JP2001198923A - イジェクト機構 - Google Patents

イジェクト機構

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JP2001198923A
JP2001198923A JP2000010950A JP2000010950A JP2001198923A JP 2001198923 A JP2001198923 A JP 2001198923A JP 2000010950 A JP2000010950 A JP 2000010950A JP 2000010950 A JP2000010950 A JP 2000010950A JP 2001198923 A JP2001198923 A JP 2001198923A
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Japan
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pressing
ejector
ejecting
plate
eject
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JP2000010950A
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English (en)
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Uchiru Hariragi
ウチル ハリラジ
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Sony Group Corp
Original Assignee
Aiwa Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 イジェクト部材を確実に、且つ小さな作業負
荷で通常位置へと戻すことが可能で、しかも操作部材の
位置に関わりなくイジェクタピンを通常位置へと戻して
次の成形作業を行うことができるイジェクト機構を得
る。 【解決手段】 成形型10の型開き動作に伴ってイジェ
クターロッド38がコアバックプレート22に向かって
相対的に移動すると、イジェクタープレート28及びイ
ジェクターバックプレート26が押され、イジェクタピ
ン32が成形領域16内に突出する。イジェクタープレ
ート28及びイジェクターバックプレート26がコアバ
ックプレート22にさらに接近し、ガイドブロック46
が傾斜面54に押されて移動すると、イジェクタープレ
ート28及びイジェクターバックプレート26は圧縮コ
イルスプリング30の付勢力を受けてモールドベース2
4に向かって移動し、イジェクタピン32の先端が成形
領域16に突出しなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、開閉する少なくと
も2つの型部材で構成された成形型から成形品を取り出
すためのイジェクト機構に関し、さらに詳しくは、例え
ば樹脂の射出成形や金属の鋳造成形等に用いられる成形
型から、成形品を突き出して取り出すためのイジェクト
機構に関する。
【0002】
【従来の技術】図10には、従来のイジェクト機構12
0を有する成形型110が部分的に示されている。
【0003】このイジェクト機構120では、成形型1
10を構成する可動ハーフ114に、マウントアンドカ
バープレート116(操作部材)がスライド可能に取り
付けられている。マウントアンドカバープレート116
にはイジェクタピン132が固定されており、成形時、
すなわち型締め状態では可動ハーフ14内に入り込んだ
位置(退避位置)となっているが、図10(A)に示す
ように、型開き時、すなわち固定ハーフ112と可動ハ
ーフ114とが開いた状態ではマウントアンドカバープ
レート116が押されてスライドすると、イジェクタピ
ン132が固定ハーフ112に向かって突出し、成形型
110によって成形された成形品が押し出されるように
なっている。
【0004】一方、固定ハーフ112には、可動ハーフ
114に向かって突出するレバー118が固定されてい
る。図10(A)に示すようにイジェクタピン132が
突出した状態から成形作業のため可動ハーフ114を固
定ハーフ112に向かって移動させると、レバー118
が、可動ハーフ114に取り付けられたアーム122に
当たってアーム122を回動させる(図10(B)参
照)。そして、このアーム122の回動によってマウン
トアンドカバープレート116がスライドし、型締め時
