JPH08504171A - セレクチン結合のペプチド阻害剤 - Google Patents

セレクチン結合のペプチド阻害剤

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JPH08504171A JP6500535A JP50053594A JPH08504171A JP H08504171 A JPH08504171 A JP H08504171A JP 6500535 A JP6500535 A JP 6500535A JP 50053594 A JP50053594 A JP 50053594A JP H08504171 A JPH08504171 A JP H08504171A
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リキシンガー,ダグラス
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、P−セレクチンの58〜61位のアミノ酸配列の一部分を含むペプチドを提供する。本発明は、更に、本発明のペプチドを含む薬剤組成物、本発明のペプチドおよび薬剤組成物を用いる診断法および治療法並びに該ペプチドおよび薬剤組成物の製造法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 セレクチン結合のペプチド阻害剤 発明の背景 本発明は、P−セレクチン、E−セレクチンおよびL−セレクチンなどのセレ クチンの結合を阻害するペプチドに関する。 血管表面に対する血小板および白血球の付着は、炎症性応答の決定的な成分で あり且つ補体、凝固および免疫系の同時および相互に関係のある活性化に関係す る複雑な一連の反応の一部分である。 集合的に、補体タンパク質は、ミュラー・エバーハード(Muller−Ev erhard),H.G.、Ann.Rev.Biochem.57:321〜 347(1988)によって論評されたように、異物および免疫複合体の識別お よび除去の両方において、免疫系の先行役を果たしている。補体系の中心はC3 およびC4タンパク質であり、活性化された場合に、それらは付近の標的に共有 結合してそれらを排除する。このプロセスを制御するのに役立つように、顕著な 一連の可溶性で且つ膜に結合した調節タンパク質が引き出されて、それぞれが活 性C3および/またはC4誘導体と相互作用する。凝固および炎症性経路は、組 織損傷に応答して同調様式で調節される。例えば、白血球に対して付着性になる ことに加えて、活性内皮細胞は細胞表面上で組織因子を発現し且つそれらのトロ ンボモジュリンの表面発現を減少させて、細胞表面上での凝固反応の正味の促進 をもたらす。若干の場合、単一受容体が炎症性および凝固プロセスの両方に関係 していることがある。 血管内皮に対する白血球付着は、微生物侵入に応答した組織への白血球の移動 において重要な最初の段階である。誘導白血球受容体の種類であるCD11〜C D18分子は、内皮に対する付着においてある役割を有すると考えられるが、白 血球付着について同等のまたはなお一層重要な機序は、内皮それ自体の誘導変化 のためであると考えられる。 更に、活性血小板は、インビトロにおいて好中球および単球の両方と相互作用 することが分かっている。血小板と単球との相互作用は、一部分は、血小板およ び単球に対するトロンボスポンジンの結合によって媒介されることがあるが、他 の機序も排除されてはいない。活性血小板に対する好中球の結合の機序は、二価 の陽イオンが必要であることが知られている以外、十分に理解されていない。血 管損傷に応答して、血小板は内皮下表面に付着し、活性化され、そして凝固を支 持することが知られている。血小板および他の細胞は、更に、微生物の侵入を抑 えるように創傷中に白血球を供給することにおいて重要な役割を果たしうる。 トロンビンおよびヒスタミンなどの「急速」活性化因子に暴露された内皮は、 2〜10分間以内に好中球に対して付着性になるが、腫瘍壊死因子およびインタ ーロイキン−1などのサイトカインに暴露された内皮は、1〜6時間後に付着性 になる。急速な内皮依存性白血球付着は、細胞表面上での脂質媒介物質血小板活 性化因子(PAF)の発現およびおそらくは、他の内皮表面分子の出現と関係し ていた。白血球に対する遅いサイトカイン誘導内皮付着は、少なくとも一部分は 、サイトカインに暴露後の内皮細胞によって合成された後に細胞表面に輸送され 、そこにおいて好中球を結合するE−セレクチンによって媒介される。ELAM −1としても知られているE−セレクチンの単離、特性決定およびクローニング は、ベビラクア(Bevilacqua)らによってScience 243, 1160〜1165(1989)に論評されている。末梢リンパ節ホーミング( homing)受容体「ネズミMel 14抗原」、「Leu8」「Leu8抗 原」および「LAM−1」としても知られるL−セレクチンは、好中球、単球お よびリンパ球上のもう一つの構造であり、末梢リンパ節中の高内皮細静脈にリン パ球を結合させる。タンパク質の特性決定およびクローニングは、ラスキー(L asky)ら、Cell 56,1045〜1055(1989)(マウス)お よびテダー(Tedder)ら、J.Exp.Med.170,123〜133 (1989)によって論評されている。 GMP−140(顆粒膜タンパク質140)としても知られるP−セレクチン すなわちPADGEMは、ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気 泳動(SDS−PAGE)によって算定される見掛けの分子量が140,000 の、システインに富む且つ激しくグリコシル化された内在性膜糖タンパク質であ る。P−セレクチンは、マクエバー(McEver)およびマーチン(Mart in)、J.Biol.Chem.259:9799〜9804(1984)に よってヒト血小板から最初に精製された。タンパク質は、ステンバーグ(Ste nberg)ら(1985)によって報告されたように、休止血小板のα顆粒中 に存在するが、血小板活性化後、原形質膜に速やかに再分布される。内皮細胞中 のP−セレクチンの存在およびこれらの細胞によるその生合成は、マクエバーら 、Blood 70(5)補遺1:355a)アブストラクト1274号(19 87)によって報告された。内皮細胞中において、P−セレクチンは、ワイベル ーパレード(Weibel−Palade)体として知られる貯蔵顆粒中で見出 される。(マクエバーら、J.Clin.Invest.84:92〜99(1 989)およびハットリ(Hattori)ら、J.Biol.Chem.26 4:7768〜7771(1989))。P−セレクチン(GMP−140また はPADGEMとも称する)は、更に、ラルセン(Larsen)らによって ell 59,305〜312(1989年10月)におよびハンバーガー(H umburger)およびマクエバー、Blood 75:550〜554(1 990)に、活性血小板と好中球および単球との相互作用を媒介することが報告 された。 ジョンストン(Johnston)らによってCell 56,1033〜1 044(1989年3月24日)におよび1989年3月8日出願の米国特許出 願第07/320,408号明細書に報告されたcDNA由来アミノ酸配列は、 それが、独立して折りたためるらしい多数のモジュラードメインを含むことを示 している。N末端で開始すると、これらには、「レクチン」ドメイン、「EGF 」ドメイン、補体結合タンパク質中のものと同様の9種類のタンデム共通反復体 、トランスメンブランドメイン(示差スプライシングによって生じると考えられ る可溶性形以外)および細胞質テイルがある。 血小板または内皮細胞をトロンビンなどの媒介物質によって活性化した場合、 貯蔵顆粒の膜は原形質膜と融合し、顆粒の可溶性内容物が外部環境に放出され、 そして膜に結合したP−セレクチンが何秒か以内に細胞表面上に現れる。活性化 の結果として血小板および内皮細胞の表面にP−セレクチンが急速に再分布する ことは、この糖タンパク質が、炎症または血管破裂部位で重要な役割を果たしう ることを示唆した。 この重要な役割は、P−セレクチンが、好中球(ジェン(Geng)ら、Na ture 343:757〜760(1990);ハンバーガーおよびマクエバ ー、Blood 75:550〜554(1990))、単球(ラルセンら、 ell 59:305〜312(1989);ムーア(Moore)ら、J.C ell Biol. 112:491〜499(1991))およびおそらくはリ ンパ球のサブセット(ムーアら、J.Cell Biol.112:491〜4 99(1991))の受容体であるという知見によって確証された。したがって 、P−セレクチンは、トロンビンなどのアゴニストによって刺激された血小板お よび内皮細胞の表面に対する白血球の急速な動員後のその受容体として役立つこ とができる。白血球供給におけるこの役割は、生理学的および病理学的状態の両 方でのうっ血および炎症性プロセスにおいて重要でありうる。 P−セレクチン由来のペプチドは、ロジャー(Rodger)P.マクエバー により、1990年7月17日出願の「機能的に活性なセレクチン由来ペプチド (Functionally Active Selectin−Derive d Peptides)」と称する米国特許出願第07/554,199号明細 書において、P−セレクチンの白血球認識を阻止しうる治療的有効量のペプチド が患者に対して投与されている該患者の診断薬並びにうっ血および炎症性応答の 調節において有用であると記載されている。1990年7月17日出願の米国特 許出願第07/554,199号明細書は、更に、他のタンパク質、特に、E− セレクチンおよびL−セレクチンのレクチンドメインと相同関係を有するP−セ レクチンのレクチンドメイン中のペプチド配列が、精製P−セレクチンに対する 好中球の付着を選択的に阻害し、したがって、これらの分子による変更された結 合を特徴とする患者および疾患の診断用検定において、この結合を変更する化合 物のスクリーニング検定において、並びに凝固および/または炎症性プロセスに 関係している白血球と血小板または内皮細胞との相互作用を阻害するまたは調節 する臨床的用途において用いることができることを開示している。 