有して前記内輪の外球面と前記外輪の内球面との間に介在するケージとを備え、このケージは、全硬化焼入れされた鋼材からなり、前記ケージの前記ボールとの接触面を除く前記窓部またはその周囲に、前記ケージの前記ボールとの接触面の硬度より低い硬度の軟質部を設けた等速自在継手としたのである。
上記したように構成されるこの発明の等速自在継手は、トルクが負荷されると、内輪と外輪の案内溝とボールが接触し、これらの接触点からボールを軸方向に移動させる力、すなわちケージを軸方向に押す力が発生するが、このとき、全硬化焼入れされた鋼材からなるケージのボールとの接触面に充分に高い硬度を付与するため、充分な耐摩耗性と機械的強度で前記ボールの面圧を受け止めることができる。
このとき、前記ケージの前記窓部またはその周囲であって、例えば前記窓部の周縁部(以下、窓部の周縁部等と称する。)には、歪み、すなわち伸び、縮み、捩じれ等の変形が生じるが、前記周縁部等が局所的に前記ケージのボール接触面の硬度より低い硬度の軟質部を有するので、その延性によって靱性は高められており、繰り返し荷重などの動的荷重に対しても亀裂の発生やその進展は充分に抑制される。
上記作用を充分に発揮させるため、前記軟質部は、厚さ0.05mm以上の軟質部であることが好ましい。
また、ケージの耐摩耗性と窓部の周縁部等の亀裂の発生防止が共に図れるように、前記ケージのボール接触面の硬度(ビッカース硬さ)は、Hv650を超えるものであり、前記軟質部の硬度がHv650以下であることが好ましい。
また、ケージのボールとの接触面の耐摩耗性が、充分であるように、炭素含有量0.45%以上の鋼からなるケージであることが好ましい。
上記のような高い強度のケージを用いれば等速自在継手は、大きな作動角度で使用されても所要強度を有して充分に使用に耐える等速自在継手になる。また等速自在継手は、ケージの強度が向上することで、ケージの肉厚を減少させても同強度を得ることが可能となり、ケージを含む部品、さらには等速自在継手全体の軽量化や小型化が可能となる。
上記した構成の等速自在継手のケージを効率よく形成するために、前記ボールとの接触面を除く前記窓部の周縁部等に、局所的な熱処理によって前記ケージのボールとの接触面の硬度より低い硬度の軟質部を形成する製造工程を採用し、等速自在継手のケージを製造することが好ましい。
そのような等速自在継手のケージの製造方法は、局所的な加熱と焼なましによる熱処理であり、これによって層状または筋状の軟質部を形成する熱処理であることが、高強度のケージを効率よく製造するために好ましい。
この発明は、全硬化焼入れされた鋼材からなるケージのボールとの接触面を除く窓部またはその周囲に、前記ケージのボール接触面の硬度より低い硬度の軟質部を設けた等速自在継手としたので、ケージは、充分な耐摩耗性で前記ボールの面圧を受け止めることができ、前記窓部の周縁部等の延性を備えた靱性を有するものになり、繰り返し荷重などの動的荷重に対しても、亀裂の発生とその進展を充分に抑制できるものになる利点がある。
またこれにより、等速自在継手は、ケージに充分な耐摩耗性を確保すると共に、ボールとの非接触面を含む窓部の周縁部等の表面に亀裂の発生とその進展を充分に抑制できるので、高強度のケージを薄肉化して軽量化することにより等速自在継手を軽量化し、または小型化することが可能であり、しかも大きな作動角度で使用されても所要強度を有する等速自在継手となる利点がある。
実施形態の等速自在継手の一部を切り欠いて示す正面図 図1の外輪開口側の端面図 第1実施形態のケージの正面図 (a)第1実施形態の外径側に軟質部を設けたケージの図3のa-a線断面図、(b)第1実施形態の外径側に軟質部を設けたケージの図3のb-b線断面図 (a)第1実施形態の内径側に軟質部を設けたケージの図3のa-a線断面図、(b)第1実施形態の内径側に軟質部を設けたケージの図3のb-b線断面図 (a)第1実施形態の径方向両側に軟質部を設けたケージの図3のa-a線断面図、(b)第1実施形態の径方向両側に軟質部を設けたケージの図3のb-b線断面図 (a)第1実施形態のボール接触部を除く径方向全域に軟質部を設けたケージの図3のa-a線断面図、(b)第1実施形態のボール接触部を除く径方向全域に軟質部を設けたケージの図3のb-b線断面図 第2実施形態のケージの正面図 (a)第2実施形態の径方向全域に軟質部を設けたケージの図8のa-a線断面図、(b)第2実施形態の径方向全域に軟質部を設けたケージの図8のb-b線断面図 (a)第2実施形態の径方向両側に軟質部を設けたケージの図8のa-a線断面図、(b)第2実施形態の径方向両側に軟質部を設けたケージの図8のb-b線断面図 第3実施形態のケージの正面図 (a)第3実施形態の径方向全域に軟質部を設けたケージの図11のa-a線断面図、(b)第3実施形態の径方向全域に軟質部を設けたケージの図11のb-b線断面図 (a)第3実施形態の径方向両側に軟質部を設けたケージの図11のa-a線断面図、(b)第3実施形態の径方向両側に軟質部を設けたケージの図11のb-b線断面図 第4実施形態のケージの正面図 (a)第4実施形態の径方向両側に軟質部を設けたケージの図14のa-a線断面図、(b)第4実施形態の径方向両側に軟質部を設けたケージの図14のb-b線断面図
この発明の実施形態を以下に添付図面に基づいて説明する。
図1~7に示すように、第1実施形態の等速自在継手Aは、複数の案内溝(以下、トラックと称する場合がある。)1を形成した外球面2を備える内輪3と、複数の案内溝4を形成した内球面5を備える外輪6と、内輪3の案内溝1と外輪6の案内溝4との間に介在してトルクを伝達する複数のボール7と、これらボール7の収容される窓部8を有して内輪3の外球面2と外輪6の内球面5との間に介在する筒状のケージ9とを備えた固定式等速自在継手である。
そして、ケージ9のボール7との非接触面を含む窓部8の周縁部には、ケージ9のボール接触面の硬度より低い硬度の軟質部10を設けている。
図1、2に示されるように、内輪3の外球面2に等間隔に形成された8本の案内溝1は、内輪3の軸方向に延び、同様に外輪6の内球面5に等間隔に形成された8本の案内溝4についても外輪6の軸方向にそれぞれ延びる円溝状のものである。内輪3および外輪6に形成する案内溝1、4の数は、等速自在継手の種類や用途に対応して増減し、例えば6本または8本の他、任意の溝数を採用できる。
そして、内輪側の案内溝1と外輪側の案内溝4とが対をなしてボールトラックを形成し、各ボールトラックにはトルクを伝達するための8個のボール7が組み込まれ、これらボール7は、ケージ9の周方向に等間隔で形成された8個の窓部8に収容され、回転自在に保持されている。
このような等速自在継手Aの内輪3と外輪6には、駆動側の回転軸と従動側の回転軸とが連結された状態で作動する。等速自在継手Aは、内輪3の回転軸と外輪6の回転軸とが所要の作動角をとった状態であるとき、ボール7が、内輪3の回転軸と外輪6の回転軸とのなす角度を二等分する平面内にボール7の中心が並ぶようにケージ9によって配置される。このときボール7は、内輪側の案内溝1と外輪側の案内溝4の両方に嵌まり合った状態であり、内輪3と外輪6の間で双方向にトルクの伝達が可能である。
図1~3に示すように、ボール7を保持する筒状のケージ9は、全硬化焼入れされた鋼材からなり、窓部8の内周面のうち、ケージ9の軸方向に対向する端面8aの大部分を占めるボール7との接触面は、耐摩耗性が確保できるように所要の硬度に熱処理されている。例えば、充分な耐摩耗性を確保するために好ましいボール接触面の硬度は、Hv650を超える硬度である。
ケージ9のボール接触面は、角の丸い長四角穴の窓部8の内周面のうち、筒状のケージ9の軸方向に対向する一対の端面8a,8aの厚みの中程に帯状に延びる部分(図3、図6(b)参照)である。言い換えると、ケージ9のボール非接触面は、窓部8の内周面のうち、ケージ9の軸方向に対向する一対の端面8a、8aのケージ9の内径側と外径側の両縁部分と、ケージ9の周方向に対向する一対の端面8b,8bと、これら端面8a、8b同士が接する境界部分である円曲面で形成されている4つの隅部8cであり、さらに窓部8の内周面以外の縁部、すなわちケージ9の内周面と外周面は、両面ともボール7との非接触面である。
図3に示すように、第1実施形態の等速自在継手は、ケージ9のボール7との非接触面を含む窓部8の周縁部の全周に連続するように、ケージ9のボール接触面の硬度より低い硬度の軟質部10を設けている。
軟質部10は、焼入れと焼なましという周知の熱処理によって、ケージ9の表面から厚さ0.05mm以上の深さ(例えば0.05~0.5mm)に層状または帯状もしくは筋状に設けることが、亀裂の発生防止およびその進展抑止のために好ましい。