には、イジェクタピン132が可動ハーフ114内へ退
避するようになっている。
【0005】このように、従来のイジェクト機構120
では、可動ハーフ114が成形時の型締め状態へ移行す
る動作によって、イジェクタピン132を退避位置へ戻
すようになっている。従って、作業者は、型開き状態か
ら型締め状態へ移る間中、成形型110を監視して、イ
ジェクタピン132が確実に退避位置に戻ったか否かを
確認しなければならず、作業負荷が大きかった。
【0006】また、レバー118やアーム122は成形
型の外側に位置しているため、作業時に損傷を受ける可
能性を有している。
【0007】特に、レバー118やアーム122等が磨
耗及び損傷している場合には、イジェクタピン132が
退避位置へ確実に戻らないおそれがある。この場合、イ
ジェクタピン132が突出した状態で可動ハーフ114
が固定ハーフ112に接近するため、固定ハーフ112
が損傷してしまう可能性があった。
【0008】つまり、マウントアンドカバープレート1
16とイジェクタピン132とが固定されているため、
イジェクタピン132を退避位置に戻すためには、必ず
マウントアンドカバープレート116も通常位置(図1
0(A)に示す位置)に戻っている必要がある。換言す
れば、マウントアンドカバープレート116が通常位置
に戻らないとイジェクタピン132も退避位置に戻らな
いことになり、成形型110を閉じて次の成形作業を開
始することができなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる事実を
考慮し、成形型の可動ハーフ及び固定ハーフが型開き状
態であってもイジェクト部材を確実に退避位置へと戻す
ことが可能で、しかも開き位置に関わりなくイジェクタ
ピンが通常位置へ戻ったことが確認でき、次の成形作業
を行うことができるイジェクト機構を得ることを課題と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明で
は、開閉する少なくとも2つの型部材で構成された成形
型から成形品を取り出すためのイジェクト機構であっ
て、前記型部材に設けられ、前記成形型の成形領域に突
出したイジェクト位置とこの成形領域から退避した退避
位置との間を移動するイジェクト部材と、前記イジェク
ト部材を前記退避位置に向かって付勢する第1付勢手段
と、前記イジェクト部材を前記イジェクト位置方向へと
押圧する押圧部材と、前記イジェクト部材の移動によっ
て、前記押圧部材によるイジェクト部材の押圧を解除す
る押圧解除手段と、を有することを特徴とする。
【0011】このイジェクト機構では、押圧部材がイジ
ェクト部材をイジェクト位置方向へ押圧すると、イジェ
クト部材は第1付勢手段の付勢力に抗してイジェクト位
置に至る。これにより、成形型の成形領域に形成された
成形品がイジェクト部材によって突き出される。
【0012】このイジェクト部材の移動により、押圧解
除手段は、押圧部材によるイジェクト部材の押圧を解除
する。イジェクト部材に作用していた押圧部材からの押
圧力が作用しなくなるので、イジェクト部材は、第1付
勢手段の付勢力を受けて退避位置へと移動する。
【0013】このように、請求項1に記載のイジェクト
機構では、成形型を構成する型部材を閉じることなく、
イジェクト部材をイジェクト位置から退避位置(通常位
置)へと確実に戻すことが可能であり、作業者が、型部
材やイジェクト部材を常に監視する必要がないので、作
業負荷が軽減される。すなわち、正常動作では、イジェ
クト部材がイジェクト位置で成形品を突き出す動作から
連続して退避位置へと移動するので、イジェクト部材の
戻り不良(退避位置へと戻らないこと)といったトラブ
ルが発生した場合には、成形型を開いた状態で、作業者
がこのトラブルを直ちに発見可能となる。
【0014】また、イジェクト部材は第1付勢手段の付
勢力で退避位置へと戻るようになっており、他の部材と
接触したり干渉したりして退避位置へと戻るようになっ
ていない。従って、これらの部材の磨耗や損傷によっ
て、イジェクト部材が退避位置へ戻らなくなってしまう
ことがなく、イジェクト部材は退避位置へと確実に戻
る。退避位置へと戻っていないイジェクト部材が型部材
等に当たって型部材等が傷つくこともない。
【0015】しかも、イジェクト部材が退避位置へ戻る
際には、イジェクト部材に押圧部材からの押圧力は作用
することなく、イジェクト部材は押圧部材に対してフリ
ーの状態で、押圧部材の位置に関わらず退避位置へと戻
る。このため、次の成形作業を速やかに行うことができ
る。
【0016】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記押圧解除手段が、前記イジェク