P−セレクチン、E−セレクチンおよびL−セレクチンは、それらの関連した 構造および機能に基いて、セレクチン系列を構成する。E−セレクチンは、刺激 されていない内皮中には存在しない。しかしながら、内皮が腫瘍壊死因子または インターロイキン−1などのサイトカインに暴露されると、E−セレクチンの遺 伝子が転写されてRNAを生じ、それが順次にタンパク質に翻訳される。その結 果、E−セレクチンは、ベビラクアら、Proc.Natl.Acad.Sci .USA 84:9238〜9242(1987)に報告されたように(顆粒中 に貯蔵され且つ活性化後何秒か以内に細胞表面上に現れるP−セレクチンとは対 照的に)、サイトカインに暴露後1〜4時間で内皮細胞表面上に発現される。E −セレクチンは、サイトカインで処理された内皮に対する好中球の付着を媒介す ることが分かっており、したがって、サイトカインで刺激された内皮を通って白 血球を組織中に移動させるのに重要であると考えられる。E−セレクチンのcD NA由来一次構造は、それが、「レクチン」ドメイン、EGFドメインおよび補 体調節タンパク質のものと同様の6種類の(GMP−140の9種類の代わりの )反復体、トランスメンブランドメイン並びに短い細胞質テイルを含むことを示 している。P−セレクチンとE−セレクチンとの間の広範囲にわたる配列相同関 係が両方のタンパク質中に存在するが、その類似性は、特に、レクチンおよびE GFドメインにおいて顕著である。 ホーミング受容体は、高内皮細胞または高内皮細静脈(イェドノック(Yed nock)およびローズ(Rose)、Advances in Immuno logy ,44巻,F.I.ディクソン(Dixon)監修,313〜378( アカデミック・プレス(Academic Press)、ニューヨーク 19 89年)によって論評された)と称するリンパ組織中の特殊内皮細胞に対してリ ンパ球を結合させることが可能なリンパ球表面構造である。この結合は、リンパ 球が内皮を通ってリンパ組織中に移動することを可能にし、そこにおいてそれら は、プロセスされた抗原に暴露される。次に、リンパ球はリンパ系を介して血液 中に再び入る。L−セレクチンは、レクチンドメイン、EGFドメイン、2種類 の補体結合反復体、トランスメンブランドメインおよび短い細胞質テイルを含む 。更に、L−セレクチンは、特に、レクチンおよびEGFドメインにおいて、P −セレクチンとの広範囲にわたる配列相同関係を共有している。 P−、E−およびL−セレクチン間のレクチンドメインの比較に基いて、炎症 性プロセスの成分に対するE−セレクチン、L−セレクチンおび他の相同分子の 結合を阻害するかまたは逆に、1種類のみのセレクチンに媒介された結合を阻害 する、P−セレクチンに対する好中球の結合を阻害するペプチドを選択すること は可能でありうる。 血小板−白血球相互作用のインビボの意義は、注意深く研究されていなかった 。しかしながら、血管損傷に応答して、血小板は内皮下表面に付着し、活性化さ れ、そして凝固を支持することが知られている。更に、血小板および他の細胞は 、微生物の侵入を抑えるように創傷中に白血球を供給することにおいて重要な役 割を果たしうる。逆に、白血球は、イセクツ(Issekutz)ら、Lab. Invest. 49:716(1983)によって報告されたように、炎症部位 の組織中に血小板を供給することができる。 凝固および炎症性経路は、組織損傷に応答して同調様式で調節される。例えば 、白血球に対して付着性になることに加えて、活性内皮細胞は細胞表面上で組織 因子を発現し且つそれらのトロンボモジュリンの表面発現を減少させて、細胞表 面上での凝固反応の正味の促進をもたらす。若干の場合、単一受容体が炎症性お よび凝固プロセスの両方に関係することがある。 うっ血および炎症性経路に関係するタンパク質は、ヒト障害の診断目的および 治療用に興味深い。しかしながら、タンパク質の治療的使用には多数の問題があ る。タンパク質は、通常、患者に対する投与に十分な量で製造するには高価であ る。更に、患者に対してタンパク質が2回以上投与された後に、それに対する反 応があることがある。したがって、多量に合成することができ、しかも免疫原性 でない、タンパク質と同様のまたはそれより優れた活性を有するペプチドを開発 することが望ましい。 タンパク質自体の中に含まれるペプチド配列と少なくとも同等のまたはそれよ り大きい活性を有する、合成によって製造することができるペプチドを開発する ことは好ましい。 したがって、本発明の目的は、P−セレクチン、E−セレクチンおよびL−セ レクチンを含むセレクチンによって認識された細胞と相互作用するペプチドを製 造することである。 本発明のもう一つの目的は、これらのペプチドを用いて、内皮または血小板に 対する白血球の付着を阻害する方法を提供することである。 本発明の更に別の目的は、これらのペプチドを用いて、免疫応答およびうっ血 経路を調節する方法を提供することである。 本発明の更にもう一つの目的は、GMP−140、P−、E−またはL−セレ クチンに関する診断用検定において用いるためのペプチドを提供することである 。 発明の概要 本発明は、式 R1−X−P−Q−S−T−Y−R2 (I) [式中、Xは、0〜10個のアミノ酸を有するN末端アミノ酸直鎖であり、そし てR1は、Xの末端αアミノ基またはXが0である場合はPのαアミノ基、或る いは、Xが0であり且つPがデスアミノ酸である場合はQのαアミノ基に対して 結合した残基であり; Yは、0〜10個のアミノ酸を有するC末端アミノ酸直鎖であり、そしてR2 は、Y(C(O)R2)のカルボキシル基の炭素またはYが0である場合はTの カルボキシル基の炭素に対して結合した残基であり; Pは、D−若しくはL−リシン、D−若しくはL−ε−アセチル−リシン、D −若しくはL−アスパラギン、グリシン、D−若しくはL−バリン、D−若しく はL−グルタミン、D−若しくはL−グルタミン酸、D−若しくはL−アラニン またはデスアミノ酸であり、そこにおいて、デスアミノ酸とは、式中のこの位置 にアミノ酸が存在しないことを意味し; Qは、D−若しくはL−トレオニン、D−若しくはL−イソロイシン、D−若 しくはL−バリン、D−若しくはL−アラニン、D−若しくはL−グルタミンか ら成る群より選択されるアミノ酸であり; Sは、D−若しくはL−トリプトファン、D−若しくはL−グルタミン、D− 若しくはL−7−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3 −カルボン酸、D−若しくはL−ε−アセチル−リシンから成る群より選択され るアミノ酸であり; Tは、D−若しくはL−トレオニン、D−若しくはL−バリン、D−若しくは L−アラニン、D−若しくはL−グルタミン、D−若しくはL−ε−アセチル− リシンから成る群より選択されるアミノ酸であり; R1は、水素(遊離N末端基を意味する)、低級アルキル、アリール、ホルミ ル、アルカノイル、アロイル、アルキルオキシカルボニルまたはアロイルオキシ カルボニルであり; R2は、OH(遊離C末端カルボン酸を意味する)、エステルを意味するOR3 (式中、R3は低級アルキルまたはアリールである)であるかまたはR2は、NR45(式中、R4およびR5はそれぞれ、水素、低級アルキル、アリールまたは環 状アルキルから独立して選択される)であり; 但し、XはZ−A−B−と同等ではないという条件付きであり、そこにおいて Zは、0〜8個のアミノ酸を有する配列であり;Aは、D−若しくはL−アスパ ラギン、D−若しくはL−イソロイシンおよびD−若しくはL−バリンから成る 群より選択されるアミノ酸であり;そしてBは、D−若しくはL−アスパラギン およびグリシンから成る群より選択されるアミノ酸である] を有する新規のペプチドまたはその薬学的に許容しうる塩に関する。 式Iを有するペプチドは、それらのコア部分として、P−セレクチンの58〜 61アミノ酸配列部分を、シグナルペプチドの開裂後に成熟タンパク質のN末端 として定義される残基1と一緒に有する。 試験は、式Iを有するペプチドが、約50〜約1500μMの範囲のペプチド 濃度においてP−セレクチンに対する好中球の結合を阻害することを示す。更に 、試験は、コア配列中並びにN末端およびC末端フランキング部分の変化が、生 物学的活性を損なわせないことを示す。 本発明は、式Iを有する新規のペプチドのみならず、それらを含む薬剤組成物 、それらを用いる診断法および治療法並びにそれらを製造する方法に関する。 図面の簡単な説明 図1は、精製ヒトP−セレクチンに対するヒト好中球の付着を阻害する式Iの ペプチドを示す。 発明の詳細な説明 本発明の好ましいペプチドは、式I(式中、互いにまたは独立して、R1は水 素であり;R2はNH2であり;SはD−またはL−トリプトファンであり;そし てTはD−またはL−トレオニンである)を有するものである。本発明の他の好 ましいペプチドは、式I(式中、互いにまたは独立して、Xは、Asn、D−A sn、Gly−Gln、D−Gln、ε−アセチル−リシンから成る群より選択 され、そしてYは、Gln−Val、Gln−D−Val、D−Gln−Val 、D−Gln−D−Val、Trp−Gln、D−Trp−Gln、Trp−D −Gln、D−Trp−D−Gln、7−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラ ヒドロイソキニリン−3−カルボン酸−Gln、D−7−ヒドロキシ−1,2, 3,4−テトラヒドロイソキニリン−3−カルボン酸−Gln、7−ヒドロキシ −1,2,3,4−テトラヒドロイソキニリン−3−カルボン酸−D−Gln、 D−7−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキニリン−3−カルボ ン酸−D−Gln)ε−アセチル−リシン−Gln、D−ε−アセチル−リシン −Gln、ε−アセチル−リシン−D−Gln、D−ε−アセチル−リシン−D −Glnから成る群より選択される)を有するものである。 