JP2001197899A - Gmp−140に特異的な結合を有する糖タンパク質リガンドに対する抗体 - Google Patents

Gmp−140に特異的な結合を有する糖タンパク質リガンドに対する抗体

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JP2001197899A
JP2001197899A JP2000356784A JP2000356784A JP2001197899A JP 2001197899 A JP2001197899 A JP 2001197899A JP 2000356784 A JP2000356784 A JP 2000356784A JP 2000356784 A JP2000356784 A JP 2000356784A JP 2001197899 A JP2001197899 A JP 2001197899A
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ピー. マクエバー ロジャー
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Oklahoma State University
University of Oklahoma
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 GMP-140に特異的な結合を有する糖タンパク
質リガンドに対する抗体を提供すること。 【解決手段】 GMP-140に特異的な結合を有する糖タン
パク質リガンドに対する抗体。この糖タンパク質リガン
ドは、シアリルLex部分を含むフコシル化シアリル化糖
タンパク質を含み、そして還元条件下でのSDS-PAGEでの
評価により約120,000の見かけの相対分子量を有する。
この抗体は、GMP-140に対する糖タンパク質リガンドへ
のGMP-140の結合を特異的にブロックするのに有効であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般に、GMP-14
0、ELAM-1およびリンパ球ホーミングレセプターを含む
セレクチン類(Selectins)との結合反応をともなう炎症
反応の治療法と予防法に関する。
【0002】
【従来の技術】発明の背景 本発明は米国国立心臓、肺臓および血液研究所(Nationa
l Heart, Lung andBlood Institute)の助成金によるも
のであるから、米国政府は本発明に権利をもっている。
【0003】血小板とリンパ球の血管表面への付着は炎
症反応の重要な要素であり、かつ補体系、凝血系および
免疫系の同時におこる相互に関連する活性化を伴う一連
の複雑な反応の一部である。
【0004】トロンビンおよびヒスタミンのような「迅
速」活性化因子に暴露された内皮は2〜10分以内に好中
球に対して付着性になるが、一方腫瘍壊死因子およびイ
ンターロイキン−1のようなサイトカイン類に暴露され
た内皮は、1〜6時間後に付着性になる。迅速な内皮依
存性のリンパ球の付着は、細胞表面での脂質媒介物血小
板活性化因子(PAF)の発現と関連があり、およびおそ
らくその他の内皮リンパ球の表面レセプターの出現と関
連がある。サイトカインで誘発される、内皮のリンパ球
に対するゆっくりした付着は、少なくとも一部分は、内
皮細胞レセプターのELAM-1で媒介される。このELAM-1は
内皮細胞がサイトカイン類に暴露された後に合成され、
次いで細胞表面に輸送され、そこで好中球を補足する。
ELAM-1の単離、特性決定およびクローニングについて
は、BevilacquaらがScience 243巻、1160〜1165頁、19
89年で概説している。末梢リンパ節ホーミングレセプタ
ーは、「ネズミMel 14抗原」、「Leu8」、「Leu8抗原」
および「LAM-1」とも呼ばれるが、末梢リンパ節において
高内皮性小静脈にリンパ球を結合させる好中球、単球お
よびリンパ球上の別の構造体である。このタンパク質の
特性決定とクローニングについては、Laskyら、Cell 56
巻、1045〜1055頁、1989年(マウス)およびTedderら、
J.Exp.Med. 170巻、123〜133頁、1989年に概説されて
いる。
【0005】GMP-140(顆粒膜タンパク質140)はPADGEM
として知られているが、システインに富んだ、強くグリ
コシル化された膜内存在性糖タンパク質であり、ドデシ
ル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動法(S
DS-PAGE)で測定した見かけの分子量は140,000である。G
MP-140は、McEverとMartinが最初にヒト血小板から精製
した(J.Biol.Chem.259巻、9799〜9804頁、1984年)。こ
のタンパク質は、Stenbergら(1985年)が報告している
ように、休止血小板のα顆粒中に存在しているが血小板
を活性化してから迅速に細胞膜に再分布される。GMP-14
0が内皮細胞内に存在しこれらの細胞によって生合成さ
れることは、McEverら、Blood70(5)Suppl.1:355a,Abst
ract No.1274(1987年)に報告された。内皮細胞中で、G
MP-140は、ワイベルパレイド(Weibel-Palade)体として
知られている貯蔵顆粒に見られる。またGMP-140(PADGEM
と呼ばれている)は、活性化された血小板と、好中球お
よび単球との相互作用も媒介すると報告されている(Lar
senら、Cell 59巻、305〜312頁、1989年10月およびHamb
urgerとMcEver、Blood 75巻、550〜554頁、1990年)。
【0006】そのcDNA由来アミノ酸配列は、Johonston
ら、Cell 56巻、1033〜1044頁、1989年3月24日および19
89年3月8日出願の米国特許出願第07/320,408号に報告さ
れたが、独立して折り重なっているようである多数のモ
ジュールドメインを含有していることを示している。N
末端から始まって、これらのドメインは、1つの「レク
チン」ドメイン、1つの「EGF」ドメイン、補体結合タ
ンパク質中のものと類似の9つの縦列共通反復構造、ト
ランスメンブランドメイン(分化スプライシングから得
られる可溶性形を除く)および細胞質テールを含有して
いる。
【0007】血小板もしくは内皮細胞がトロンビンのよ
うな媒介物で活性化されると、貯蔵顆粒の膜は原形質膜
とともに溶解して顆粒性の可溶性内容物が外部環境に放
出され、膜に結合していたGMP-140が、数秒以内に細胞
表面に提供される。GMP-140が活性化された結果血小板
および内皮細胞の表面に迅速に再分布するということ
は、この糖タンパク質が炎症もしくは血管の破裂の部位
で重要な役割をし得るということを示唆している。
【0008】ELAM-1、ホーミングレセプター、およびGM
P-140はその構造と機能が関連していることから「セレ
クチン類」と称されている。
【0009】血小板リンパ球の相互作用のインビボでの
重要性はまだ綿密には研究されていない。しかし血管の
損傷に応答して、血小板は、内皮下面に付着して活性化
され凝血を助けることが知られている。また血小板およ
び他の細胞は、微生物の侵入を防止するためにリンパ球
を創傷内に補充するのに重要な役割を果たす。逆に、リ
ンパ球は、Issekutzら、Lab.Invest.49巻、716頁、1983
年に報告されているように、炎症部位の組織中に血小板
を補充する。
【0010】凝血と炎症の経路は、組織の損傷に応答し
て協調方式で調節される。例えば、活性化された内皮細
胞は、リンパ球に対して付着性になるのに加えて、その
細胞表面に組織因子を発現させ、それらの表面がトロン
ボモジュリンを発現するのを減少させて、最終的に、細
胞表面で凝血反応を起こり易くする。場合によっては、
単一のレセプターが、炎症と凝血のプロセスの両者に関
与できる。
【0011】止血経路と炎症経路に関与するタンパク質
は、ヒトの疾患の診断および治療を行うのに重要であ
る。しかしタンパク質を治療に用いるには多くの問題が
ある。タンパク質は、患者に投与するのに十分であるよ
うに大量生産すると、通常は経費がかかる。更に、タン
パク質を患者に複数回投与した後そのタンパク質に対す
る反応が起こり得る。従って、対象のタンパク質と同じ
かまたはより優れた活性を有し、安価に合成可能で、再
現性があり、比較的無害なペプチドを開発することが望
ましい。また、インビトロとインビボの両方で用いて、
セレクチン類の結合作用を対象のタンパク質分子と同等
に有効に調節することができて、かつ合成に要する経費
が少なく、より再現性が高く、反応を起こすことが少な
いと考えられる炭水化物の分子を開発することが望まし
い。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、GMP-
140、ELAM-1およびリンパ球ホーミングレセプターを含
むセレクチン類と相互に作用するペプチドを提供するこ
とである。
【0013】本発明の他の目的は、GMP-140に対するリ
ンパ球リガンドの構造に基づいた構造を有し、GMP-140
性付着相互作用を阻害する炭水化物べースの薬剤を提供
することである。
【0014】それ故に本発明の目的は、ELAM-1のような
他のセレクチン類とは全く異なるセレクチンである、GM
P-140に対するレセプターの一部を形成する炭水化物構
造体を提供することである。
【0015】本発明の他の目的は、これらのペプチドお
よび炭水化物構造体を用いてリンパ球が内皮もしくは血
小板に付着するのを抑制する方法を提供することであ
る。
【0016】本発明のさらなる目的は、これらのぺプチ
ドおよび炭水化物構造体を用いて免疫応答と止血経路を
調節する方法を提供することである。
【0017】本発明のさらに他の目的は、GMP-140、ELA
M-1およびリンパ球ホーミングレセプターに関する診断
上のアッセイに用いる炭水化物およびペプチドを提供す
ることである。
【0018】本発明のさらに他の目的は、GMP-140に特
異的な結合を有する糖タンパク質リガンドに対する抗体
を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、GMP-14
0への好中球および単球の結合を阻害するGMP-140のレク
チン様ドメイン由来の単離されたペプチドが提供され
る。
【0020】1つの実施態様では、上記ペプチドは、CQ
NRYTDLVAIQNKNE、AENWADNEPNNKRNNED、RKNNKTWTWVGTKKA
LTNE、KKALTNEAENWAD、ならびにGMP-140への好中球およ
び単球の結合を阻害するこれらの部分からなる群から選
択されるペプチドを含む。
【0021】1つの実施態様では、上記ペプチドは、C
Q.RYTDLVAIQNK.E、RK.N..WTWVGT.K.LTEE、AENWADGEPNN
K.N.ED、C...YT.LVAIQNK.E、RK....W.WVGT.K.LT.E、A.N
W...EPNN....ED、および.K.KT.EA.NW..からなる群から
選択され、ここで、”.”は任意のアミノ酸である。
【0022】1つの実施態様では、上記ペプチドは、レ
クチンドメインペプチドのアミノ酸19-34、19-30、23-3
4、21-30、22-30、23-30、54-72、54-63、73-89、73-8
3、73-85、77-89およびその組合せからなる群より選択
されるペプチドを含む。
【0023】1つの実施態様では、上記ペプチドは、キ
ャリヤー分子に結合される。
【0024】1つの実施態様では、上記ペプチドは、身
体へ移植するために不活性基質に結合される。
【0025】1つの実施態様では、上記ペプチドは、患
者へ投与するために、受容可能な薬学的キャリヤー中に
ある。
【0026】1つの実施態様では、上記ペプチドは、蛍
光、放射、および酵素標識からなる群から選択される検
出可能な標識をさらに含む。
【0027】本発明によれば、α1,3−フコシル化、α
2,3−シアル化ラクトサミノグリカン構造を含む、セレ
クチンに結合する単離された炭水化物が提供される。
【0028】1つの実施態様では、上記炭水化物は、シ
アリルLex、ジフコシルシアリルLex、およびより長いポ
リフコシル化ポリアクトサミノグリカン(polyactosamin
oglycans)からなる群から選択される。
【0029】好ましい実施態様では、上記炭水化物は、
NeuAcα2,3Galβ1,4(Fucα1,3)GlcNAcβ1-Rであり、そ
してRはタンパク質または他の炭水化物構造である。
【0030】別の実施態様では、上記炭水化物は、タン
パク質をさらに含む。
【0031】別の実施態様では、上記炭水化物は、GMP-
140の単球および好中球への結合を阻害する。
【0032】好ましい実施態様では、上記炭水化物は、
ELAM-1の血小板および内皮細胞への結合を阻害しない。
【0033】別の実施態様では、上記炭水化物は、身体
へ移植するために不活性基に結合される。
【0034】別の実施態様では、上記炭水化物は、患者
へ投与するために受容可能な薬学的キャリヤー中にあ
る。
【0035】別の実施態様では、上記炭水化物は、蛍
光、放射および酵素標識からなる群から選択される検出
可能な標識をさらに含む。
【0036】本発明によれば、GMP-140の結合を阻害し
て生物学的機能を変化させるペプチド、GMP-140に結合
される炭水化物、およびGMP-140のレクチンドメインか
ら単離されたペプチドからなる群から選択される物質の
有効な量を投与することを含む、炎症応答を調節する方
法が提供される。
【0037】1つの実施態様では、上記ペプチドは、好
中球のGMP-140への結合を阻害するGMP-140のレクチン様
ドメイン由来のペプチドから選択される。
【0038】好ましい実施態様では、上記ペプチドは、
CQNRYTDLVAIQNKNE、AENWADNEPNNKRNNED、RKNNKTWTWVGTK
KALTNE、KKALTNEAENWAD、および好中球のGMP-140への結
合を阻害するこれらの部分からなる群から選択される。
【0039】別の好ましい実施態様では、上記ペプチド
は、CQ.RYTDLVAIQNK.E、RK.N..WTWVGT.K.LTEE、AENWADG
EPNNK.N.ED、C...YT.LVAIQNK.E、RK....W.WVGT.K.LT.
