JP2001198586A - 生物学的水処理装置 - Google Patents

生物学的水処理装置

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JP2001198586A
JP2001198586A JP2000006761A JP2000006761A JP2001198586A JP 2001198586 A JP2001198586 A JP 2001198586A JP 2000006761 A JP2000006761 A JP 2000006761A JP 2000006761 A JP2000006761 A JP 2000006761A JP 2001198586 A JP2001198586 A JP 2001198586A
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water treatment
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air diffuser
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Yasuhiko Saruwatari
安彦 猿渡
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微生物が固定化された担体(以下、担体)を
処理槽に投入して、生物学的水処理法により汚水を処理
する生物学的水処理装置であって、散気装置として旋回
流式散気装置の如き普通の散気装置を用いた場合であっ
ても、全面エアレーション式散気装置を使用した場合と
同様の水準に、酸素移動効率を高くし得、このため必要
な供給空気量を少なくし得る生物学的水処理装置を提供
する。 【解決手段】 処理槽内に設置された散気装置により旋
回流を発生させるようにすると共に、前記処理槽への担
体投入率を5〜15%としたことを特徴とする生物学的水
処理装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生物学的水処理装
置に関する技術分野に属し、詳細には、処理槽において
微生物が固定化された担体を用いて生物学的水処理法に
より汚水を処理する生物学的水処理装置に関する技術分
野に属する。
【0002】
【従来の技術】下水、廃水、し尿等の汚水の処理法とし
て、各種方法が知られているが、微生物(菌体)の浄化
機能を利用した生物学的水処理法が一般的である。
【0003】下水等の如く窒素を含有する有機性汚水の
生物学的水処理法としては、活性汚泥循環変法が知られ
ている。この活性汚泥循環変法は、従来の標準活性汚泥
法での生物学的反応処理タンクを、脱窒槽と硝化槽に分
離し、硝化槽で硝化された汚水を脱窒槽に戻して脱窒を
行うものである。
【0004】しかし、この活性汚泥循環変法において
は、生物学的水処理用の微生物である硝化菌も脱窒菌も
汚水中に浮遊しているだけであるので、菌保有濃度に限
界があり、硝化・脱窒反応という生物学的反応のために
従来の標準活性汚泥法の場合の約2倍の滞留時間を必要
とし、設備が過大になるという欠点があった。
【0005】そこで、硝化菌や脱窒菌を固定化した担体
を各槽へ投入し、細菌濃度を高め、反応速度を促進し、
滞留時間を短縮する担体投入法が開発された。
【0006】上記担体投入法においては、生物学的反応
に必要な酸素量が多く、容積当たりの必要な供給酸素量
が標準活性汚泥法の場合の2倍程度となるため、散気装
置としては酸素溶解効率の高い散気装置が必要になり、
このため、図1や2に示す如き全面エアレーション式散
気装置が使用されている。かかる全面エアレーション式
散気装置は、図1〜2や図4からわかる如く、散気装置
が槽内底部の全面にわたって配置された形態となる。か
かる全面エアレーション式散気装置を使用した場合の槽
内での流体の流れは、図4に示す如く殆どが上昇流とな
る。
【0007】一方、下水処理場においては、従来、標準
活性汚泥法や活性汚泥循環変法が適用され、この場合の
散気装置としては図3に示す如き旋回流式散気装置が使
用されている。かかる旋回流式散気装置は、図3や図5