具体的に好ましいペプチドとしては下記がある。 Gly-Ile-Trp-Thr-Trp-Val(配列番号:1) Gly-Gly-Ile-Trp-Thr-Trp-Val(配列番号:2) Gly-Gly-D-Ile-D-Trp-D-Thr-D-Trp-D-Val(配列番号:3) Gly-D-Ile-D-Trp-D-Thr-D-Trp-D-Val(配列番号:4) Asn-Lys-Thr-Trp-Thr-Trp-Val-NH2(配列番号:5) Lys-Thr-Trp-Thr-Trp-Val-NH2(配列番号:6) Thr-Trp-Thr-Trp-Val-NH2(配列番号:7) 本明細書中で用いられる「アルキル」という用語は、分岐状、直鎖および環状 飽和炭化水素を包含する。「低級アルキル」という用語は、1〜6個の炭素原子 を有するアルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル 、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、シクロペ ンチルメチルおよびヘキシルを意味する。「アルカノイル」という用語は、 (式中、R7はアルキル基である) を意味する。「アロイル」という用語は、 (式中、R8はアリール基である) を意味する。「アリール」という用語は、環縮合構造であってよいしまたはなく てもよいし、そして場合により、ハロゲン、炭素または他のヘテロ原子、例えば 、窒素(N)、硫黄(S)、リン(P)およびホウ素(B)で置換されている1 〜3個の環を有する芳香族またはヘロ芳香族構造を意味する。アルコキシカルボ ニルという用語は、 (式中、R9はアリール基およびアリールメチル基である) を意味する。 「Xの末端αアミノ基」という用語は、XのN末端アミノ酸のαアミノ基を意 味する。 式Iを有するペプチドは、遊離ペプチドまたは薬学的に許容しうる塩の形で用 いることができる。アミン塩は、既知の方法にしたがってペプチドを酸で処理す ることによって製造することができる。適当な酸としては、無機酸、例えば、塩 酸、臭化水素酸、過塩素酸、硝酸、チオシアン酸、硫酸およびリン酸並びに有機 酸、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、シ ュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、アントラニル酸、ケイ皮 酸、ナフタレンスルホン酸およびスルファニル酸がある。 ペプチド中のカルボン酸基は、既知の方法にしたがってペプチドを塩基で処理 することによって塩に変換することができる。適当な塩基としては、無機塩基、 例えば、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウムおよび水酸化カリウム並びに有 機塩基、例えば、モノ−、ジ−およびトリ−アルキルおよびアリールアミン(例 えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、メチルアミンおよびジメチル アミン並びに場合により置換されたモノ−、ジ−およびトリ−エタノールアミン がある。 本明細書中で論及されるペプチドのアミノ酸成分およびそれらの製造において 用いられる若干の材料を、便宜上、略語で識別する。これらの略語は以下の通り である。 試薬 略語 トリフルオロ酢酸 TFA 塩化メチレン CH2Cl2 N,N−ジイソプロピルエチルアミン DIEA N−メチルピロリドン NMP 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール HOBT ジメチルスルホキシド DMSO 無水酢酸 Ac2O ジイソプロピルカルボジイミド Dic L−またはD−で始まるアミノ酸は、それぞれ、ミアミノ酸のL−またはD− 鏡像異性体を意味するが、L−またはD−を前に付けていないアミノ酸はL−鏡 像異性体を意味している。 ペプチドの製造法 概して、ペプチドは、例えば、内容が本明細書中に具体的に包含されている引 用文献に記載されたような既知の技法にしたがって製造することができる。好ま しい方法において、ペプチドは、メリフィールド(Merrifield)によ ってJ.Amer.Chem.Soc.,85,2149〜2154(1963 )に最初に記載された固相合成技術にしたがって製造される。他の技法は、例え ば、M.ボダンツキー(Bodanszky)ら、Peptide Synth esis ,第2版,(ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wile y & Sons),1976年)並びに当業者に知られている他の参考書で見 出しうる。 このような合成において使用できる適当な保護基およびそれらの略語は、上記 文献並びにJ.F.W.マコーミー(McOmie)、Protective Groups in Organic Chemistry ,(プレナム・プレ ス(Plenum Press)、ニューヨーク、1973年)において見出さ れる。本明細書中で用いられる常用保護基は、t−ブチルオキシカルボニル(B oc)、フルオレニルメトキシカルボニル(FMOC)、ベンジル(Bzl)、 トシル(Tos)、o−ブロモ−フェニルメトキシカルボニル(BrCBZ)、 フェニルメトキシカルボニル(CBZ)、2−クロロ−フェニルメトキシカルボ ニル(2−Cl−CBZ)、4−メトキシ−2,3,6−トリメチルベンゼンス ルホニル(Mtr)、トリチル(Trt)、ホルミル(CHO)および第三ブチ ル(t−Bu)である。 固相方法論による式Iを有するペプチドの合成のための一般的な合成手順は以 下の通りである。 A.Nα−Boc保護を用いる固相ペプチド合成の一般的な合成手順 ペプチドは、更に、当業者に知られている標準的な遺伝子工学技術を用いて製 造することができる。例えば、ペプチドは、該ペプチドをコードしている核酸を 発現ベクター中に挿入し、DNAを発現させ、そして必要なアミノ酸の存在下に おいて該DNAをペプチドに翻訳することによって酵素的に製造することができ る。次に、ペプチドを、クロマトグラフィー若しくは電気泳動技術を用いて、ま たは担体タンパク質をコードしている核酸配列を、ペプチドコード配列を含む相 中の発現ベクター中に挿入することによってペプチドに融合させることができる し、そして引き続きペプチドから開裂することができる該担体タンパク質によっ て精製される。融合タンパク質−ペプチドは、クロマトグラフィー、電気泳動ま たは免疫学的技法(例えば、タンパク質に対する抗体による樹脂に対する結合) を用いて単離することができる。ペプチドは、化学的方法論を用いてまたは加水 分解酵素などによって酵素的に開裂させることができる。 式Iを有するペプチドは、更に、段階的かまたはフラグメント縮合によって溶 液法を用いて製造することができる。適当にアミノ末端が保護されたアミノ酸を 、ジイミド、対称性若しくは非対称性無水物、BOPまたは、当業者に知られて いる他の結合試薬若しくは技術を用いて、適当にカルボキシル末端が保護された アミノ酸(このような保護は、選択された結合法に応じて必要とされないことが ある)に対して結合させる。これらの技法は、化学的かまたは酵素的であってよ い。アミノおよび/またはカルボキシル保護基を除去し、そして次に適当に保護 されたアミノ酸またはアミノ酸ブロックを結合させて成長ペプチドを伸長させる 。保護基並びに化学的および/または酵素的技法および組立て計画の種々の組合 せをそれぞれの合成において用いることができる。薬剤組成物の製造法 本発明の薬剤組成物は、薬学的に許容しうる担体または希釈剤および有効量の 1種類またはそれ以上の式Iのペプチドまたはその酸塩若しくは塩基塩を含む。 担体または希釈剤は、舌下、直腸、鼻腔、経口または非経口などの投与に望まし い剤形に応じて広範囲の形をとることができる。 経口用剤形の組成物を製造する場合、通常の薬剤媒質、例えば、水、油、アル コール、着香剤、保存剤および着色剤のいずれかを用いて経口用液状製剤(例え ば、懸濁剤、エリキシル剤または水剤)を製造することができるしまたはデンプ ン、糖、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤および崩壊剤などの担体と一緒に経口 用固形製剤(例えば、散剤、カプセル剤または錠剤)を製造することができる。 制御放出形態または生物学的利用能を増加させるエンハンサーを用いてもよい 。投与におけるそれらの容易さゆえに、錠剤およびカプセル剤は最も好都合な経 口用単位剤形であり、その場合、固形薬剤担体が用いられる。所望ならば、標準 的な技法によって錠剤を糖衣してよいしまたは腸溶コーティングしてよい。 非経口製品用に、通常、担体は滅菌水であるが、溶解性を助けるためのまたは 保存剤としての他の成分を含んでいてよい。注射可能な懸濁剤も製造することが でき、その場合、適当な液状担体および沈殿防止剤を用いることができる。 ペプチドは、更に、水剤またはクリーム剤の局所適用によって創傷または炎症 性部位に局所投与することができる。 或いは、ペプチドは、リポソームまたはミクロスフェア(または微粒子)で投 与することができる。患者に対する投与用のリポソームおよびミクロスフェアの 製造法は、当業者に知られている。米国特許第4,789,734号明細書には 、生物学的材料をリポソーム中に封入する方法が記載されている。本質的には、 材料を水溶液中に溶解させ、適当なリン脂質および脂質を、必要ならば界面活性 剤と一緒に加え、そして必要に応じて材料を透析するかまたは音波処理する。