JP2001198472A - 光触媒構造体、その製造方法およびその用途 - Google Patents

光触媒構造体、その製造方法およびその用途

Info

Publication number
JP2001198472A
JP2001198472A JP2000007205A JP2000007205A JP2001198472A JP 2001198472 A JP2001198472 A JP 2001198472A JP 2000007205 A JP2000007205 A JP 2000007205A JP 2000007205 A JP2000007205 A JP 2000007205A JP 2001198472 A JP2001198472 A JP 2001198472A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photocatalyst
hydrophilic polymer
inorganic ion
ion exchanger
porous body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000007205A
Other languages
English (en)
Inventor
Masao Fujita
真夫 藤田
Koichi Taniguchi
晃一 谷口
Isao Harada
功 原田
Yoshinori Nakano
欣紀 中野
Junichi Kubo
純一 久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Rengo Co Ltd
Original Assignee
Rengo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Rengo Co Ltd filed Critical Rengo Co Ltd
Priority to JP2000007205A priority Critical patent/JP2001198472A/ja
Publication of JP2001198472A publication Critical patent/JP2001198472A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光照射下において、有害物質等を効率的に除
去することができる光触媒構造体、その製造方法および
その用途を提供すること。 【解決手段】 光触媒を担持し、かつ無機イオン交換体
を実体内に有する親水性高分子多孔質体より成ることを
特徴とする光触媒構造体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有害物質の除去等
に有用な光触媒構造体、その製造方法およびその用途に
関する。
【0002】
【従来の技術】窒素酸化物(NOx )、硫黄酸化物(S
x )および揮発性有機化合物(VOC)等の有害物質
の浄化方法の一つとして、光触媒反応を利用する方法が
知られている。この方法は、除去効率、エネルギーおよ
び設備コスト、安全性等の面で優れた方法である。これ
らの多くは、光触媒を担体に担持し、これに紫外線また
は可視光線を照射して行う方法であり、そのような担体
としては、種々のものが知られている(特公平2−62
297号公報、特許第2549947号および特許第2
900307号等)。
【0003】これらの担体においては、光触媒の担持量
を増加させるためにバインダー等を使用して光触媒を担
持することが多い。しかしながら、バインダー等は、対
象物質と光触媒との接触を妨げ、光触媒反応を阻害する
ばかりでなく、担体が吸着作用を有する多孔質である場
合、その細孔を塞ぎ吸着能を低下させるので、期待され
る除去効率が得られない等の問題があった。
【0004】また、吸着能を有する担体として活性炭等
の非極性の吸着体を使用する場合、極性分子に対する吸
着能が低いので、対象物質がNOx 等の極性分子である
と、吸着しても再放出してしまう等の問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、有害
物質等を効率的に除去することができる光触媒構造体、
その製造方法およびその用途を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究した結果、バインダー等を使用せ
ずに製造した、光触媒を担持し、かつ無機イオン交換体
を実体内に有する親水性高分子多孔質体より成る光触媒
構造体が、光照射下において、NOx 等の有害物質を効
率的に除去できることを見出し、本発明を完成するに至
った。すなわち、本発明は下記の通りである。 (1) 光触媒を担持し、かつ無機イオン交換体を実体
内に有する親水性高分子多孔質体より成ることを特徴と
する光触媒構造体。 (2) 親水性高分子多孔質体が再生セルロース多孔質
体である前記(1)記載の光触媒構造体。 (3) さらにインジケーター機能を付与する物質を含
有する前記(1)記載の光触媒構造体。 (4) (a)親水性高分子、多孔化剤および光触媒を
含有する混合液から凝固または凝固再生して光触媒担持
親水性高分子多孔質体を得る工程と、(b)該光触媒担
持親水性高分子多孔質体を膨潤させ、少なくとも1種の
水溶性化合物と塩基性物質とを該光触媒担持親水性高分
子多孔質体の実体内で反応させる工程とを含むことを特
徴とする光触媒構造体の製造方法。 (5) (a)親水性高分子多孔質体を膨潤させ、少な
くとも1種の水溶性化合物と塩基性物質とを該親水性高
分子多孔質体の実体内で反応させて無機イオン交換体を
実体内に有する親水性高分子多孔質体を得る工程と、
(b)該無機イオン交換体を実体内に有する親水性高分
子多孔質体に光触媒を担持させる工程とを含むことを特
徴とする光触媒構造体の製造方法。 (6) 親水性高分子、多孔化剤、光触媒および無機イ
オン交換体を含有する混合液から凝固または凝固再生す
ることを特徴とする光触媒構造体の製造方法。 (7) (a)親水性高分子、多孔化剤および無機イオ
ン交換体を含有する混合液から凝固または凝固再生して
無機イオン交換体を実体内に有する親水性高分子多孔質
体を得る工程と、(b)該無機イオン交換体を実体内に
有する親水性高分子多孔質体に光触媒を担持させる工程
とを含むことを特徴とする光触媒構造体の製造方法。 (8) 光触媒の存在下、親水性高分子多孔質体を膨潤
させ、少なくとも1種の水溶性化合物と塩基性物質とを
該親水性高分子多孔質体の実体内で反応させることを特
徴とする光触媒構造体の製造方法。 (9) 前記(1)記載の光触媒構造体より成ることを
特徴とする有害物質除去剤。 (10) 前記(9)記載の有害物質除去剤に、光照射
下において有害物質を接触させることを特徴とする有害
物質の除去方法。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の光触媒構造体は、光触媒
を担持し、かつ無機イオン交換体を実体内に有する親水
性高分子多孔質体より成ることを特徴とし、光触媒によ
る光触媒反応および無機イオン交換体による吸着を阻害
するバインダー等を使用せずに、光触媒および無機イオ
ン交換体を親水性高分子多孔質体に担持したものであ
り、光触媒反応および吸着が効率的に行われるので、光
照射下において有害物質(特にNOx 等の極性分子)等
を効率的に除去することができるものである。
【0008】本発明に用いられる光触媒としては、光触
媒反応を生じる半導体であれば特に限定されないが、例
えば酸化チタン、酸化亜鉛、三酸化タングステン、酸化
セリウム等の金属酸化物およびそれらの混合物が挙げら
れ、好ましくは酸化チタンが挙げられる。酸化チタンの
なかでは、含水酸化チタン、水和酸化チタン、メタチタ
ン酸、オルトチタン酸、水酸化チタンが好ましい。ま
た、これらは2種以上併用してもよい。
【0009】上記光触媒の平均粒径は、好ましくは10
μm以下、より好ましくは0.5μm以下である。平均
粒径が10μmより大きいと表面積が低下するため、十
分な反応速度が得られない可能性がある。
【0010】本発明の光触媒構造体中の光触媒の担持量
は、好ましくは0.1〜80重量%であり、より好まし
くは1〜30重量%である。担持量が上記範囲より少な
いと十分な反応効率が得られない可能性がある。逆に上
記範囲を超えるものは製造が困難であり、また、該光触
媒は脱落し易くなるため、経済的に好ましくない。
【0011】本発明に用いられる無機イオン交換体は、
イオン交換能を有するものであって、親水性高分子多孔
質体を溶解、分解または崩壊させないものであれば特に
限定されないが、好ましくは多孔質であるもの、例え