E、A.NW...EPNN....ED、および.K.KT.EA.NWからなる群
から選択され、ここで、”.”が任意のアミノ酸であ
る。
【0040】別の実施態様では、上記ペプチドは、レク
チンドメインペプチドのアミノ酸19-34、19-30、23-3
4、21-30、22-30、23-30、54-72、54-63、73-83、73-8
9、73-85、77-89およびその組合せからなる群より選択
される。
【0041】別の実施態様では、上記物質をキャリヤー
分子に結合する工程をさらに包含する。
【0042】別の実施態様では、身体へ移植するために
不活性基質に上記物質を結合する工程をさらに包含す
る。
【0043】別の実施態様では、上記物質と、患者に投
与するために受容可能な薬学的キャリヤーとを組み合わ
せる工程をさらに包含する。
【0044】別の実施態様では、蛍光、放射および酵素
標識の群から選択される検出可能な標識で、上記物質を
標識する工程をさらに包含する。
【0045】別の実施態様では、インビボにおける半減
期を増大させるために、上記物質を化学的に改変する工
程をさらに包含する。
【0046】好ましい実施態様では、上記キャリヤー
は、マイクロスフェア、マイクロカプセル、およびリポ
ソームからなる群から選択される。
【0047】別の実施態様では、上記炭水化物は、α1,
3-フコシル化、α2,3-シアル化ラクトサミノグリカン構
造、糖タンパク質、および炭水化物または糖タンパク質
に対する抗体からなる群から選択され、この方法は、炎
症応答を調節する。
【0048】好ましい実施態様では、上記炭水化物は、
シアリルLex、ジフコシルシアリルLex、およびより長い
ポリフコシル化ポリアクトサミノグリカンからなる群か
ら選択される。
【0049】より好ましい実施態様では、上記炭水化物
は、NeuAcα2,3Ga1β1,4(Fucα1,3)GlcNAcβ1-Rであ
り、そしてRはタンパク質または他の炭水化物構造であ
る。
【0050】別の好ましい実施態様では、上記炭水化物
は、GMP-140の単球および好中球への結合を阻害する。
【0051】別の好ましい実施態様では、上記炭水化物
は、ELAM-1の血小板および内皮細胞への結合を阻害しな
い。
【0052】別の好ましい実施態様では、上記炭水化物
は、GMP-140およびELAM-1の結合を阻害し、GMP-140また
はELAM-1の結合を実質的に阻害するのに有効な量の炭水
化物を投与する工程を含む。
【0053】別の実施態様では、上記炎症応答は、腫瘍
に対するものであり、上記物質は、該腫瘍の転移を阻害
するのに有効な量で投与される。
【0054】本発明により、セレクチンに結合する単離
された炭水化物に対する抗体であって、該炭水化物が、
α1,3-フコシル化、α2,3−シアル化ラクトサミノグリ
カン構造を含む、抗体が提供される。
【0055】1つの実施態様では、上記炭水化物は、シ
アリルLex、ジフコシルシアリルLex、およびより長いポ
リフコシル化ポリアクトサミノグリカンからなる群から
選択される。
【0056】別の実施態様では、上記炭水化物は、NeuA
cα2,3Galβ1,4(Fucα1,3)GlcNAcβ1-Rであり、Rはタ
ンパク質または他の炭水化物構造である。
【0057】本発明により、還元条件下でのSDS-PAGEに
よる120,000ダルトンの分子量を有し、O−グリコシル化
のための複数の部位を有する、セレクチンに対するリガ
ンドの単離されタンパク質成分が提供される。
【0058】1つの実施態様では、上記タンパク質はロ
イコシアリンである。
【0059】本発明により、GMP-140に特異的な結合を
有する糖タンパク質リガンドに対する抗体が提供され
る。
【0060】
【発明の実施の形態】発明の要旨 GMP-140のレクチン結合領域の3つの領域由来のペプチ
ドは、GMP-140、ELAM-1およびリンパ球ホーミングレセ
プターを含む「セレクチン類」と選択的に相互に作用す
ることが見い出されている。この3つの領域は、上記ペ
プチドに含有される残基の番号にしたがってアミノ酸番
号19〜34、54〜72および66〜89を含有している。なお残
基1は、シグナルペプチドを切断した後の前記成熟タン
パク質のN末端と定義する。該ペプチドは、長さが5〜
8アミノ酸の短いものであり、標準的な技法で容易に調
製することができる。
【0061】GMP-140と結合する、フコシル化シアル化
(Sialyated)ラクトサミン構造体も発見されている。こ
の構造体は、α(2,3)シアル酸で置換されたラクトサミ
ノグリカン類を含有する受容体を改変できるα(1,3)フ
コシルトランスフェラーゼ類を発現させることによって
生成される。骨髄性細胞には存在するがリンパ球もしく
は赤血球の細胞には存在しない共通の三糖構造体である
LexすなわちGalβ1,4(Fucα1,3)GlcNAcβ1-R(式中Rは
タンパク質もしくは他の炭水化物構造体)が、上記シア
ル酸化構造体のコアを形成している。実際の構造体はシ
アリルLexすなわちNeuAcα2-3Calβ1-4(Fucα1,3)GlcNA
c-Rであってもよい。他の可能な構造体には、ジフコシ
ルシアリルLex、すなわちより長いポリフコシル化ポリ
アクトサミノグリカン(polyfucosylated polyactosamin
oglycan)または類縁の変異体が含まれる。これらの構
造体のいくつかは、種々のアフィニティー度でGMP-140
に結合できる。
【0062】実施例は、これらのペプチドが好中球に結
合してGMP-140が好中球と結合するのを阻害し、IC
50(好中球が固定されたGMP-140に付着するのを50%ま
で阻害するのに必要な投与量)が50から300マイクロモ
ルの範囲内にあることを実証している。その結合親和性
は、EGFドメイン由来配列と、このEGFドメインとレクチ
ンドメインの両方に結合する二価のカオチンを用いて調
節することができる。全セレクチンまたは個々のセレク
チン類、特にGMP-140の結合を阻害するこれらのペプチ
ドの変異体をスクリーニングするのに有用なアッセイも
示してある。
【0063】特異的グリコシルトランスフェラーゼでト
ランスフェクトされたチャイニーズハムスター卵巣(CH
O)細胞系を用いる実施例によって、GMP-140に対するオ
リゴ糖リガンドがシアル化フコシル化構造体であり、そ
のシアル酸の結合がGalへのα2,3結合であり、およびフ
コースの結合はGlcNacへのα1,3結合であり、そのGlcNa
cにCalがβ1,4結合で結合していることが確認されてい
る。
【0064】シアリルLex、ジフコシルシアリルLex、ま
たはより長いポリフコシル化ポリアクトサミノグリカン
変異体(合成で製造するかまたは遺伝子工学で作製した
細胞内で発現させる)を含む本発明のペプチドもしくは
炭水化物の構造体は、診断用薬として有用であり、かつ
適切な医薬用キャリヤーを組合わせて凝血過程もしくは
炎症過程を調節もしくは阻害する臨床の適用に有用であ
る。また本発明のペプチドと炭水化物は、そのアミノ酸
を化学的に改変するかまたはキャリヤー分子もしくは不
活性基質に結合させることによって、改変してインビボ
での半減期を増大することができる。またこれらの構造
体に対する抗体も、診断用薬として、および凝血もしく
は炎症のプロセスの調節に用いる医薬として有用であ
る。
【0065】GMP-140の構造と生合成法を詳細に分析し
た。GMP-140の全アミノ酸配列を、精製された血小板GMP
-140由来のペプチドフラグメントのタンパク質配列決定
の結果を組み合わせ、ヒト内皮細胞のcDNAライブラリー
からGMP-140をコードするcDNAをクローニングすること
によって決定した。GMP-140は、その構造と機能の研究
に基づいて、好中球に対するレセプターとして作用し、
かつ補体タンパク質C3bおよび抗凝血性補因子のプロテ
インSと相互に作用する。
【0066】GMP-140のcDNAとアミノ酸配列 GMP-140に対する遺伝子のクローニングは、G.I.Johnsto
n、R.G.CookおよびR.P.McEverが初めてAbstract 1238 S
upptment IICirculation 78(4)(1988年10月)に報告して
いる。オリゴヌクレオチドを、GMP-140のペプチドのN末
端アミノ酸の配列決定結果に基づいて調製して、ヒト内
皮細胞のcDNAライブラリーをスクリーニングするのに使
用した。727のアミノ酸からなるタンパク質をコードす
る3.0kbのクローンを単離した。多くのシステイン、リ
シンおよびチロシンを含有する118の残基からなるN末端
ドメインは、アシアロ糖タンパク質のレセプターに類似
しているが、このN末端ドメインに、EGF型の反復ドメ
イン構造と、各々62のアミノ酸からなる8つの縦列反復
構造(ただし6番目の縦列反復構造のみ70のアミノ酸で
構成されている)とが続いている。これらの反復構造
は、C3bとC4bを調節するタンパク質を含むタンパク質類
のファミリーに見いだされる反復構造と相同であるが、
1反復構造当り6つの保存システインを含有し、これは
一般に4つの保存システインを含有しているのと異なる
独特の構造である。これらに対して、24のアミノ酸のト
ランスメンブラン領域と35のアミノ酸の細胞質テールが
続いている。同じ遺伝子の転写体、可溶性形と膜または
顆粒結合形を選択的にスプライスすることによってもた
らされる少なくとも2つの形のタンパク質、が存在する
ようである。
【0067】内皮細胞GMP-140の予測アミノ酸配列(図1
AおよびBに示す)には、6つの異なる構造ドメインが
存在することを示唆している。これらの領域の1つは、
C末端の近くにある24残基の疎水性セグメントであり、
メンブランスパニングドメインの特徴を有する。そのタ
ンパク質の大部分はこのドメインのN末端側に位置し、
細胞質外に存在しているようである。すなわち分泌顆粒
のルーメンに体面しているが、または細胞が活性化され
た後、細胞外環境に暴露される。
【0068】N末端から始まる第1のドメインは41の残
基(図1Aに-41から-1の標識をつけて示す)を含有
し、シグナルペプチドの特徴を有する。これらの残基中
にはいくつかの正の電荷を有するアミノ酸を含有し、次
いで疎水性ドメインが続き、次に極性残基が多い領域が
続いている。-3および-1の位置に見られる電荷をもって
いない小さな残基は、シグナルペプチダーゼによって開
裂される部位に見られる一般的な残基である。その上
に、血小板GMP-140のN末端のアミノ酸配列は、残基1
から27の27個の位置のうち25個が内皮細胞の推定配列に
一致している。
【0069】シグナルペプチドに続いて、翻訳されるcD
NA配列によって、789の残基で構成された成熟タンパク
質が予測される。血小板GMP-140ペプチドの配列を内皮
細胞の推定配列とを比べると、341の帰属アミノ酸のう
ち337が一致することが分かったが、このことは、両方
の細胞型が同じタンパク質を合成することを示唆してい
る。
【0070】共通配列NxS/Tを有する、12の潜在的アス
パラギン連結グリコシル化部位がある。これらはすべて
分子の細胞質外の部分に位置しており、かつ血小板GMP-
140の炭水化物の組成に基づいてグリコシル化されてい
るようである。その成熟タンパク質は、全アミノ酸の8
%を占める65のシステインを含有している。これらの大
部分はジスルフィド架橋で組織化されていると予測され
るが、その理由は、ヨードアセトアミドで処理した非還
元GMP-140の試料中にごく少量のカルボキシメチルシス
テインを同定できるからである。
【0071】第2のドメインは残基1から始まり、その
成熟タンパク質の最初の118のアミノ酸が含まれる。こ
の領域は、リシン(12%)、チロシン(10%)、アスパ
ラギン(13%)およびトリプトファン(6%)の残基を
豊富に含有している。GMP-140のこの領域は、このモチ
ーフを有するタンパク質の多くが炭水化物を結合するの
で「レクチンドメイン」と称される。
【0072】第3のドメインは残基119から始まり、6
つのシステインを含有する40のアミノ酸の配列を有す
る。GMP-140のこの領域を、NBRFのデータベースの配列
と比較すると、同じシステインの配列を含有する多数の
タンパク質がある。このモチーフで報告された最初のタ
ンパク質は上皮増殖因子(EGF)前駆物質であり、10の
相同コピーを含有している(Grayら、Nature 303巻、23
6〜240頁、1983年;Scottら、Nature 221巻、 236〜240
頁、1983年)。
【0073】第4のドメインは残基159から始まり、各
々62のアミノ酸を含有する9つの縦列共通反復構造で構
成され、その上に、8つの残基と4つの残基の延長部分
がそれぞれ7番目と9番目の反復構造の末端にみとめら
れる。このドメインの境界部は、最初の反復構造の最初
のシステインと推定トランスメンブランドメインの前の
最後の残基とともに任意に設定される。共通配列によ
り、9つの反復構造のうちの少なくとも5つで多数のア
ミノ酸が生成することが分かる。すべて反復構造が6つ
の保存システイン、3つのグリシン、および1つずつの
トリプトファン、フェニルアラニン、プロリン、および
ロイシンを含有している。そのシステイン残基は、「EG
F」ドメインに見られる6つのシステインとは異なるモ
チーフで配列されている。その反復構造は、互いに、ア
ミノ酸レベルで31%から56%同一であり、ヌクレオチド
レベルで42%から62%同一である。反復構造間の配列を
最大にするのにギャップを必要としない。
【0074】第5のドメインは残基731から始まる24残
基の推定トランスメンブランドメインである。この第5
ドメインに続いて第6ドメインがあり、この第6ドメイ
ンは、高電荷を有するいくつかの残基で始まりそのタン
パク質のC末端の残基789で終わる35残基の推定細胞質
セグメントである。セリン、トレオニンおよびチロシン
の残基、ならびに翻訳後に修飾されるかもしれないシス
テインには、ホスホリル化されうる部位がある。
【0075】2つの異なる枠内欠失部(in-frame-delet
ion)が、詳細に試験された4つの内皮細胞クローンの
配列中に同定される。第1の欠失部は186bpである。こ
の欠失によって、第7の共通反復構造から62のアミノ酸
が除かれ、9つの反復構造の代わりに8つの反復構造を
含有するタンパク質が予測される。第2の欠失部は120b
pであり、第9の反復構造の末端の直後の40のアミノ酸
を除去されている。欠失した領域は、トランスメンブラ
ン領域と、細胞質領域の最初のいくつかの残基を含んで
いる。C末端における残りの28の残基は第9の反復構造
の直後に続くと予測される。親水性を示す図(KyteとDoo
little、J.Mol.Biol. 157巻、105〜132頁、1982年)は、
この形態のGMP-140が可溶性であることを予報してい
る。
【0076】GMP-140は、血小板および内皮細胞に存在
するレセプターであり、好中球と単球の表面リガンドに
結合して炎症過程を促進することが実証されている。
【0077】GMP-140は、リンパ球が活性化された内皮
細胞および血小板に付着するためのレセプターとして働
くという結論は、本来次のようないくつかの観察結果に
基づいてなされた。すなわちトロンビンもしくはヒスタ
ミンで刺激された内皮の表面のGMP-140の迅速な出現