からわかる如く、気孔径の大きな散気板や散気筒などの
散気装置が槽内底部付近に片寄って配置された形態とな
る。かかる旋回流式散気装置を使用した場合の槽内での
流体の流れは、図5に例示する如き旋回流となる。
【0008】上記旋回流式散気装置は、全面エアレーシ
ョン式散気装置に比較して酸素移動効率(酸素溶解効
率)が劣る。例えば、酸素移動効率が全面エアレーショ
ン式散気装置の場合に10〜15%であるのに対し、旋回流
式散気装置の場合に7.5 〜10%である。このため、かか
る旋回流式散気装置を前記担体投入法に使用すると、必
要な供給空気量が全面エアレーション式散気装置を使用
した場合の2倍以上になるとされている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記担体投入法に使用
される全面エアレーション式散気装置は、省エネ型散気
装置として近年開発されたものである。この全面エアレ
ーション式散気装置は、酸素溶解効率が高く、このため
必要な供給空気量が少なくてよいという利点があるもの
の、旋回流式散気装置に比べて気孔径が小さく、散気板
の圧力損失が大きいので、空気供給用の送風機として高
圧かつ大容量の送風機を選定して用いなければならない
という欠点がある。尚、上記気孔径について例示する
と、旋回流式散気装置の場合で気孔径:300 〜500 μm
であり、全面エアレーション式散気装置の場合で気孔
径:150 〜260 μm である。
【0010】また、既設の生物学的反応処理タンクを全
面エアレーション式散気装置に更新する場合、更新部の
水路には既設の空気供給設備をそのまま利用することが
できず、既設の系統と分離した新たな空気供給設備を設
置しなければならない。
【0011】従って、担体投入法において散気装置とし
て全面エアレーション式散気装置を使用する場合には、
担体に関わる設備の他に空気供給設備の更新に莫大な費
用が必要となり、このことが担体投入法の普及を妨げる
大きな要因となっている。
【0012】更に、全面エアレーション式散気装置は、
前記の如く気孔径が小さいため、目詰まりが起こりやす
く、そのメンテナンスを頻繁にする必要があるという欠
点も有している。
【0013】そこで、担体投入法において散気装置とし
て旋回流式散気装置の如き普通の散気装置を用いた場合
であっても、酸素移動効率を高くし得、このため必要な
供給空気量を少なくし得、これらを全面エアレーション
式散気装置を使用した場合と同等の水準にすることがで
きれば、散気装置として全面エアレーション式散気装置
を使用しなくてよくなると共に既設の空気供給設備をそ
のまま利用し得、このため全面エアレーション式散気装
置を使用した場合の如き経済性低下という問題点がな
く、全面エアレーション式散気装置を使用した場合と同
等の生物学的水処理性能を得ることができる。即ち、全
面エアレーション式散気装置を使用した場合を基準にす
ると、同等の生物学的水処理性能を確保した上で、経済
性の向上がはかれ、ひいては担体投入法の普及の促進が
はかれる。更に、全面エアレーション式散気装置の場合
の如き気孔の目詰まりが起こり難くなり、頻繁なメンテ
ナンスが必要なく、メンテナンスコストを低減し得る。
【0014】本発明はこの様な事情に着目してなされた
ものであって、その目的は、微生物が固定化された担体
を処理槽に投入して、生物学的水処理法により汚水を処
理する生物学的水処理装置であって、かつ、散気装置と
して旋回流式散気装置の如き普通の散気装置を用いた場
合であっても、酸素移動効率を高くし得、このため必要
な供給空気量を少なくし得、これらを全面エアレーショ
ン式散気装置を使用した場合と同等の水準にすることが
できる生物学的水処理装置を提供しようとするものであ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係る生物学的水処理装置は請求項1〜5
記載の生物学的水処理装置としており、それは次のよう
な構成としたものである。
【0016】即ち、請求項1記載の生物学的水処理装置
は、微生物が固定化された担体を処理槽に投入して、生
物学的水処理法により汚水を処理する生物学的水処理装
置であって、前記処理槽内に設置された散気装置により