ば、ゼオライト、シリカゲル、ハイドロタルサイト、ハ
イドロキシアパタイト、粘土鉱物類等が挙げられる。な
かでも、最も用途が広いという点からゼオライトが好ま
しい。また、これらは2種以上を併用してもよい。
【0012】ゼオライトとしては、特に制限はなく、公
知のゼオライトを使用することができる。また、ゼオラ
イト骨格中のアルミニウム1分子に対するケイ素分子の
割合(Si/Al比)についても、種々の値を有するゼ
オライトが使用できる。具体的には、A型ゼオライト
(Si/Al比:1)、X型ゼオライト(Si/Al
比:1.0〜1.5)、Y型ゼオライト(Si/Al
比:1.5〜3.0)、ZSM−5型ゼオライト(Si
/Al比:10以上)、ZSM−11型ゼオライト(S
i/Al比:10以上)、シリカライト(Si/Al
比:無限大)、合成モルデナイト(Si/Al比:4.
5〜12)などの合成ゼオライトや、天然モルデナイト
(Si/Al比:4.2〜5.0)、天然クリノプチロ
ライト(Si/Al比:4.25〜5.25)などの天
然ゼオライトなどが挙げられる。また、これらの合成ゼ
オライトや天然ゼオライトの骨格内アルミニウムを脱離
させたゼオライトも使用できる。例えば、骨格内アルミ
ニウムを脱離させたY型ゼオライト、骨格内アルミニウ
ムを脱離させたクリノプチロライト、および骨格内アル
ミニウムを脱離させたモルデナイトなどが挙げられる。
なかでも、親水性高分子多孔質体の実体内で合成させる
場合は、4Aゼオライト(Na12Si12Al12
48・27HO)が好ましい。また、後記製造方法3
および4においては、疎水性が高いSi/Al比が5以
上のゼオライト(ハイシリカゼオライト)が好ましい。
【0013】上記無機イオン交換体の平均粒径として
は、好ましくは0.1〜100μmであり、より好まし
くは0.1〜20μmである。平均粒径が上記範囲より
小さいと価格的に高価であり、また、空気中に舞い上が
ったり、静電気により反応釜に付着したものが取れにく
い等の取扱い上の問題が生じる。逆に上記範囲を超える
と後記製造方法3および4において、親水性高分子溶液
に均一に分散されにくくなるため、該無機イオン交換体
を均一に担持した親水性高分子多孔質体を製造すること
が困難となる。また、無機イオン交換体の表面積が小さ
くなるので、十分な吸着能力が得られない可能性があ
る。
【0014】本発明の光触媒構造体中の無機イオン交換
体の担持量は、好ましくは0.1〜80重量%であり、
より好ましくは1〜75重量%である。担持量が上記範
囲より小さいと十分な吸着能力が得られない可能性があ
る。逆に上記範囲を超えるものは製造が困難であり、ま
た、該無機イオン交換体は脱落し易くなるため、経済的
に好ましくない。
【0015】本発明における親水性高分子多孔質体を構
成する親水性高分子としては、水に対して膨潤するもの
であれば特に制限はない。例えば、再生セルロース、セ
ルロースを化学修飾したエチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メ
チルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロースお
よびカルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導
体、さらにはポリビニルアルコール、架橋型ポリビニル
アルコール、キチン、キトサン、エチレン酢酸ビニルコ
ポリマー、ポリビニルホルマール等の天然、あるいは人
工の親水性高分子、ポリアクリルアミド等の高吸水性高
分子ゲル、コラーゲン等が挙げられる。なかでも、実際
の使用形態、価格および取り扱いやすさの点から、再生
セルロースが好ましい。
【0016】本発明における親水性高分子多孔質体は、
上記親水性高分子から構成される多孔質の構造体であれ
ばよく、製法等に限定されるものではない。好ましくは
再生セルロースからなる再生セルロース多孔質体が挙げ
られる。再生セルロース多孔質体としては、好ましくは
多孔質セルロース粒子、多孔質セルローススポンジ(好
ましくは立方体状に裁断したもの)等が挙げられ、より
好ましくは多孔質セルロース粒子が挙げられる。多孔質
セルロース粒子としては、特開平3−231942号公
報および特開平3−259934号公報に記載されるも
の等が挙げられる。
【0017】上記多孔質セルロース粒子の平均粒径は、
好ましくは0.001〜10mmであり、より好ましく
は1〜5mmである。また、多孔質セルローススポンジ
が立方体状である場合、その一辺の長さは1〜20mm
であり、より好ましくは2〜5mmである。それぞれの
大きさが上記範囲より小さいと製造が困難であり、逆に
上記範囲を超えると光が照射される光触媒の量が減少
し、十分な反応効率が得られない可能性がある。
【0018】上記親水性高分子多孔質体の細孔は、対象
物質との接触、光透過性等の点から、外部に開孔してい
るものが好ましい。また、その孔径は、無機イオン交換
体および光触媒の担持の点から、好ましくは0.01〜
500μm、より好ましくは0.1〜100μmであ
る。上記範囲外であると無機イオン交換体および光触媒
の担持量が不十分となり、十分な吸着能力および光触媒
反応による分解効率が得られない可能性がある。
【0019】上記親水性高分子多孔質体の比表面積は、
無機イオン交換体および光触媒の担持量の点から、0.
1m2 /g以上とすることが好ましい。ここでいう比表
面積は、水銀ポロシメーターで測定した値をいう。比表
面積が0.1m2 /g未満であると無機イオン交換体お
よび光触媒の担持量が不十分となり、十分な吸着能力お
よび光触媒反応による分解効率が得られない可能性があ
る。
【0020】同様に、上記親水性高分子多孔質体の空隙
率は、対象物質との接触、無機イオン交換体および光触
媒の担持量、光透過性等の点から、50%以上が好まし
い。ここでいう空隙率は、担体の単位体積あたりの担体
自体が占有する体積以外の空間部分の割合をいい、下記
式(1)から算出することができる値である。
【0021】
【数1】
【0022】空隙率が50%未満では無機イオン交換体
および光触媒の担持量、対象物質との接触量および光透
過性が不十分となり、十分な吸着能力および光触媒反応
による分解効率が得られない可能性がある。
【0023】本発明の光触媒構造体において、上記親水
性高分子多孔質体は、その実体内に無機イオン交換体を
有する。ここで、親水性高分子多孔質体の実体内とは、
例えば、親水性高分子多孔質体が再生セルロース粒子で
ある場合、再生セルロース粒子を構成している高分子物
質の内部を意味し、例えば再生セルロース粒子の内部に
存在する空孔部分は含まれない。また、親水性高分子多
孔質体の実体内に無機イオン交換体を有するとは、無機
イオン交換体の一部または全部が親水性高分子多孔質体
の実体内に存在することを意味する。
【0024】本発明の光触媒構造体は、以下の製造方法
により製造することができる。
【0025】製造方法1 本発明の光触媒構造体は、(a)親水性高分子、多孔化
剤および光触媒を含有する混合液から凝固または凝固再
生して光触媒担持親水性高分子多孔質体を得、次いで
(b)該光触媒担持親水性高分子多孔質体を膨潤させ、
少なくとも1種の水溶性化合物と塩基性物質とを該光触
媒担持親水性高分子多孔質体の実体内で反応させる方法
により製造することができる。
【0026】上記工程(a)としては、親水性高分子多
孔質体が再生セルロース多孔質体である場合、例えば、
多孔化剤を含むセルロース溶液から凝固または凝固再生
して再生セルロース多孔質体を得る方法(特開平3−2
31942号公報等)において、当該セルロース溶液に
予め光触媒を混合しておく方法が挙げられる。
【0027】上記セルロース溶液としては、セルロー
ス、その誘導体(例えば、セルロースキサントゲン酸塩
等)またはその錯体(例えば、セルロース銅アンモニア
錯体等)の水系または有機溶媒系の溶液であって、該溶
液からセルロースを凝固または凝固再生し得るものであ
れば特に限定されない。例えば、水系のセルロース溶液
としては、セルロースキサントゲン酸ナトリウムのアル
カリ水溶液であるビスコースや、セルロースを酸化銅ア
ンモニア溶液(シュバイツァー試薬)に溶解させたもの
などが挙げられ、有機溶媒系のセルロース溶液として
は、セルロースをジメチルスルホキシド/パラホルムア
ルデヒド、ジメチルホルムアミド/四酸化二窒素、ジメ
チルホルムアミド/クロラール、N,N−ジメチルアセ
トアミド/塩化リチウムなどに溶解させたものなどが挙
げられる。なかでも、大量に製造されておりコストが安
く、簡単に入手でき、比較的溶液が安定である点から、
ビスコースが好ましい。
【0028】セルロース溶液としてビスコースを使用す