既 知の方法の論評は、G.グレゴリアディス(Gregoriadis)、14章 ,「リポソーム(Liposomes)」,Drug Carriers in Biology and Medicine ,287〜341頁(アカデミッ ク・プレス(Academic Press)、1979年)による。ポリマー またはタンパク質から成形されたミクロスフェアは当業者に周知であり、そして 胃腸管を介して直接血流中に通過させるように要求通りに製造することができる 。或いは、ペプチドは、何日間〜何か月間の期間にわたって徐放するように配合 され且つミクロスフェアまたはミクロスフェアの複合材料に植え込むことができ る。例えば、米国特許第4,906,474号明細書、同第4,925,673 号明細書および同第3,625,214号明細書を参照されたい。 概して、ペプチドは、約1μg/kg(体重)の量で非経口投与された場合に 活性である。他の投与経路による有効な用量は、概して、約1μg/kgを越え る静脈内投与量と同様の血中濃度をもたらす用量である。再潅流を伴う場合の器 官損傷を防止する処置のために、ペプチドは、約0.01〜約10mg/kg( 体重)の量で非経口投与することができる。概して、炎症を軽減させるべき他の 疾患または症状の治療において、同様の投薬量範囲を用いることができる。この 投薬量は、一部分は、1種類またはそれ以上のペプチドを投与するか否かに関係 する。相乗効果は、レクチンドメイン部分と異なるか若しくは重複するペプチド の組合せによって、またはP−セレクチンのEGFドメイン由来のペプチドとの 組合せにおいて見られることがある。結合を実証する方法 生物学的に活性であるペプチドは、P−セレクチンに対する好中球、単球、リ ンパ球サブセットまたは他の細胞の結合を阻害するかまたは、E−セレチクンお よび/またはL−セレクチンによって媒介されている内皮に対する白血球の付着 を阻害するものである。 ペプチドの、細胞に対する付着、例えば、プラスチックウェル上に固定された 精製P−セレクチンに対する好中球付着を阻害する能力について、ジェン(Ge ng)ら、Nature 343,757〜760(1990)によって 記載された検定を用いてスクリーニングすることができる。 ヒト好中球は、ヘパリン処理された全血から、モノ・ポリ(Mono−Pol y)分離媒質、フロー・ラボラトリーズ(FlowLaboratories) での密度勾配遠心分離によって単離される。好中球懸濁液は98%を越えて純粋 であり且つトリパンブルー排除により95%を越えて生存しうる。付着検定のた めに、好中球を、1.26mM Ca2+および0.81mM Mg2+含有ハンク ス平衡塩溶液(HBSS、ギブコ(Gibco)中においてヒト血清アルブミン g mg/mLと一緒に(HBSS/HSA)細胞濃度2x106個/mLで懸 濁させる。付着検定は、各種タンパク質溶液50マイクロリットルと一緒に4℃ 一晩中インキュベートされた96ウェル微量滴定プレート、コーニング(Cor ning)中において三重反復試験で行なわれる。 P−セレクチンは、ヒト血小板溶解産物から、抗体S12−セファロース(S epharose)(商標)でのイムノアフィニティークロマトグラフィーおよ びモノ(Mono)−Q(商標)カラム(FLPC)ファーマシア・ファイン・ ケミカルズ(Pharmacia Fine Chemicals)でのイオン 交換クロマトグラフィーによって以下のように単離される。 血液銀行から入手され且つ4℃で貯蔵された旧式のヒト血小板パック(100 単位)をプールし、pH7.5で5mM EDTAに調整し、1リットルびん中 において4,000rpmで30分間遠心分離した後、0.1M NaCl、2 0mMトリス pH7.5(TBS)、5mM EDTA、5mMベンズアミジ ンの1リットルで3回洗浄する。 次に、血小板を最小量の洗浄バッファー中に再懸濁させ且つDIFP中に1m Mとした後、50mLスクリュートップ試験管中において−80℃で凍結させる 。凍結した血小板を解凍し且つTBS 50mL、5mMベンズアミジン、5m M EDTA pH7.5、100Mロイペプチン中に再懸濁させる。懸濁液を ドライアイス−アセトン浴中において600mL凍結乾燥用フラスコを用いて二 回凍結および解凍させた後、ガラス/テフロン乳鉢中および乳棒で均一化し、そ してDIFP中に1mMとした。NaCl濃度を、4M NaClの原液で0. 5Mに調整する。懸濁液を4℃で撹拌後、それをポリカーボネート試験管中、4 ℃において33,000rpmで60分間遠心分離する。上澄み(0.5MNa Cl洗液)を取出し且つ蓄える。この上澄みは可溶形のP−セレクチンを含む。 ペレットの上部を上澄みと一緒に取出さないように注意する。次に、ペレットを 抽出用バッファー(TBS、5mMベンズアミジン、5mM EDTA、pH7 .5、100pMロイペプチン、2%トリトン(Triton)X−100)中 で均一化する。4℃において19,500rpmで25分間の遠心分離後、上澄 みを取出す。抽出操作をペレットについて繰り返し、そしてその上澄みを最初の 上澄みと合わせる。合わせた抽出液は膜形のP−セレクチンを含んでおり、それ を0.5M NaClに調整する。 可溶性部分(0.5M NaCl洗液)および膜抽出液(0.5M NaCl に更に調整される)を、アフィゲル(Affigel)(バイオラド(Bior ad))に対して4℃において5mg/mLで2時間予め結合させた単クローン 性抗体S12(P−セレクチンに向けられた)の別個のプールによって吸収させ る。樹脂を沈降させた後、上澄みを取出す。次に、結合したGMP−140を含 むS12アフィゲルをカラム中に充填し且つ0.5M NaCl、20mMトリ ス pH7.5、0.01%ルブロール(Lubrol)PXの400mLと一 緒に4℃で一晩中洗浄する。 結合したP−セレクチンを、S12アフィゲルから、80%エチレングリコー ル、1mM MES pH6.0、0.01%ルブロールPXの100mLで溶 離する。280nmでの吸光度によるピーク部分をプールする。溶離液を0.0 5%ルブロール含有TBSに対して透析した後、モノQカラム(ファーマシアか らのFPLC)に入れる。濃縮タンパク質を、2M NaCl、20mMトリス pH7.5(膜部分用には0.05%ルブロールPXを加える)で段階溶離す る。ピーク部分をTBS pH7.5(膜部分用には0.05%ルブロールPX を加える)中に透析する。 P−セレクチンを5マイクログラム/mLで入れ、そして対照タンパク質、す なわち、ヒト血清アルブミン(Alb)、血小板糖タンパク質IIb/IIIa (IIb)、フォンビルブラント因子(vWF)、フィブリノーゲン(FIB) 、トロンボモジュリン(TM)、ゼラチン(GEL)またはヒト血清(HS)を 50マイクログラム/mLで加える。全部のウェルを、HSA 10mg/mL 含有HBSS 300マイクロリットルを用いて22℃で2時間ブロックした後 、0.1%トゥイーン(Tween)−20含有HBSSで3回およびHBSS で1回洗浄する。細胞(2x105個/ウェル)をウェルに加え且つ22℃で2 0分間インキュベートする。次に、ウェルをHBSS/HSAで満たし、アセテ ートテープ(ダイナテク(Dynatech))で密封し、そして150gで5 分間倒置遠心分離する。非付着細胞および上澄みを捨てた後、各ウェルの内容物 を、50mMリン酸カリウム、pH6.0中の0.5%臭化ヘキサデシルトリメ チルアンモニウム、シグマ(Sigma)200マイクロリットルを用いて可溶 化し且つミエロペルオキシダーゼ活性について検定する。リー(Ley)ら、 lood 73,1324〜1330(1989)。結合した細胞の数は、ミエ ロペルオキシダーゼ活性対細胞数の標準曲線から得られる。全ての検定条件下に おいて、細胞は、全ミエロペルオキシダーゼおよび乳酸デヒドロゲナーゼの5% 未満を放出する。5%の値は、特異的付着の95%が阻害されたことを意味する ことから、阻害は低百分率付着として読み取られる。臨床的応用 セレクチンは、白血球付着、炎症および凝固に関係するいくつかの機能を有す るので、P−セレクチン、E−セレクチンまたはL−セレクチンの結合を妨げる 化合物を用いてこれらの応答を調節することができる。 例えば、ペプチドは、白血球表面上のP−セレクチン受容体に対して競合的に 結合することによって白血球付着を競合的に阻害するのに用いることができる。 この種類の療法は、白血球に媒介された炎症の、一時的ではあるが有効な阻害が 望まれる急性の場合に特に有用であろうペプチドの注入による長期療法も、若干 の状況において可能でありうる。 白血球は正常な組織を損傷しうる多数の毒性分子を放出するので、炎症性応答 は、抑制されない場合、宿主に対して損傷を引起こすことがある。これらの分子 としては、タンパク質分解酵素および遊離基がある。白血球が組織損傷を引起こ しうる病理学的状況の例としては、虚血および再灌流による損傷、細菌性敗血症 および汎発性血管内凝固症候群、成人呼吸窮迫症候群、腫瘍転移、慢性関節リウ マチ並びにアテローム硬化症がある。 再灌流損傷は、臨床心臓病学における主要な問題である。虚血性心筋層での白 血球付着を減少させる治療薬は、血栓崩壊性薬の治療的有効性を有意に増大させ ることができる。組織プラスミノーゲン活性化因子またはストレプトキナーゼな どの薬剤による血栓崩壊性療法は、回復不能な心筋細胞死の前の苛酷な心筋虚血 を有する多数の患者において冠状動脈障害を緩和することができる。しかしなが ら、多数のこのような患者は、血流の回復にもかかわらず、なお心筋神経症に苦 しんでいる。この「再灌流損傷」は、おそらく一部分は、白血球に対して血小板 および内皮を付着性にさせるトロンビンおよびサイトカインによるそれらの活性 化のために、虚血性区域中の血管内皮に対する白血球の付着性と関係があること が知られている(ロスメン(Rosmen)ら、Circulation 67 :1016〜1023(1983))。