図3に示す軟質部10は、ケージ9のボール7との接触面を除く窓部8の周縁部の全周において連続するように形成したものである。軟質部10は、ケージ9のボール接触面の硬度より低い硬度であるように、上述の局所加熱工程を伴った焼なまし処理によって形成することができ、窓部8の内周面から0.05mm以上の層厚で形成された軟質部10は、筒状のケージ9の外周側もしくは内周側またはこれら両側のボール7の非接触面にも現れる。
軟質部10を配置するケージ9の径(厚み)方向の位置は、等速自在継手の種類や用途に応じて変更することが好ましく、例えば自動車のドライブシャフトのフロント部に使用する場合は、等速自在継手の作動角が大きく変化し、それだけケージ9に対するボールの相対移動量が大きくなるため、軟質部10の範囲を狭くすることが望ましい。
なお、この場合には耐摩耗性を考慮して、ケージ9のボール接触面の硬度はHv650を超える硬度とし、ケージ9の強度を考慮してボール7との非接触面に配置される軟質部10の硬度をHv650以下にすることが好ましい。
また、等速自在継手を自動車のプロペラシャフトまたはドライブシャフトのリア部に使用する場合には、等速自在継手の作動角は比較的小さくて、それだけケージ9に対するボールの相対移動量が小さくなるため、その分軟質部10を広くすることができる。
また、図4に示す例は、軟質部10が、窓部8の内周面の全周のうち、ケージ9の外周面側の縁部にのみ形成されたものを示している。ケージ9の窓部8の内周面の全周において径方向中央領域と内周面側は高硬度(Hv650以上)である。
図5に示す例は、軟質部10が、窓部8の内周面の全周のうち、ケージ9の内周面側の縁部にのみ形成されたものを示している。ケージ9の窓部8の内周面の全周において径方向中央領域と外周面側は高硬度(Hv650以上)である。
図6に示す例は、軟質部10が、窓部8の内周面の全周のうち、ケージ9の内周面側と外周面側の両縁部にのみ形成されたものを示している。ケージ9の窓部8の内周面の全周において径方向中央領域のみが高硬度(Hv650以上)である。
図7に示す例は、軟質部10が、窓部8の内周面の全周のうち、ボール7(図1参照)との非接触面全てに形成されたものを示している。ケージ9の窓部8の内周面の全周においてボール7との接触部のみが高硬度(Hv650以上)である。
上記のように構成される第1実施形態の等速自在継手は、ケージ9のボール接触面の硬度より低い硬度の軟質部10を、窓部8の周縁部の全周に連続するように設けたので、ケージ9の窓部8の縁がどのような形状であっても全ての周縁部に弾性変形性および延性が備わり、作動時の繰り返し荷重などの動的荷重に対しても亀裂の発生とその進展を充分に抑制できるものになる。
次に、図8~図10に示す第2実施形態は、第1実施形態のように、軟質部10を窓部8の周縁部の全周に連続するように形成することに代えて、ケージ9の軸方向に対向する一対の端面8a、8aと周方向に対向する一対の端面8b、8bとが接する境界部分である円曲面で形成されている4つの隅部8cのみに軟質部10を配置したこと以外は第1実施形態と同様に、軟質部10を形成したものである。
第2実施形態においても第1実施形態の例(図4~図7に示す例)と同様に、軟質部10のケージ9の径方向(ケージの厚み方向)の配置は、等速自在継手の種類や用途に応じて変更することができる。
例えば、図8及び図9に示すように、角の丸い長四角穴状の窓部8の4つの隅部8cに形成された軟質部10が、ケージ9の径(厚み)方向の全域にわたって形成されていてもよい。ケージ9の窓部8の内周面において、一対の端面8a、8aおよび一対の端面8b、8bが高硬度(Hv650以上)である。
また、図10に示すように、窓部8の4つの隅部8cに形成された軟質部10が、ケージ9の内周面側と外周面側の両縁部にのみ形成されていてもよい。ケージ9の窓部8の内周面において、一対の端面8a、8aと一対の端面8b、8b、および4つの隅部8cの径方向中央領域が高硬度(Hv650以上)である。
その他の例として図示は省略したが、第1実施形態の図4、図5に示す軟質部10の配置と同じように、第2実施形態においても軟質部10の配置を採用することができる。