る場合、例えばセロハン製造用のビスコースが使用でき
る。当該ビスコースにおいて、通常セルロース濃度は3
〜15重量%(好ましくは4〜10重量%)、塩化アン
モニウム価は3〜12(好ましくは4〜9)、アルカリ
濃度は苛性ソーダとして2〜15重量%(好ましくは5
〜13重量%)である。また、ビスコースの粘度は20
℃において50〜100,000cP、好ましくは10
0〜50,000cPである。
【0029】上記多孔化剤としては、例えば、軽質また
は重質炭酸カルシウム、デンプン、炭酸水素ナトリウ
ム、硫酸ナトリウム等が挙げられる。なかでも、平均粒
径が1μm〜15μmであるものが好ましい。また、こ
れらの使用量は上記セルロース溶液中のセルロース1重
量部当たり0.1〜10重量部、好ましくは0.4〜3
重量部である。
【0030】上記光触媒としては、先に規定したものが
挙げられる。また、これらの使用量は、セルロース溶液
中のセルロース1重量部に対し、0.01〜5重量部、
好ましくは0.1〜3重量部である。
【0031】上記セルロース溶液に多孔化剤および光触
媒を含有させた混合液を、凝固再生剤を含む凝固再生浴
中に添加することにより、光触媒担持再生セルロース多
孔質体を得ることができる。
【0032】凝固再生剤としては、塩酸、硫酸、加熱さ
れた硫酸ナトリウム水溶液等が挙げられ、好ましくは塩
酸が挙げられる。また、凝固再生浴は1個ではなく、複
数個設置して直列または並列に使用することが生産性の
点で有利であるばかりでなく、各凝固再生浴の条件を変
化させておけば、1個の浴で作成したものとは異なる内
部空孔構造を有するものを製造することができる点から
も有利である。凝固再生剤の凝固再生浴中の濃度は、通
常10〜90g/l、好ましくは15〜70g/lであ
る。また、浴温は、通常10〜50℃であり、好ましく
は20〜40℃である。
【0033】上記混合液を凝固再生浴中に添加する方法
は特に限定されず、目的とする光触媒担持再生セルロー
ス多孔質体の形状により適宜決定することができる。例
えば、光触媒担持再生多孔質セルロース粒子を得る場
合、上記混合液を液滴状に凝固再生浴中へ押し出すよう
にすればよい。該混合液を液滴状に凝固再生浴中に押し
出す方法としては、該混合液を加圧し、ノズルから液滴
状に押し出す方法等が挙げられる。この場合、加圧方法
は、ノズルからの吐出圧が変動しにくいものである限り
いかなる方法でもよいが、ギャーポンプによる加圧とエ
アー圧による加圧が工業的に有利である。その圧力は、
ノズルより上記混合液を吐出できる圧力であれば特に限
定されない。また、使用するノズルは、材質、形状に特
に制限されるものではないが、その口径は、生産性の点
から0.1mm以上が好ましい。
【0034】また、親水性高分子としてポリビニルアル
コールを使用する場合、ポリビニルアルコール、多孔化
剤および光触媒を含有する混合液を、凝固剤を含む凝固
浴中に添加することにより、光触媒担持ポリビニルアル
コールを得ることができる。
【0035】上記混合液中のポリビニルアルコールの濃
度は通常1〜50重量%、好ましくは5〜20重量%で
ある。多孔化剤としては、硫酸ナトリウム(ボウ硝
等)、デンプン等が挙げられ、その濃度は混合液中のポ
リビニルアルコールに対し0.01〜10重量%、好ま
しくは0.1〜5重量%である。また、使用される光触
媒およびその濃度としては上記再生セルロースの場合と
同様である。
【0036】上記凝固浴としては凝固剤と塩基性物質と
の混合水溶液等が挙げられる。この場合、凝固剤として
は、硫酸ナトリウム、ホウ酸、ホウ砂等が挙げられ、該
混合水溶液中の凝固剤の濃度は、通常1〜50重量%、
好ましくは10〜30重量%である。また、塩基性物質
としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げら
れ、該混合水溶液中の塩基性物質の濃度は、通常0.0
1〜20重量%、好ましくは0.5〜5重量%である。
また、凝固浴の温度は、通常5〜70℃であり、好まし
くは15〜40℃である。
【0037】上記混合水溶液を凝固浴中に添加すること
によりポリビニルアルコールがゲル化し、凝固する。混
合水溶液を凝固浴に添加する方法としては上記再生セル
ロースと同様にすることができる。凝固後、そのまま凝
固浴に1〜10時間浸漬することで多孔化剤が流出し多
孔化される。また、凝固後、硫酸等の酸をさらに加えて
もよく、この場合、多孔化時間は10分〜3時間にな
る。また、凝固後、得られる光触媒担持ポリビニルアル
コールの強度を高めるため、さらにホルマリン等の架橋
剤を使用してポリビニルアルコールを架橋してもよい。
【0038】以上工程(a)を親水性高分子多孔質体を
形成する親水性高分子として再生セルロースおよびポリ
ビニルアルコールを例にとって説明したが、その他の親
水性高分子に対しても、上記と同様にして、各々の親水
性高分子の性質に応じて使用する試薬や条件等を適宜変
更することにより、光触媒担持親水性高分子多孔質体を
得ることができる。
【0039】上記工程(a)において得られる光触媒担
持親水性高分子多孔質体に対して、工程(b)を適用し
て親水性高分子多孔質体の実体内に無機イオン交換体を
生成させることにより、本発明の光触媒構造体とするこ
とができる。
【0040】上記工程(b)としては、特開平10−1
20923号公報等に準ずる方法が挙げられる。該工程
(b)は、膨潤している光触媒担持親水性高分子多孔質
体の存在下で、少なくとも1種の水溶性化合物および塩
基性物質とを該光触媒担持親水性高分子多孔質体の実体
内で反応させて目的とする無機イオン交換体を生成させ
る工程である。使用する水溶性化合物および塩基性物質
の組み合わせは特に限定されるものではなく、目的とす
る無機イオン交換体に応じて適宜選択すればよい。例え
ば、無機イオン交換体がゼオライトの場合では、ケイ素
化合物、アルミニウム化合物および塩基性物質を、シリ
カゲルの場合では、ケイ素化合物および塩基性物質を、
ハイドロキシアパタイトの場合では、リン化合物、カル
シウム化合物および塩基性物質を用いることにより、無
機イオン交換体を親水性高分子多孔質体に担持すること
ができる。
【0041】以下、無機イオン交換体がゼオライトであ
る場合を例にとって上記工程(b)を説明する。
【0042】無機イオン交換体がゼオライトである場合
に使用されるケイ素化合物としては、水に溶解するもの
であれば特に制限はないが、例えばメタケイ酸ナトリウ
ム、メタケイ酸カリウム、オルトケイ酸カリウム、水ガ
ラス、シリカゾル等が挙げられるが、水に対する溶解度
が高く、結晶性の高いゼオライトが得られる点からメタ
ケイ酸ナトリウムが好ましい。ケイ素化合物の水溶液の
濃度は特に制限はないが、好ましくは1〜1,000m
mol/l、さらに好ましくは10〜500mmol/
lである。
【0043】アルミニウム化合物としては、例えばアル
ミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、硫酸アルミニ
ウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム等が挙げら
れるが、水に対する溶解度が高く、結晶性の高いゼオラ
イトが得られる点からアルミン酸ナトリウムが好まし
い。アルミニウム化合物の水溶液の濃度は特に制限はな
いが、好ましくは1〜10,000mmol/l、さら
に好ましくは10〜8,000mmol/lである。
【0044】塩基性物質としては、例えば水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム等が挙げられるが、水に対する溶
解度が高く、結晶性の高いゼオライトが得られる点から
水酸化ナトリウムが好ましい。塩基性物質の濃度は、ゼ
オライトを結晶化させるために、かなり高いアルカリ濃
度が必要であることから10〜50,000mmol/
l、好ましくは100〜40,000mmol/lであ
る。
【0045】上記ケイ素化合物、アルミニウム化合物お
よび塩基性物質を使用してゼオライトを生成させる方法
の一例において、まず、ケイ素化合物および塩基性物質
の混合水溶液を光触媒担持親水性高分子多孔質体に含浸
させる。その含浸方法は特に制限はなく、例えば、光触
媒担持親水性高分子多孔質体を該水溶液に浸漬する、光
触媒担持親水性高分子多孔質体に該水溶液をスプレーす
る、または光触媒担持親水性高分子多孔質体に該水溶液
を各種コーターで塗布する等の方法を用いることができ
る。
【0046】含浸させる際の温度は通常20〜90℃で
あり、好ましくは40〜60℃である。また、その時間
は、光触媒担持親水性高分子多孔質体の種類に応じて溶
液が十分浸透するように適宜決定すればよいが、通常1