これらの付着性白血球は、内皮を介して 移動し且つ虚血性心筋層を、ちょうどそれが血流の回復によって救われる時に破 壊することがある。 虚血および再灌流が、血管表面に対する白血球の付着に媒介された器官損傷を 引起こしている他の一般的な臨床的障害は多数存在し、発作;腸間膜および末梢 血管疾患;器官移植;並びに循環性ショック(この場合、多数の器官が血流回復 後に損傷されるかもしれない)がある。 細菌性敗血症および汎発性血管内凝固症候群は、重病患者において同時に存在 することが多い。それらは、トロンビン、サイトカインおよび他の炎症性媒介物 質の発生、血小板および内皮の活性化、並びに血管系中の白血球の付着および血 小板の凝集と関係がある。白血球依存性器官損傷は、これらの症状の重要な特徴 である。 成人呼吸窮迫症候群は、敗血症のまたは外傷後の患者において引起こされる破 壊的肺傷害であり、肺循環中の白血球の広範囲にわたる付着および凝集と関係が ある。これは、肺中への多量の血漿浸出および肺組織の破壊をもたらし、両方と も大部分は白血球産物によって媒介される。 しばしば致命的である二つの関連した肺障害は、同種異系骨髄移植を受けた免 疫抑制患者および、インターロイキン−2で処理されたLAK細胞(リンホカイ ンで活性化されたリンパ球)による治療に起因する全身性血管漏出による合併症 に苦しむ癌患者に存在する。LAK細胞は、血管壁に付着し、そしておそらくは 内皮に対して毒性である産物を放出することが知られている。LAK細胞が内皮 に付着する機序は現在知られていないが、このような細胞は、好中球中で機能し うるものと同様の機序によって内皮を活性化した後に内皮に結合する分子を放出 することが可能であろう。 多数の悪性疾患(癌、リンパ腫および肉腫を含む)からの腫瘍細胞は、血管系 を介して離れた部位に転移することがある。内皮に対する腫瘍細胞の付着および それらの引き続きの移動についての機序は十分に理解されていないが、少なくと も若干の場合において白血球の機序と同様でありうる。血小板と転移性腫瘍細胞 との関係は十分に記載されており、若干の癌の拡大における血小板の役割が示唆 されている。最近、P−セレクチンは種々のヒト癌組織部分(結腸、肺および胸 部)の腫瘍細胞に対して結合すること、およびP−セレクチンは、黒色腫以外の 種々の癌に由来する多数の細胞系の細胞表面に対して結合することが報告された 。アルゴ(Aruggo)A.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.U SA ,89,2292〜2296(1992)。アルゴらも、E−セレクチンが 、インビトロでの活性内皮細胞に対する結腸癌細胞系(HT−20)の付着を媒 介することによって腫瘍転移に関与しているらしいということを示唆する初期の 研究に参考文献を記載している。血小板−白血球相互作用は、アテローム硬化症 において重要であると考えられる。血小板は、アテローム硬化症斑中への単球の 供給においてある役割を有すると考えられ、単球の蓄積は、アテローム発生の際 の最初に検出しうる結果の一つであることが知られている。完全に発達した斑の 破裂は、血小板の沈着および活性化並びに血栓形成の促進のみならず、虚血部分 に対する初期の好中球供給をもたらすことがある。 もう一つの可能な応用分野は、慢性関節リウマチの治療にある。 治療のための本発明のこれらのペプチドを用いる治療様式およびこのための有 効量のペプチドに対する応答を評価するための判定基準は、具体的な症状によっ て指示され、そして概して、標準的な医療に従う。例えば、心筋梗塞の拡張を防 止する有効量の判定基準は、心電図、生命徴候および臨床反応を監視することに よって血漿中の心筋壊死のマーカー酵素を検査することにより、当業者によって 決定されるであろう。急性呼吸窮迫症候群の治療のためには、動脈酸素の増進、 肺浸潤の消散並びに軽減された呼吸困難および頻呼吸によって測定される臨床的 改善について検査されるであろう。ショック(低血圧)の患者の治療のための有 効量は、血圧の回復後の肝臓および腎臓などの生体器官についての臨床反応およ び機能の具体的な測定値に基くであろう。神経学的機能は、発作のある患者にお いて監視されるであろう。具体的な検査を用いて、移植された器官の機能、例え ば、腎臓移植を受けた患者の血清クレアチニン、尿量および血清電解質を監視す る。診断用試薬 ペプチドは、更に、セレクチンのリガンドに欠陥があるかもしれないヒト障害 の検出用に用いることができる。このような障害は、白血球が活性血小板または 内皮に対して結合できないかもしれない感染に対する感受性が増加した患者にお いて見られる可能性がある。検査される細胞、通常、白血球を、標準的な医学的 に承認された技法によって集め且つスクリーニングする。検出システムとしては 、エリザ(ELISA)法、固定された活性細胞に対する放射性標識抗体の結合 、フローサイトメトリーまたは当業者に知られている他の方法がある。レクチン ドメインペプチドの存在下および不存在下における結合の阻害を用いて、セレク チン結合における欠陥または変化を検出することができる。セレクチンについて 、このような障害は、Pセレクチンのための白血球リガンドに欠陥があるために 、白血球の血小板および内皮に対する結合に欠陥があると考えられる感染に対す る感受性が増加した患者において見られる可能性がある。 ペプチドは、放射能によって、蛍光標識によって、酵素によってまたは、電子 鏡検法のための金などの電子稠密材料によって標識される。検査される細胞、通 常、白血球を標識ペプチドと一緒にインキュベートし、そしてP−セレクチンに 対する抗体を用いる前記の方法によって、または当業者に知られている他の方法 によって結合を評価する。P−セレクチンのためのリガンドが血漿中においても 見出される場合、それらは、更に、標準的なエリザまたは放射線免疫検定法によ って、検出用試薬として抗体の代わりに標識P−セレクチン由来ペプチドを用い て測定することができる。 更に、ペプチドは、セレクチンリガンドを有する細胞の濃度をインビボで考え る場合に有用でありうる。癌細胞などの生体中の異常に高い局所濃度または存在 が障害の指標となる、セレクチンリガンドを発現する細胞については、標識ペプ チドを用いて考えることができる。これらの標識は、セレクチン特異的ペプチド の構造に対して内因性であるかまたは外因性であってよいし、そして制限されな いが、X線対比を増大させる111Inまたは非放射性稠密原子などの高エネルギ ーエミッターを挙げることができる。 以下の実施例は、本発明を制限するのではなく、例証するために示される。実 施例においておよび明細書中において、特に断らない限り、部は重量による。実施例I :グリシル−イソロイシル−トリプトフィル−トレオニル−トリプトフ ィル−バリン(配列番号:1) ペプチドを、Boc化学を用いる手動固相合成により、1.6ミリモルのTF AIle−Trp−Thr−Trp−Val−樹脂(配列番号:8)を用いて 製造した。6ミリモルのBoc−Glyを、ジシクロヘキシルカルボジイミドお よびヒドロキシベンゾトリアゾール(それぞれ6ミリモル)で活性化し且つ樹脂 に対して結合させた。約0.3ミリモルのTFAGly−Ile−Trp−T hr−Trp−Val−樹脂(配列番号:9)を取出し且つ真空乾燥させて、ペ プチド−樹脂685mgを生成した。 ペプチド−樹脂655mgを、アニソール1mLおよびHF 10mLによっ て0℃〜4℃で1時間処理した。HFを窒素流によって除去し、そして得られた 固体をジエチルエーテル(30mL)で摩砕した。固体を濾過によって集め、ジ エチルルエーテル(3x10mL)で洗浄した後、50%TFA/塩化メチレン (3x10mL)で抽出した。抽出物をヒュームフード中での窒素流の使用によ って濃縮した。残留物に対してジエチルエーテル(約75mL)を加えて粗ペプ チドを沈殿させた。ペプチドを濾過によって集め、エーテル(3x10mL)で 洗浄し、そして水酸化ナトリウム上で真空乾燥させて粗ペプチドを246mg生 成した。粗ペプチド100mgは、50%ジメチルホルムアミド/水(10mL )中の1%ピペリジン中に溶解させ且つ室温で2時間撹拌することによって脱ホ ルミル化されたTrp残基を有した。脱ホルミル化溶液は、pHを約4.5に調 整するように酢酸を1滴ずつ用いて処理された。この溶液を、ヴィダク(Vyd ac)、22x250mm C18、10μm、細孔度300オングストローム の粒子を充填したカラムに注入した。20%〜60%Bの勾配を用いる流速10 mL/分で60分間にわたる溶離を行なった(溶媒A=0.1%TFA;溶媒B =80%エタノール/水中0.1%TFA)。画分を採取し、そして適当な画分 をプールして半純粋ペプチド53mgを生成した。ペプチドを水(約20mL) 中に溶解させ且つ30%水酸化アンモニウムを1滴ずつ加えることによって更に 精製を行なった。前記カラムおよび無勾配40%Bバッファーによる10mL/ 分での溶離を用いて分離高速液体クロマトグラフィー実験を4回行なった。画分 を採取し、そして適当な画分をプールして、白色固体120mgを生成した。 アミノ酸分析:Gly 1.01(1.00)、Ile 0.97(1.00) 、Thr 0.94(1.00)、Val 1.01(1.00)、Trp1. 84(2.00)、10%ペプチド。 FAB/MS:MH+ 761.3(MW=760)実施例II :グリシル−グリシル−D−イソロイシル−D−トリプトフィル−D −トレオニル−D−トリプトフィル−D−バリン(配列番号:3) ペプチドを、Boc化学を用いる手動固相合成により、1.4ミリモルのTF AGly−D−Ile−D−Trp−D−Thr−D−Trp−D−Val− PAM樹脂(配列番号:10)を用いて製造した。5.2ミリモルのBoc−G lyを、ジシクロヘキシルカルボジイミドおよびヒドロキシベンゾトリアゾール (それぞれ5.2ミリモル)で活性化し且つ樹脂に対して結合させた。