JP2004002444A - Gmp−140に特異的な結合を有する糖タンパク質リガンドに対する抗体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】GMP−140に特異的な結合を有する糖タンパク質リガンドに対する抗体。この糖タンパク質リガンドは、シアリルLex部分を含むフコシル化シアリル化糖タンパク質を含み、そして還元条件下でのSDS−PAGEでの評価により約120,000の見かけの相対分子量を有する。この抗体は、GMP−140に対する糖タンパク質リガンドへのGMP−140の結合を特異的にブロックするのに有効である。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般に、GMP−140、ELAM−1およびリンパ球ホーミングレセプターを含むセレクチン類(Selectins)との結合反応をともなう炎症反応の治療法と予防法に関する。
【0002】
【従来の技術】
発明の背景
本発明は米国国立心臓、肺臓および血液研究所(National Heart, Lung andBlood Institute)の助成金によるものであるから、米国政府は本発明に権利をもっている。
【0003】
血小板とリンパ球の血管表面への付着は炎症反応の重要な要素であり、かつ補体系、凝血系および免疫系の同時におこる相互に関連する活性化を伴う一連の複雑な反応の一部である。
【0004】
トロンビンおよびヒスタミンのような「迅速」活性化因子に暴露された内皮は2〜10分以内に好中球に対して付着性になるが、一方腫瘍壊死因子およびインターロイキン−1のようなサイトカイン類に暴露された内皮は、1〜6時間後に付着性になる。迅速な内皮依存性のリンパ球の付着は、細胞表面での脂質媒介物血小板活性化因子(PAF)の発現と関連があり、およびおそらくその他の内皮リンパ球の表面レセプターの出現と関連がある。サイトカインで誘発される、内皮のリンパ球に対するゆっくりした付着は、少なくとも一部分は、内皮細胞レセプターのELAM−1で媒介される。このELAM−1は内皮細胞がサイトカイン類に暴露された後に合成され、次いで細胞表面に輸送され、そこで好中球を補足する。ELAM−1の単離、特性決定およびクローニングについては、BevilacquaらがScience 243巻、1160〜1165頁、1989年で概説している。末梢リンパ節ホーミングレセプターは、「ネズミMel 14抗原」、「Leu8」、「Leu8抗原」および「LAM−1」とも呼ばれるが、末梢リンパ節において高内皮性小静脈にリンパ球を結合させる好中球、単球およびリンパ球上の別の構造体である。このタンパク質の特性決定とクローニングについては、Laskyら、Cell 56巻、1045〜1055頁、1989年(マウス)およびTedderら、J . Exp.Med. 170巻、123〜133頁、1989年に概説されている。
【0005】
GMP−140(顆粒膜タンパク質140)はPADGEMとして知られているが、システインに富んだ、強くグリコシル化された膜内存在性糖タンパク質であり、ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動法(SDS−PAGE)で測定した見かけの分子量は140,000である。GMP−140は、McEverとMartinが最初にヒト血小板から精製した(J.Biol.Chem.259巻、9799〜9804頁、1984年)。このタンパク質は、Stenbergら(1985年)が報告しているように、休止血小板のα顆粒中に存在しているが血小板を活性化してから迅速に細胞膜に再分布される。
GMP−140が内皮細胞内に存在しこれらの細胞によって生合成されることは、McEverら、Blood70(5)Suppl.1:355a,Abstract No.1274(1987年)に報告された。内皮細胞中で、GMP−140は、ワイベルパレイド(Weibel−Palade)体として知られている貯蔵顆粒に見られる。またGMP−140(PADGEMと呼ばれている)は、活性化された血小板と、好中球および単球との相互作用も媒介すると報告されている(Larsenら、Cell 59巻、305〜312頁、1989年10月およびHamburgerとMcEver、Blood 75巻、550〜554頁、1990年)。