0分〜2時間である。
【0047】次いで、ケイ素化合物および塩基性物質の
混合水溶液を含浸させた光触媒担持親水性高分子多孔質
体を、アルミニウム化合物の水溶液に浸漬させて光触媒
担持親水性高分子多孔質体の実体内でゼオライトを生成
させることができる。
【0048】浸漬させる際の温度は通常20〜90℃で
あり、好ましくは40〜60℃である。また、その時間
は通常2時間〜20日間であり、好ましくは12時間〜
2日間である。
【0049】上記工程において、ケイ素化合物、アルミ
ニウム化合物および塩基性物質との混合比(モル比)
は、膨潤している光触媒担持親水性高分子多孔質体の存
在下において、通常1:1〜50:1〜50であり、好
ましくは1:3〜20:3〜30である。上記範囲内に
混合比をすることで光触媒担持親水性高分子多孔質体の
実体内にゼオライトを効率よく生成させることができ
る。
【0050】光触媒担持親水性高分子多孔質体の実体内
にゼオライトを生成させる方法において、ケイ素化合物
およびアルミニウム化合物の水溶液は両者を混合した時
点でゲルが生成するために、同時に光触媒担持親水性高
分子多孔質体に含浸はできないが、その他の順序ならば
特に制限はない。従って、アルミニウム化合物と塩基性
物質との混合水溶液を光触媒担持親水性高分子多孔質体
に含浸させ、次いでケイ素化合物の水溶液に浸漬させて
もよく、また、ケイ素化合物またはアルミニウム化合物
のどちらか一方の水溶液を先に光触媒担持親水性高分子
多孔質体に含浸させ、次いで残りのもう一方の化合物と
塩基性物質との混合水溶液を浸漬させてもよい。さら
に、塩基性物質の水溶液を光触媒担持親水性高分子多孔
質体に含浸させて、次いでケイ素化合物の水溶液に含浸
させ、最後にアルミニウム化合物の水溶液に浸漬するよ
うな3工程を経てもよい。
【0051】以上工程(b)を無機イオン交換体がゼオ
ライトである場合を例にとって説明したが、その他の無
機イオン交換体の場合においても同様にして光触媒担持
親水性高分子多孔質体の実体内に無機イオン交換体を生
成させることができる。
【0052】例えば、無機イオン交換体がシリカゲルで
ある場合、上記ゼオライトにおけるケイ素化合物および
塩基性物質を使用して、ゼオライトの場合と同様に処理
することにより、光触媒担持親水性高分子多孔質体にシ
リカゲルを生成させることができる。ただし、この場
合、光触媒担持親水性高分子多孔質体の存在下におい
て、ケイ素化合物および塩基性物質を混合したのち、酸
を加えてpHを酸性にする工程が必要となる。該酸とし
ては硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、酢酸等が挙げられ、そ
の濃度は1〜1,000g/l、好ましくは10〜50
0g/lである。また、ケイ素化合物の水溶液の濃度は
特に制限はないが、好ましくは1〜5,000mmol
/l、さらに好ましくは10〜1,000mmol/l
である。塩基性物質の濃度は、10〜50,000mm
ol/l、好ましくは100〜40,000mmol/
lである。ケイ素化合物および塩基性物質の水溶液を含
浸させる際の温度は通常10〜95℃であり、好ましく
は15〜50℃である。また、その時間は通常5分〜1
2時間であり、好ましくは10分〜3時間である。ま
た、酸を加える際の温度は通常20〜100℃であり、
好ましくは60〜95℃である。また、その時間は通常
30分〜5日であり、好ましくは60分〜1日である。
【0053】上記製造方法1により得られる光触媒構造
体における光触媒は、主として、無機イオン交換体と同
様に、親水性高分子多孔質体の実体内に担持される。
【0054】製造方法2 本発明の光触媒構造体は、(a)親水性高分子多孔質体
を膨潤させ、少なくとも1種の水溶性化合物と塩基性物
質とを該親水性高分子多孔質体の実体内で反応させて無
機イオン交換体を実体内に有する親水性高分子多孔質体
を得、次いで(b)該無機イオン交換体を実体内に有す
る親水性高分子多孔質体に光触媒を担持させる方法によ
っても製造することができる。
【0055】上記工程(a)としては、上記製造方法1
における工程(b)と同様の方法が挙げられる。具体的
には、親水性高分子多孔質体が多孔質セルロース粒子で
あり、無機イオン交換体がゼオライトである場合、多孔
質セルロース粒子に1〜1,000mmol/lのケイ
素化合物(例えば、メタケイ酸ナトリウム)の水溶液と
10〜50,000mmol/lの塩基性物質の水溶液
との混合水溶液を10分〜2時間含浸させ、次いで20
〜90℃で1〜10,000mmol/lのアルミニウ
ム化合物(例えば、アルミン酸ナトリウム)の水溶液に
2時間〜20日間浸漬させることにより、ゼオライトを
実体内に有する多孔質セルロース粒子を得ることができ
る。
【0056】上記工程(b)としては、例えば、上記工
程(a)により得られる無機イオン交換体を実体内に有
する親水性高分子多孔質体に、光触媒のスラリーを含浸
させる方法が挙げられる。この場合、光触媒のスラリー
における光触媒としては、上記に規定したものが挙げら
れ、そのスラリー中の濃度は1〜10,000mmol
/l、好ましくは10〜5,000mmol/lであ
る。また、含浸させる際の温度および時間は特に限定さ
れないが、好ましくは温度を10〜90℃(より好まし
くは20〜50℃)および時間を10分〜48時間(よ
り好ましくは30分〜24時間)とすることができる。
【0057】上記製造方法2により得られる光触媒構造
体における光触媒は、主として、親水性高分子多孔質体
の内部の空孔部分であって、かつその実体内に担持され
る無機イオン交換体のうち該空孔の表面に突出した部分
に担持される。
【0058】製造方法3 本発明の光触媒構造体は、親水性高分子、多孔化剤、光
触媒および無機イオン交換体を含有する混合液から凝固
または凝固再生する方法によっても製造することができ
る。例えば、親水性高分子が再生セルロースである場
合、上記製造方法1における工程(a)において、多孔
化剤および光触媒を含むセルロース溶液に、さらに無機
イオン交換体を混合しておく方法が挙げられる。この場
合、セルロース溶液、多孔化剤および光触媒については
上記製造方法1における工程(a)と同様とすることが
できる。無機イオン交換体としては、疎水性が高いもの
が好ましく、例えば、ハイシリカゼオライト(例えば、
先に規定したゼオライトにおいてSi/Al比が5以上
のもの)が挙げられる。また、無機イオン交換体の使用
量は、該混合液中のセルロース1重量部に対し0.01
〜5重量部、好ましくは0.01〜3重量部である。具
体的には、親水性高分子多孔質体が多孔質セルロース粒
子である場合、上記製造方法1における工程(a)に記
載のセルロース溶液に、多孔化剤、光触媒およびハイシ
リカゼオライトを混合した混合液を、10〜90g/l
の凝固再生剤(例えば、塩酸)を含有する凝固再生浴
(温度10〜50℃)中に液滴状に押し出し、凝固再生
させることにより、光触媒を担持し、かつハイシリカゼ
オライトを実体内に有する多孔質セルロース粒子を得る
ことができる。
【0059】上記製造方法3により得られる光触媒構造
体における光触媒は、主として、無機イオン交換体と同
様に、親水性高分子多孔質体の実体内に担持される。
【0060】製造方法4 本発明の光触媒構造体は、(a)親水性高分子、多孔化
剤および無機イオン交換体を含有する混合液から凝固ま
たは凝固再生して無機イオン交換体を実体内に有する親
水性高分子多孔質体を得、次いで(b)該無機イオン交
換体を実体内に有する親水性高分子多孔質体に光触媒を
担持させる方法によっても製造することができる。
【0061】上記工程(a)としては、例えば、上記製
造方法1における工程(a)において、多孔化剤を含む
セルロース溶液に光触媒を混合する代わりに、予め無機
イオン交換体を混合しておく方法が挙げられる。この場
合、セルロース溶液および多孔化剤は上記製造方法1に
おける工程(a)と同様とすることができ、無機イオン
交換体は上記製造方法3と同様とすることができる。具
体的には、親水性高分子多孔質体が多孔質セルロース粒
子である場合、上記製造方法1における工程(a)に記
載の多孔化剤を含有するセルロース溶液に、セルロース
1重量部に対し0.01〜5重量部のハイシリカゼオラ
イトを混合した混合液を、10〜90g/lの凝固再生
剤(例えば、塩酸)を含有する凝固再生浴(温度10〜
50℃)中に液滴状に押し出し、凝固再生させることに
より、ハイシリカゼオライトを実体内に有する多孔質セ
ルロース粒子を得ることができる。
【0062】上記工程(b)としては、上記製造方法2
における工程(b)と同様の方法が挙げられる。
【0063】上記製造方法4により得られる光触媒構造