旋回流を発生させるようにすると共に、前記処理槽への
担体投入率を5〜15%としたことを特徴とする生物学的
水処理装置である(第1発明)。
【0017】請求項2記載の生物学的水処理装置は、微
生物が固定化された担体を処理槽に投入して、生物学的
水処理法により汚水を処理する生物学的水処理装置であ
って、前記処理槽内に上下端を開口して前記担体及び汚
水が流通可能な仕切り壁を設け、該仕切り壁により前記
処理槽内を2つの区域に区画し、該2つの区域の中の一
方の区域のみに散気装置を設け、該散気装置により前記
仕切り壁の回りを旋回する旋回流を発生させるようにす
ると共に、前記処理槽への担体投入率を5〜15%とした
ことを特徴とする生物学的水処理装置である(第2発
明)。
【0018】請求項3記載の生物学的水処理装置は、前
記散気装置の気孔径が300 〜500 μm である請求項1又
は2記載の生物学的水処理装置である(第3発明)。請
求項4記載の生物学的水処理装置は、前記担体が直径:
3〜5mm、長さ:3〜5mmである請求項1、2又は3記
載の生物学的水処理装置である(第4発明)。請求項5
記載の生物学的水処理装置は、前記担体が比重量:1.01
〜1.03g/cm3 である請求項1、2、3又は4記載の生物
学的水処理装置である(第5発明)。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明は例えば次のようにして実
施する。図6に示す如く、処理槽T内に上下端を開口し
て担体及び汚水が流通可能な仕切り壁1を設け、該仕切
り壁1により前記処理槽T内を2つの区域A、Bに区画
し、該2つの区域A、Bの中の一方の区域のみに散気装
置2を設ける。例えば、区域Aのみに旋回流式散気装置
2を設ける。次に、上記処理槽T内に微生物が固定化さ
れた担体5を投入すると共に汚水を導入する。このと
き、担体投入率を5〜15%とする。そうすると、本発明
に係る生物学的水処理装置が得られる。尚、この図6に
示す生物学的水処理装置は、旋回を効率的にするため、
処理槽T内に仕切り壁1を設けた例であるが、この仕切
り壁1は設けなくてもよい。
【0020】上記生物学的水処理装置において、散気装
置2に空気を送給すると、散気装置2の気孔から空気が
気泡3となって流出する。これにより、前記仕切り壁1
の回りを旋回する旋回流4を発生させることができる。
【0021】上記旋回流4と共に担体5及び汚水が流動
し、担体5に固定化された微生物によって汚水が生物学
的に処理される。
【0022】このような形態で本発明に係る生物学的水
処理装置が得られ、そして生物学的水処理法により汚水
を処理する生物学的水処理装置として用いられる。
【0023】尚、担体投入率とは、処理槽内において担
体の占める体積の割合、即ち、(処理槽内の担体の容量
の合計/処理槽の容量)×100(%)のことである。
例えば、容量/1個が98mm3(=0.098cm3)である担体を
10万個、容量98000cm3の処理槽に投入した場合、担体投
入率は、100 ×(0.098cm3/個×105 個)/98000cm3
100 ×9800/98000 =10(%)である。
【0024】以下、本発明について主にその作用効果を
説明する。
【0025】本発明に係る生物学的水処理装置は、前述
の如く、処理槽内に設置された散気装置により旋回流を
発生させるようにしているので、散気装置の気孔から流
出する気泡により、旋回流を発生させることができる。
【0026】上記の如き旋回流を発生させるようにする
と、この旋回流と共に担体(微生物が固定化された担
体)が急速度で流動し、このため担体の移動量が大きく
なり、気泡(散気装置の気孔から流出した気泡)との接
触頻度が高くなる結果、担体に固定化された微生物の酸
素吸収量が増大し、生物学的反応に必要な酸素量が担体
に固定化された微生物の周囲に充分に存在する。即ち、
上記の如く担体の移動量が大きくなって気泡との接触頻
度が高くなることは、実質的には酸素移動効率(酸素溶
解効率)が高くなることに相当し、このように酸素移動
効率が高くなることにより、必要な供給空気量を少なく
することができる。
【0027】このとき、処理槽への担体投入率が15%超