次に、図11~図13に示す第3実施形態は、第1実施形態のように、軟質部10を窓部8の周縁部の全周に連続するように形成することに代えて、筒状のケージ9の周方向に対向する一対の端面8b、8bと、ケージ9の軸方向に対向する一対の端面8a、8aと周方向に対向する一対の端面8b、8bとが接する境界部分であって円曲面で形成されている4つの隅部8c、8cとを合わせた部分に軟質部10を配置し、このこと以外は、第1実施形態と同様に構成したものである。
このように構成される第3実施形態は、第1実施形態(図4~図7に示す例)と同様に、軟質部10を配置するケージ9の径(厚み)方向の位置は、等速自在継手の種類や用途に応じて変更することができる。
例えば図11及び図12に示すように、窓部8の一対の端面8b、8bおよび4つの隅部8cに形成された軟質部10が、ケージ9の径(厚み)方向の全域にわたって形成されたものであってもよい。ケージ9の窓部8の内周面において、一対の端面8a、8aが高硬度(Hv650以上)である。
また、図13に示すように、窓部8の一対の端面8b、8bおよび4つの隅部8cに形成された軟質部10が、ケージ9の内周面側と外周面側の両縁部にのみ形成されてもよい
。ケージ9の窓部8の内周面において、一対の端面8a、8aの径方向の全域、および一対の端面8b、8bと4つの隅部8cの径方向中央領域が高硬度(Hv650以上)である。
その他の例として、図示は省略したが第1実施形態の図4、図5に示す軟質部の配置と同様の例を、第3実施形態においても採用することができる。
次に、図14及び図15に示す第4実施形態は、第1実施形態において、軟質部10を窓部8の周縁部の全周に連続するように形成することに代えて、筒状のケージ9の軸方向に対向する一対の端面8a、8aに加え、上記した4つの隅部8cを合わせて軟質部10を配置したこと以外は、第1実施形態と同様に構成したものである。
第4実施形態においても第1実施形態の例(図4~図7に示す例)と同様に、軟質部10を配置するケージ9の径(厚み)方向の位置は、等速自在継手の種類や用途に応じて変更することができる。
また、図14及び図15に示すように、軟質部10が、窓部8の内周面のうち、ケージ9の内周面側と外周面側の両縁部にのみ形成されていてもよい。ケージ9の窓部8の内周面において、一対の端面8b、8bの径方向の全域、および一対の端面8a、8aと4つの隅部8cの径方向中央領域が高硬度(Hv650以上)である。
その他の例として図示は省略したが、第1実施形態の図4、図5に示す軟質部10の配置と同様の例を、第4実施形態において採用することもできる。
上記のように構成される第2~4実施形態の等速自在継手は、ケージ9の亀裂の生じやすい部分に軟質部10を適宜に変更して配置することで、窓部に所要の延性を有して、繰り返し荷重などの動的荷重に対しても亀裂の発生とその進展を充分に抑制でき、ケージ9のボール7との接触面である一対の端面8a、8aには充分な耐摩耗性でボール7の面圧を受け止めることができる。また、軟質部10の範囲を可能な限り少なくすることで熱処理によるコストを低減することができる。
1、4 案内溝
2 外球面
3 内輪
5 内球面
6 外輪
7 ボール
8 窓部
8a、8b 端面
8c 隅部
9 ケージ
10 軟質部
A 等速自在継手

Claims (4)

  1. 複数の案内溝を形成した外球面を備える内輪と、
    複数の案内溝を形成した内球面を備える外輪と、
    前記内輪の案内溝と前記外輪の案内溝との間に介在しトルクを伝達する複数のボールとを備えた等速自在継手用のケージであって、
    前記ボールの収容される窓部を有して前記内輪の外球面と前記外輪の内球面との間に介在するケージが、全硬化焼入れされた鋼材からなり、前記ケージの前記ボールとの接触面を除く前記窓部またはその周囲の表面に、前記ケージの前記ボールとの接触面のHv650を超える硬度より低い硬度に局所加熱工程を伴った熱処理で局所的に形成されたHv650以下の層状または帯状もしくは筋状の軟質部を、前記ケージの表面から0.05mm以上の厚さに設けたケージ。
  2. 前記軟質部が、前記窓部の周縁部に設けられている請求項1に記載のケージ。
  3. 前記ケージが、炭素含有量0.45%以上の鋼からなるケージである請求項1または2に記載のケージ。
  4. 請求項1~3のいずれかに記載のケージを備えた等速自在継手。
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