体における光触媒は、主として、親水性高分子多孔質体
の内部の空孔部分であって、かつその実体内に担持され
る無機イオン交換体のうち該空孔の表面に突出した部分
に担持される。
【0064】製造方法5 本発明の光触媒構造体は、光触媒の存在下、親水性高分
子多孔質体を膨潤させ、少なくとも1種の水溶性化合物
と塩基性物質とを該親水性高分子多孔質体の実体内で反
応させる方法によっても製造することができる。この方
法としては、例えば、上記製造方法1における工程
(b)において、親水性高分子の実体内で無機イオン交
換体を生成するために使用される水溶性化合物および/
または塩基性物質の溶液の少なくとも1種の溶液に予め
光触媒を混合しておく方法が挙げられる。光触媒として
は上記に規定したものが挙げられ、また水溶性化合物お
よび/または塩基性物質の溶液中の光触媒の濃度は1〜
10,000mmol/l、好ましくは10〜5,00
0mmol/lである。具体的には、親水性高分子多孔
質体が多孔質セルロース粒子であり、無機イオン交換体
がゼオライトである場合、多孔質セルロース粒子に、1
〜1,000mmol/lのケイ素化合物(例えば、メ
タケイ酸ナトリウム)の水溶液と10〜50,000m
mol/lの塩基性物質の水溶液との混合水溶液に1〜
10,000mmol/lの光触媒を懸濁した混合懸濁
液を10分〜2時間含浸させ、次いで20〜90℃で1
〜10,000mmol/lのアルミニウム化合物(例
えば、アルミン酸ナトリウム)の水溶液に2時間〜20
日間浸漬させることにより、光触媒を担持し、かつゼオ
ライトを実体内に有する多孔質セルロース粒子が得られ
る。また、この場合、光触媒は、ケイ素化合物の水溶液
ではなく、アルミニウム化合物の水溶液等に懸濁させて
おいてもよい。
【0065】上記製造方法5により得られる光触媒構造
体における光触媒は、主として、親水性高分子多孔質体
の内部の空孔部分であって、かつその実体内に担持され
る無機イオン交換体のうち該空孔の表面に突出した部分
に担持される。
【0066】本発明の光触媒構造体は、上記のような製
造方法を用いることにより、光触媒反応および吸着を妨
害するバインダー等を使用せずに、光触媒および無機イ
オン交換体を親水性高分子多孔質体に担持したものであ
る。また、担体として比表面積が大きい親水性高分子多
孔質体を使用することで、無機イオン交換体および光触
媒を、除去対象物質の接触および光照射が好適に行われ
る適当な密度で担体の表面に分布させたものである。従
って、本発明の光触媒構造体において、光触媒反応およ
び吸着は、バインダー等により妨害されないことから、
バインダー等を使用したものよりもはるかに効率的に行
われ、さらに対象物質が光触媒および無機イオン交換体
に好適に接触し、かつ光照射が好適に行われるので、従
来に比べてはるかに高い効率で対象物質を除去すること
ができる。
【0067】また、本発明の光触媒構造体は、無機イオ
ン交換体(および光触媒)が親水性高分子多孔質体の実
体内に担持されていることで、バインダー等を使用した
場合と同程度か、それ以上の耐久性を有する。また、光
触媒が、主として、親水性高分子多孔質体の内部の空孔
部分であって、かつその実体内に担持される無機イオン
交換体のうち該空孔の表面に突出した部分に担持される
場合、無機イオン交換体が光触媒を担持する能力に優れ
ており、かつ光照射下における光触媒反応により親水性
高分子多孔質体を劣化させる光触媒の大部分が親水性高
分子多孔質体に直接担持されていないため、その耐久性
はより優れたものとなる。
【0068】さらに、本発明の光触媒構造体は、無機イ
オン交換体が極性分子に対して優れた吸着能を有するこ
とから、NOx 等の極性分子を除去する場合、活性炭等
の非極性の吸着体を用いたときに問題となる再放出が生
じにくいので、極性分子の除去に特に好適に使用するこ
とができる。
【0069】また、本発明の光触媒構造体は、柔軟な素
材である親水性高分子多孔質体に光触媒および無機イオ
ン交換体を担持させたものであるので、成形加工が容易
であり、用途に応じて、粒子状、立方体状、シート状等
の種々の形態に成形加工して使用することができる。ま
た、他の素材と共に種々の構造体を形成することもでき
る。
【0070】好ましくは、本発明の光触媒構造体は、さ
らにインジケーター機能を付与する物質を含有する。こ
こでいうインジケーター機能を付与する物質とは、光触
媒構造体の除去対象となる後記対象物質から光触媒反応
により生じる転換物質により化学的変化を起こして変色
し、転換物質の存在量の目安を色調変化により示す物質
である。このようなインジケーター機能を付与する物質
を対象物質に応じて適宜選択し、光触媒構造体に含有さ
せることによって、光触媒構造体の再生時期および交換
時期を知ることができる。このようなインジケーター機
能を付与する物質としては、対象物質により生じる転換
物質により適宜選択することができるが、例えば、転換
物質が光触媒構造体のpHを変化させる物質(例えば、
NOx から生じる硝酸、SOx から生じる硫酸等)であ
る場合、pHの変化によって色調が変化するpH指示薬
等を使用することができる。該pH指示薬としては、ニ
ュートラルレッド、フェノールレッド、コンゴーレッ
ド、メチルオレンジ、メチルレッド、メチルイエロー、
リトマス、ブロモクレゾールグリーン、ブロモフェノー
ルブルー等が挙げられる。
【0071】上記インジケーター機能を付与する物質の
光触媒構造体中の含有量は、特に限定されないが、好ま
しくは0.0001〜0.1重量%、より好ましくは
0.001〜0.05重量%である。含有量が上記範囲
を超えると吸着および/または光触媒反応を阻害する可
能性がある。
【0072】上記インジケーター機能を付与する物質を
光触媒構造体に含有させる方法としては特に限定されな
いが、例えば、上記光触媒構造体の製造方法において、
使用される各種溶液、スラリー、懸濁液の少なくとも1
種に混合させておくことによって光触媒構造体に含有さ
せることができる。例えば、インジケーター機能を付与
する物質としてニュートラルレッドを用いる場合、上記
製造方法2の工程(b)において、光触媒のスラリー中
にニュートラルレッドを0.01〜1.0mmol/l
混合しておくことで光触媒構造体に含有させることがで
きる。
【0073】また、本発明の光触媒構造体は、好ましく
は保湿剤を含有する。保湿剤を含有することにより、無
機イオン交換体に適当な水分が付与されるので、無機イ
オン交換体の吸着能が向上する。また、光触媒構造体に
インジケーター機能を付与する物質が含有される場合、
その色調変化が容易になる。保湿剤としては、グリセリ
ン、エチレングリコール等の多価アルコール、ジメチル
スルホキシド、ジメチルアセトアミド等の極性溶媒、ヘ
キサグリセリンモノステアリン酸、ヘキサグリセリント
リステアリン酸等のグリセリンエステル等が挙げられ
る。これらは2種以上を併用してもよい。また、これら
の含有量は、光触媒構造体全体の0.1〜80重量%、
好ましくは1〜60重量%である。含有量が上記範囲を
超えると吸着および/または光触媒反応を阻害する可能
性がある。
【0074】また、本発明の光触媒構造体は、必要に応
じて、蓄光物質を含有していてもよい。ここでいう蓄光
物質は、照射された光を蓄積し、暗所においてその蓄積
した光を放出することができる物質である。蓄光物質を
含有することで、本発明の光触媒構造体を光照射下に配
置したのち、暗所に配置した場合でも光触媒反応を行う
ことができるようになる。蓄光物質としては、Zn2
iO4 /Mn、CaSiO3 /Pb/Mn、BaSi2
6 /Pb、Ca3 (Pb4 2 /Ce、Ca 3 (Pb
4 2 /Ce/Mn、BaSO4 /Pb等の酸素酸塩、
CaS/Biおよび(Ca,Sr)S/Bi等の硫化カ
ルシウム、ZnS/Cuおよび(Zn,Cd)S/Cu
等の硫化亜鉛等の硫化物等が挙げられる。これらは2種
以上を併用してもよい。また、これらの含有量は、光触
媒構造体全体の0.1〜80重量%、好ましくは1〜3
0重量%である。含有量が上記範囲を超えると吸着およ
び/または光触媒反応を阻害する可能性がある。
【0075】本発明の光触媒構造体は、光照射下におい
て除去対象物質を接触させることによって、対象物質を
無機イオン交換体により吸着し、さらに光触媒による光
触媒反応により酸化して除去(転換または分解)するこ
とができる。また、本発明の光触媒構造体を使用して対
象物質を除去する場合、除去効率が優れているばかりで
なく、エネルギーおよび設備コスト、ならびに安全性等
にも優れているので、特に有害物質を除去する場合に好
適である。従って、本発明の光触媒構造体は、有害物質
の除去材として好適に使用することができる。