ト部材に設けられ、前記押圧部材によって押圧される押
圧位置と、押圧されない非押圧位置との間を移動可能と
された移動部材と、前記移動部材を前記押圧位置へと付
勢する第2付勢手段と、前記イジェクト部材の移動によ
って、前記移動部材の位置を押圧位置から非押圧位置へ
変換する変換部材と、を有することを特徴とする。
【0017】従って、第2付勢手段の付勢力を受けて移
動部材が押圧位置にあるとき、押圧部材は移動部材を介
してイジェクト部材を押圧する。これにより、イジェク
ト部材がイジェクト位置方向へと移動する。
【0018】このイジェクト部材の移動により、変換部
材が、第2付勢手段の付勢力に抗して移動部材の位置を
押圧位置から非押圧位置へと変換するので、押圧部材の
押圧力は、イジェクト部材に作用しなくなる。この結
果、イジェクト部材が第1付勢手段の付勢力を受けて退
避位置へと移動する。
【0019】このように、変換部材によって、移動部材
の位置を押圧位置から非押圧位置へ変換することで、押
圧部材によってイジェクト部材が押圧されないようにし
ている。押圧部材の一連の動作でイジェクト部材を退避
位置に戻すことが可能になるため、作業者の作業負担が
さらに軽減される。
【0020】請求項3に記載の発明では、請求項2に記
載の発明において、前記変換部材が、前記イジェクト部
材の移動方向及び前記移動部材の移動方向の双方に対し
て傾斜し、前記イジェクト部材が移動した状態で移動部
材に接触する傾斜面を備えたカムブロックであることを
特徴とする。
【0021】すなわち、イジェクト部材が移動した状態
で、移動部材がカムブロックの傾斜面に接触している。
傾斜面はイジェクト部材の移動方向及び移動部材の移動
方向の双方に対して傾斜しているため、イジェクト部材
の移動によって移動部材の位置が押圧位置から非押圧位
置へと変換され、押圧部材の押圧力がイジェクト部材に
作用しなくなる。これにより、イジェクト部材は第1付
勢手段の付勢力によって退避位置に戻る。
【0022】このように、カムブロックを設けるだけの
簡単な構成で、イジェクト部材を退避位置に戻すことが
可能になる。
【0023】請求項4に記載の発明では、請求項1〜請
求項3のいずれかに記載の発明において、前記押圧部材
の押圧方向が、前記イジェクト部材の移動方向と同方向
とされていることを特徴とする。
【0024】このように、押圧部材の押圧方向とイジェ
クト部材の移動方向とを一致させることで、力の損失が
少なくなり、小さな押圧力でイジェクト部材を移動させ
ることが可能になる。
【0025】
【発明の実施の形態】図1には、本発明の一実施形態の
イジェクト機構20が採用された、樹脂製品成形用の成
形型10が断面図にて部分的に示されている。また、図
2には、イジェクト機構20の主要部が分解斜視図にて
示されている。
【0026】図1に示すように、成形型10は、固定ハ
ーフ12と、この固定ハーフ12に対して接近及び離間
する可動ハーフ14と、を有している。固定ハーフ12
と可動ハーフ14との対向部分には、成形品80の形状
に対応した成形領域16が構成されている。なお、図1
では、可動ハーフ14が固定ハーフ12に対して僅かに
離間して、成形型10が開いた状態が示されているが、
成形時には、可動ハーフ14が固定ハーフ12に対し
て、この図面に示す状態よりもさらに接近している。な
お、固定ハーフ12と可動ハーフ14の間、若しくはこ
れらのいずれか一方には、樹脂流入口が設けられてい
る。
【0027】可動ハーフ14は、固定ハーフ12側の型
ベース18と、この型ベース18に固定されたコアバッ
クプレート22及びモールドベース24を有している。
コアバックプレート22とモールドベース24には、こ
れらの間には所定の間隙が構成されると共に、コアバッ
クプレート22とモールドベース24との相対的な位置
が変化しないように、型ベース18に固定されている。
【0028】モールドベース24とコアバックプレート
22との間隙には、モールドベース24からコアバック
プレート22に向かって順に、イジェクターバックプレ
ート26及びイジェクタープレート28が配設されてい
る。イジェクターバックプレート26及びイジェクター
プレート28は、図示しない保持部材によって一体的に
保持されており、図1に示すように、イジェクターバッ
クプレート26がモールドベース24に接触した位置
と、モールドベース24から離間した位置(図7参照)
との間で移動可能とされている。
【0029】イジェクタープレート28とコアバックプ
レート22との間には圧縮コイルスプリング30が配設
されており、イジェクタープレート28及びイジェクタ