【0006】
そのcDNA由来アミノ酸配列は、Johonstonら、Cell 56巻、1033〜1044頁、1989年3月24日および1989年3月8日出願の米国特許出願第07/320,408号に報告されたが、独立して折り重なっているようである多数のモジュールドメインを含有していることを示している。N末端から始まって、これらのドメインは、1つの「レクチン」ドメイン、1つの「EGF」ドメイン、補体結合タンパク質中のものと類似の9つの縦列共通反復構造、トランスメンブランドメイン(分化スプライシングから得られる可溶性形を除く)および細胞質テールを含有している。
【0007】
血小板もしくは内皮細胞がトロンビンのような媒介物で活性化されると、貯蔵顆粒の膜は原形質膜とともに溶解して顆粒性の可溶性内容物が外部環境に放出され、膜に結合していたGMP−140が、数秒以内に細胞表面に提供される。GMP−140が活性化された結果血小板および内皮細胞の表面に迅速に再分布するということは、この糖タンパク質が炎症もしくは血管の破裂の部位で重要な役割をし得るということを示唆している。
【0008】
ELAM−1、ホーミングレセプター、およびGMP−140はその構造と機能が関連していることから「セレクチン類」と称されている。
【0009】
血小板リンパ球の相互作用のインビボでの重要性はまだ綿密には研究されていない。しかし血管の損傷に応答して、血小板は、内皮下面に付着して活性化され凝血を助けることが知られている。また血小板および他の細胞は、微生物の侵入を防止するためにリンパ球を創傷内に補充するのに重要な役割を果たす。逆に、リンパ球は、Issekutzら、Lab.Invest.49巻、716頁、1983年に報告されているように、炎症部位の組織中に血小板を補充する。
【0010】
凝血と炎症の経路は、組織の損傷に応答して協調方式で調節される。例えば、活性化された内皮細胞は、リンパ球に対して付着性になるのに加えて、その細胞表面に組織因子を発現させ、それらの表面がトロンボモジュリンを発現するのを減少させて、最終的に、細胞表面で凝血反応を起こり易くする。場合によっては、単一のレセプターが、炎症と凝血のプロセスの両者に関与できる。
【0011】
止血経路と炎症経路に関与するタンパク質は、ヒトの疾患の診断および治療を行うのに重要である。しかしタンパク質を治療に用いるには多くの問題がある。タンパク質は、患者に投与するのに十分であるように大量生産すると、通常は経費がかかる。更に、タンパク質を患者に複数回投与した後そのタンパク質に対する反応が起こり得る。従って、対象のタンパク質と同じかまたはより優れた活性を有し、安価に合成可能で、再現性があり、比較的無害なペプチドを開発することが望ましい。また、インビトロとインビボの両方で用いて、セレクチン類の結合作用を対象のタンパク質分子と同等に有効に調節することができて、かつ合成に要する経費が少なく、より再現性が高く、反応を起こすことが少ないと考えられる炭水化物の分子を開発することが望ましい。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、GMP−140、ELAM−1およびリンパ球ホーミングレセプターを含むセレクチン類と相互に作用するペプチドを提供することである。
【0013】
本発明の他の目的は、GMP−140に対するリンパ球リガンドの構造に基づいた構造を有し、GMP−140性付着相互作用を阻害する炭水化物べースの薬剤を提供することである。
【0014】
それ故に本発明の目的は、ELAM−1のような他のセレクチン類とは全く異なるセレクチンである、GMP−140に対するレセプターの一部を形成する炭水化物構造体を提供することである。
【0015】
本発明の他の目的は、これらのペプチドおよび炭水化物構造体を用いてリンパ球が内皮もしくは血小板に付着するのを抑制する方法を提供することである。
【0016】
本発明のさらなる目的は、これらのぺプチドおよび炭水化物構造体を用いて免疫応答と止血経路を調節する方法を提供することである。
【0017】
本発明のさらに他の目的は、GMP−140、ELAM−1およびリンパ球ホーミングレセプターに関する診断上のアッセイに用いる炭水化物およびペプチドを提供することである。
【0018】