が、これらのアゴニストによって刺激された内皮への好
中球の誘発性付着と平行して起こること;GMP-140の細
胞表面への再分布を起こすトロンビンのようなアゴニス
トで血小板を刺激した後だけ起こり、ADPのような血小
板アゴニストでは起こらない、好中球もしくは単球と血
小板との相互作用;リンパ球が内皮を通過して組織へ移
行する前に内皮に結合する主要な部位である後毛細管静
脈におけるGMP-140の濃度;組織培養マイクロタイター
ウェルにコートしたGMP-140に対する精製された好中球
の特異的付着;ヒスタミンによって刺激された培養ヒト
臍静脈内皮細胞への好中球の付着の60〜90%がGMP-140
に対するポリクローナル抗体で阻止されること;GMP-14
0のcDNA由来アミノ酸配列が、ELAM-1、好中球に結合す
ることがすでに知られている内皮細胞タンパク質、およ
びリンパ球ホーミングレセプターのアミノ酸配列に相似
していることである。続く研究によって、Ca2+の存在
下、GMP-140はまた刺激された血小板への好中球の付着
を媒介するが、刺激されていない血小板については媒介
しないことが実証された。血小板の好中球への結合は、
GMP-140に対するモノクローナル抗体および精製されたG
MP-140によって阻害された。
【0078】他の研究によって、GMP-140が、補体系タ
ンパク質であるC3b、および抗凝血性補因子夕ンパク質
であるプロテインSに結合することが実証された。GMP-
140は、血漿タンパク質のC4b結合タンパク質(C4bp)と
配列相同性を共有しており、このC4bpは血漿タンパク質
C4bと相互に作用するのみならずプロテインSと相互に
作用する。
【0079】GMP-140由来のペプチドが、診断用薬とし
て有用であり、およびリンパ球がGMP-140を認識するの
を阻止できるペプチドの治療上の有効量を患者に投与し
て患者の止血応答と炎症応答を調節するのに有用である
ことが発見されたのである。
【0080】また、他のタンパク質、特にELAM-1および
そのホーミングレセプターのレクチンドメインと相同性
のGMP-140のレクチンドメイン内のペプチド配列は、好
中球が精製されたGMP-140に付着するのを選択的に阻害
するので、患者およびこれらの分子による結合性の変化
を特徴とする疾患の診断上のアッセイ、ならびにこの結
合を変化させる化合物のスクリーニングアッセイに用い
ることができ、および凝血および/または炎症の過程を
伴う、リンパ球と、血小板もしくは内皮細胞との相互作
用を抑制もしくは調節するのに臨床上有用に違いないこ
とが発見されたのである。
【0081】GMP-140のcDNA由来の一次構造によって、
血管系におけるGMP-140の機能についていくつかのこと
が分かる。最も注目すべき観察結果は、GMP-140が、血
管細胞にみられ最近クローニングされた2つの他のレセ
プターと構造が著しく類似していることである。
【0082】これらの類似したレセプターの第1のもの
はELAM-1である。ELAM-1は未刺激の内皮中には存在しな
い内皮細胞タンパク質である。しかし、内皮が腫瘍壊死
因子またはインターロイキン−1のようなサイトカイン
類に暴露されると、ELAM-1の遺伝子が転写されてRNAを
産生し、次いでそのRNAはタンパク質に翻訳される。そ
の結果、ELAM-1はタンパク質に翻訳される。その結果、
ELAM-1は、Bevilacquaら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84
巻、9238〜9242頁、1987年に記載されているように、サ
イトカイン類に暴露されてから1-4時間後に内皮細胞
の表面に発現される(顆粒内に貯蔵されて活性化後数秒
以内に細胞表面に現れるGMP-140とは異なる)。ELAM-1
は、好中球が、サイトカインで処理された内皮に付着す
るのを媒介することが判明し、従って、リンパ球をサイ
トカインで刺激された内皮を通過させて組織中へ移行さ
せるのに重要であるらしい。ELAM-1の一次構造は、ELAM
-1が「レクチン」ドメイン、EGFドメインおよび補体調
節タンパク質の反復構造に類似の6つの反復構造(GMP-
140の9つの反復構造の代わりに)、トランスメンブラ
ンドメイン、および短い細胞質テールを含有することを
示している。GMP-140とELAM-1間には、両方のタンパク
質を通じて広範囲の相同配列が存在するが、その相似性
がレクチンドメインとEGFドメインにおいて特に顕著で
ある。
【0083】GMP-140に構造全体が類似している第2分
子は、リンパ球に見出されるホーミングレセプターであ
る。ホーミングレセプターは、高内皮性細胞もしくは高
内皮性小静脈と呼ばれる、リンパ組織中の特殊な内皮細
胞にリンパ球を結合させるリンパ球表面構造体である
(YednockおよびRose,Advances in Immunology 44巻、
F.I.Dixon編集、313〜378頁、Academic Press,New Y
ork,1989年に概説されている)。この結合によって、
リンパ球は内皮を通過してリンパ組織に移行し、そこで
処理された抗原に暴露される。そのリンパ球は次にリン
パ系を通じて血液中に再び入る。そのホーミングレセプ
ターは、レクチンドメイン、EGFドメイン、2つの補体
結合性反復構造、トランスメンブランドメイン、および
短い細胞質テールを含有している。このホーミングレセ
プターも、特にレクチンドメインおよびEGFドメイン
が、GMP-140と広範囲の相同配列を共有している。
【0084】GMP-140,ELAM-1およびこのホーミングレ
セプター(LEU-8)それぞれのレクチンドメイン間の比
較を表1に示す、これらの配列相似性に基づいて、好中
球がGMP-140に結合するのを阻害するペプチドであっ
て、ELAM-1、そのホーミングレセプター、および他の相
同セレクチン類が炎症過程の成分に結合するのを阻害す
るか、または逆にGMP-140の結合だけを阻害するペプチ
ドを選択することが可能なはずである。
【0085】GMP-140に結合するフコシル化シアル化ラ
クトサミン構造体を発見された。この構造体は、α(2,
3)シアル酸置換ラクトサミノグリカンを含有する受容
体を改変することができるα(1,3)フコシルトランス
フェラーゼを発現することによって生成することができ
る。骨髄細胞に存在するがリンパ球もしくは赤血球細胞
には存在しない共通の三糖構造体であるLexすなわちGal
β1,4(Fucα1,3)GlcNAcβ1-R(式中、Rはタンパク質
もしくは他の炭水化物構造)は、上記のシアル化構造の
コアを形成している。実際の構造はシアリルLex、すな
わちNeuAcα2-3Galβ1-4(Fucα1,3)GlcNAc-Rであって
もよい。他の可能な構造には、ジフコシルシアリルL
ex、より長いポリフコシル化ポリアクトサミノグリカ
ン、または類縁の変異体が含まれる。これらの構造体の
いくつかは、種々の親和度でGMP-140に結合できる。
【0086】そのリガンドの炭水化物の部分は、GMP-14
0と相互に作用する、骨髄もしくは他の細胞の1つ以上
のタンパク質に保持されていると考えられる。骨髄の糖
タンパク質は単離されていないが、そのいくつかの特徴
についての予備情報は得られている。
【0087】この構造は、プロテアーゼおよびノイラミ
ニダーゼによる消化、およびトランスフェクトされたCO
S細胞を用いて推定した。
【0088】実施例5に記載したように、好中球をニュ
ーカッスル病ウイルス由来のノイラミニダーゼ、これは
ビブリオ・コレラ(Vibrio cholera)由来のノイラミニ
ダーゼと同様に、シアル酸のα2,3結合を切断するがα
2,6結合を切断しない、で処理することによって結合が
少なくとも部分的に減少するので、リガンド中の重要な
結合の少なくともいくつかにα2,3結合が含まれてい
る。上記両方の型の酵素はともにα2,8結合を切断する
が、骨髄細胞には存在しない。
【0089】実施例6に詳細に記載されているトランス
フェクトされた細胞系についての他のデータは、α2,3
結合のシアル酸を有するシアル化フコシル化ラクトサミ
ンは充分に認識されることを示している。Lexに対する
抗体は、125I[GMP-140]が好中球に結合するのを阻害
しないので、その炭水化物はLexだけではないと考えら
れる。GMP-140と2種の多価ネオ複合糖質の結合を比較
する試験を、シアリルLexもしくはLexを、ウシ血清アル
ブミンに約10:1のモル比にて、高濃度で(6.5μMの複
合体、65μMのオリゴ糖)結合させて行ったが、結合を
阻害することができなかった。このことは、Lexもシア
リルLex自体もリガンドではないか、またはこれらのオ
リゴ糖のGMP-140に対する親和性が非常に低いので、こ
のアッセイでは測定できないことを示唆している。
【0090】GMP-140に対する糖タンパク質のリガンド
の炭水化物の部分は、ELAM-1に対する糖タンパク質リガ
ンドの炭水化物の部分と類似しているかまたは同じであ
るとはいえ、阻害物の試験がGMP-140とELAM-1の認識特
異性に差があることを示すことは確かである。これらの
ことは、各セレクチンによって認識されるオリゴ糖の構
造のわずかの差、または同じ構造体に結合する親和性の
差が原因である。
【0091】本願に記載されていないオリゴ糖構造もGM
P-140と相互に作用することができる。例えば、α2,6シ
アル酸結合を有するシアル化フコシル化ラクトサミノグ
リカンは結合するかもしれないが、この構造は真核細胞
については報告されていない。
【0092】シアル化フコシル化ラクトサミン、または
多数のシアル化フコシル化ラクトサミンは多数のシアル
化フコシル化ラクトサミンが結合した炭水化物もしくは
タンパク質の分子を用いて、GMP-140のリガンドヘの結
合をインビボで操作することが可能である。単一の分子
に結合した多数シアル化フコシル化ラクトサミンを使用
すれば、天然のリガンド以上に、人工の分子に対してGM
P-140の親和性を増大させることができる。
【0093】
【実施例】以下の実施例によって上記の結論をもたらし
た物質、方法および試験結果をさらに説明するが本発明
を限定するものではない。 実施例1:GMP-140のレクチンドメイン由来のペプチド
による、好中球の固定化GMP-140への結合の競合阻害の
証明。
【0094】分子内部に引っ込んでいると予想される2
つの疎水性ストレッチを除いて、レクチンドメインの11
8個の残基のほとんどすべてにまたがる一連のペプチド
を合成することにより、GMP-140レクチンドメインの役
割をテストした。また、レクチンドメインにつづくEGF
様ドメイン(36個の基)を含むペプチドをも合成した。
また対照として、分子の共通反復構造、トランスメンブ
ラン領域、およびC末端(細胞質テール)のうちのひと
つから、ペプチドを得た。レクチンドメイン由来の活性
ペプチドを表1に示す。表1はまたELAM-1およびホーミ
ングレセプターであるLEU-8のレクチンドメインの関連
する配列の配置をも示す。t-Bocの化学的特性を利用し
たApplied Biosystems Model 430A自動ペプチド合成機
か、または、Fmocの化学的特性を利用したDupont RAMPS
手動ペプチド合成機かのいずれかで、ペプチドを調製し
た。合成が行われた樹脂からの開裂後、逆相高性能液体
クロマトグラフィーにより、すべてのペプチドを精製し
た。
【0095】プラスチックウェル上に固定化された精製
GMP-140への好中球の付着を阻害する、ペプチドの能力
を調べるために、Gengら、Nature 343、757-760(1990)
に記載のアッセイを用いて、ペプチドをスクリーニング
した。
【0096】Flow Laboratories製Mono-Poly分離媒体に
おける密度勾配遠心分離法により、ヒト好中球をヘパリ
ン処理した全血から単離する。好中球懸濁液は、98%よ
り高い純度およびトリパンブルー排除法による95%より
高い生存度を有する。付着アッセイのために、好中球
を、5mg/mlヒト血清アルブミン(HBSS/HSA)と共に1.26
mM Ca2+および0.81 mM Mg2+(HBSS,Gibco)を含むハン
クス平衡塩類溶液中に、2×106細胞/mlの濃度で懸濁す
る。付着アッセイを、Corning製96ウェルマイクロタイ
タープレートにおいて3回行い、様々なタンパク質溶液
50マイクロリットルを用いて4℃で一晩インキュベート
する。
【0097】以下のように、抗体S12-セファロースTM
のイムノアフィニテイークロマトグラフィーおよびMono
-QTMカラム(FLPC, Pharmacia Fine Chemicals)でのイ
オン交換クロマトグラフィーにより、GMP-140をヒト血
小板溶解産物から単離する。
【0098】血液銀行から得て4℃で貯蔵した使用期限
の過ぎたヒト血小板パック(100ユニット)をプール
し、pH7.5の5mM EDTAに調整し、1リットルボトル中で3
0分間、4,000rpmで遠心分離する。次いで、0.1M NaCl、
20mMトリス pH7.5(TBS)、5mM EDTA、5mMベンズアミジン
を含む1リットル溶液で3回洗浄する。
【0099】次に、ペレットを最小量の洗浄緩衝液中に
再懸濁し、DIFP中で1mMにし、次いで、-80℃で50mlスク
リュートップ管中で冷凍させる。
【0100】冷凍ペレットを解凍し、50ml TBS、5mMベ
ンズアミジン、5mM EDTA pH7.5、100Mロイペプチンを含
む溶液中に再懸濁する。懸濁液を、600ml凍結解凍フラ
スコを用いてドライアイス−アセトン浴中で2回冷凍お
よび解凍し、次いで、ガラス/テフロン(登録商標)乳
鉢中で乳棒を用いてホモジナイズし、DIFP中で1mMにす
る。4M NaClの貯蔵溶液を用いて、NaClの濃度を0.5M
に調整する。懸濁液を4℃で撹拌した後、4℃で60分
間、33,000rpmでポリカーボネート管中で遠心分離す
る。上澄み(0.5M NaCl洗浄液)を取り出し貯蔵する。
この上澄みは、可溶形態のGMP-140を含む。上澄みと共
にペレットの上部を除去しないように注意する。次い
で、抽出緩衝液(TBS、5mMベンズアミジン、5mM EDTA p
H7.5、100Mロイペプチン、2%トリトンX-100)中でペ
レットをホモジナイズする。4℃で25分間、19,500rpm
で遠心分離した後、上澄みを取り出す。この抽出手順を
ペレットを用いて反復し、上澄みを最初の上澄みと合せ
る。メンブラン形態のGMP-140を含む混合抽出物を、0.5
M NaClに調整する。
【0101】可溶画分(0.5M NaCl洗浄液)およびメン
ブラン抽出画分(これもまた0.5MNaClに調整している)
を、前もって4℃で2時間、5mg/mlのAffigel(アフィゲ
ル)(Biorad)にカップリングしておいたモノクローナル
抗体S12(ヒトGMP-140に対する)の別々のプールを用いて
吸収させる。樹脂を沈降させた後、上澄みを除く。次い
で、結合GMP-140を含むS12アフィゲルをカラムに充填
し、0.5M NaCl、20mMトリス pH7.5、0.01% Lubrol(ル
ブロール)PXを含む400ml溶液を用いて4℃で一晩洗浄
する。
【0102】80%エチレングリコール、1mM MES pH6.
