JP2001199964A - キノリルプロペナールの製造方法 - Google Patents
キノリルプロペナールの製造方法Info
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Abstract
ル誘導体から3−[2−シクロプロピル−4−(4−フ
ルオロフェニル)−3−キノリル]プロプ−2−エナー
ルを高収率で得る方法を提供する。 【解決手段】 3−[2−シクロプロピル−4−(4−
フルオロフェニル)−3−キノリル]プロプ−2−エン
ニトライトを、ギ酸のアミン塩と有機酸との存在下に
て、ラネーニッケルにより還元する。
Description
ニトリル誘導体からキノリルプロペナール誘導体を製造
する方法に関する。本発明の製造方法によって得られる
キノリルプロペナール誘導体は、例えば、コレステロー
ル低下剤(HMG-CoA還元酵素阻害薬)の合成中間
体として有用な化合物である。
造する方法としては、キノリンアクリル酸エステルを水
素化ジイソブチルアルミニウムで還元してキノリルプロ
ぺノールを得て、これをオキサリルクロライド及びジメ
チルスルホキシド、又は二酸化マンガンを用いて酸化し
てキノリルプロペナールとすることからなる、二工程で
製造する方法が知られている(J.Med.Chem.,34,367(19
91))。また、アクリロニトリル化合物の二重結合を保
持したまま、シアノ基のみを選択的にホルミル基に還元
してプロペナール化合物を製造する方法としては、還元
剤として水素化ジイソブチルアルミニウムを用いる方法
が知られている(Heterocycles,29,691(1989))。し
かしながら、これらのいずれの方法も、取り扱いや後処
理が煩雑となる水素化ジイソブチルアルミニウムや二酸
化マンガンを用いなければならず、工業的な製造法とし
ては不利である。
の問題点を解決し、簡便な方法によってキノリルアクリ
ロニトリル誘導体からキノリルプロペナール誘導体を高
収率で製造することが出来る、工業的に有利なキノリル
プロペナール誘導体の製造方法を提供することにある。
(1)
導体{3−[2−シクロプロピル−4−(4−フルオロ
フェニル)−3−キノリル]プロプ−2−エンニトライ
ト}を、ギ酸のアミン塩と有機酸との存在下にて、ラネ
ーニッケルにより還元することを特徴とする、式(2)
{3−[2−シクロプロピル−4−(4−フルオロフェ
ニル)−3−キノリル]プロプ−2−エナール}の製造
方法によって解決される。
式(1)のキノリルアクリロニトリル誘導体は、新規化
合物であるが、公知の2−シクロプロピル−4−(4−
フルオロフェニル)キノリン−3−カルボアルデヒド
(特開平1−279866号公報、欧州公開特許出願第
304063号公報、米国特許第5011930号明細
書)に、ジエチルシアノメチルホスホネートを、好まし
くは水酸化ナトリウムのような塩基と芳香族炭化水素の
ような溶媒の存在下で反応させることによって製造する
ことができる。
応で用いるラネーニッケルとは、ニッケルとアルミニウ
ムとを主成分とする合金であり、ニッケル含有量が、好
ましくは10〜90重量%、更に好ましくは40〜80
重量%のものを意味する。通常は、展開されたラネーニ
ッケルが使用されるが、種々の方法によって、前処理さ
れたラネーニッケルや、安定化されたラネーニッケルも
使用することが出来る。更に、ラネーニッケル中に、コ
バルト、鉄、鉛、クロム、チタン、モリブデン、バナジ
ウム、マンガン、スズ、タングステン等のような金属が
含まれているものも使用することが出来る。
ニッケルの使用量は、原料のキノリルアクリロニトリル
誘導体に対して、ニッケル原子換算で、好ましくは0.
30〜2重量倍、更に好ましくは0.4〜1.2重量倍
である。
アミン塩とは、ギ酸とアミンからなる塩であり、例え
ば、ギ酸アンモニウム;ギ酸モノメチルアンモニウム、
ギ酸モノエチルアンモニウム等のギ酸と一級アミンから
なる塩;ギ酸ジメチルアンモニウム、ギ酸ジエチルアン
モニウム等のギ酸と二級アミンからなる塩;ギ酸トリメ
チルアンモニウム、ギ酸トリエチルアンモニウム等のギ
酸と三級アミンからなる塩が挙げられるが、好ましくは
ギ酸アンモニウム、ギ酸トリエチルアンモニウム、更に
好ましくはギ酸アンモニウムが使用される。
キノリルアクリロニトリル誘導体の使用量に対して、好
ましくは1.0〜5.0倍モルであり、更に好ましくは
1.5〜3.0倍モルである。
としては、特に炭素数2〜5の低級脂肪酸が好ましく、
その例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪
酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸が挙げられるが、好
ましくは酢酸が使用される。
クリロニトリル誘導体に対して、好ましくは3〜50重
量倍、更に好ましくは5〜30重量倍である。これらの
有機酸は、単独又は二種以上を混合して使用しても良
い。
在下、式(1)のキノリルアクリロニトリル誘導体とギ
酸のアミン塩とを有機酸中で接触させることが好まし
く、例えば、不活性ガス雰囲気にて、ラネーニッケル、
キノリルアクリロニトリル、ギ酸アンモニウム及び有機
酸を混合して、加熱攪拌する等の方法によって、常圧下
又は加圧下で行われる。その際の反応温度は、好ましく
は20〜110℃、更に好ましくは40〜90℃であ
る。
基、白金塩等を系内に添加することによって、反応性を
調節しても良い(久保松照夫、小松信一郎、ラネー触媒
(川研ファインケミカル株式会社発行)、123〜14
7頁に記載)。
ール誘導体は、例えば、反応終了後に濾過及び抽出し、
蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィー等による一般