【0076】本発明の光触媒構造体が除去できる対象物
質としては、無機イオン交換体に吸着し、かつ光触媒反
応により酸化される物質であれば特に限定されないが、
好ましくは、常温で気体の無機化合物、または種々の有
機化合物が挙げられる。また、本発明における有害物質
としては、上記対象物質に包含されるものであって、存
在することで動植物、機械、装置、物品等に何らかの悪
影響を与えるために除去することが所望される物質であ
れば特に限定されず、環境汚染等の原因物質として公知
である物質に限定されるものではない。本発明における
有害物質の例としては、NOx (NO、NO2 等)、S
x (SO2 、SO3 等)、VOC(トルエン、キシレ
ン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ブタノール等)、有機ハ
ロゲン化合物(1,1−ジクロロエチレン、トリクロロ
エチレン、テトラクロロエチレン、p−ジクロロベンゼ
ン等)、悪臭物質(硫化水素、アンモニア、メチルメル
カプタン、アミン等)、タバコ臭(アセトアルデヒド、
酢酸、アンモニア等)、ホルムアルデヒド、脂肪酸、エ
チレン等が挙げられ、特に、NOx 、SOx 、ホルムア
ルデヒドが挙げられる。
【0077】上記有害物質等の対象物質を除去するため
に光触媒構造体に照射される光は、特に限定されず、太
陽光でも人工光でもよいが、光触媒反応の効率の点か
ら、波長400nm以下の光が好ましい。また、その光
源としては特に限定されないが、人工光の光源として
は、ブラックライト、蛍光灯等が挙げられる。
【0078】光触媒構造体への光の照射方法(使用する
光源および装置、光の強さ、照射時間および間隔、光源
と光触媒構造体との距離等)は、特に限定されず、対象
物質の種類およびその量(濃度)、光触媒構造体の除去
能力、周囲の環境(温度等)等に応じて適宜決定すれば
よい。
【0079】上記有害物質等の対象物質と光触媒構造体
との接触方法としては、特に限定されない。例えば、光
触媒構造体を含有する反応容器に対象物質をバッチ方式
または連続方式で導入して接触させてもよく、また、対
象物質の発生源(タバコ臭を対象とする場合における灰
皿等)の付近および/または通り路(ホルムアルデヒド
等を対象とする場合における室内のエアコンまたは空気
清浄機の吸入部分または吹出部分)に配置して接触させ
るようにしてもよい。
【0080】上記有害物質等の対象物質の光触媒反応に
よる転換物質は、通常、無機イオン交換体に保持される
が、その保持量が過度になると対象物質の除去効率が悪
化するので、上記インジケーター機能を付与する物質等
によりその保持量を確認し、水で洗い流したり、加熱し
て放散させることによって、定期的に除去することが好
ましい。
【0081】本発明の光触媒構造体は、上記のように、
光照射下において、有害物質を除去するために有用であ
るので、有害物質除去材として、例えば、自動車道路沿
道、トンネルおよび車内などのNOx 汚染が問題となっ
ている空間におけるNOx の除去剤、硫化水素、アンモ
ニア、メチルメルカプタン等の悪臭および刺激臭物質の
脱臭剤、硫化水素等に起因する金属の錆の防錆剤、室内
のホルムアルデヒド、タバコ臭等の除去剤等として好適
に使用することができる。
【0082】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0083】実施例1 セロハン製造用ビスコース(レンゴー株式会社製;セル
ロース濃度8.5重量%;120重量部)に対し、炭酸
カルシウム(30重量部)と酸化チタン(ST−01:
石原産業株式会社製;1重量部)を混合し、これを40
℃の2N塩酸に滴下して平均粒径4mmの酸化チタン担
持多孔質セルロース粒子を得た。このセルロース粒子
(11g)をまず10%−メタケイ酸ナトリウム・9水
和物水溶液(600g)と48%−水酸化ナトリウム水
溶液(180g)との混合液に50℃、2時間浸漬せし
めた後、55%−アルミン酸ナトリウム水溶液(700
g)を加え、50℃で2日間浸漬させることにより、ゼ
オライト・酸化チタン担持多孔質セルロース粒子(14
g)を得た。この粒子のゼオライト担持率は21重量
%、酸化チタン担持率は7重量%であった。
【0084】実施例2 セロハン製造用ビスコース(レンゴー株式会社製;セル
ロース濃度8.5重量%;120重量部)に対し炭酸カ
ルシウム(30重量部)を混合し、これを40℃の2N
塩酸に滴下して平均粒径4mmの多孔質セルロース粒子
を得た。このセルロース粒子(10g)をまず10%−
メタケイ酸ナトリウム・9水和物水溶液(600g)と
48%−水酸化ナトリウム水溶液(180g)との混合
液に50℃、2時間浸漬せしめた後、55%−アルミン
酸ナトリウム水溶液(700g)を加え、50℃で2日
間浸漬させることにより、ゼオライト担持多孔質セルロ
ース粒子(13g)を得た。この粒子に酸化チタンスラ
リー〔酸化チタン(ST−01:石原産業株式会社製)
1g/100ml〕を40℃、1日間含浸させ、ゼオラ
イト・酸化チタン担持多孔質セルロース粒子(14g)
を得た。この粒子のゼオライト担持率は21重量%、酸
化チタン担持率は7重量%であった。
【0085】実施例3 セロハン製造用ビスコース(レンゴー株式会社製;セル
ロース濃度8.5重量%;120重量部)に対し炭酸カ
ルシウム(30重量部)と酸化チタン(ST−10:石
原産業株式会社製;1重量部)を混合し、これを40℃
の2N塩酸に滴下して平均粒径4mmの酸化チタン担持
多孔質セルロース粒子を得た。このセルロース粒子(1
1g)を、10%−水酸化ナトリウム水溶液(780
g)にメタケイ酸ナトリウム・9水和物(60g)を溶
解させたものに25℃、15分間浸漬させて膨潤させ、
次に6Nの硫酸水溶液(300ml)を添加することに
よりpHを酸性に変え、90℃まで加熱し、1時間保持
することで、シリカゲル・酸化チタン担持多孔質セルロ
ース粒子(14g)を得た。この粒子のシリカゲル担持
率は21重量%、酸化チタン担持率は7重量%であっ
た。
【0086】実施例4 実施例1のうち酸化チタンを酸化亜鉛(堺化学工業株式
会社製;1重量部)に代える以外は同様にして、ゼオラ
イト・酸化亜鉛担持多孔質セルロース粒子(11g)を
得た。この粒子のゼオライト担持率は21重量%、酸化
亜鉛担持率は7重量%であった。
【0087】実施例5 実施例2のうち酸化チタンスラリー(1g/100m
l)を、酸化チタン(ST−01:石原産業株式会社
製;1g)とpH指示薬であるニュートラルレッド(ナ
カライテスク株式会社製;4mg)との混合液(100
ml)に代える以外は同様にして、ゼオライト・酸化チ
タン・ニュートラルレッド担持多孔質セルロース粒子
(14g)を得た。この粒子のゼオライト担持率は21
重量%、酸化チタン担持率は7重量%およびニュートラ
ルレッド担持率は0.03重量%であった。
【0088】実施例6 セロハン製造用ビスコース(レンゴー株式会社製;セル
ロース濃度8.5重量%;120重量部)に対し硫酸ナ
トリウム(10重量部)と酸化チタン(ST−10:石
原産業株式会社製;1重量部)を混合し、これを40℃
の2N塩酸中に浸漬し、酸化チタン担持多孔質セルロー
ススポンジを得た。このセルローススポンジを4mm立
方体状に裁断し、その11gをまず10%−メタケイ酸
ナトリウム・9水和物水溶液(600g)と48%−水
酸化ナトリウム水溶液(180g)との混合液に50
℃、2時間浸漬せしめた後、55%−アルミン酸ナトリ
ウム水溶液(700g)を加え、50℃で2日間浸漬さ
せることにより、ゼオライト・酸化チタン担持多孔質セ
ルローススポンジ(14g)を得た。このスポンジのゼ
オライト担持率は21重量%、酸化チタン担持率は7重
量%であった。
【0089】実施例7 実施例5のうち、pH指示薬をフェノールレッド(ナカ
ライテスク株式会社製;4mg)に代える以外は同様に
してゼオライト・酸化チタン・フェノールレッド担持多
孔質セルロース粒子(14g)を得た。この粒子のゼオ
ライト担持率は21重量%、酸化チタン担持率は7重量
%およびフェノールレッド担持率は0.03重量%であ
った。
【0090】実施例8 ポリビニルアルコール(ゴーセノールNH−20:日本
合成化学工業株式会社製;ポリビニルアルコール濃度1
0重量%;100重量部)の水溶液に対し、ボウ硝(硫
酸ナトリウム・10水和物)(0.1重量部)と酸化チ
タン(ST−01:石原産業株式会社製;1重量部)を
混合し、一旦、20℃の15%−硫酸ナトリウム水溶液
(1l)に水酸化ナトリウム(10g)を溶解させた水
溶液に滴下し、ゲル状粒子を得た。これを70℃の10
%−硫酸(1l)と37%−ホルマリン水溶液(300
g)との混合液に滴下して平均粒径4mmの酸化チタン