であると、図7に示す如く、担体が流動し難くなり、ひ
いては酸素移動効率の向上の程度が小さく、必要な供給
空気量の低減の程度が小さくなり、全面エアレーション
式散気装置を使用した場合に比較して酸素移動効率が小
さく、必要な供給空気量が多くなる。又、担体投入率が
5%未満であると、微生物の量が少なくて生物学的水処
理性能が低下し、ひいては全面エアレーション式散気装
置を使用した場合に比較して生物学的水処理性能が低く
なる。
【0028】これに対し、処理槽への担体投入率が5〜
15%であると、図7に示す如く、散気装置として旋回流
式散気装置の如き普通の散気装置を用いた場合であって
も、全面エアレーション式散気装置を使用した場合と同
等の水準に酸素移動効率を高くし得、必要な供給空気量
を少なくし得る。
【0029】そこで、本発明に係る生物学的水処理装置
は、前述の如く、処理槽内に設置された散気装置により
旋回流を発生させるようにするだけでなく、それと共に
処理槽への担体投入率を5〜15%とするようにした。
【0030】従って、本発明に係る生物学的水処理装置
によれば、散気装置として旋回流式散気装置の如き普通
の散気装置を用いた場合であっても、酸素移動効率を高
くし得、このため必要な供給空気量を少なくし得、これ
らを全面エアレーション式散気装置を使用した場合と同
等の水準にすることができるようになる。
【0031】前記散気装置の気孔径については、特には
限定されるものではないが、300 〜500 μm とすること
が望ましい(第3発明)。この気孔径は、旋回流式散気
装置の如き普通の散気装置の気孔径と同程度である。気
孔径:300 μm 未満とすると、全面エアレーション式散
気装置の場合(気孔径:150 〜260 μm )と同等とな
り、圧力損失が大きくて空気系に係わるコストが大きく
なり、又、気孔の目詰まりも起こりやすくなる傾向があ
る。気孔径:500 μm 超とすると、酸素移動効率が低下
し、全面エアレーション式散気装置を使用した場合より
も酸素移動効率が低くなり、必要な供給空気量が多くな
る傾向がある。
【0032】前記担体の形状及び寸法については、特に
は限定されるものではないが、通常は円柱形の形状のも
のが使用され、その寸法については直径:3〜5mm、長
さ:3〜5mmとすることが望ましい(第4発明)。この
寸法よりも小さいと、取り扱いが難しくなる傾向があ
る。一方、この寸法よりも大きいと、担体の流動性が低
下し、このため酸素移動効率が低下する傾向がある。
又、この寸法よりも大きい場合には、同一の担体投入率
では投入個数が少なくなるため、担体投入率を増やす必
要がでてくる。即ち、担体1個当たりの実効比表面積が
小さくなるので、担体の投入個数を増やして担体投入率
を増やす必要がある。このように担体投入率を増やす
と、担体が流動し難くなり、これによって酸素移動効率
が低下する傾向もある。
【0033】前記担体は比重量:1.01〜1.03g/cm3 であ
ることが望ましい(第5発明)。これは、かかる比重量
の担体は旋回流に乗って流動(旋回)し易いため、より
確実に、担体の移動量が大きくなり、ひいては酸素移動
効率が高くなり、必要な供給空気量を少なくし得るから
である。
【0034】微生物固定化担体には、一般的には処理槽
への投入前に微生物を担体に固定化する包括固定化法に
よる方式のもの(包括固定型担体)や、処理槽内で微生
物を粒子の表面に付着する結合法による方式のもの(結
合型担体)がある。本発明において、微生物が固定化さ
れた担体としては、包括固定型担体又は結合型担体のい
ずれをも使用することができる。このとき、担体の種類
は特には限定されず、包括固定型担体の場合には例えば
プラスチックゲル等を使用することができ、結合型担体
の場合には例えばプラスチック粒子や砂、活性炭、セラ
ミックス等を使用することができる。
【0035】前記処理槽内の散気装置の設置位置及び散
気装置による旋回流の発生のさせ方に関しては、前記処
理槽内に上下端を開口して担体及び汚水が流通可能な仕
切り壁を設け、該仕切り壁により前記処理槽内を2つの
区域に区画し、該2つの区域の中の一方の区域のみに散
気装置を設け、該散気装置により前記仕切り壁の回りを