0、0.01%ルブロールPXを含む100ml溶液を用いて、S12
アフィゲルから結合したGMP-140を溶出する。280nmにお
いて吸光度がピークである画分をプールする。溶出液
を、0.05%ルブロール(Lubrol)を含むTBSに対して透
析し、次いで、Mono Qカラム(PharmaciaのFPLC)にか
ける。濃縮タンパク質を、2M NaCl、20mMトリスpH7.5
(およびメンブラン画分用の0.05%ルブロールPX)を含
む溶液を用いて段階的に溶出する。ピーク画分をTBS pH
7.5(およびメンブラン画分用の0.05%ルブロールPX)
を含む溶液に透析する。
【0103】GMP-140を、5マイクログラム/mlにプレ
ートし、対照タンパク質、すなわち、ヒト血清アルブミ
ン(Alb)、血小板糖タンパク質IIb/IIIa(IIb)、フォン
ビルブラント因子(vWF)、フィブリノーゲン(FIB)、
トロンボモジュリン(TM)、ゼラチン(GEL)またはヒ
ト血清(HS)を50マイクログラム/mlで添加する。すべ
てのウェルを、10mg/ml HSAを含む300マイクロリットル
HBSSを用いて、22℃で2時間ブロックし、次いで、0.1
%Tween-20を含むHBSSで3回洗浄し、HBSSで1回洗浄す
る。細胞(ウェル毎に2×105個)をウェルに添加し、2
2℃で20分間インキュベートした。次いで、ウェルをHBS
S/HSAで満たし、アセテートテープ(Dynatech)で密封
し、5分間150gで遠心分離してひっくり返した。非付着
細胞および上澄みを廃棄した後、各ウェルの含有物を、
Sigma製0.5%臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム
の50mMリン酸カリウム溶液pH6.0、200マイクロリットル
を用いて可溶化し、Leyら、Blood 73, 1324-1330(198
9)に記載のように、ミエロペルオキシダーゼ活性につ
いてアッセイする。結合した細胞の数を、ミエロペルオ
キシダーゼ活性対細胞の数の標準曲線から導き出した。
すべてのアッセイ条件下において、細胞は、全ミエロペ
ルオキシダーゼおよび乳酸デヒドロゲナーゼの5%未満
を放出した。結果を表1に示す。負の対照としてのC末
端ペプチド(GMP-140のアミノ酸残基761-777)の存在下
で、100%の付着が見られ、この値は、細胞にペプチド
も抗体も添加されない対照の場合と同じである。5%と
いう値は特異的付着の95%が阻害されたことを意味する
ので、阻害を、より低い付着率と解釈する。
【0104】GMP-140のEGFドメイン由来のペプチドは、
どれも付着を阻害しなかった。しかし、レクチンドメイ
ンの3つの非隣接領域由来のペプチドは、付着を阻害し
た。そのレクチンドメイン由来の3つの領域とは、アミ
ノ酸19から34、アミノ酸54から72、アミノ酸73から89、
およびアミノ酸66-78の重複ペプチドである。アミノ酸
は、ペプチドに含まれる残基の数に基づいて番号付けら
れ、残基1は、シグナルペプチドの開裂後の成熟タンパ
ク質のN末端と定義づけられる。
【0105】現在、活性を有することが知られている、
これらの配列に由来する最も短いペプチド配列は、それ
が由来するレクチンドメインの面積にある程度依存して
変化する、8個から13個のアミノ酸の範囲にある。より
短いペプチドのいくつかは、より長いペプチド配列より
も高い活性を有する。この時点で特徴づけられる最も短
い活性ペプチドは、レクチンドメインアミノ酸23から30
であり、レクチンドメインアミノ酸19から34由来のもの
である。このペプチドは、ELAM-1中の単一のアミノ酸の
違いを除いて、GMP-140、ELAM-1、およびホーミングレ
セプターの間で同一であり、従って、3個のセレクチン
すべてによって媒介された細胞−細胞接触を阻害する。
現時点で周知の、レクチンドメインアミノ酸54から72由
来の最も短い活性ペプチドは、アミノ酸54から63であ
る。現時点で周知の、レクチンドメインアミノ酸78-89
由来の最も短い活性ペプチドは、アミノ酸73から83であ
る。さらに、アミノ酸66から78にまたがる重複ペプチド
は、非常に活性が高い。アミノ酸66から83にまたがる領
域から、2つの、活性があってより短い、非重複ペプチ
ドを設計することが可能であり得る。
【0106】表1に示すように、これらの領域のいくつ
かは、他の領域よりも、セレクチンの間でより高度に保
存されている。その結果、全セレクチンを含む、相互作
用を調節するための高度に保存された領域由来のペプチ
ドを用いること、およびGMP-140のみを含む、相互作用
を調節するためのセレクチンの間でより低い程度で保存
されている領域からのペプチドを用いることが可能であ
る。例えば、レクチン領域19-34(残基23-30)の中心コ
アは、3つの分子の間で非常に高度に保存されている。
対照的に、レクチン領域54から72由来のアミノ酸配列54
から60は、セレクチンの間で多くの違いを有する。
【0107】
【表1】 a.固定化GMP-140に結合した細胞の数を、Gengら、Nat
ure 343:757-760(1990)に記載のように決定した。対照
C末端ペプチド(残基761-777)の存在下において結合
した細胞の数を100%に標準化した。この値は、ペプチ
ドを含まないときに観察されたものと同一であった。ペ
プチドによる付着の阻害は、100%よりも大幅に低い付
着値により示される。例えば、5%という値は、対照に
おいて見られる付着が95%阻害されたということを示
す。すべてのペプチドを加えて、1.5mMという最終濃度
にした。
【0108】実施例2:GMP-140のレクチンドメイン由
来のペプチドによる、固定化GMP-140へのモノクローナ
ル抗体の結合の競合阻害の証明。
【0109】実施例1は、GMP-140のレクチンドメイン
の3つの領域由来のペプチドが、表面に固定化されたGM
P-140に対する好中球の結合を阻害するということを示
す。そのペプチドがまた、固定化GMP-140に対するモノ
クローナル抗体の結合をも阻害するかどうかを決定する
ための研究も行った。
【0110】GMP-140に対する好中球の付着をブロック
する3つのモノクローナル抗体(mAb)を発生させ、G
1、G2、およびG3と命名した。精製タンパク質を用いた
競合ELISAに基づいて、G1、G2、およびG3は各々、異な
る、または部分的に重複したエピトープを認識する。1.