ーバックプレート26を、モールドベース24に向かっ
て付勢している。
【0030】イジェクターバックプレート26の、モー
ルドベース24との対向面には、ねじ等の固定手段によ
ってイジェクタピン32が固定されている。イジェクタ
ピン32は、イジェクターバックプレート26及びイジ
ェクタープレート28を貫通し、さらにコアバックプレ
ート22及び型ベース18を貫通して、先端が成形領域
16に対向している。そして、図1に示すように、イジ
ェクターバックプレート26がモールドベース24に接
触している状態では、イジェクタピン32は成形領域に
突出しないが(退避位置)、図3に示すように、イジェ
クターバックプレート26がモールドベース24に対し
て相対的に移動してモールドベース24から離れると、
イジェクタピン32の先端が成形領域16に突出して
(イジェクト位置)、この成形領域16で成形された成
形品80を突き出すことができるように、その長さが設
定されている。
【0031】モールドベース24及びイジェクターバッ
クプレート26には、挿通孔34が形成されており、こ
の挿通孔34に、コアバックプレート22の反対側か
ら、円筒状のイジェクタースリーブ36が挿入されてい
る。イジェクタースリーブ36の内側には、コアバック
プレート22の反対側からイジェクターロッド38が挿
入され、ボルト等の固定手段で固定されている。図1及
び図2では、イジェクタースリーブ36の中心線を軸線
Jで示しており、イジェクターロッド38及びイジェク
タースリーブ36はこの軸線Jの方向にスライドする。
従って、イジェクターロッド38及びイジェクタースリ
ーブ36の移動方向と、イジェクタピン32の移動方向
が一致している。
【0032】イジェクタープレート28にも、コアバッ
クプレート22との対向面側には挿通孔34が形成され
ている。また、イジェクタープレート28のイジェクタ
ーバックプレート26との対向面側には、挿通孔34よ
りも大径の保持凹部40が形成されている。保持凹部4
0には、図2にも示すように、略円板状のマウントプレ
ート42が収容され保持されている。
【0033】マウントプレート42の中央にも挿通孔3
4が形成されており、さらに挿通孔34からは放射状
に、複数(本実施形態では4つ)の収容凹部44が形成
されている。
【0034】収容凹部44は、中心寄り(軸線Jに近い
位置)の幅広部44Aと、外周寄り(軸線Jから遠い位
置)の幅狭部44Bと、で構成されており、幅狭部44
Bと略同幅のガイドブロック46が収容凹部44内に収
容されている。ガイドブロック46は、収容凹部44よ
りも短く形成されており、図1、図3〜図5に示すよう
に、その一部が挿通孔34よりも内周側に入り込んだ位
置(押圧位置)と、図6〜図8に示すように、挿通孔3
4よりも外周側に退避した位置(非押圧位置)とをスラ
イドするようになっている。図3〜図5からも分かるよ
うに、ガイドブロック46は、押圧位置では、イジェク
タースリーブ36がコアバックプレート22に接近する
方向に移動すると、イジェクタースリーブ36に押圧さ
れる。これに対し、図6〜図8から分かるように、ガイ
ドブロック46は非押圧位置では、イジェクタースリー
ブ36に押圧されることはない。
【0035】収容凹部44内には圧縮コイルスプリング
48が配設されており、ガイドブロック46を、押圧位
置に向かって付勢している。
【0036】なお、図2では図示の便宜上、4つのガイ
ドブロック46及び圧縮コイルスプリング48のうちそ
れぞれ2つは収容凹部44内に収容された状態としてい
るが、これ以外の2つのガイドブロック46及び圧縮コ
イルスプリング48は収容凹部44の外部に取り出して
示している。
【0037】ガイドブロック46には、ガイドピン50
が設けられている。このガイドピン50は、収容凹部4
4の幅広部44Aとガイドブロック46との間に位置し
ており、ガイドピン50とガイドブロック46とは一体
で、幅広部44A内を移動する。
【0038】コアバックプレート22には、イジェクタ
ープレート28との対向面に、複数(本実施形態では4
つ)のカムブロック52がボルト等の固定手段で固定さ
れている。カムブロック52は、イジェクタースリーブ
36の中心線J周りに対称に配置されている。また、そ
れぞれのカムブロック52には、中心側(軸線Jに近い
側)から外側に向かうに従って次第にコアバックプレー
ト22に接近する傾斜面54が形成されている。傾斜面
54は、図4に示すように、ガイドブロック46が押圧
位置にある状態でイジェクターバックプレート26及び
イジェクタープレート28がコアバックプレート22に
接近すると、ガイドブロック46のガイドピン50に接