旋回する旋回流を発生させるようにすることが望ましい
(第2発明)。このようにすると、より確実に、旋回流
の流速が大きくなり、この旋回流と共に担体が急速度で
流動し、このため担体の移動量が大きくなり、ひいては
酸素移動効率が高くなり、必要な供給空気量を少なくし
得るようになる。
【0036】上記の如く仕切り壁の回りを旋回する旋回
流を発生させるようにした生物学的水処理装置は、換言
すれば、微生物が固定化された担体を処理槽に投入し
て、生物学的水処理法により汚水を処理する生物学的水
処理装置であって、前記処理槽内に上下端を開口して前
記担体及び汚水が流通可能な仕切り壁を設け、該仕切り
壁により前記処理槽内を2つの区域に区画し、該2つの
区域の中の一方の区域のみに散気装置を設け、該散気装
置により前記仕切り壁の回りを旋回する旋回流を発生さ
せるようにすると共に、前記処理槽への担体投入率を5
〜15%としたことを特徴とする生物学的水処理装置であ
る。
【0037】上記生物学的水処理装置において、処理槽
内に上下端を開口して担体及び汚水が流通可能な仕切り
壁とは、仕切り壁の下端の位置が処理槽の底面の位置よ
りも高く、仕切り壁の下端と処理槽の底面とが密着せ
ず、離れており、両者の間に開口部があり、且つ、仕切
り壁の上端の位置が処理槽内液面の位置よりも低く、仕
切り壁の上端と処理槽内液面との間に開口部がある如き
仕切り壁のことである。この仕切り壁と処理槽内液面と
の間の開口部、及び、仕切り壁と処理槽の底面との間の
開口部を担体や汚水、気泡等が流通することができる。
【0038】処理槽内の仕切り壁により区画した2つの
区域とは、仕切り壁と処理槽内壁とに囲まれた1つの区
域と他方の区域のことであり、これは例えば図6に示す
如き区域Aと区域Bのことである。これらの一方の区域
のみに散気装置が設けられ、仕切り壁の回りを旋回する
旋回流が発生する。
【0039】本発明において、散気装置の酸素移動効率
(酸素溶解効率)とは、散気装置によって液体に供給さ
れた酸素量に対する液体に溶解した酸素量の割合のこと
である。必要な供給空気量とは、生物学的反応処理にお
いて必要な酸素量を空気吹き込みにより反応液に溶解さ
せることが可能な空気吹き込み量のことである。
【0040】
【実施例】図6に示す如く、処理槽T内に上下端を開口
して担体及び汚水が流通可能な仕切り壁1を設け、該仕
切り壁1により前記処理槽T内を2つの区域A、Bに区
画し、該2つの区域A、Bの中の区域Aのみに旋回流式
散気装置2を設けて、本発明の実施例に係る生物学的水
処理装置を製作した。
【0041】上記処理槽T内に微生物が固定化された担
体5を投入すると共に汚水を導入した。このとき、担体
投入率は10%とした。担体の形状は中実の円柱体であ
り、その寸法は直径:4mm、長さ:4mmである。
【0042】しかる後、散気装置2を運転し、旋回流を
発生させ、生物学的水処理法による汚水の処理運転を行
った。この汚水の処理運転の条件及び結果を表1に示
す。
【0043】一方、図8に示す如く、処理槽T内に全面
エアレーション式散気装置6を設けて、比較例に係る生
物学的水処理装置を製作した。そして、この処理槽T内
に微生物が固定化された担体5を投入すると共に汚水を
導入した。このとき、担体投入率は10%とした。担体の
形状及び寸法は上記本発明の実施例の場合と同様であ
る。
【0044】しかる後、散気装置6を運転し、生物学的
水処理法による汚水の処理運転を行った。この汚水の処
理運転の条件及び結果を表1に示す。尚、表1において
MLSSとは、処理槽内の浮遊物質濃度のことである。
【0045】
【表1】
【0046】表1からわかる如く、本発明の実施例(旋
回流式)の場合、反応タンク滞留時間:6.0 〜8.4 時間
であり、汚水中の窒素が除去率:60%を遙に超えて多く
除去されている。比較例(全面エアレーション式)の場
合、反応タンク滞留時間:3.4 〜8.4 時間であり、汚水
中の窒素が除去率:60%を遙に超えて多く除去されてい
る。そして、実施例での窒素の除去率と比較例でのそれ
とは同程度である。
【0047】担体投入法において、標準活性汚泥法と同
様の滞留時間で窒素を60%以上除去することが生物学的