5mMペプチドを、2.5マイクログラム/mlの濃度でビオチ
ニル化mAbに添加し、次いで、得られた物質を、実施例
1に記載のように、GMP-140を含むウェルに添加した。
結合を、アビジン検出システムを用いたELISAにより測
定した。
【0111】モノクローナル抗体を、以下のようにビオ
チニル化した。0.5mlの精製IgG抗体(PBS中に1mg/ml、pH
7.4)に、3.2mM N−ヒドロキシスクシンイミドビオチ
ンのジメチルスルホキシド溶液50μlおよび1M NaHC0
3 50μlを添加した。室温で2時間、暗所でインキュベ
ートした後、50μlの1M NH4Clにより反応を停止し
た。次いで、PBS中で平衡させたPD-10カラム上でゲル濾
過して、ビオチニル化抗体を他の成分から分離した。EL
ISAを以下のように行った。全工程を室温で行った。
【0112】1.5mMペプチドを有するまたは有さない、
ビオチニル化抗体(2.5μg/ml)を、実施例1に記載のよ
うに、GMP-140によりコートしたウェルでインキュベー
トした。2時間インキュベートした後、抗体を除去し、
ウェルを洗浄し、そして、HBSS/HSA中で1:1,000に希
釈した、ホースラディッシュペルオキシダーゼと結合し
たステップアビジン(stepavidin)(Pierce)0.1mlを3
0分間添加した。次いで、ウェルを洗浄し、ペルオキシ
ダーゼ基質(Pierce)0.1mlを15分間添加した。呈色反
応を405nmにおいて読み取った。結果を表2に示す。
【0113】
【表2】 a.固定化GMP-140を含むマイクロタイターウェルに溶液
を添加する前に、ペプチド(1.5mM)をmAb(2.5マイク
ログラム/ml)に添加した。 b.固定化GMP-140へのビオチニル化mAb G1、G2、または
G3の結合を、アビジン検出システムを用いたELlSAによ
り測定した。 c.G1、G2、およびG3は、固定化GMP-140への好中球の
付着を防止する、GMP-140に結合する抗体である。
【0114】実施例3:好中球の固定化GMP-140への結合
の、ペプチドによる阻害に対する、濃度の影響。
【0115】GMP-140のレクチン様ドメイン由来のペプ
チドを、実施例1に記載のアッセイにおいて、固定化GM
P-140への好中球の付着を阻害する、前記ペプチドの能
力をアッセイした。テストした濃度は、0.1mMから1.5mM
の範囲であった。
【0116】4つのペプチドに関する結果を図2に示
す。GMP-140レクチンドメイン、すなわち、アミノ酸66-
78、アミノ酸73-83、アミノ酸54-63、およびアミノ酸23
-30由来のペプチドが、投与量に依存して結合を阻害し
たということは明白である。付着を50%阻害するために
必要なペプチドの投与量であるIC50は、ペプチドによっ
て、約50μMから約300μMの範囲内で変化する。これら
の範囲は、例えば、Ruoslaghtiらの米国特許第4,792,52
5号に記載のように、細胞付着および食作用を変更する
ためにインビボで用いられるRGD含有ペプチドとの比較
に基づくと、ペプチドをインビボで投与する際の効果的
な濃度に十分属する。
【0117】実施例4:ペプチドの改変およびGMP-140
への付着力の比較 いくつかの場合においては、インビボで分子の半減期を
増大させるために、アミノ酸自身の変更、またはキャリ
ヤー分子への付着により、ペプチドを改変することが必
要である。
【0118】Pierce Chemicalsから市販されているImje
ctキットのような標準的な手順を用いて、レクチンペプ
チド19-34を、そのN末端システインにより、キャリヤ
ータンパク質キーホールリンペットヘモシアニンに結合
した。次いで、このペプチド−KLH複合体を実施例1に
記載のアッセイでテストし、結合した細胞の数を決定し
た。
【0119】図3(a)および図3(b)は、(1)ペ
プチドをコートしていない、(2)KHLに結合したレク
チンドメインペプチド19-34をコートした、または
(3)KLHに結合した対照カルボキシ末端ペプチド(ア
ミノ酸残基761-777)をコートした、マイクロタイター
ウェルに対して行われ、液相競合体の存在下において、
各ウェルに2×105個の好中球を添加する前に、ヒト血
清アルブミンを含むハンクス平衡塩類溶液によりブロッ
クした、好中球の特異的付着を比較したものである。ウ
ェルに入れる前に好中球に添加した液相競合体は、皆無
(対照)、精製血小板糖タンパク質IIb-IIIa(対
照)、または、精製GMP-140(パネルa);あるいは、
皆無(対照)、1.5mM C末端ペプチド761-777(対
照)、1.5mMレクチンドメインペプチド19-34(パネル
b)であった。
【0120】グラフより、レクチンペプチド−KHL結合
体は、プラスチック上に固定化された場合は、天然のGM
P-140ほど効果的ではないが、好中球の付着を直接支持
するということが明白である。比較のために、ウェルに
200,000個の好中球を添加した時、レクチンペプチド19-
34は40,000個を結合し、GMP-140は120,000個を結合し
た。単にプラスチックヘのペプチドのコートを促進する
ために、ペプチドをKLHにカップリングする。液相精製G
MP-140およびレクチンペプチド19-34を用いるが、他の
タンパク質またはペプチドを用いない、付着に関する競
合能力は、付着が特異的であるということを示す。他の
研究においては、レクチンドメインの他の領域、EGFド
メイン、およびGMP-140の散在した他の領域の多くのペ
プチドは、固定化GMP-140に対する好中球の付着を阻害
しない。
【0121】実施例5:酵素消化によるGMP-140に対す
る「リガンド」または「カウンターレセプター」の特性
付け レクチン19-34ペプチドは、GMP-140の白血球との相互作
用をブロックする3つのモノクローナル抗体すべてがGM
P-140と結合するのを妨げる。これにより、白血球の認
識におけるレクチンドメインの重要性がさらに証明され
る。このデータから、レクチンドメインのコンフォメー
ションがEGFドメインと相互作用することにより調節さ
れ、これらの相互作用は次に、レクチンドメインおよび
EGFドメインの両方に結合し得る二価カチオンにより調
節されることが仮定される。この結果、好中球および単
球上のレセプターに結合する親和性および特異性を付与
する3次元コンフォメーションのレクチンドメインが得
られる。
【0122】好中球を単離し、Ca2+/Mg2+がないHBSSに
1mg/mlのHSAおよび1mMのCa2+を補充した(HBSS/HSA/
Ca)に4×106/mlとなるように懸濁し、使用するまで4
℃で保存した。
【0123】好中球をトリプシンまたはエラスターゼの
いずれかのプロテアーゼで処理して、このレセプターが
プロテアーゼ感受性タンパク質成分を含有しているかど
うかを決定した。HBSS/10mM MOPS、pH7.5(HBSS/MOPS)
中に懸濁した好中球を、2mMのジイソプロピルフルオロ
ホスフェート(DFP)で22℃で10分間、2回処理して、内因
性血清プロテアーゼを不活性化した。次に細胞をHBSS/M
OPSで洗浄し、8分の1容量の8%パラホルムアルデヒド
で22℃で30分間、固定して、次に、8分の1容量の0.5M
グリシン/0.25Mトリス、pH7.5を加えた。固定したHBSS
/MOPS中の好中球(7.5×106/ml)をTPCK−トリプシン
(0.77μM、41U/ml)と一緒に10分間、またはエラスタ
ーゼ(40μM、7.8U/ml)と一緒に30分間、37℃でイ
ンキュベートした。コントロール細胞をDFPまたは緩衝
液のみで予め不活性化した同一濃度の酵素と一緒に同一
の条件下でインキュベートした。インキュベーション期
間の後、DFPを加えて2mMとし、細胞を、400gで5分間
ペレット化した。細胞をHBSS/MOPSで再懸濁し、さらにD
FPを加えて2mMとした。400gで5分間遠心分離した後、
細胞ペレットをHBSS/ヒト血清アルブミン(HSA)/Ca中
に4×106/mlとなるように再懸濁し、[125I]GMP-140
の特異的結合を決定した。0.15M NaCl、50mMアセテー
ト、pH6.0、10mg/ml HSA、9mM CaCl2、0.05%アジ化ナ
トリウム(消化緩衝液)中にDFP処理して固定した好中
球(1.6×107/ml)を、ノイラミニダーゼ、エンド−β
−ガラクトシダーゼ、または緩衝液と一緒に、20μMロ
イペプチン、30μMアンチパイン、0.64mMベンザミジ
ン、および100KlU/mlアプロチニンの存在下で、37℃で
時間を変えてインキュべートした。いくつかのインキュ
べーションでは、消化緩衝液に溶解した0.5から20mMの
ノイラミニダーゼインヒビターNeu2en5Acを加えてイン
キュベーションした。このような濃度では、インヒビタ
ーによる反応混合物のpHへの影響はなかった。酵素によ
る処理の後、細胞を冷たいHBSS/HSA/Caで2回洗浄し、H
BSS/HSA/Ca中に4×106/mlとなるように再懸濁して、
その後、[125I]GMP-140の結合を測定した。使用した
NDVノイラミニダーゼはウィルス粒子の懸濁液であっ
た。これら粒子の各々は約103個のノイラミニダーゼ分
子を含有し、一方、V.cholerae酵素は溶液中に存在す
る。
【0124】[125I]GMP-140の好中球への結合はプロ
テアーゼによって4から5%に減少したが、ジイソプロ
ピルフルオロホスフェートで不活性化されたエラスター
ゼまたはトリプシンによっては減少しなかった。これに
より、GMP-140に対する白血球カウンターレセプターの
少なくとも実質的なフラクションは、プロテアーゼ感受
性タンパク質成分を含有、またはこれに結合することが
示される。
【0125】Vibrio cholera(Boehringer-Mannheim Bi
ochemicals, Indianapolis, IN)またはニューカッスル
病ウィルス(NDV)(Paulson,J.C.,ら、J.Biol.Chem. 25
4:2120-2124(1979)に記載のように単離)のいずれかから
得られるノイラミニダーゼ、およびBacteroides fragil
is(Boehringer-Mannheim)から得られるエンド−β−ガ
ラクトシダーゼにより、好中球を処理した。V.cholera
から得られるノイラミニダーゼはα2-3-、α2-6-、α2-
8-結合したシアル酸を開裂させる。NDVノイラミニダー
ゼは、α2-3-およびα2-8-結合したシアル酸のみを開裂
させる。
【0126】好中球をVibrio choleraから精製したノイ
ラミニダーゼで処理すると、125[GMP-140]のヒト好中
球への結合、および好中球の固定化GMP-140への付着の
両方が著しく減少した。これにより、シアル酸残基がGM
P-140に対する白血球のカウンターレセプターの実質的
な成分を構成することがわかる。0.1からO.2U/mlのV.ch
oleraまたはNDVノイラミニダーゼと一緒に10から30分間
インキュベートすると、GMP-140の特異的な結合は、偽
処理されたコントロールと比較すると各々28±9および
52±9%(平均値±標準偏差、n=7)に減少した。こ
の効果はノイラミニダーゼ調整物中の内因性好中球プロ
テアーゼまたはプロテアーゼの混入のいずれかによるも
のであるという可能性を最小限にするために、好中球を
固定化する前にDFPで処理し、内因性血清プロテアーゼ
を不活性化した。そして、10mg/ml HSAおよびいくつか
のプロテアーゼインヒビターの存在下でノイラミニダー
ゼをインキュベーションした。ノイラミニダーゼ効果の
特異性はさらに、ノイラミニダーゼの競合インヒビター
Neu2en5Acが、GMP-140の好中球への結合がノイラミニダ
ーゼにより減少するのを阻止し得ることにより示され
た。Neu2en5Acは、用量依存的にノイラミニダーゼの効
果を阻害し、IC50は2.5mMであった。
【0127】これらの結果により、GMP-140に対する白
血球上のカウンターレセプター、またはリガンドは糖タ
ンパク質であり、ここでは、レセプター機能のためには
シアル酸が必要であることが示される。好中球はα2-3-
およびα2-6-結合したシアル酸を共に含有するが、α2-
8-結合は検出されていない。NDVノイラミニダーゼで処
理した後、GMP-140の結合が一部失われることから、レ
セプター中のシアル酸結合の少なくともいくつかはα2-
3-型であることが示唆される。V.cholera酵素を使用し
てさらに大きな阻害が観察されたことは、α2-6-結合が
またレセプター機能のためにも必要であることを意味し
得、または、これらの結果は、無傷ウィルスの成分であ
るNDV酵素によって本質的な結合のすべてに接近し得な
いためであり得る。
【0128】赤血球細胞およびリンパ球細胞とは対照的
に、骨髄細胞は、α2-3-またはα2-6-結合シアル酸を末
端とし得るポリラクトサミノグリカンが豊富である。こ
れらラクトサミノグリカンの多くはフコシル化されてい
る。これらの構造は好中球の糖タンパク質および糖脂質
の両方に存在する。GMP-140の認識におけるこれらグリ
カンの可能な役割を調べるために、細胞を、糖タンパク
質の分枝していないポリラクトサミニル側鎖のガラクト
ースとN−アセチルグルコサミン(Galβ1-4GlcNAc)と
の間のβ1−4結合を加水分解するエンド−β−ガラク
トシダーゼで処理した。固定した好中球をO.2U/mlまで
のE.freundiiエンド−β−ガラクトシダーゼで30分間、
または0.4U/mlまでのB.fragilisエンド−β−ガラクト
シダーゼで60分間、前処理してもGMP-140の特異的結合
に対する影響はなかった。これらの酵素が結合に影響を
与えないことは、GMP-140を認識する構造がポリラクト
サミン側鎖上には存在しないことと一致する。別の可能
性として、および恐らくより高い可能性として、関連す
る側鎖はこれらの条件下では酵素による加水分解に対し
て非感受性であり得る。分枝したポリラクトサミノグリ
カンは好中球には存在しないが、高度にフコシル化した
および/または分枝したポリラクトサミノグリカンはこ
の酵素による加水分解に耐性である。さらに、N−また
はO−結合構造のコアに直接結合する単一のラクトサミ
ノグリカンは酵素に耐性であり得る。
【0129】実施例6:シアル化したフコシル化構造が
GMP-140に結合するための必要条件 以下の研究は、ジョージア大学のRichard Cummingsによ
りチャイニーズハムスターの卵巣細胞、すなわちCHO細
胞を使用して行われた。使用した細胞系には、Ade-C細
胞および特異的グリコシルトランスフェラーゼで永久に
トランスフェクトされたAde-C細胞が含まれる。Ade-C細
胞は、これらが非常に低レベルの内因性α(1,3)フ
コシルトランスフェラーゼを含有するために選択され
た。これらの細胞は以下に述べる研究では野生型細胞と
呼ばれる。トランスフェトされた細胞は、野生型細胞上
には存在しない特定の型のオリゴ糖を発現する。Lec8 C
HOと呼ばれる、使用する別のCHO細胞系にはUDPGalに対
するトランスポーターを欠く。この結果、細胞にはガラ
クトシル化およびシアル化した複合糖質がない(Deutsc
herおよびHirschberg、J.Biol.Chem. 261:96-100,198
6)。これらのいくつかの細胞に存在するオリゴ糖構造お
よびその細胞の型を表3に示す。関連する細胞として
は、野生型細胞(CHO)、ネオルイス(Neo Lew)、ネオルイ
ス関連細胞(Neo Lew(rel))、およびLec8 CHO細胞(Lec8)
がある。
【0130】
【表3】 以下の方法を用いて細胞を培養およびトランスフェクト
した。
【0131】CHO系のAde-C(0atesおよびPatterson、So
m. Cell Genet. 3:561-577(1977);Van Keurenら、Am.J.