約0.3 ミリモルのTFAGly−Gly−D−Ile−D−Trp−D−Thr−D −Trp−D−Val−PAM(配列番号:11)樹脂を取出し且つ真空乾燥さ せて、ペプチド−樹脂881mgを生成した。 洗浄 反復 時間(分) 30%TFA/CH2Cl2 1 3 50%TFA/CH2Cl2 1 16 CH2Cl2 5 1 5%ジイソプロピルエチレンアミン/CH2Cl2 1 4 CH2Cl2 6 1 結合工程(樹脂試料をニンヒドロリン検査することによって監視された)。 ペプチド−樹脂781mgを、アニソール1mLおよびHF 10mLによっ て0℃〜4℃で1時間処理した。HFを窒素流によって除去し、そして得られた 固体をジエチルエーテル(30mL)で摩砕した。固体を濾過によって集め、ジ エチルルエーテル(3x10mL)で洗浄した後、50%TFA/塩化メチレン (3x10mL)で抽出した。抽出物をヒュームフード中での窒素流の使用によ って濃縮した。残留物をジエチルエーテル(約75mL)で処理して粗ペプチド を沈殿させた。ペプチドを濾過によって集め、エーテル(3x10mL)で洗浄 し、そして水酸化ナトリウム上で真空乾燥させて粗ペプチドを223mg生成し た。粗ペプチド100mgは、50%ジメチルホルムアミド/水(20mL)中 の1%ピペリジン中に溶解させ且つ室温で2時間撹拌することによって脱ホルミ ル化されたTrp残基を有した。4x5mLの注入を、ヴィダク、22x250 mm C18、10μm、細孔度300オングストロームの粒子を充填したカラ ムに対して行なった。30%〜45%Bの勾配を用いる流速10mL/分で30 分間にわたる溶離を行なった(溶媒A=0.1%TFA;溶媒B=80%エタノ ール/水中0.1%TFA)。画分を採取し、そして適当な画分をプールして、 白色固体38mgを生成した。 アミノ酸分析:Gly 1.99(2.00)、Ile 0.84(1.00) 、Thr 0.83(1.00)、Val 1.00(1.00)、Trp1. 76(2.00)、74%ペプチド。 FAB/MS:MH 818(MW=817)実施例III :グリシル−グリシル−イソロイシル−トリプトフィル−トレオニ ル−トリプトフィル−バリン(配列番号:2) ペプチドを、Boc化学を用いる手動固相合成により、1.3ミリモルのTF AGly−Ile−Trp−Thr−Trp−Val−樹脂(配列番号:9) を用いて製造した。5ミリモルのBoc−Glyを、ジシクロヘキシルカルボジ イミドおよびヒドロキシベンゾトリアゾール(それぞれ5ミリモル)で活性化し 且つ樹脂に対して結合させた。約0.3ミリモルのTFAGly−Gly−I le−Trp−Thr−Trp−Val−樹脂(配列番号:12)を取出し且つ 真空乾燥させて、ペプチド−樹脂685mgを生成した。 ペプチド−樹脂655mgを、アニソール1mLおよびHF 10mLによっ て0℃〜4℃で1時間処理した。HFを窒素流によって除去し、そして得られた 固体をジエチルエーテル(30mL)で摩砕した。固体を濾過によって集め、ジ エチルルエーテル(3x10mL)で洗浄した後、70%酢酸(3x10mL) で抽出した。抽出物を混合し且つ凍結乾燥させて粗ペプチドを128mg生成し た。粗ペプチド84mgは、2%ピペリジン(10mL)中に溶解させ且つ室温 で2時間撹拌することによって脱ホルミル化されたTrp残基を有した。この溶 液を、ヴィダク、22x250mm C18、10μm、細孔度300オングス トロームの粒子を充填したカラムに対して3回の実験にわたって注入した。30 %〜50%Bの勾配を用いる流速10mL/分で30分間にわたる溶離を行なっ た(溶媒A=0.1%TFA;溶媒B=80%エタノール/水中0.1%TFA )。画分を採取し、そして適当な画分をプールして、白色固体53mgを生成し た。 アミノ酸分析:Gly 2.00(2.00)、Ile 0.92(1.00) 、Thr 0.90(1.00)、Val 1.00(1.00)、Trp1. 79(2.00)、61%ペプチド。 FAB/MS:MH 818(MW=817)実施例IV :グリシル−D−イソロイシル−D−トリプトフィル−D−トレオニ ル−D−トリプトフィル−D−バリン(配列番号:4) ペプチドを、Boc化学を用いる手動固相合成により、1.7ミリモルのTF AD−Ile−D−Trp−D−Thr−D−Trp−D−Val−PAM樹 脂(配列番号:13)を用いて製造した。6.8ミリモルのBoc− Glyを、ジシクロヘキシルカルボジイミドおよびヒドロキシベンゾトリアゾー ル(それぞれ6.8ミリモル)で活性化し且つ樹脂に対して結合させた。約0. 3ミリモルのTFAGly−D−Ile−D−Trp−D−Thr−D−Tr p−D−Val−PAM樹脂(配列番号:10)を取出し且つ真空乾燥させて、 ペプチド−樹脂843mgを生成した。用いられた洗浄順序は以下の通りであっ た。 洗浄 反復 時間(分) 30%TFA/CH2Cl2 1 3 50%TFA/CH2Cl2 1 16 CH2Cl2 5 1 5%ジイソプロピルエチレンアミン/CH2Cl2 1 4 CH2Cl2 6 1 結合工程(樹脂試料をニンヒドロリン検査することによって監視された)。 ペプチド−樹脂781mgを、アニソール1mLおよびHF 10mLによっ て0℃〜4℃で1時間処理した。HFを窒素流によって除去し、そして得られた 固体をジエチルエーテル(30mL)で摩砕した。固体を濾過によって集め、ジ エチルルエーテル(3x10mL)で洗浄した後、70%酢酸(3x10mL) で抽出した。抽出物を混合し且つ凍結乾燥させて粗ペプチドを171mg生成し た。粗ペプチド100mgは、50%ジメチルホルムアミド/水(20mL)中 の1%ピペリジン中に溶解させ且つ室温で2時間撹拌することによって脱ホルミ ル化されたTrp残基を有した。脱ホルミル化溶液を、ヴィダク、22x250 mm C18、10μm、細孔度300オングストロームの粒子を充填したカラ ムに対して4回の実験にわたって注入した。30%〜50%Bの勾配を用いる流 速10mL/分で40分間にわたる溶離を行なった(溶媒A=0.1%TFA; 溶媒B=80%エタノール/水中0.1%TFA)。画分を採取し、そして適当 な画分をプールして、白色固体114mgを生成した。 アミノ酸分析:Gly 1.04(1.00)、Ile 0.93(1.00) 、Thr 0.91(1.00)、Val 1.03(1.00)、Trp1. 89(2.00)、12%ペプチド。 FAB/MS:MH 761.1(MW=759)実施例V :リシル−トレオニル−トリプトフィル−トレオニル−トリプトフィル −バリン−アミド(配列番号:6) ペプチドを、ABI 431A型ペプチドシンセサイザーにおいて標準BOC ソフトウェアのバージョン1.12を用いて製造した。4−メチルベンズヒドリ ルアミン樹脂(625mg)0.5ミリモル)を合成において用いた。樹脂の最 終重量は1.12gであった。 HF 11mLおよびアニソール1.1mLを0℃で60分間用いて、ペプチ ドを樹脂(1.12g)から開裂させた。樹脂をエーテルで洗浄し、そしてペプ チドを25%酢酸で抽出して粗ペプチド324mgを生成した。 粗ペプチド(324mg)を、ヴィダクC−18カラム(15μ、5x25c m)において0.1%TFA中80%アセトニトリルの25〜50%勾配を用い て流速15mL/分で120分間にわたって溶離して精製した。画分を集め、高 速液体クロマトグラフィーで分析し、そして純粋な部分をプールし且つ凍結乾燥 させて純粋ペプチド128mgを生成した。 アミノ酸分析:Lys 1.02(1)、Thr 1.82(2)、Trp1. 83(2)、Val 0.98(1)。 FAB/MS:MH 819.7実施例VI :トレオニル−トリプトフィル−トレオニル−トリプトフィル−バリ ン−アミド(配列番号:7) ペプチドを、ABI 431A型ペプチドシンセサイザーにおいて標準BOC ソフトウェアのバージョン1.12を用いて製造した。4−メチルベンズヒドリ ルアミン樹脂(625mg、0.5ミリモル)を合成において用いた。樹脂の最 終重量は1.0gであった。 HF 10mLおよびアニソール1mLを0℃で60分間用いて、ペプチドを 樹脂(1.0g)から開裂させた。樹脂をエーテルで洗浄し、そしてペプチドを 35%酢酸で抽出して粗ペプチド287mgを生成した。 粗ペプチド(287mg)を、ヴィダクC−18カラム(15μ、5x25c m)において0.1%TFA中80%アセトニトリルの25〜45%勾配を用い て流速15mL/分で120分間にわたって溶離して精製した。画分を集め、高 速液体クロマトグラフィーで分析し、そして純粋な部分をプールし且つ凍結乾燥 させて純粋ペプチド126mgを生成した。 アミノ酸分析:Thr 1.82(2)、Trp 1.85(2)、Val1. 00(1)。 FAB/MS:MH 691.5実施例VII :アスパラギニル−リシル−トレオニル−トリプトフィル−トレオ ニル−トリプトフィル−バリン−アミド(配列番号:5) ペプチドを、ABI 431A型ペプチドシンセサイザーにおいて標準BOC ソフトウェアのバージョン1.12を用いて製造した。4−メチルベンズヒドリ ルアミン樹脂(0.588mg、0.5ミリモル)を合成において用いた。 HF 20mLおよびアニソール2mLを0℃で60分間用いて、ペプチドを 樹脂から開裂させた。樹脂をエーテルで洗浄し、そしてペプチドを50%酢酸水 溶液で抽出した。 粗ペプチドを、ヴィダクC−18カラム(15μ、5x25cm)において0 .1%TFA中80%アセトニトリルの25〜45%勾配を用いて流速15mL /分で120分間にわたって溶離して精製した。画分を集め、高速液体クロマト グラフィーで分析し、そして純粋な部分をプールし且つ凍結乾燥させて92mg を生成した。 アミノ酸分析:Asx 1.00(1)、Lys 1.00(1)、Thr1. 66(2)、Trp 0.71(2)、Val 1.00(1)。 