本発明のさらに他の目的は、GMP−140に特異的な結合を有する糖タンパク質リガンドに対する抗体を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、GMP−140への好中球および単球の結合を阻害するGMP−140のレクチン様ドメイン由来の単離されたペプチドが提供される。
【0020】
1つの実施態様では、上記ペプチドは、CQNRYTDLVAIQNKNE、AENWADNEPNNKRNNED、RKNNKTWTWVGTKKALTNE、KKALTNEAENWAD、ならびにGMP−140への好中球および単球の結合を阻害するこれらの部分からなる群から選択されるペプチドを含む。
【0021】
1つの実施態様では、上記ペプチドは、CQ.RYTDLVAIQNK.E、RK.N..WTWVGT.K.LTEE、AENWADGEPNNK.N.ED、C...YT.LVAIQNK.E、RK....W.WVGT.K.LT.E、A.NW...EPNN....ED、および.K.KT.EA.NW..からなる群から選択され、ここで、”.”は任意のアミノ酸である。
【0022】
1つの実施態様では、上記ペプチドは、レクチンドメインペプチドのアミノ酸19−34、19−30、23−34、21−30、22−30、23−30、54−72、54−63、73−89、73−83、73−85、77−89およびその組合せからなる群より選択されるペプチドを含む。
【0023】
1つの実施態様では、上記ペプチドは、キャリヤー分子に結合される。
【0024】
1つの実施態様では、上記ペプチドは、身体へ移植するために不活性基質に結合される。
【0025】
1つの実施態様では、上記ペプチドは、患者へ投与するために、受容可能な薬学的キャリヤー中にある。
【0026】
1つの実施態様では、上記ペプチドは、蛍光、放射、および酵素標識からなる群から選択される検出可能な標識をさらに含む。
【0027】
本発明によれば、α1,3−フコシル化、α2,3−シアル化ラクトサミノグリカン構造を含む、セレクチンに結合する単離された炭水化物が提供される。
【0028】
1つの実施態様では、上記炭水化物は、シアリルLex、ジフコシルシアリルLex、およびより長いポリフコシル化ポリアクトサミノグリカン(polyactosaminoglycans)からなる群から選択される。
【0029】
好ましい実施態様では、上記炭水化物は、NeuAcα2,3Galβ1,4(Fucα1,3)GlcNAcβ1−Rであり、そしてRはタンパク質または他の炭水化物構造である。
【0030】
別の実施態様では、上記炭水化物は、タンパク質をさらに含む。
【0031】
別の実施態様では、上記炭水化物は、GMP−140の単球および好中球への結合を阻害する。
【0032】
好ましい実施態様では、上記炭水化物は、ELAM−1の血小板および内皮細胞への結合を阻害しない。
【0033】
別の実施態様では、上記炭水化物は、身体へ移植するために不活性基に結合される。
【0034】
別の実施態様では、上記炭水化物は、患者へ投与するために受容可能な薬学的キャリヤー中にある。
【0035】
別の実施態様では、上記炭水化物は、蛍光、放射および酵素標識からなる群から選択される検出可能な標識をさらに含む。
【0036】
本発明によれば、GMP−140の結合を阻害して生物学的機能を変化させるペプチド、GMP−140に結合される炭水化物、およびGMP−140のレクチンドメインから単離されたペプチドからなる群から選択される物質の有効な量を投与することを含む、炎症応答を調節する方法が提供される。
【0037】
1つの実施態様では、上記ペプチドは、好中球のGMP−140への結合を阻害するGMP−140のレクチン様ドメイン由来のペプチドから選択される。
【0038】
好ましい実施態様では、上記ペプチドは、CQNRYTDLVAIQNKNE、AENWADNEPNNKRNNED、RKNNKTWTWVGTKKALTNE、KKALTNEAENWAD、および好中球のGMP−140への結合を阻害するこれらの部分からなる群から選択される。
【0039】
別の好ましい実施態様では、上記ペプチドは、CQ.RYTDLVAIQNK.E、RK.N..WTWVGT.K.LTEE、AENWADGEPNNK.N.ED、C...YT.LVAIQNK.E、RK....W.WVGT.K.LT.E、A.NW...EPNN....ED、および.K.KT.EA.NWからなる群から選択され、ここで、”.”が任意のアミノ酸である。