触する。そして、図5〜図7に示すように、さらにイジ
ェクターバックプレート26及びイジェクタープレート
28がコアバックプレート22に接近すると、この移動
力を、ガイドブロック46を非押圧位置へと移動させる
移動力に変換できるように、所定の位置に設けられてい
る。これにより、ガイドブロック46が圧縮コイルスプ
リング48の付勢力に抗して、非押圧位置へと移動す
る。
【0039】なお、マウントプレート42とイジェクタ
ープレート28の間には円板状のカバープレート56が
設けられている。カバープレート56には、逃げ孔58
が形成されている。同様にイジェクタープレート28に
も、逃げ孔60が形成されている。これらの逃げ孔5
8、60によって、イジェクタープレート28及びイジ
ェクターバックプレート26がコアバックプレート22
に接近したときに、カムブロック52が干渉しないよう
になっている。
【0040】また、上記説明から分かるように、イジェ
クト機構20を構成する部材(イジェクターバックプレ
ート26、イジェクタープレート28、圧縮コイルスプ
リング30、48、ガイドブロック46及びカムブロッ
ク52等)は全て、可動ハーフ14内に設けられてい
る。
【0041】次に、本実施形態のイジェクト機構20の
作用を説明する。
【0042】図1に示すように、成形型10の成形領域
16で成形品80が成形されると、作業者は、可動ハー
フ14を固定ハーフ12に対して離間させ、成形型10
を開く。このとき、イジェクターバックプレート26は
モールドベース24に接触しており、イジェクタピン3
2は退避位置にあるため、その先端は成形領域16に突
出していない。
【0043】ここで、図3に示すように、成形型10の
開き動作(型開き動作)に伴って、イジェクターロッド
38はコアバックプレート22に向かって相対的に移動
する。このとき、ガイドブロック46は圧縮コイルスプ
リング48の付勢力によって押圧位置にあるので、イジ
ェクタースリーブ36及びガイドブロック46を介し
て、イジェクタープレート28及びイジェクターバック
プレート26がコアバックプレート22に向かって押さ
れる。そして、圧縮コイルスプリング30の付勢力に抗
して、イジェクタープレート28及びイジェクターバッ
クプレート26がコアバックプレート22に向かって相
対的に移動する。これにより、イジェクタピン32がイ
ジェクト位置となり、その先端が成形領域16内に突出
して、成形品80を突き出すので、成形品80が成形型
10から離れ、容易に取り出せるようになる。なお、こ
のとき、イジェクターロッド38及びイジェクタースリ
ーブ36の移動方向と、イジェクタピン32の移動方向
が一致しているので、イジェクターロッド38及びイジ
ェクタースリーブ36の押圧力が損失なくイジェクタピ
ン32に作用し、小さな力でイジェクタピン32をイジ
ェクト位置へと移動させることができる。
【0044】図4に示すように、型開き動作によりイジ
ェクターロッド38がさらにコアバックプレート22側
に相対的に移動し、圧縮コイルスプリング30の付勢力
に抗してイジェクタープレート28及びイジェクターバ
ックプレート26をコアバックプレート22に接近させ
ると、ガイドブロック46のガイドピン50が、カムブ
ロック52の傾斜面54に接触する。
【0045】ここで、図5に示すように、イジェクター
ロッド38がさらに移動して、イジェクタープレート2
8及びイジェクターバックプレート26がコアバックプ
レート22に接近すると、傾斜面54によって、イジェ
クタープレート28及びイジェクターバックプレート2
6がコアバックプレート22に接近する方向の力(図5
における上方向の力)が、ガイドブロック46を非押圧
位置へと移動させる力(軸線Jから離れる方向の力)に
変換される。これにより、図6に示すように、ガイドブ
ロック46が圧縮コイルスプリング48の付勢力に抗し
て、非押圧位置に向かって移動する。
【0046】そして、図7に示すように、ガイドブロッ
ク46が非押圧位置に至り、ガイドブロック46の間隔
がイジェクタースリーブ36の径と同じか、もしくはイ
ジェクタースリーブ36の径よりも大きくなると、イジ
ェクタースリーブ36は、ガイドブロック46を押圧で
きなくなる。これにより、イジェクタープレート28及
びイジェクターバックプレート26はモールドベース2
4に向かって移動可能となるので、図8に示すように、
圧縮コイルスプリング30の付勢力を受けて、モールド
ベース24に向かって移動する。
【0047】そして、イジェクターバックプレート26
がモールドベース24に接触すると、イジェクタピン3
2も退避位置となり、その先端が成形領域16に突出し