FAB/MS:MH 933.3(M.W.933.09) 配列表 (1)一般情報: (i)出願人:ヒーヴナー・ジョージ(Heavner,George)A. リーキシンジャー・ダグラス(Riexinger,Doug las) メルビク・ミリェンコ(Mervic,Miljenko) (ii)発明の名称:セレクチン結合のペプチド阻害剤 (iii)配列の数:13 (iv)宛先: (A)住所:ウッドコック・ウォシュバーン・カーツ・マキーヴィクツ・ア ンド・ノリス(Woodcock Washburn Kurtz Macki ewicz &Norris) (B)地区:ワン・リバティー・プレイス(One Liberty Pl ace)−46階 (C)市名:フィラデルフィア (D)州名:ペンシルバニア (E)国名:米国 (F)郵便番号:19103 (v)コンピューター読取り形式: (A)中型:フロッピーディスク (B)コンピューター:IBM PC適合性 (C)操作システム:PC−DOS/MS−DOS (D)ソフトウェア:パテントインリリース(PatentIn Rele ase)#1.0)バージョン(Version)#1.25 (vi)現行出願資料: (A)出願番号:US 891,986 (B)出願日:1992年5月05日 (C)分類: (viii)弁理士/代理人情報: (A)氏名:エルダーキン・ディアンヌ(Elderkin,Dianne )B. (B)登録番号:28,598 (C)照会/事件整理番号:CCOR−0024 (ix)通信情報: (A)電話:215−568−3100 (B)ファクシミリ:215−568−3439 (C)テレックス:710−670−1334 (2)配列番号:1の情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:6アミノ酸 (B)種類:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子種類:ペプチド (iii)仮説:なし (xi)配列種類:配列番号:1: (2)配列番号:2の情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:7アミノ酸 (B)種類:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子種類:ペプチド (iii)仮説:なし (xi)配列種類:配列番号:2: (2)配列番号:3の情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:7アミノ酸 (B)種類:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子種類:ペプチド (iii)仮説:なし (ix)特色: (A)名称/キー:修飾部位 (B)位置:3 (D)その他の情報:/標識=D−Ile /注記=「第三残基はD−Ileである。」 (ix)特色: (A)名称/キー:修飾部位 (B)位置:4 (D)その他の情報:/標識=D−Trp /注記=「第四残基はD−Trpである。」 (ix)特色: (A)名称/キー:修飾部位 (B)位置:5 (D)その他の情報:/標識=D−Thr /注記=「第五残基はD−Thrである。」 (ix)特色: (A)名称/キー:修飾部位 (B)位置:6 (D)その他の情報:/標識=D−Trp /注記=「第六残基はD−Trpである。」 (ix)特色: (A)名称/キー:修飾部位 (B)位置:7 (D)その他の情報:/標識=D−Val /注記=「第七残基はD−Valである。」 (xi)配列種類:配列番号:3: (2)配列番号:4の情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:6アミノ酸 (B)種類:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子種類ペプチド (iii)仮説:なし (ix)特色: (A)名称/キー:修飾部位 (B)位置:2 (D)その他の情報:/標識=D−Ile /注記=「第二残基はD−Ileである。」 (ix)特色: (A)名称/キー:修飾部位 (B)位置:3 (D)その他の情報:/標識=D−Trp /注記=「第三残基はD−Trpである。」 (ix)特色: (A)名称/キー:修飾部位 (B)位置:4 (D)その他の情報:/標識=D−Thr /注記=「第四残基はD−Thrである。」 (ix)特色: (A)名称/キー:修飾部位 (B)位置:5 (D)その他の情報:/標識=D−Trp /注記=「第五残基はD−Trpである。」 (ix)特色: (A)名称/キー:修飾部位 (B)位置:6 (D)その他の情報:/標識=D−Val /注記=「第六残基はD−Valである。」 (xi)配列種類:配列番号:4: (2)配列番号:5の情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:7アミノ酸 (B)種類:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子種類:ペプチド (iii)仮説:なし (ix)特色: (A)名称/キー:修飾部位 (B)位置:7 (D)その他の情報:/標識=Val−NH2 /注記=「カルボキシ末端アミノ酸Valは、アミノ化されている 。」 (xi)配列種類:配列番号:5: (2)配列番号:6の情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:6アミノ酸 (B)種類:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子種類:ペプチド (iii)仮説:なし (ix)特色: (A)名称/キー:修飾部位 (B)位置:6 (D)その他の情報:/標識=Val−NH2 /注記=「カルボキシ末端アミノ酸Valは、アミノ化されている 。」 (xi)配列種類:配列番号:6: (2)配列番号:7の情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:5アミノ酸 (B)種類:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子種類:ペプチド (iii)仮説:なし (ix)特色: (A)名称/キー:修飾部位 (B)位置:5 (D)その他の情報:/標識=Val−NH2 /注記=「カルボキシ末端残基Valは、アミノ化されている。」 (xi)配列種類:配列番号:7: (2)配列番号:8の情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:5アミノ酸 (B)種類:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子種類:ペプチド (iii)仮説:なし (ix)特色: (A)名称/キー:修飾部位 (B)位置:5 (D)その他の情報:/標識=Val−樹脂 /注記=「カルボキシ末端アミノ酸Valは、樹脂に対して結合し ている。」 (xi)配列種類:配列番号:8: (2)配列番号:9の情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:6アミノ酸 (B)種類:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子種類:ペプチド (iii)仮説:なし (ix)特色: (A)名称/キー:修飾部位 (B)位置:6 (D)その他の情報:/標識=Val−樹脂 /注記=「カルボキシ末端アミノ酸Valは、樹脂に対して結合し ている。」 (xi)配列種類:配列番号:9: (2)配列番号:10の情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:6アミノ酸 (B)種類:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子種類:ペプチド (iii)仮説:なし (ix)特色: (A)名称/キー:修飾部位 (B)位置:2 (D)その他の情報:/標識=D−Ile /注記=「第二残基はD−Ileである。」 (ix)特色: (A)名称/キー:修飾部位 (B)位置:3 (D)その他の情報:/標識=D−Trp /注記=「第三残基はD−Trpである。」 (ix)特色: (A)名称/キー:修飾部位 (B)位置:4 (D)その他の情報:/標識=D−Thr /注記=「第四残基はD−Thrである。」 (ix)特色: (A)名称/キー:修飾部位 (B)位置:5 (D)その他の情報:/標識=D−Trp /注記=「第五残基はD−Trpである。」 (ix)特色: (A)名称/キー:修飾部位 (B)位置:6 (D)その他の情報:/標識=D−Val−樹脂 /注記=「カルボキシ末端残基D−Valは、樹脂に対して結合し ている。」 (xi)配列種類:配列番号:10: (2)配列番号:11の情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:7アミノ酸 (B)種類:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子種類:ペプチド (iii)仮説:なし (ix)特色: (A)名称/キー:修飾部位 (B)位置:3 (D)その他の情報:/標識=D−Ile /注記=「第三残基はD−Ileである。」 (ix)特色: (A)名称/キー:修飾部位 (B)位置:4 (D)その他の情報:/標識=D−Trp /注記=「第四残基はD−Trpである。」 (ix)特色: (A)名称/キー:修飾部位 (B)位置:5 (D)その他の情報:/標識=D−Thr /注記=「第五残基はD−Thrである。」 (ix)特色: (A)名称/キー:修飾部位 (B)位置:6 (D)その他の情報:/標識=D−Trp /注記=「第六残基はD−Trpである。」 (ix)特色: (A)名称/キー:修飾部位 (B)位置:7 (D)その他の情報:/標識=D−Val−樹脂 /注記=「カルボキシ末端残基D−Valは、樹脂に対して結合し ている。」 (xi)配列種類:配列番号:11: (2)配列番号:12の情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:7アミノ酸 (B)種類:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子種類:ペプチド (iii)仮説:なし (ix)特色: (A)名称/キー:修飾部位 (B)位置:7 (D)その他の情報:/標識=Val−樹脂 /注記=「カルボキシ末端残基Valは、樹脂に対して結合してい る。」 (xi)配列種類:配列番号:12: (2)配列番号:13の情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:5アミノ酸 (B)種類:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子種類:ペプチド (iii)仮説:なし (ix)特色: (A)名称/キー:修飾部位 (B)位置:1 (D)その他の情報:/標識=D−Ile /注記=「第一残基はD−Ileである。」 (ix)特色: (A)名称/キー:修飾部位 (B)位置:2 (D)その他の情報:/標識=D−Trp /注記=「第二残基はD−Trpである。」 (ix)特色: (A)名称/キー:修飾部位 (B)位置:3 (D)その他の情報:/標識=D−Thr /注記=「第三残基はD−Thrである。」 (ix)特色: (A)名称/キー:修飾部位 (B)位置:4 (D)その他の情報:/標識=D−Trp /注記=「第四残基はD−Trpである。」 (ix)特色: (A)名称/キー:修飾部位 (B)位置:5 (D)その他の情報:/標識=D−Val−樹脂 /注記=「カルボキシ末端残基D−Valは、樹脂に対して結合し ている。」 (xi)配列種類:配列番号:13:
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI A61K 38/00 ABN ABX ACB ACD ADU C07K 14/645 C12N 15/09 C12P 21/02 ZNA C 9282−4B A61K 37/02 ACB ABN ADU ABG ABX ACD (72)発明者 マービック,ミルイェンコ アメリカ合衆国ペンシルバニア州19406, キング・オブ・プルシア,バリー・フォー ジ・アパートメンツ,アパートメント 201ビー

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.式 R1−X−P−Q−S−T−Y−R2 (I) [式中、Xは、0〜10個のアミノ酸を有するN末端アミノ酸直鎖であり、そし てR1は、Xの末端αアミノ基またはXが0である場合はPのαアミノ基、或る いは、Xが0であり且つPがデスアミノ酸である場合はQのαアミノ基に対して 結合した残基であり; Yは、0〜10個のアミノ酸を有するC末端アミノ酸直鎖であり、そしてR2 は、Y(C(O)R2のカルボキシル基の炭素またはYが0である場合はTのカ ルボキシル基の炭素に対して結合した残基であり; Pは、D−若しくはL−リシン、D−若しくはL−ε−アセチルーリシン、D −若しくはL−アスパラギン、グリシン、D−若しくはL−バリン、D−若しく はL−グルタミン、D−若しくはL−グルタミン酸、D−若しくはL−アラニン またはデスアミノ酸であり;Qは、D−若しくはL−トレオニン、D−若しくは L−イソロイシン、D−若しくはL−バリン、D−若しくはL−アラニン、D− 若しくはL−グルタミンから成る群より選択されるアミノ酸であり; Sは、D−若しくはL−トリプトファン、D−若しくはL−グルタミン、D− 若しくはL−7−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3 −カルボン酸、D−若しくはL−ε−アセチルーリシンから成る群より選択され るアミノ酸であり; Tは、D−若しくはL−トレオニン、D−若しくはL−バリン、D−若しくは L−アラニン、D−若しくはL−グルタミン、D−若しくはL−ε−アセチル− リシンから成る群より選択されるアミノ酸であり; R1は、水素、低級アルキル、アリール、ホルミル、アルカノイル、アロイル 、アルキルオキシカルボニルまたはアロイルオキシカルボニルであり; R2は、OH、OR3(式中、R3は低級アルキルまたはアリールである)であ るかまたはR2は、NR45(式中、R4およびR5はそれぞれ、水素、低 級アルキル、アリールまたは環状アルキルから独立して選択される)であり; 但し、XはZ−A−B−と同等ではないという条件付きであり、そこにおいて Zは、0〜8個のアミノ酸を有する直鎖状配列であり;Aは、D−若しくはL− アスパラギン、D−若しくはL−イソロイシンおよびD−若しくはL−バリンか ら成る群より選択されるアミノ酸であり;そしてBは、D−若しくはL−アスパ ラギンおよびグリシンから成る群より選択されるアミノ酸である] を有するペプチドまたはその薬学的に許容しうる塩。 2.Xが、Asn、D−Asn、Gly−Gln、D−Glnおよびε−アセ チルーリシンから成る群より選択される請求項1に記載のペプチド。 3.Yが、Gln−Val、Gln−D−Val、D−Gln−Val、D− Gln−D−Val、Trp−Gln、D−Trp−Gln、Trp−D−Gl n、D−Trp−D−Gln、7−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ イソキニリン−3−カルボン酸−Gln、D−7−ヒドロキシ−1,2,3,4 −テトラヒドロイソキニリン−3−カルボン酸−Gln、7−ヒドロキシ−1, 2,3,4−テトラヒドロイソキニリン−3−カルボン酸−D−Gln、D−7 −ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキニリン−3−カルボン酸− D−Gln)ε−アセチル−リシン−Gln、D−ε−アセチル−リシン−Gl n、ε−アセチル−リシン−D−Gln、D−ε−アセチル−リシン−D−Gl nから成る群より選択される請求項1に記載のペプチド。 4.式 Gly-Gly-D-Ile-D-Trp-D-Thr-D-Trp-D-Val(配列番号:3) Gly-D-Ile-D-Trp-D-Thr-D-Trp-D-Val(配列番号:4) Gly-Ile-Trp-Thr-Trp-Val(配列番号:1) Gly-Gly-Ile-Trp-Thr-Trp-Val(配列番号:2) Asn-Lys-Thr-Trp-Thr-Trp-Val-NH2(配列番号:9) Lys-Thr-Trp-Thr-Trp-Val-NH2(配列番号:6) Thr-Trp-Thr-Trp-Val-NH2(配列番号:7) を有するペプチドから成る群より選択される請求項1に記載のペプチド。 5.薬学的に許容しうる担体または希釈剤および有効量の請求項1に記載の 1種類またはそれ以上のペプチドを含む薬剤組成物。 6.ヒト患者において白血球付着を阻害する方法であって、該患者に対して有 効量の請求項1に記載のペプチドを投与することを含む上記方法。 7.ヒト患者においてセレチクンの結合を調節する方法であって、該患者に対 して有効量の請求項1に記載のペプチドを投与することを含む上記方法。 8.前記セレクチンが、P−セレクチン、E−セレクチンおよびL−セレクチ ンから成る群より選択される請求項7に記載の方法。 9.炎症の治療を必要としているヒト患者を治療する方法であって、該患者に 対して有効量の請求項1に記載のペプチドを投与することを含む上記方法。 10.凝固の治療を必要としているヒト患者を治療する方法であって、該患者 に対して有効量の請求項1に記載のペプチドを投与することを含む上記方法。 11.虚血および再潅流、細菌性敗血症および汎発性血管内凝固症候群、成人 呼吸窮迫症候群、腫瘍転移、慢性関節リウマチ並びにアテローム硬化症から成る 群より選択される症状についてヒト患者を治療する方法であって、該患者に対し て有効量の請求項1に記載のペプチドを投与することを含む上記方法。 12.ヒト患者において欠陥のあるセレクチン結合リガンドを検出する方法で あって、該患者からの細胞と請求項1に記載の標識ペプチドとを接触させ、そし て該細胞に対する該標識ペプチドの結合を評価することを含む上記方法。 13.前記細胞が白血球である請求項12に記載の方法。 14.前記ペプチドが、放射性トレーサー、蛍光標識、酵素および電子稠密材 料から成る群より選択される残基で標識されている請求項12に記載の方法。 15.ヒト患者において欠陥のあるセレクチン結合リガンドを検出する方法で あって、該患者からの細胞と請求項1に記載の標識ペプチドとを接触させ、そし て該細胞に対する該標識ペプチドの結合を評価することを含む上記方法。 16.前記細胞が白血球である請求項15に記載の方法。 17.前記細胞が腫瘍細胞である請求項15に記載の方法。 18.前記ペプチドが、放射性トレーサー、蛍光標識、酵素および電子稠密材 料から成る群より選択される残基で標識されている請求項15に記載の方法。 19.請求項1に記載のペプチドを製造する方法であって、適当に機能化され た固体支持体に対してアミノ酸を単独にかまたは予め生成されたアミノ酸ブロッ クで加えることを含む上記方法。 20.前記アミノ酸が、溶液または懸濁液中において化学的連結反応技術によ って単独にかまたは予め生成されたブロックで組立てられている請求項1に記載 の方法。 21.溶液または懸濁液中において酵素連結反応技術によってアミノ酸を単独 にかまたは予め生成されたブロックで含む、請求項1に記載のペプチドを製造す る方法。 22.請求項1に記載のペプチドを製造する方法であって、前記ペプチドを、 該ペプチドをコードしている核酸を発現ベクター中に酵素的に挿入し、DNAを 発現させ、そして該DNAを該ペプチドに翻訳することによって酵素的に製造す る上記方法。
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