水処理性能上の目標とされている。上記実施例及び比較
例での滞留時間は、標準活性汚泥法の場合と同程度であ
る。
【0048】故に、実施例の場合も比較例の場合も、か
かる担体投入法での目標を充分に満足している。そし
て、窒素の除去率は実施例の場合と比較例の場合とで同
程度である。
【0049】このように担体投入法での目標を充分に満
足すると共に窒素の除去率が同程度である実施例と比較
例において、酸素移動効率は、表1に示す如く実施例の
場合に11.7%、比較例の場合に9.2 %であった。尚、平
均送気量は、実施例の場合で標準活性汚泥法の場合と同
程度であり、流入原水量(処理水量)の6.5 倍であっ
た。
【0050】従って、本発明の実施例(旋回流式)の場
合、酸素移動効率は比較例(全面エアレーション式散気
装置)の場合と同様もしくはそれ以上であり、比較例の
場合と同様に担体投入法での目標を充分に満足すると共
に汚水中の窒素の除去率が比較例の場合と同程度であっ
て比較例の場合と同等の生物学的水処理性能を発揮する
ことが、確認された。
【0051】なお、上記生物学的水処理法による汚水の
処理運転の際、担体5等の流動状態を観察した。その結
果、本発明の実施例の場合、散気装置2の運転により、
散気装置2の気孔から空気が気泡3となって流出し、こ
れにより、仕切り壁1の回りを急速度で旋回する旋回流
4を発生させることができることが確認された。そし
て、この旋回流4に乗って担体5が急速度で流動すると
共に気泡も流動することが確認された。このように流動
すると、担体5と気泡3との接触頻度が高くなり、これ
により、散気装置の酸素移動効率(酸素溶解効率)を高
めることと実質的に同等の効果を得ることができる。
【0052】比較例の場合、散気装置6の運転により、
散気装置6の気孔から空気が気泡3となって流出する
が、この気泡3は旋回流を発生することはできず、図8
に示す如く上昇流7を発生させ、これは緩い攪拌力とな
るにすぎない。このため、処理槽T内において担体5
は、攪拌されるというよりも、沈降防止されて分布して
いるという状態に近く、担体5と気泡3との接触頻度が
低い。
【0053】
【発明の効果】本発明に係る生物学的水処理装置によれ
ば、散気装置として旋回流式散気装置の如き普通の散気
装置を用いた場合であっても、酸素移動効率を高くし
得、このため必要な供給空気量を少なくし得、これらを
全面エアレーション式散気装置を使用した場合と同等の
水準にすることができるようになる。
【0054】従って、担体投入法において散気装置とし
て全面エアレーション式散気装置を使用しなくてよくな
ると共に既設の空気供給設備をそのまま利用し得、この
ため全面エアレーション式散気装置を使用した場合の如
き経済性低下という問題点がなく、全面エアレーション
式散気装置を使用した場合と同等の生物学的水処理性能
を得ることができるようになる。即ち、全面エアレーシ
ョン式散気装置を使用した場合を基準にすると、同等の
生物学的水処理性能を確保した上で、経済性の向上がは
かれ、ひいては担体投入法の普及の促進がはかれる。更
に、全面エアレーション式散気装置の場合の如き気孔の
目詰まりが起こり難くなり、頻繁なメンテナンスが必要
なく、メンテナンスコストを低減し得るようになる。
【0055】更には、散気装置として旋回流式散気装置
の如き普通の散気装置を用いて担体投入法を行い得るの
で、担体の破損の恐れが全くなく、又、担体投入率が5
〜15%であって担体投入量を比較的少なくし得ることか
ら、ランニングコストを軽減し得るという効果も奏する
ことができる。
【0056】本発明に係る生物学的水処理装置の中で
も、処理槽内に上下端を開口して担体及び汚水が流通可
能な仕切り壁を設け、該仕切り壁により前記処理槽内を
2つの区域に区画し、該2つの区域の中の一方の区域の
みに散気装置を設け、該散気装置により前記仕切り壁の
回りを旋回する旋回流を発生させるようにしたもの(第
2発明に係る生物学的水処理装置)によれば、より確実
に、旋回流の流速が大きくなり、この旋回流と共に担体
が急速度で流動し、このため担体の移動量が大きくな
り、ひいては酸素移動効率が高くなって必要な供給空気
量を少なくし得るようになる。
【0057】前記散気装置として気孔径:300 〜500 μ