担持多孔質架橋ポリビニルアルコール粒子を得た。この
粒子(11g)をまず10%−メタケイ酸ナトリウム・
9水和物水溶液(600g)と48%−水酸化ナトリウ
ム水溶液(180g)との混合液に50℃、2時間浸漬
せしめた後、55%−アルミン酸ナトリウム水溶液(7
00g)を加え、50℃で2日間浸漬させることによ
り、ゼオライト・酸化チタン担持多孔質架橋ポリビニル
アルコール粒子(14g)を得た。この粒子のゼオライ
ト担持率は21重量%、酸化チタン担持率は7重量%で
あった。
【0091】比較例1 実施例1のうち酸化チタンを混合しない以外は同様にし
て、ゼオライト担持多孔質セルロース粒子(13g)を
得た。この粒子のゼオライト担持率は23重量%であっ
た。
【0092】比較例2 セロハン製造用ビスコース(レンゴー株式会社製;セル
ロース濃度8.5重量%;120重量部)に対し炭酸カ
ルシウム(0.85重量部)と酸化チタン(ST−0
1:石原産業株式会社製;1重量部)および活性炭
(1.7重量部)を混合し、これを40℃の2N塩酸に
滴下して平均粒径(4mm)の酸化チタン・活性炭担持
多孔質セルロース粒子を得た。この粒子の活性炭担持率
は13重量%、酸化チタン担持率は8重量%であった。
【0093】比較例3 木材パルプ(10重量部)に、酸化チタン(ST−0
1:石原産業株式会社製;1重量部)、ゼオライト(東
ソー株式会社製;3重量部)、凝集剤としてポリエチレ
ンイミン(0.04重量部)を水(10重量部)と混合
した分散液を噴霧した後、乾燥した。ゼオライト・酸化
チタン担持パルプ粒状物を得た。この粒状物のゼオライ
ト担持率は21重量%、酸化チタン担持率は7重量%で
あった。
【0094】実験例1 NOx 除去試験 実施例1および比較例1〜3のサンプル(各5ml)を
それぞれテドラーバック(20L)内に設置し、NO2
ガスを充填してバック内を6.5ppmに調整した。次
いで、白色蛍光灯から1m離れた場所に上記テドラーバ
ックを配置し、室温下にてバック内のNOx (NO2
NO)濃度を検知管にて経時的に測定した。その結果を
表1および図1に示す。
【0095】
【表1】
【0096】表1および図1から、実施例1のサンプル
によるNOx 除去能力は、比較例1〜3のサンプルに比
べて非常に優れていることがわかる。
【0097】実験例2 NOx 除去におけるサンプルの
色調変化 実施例5および7、ならびに比較例2のサンプル(各5
ml)をそれぞれテドラーバック(20L)内に設置
し、NO2 ガスを充填してバック内を50ppmに調整
した。次いで、白色蛍光灯から1m離れた場所に上記テ
ドラーバックを配置し、室温下にてバック内のNO
x (NO2 +NO)濃度を検知管にて経時的に測定し、
さらにサンプルの色の変化を観察した。その結果を表2
に示す。
【0098】
【表2】
【0099】表2から、実施例5および7のサンプル
は、比較例2のサンプルに比べてNO x 除去能力が優れ
ているばかりでなく、色調変化を起こすので、その洗浄
時期および/または交換時期を知ることができることが
わかる。
【0100】
【発明の効果】本発明の光触媒構造体は、光触媒による
光触媒反応および無機イオン交換体による吸着を妨害す
るバインダー等を使用せずに、光触媒および無機イオン
交換体を親水性高分子多孔質体に担持したものであるの
で、光照射下において、有害物質(特にNOx 等の極性
分子)等を効率的に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 NOx 濃度の経時変化を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 37/00 B01J 41/08 A 41/08 C08K 3/22 C08K 3/22 C08L 101/14 C08L 101/14 B01D 53/36 ZABJ (72)発明者 原田 功 福井県坂井郡金津町自由ヶ丘1丁目8番10 号 レンゴー株式会社福井研究所内 (72)発明者 中野 欣紀 福井県坂井郡金津町自由ヶ丘1丁目8番10 号 レンゴー株式会社福井研究所内 (72)発明者 久保 純一 福井県坂井郡金津町自由ヶ丘1丁目8番10 号 レンゴー株式会社福井研究所内 Fターム(参考) 4C076 AA36 4C080 AA10 BB10 MM02 NN04 NN24 4D048 AA02 AA06 AA08 AA11 AA19 AA20 AA22 BA06X BA07X BA09Y BA11X BA13X BA16X BA19Y BA27Y BA41X BA45X BB01 BB17 EA01 4G069 AA03 AA08 BA02A BA02B BA04A BA04B BA07A BA07B BA10A BA16A BA29A BA29B BA48A BB04A BB04B BC35A BC35B BC43A BC60A CA12 CA13 CA17 CA19 EB18Y ED02 FA02 FB06 FB08 FB14 FB17 FB19 FB80 ZA02A ZA03A ZA06A ZA11A ZA12A ZA15A ZA36A 4J002 AB011 AB031 AB051 AD031 BB061 BE021 BE061 BG131 DE096 DE106 DE136 DE287 DH047 DJ007 DJ017 DJ037 FD206 FD207 GD00 GD02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光触媒を担持し、かつ無機イオン交換体
    を実体内に有する親水性高分子多孔質体より成ることを
    特徴とする光触媒構造体。
  2. 【請求項2】 親水性高分子多孔質体が再生セルロース
    多孔質体である請求項1記載の光触媒構造体。
  3. 【請求項3】 さらにインジケーター機能を付与する物
    質を含有する請求項1記載の光触媒構造体。
  4. 【請求項4】 (a)親水性高分子、多孔化剤および光
    触媒を含有する混合液から凝固または凝固再生して光触
    媒担持親水性高分子多孔質体を得る工程と、(b)該光
    触媒担持親水性高分子多孔質体を膨潤させ、少なくとも
    1種の水溶性化合物と塩基性物質とを該光触媒担持親水
    性高分子多孔質体の実体内で反応させる工程とを含むこ
    とを特徴とする光触媒構造体の製造方法。
  5. 【請求項5】 (a)親水性高分子多孔質体を膨潤さ
    せ、少なくとも1種の水溶性化合物と塩基性物質とを該
    親水性高分子多孔質体の実体内で反応させて無機イオン
    交換体を実体内に有する親水性高分子多孔質体を得る工
    程と、(b)該無機イオン交換体を実体内に有する親水
    性高分子多孔質体に光触媒を担持させる工程とを含むこ
    とを特徴とする光触媒構造体の製造方法。
  6. 【請求項6】 親水性高分子、多孔化剤、光触媒および
    無機イオン交換体を含有する混合液から凝固または凝固
    再生することを特徴とする光触媒構造体の製造方法。
  7. 【請求項7】 (a)親水性高分子、多孔化剤および無
    機イオン交換体を含有する混合液から凝固または凝固再
    生して無機イオン交換体を実体内に有する親水性高分子
    多孔質体を得る工程と、(b)該無機イオン交換体を実
    体内に有する親水性高分子多孔質体に光触媒を担持させ
    る工程とを含むことを特徴とする光触媒構造体の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 光触媒の存在下、親水性高分子多孔質体
    を膨潤させ、少なくとも1種の水溶性化合物と塩基性物
    質とを該親水性高分子多孔質体の実体内で反応させるこ
    とを特徴とする光触媒構造体の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の光触媒構造体より成るこ
    とを特徴とする有害物質除去剤。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の有害物質除去剤に、光
    照射下において有害物質を接触させることを特徴とする
    有害物質の除去方法。
JP2000007205A 2000-01-14 2000-01-14 光触媒構造体、その製造方法およびその用途 Pending JP2001198472A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000007205A JP2001198472A (ja) 2000-01-14 2000-01-14 光触媒構造体、その製造方法およびその用途