なくなる。
【0048】次に、型締め動作が行われると、図9に示
すように、イジェクターロッド38が相対的にイジェク
タープレート28及びイジェクターバックプレート26
から後退し、イジェクタースリーブ36が初期位置(図
1に示す位置と同じ位置)まで戻る。これにより、ガイ
ドブロック46が圧縮コイルスプリング48の付勢力を
受けて押圧位置まで移動し、イジェクト機構20が全体
として初期状態に戻る。
【0049】このように、本発明のイジェクト機構20
では、イジェクト部材であるイジェクタピン32をイジ
ェクト位置から退避位置へと戻す作業を、型開き動作す
るだけで行うことができ、可動ハーフ14を固定ハーフ
12に接近させて成形型10を閉じる作業を必要としな
い。このため、作業者が成形型10を閉じる際にイジェ
クタピン32や、固定ハーフ12及び可動ハーフ14を
監視する必要がなくなり、作業負荷が軽減される。しか
も、イジェクタピン32は成形品80を突き出した後に
退避位置へと移動するので、この間にトラブル(例え
ば、イジェクト部材の戻り不良等)が発生すると、作業
者はこのトラブルを直ちに発見できる。
【0050】また、イジェクタピン32の退避位置への
移動は圧縮コイルスプリング30の付勢力を利用して行
っており、従来のイジェクト機構のように他の部材(図
10に示すアーム122やレバー118)を接触させた
り、干渉させたりしない。従って、これらの部材が損傷
したり変形したりして、イジェクタピンが退避位置に確
実に戻らないということがなく、イジェクタピン32を
確実に退避位置に戻すことができる。また、イジェクト
位置に残ったままのイジェクタピン32が固定ハーフ1
2等に当たって、これらの部材を傷つけてしまうことも
ない。
【0051】なお、上記説明では、本発明のイジェクト
機構が採用された成形型の例として、樹脂部品成形用の
成形型10を示したが、これに限定されない。すなわ
ち、成形品をイジェクタピンによって突き出すような成
形型であれば特に限定されず、例えば、金属を鋳造加工
するための成形型等に採用することができる。
【0052】イジェクト機構を設ける部位も特に限定さ
れないが、上記した構成では、イジェクト機構20を構
成する部材が可動ハーフ14内に設けられているため、
例えば運搬時等に損傷を受けることもない。
【0053】また、本発明の第1付勢手段及び第2付勢
手段としても上記した圧縮コイルスプリング30、48
に限定されないが、バネやゴム等の弾性体を使用する
と、確実に付勢できると共に構造が簡単になるので好ま
しく、特に、バネを使用すると、耐久性や強度を高める
ことができるので好ましい。
【0054】
【発明の効果】請求項1に記載の発明では、開閉する少
なくとも2つの型部材で構成された成形型から成形品を
取り出すためのイジェクト機構であって、前記型部材に
設けられ、前記成形型の成形領域に突出したイジェクト
位置とこの成形領域から退避した退避位置との間を移動
するイジェクト部材と、前記イジェクト部材を前記退避
位置に向かって付勢する第1付勢手段と、前記イジェク
ト部材を前記イジェクト位置方向へと押圧する押圧部材
と、前記イジェクト部材の移動によって、前記押圧部材
によるイジェクト部材の押圧を解除する押圧解除手段
と、を有するので、成形型を構成する型部材を閉じるこ
となく、イジェクト部材をイジェクト位置から退避位置
(通常位置)へと確実に戻すことが可能であり、作業者
の作業負荷が軽減されると共に、トラブルが発生した場
合には、成形型を開いた状態で、作業者がこのトラブル
を直ちに発見可能となる。
【0055】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記押圧解除手段が、前記イジェク
ト部材に設けられ、前記押圧部材によって押圧される押
圧位置と、押圧されない非押圧位置との間を移動可能と
された移動部材と、前記移動部材を前記押圧位置へと付
勢する第2付勢手段と、前記イジェクト部材の移動によ
って、前記移動部材の位置を押圧位置から非押圧位置へ
変換する変換部材と、を有するので、作業者の作業負担
がさらに軽減される。
【0056】請求項3に記載の発明では、請求項2に記
載の発明において、前記変換部材が、前記イジェクト部
材の移動方向及び前記移動部材の移動方向の双方に対し
て傾斜し、前記イジェクト部材が移動した状態で移動部
材に接触する傾斜面を備えたカムブロックであるので、
簡単な構成で、イジェクト部材を退避位置に戻すことが
可能になる。
【0057】請求項4に記載の発明では、請求項1〜請
求項3のいずれかに記載の発明において、前記押圧部材
の押圧方向が、前記イジェクト部材の移動方向と同方向