【0040】
別の実施態様では、上記ペプチドは、レクチンドメインペプチドのアミノ酸19−34、19−30、23−34、21−30、22−30、23−30、54−72、54−63、73−83、73−89、73−85、77−89およびその組合せからなる群より選択される。
【0041】
別の実施態様では、上記物質をキャリヤー分子に結合する工程をさらに包含する。
【0042】
別の実施態様では、身体へ移植するために不活性基質に上記物質を結合する工程をさらに包含する。
【0043】
別の実施態様では、上記物質と、患者に投与するために受容可能な薬学的キャリヤーとを組み合わせる工程をさらに包含する。
【0044】
別の実施態様では、蛍光、放射および酵素標識の群から選択される検出可能な標識で、上記物質を標識する工程をさらに包含する。
【0045】
別の実施態様では、インビボにおける半減期を増大させるために、上記物質を化学的に改変する工程をさらに包含する。
【0046】
好ましい実施態様では、上記キャリヤーは、マイクロスフェア、マイクロカプセル、およびリポソームからなる群から選択される。
【0047】
別の実施態様では、上記炭水化物は、α1,3−フコシル化、α2,3−シアル化ラクトサミノグリカン構造、糖タンパク質、および炭水化物または糖タンパク質に対する抗体からなる群から選択され、この方法は、炎症応答を調節する。
【0048】
好ましい実施態様では、上記炭水化物は、シアリルLex、ジフコシルシアリルLex、およびより長いポリフコシル化ポリアクトサミノグリカンからなる群から選択される。
【0049】
より好ましい実施態様では、上記炭水化物は、NeuAcα2,3Ga1β1,4(Fucα1,3)GlcNAcβ1−Rであり、そしてRはタンパク質または他の炭水化物構造である。
【0050】
別の好ましい実施態様では、上記炭水化物は、GMP−140の単球および好中球への結合を阻害する。
【0051】
別の好ましい実施態様では、上記炭水化物は、ELAM−1の血小板および内皮細胞への結合を阻害しない。
【0052】
別の好ましい実施態様では、上記炭水化物は、GMP−140およびELAM−1の結合を阻害し、GMP−140またはELAM−1の結合を実質的に阻害するのに有効な量の炭水化物を投与する工程を含む。
【0053】
別の実施態様では、上記炎症応答は、腫瘍に対するものであり、上記物質は、該腫瘍の転移を阻害するのに有効な量で投与される。
【0054】
本発明により、セレクチンに結合する単離された炭水化物に対する抗体であって、該炭水化物が、α1,3−フコシル化、α2,3−シアル化ラクトサミノグリカン構造を含む、抗体が提供される。
【0055】
1つの実施態様では、上記炭水化物は、シアリルLex、ジフコシルシアリルLex、およびより長いポリフコシル化ポリアクトサミノグリカンからなる群から選択される。
【0056】
別の実施態様では、上記炭水化物は、NeuAcα2,3Galβ1,4(Fucα1,3)GlcNAcβ1−Rであり、Rはタンパク質または他の炭水化物構造である。
【0057】
本発明により、還元条件下でのSDS−PAGEによる120,000ダルトンの分子量を有し、O−グリコシル化のための複数の部位を有する、セレクチンに対するリガンドの単離されタンパク質成分が提供される。
【0058】
1つの実施態様では、上記タンパク質はロイコシアリンである。
【0059】
本発明により、GMP−140に特異的な結合を有する糖タンパク質リガンドに対する抗体が提供される。
【0060】
【発明の実施の形態】
発明の要旨
GMP−140のレクチン結合領域の3つの領域由来のペプチドは、GMP−140、ELAM−1およびリンパ球ホーミングレセプターを含む「セレクチン類」と選択的に相互に作用することが見い出されている。この3つの領域は、上記ペプチドに含有される残基の番号にしたがってアミノ酸番号19〜34、54〜72および66〜89を含有している。なお残基1は、シグナルペプチドを切断した後の前記成熟タンパク質のN末端と定義する。該ペプチドは、長さが5〜8アミノ酸の短いものであり、標準的な技法で容易に調製することができる。