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000007205A JP2001198472A (ja) 2000-01-14 2000-01-14 光触媒構造体、その製造方法およびその用途

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001198472A true JP2001198472A (ja) 2001-07-24

Family

ID=18535615

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000007205A Pending JP2001198472A (ja) 2000-01-14 2000-01-14 光触媒構造体、その製造方法およびその用途

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001198472A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001240759A (ja) * 2000-02-25 2001-09-04 Rengo Co Ltd 触媒物質含有機能材およびその製造方法
US11547069B2 (en) 2019-03-15 2023-01-10 Fujifilm Business Innovation Corp. Water purification particles, water culture apparatus, and water purification apparatus

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55165929A (en) * 1979-06-13 1980-12-24 Kunimine Kogyo Kk Production of microporous permeable polymer film
JPH03231942A (ja) * 1989-11-01 1991-10-15 Fukui Kagaku Kogyo Kk セルロース多孔質粒子の製造法
JPH07191011A (ja) * 1993-12-24 1995-07-28 Toto Ltd 光触媒薄膜の活性測定方法及び活性測定フィルム
JPH08173805A (ja) * 1994-12-27 1996-07-09 Mitsubishi Paper Mills Ltd 酸化チタン担持紙
JPH09176327A (ja) * 1995-12-27 1997-07-08 Rengo Co Ltd セルロース多孔体およびその製造方法
JPH09278925A (ja) * 1996-04-15 1997-10-28 Daiwabo Les-Yon Kk ビスコーススポンジ及びその製造方法
JPH09290164A (ja) * 1996-04-26 1997-11-11 Ishihara Sangyo Kaisha Ltd 有害物質除去剤およびそれを用いた有害物質除去方法
JPH10120923A (ja) * 1996-08-27 1998-05-12 Rengo Co Ltd 無機多孔結晶−親水性高分子複合体
JPH1110781A (ja) * 1997-06-23 1999-01-19 Lintec Corp ケイ酸塩含有シート
JP2001162172A (ja) * 1999-12-07 2001-06-19 Kurashiki Seni Kako Kk 光触媒製品およびその製造方法

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55165929A (en) * 1979-06-13 1980-12-24 Kunimine Kogyo Kk Production of microporous permeable polymer film
JPH03231942A (ja) * 1989-11-01 1991-10-15 Fukui Kagaku Kogyo Kk セルロース多孔質粒子の製造法
JPH07191011A (ja) * 1993-12-24 1995-07-28 Toto Ltd 光触媒薄膜の活性測定方法及び活性測定フィルム
JPH08173805A (ja) * 1994-12-27 1996-07-09 Mitsubishi Paper Mills Ltd 酸化チタン担持紙
JPH09176327A (ja) * 1995-12-27 1997-07-08 Rengo Co Ltd セルロース多孔体およびその製造方法
JPH09278925A (ja) * 1996-04-15 1997-10-28 Daiwabo Les-Yon Kk ビスコーススポンジ及びその製造方法
JPH09290164A (ja) * 1996-04-26 1997-11-11 Ishihara Sangyo Kaisha Ltd 有害物質除去剤およびそれを用いた有害物質除去方法
JPH10120923A (ja) * 1996-08-27 1998-05-12 Rengo Co Ltd 無機多孔結晶−親水性高分子複合体
JPH1110781A (ja) * 1997-06-23 1999-01-19 Lintec Corp ケイ酸塩含有シート
JP2001162172A (ja) * 1999-12-07 2001-06-19 Kurashiki Seni Kako Kk 光触媒製品およびその製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001240759A (ja) * 2000-02-25 2001-09-04 Rengo Co Ltd 触媒物質含有機能材およびその製造方法
JP4486206B2 (ja) * 2000-02-25 2010-06-23 レンゴー株式会社 触媒物質含有機能材およびその製造方法
US11547069B2 (en) 2019-03-15 2023-01-10 Fujifilm Business Innovation Corp. Water purification particles, water culture apparatus, and water purification apparatus

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3217101B2 (ja) 空気浄化剤の製造方法
JP3488496B2 (ja) 耐被毒脱臭光触媒
JP3484470B2 (ja) 光触媒機能を有するフィルム素材
JP6349736B2 (ja) 酸性ガス吸着・除去フィルタ
JP2001198472A (ja) 光触媒構造体、その製造方法およびその用途
JP5544515B2 (ja) 耐候性・耐汚染性塗膜形成用エマルション塗料の製造方法、そのエマルション塗料及び耐候性・耐汚染性塗膜
JP5610329B2 (ja) ケイ酸塩でコーティングされた酸化チタン揮発性有機化合物分解材料
JP5403584B2 (ja) 再析出法で合成された耐候性を有する耐汚染材料とその製造方法
JP2005054086A (ja) 触媒物質含有機能材およびその製造方法
JP3722866B2 (ja) 疎水性脱臭材およびその再生方法
JPH0975434A (ja) 光触媒を使用した脱臭剤
JP2001314491A (ja) 空気清浄フィルター
JP2003144937A (ja) 酸化チタン光触媒を担持したシリカゲル成形体およびその製造方法
KR100333590B1 (ko) 광재생형 탈취제 및 탈취 방법
JPH09290164A (ja) 有害物質除去剤およびそれを用いた有害物質除去方法
JPH105598A (ja) 光触媒粉体およびそれを用いた光触媒体ならびにそれらの製造方法、それらを用いた環境浄化方法
JP4182210B2 (ja) ケイ酸塩でコーティングされた酸化チタン複合体の製造方法
JP2004313844A (ja) 有害物質の分解方法
JP4486206B2 (ja) 触媒物質含有機能材およびその製造方法
JP3884503B2 (ja) 有害物質除去剤およびそれを用いた有害物質除去方法
JPH0810619A (ja) オゾン分解用触媒及びオゾン分解方法
JP4577682B2 (ja) 白金化合物を担持した光触媒およびその製造方法
KR100741170B1 (ko) 제올라이트 광촉매종이 및 이의 제조방법
JP2002282704A (ja) 酸化チタン担持光触媒シリカゲルおよびその製造方法
WO2022230343A1 (ja) 臭気物質分解剤、臭気物質分解剤を備えた物品およびそれを用いた臭気物質分解方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060728

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090410

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090421

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091020