Hum.Genet.38:793-804(1986))を、10%のウシ胎児血
清を補充したα−改変イーグル培地で増殖させた。トラ
ンスフェクトされたCHO細胞を、400μg/mlのG418(GI
BC0)(活性薬剤)を補充した培地で増殖させた。
【0132】前述のように、Ade-C CHO細胞をα(1,3/1,
4)フコシルトランスフェラーゼをコードするDNAで安定
にトランスフェクトすることにより、New Lew CH0細胞
を調製した(Loweら、Cell 63:475-484,1990、この文
献ではこの細胞をCH0-FTと呼んだ)。野生型CHO細胞
を、GDPフコースが非シアル化ラクトサミノグリカンの
みに転移するのを触媒するα(1,3)フコシルトラン
スフェラーゼをコードするDNAで同様の方法により安定
にトランスフェクトすることにより、Neo Lew(re1)(re
1)関連細胞を調製した。このトランスフェラーゼは、L
oweら、Cell 63:475-484、1990に記載されている。こ
れらトランスフェクトされた細胞系は共にミシガン大学
のDr.John Loweから贈与されたものである。
【0133】GMP-140を含有するセレクチンが結合する
炭水化物に関する結果および結論 野生型CHO細胞およびトランスフェクトされたCHO細胞に
より生成される構造を表3に示す。野生型CHO細胞はGal
β1,4 GlcNAcβ1,3二糖類の単位を繰り返し発現し、こ
れらのうちのいくつかはα2,3結合する末端シアル酸
(NeuAc)を有する。これらはα2,6結合するシアル酸結
合を有せず、またフコース結合を有しない。さらに、こ
れらはII型構造(3Galβ1,4GlcNAcβ1)を合成するが、I
型構造(3Ga1β1,3GlcNAcβ1)は合成しない。NeoLewis細
胞はα1,3(4)フコシルトランスフェラーゼをコードする
cDNAでトランスフェクトされ、これはドナーとしてCDP
フコースを使用し、そしてフコースがGalβ1,4GlcNAc-R
に付加するのを触媒してGalβ1,4(Fucα1,3)GlcNAc-R
を生成させる。これはLex構造である(時には、SSEA-1
抗原としても知られている)。同じ酵素は、フコースを
シアル化基質NeuAcα2,3Ga1β1,4GlcNAc-Rに転移し
て、NeuAcα2,3Galβ1,4(Fucα1,3)GlcNAc-Rを生成す
る。これはシアリルLex構造である。他の2つの関連す
る構造、VIM-2およびジフコシルLexもまた、表に示すよ
うに、NeoLewis細胞および他の多種類のシアル化したポ
リフコシル化ポリ−N−アセチルラクトサミン型構造に
より生成される。NeoLewis関連細胞を、異なるフコシル
トランスフェラーゼである、α1,3フコシルトランスフ
ェラーゼでトランスフェクトした。これは、GDPフコー
スがGa1β1,4GlcNAc-Rの非シアル化基質のみに転移する
のを触媒する。これは、Lex構造を生成する(表3参
照)。
【0134】これらの細胞のGMP-140と相互作用する能
力を試験するために、好中球およびHL60細胞に対して使
用される付着アッセイ(J.-G.Gengら、Nature 343:75
7−760,1990)を僅かに改変した方法を、精製されたGM
P-140およびGMP-140に対するモノクローナル抗体と共に
使用した。GMP-140を濃度を高めながらプラスチックの
ウェルに固定し、次にウェルをアルブミンを含有する緩
衝液でブロックした。[35S]メチオニンで代謝的に標
識されたCHO細胞またはHL-60細胞を、Ca2+の存在下また
は非存在下でウェルに加えて、結合した細胞を可溶化
し、そして放射能を定量することにより付着力を測定し
た。
【0135】結合アッセイの結果を図4A(CHOのGMP-1
40への結合);図4B(Lec 8CHOのGMP-140への結
合);図4C(NeoLewis CHOのGMP-140への結合);お
よび図4D(HL60細胞のGMP-140への結合)に示す。
【0136】Gengら、Nature 343:757-760(1990)に
記載のように、HL-60細胞は、Ca2+に依存的にGMP-140で
コートしたウェルに特異的に結合した。野生型CHO細
胞、Lec 8 CHO細胞、およびNeoLewis関連CHO細胞は結合
しなかった。しかし、HL-60細胞のように、NeoLewis CH
O細胞は、Ca2+に依存的に固定したGMP-140に強く結合し
た。付着は特異的であった。これは、図5に示すよう
に、GMP-140に対するブロッキングモノクローナル抗体
であるG1により阻害されるが、非ブロッキング抗体であ
るS12によっては阻害されなかったためである。付着性
は決定的にシアル酸に依存した。これは、NeoLewis CH0
細胞をVibrio choleraから得られるノイラミニラーゼで
処理することにより、結合が破壊されたためである。Ne
oLewis CH0細胞をトリプシンで予め処理することにより
結合が60%減少した。これにより、細胞上のGMP-140に
対するオリゴ糖リガンドの少なくとも実質的なフラクシ
ョンがタンパク質により運ばれることが示唆される。
【0137】これらのデータにより、GMP-140に対する
オリゴ糖リガンドはシアル化したフコシル化構造である
ことが確認される。シアル酸結合は、CHO細胞がα2,6結
合を有しないため、Galにα2,3結合し得る。フコース結
合はGlcNAcにα1,3結合し、GlcNAcにはβ1,4結合により
Galが結合している。可能な構造としては、シアリルLex
自体、ジフコシルシアリルLex、シアリルLexのより長い
ポリフコシル化ポリラクトサミノグリカン変異株、また
は上記成分の要素を含有する分枝構造がある。Lex自体
は結合に対する必要な親和性または特異性を提供しな
い。末端シアル酸に最も近いGlcNAcに結合するFucがな
いシアル化構造を有するVlM-2は、この構造はGMP-140に
結合しないNeoLewis関連細胞上に存在するため、GMP-14
0に対して親和性を有し得る。しかし、NeoLewis関連細
胞上に存在するVIM-2の数量は知られていない。数量が
少ない場合は、VIM-2がGMP-140に対していくらか親和性
がある場合でも、細胞は十分には結合しない。
【0138】別の研究により、高濃度のLexは付着を阻
害することが示されているが、Lex三糖類を含むLNFIII
は、300μMまでの濃度では、精製され固定化されたGMP-
140への好中球の結合には全く影響を及ぼさない。
【0139】実施例7:GMP-140およびELAM-1によるリ
ガンドの結合における相違の証明 ELAM-1およびGMP-140に対するリガンドが同一または非
常に類似していることを示すデータにもかかわらず、そ
うではないことを示す2つの証拠がある。
【0140】まず第1に、GMP-140またはELAM-1をコー
ドするcDNAでトランスフェクトされたCOS細胞への好中
球の付着は、両タイプのトランスフェクトされた細胞に
対して特異的な付着を示す。Gengら、Nature(1990)に
記載されているように、GMP-140でトランスフェクトさ
れた細胞への付着を、GMP-140に対するモノクローナル
抗体G1によりブロックし、ELAM-1でトランスフェクトさ
れた細胞への付着を、ELAM-1に対するモノクローナル抗
体H18/7によりブロックした。しかし液相GMP-140は、GM
P-140でトランスフェクトされた細胞への付着をブロッ
クしたが、ELAM-1でトランスフェクトされた細胞への付
着には影響を与えなかった(図6)。
【0141】第2に、豊富な量のシアリルLexを含むヒ
トがん腫細胞系HT-29は、ELAM-1でトランスフェクトさ
れた細胞に結合するが、GMP-140でトランスフェクトさ
れた細胞には結合しない(図7)。
【0142】図6および図7のデータは、GMP-140およ
びELAM-1が、若干異なる構造のリガンドを認識し、そし
て/または同じリガンドを認識する親和性の点で異なる
ことを示している。GMP-140およびELAM-1はそれぞれ、
親和性の程度が異なる関連したオリゴ糖構造の範囲に結
合し得る。
【0143】ELAM-1およびGMP-140による結合を比較研
究するために使用される方法および物質は、以下のもの
であった: 細胞の単離および培養物 Mooreら、J.Cell Biol. 112、491-499(1991)に記載さ
れているように、モノポリ分離媒体を用いて、正常なボ
ランティアからヒト好中球を単離した。ヒトHL-60前骨
髄細胞およびHT-29ヒト結腸がん腫細胞を、アメリカン
タイプカルチャーコレクション(Rockville,MD)から
得た。HL-60細胞を、RPMI-1640/10%ウシ胎児血清中に
保存した。HT-29細胞を、10%ウシ胎児血清(fcs)を補
充したMcCoyの5a培地の培養物中に保存した。COS-7細胞
を、10%ウシ血清を補充したダルベッコ変性イーグル培
地(HG-DMEM)中に保存した。
【0144】COS7細胞トランスフェクションおよび好中
球ロゼッティングアッセイ GMP-140またはELAM-1をコードする全長cDNAを、Geng
ら、Nature (1990)により記載されているように、CDM8
に挿入した。COS7細胞を、10%ウシ血清を補充した高グ
ルコースDMEM(Gibco)(HG-DMEM/10% CS)を含む10cmペト
リ皿において、約80%コンフルエンスになるまで増殖さ
せた。50μlのトランスフェクチンTM試薬(BRL Life Tec
hnologies,Inc.)を、50μlの水中20μgのcDNAまたは水
のみと混合し、室温で15分間放置した。COS細胞を3mlの
0ptiMEMTMI還元血清血清培地(BRL Life Technogies,In
c.)で2回洗浄した後、cDNA-リポフェクチン試薬混合物
を加え、5%のC02雰囲気中37℃で一昼夜インキュベー
トした。6mlのHG-DMEM/10% CSを加え、細胞をさらに2
4時間インキュベートした。次いで、Ca+2およびMg+2
含まないHBSSで単層を1回洗浄し、0.02%のEDTAを用い
て細胞を分離し、遠心分離によりペレット化し、次いで
12mlのHG-DMEM/10% CS中で再懸濁した。2mlの細胞懸
濁液を、3mlのHG-DMEM/10% CSを含む6-ウェルの組織
培養物(Corning)を含む各ウェルにプレートし、さら
に24時間増殖した。付着アッセイの前に、ウェルをHBSS
で2回洗浄した。ウェルを、30μg/mlのG1 F(ab')2、H1
8/7 F(ab')2または緩衝液のみを含む0.5mlのHBSSと一緒
に22℃で30分間インキュベートし、これを2回繰り返し
た。次いで、30μg/mlのGMP-140または希釈液の存在下
で30分間インキュベートして新たに単離したヒト好中球
(HBSS中2×106/ml)1mlを単層に加え、22℃で20分
間インキュベートした。
【0145】新たに単離したヒト好中球または35S−メ
チオニンで標識したHT-29細胞(HBSS中2×106/1%HSA)を
1ml加え、22℃で20分間インキュベートした。いくつか
の実験において、付着アッセイの前に、好中球を、精製
されたGMP-140(最終濃度10μg/ml)と一緒に22℃で30
分間、インキュベートした。
【0146】細胞付着をアッセイするために、5mlのHB
SS/1% HSAで5回洗浄した後、付着した好中球を、50
mMのリン酸カリウム中0.5%のヘキサデシルトリメチル
臭化アンモニウム(pH6.0)200μlで可溶性にした。Gen
gら、Nature 343,757-760(1990)により記載されてい
るように、付着した好中球をミエロペルオキシダーゼで
2回繰り返しアッセイした。HT-29細胞付着をアッセイ
するために、付着細胞を1%のトリトンX100で可溶性に
し、液体シンチレーションカウンティングにより定量し
た。界面活性剤を加える前に、単層を位相差顕微鏡検査
により検査し、単層が十分に洗浄され、COS細胞単層が
無傷であることを確認した。
【0147】結果 GMP-140は、GMP-140をコードするcDNAでトランスフェク
トされたCOS7細胞への好中球の付着を阻害するが、ELAM
-1をコードするcDNAでトランスフェクトされた細胞への
付着は阻害しない。COS7細胞を、GMP-140またはELAM-1
をコードするcDNAで偽トランスフェクトまたはトランス
フェクトした。精製されたGMP-140、G1 F(ab')2またはH
18/7 F(ab')2(最終濃度はすべて10μg/ml)が、トラン
スフェクトされたCOS7細胞に好中球がロゼッティングす
るのを阻害する能力を、図6に示す。データは、2つの
独立したトランスフェクション実験からの結果である。
各トランスフェクションにおいて、GMP-140およびG1 F
(ab')2またはH18/7 F(ab')2の存在下または非存在下
で、付着アッセイを単層上で2回繰り返し行った。結果
を、結合した好中球の数(平均±SD)として表す。
【0148】この結果は、好中球が、ELAM-1またはGMP-
140をコードするcDNAでトランスフェクトされたCOS細胞
に結合し、その結合が適切なモノクローナル抗体により
阻害されることを明確に示している。すなわち、抗ELAM
-1抗体(H18/7)は、ELAM-1でトランスフェクトされた細
胞への好中球の結合をブロックし、抗GMP-140抗体(G1)
は、GMP-140でトランスフェクトされたCOS細胞への好中
球の結合をブロックする。しかし、液相GMP-140は、GMP
-140でトランスフェクトされたCOS細胞への好中球の付
着を完全にブロックするが、ELAM-1でトランスフェクト
されたCOS細胞への好中球の付着には影響を与えない。
【0149】次いで、大量のシアリルLex構造を含むHT-
29細胞の結合における相違を調べるために、トランスフ
ェクトされたCOS細胞を用いた。図7に示す結果は、HT-
29細胞がELAM-1でトランスフェクトされた細胞に強く結
合するが、GMP-140でトランスフェクトされた細胞には
全く結合しないことを示している。従って、GMP-140お
よびELAM-1は両方とも、α(2,3)シアル化α(1,3)フ