とされているので、小さな押圧力でイジェクト部材を移
動させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のイジェクト機構が採用さ
れた成形型を開いた状態で部分的に示す断面図である。
【図2】本発明の一実施形態のイジェクト機構の主要部
を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態のイジェクト機構が採用さ
れた成形型から成形品を取り出す状態で部分的に示す断
面図である。
【図4】本発明の一実施形態のイジェクト機構が採用さ
れた成形型から成形品を取り出した状態で部分的に示す
断面図である。
【図5】本発明の一実施形態のイジェクト機構が採用さ
れた成形型から成形品を取り出した状態で部分的に示す
断面図である。
【図6】本発明の一実施形態のイジェクト機構が採用さ
れた成形型から成形品を取り出した状態で部分的に示す
断面図である。
【図7】本発明の一実施形態のイジェクト機構が採用さ
れた成形型においてイジェクトピンが退避位置に戻る状
態で部分的に示す断面図である。
【図8】本発明の一実施形態のイジェクト機構が採用さ
れた成形型においてイジェクトピンが退避位置に戻った
状態で部分的に示す断面図である。
【図9】本発明の一実施形態のイジェクト機構が採用さ
れた成形型を初期状態で示す断面図である。
【図10】従来のイジェクト機構が採用された成形型を
示し、(A)は開いた状態、(B)は閉じた状態であ
る。
【符号の説明】
10 成形型 12 固定ハーフ(型部材) 14 可動ハーフ(型部材) 16 成形領域 20 イジェクト機構 26 イジェクターバックプレート(イジェクト部
材) 28 イジェクタープレート(イジェクト部材) 30 圧縮コイルスプリング(第1付勢手段) 32 イジェクトピン(イジェクト部材) 36 イジェクタースリーブ(押圧部材) 46 ガイドブロック(移動部材、押圧解除手段) 48 圧縮コイルスプリング(第2付勢手段) 52 カムブロック(変換部材、押圧解除手段) 54 傾斜面 80 成形品

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開閉する少なくとも2つの型部材で構成
    された成形型から成形品を取り出すためのイジェクト機
    構であって、 前記型部材に設けられ、前記成形型の成形領域に突出し
    たイジェクト位置とこの成形領域から退避した退避位置
    との間を移動するイジェクト部材と、 前記イジェクト部材を前記退避位置に向かって付勢する
    第1付勢手段と、 前記イジェクト部材を前記イジェクト位置方向へと押圧
    する押圧部材と、 前記イジェクト部材の移動によって、前記押圧部材によ
    るイジェクト部材の押圧を解除する押圧解除手段と、 を有することを特徴とするイジェクト機構。
  2. 【請求項2】 前記押圧解除手段が、 前記イジェクト部材に設けられ、前記押圧部材によって
    押圧される押圧位置と 、押圧されない非押圧位置との間を移動可能とされた移
    動部材と、 前記移動部材を前記押圧位置へと付勢する第2付勢手段
    と、 前記イジェクト部材の移動によって、前記移動部材の位
    置を押圧位置から非押圧位置へ変換する変換部材と、 を有することを特徴とする請求項1に記載のイジェクト
    機構。
  3. 【請求項3】 前記変換部材が、前記イジェクト部材の
    移動方向及び前記移動部材の移動方向の双方に対して傾
    斜し、前記イジェクト部材が移動した状態で移動部材に
    接触する傾斜面を備えたカムブロックであることを特徴
    とする請求項2に記載のイジェクト機構。
  4. 【請求項4】 前記押圧部材の押圧方向が、前記イジェ
    クト部材の移動方向と同方向とされていることを特徴と
    する請求項1〜請求項3のいずれかに記載のイジェクト
    機構。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103991185A (zh) * 2014-06-13 2014-08-20 苏州天脉导热科技有限公司 一种注塑模具系统的内行位机构
CN106584795A (zh) * 2016-12-22 2017-04-26 天津东明电子工业有限公司 一种注塑开模顶出机构
CN109278259A (zh) * 2018-09-22 2019-01-29 慈溪市盛艺模具有限公司 一种双色注塑模的三级顶出机构

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