的な方法によって分離・精製される。
するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではな
い。
−4−(4−フルオロフェニル)−3−キノリル]プロ
プ−2−エンニトライトの合成 攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容積100m
Lのガラス製フラスコに、窒素雰囲気下、2−シクロプ
ロピル−4−(4−フルオロフェニル)キノリン−3−
カルボキシアルデヒド4.98g(17.1ミリモ
ル)、純度98%のジエチルシアノメチルホスホネート
3.10mL(18.8ミリモル)、トリカプリルメチ
ルアンモニウムクロライド(Aliquat 336:Aldrich社
製)0.15mL(0.33ミリモル)及びトルエン3
5mLを加え、液温を25〜35℃に保ちながら、20
重量%水酸化ナトリウム水溶液10.1g(50.5ミ
リモル)を50分間かけてゆるやかに滴下し、同温度で
3時間反応させた。その後、純度98%のジエチルシア
ノメチルホスホネート0.14mL(0.85ミリモ
ル)を加え、同温度で66時間反応させた。反応終了
後、水5mLを加えて30分間攪拌した。得られた反応
液にトルエン50mLを加え、有機層を分離して10重
量%水酸化ナトリウム水溶液10mLで洗浄し、飽和食
塩水10mLを加えた。次いで、1モル/L塩酸5.6
mLを加えて中和した後、有機層を取り出し、攪拌装置
を備えた内容積200mLのガラス製フラスコに移し
た。それに、無水硫酸ナトリウム1.60gを加えて室
温で1時間攪拌させ、更に、活性炭0.14g(粉末
状:和光純薬株式会社製)及びシリカゲル(ワコーゲル
C−200:和光純薬株式会社製)0.62gを加えて
室温で1.75時間攪拌させた後、セライトで濾過し、
セライトをトルエン50mLで洗浄した。得られた反応
液を減圧下で濃縮すると結晶が析出してきたので、結晶
を加熱して溶解させ、次いで、ヘキサン30mLを加え
て30分間加熱還流させた。その後、液温を5℃まで冷
却して2時間攪拌すると結晶が析出してきたので、結晶
を濾過した後、ヘキサン30mLで洗浄し、減圧下、5
5℃にて乾燥させて、白色結晶として3−[2−シクロ
プロピル−4−(4−フルオロフェニル)−3−キノリ
ル]プロプ−2−エンニトライト4.81gを得た(収
率90%)。
(4−フルオロフェニル)−3−キノリル]プロプ−2
−エンニトライトの物性値を次に記す。 融点:175〜176℃、EI−MS(m/e):31
3(M−1)、CI−MS(m/e):315(M+
1)
−4−(4−フルオロフェニル)−3−キノリル]プロ
プ−2−エナールの製造 攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容積200m
Lのガラス製フラスコに、窒素雰囲気下、参考例1で合
成した3−[2−シクロプロピル−4−(4−フルオロ
フェニル)−3−キノリル]プロプ−2−エンニトライ
ト4.0g(12.7ミリモル)、ギ酸アンモニウム
1.6g(25.4ミリモル)、含水展開ラネーニッケ
ル(川研ファインケミカル(株)製:NDHT−90:
ニッケル含有量50重量%品)4.4g(ニッケル原子
として37.5ミリモル)及び酢酸40mLを加え、6
5℃で4時間反応させた。反応終了後、室温まで冷却
し、エタノール20mLを加えた後、触媒をセライトで
濾過した。次いで、濾液を減圧下で濃縮し、酢酸エチル
40mLを加え、1モル/L塩酸5mL、水10mL、
1モル/L水酸化ナトリウム水溶液20mL、DL−酒
石酸のアルカリ水溶液(DL−酒石酸1.0gを1モル
/L水酸化ナトリウム水溶液14mLに溶解)14m
L、飽和食塩水20mLの順で洗浄した後、有機層を無
水硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過後、減圧下で濃縮
し、薄黄色結晶として純度98%(高速液体クロマトグ
ラフィーによる面積百分率)の3−[2−シクロプロピ
ル−4−(4−フルオロフェニル)−3−キノリル]プ
ロプ−2−エナール3.4gを得た(収率82%)。
ルオロフェニル)−3−キノリル]プロプ−2−エナー
ルの物性値を次に記す。 CI−MS(m/e):318(M+1)1 H−NMR(CDCl3、δ(ppm)):1.07〜
1.13(2H,m)、1.40〜1.45(2H,
m)、2.32〜2.37(1H,m)、6.43(1
H,dd,J=7.8,16.2Hz)、7.22〜
7.26(4H,m)、7.35〜7.38(2H,
m)、7.55(1H,d,J=16.2Hz)、7.
64〜7.69(1H,m)、7.97(1H,d,J
=8.4Hz)、9.51(1H,d,J=7.5H
z)
よって前記式(1)のキノリルアクリロニトリル誘導体
から前記式(2)のキノリルプロペナール誘導体を高収
率で製造することが出来る。従って、工業的に有利なキ
ノリルアクロレインの製造法を提供することが出来る。
Claims (3)
- 【請求項1】 式(1) 【化1】 で表わされるキノリルアクリロニトリル誘導体を、ギ酸
のアミン塩と有機酸との存在下にて、ラネーニッケルに
より還元することを特徴とする、式(2) 【化2】 で表わされるキノリルプロペナール誘導体の製造方法。 - 【請求項2】 ギ酸のアミン塩がギ酸アンモニウムであ
ることを特徴とする請求項1に記載のキノリルプロペナ
ール誘導体の製造方法。 - 【請求項3】 有機酸が炭素原子数2〜5の低級脂肪酸
であることを特徴とする請求項1もしくは2に記載のキ
ノリルプロペナール誘導体の製造方法。
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