コシル化ラクトサミノグリカンを含むオリゴ糖構造を認
識するが、HT-29細胞と、GMP-140およびELAM-1でトラン
スフェクトされたCOS細胞との相互作用は、同一ではな
い。
【0150】実施例8:好中球におけるGMP-140リガン
ドのタンパク質成分の特性付け トリプシンによる好中球の処理により、特異的なGMP-14
0の結合が破壊された。このことは、好中球におけるGMP
-140に対する優勢なリガンドがグリコスピンゴリピドで
はなく表面糖タンパク質であることを示している。図8
に示すように、HL-60細胞およびNeoLewis CHO細胞のト
リプシン処理もまた、GMP-140へのそれらの付着を著し
く減少させた。このことは、糖タンパク質成分は、これ
らの細胞におけるGMP-140に対する主要なリガンドでも
あることを示している。CHO細胞により合成された単一
糖脂質は、トランスフェクトされたフコシルトランスフ
ェラーゼの基質ではないため、糖脂質リガンドは、NeoL
ewis CHO細胞上では期待されない。GMP-140により認識
されるオリゴ糖構造を有する表面タンパク質は、ヒト骨
髄細胞およびチャイニーズハムスター卵巣細胞において
は同一ではないようである。このことは、リガンドへの
GMP-140の強い親和性結合は、タンパク質間の相互作用
を必要としないことを示唆している。
【0151】トリプシン処理については、HEPES緩衝液
A中で懸濁したNeoLewis CH0細胞を、0.1%のDPCC−ト
リプシンと一緒に37℃で10分間インキュベートした。コ
ントロール細胞を、DFPで不可逆的に不活性化したDPCC
−トリプシンと一緒に、同一条件下でインキュベートし
た。トリプシン処理後、細胞を氷上で冷凍し、最終濃度
が2mMになるようにDFPを加えて酵素を不活性化した。ト
リプシンで処理した後、アッセイする前に、細胞を氷で
冷却したHEPES緩衝液Aで2回洗浄した。
【0152】好中球の場合、還元条件下でSDS-PAGEによ
り分析すると、GMP-140で認識された主要な糖タンパク
質の、見かけ上のMrは約120,000であることが証明され
ている。ヒト好中球の原形質膜フラクションを調製し、
その調製物を「リガンドブロッティング」で分析した。
この調製物をSDS-PAGEで分画し、イモビロン膜に移し換
え、[125I]GMP-140でプローブした。還元条件下で
は、標識されたGMP-140は120-kDバンドに一貫して結合
しているのが観察された。この結合は特異的である。な
ぜなら、Ca2+依存性であり、抗体G1によりブロックされ
るが、S12によってはブロックされず、ノイラミニダー
ゼによる膜の前処理により除去されるからである。この
タンパク質は、小麦胚芽凝集素アフィニティーカラム上
に定量的に結合し、このことは、シアル化されたオリゴ
糖を広く含むことを示している。
【0153】このタンパク質は、AffigelTMに結合したG
MP-140のアフィニティーカラムに結合し、カラムから溶
出され得る。部分的に精製されたタンパク質は、銀およ
びクーマシーブルーではあまり染色されない。このタン
パク質は、同様の見かけ上のMrを有し、SDSポリアクリ
ルアミドゲル上に染色パターンを有するロイコシアリン
として公知の、強く0−グリコシル化されたタンパク質
を示し得る。さらに、低用量のノイラミニダーゼでこの
タンパク質を処理すると、タンパク質からはすべてのシ
アル酸が除去されるわけではないが、結果としてゲル上
の移動度はゆるやかになり、特定の強く0−グリコシル
化されたタンパク質が部分的に脱シアル酸化されたパタ
ーンと一致する。
【0154】GMP-140に対するオリゴ糖リガンドを有す
る骨髄細胞には、他のタンパク質が存在し得る。リガン
ドブロッティングにより決定されるように、120-kDa糖
タンパク質は、GMP-140に最も強い親和性で結合する最
も豊富なリガンドおよび/またはその構造を示し得る。
【0155】GMP-140のレクチンドメインまたはGMP-140
と相互作用する炭水化物由来のペプチドからの診断試薬
および治療薬の調製 上記のペプチドおよび炭水化物は、診断試薬として様々
に応用され、特に、多くの炎症性疾患の治療に適用され
る。
【0156】診断試薬 GMP-140に結合するペプチドおよび抗体または炭水化物
に対する他のプローブはまた、GMP-140のリガンドを欠
くヒトの疾患の検出に使用され得る。このような疾患
は、白血球が活性化された血小板または内皮に結合し得
ない感染症に感染しやすい患者に多く見られる。テスト
される細胞、通常白血球を、医学的に容認されている標
準技術で集めてスクリーニングする。検出システムに
は、ELlSA法、放射標識された抗体の固定化された活性
化細胞への結合、フローサイトメトリー、または当業者
に公知の他の方法が含まれる。
【0157】レクチンドメインペプチドの存在下および
非存在下での結合の阻害は、セレクチン結合における欠
陥または改変を検出するのに使用され得る。このような
疾患は、GMP-140に対する白血球のリガンドがないため
に、白血球が血小板および内皮に対して結合しない感染
症に感染しやすい患者に多く見られる。GMP-140ペプチ
ドを、蛍光タッグで放射的に、酵素的に、または電子顕
微鏡の金のような高電子密度物質で標識する。検査され
る細胞、通常白血球は、標識されたGMP-140ペプチドと
一緒にインキュベートされ、結合は、GMP-140に対する
抗体を用いて上記の方法により評価されるか、または当
業者に公知の他の方法により評価される。GMP-140に対
するリガンドが血漿中にも見いだされると、それらはま
た、検出試薬として抗体の代わりに標識されたGMP-140
ペプチドを用いて、標準ELlSA法またはラジオイムノア
ッセイ法により測定され得る。
【0158】同様のアプローチは、GMP-140の定性的ま
たは定量的な疾患を決定するのにも使用され得る。炭水
化物を標識し、GMP-140に欠陥があると思われる疾患を
有する患者からの活性化血小板におけるGMP-140への炭
水化物の結合能力をテストする。
【0159】臨床上の応用 GMP-140は、白血球付着、炎症および凝血に関連したい
くつかの機能を有するため、GMP-140ならびに/あるい
は、ELAM-1およびLEU-8を含む、GMP-140ペプチドまたは
炭水化物のような他のセレクチン結合に相互作用する臨
床上の化合物は、これらの応答を調節するために使用さ
れ得る。
【0160】例えば、GMP-140ペプチドまたは炭水化物
は、活性化された血小板または内皮細胞の表面にあるGM
P-140のレセプターへ競合的に結合することにより、白
血球の付着を競合的に阻害するのに使用され得る。この
種の治療法は、白血球により媒介される炎症の阻害が望
ましい急性の状況下において特に有用であり得、効果的
であるが一時的である。GMP-140ペプチドまたは炭水化
物の注入による慢性治療法もまた、いくつかの状況では
可能である。
【0161】炎症応答は、もし再チェックされなけれ
ば、宿主を損傷し得る。なぜなら、白血球は、正常な組
織を損傷し得る有毒な分子を多く放出するためである。
これらの分子には、タンパク質分解酵素およびフリーラ
ジカルが含まれる。白血球が組織に損傷を与え得る病理
的状態の例としては、虚血および再灌流からの傷害、細
菌性敗血症、血管内凝固症候群、成人呼吸性困難症候
群、腫瘍転移、慢性関節リウマチ、およびアテローム硬
化症が挙げられる。
【0162】灌流傷害は、臨床心臓学において主要な問
題である。虚血性心筋層における白血球付着を減少させ
る治療剤は、血栓崩壊性剤の治療的効能を著しく引き上
げ得る。組織プラスミノゲン活性剤またはストレプトキ
ナーゼのような物質による血栓崩壊性療法は、可逆的な
心筋細胞死の前の深刻な心筋虚血を有する多くの患者に
おける環状動脈閉塞を和らげ得る。しかし、このような
患者の多くは、血流の回復にもかかわらず心筋神経症を
煩っている。この「再灌流傷害」は、心筋領域における
血管内皮への白血球の付着と関連していることが知られ
ている。これは、一部には、白血球に対して付着性とす
る、トロンビンおよびサイトカインによる血小板および
内皮の活性化のためであろう(Romsonら、Circulation
67:1016-1023,1983)。これらの付着白血球は、内皮を
通じて拡散し、血流の回復により救済されるように心筋
虚血を破壊し得る。
【0163】心筋および再灌流により、発作、腸間膜お
よび末梢血管、臓器移植、および循環器系統のショック
(この場合、多くの臓器は血流の回復により傷害を与え
られる)を含む、血管表面への白血球の付着による臓器
傷害が引き起こされる、多数の他の通常の臨床上の疾患
がある。
【0164】細菌性敗血症および血管内凝固症候群はし
ばしば重症の患者には同時に発生する。これらは、トロ
ンビン、サイトキンおよび他の炎症性媒介物、血小板お
よび内皮の活性化、白血球の付着、ならびに血管系全体
における血小板の凝集と関連している。白血球に依存す
る臓器傷害は、これらの症状の重要な特徴である。
【0165】成人呼吸性困難症候群は、敗血症または肺
循環における白血球の広範囲な付着および凝集と関連す
る以下の外傷を有する患者において発生する荒廃する肺
疾患である。これにより、大量の血漿が肺に溢血し、肺
組織が破壊される。大抵、これらは両方とも白血球産物
により媒介される。
【0166】しばしば致命的な2つの関連した肺疾患
は、同種間の骨髄移植を受ける免疫抑制患者、およびイ
ンターロイキン−2で処理されたLAK細胞(リンフォカイ
ン活性リンパ球)を用いた治療により生じる血管漏れに
起因する合併症を煩うがん患者において見られる。LAK
細胞は、血管壁に付着し、内皮に毒性と思われる産物を
放出することが公知である。LAK細胞が内皮に付着する
メカニズムは知られていないが、このような細胞は、内
皮を活性化する分子を潜在的に放出し、次いで好中球に
おいて作用するメカニズムと同様のメカニズムにより内
皮に付着する。
【0167】多くの悪性腫瘍(がん腫、リンパ腫および
肉腫)からの腫瘍細胞は、血管系を通じて遠位部位に転
移し得る。腫瘍細胞が内皮に付着するメカニズムおよび
それに続く移行は、あまりよく理解されていないが、少
なくともいくつかの点で、白血球のメカニズムと同様で
あり得る。血小板と転移腫瘍細胞との結合については詳
しく記載されており、いくつかのがんの蔓延における血
小板の役割を示唆している。
【0168】血小板−白血球の相互作用は、アテローム
硬化症において重要であると考えられる。血小板は、単
球がアテローム硬化プラークに補充される際の役割を果
たし得る。単球の蓄積は、アテローム発生中の最も初期
に検出可能な症状の1つであることが知られている。完
全に発達したプラークが破裂すると、血小板の沈着、活
性化、血栓形成の促進、ならびに虚血領域への好中球の
初期補充が引き起こされ得る。
【0169】他の領域における可能な応用は、慢性関節
リウマチの治療である。
【0170】これらの臨床上の応用では、適切な薬学的
キャリヤー中のペプチドまたは炭水化物またはその混合
物は、迅速な緩和を必要とする場所に静脈注射により投
与されるのが好ましい。ペプチドもしくは炭水化物はま
た、キャリヤー分子に結合したペプチドもしくは炭水化
物として、筋肉内、腹膜内、皮下、経口により、または
薬物送達装置によっても投与され得る。ペプチドまたは
炭水化物は、インビボにおける半減期を増加させるため
に、さらに化学的に改変され得る。
【0171】ペプチドは、GMP-140のタンパク質分解的
開裂、または好ましくは実施例1においてペプチドを調
製するために使用したような合成手段により調製され得
る。これらの方法は、当業者により公知である。例とし
ては、米国特許第4,792,525号において使用され、米国
特許第4,244,946号において記載されている、J.Merrifi
eld,J.Am.Chem.Soc. 85,2149(1964)により記載の固相
合成が挙げられる。この合成では、保護されたαアミノ
酸は、適切な樹脂に結合され、C末端から開始するペプ
チドの合成を開始する。他の合成方法については、米国
特許第4,305,872号および第4,316,891号に記載されてい
る。これらの方法は、GMP-140と同一の配列を有するペ
プチド、またはアミノ酸の置換物または付加物を合成す
るのに使用され得、これらは、実施例1および2に記載
されているように、その活性を調べるためにスクリーニ
ングされ得る。
【0172】ペプチドはまた、塩酸、臭化水素酸、過塩
素酸、硝酸、チオシアン酸、硫酸およびリン酸のような
無機酸、ならびにギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコー
ル酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク
酸、マレイン酸およびフマル酸のような有機酸との反
応、または水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、水
酸化カリウムのような無機塩基、およびモノ−、ジ−、
トリアルキルおよびアリルアミンのような有機塩基、お
よび置換エタノールアミンとの反応により形成される薬
学的に受容可能な酸または塩基付加塩として投与され得
る。
【0173】シクロプロピルアミノ酸、または同様に誘
導されるアミノ酸を含むペプチドもまた使用され得る。
これらのペプチドは、その最初の活性を保持するが、イ
ンビボにおいて半減期を増加した。アミノ酸を改変する
ことが知られている方法、およびその使用については、
例えば、Stammerの米国特許第4,629,784号に記載されて
いるように、当業者に公知である。
【0174】炭水化物は、天然に、またはトランスフェ
クトされたCos細胞の例において記載されているような
遺伝子工学の結果、または好ましくは合成手段により、
炭水化物を発現する細胞から単離され得る。これらの方
法は、当業者に公知である。さらに、多数のグリコシル
トランスフェラーゼがクローニングされている(J.C.Pau
lsonおよびK.J.Colley, J.Biol.Chem. 264:17615−1761
8,1989)。従って、当業者は、調合薬または診断試薬を
調製するために、合成化学および酵素的合成を組み合わ