【0061】
GMP−140と結合する、フコシル化シアル化(Sialyated)ラクトサミン構造体も発見されている。この構造体は、α(2,3)シアル酸で置換されたラクトサミノグリカン類を含有する受容体を改変できるα(1,3)フコシルトランスフェラーゼ類を発現させることによって生成される。骨髄性細胞には存在するがリンパ球もしくは赤血球の細胞には存在しない共通の三糖構造体であるLexすなわちGalβ1,4(Fucα1,3)GlcNAcβ1−R(式中Rはタンパク質もしくは他の炭水化物構造体)が、上記シアル酸化構造体のコアを形成している。実際の構造体はシアリルLexすなわちNeuAcα2−3Calβ1−4(Fucα1,3)GlcNAc−Rであってもよい。他の可能な構造体には、ジフコシルシアリルLex、すなわちより長いポリフコシル化ポリアクトサミノグリカン(polyfucosylated polyactosaminoglycan)または類縁の変異体が含まれる。これらの構造体のいくつかは、種々のアフィニティー度でGMP−140に結合できる。
【0062】
実施例は、これらのペプチドが好中球に結合してGMP−140が好中球と結合するのを阻害し、IC50(好中球が固定されたGMP−140に付着するのを50%まで阻害するのに必要な投与量)が50から300マイクロモルの範囲内にあることを実証している。その結合親和性は、EGFドメイン由来配列と、このEGFドメインとレクチンドメインの両方に結合する二価のカオチンを用いて調節することができる。全セレクチンまたは個々のセレクチン類、特にGMP−140の結合を阻害するこれらのペプチドの変異体をスクリーニングするのに有用なアッセイも示してある。
【0063】
特異的グリコシルトランスフェラーゼでトランスフェクトされたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞系を用いる実施例によって、GMP−140に対するオリゴ糖リガンドがシアル化フコシル化構造体であり、そのシアル酸の結合がGalへのα2,3結合であり、およびフコースの結合はGlcNacへのα1,3結合であり、そのGlcNacにCalがβ1,4結合で結合していることが確認されている。
【0064】
シアリルLex、ジフコシルシアリルLex、またはより長いポリフコシル化ポリアクトサミノグリカン変異体(合成で製造するかまたは遺伝子工学で作製した細胞内で発現させる)を含む本発明のペプチドもしくは炭水化物の構造体は、診断用薬として有用であり、かつ適切な医薬用キャリヤーを組合わせて凝血過程もしくは炎症過程を調節もしくは阻害する臨床の適用に有用である。また本発明のペプチドと炭水化物は、そのアミノ酸を化学的に改変するかまたはキャリヤー分子もしくは不活性基質に結合させることによって、改変してインビボでの半減期を増大することができる。またこれらの構造体に対する抗体も、診断用薬として、および凝血もしくは炎症のプロセスの調節に用いる医薬として有用である。
【0065】
GMP−140の構造と生合成法を詳細に分析した。GMP−140の全アミノ酸配列を、精製された血小板GMP−140由来のペプチドフラグメントのタンパク質配列決定の結果を組み合わせ、ヒト内皮細胞のcDNAライブラリーからGMP−140をコードするcDNAをクローニングすることによって決定した。GMP−140は、その構造と機能の研究に基づいて、好中球に対するレセプターとして作用し、かつ補体タンパク質C3bおよび抗凝血性補因子のプロテインSと相互に作用する。
【0066】
GMP−140のcDNAとアミノ酸配列
GMP−140に対する遺伝子のクローニングは、G.I.Johnston、R.G.CookおよびR.P.McEverが初めてAbstract 1238 Supptment IICirculation 78(4)(1988年10月)に報告している。オリゴヌクレオチドを、GMP−140のペプチドのN末端アミノ酸の配列決定結果に基づいて調製して、ヒト内皮細胞のcDNAライブラリーをスクリーニングするのに使用した。727のアミノ酸からなるタンパク質をコードする3.0kbのクローンを単離した。