m のものを用いた場合(第3発明)には、圧力損失が小
さく、気孔の目詰まりも起こり難く、また、酸素移動効
率が高くて必要な供給空気量が少なくなるという効果が
ある。
【0058】前記担体として直径:3〜5mm、長さ:3
〜5mmのものを用いた場合(第4発明)には、取り扱い
易く、担体の流動性が高くて酸素移動効率が高くなり、
又、必要な担体投入率を減少させ得るという効果があ
る。
【0059】また、前記担体として比重量:1.01〜1.03
g/cm3 のものを用いた場合(第5発明)には、担体の移
動量が大きくなり、ひいては酸素移動効率が高くなって
必要な供給空気量を少なくし得るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 全面エアレーション式散気装置の概要を示す
側面図である。
【図2】 全面エアレーション式散気装置の概要を示す
斜視図である。
【図3】 旋回流式散気装置例の概要を示す斜視図であ
り、図3の(A)は散気板型の旋回流式散気装置を示す
斜視図、図3の(B)はディスクフューザ型の旋回流式
散気装置を示す斜視図である。
【図4】 散気装置として全面エアレーション式散気装
置を使用した場合の槽内での流体の流れを示す図であ
る。
【図5】 散気装置として旋回流式散気装置を使用した
場合の槽内での流体の流れを示す図である。
【図6】 本発明の実施例に係る生物学的水処理装置の
概要を示す側断面図である。
【図7】 生物学的水処理装置の処理槽への担体投入率
と酸素移動効率との関係を示す図である。
【図8】 比較例に係る生物学的水処理装置の概要を示
す側断面図である。
【符号の説明】
1--仕切り壁、2--散気装置、3--気泡、4--旋回流、
5--微生物が固定化された担体、6--全面エアレーショ
ン式散気装置、7--上昇流、T--処理槽、A--処理槽内
の1つの区域(A)、B--処理槽内の1つの区域
(B)。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微生物が固定化された担体を処理槽に投
    入して、生物学的水処理法により汚水を処理する生物学
    的水処理装置であって、前記処理槽内に設置された散気
    装置により旋回流を発生させるようにすると共に、前記
    処理槽への担体投入率を5〜15%としたことを特徴とす
    る生物学的水処理装置。
  2. 【請求項2】 微生物が固定化された担体を処理槽に投
    入して、生物学的水処理法により汚水を処理する生物学
    的水処理装置であって、前記処理槽内に上下端を開口し
    て前記担体及び汚水が流通可能な仕切り壁を設け、該仕
    切り壁により前記処理槽内を2つの区域に区画し、該2
    つの区域の中の一方の区域のみに散気装置を設け、該散
    気装置により前記仕切り壁の回りを旋回する旋回流を発
    生させるようにすると共に、前記処理槽への担体投入率
    を5〜15%としたことを特徴とする生物学的水処理装
    置。
  3. 【請求項3】 前記散気装置の気孔径が300 〜500 μm
    である請求項1又は2記載の生物学的水処理装置。
  4. 【請求項4】 前記担体が直径:3〜5mm、長さ:3〜
    5mmである請求項1、2又は3記載の生物学的水処理装
    置。
  5. 【請求項5】 前記担体が比重量:1.01〜1.03g/cm3
    ある請求項1、2、3又は4記載の生物学的水処理装
    置。
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JP2009028698A (ja) * 2007-07-31 2009-02-12 Metawater Co Ltd 下水処理用の反応槽

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JP2009028698A (ja) * 2007-07-31 2009-02-12 Metawater Co Ltd 下水処理用の反応槽

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