せて使用することができる。
【0175】生物学的に活性なペプチドおよび炭水化物
は、GMP-140への好中球および単球の結合を阻害するも
の、またはELAM-1および/またはホーミングレセプター
の媒介による白血球の内皮への付着を阻害するものであ
る。
【0176】患者への投与に適切な薬学ビヒクルは、当
業者に公知である。非経口投与では、ペプチドまたは炭
水化物は、通常、滅菌水または生理食塩水中で溶解また
は懸濁され得る。腸内投与では、ペプチドまたは炭水化
物は、錠剤、液体またはカプセル形態で不活性キャリヤ
ーに導入され得る。適切なキャリヤーは、デンプンまた
は砂糖であり、潤滑剤、香料、結合剤および同じ特性を
有する他の物質が含まれる。GMP-140ペプチドまたは炭
水化物はまた、創傷部または炎症部位に、特異的には溶
液またはクリームで塗布して局部投与され得る。
【0177】あるいは、ペプチドまたは炭水化物は、リ
ポソームまたはマイクロスフェア(または微量粒子)で
投与され得る。患者へ投与するためのリポソームおよび
マイクロスフェアを調製するための方法は、当業者に公
知である。米国特許第4,789,734号は、リポソーム中に
生物学的物質をカプセル化する方法について記載してい
る。実質的に、物質は、水溶液に溶解され、必要に応じ
て、界面活性剤と共に適切なリン脂質および脂質が添加
され、物質は、必要に応じて透析または超音波処理され
る。公知の方法は、G.Gregoriadis,14章、"Liposome
s",Drug Carriers in Biology and Medicine pp.287-
341(Academic Press,1979)により詳しく記載されてお
り、その教示は本願で参考のために援用している。ポリ
マーまたはタンパク質により形成されるマイクロスフェ
アは、当業者に公知であり、胃腸管を通じて血流に直接
送達されるように設計され得る。あるいは、ペプチドま
たは炭水化物が導入され、マイクロスフェアまたはマイ
クロスフェアの複合体が数日から数カ月の期間に渡って
ゆっくりと放出されるように移植され得る。例えば、米
国特許第4,906,474号、第4,925,673号および第3,625,21
4号を参照。
【0178】主題のペプチドは、一般に、体重1kg当
り約1μgより多い量で非経口投与されると活性とな
る。大抵の炎症性疾患の治療には、投与量は、体重1k
g当り0.1から30mgの間である。実施例で特徴づけられ
るペプチドの中には、70mg/kgの投与量が必要なものも
ある。この投与量は、一部には、1つ以上のペプチドが
投与されるか否かに依存し得る。レクチンドメインの3
つの領域の結合に関して記載されているように、相乗効
果は、レクチンドメインの異なるまたは重複する領域か
らのペプチドの組合せ、またはGMP-140のEGFドメイン由
来のペプチドとの組合せにより見られる。
【0179】炭水化物は、非経口または他の手段により
投与されるときに、活性とならなければならない。必要
な量は、インビトロアッセイにおけるGMP-140の骨髄性
細胞への結合の阻害に必要な濃度、および注入された炭
水化物のクリアランス速度に基づく。この投与量は、一
部には、1つまたはそれ以上の炭水化物が投与されるか
否かに依存し得る。相乗効果は、炭水化物の組合せ、ま
たは多価形態の天然のリガンドもしくはGMP-140に対す
る親和性および/または親和力を増加させるために設計
されたリガンドの誘導体により見られる。
【0180】ペプチドまたは炭水化物はまた、白血球の
血小板または内皮への付着を防止するために、身体に注
入される補てつ物として使用されるために、基質にコー
ティングされ得る。
【0181】GMP-140、そのペプチドまたは炭水化物の
抗体を用いた治療理学療法に対する応答を評価するため
の基準は、特定の条件により左右され、通常、標準的な
医学的実践に従う。例えば、心筋梗塞の拡張を防止する
ために有効な投与量の基準は、心電図、生存徴候および
臨床応答をモニターして、血漿中の心筋懐死のマーカー
酵素を観察することにより、当業者により決定され得
る。急性呼吸性困難症候群の治療では、動脈酸素および
肺浸潤物の分解における改善、ならびに呼吸困難および
頻呼吸の減少により測定される臨床上の改善が調べられ
る。ショックを起こした(低血圧)の患者の治療では、
有効な投与量は、臨床上の応答、および血圧回復後の、
肝臓および腎臓のような生体臓器の機能の特異的な測定
に基づく。神経機能は、発作を起こした患者においてモ
ニターされる。移植された臓器の機能をモニターするた
めに、特異的なテストが使用され、例えば、腎臓移植を
受けた患者の血清、尿流、および血清電解質がモニター
される。
【0182】本発明の変更および改変、GMP-140由来の
ペプチドを用いたGMP-140を含む結合反応を調節する方
法、またはGMP-140リガンドの部分を形成する方法は、
上記の詳細な記載より当業者に自明である。このような
変更および改変は、添付の請求の範囲の範囲内にあるも
のとする。
【0183】GMP-140のレクチン結合領域の3つの領域
由来のペプチドは、GMP-140、ELAM-1およびリンパ球ホ
ーミングレセプターを含む、「セレクチン類」と選択的
に相互作用することが発見された。3つの領域には、ア
ミノ酸19-34、54-72および66-89が含まれる。この番号
は、シグナルペプチドを開裂した後の成熟タンパク質の
N末端を残基1と定義した、ペプチド中の残基の番号に
基づく。GMP-140に結合するフコシル化シアル化ラクト
サミン構造もまた発見された。この構造は、α(2,3)シ
アル酸で置換したラクトサミノグリカン類を含む受容体
を改変し得るα(1,3)フコシルトランスフェラーゼ類の
発現により形成される。LexGalβ1,4(Fucα1,3)GlcNAc
β1-R(ここで、Rはタンパク質または他の炭水化物構
造である)は、このシアル化構造のコアを形成する。ペ
プチドおよび炭水化物構造は、診断薬、および凝血過程
または炎症過程の調節または阻害への臨床上の応用にお
いて有用である。
【0184】
【発明の効果】本発明により、GMP-140、ELAM-1および
リンパ球ホーミングレセプターを含むセレクチン類と相
互に作用するペプチドが提供される。また、本発明によ
り、GMP-140に対するリンパ球リガンドの構造に基づい
た構造を有し、GMP-140性付着相互作用を阻害する炭水
化物ベースの薬剤、GMP-140に対するレセプターの一部
を形成する炭水化物構造体、これらのペプチドおよび炭
水化物構造体を用いてリンパ球が内皮もしくは血小板に
付着するのを抑制する方法も提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1A】図1は内皮細胞GMP-140のヌクレオチド配列
と推定アミノ酸配列である。読取り枠の翻訳アミノ酸配
列は、一文字コードで示してある。終止コドンは星印で
示している。細い下線は、血小板GMP-140のN末端を含
むN末端から26のペプチドから決定したアミノ酸配列の
一致している位置を示す。シグナルペプチドは-41から-
1の位置に相当する。推定トランスメンブランドメイン
には太い下線をつけてある。システイン残基は丸で囲
み、アスパラギンが連結した潜在的なグリコシル化部位
(NXS/T)は黒丸で示してある。3’未翻訳領域における
2つの潜在的なポリアデニル化シグナルには上側と下側
に線をつけてある。
【図1B】図1Bは、図1Aの続きである。
【図2】図2は、GMP-140のレクチンドメインである、
アミノ酸66-78(三角印)、アミノ酸73-83(四角印)、
アミノ酸54-63(丸印)およびアミノ酸23-30(黒丸印)
が、ペプチドによって結合が阻害されるのを、ペプチド
のmMの値に対して結合した細胞の数を比較して実証した
グラフである。
【図3】図3(a)および(b)は、次のようなマイク
ロタイターウェルヘの好中球の特異的付着性を比較した
図であり、すなわち、(1)ペプチドをコートしていない
ウェル;(2)KHLに結合されたレクチンドメインペプチ
ド19-34をコートしたウェル;または(3)KLHに結合され
た対照のカルボキシ末端ペプチド(アミノ酸残基761〜7
77)をコートしたウェル;をヒト血清アルブミンを含有
するハンクスの平衡塩類溶液で遮断したのちに、各ウェ
ル毎に液相競合体の存在下2×105の好中球を添加して
比較した。ウェルに入れる前に好中球に添加した液相競
合体は次の通りである。図3(a);含有せず(黒バー
印)、精製血小板の糖タンパク質IIb-IIIa(斜線バー
印)、または精製GMP-140(点彩バー印);ならびに図
3(b);含有せず(黒バー印)、1.5mM C末端ペプチ
ド761-777(斜線バー印)および1.5mMレクチンドメイン
ペプチド19-34(点彩バー印)である。
【図4A】図4Aは、トランスフェクトされた野生型の
CHO細胞と、HL60細胞に対するGMP-140の結合性を、ウェ
ルをコートするのに使用したGMP-140の濃度(ug GMP-14
0/ml)、Ca2+の存在もしくは非存在、およびノイラミニ
ダーゼ処理の関数としてCPM 51Crとして測定した結果を
示すグラフである。図4Aは、CHOのGMP-140に対する結
合性を示す[CH0+Ca2+(四角印)、CH0-Ca2+(黒ひし形
印)]。
【図4B】図4Bは、トランスフェクトされた野生型の
CHO細胞と、HL60細胞に対するGMP-140の結合性を、ウェ
ルをコートするのに使用したGMP-140の濃度(ugGMP-140
/ml)、Ca2+の存在もしくは非存在、およびノイラミニ
ダーゼ処理の関数としてCPM 51Crとして測定した結果を
示すグラフである。図4Bは、Lec8CH0のGMP-140に対す
る結合性を示す[Lec8+Ca2+(四角印)、Lec8-LecCa2+
(黒ひし形印)]。
【図4C】図4Cは、トランスフェクトされた野生型の
CHO細胞と、HL60細胞に対するGMP-140の結合性を、ウェ
ルをコートするのに使用したGMP-140の濃度(ugGMP-140
/ml)、Ca2+の存在もしくは非存在、およびノイラミニ
ダーゼ処理の関数としてCPM 51Crとして測定した結果を
示すグラフである。図4Cはネオルイス(Neo Lewis)C
H0のGMP-140に対する結合性を示す[ネオルイス+Ca2+
(四角印)、ネオルイス、ノイラミニダーゼ(黒ひし
形)、およびネオルイス、EDTA(黒四角印)]。
【図4D】図4Dは、トランスフェクトされた野生型の
CHO細胞と、HL60細胞に対するGMP-140の結合性を、ウェ
ルをコートするのに使用したGMP-140の濃度(ugGMP-140
/ml)、Ca2+の存在もしくは非存在、およびノイラミニ
ダーゼ処理の関数としてCPM 51Crとして測定した結果を
示すグラフである。図4Dは、HL60細胞のGMP-140に対
する結合性を示す[HL60+Ca2+(四角印)、HL60、ノイ
ラミニダーゼ(黒ひし形印)およびHL60,EDTA(黒四角
印)]。
【図5】図5は、ネオルイスCHO細胞の固定化GMP-140へ
の結合性に対するモノクローナル抗体の作用を示すグラ
フであり、対照(黒色バー)の結合%を対照として、G1
抗体(///印)、S12抗体(++++印)およびEDTA(///印)そ
れぞれの存在下での結合性を%で示したグラフである。
【図6】図6は、可溶性のELAM-1もしくはGMP-140によ
って結合される、トランスフェクトされたCOS細胞を示
すグラフである[対照および以下の阻害剤の存在下:EL
AM-1なし、GMP-140、およびH18/7(ELAM-1の結合を阻
害するがGMP-140の結合を阻害しない);ならびにGMP-1
40なし、GMP、およびG1の場合について示す。]
【図7】図7は、トランスフェクトされたCOS細胞が結
合したPMS細胞とHT-29細胞(これらの細胞はシアリルLe
xを発現する)を示す(×10-4)グラフである。すなわ
ち対照;ELAM-1のみの場合と、さらにELAM-1による結
合を阻害するがGMP-140による結合を阻害しないH18/7抗
体が存在する場合;およびGMP-140のみの場合と、さら
にGMP-140による結合を阻害するがELAM-1による結合を
阻害しないG1抗体が存在する場合について示す。
【図8】図8は、ネオルイスCHO細胞の固定化GMP-140へ
の結合性に対するトリプシンの作用を示すグラフであ
り、対照(黒色バー)の結合性を100%とした場合の、
トリプシンによる処理時(///印)およびEDTAの存在下
(細いバー印)での結合性を%で示したグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 16/46 ZNA C07K 16/46 ZNA // C12N 15/02 C12N 15/00 C (71)出願人 598108308 University of Oklah oma,Norman,Oklahoma 73019,U.S.A. (72)発明者 ロジャー ピー. マクエバー アメリカ合衆国 オクラホマ 73120 オ クラホマ シティ,ギルフォード レイン 1617

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 GMP-140に特異的な結合を有する糖タン
    パク質リガンドに対するモノクローナル抗体であって、
    該糖タンパク質リガンドは、シアリルLex部分を含むフ
    コシル化シアリル化糖タンパク質を含み、そして還元条
    件下でのSDS-PAGEでの評価により約120,000ダルトンの
    見かけの相対分子量を有し、そしてここで、GMP-140へ
    の該糖タンパク質リガンドの結合は、GMP-140に対するG
    1モノクローナル抗体によりブロックされ、そしてGMP-1
    40に対するS12モノクローナル抗体によりブロックされ
    ず、そしてここで該糖タンパク質リガンドに対するモノ
    クローナル抗体は、GMP-140に対する該糖タンパク質リ
    ガンドへのGMP-140の結合を特異的にブロックするのに
    有効である、モノクローナル抗体。
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