多くのシステイン、リシンおよびチロシンを含有する118の残基からなるN末端ドメインは、アシアロ糖タンパク質のレセプターに類似しているが、このN末端ドメインに、EGF型の反復ドメイン構造と、各々62のアミノ酸からなる8つの縦列反復構造(ただし6番目の縦列反復構造のみ70のアミノ酸で構成されている)とが続いている。これらの反復構造は、C3bとC4bを調節するタンパク質を含むタンパク質類のファミリーに見いだされる反復構造と相同であるが、1反復構造当り6つの保存システインを含有し、これは一般に4つの保存システインを含有しているのと異なる独特の構造である。これらに対して、24のアミノ酸のトランスメンブラン領域と35のアミノ酸の細胞質テールが続いている。同じ遺伝子の転写体、可溶性形と膜または顆粒結合形を選択的にスプライスすることによってもたらされる少なくとも2つの形のタンパク質、が存在するようである。
【0067】
内皮細胞GMP−140の予測アミノ酸配列(図1AおよびBに示す)には、6つの異なる構造ドメインが存在することを示唆している。これらの領域の1つは、C末端の近くにある24残基の疎水性セグメントであり、メンブランスパニングドメインの特徴を有する。そのタンパク質の大部分はこのドメインのN末端側に位置し、細胞質外に存在しているようである。すなわち分泌顆粒のルーメンに体面しているが、または細胞が活性化された後、細胞外環境に暴露される。
【0068】
N末端から始まる第1のドメインは41の残基(図1Aに−41から−1の標識をつけて示す)を含有し、シグナルペプチドの特徴を有する。これらの残基中にはいくつかの正の電荷を有するアミノ酸を含有し、次いで疎水性ドメインが続き、次に極性残基が多い領域が続いている。−3および−1の位置に見られる電荷をもっていない小さな残基は、シグナルペプチダーゼによって開裂される部位に見られる一般的な残基である。その上に、血小板GMP−140のN末端のアミノ酸配列は、残基1から27の27個の位置のうち25個が内皮細胞の推定配列に一致している。
【0069】
シグナルペプチドに続いて、翻訳されるcDNA配列によって、789の残基で構成された成熟タンパク質が予測される。血小板GMP−140ペプチドの配列を内皮細胞の推定配列とを比べると、341の帰属アミノ酸のうち337が一致することが分かったが、このことは、両方の細胞型が同じタンパク質を合成することを示唆している。
【0070】
共通配列NxS/Tを有する、12の潜在的アスパラギン連結グリコシル化部位がある。これらはすべて分子の細胞質外の部分に位置しており、かつ血小板GMP−140の炭水化物の組成に基づいてグリコシル化されているようである。その成熟タンパク質は、全アミノ酸の8%を占める65のシステインを含有している。これらの大部分はジスルフィド架橋で組織化されていると予測されるが、その理由は、ヨードアセトアミドで処理した非還元GMP−140の試料中にごく少量のカルボキシメチルシステインを同定できるからである。
【0071】
第2のドメインは残基1から始まり、その成熟タンパク質の最初の118のアミノ酸が含まれる。この領域は、リシン(12%)、チロシン(10%)、アスパラギン(13%)およびトリプトファン(6%)の残基を豊富に含有している。GMP−140のこの領域は、このモチーフを有するタンパク質の多くが炭水化物を結合するので「レクチンドメイン」と称される。
【0072】
第3のドメインは残基119から始まり、6つのシステインを含有する40のアミノ酸の配列を有する。GMP−140のこの領域を、NBRFのデータベースの配列と比較すると、同じシステインの配列を含有する多数のタンパク質がある。このモチーフで報告された最初のタンパク質は上皮増殖因子(EGF)前駆物質であり、10の相同コピーを含有している(Grayら、Nature 303巻、236〜240頁、1983年;Scottら、Nature 221巻、 236〜240頁、1983年)。
【0073】
第4のドメインは残基159から始まり、各々62のアミノ酸を含有する9つの縦列共通反復構造で構成され、その上に、8つの残基と4つの残基の延長部分がそれぞれ7番目と9番目の反復構造の末端にみとめられる。このドメインの境界部は、最初の反復構造の最初のシステインと推定トランスメンブランドメインの前の最後の残基とともに任意に設定される。共通配列により、9つの反復構造のうちの少なくとも5つで多数のアミノ酸が生成することが分かる。すべて反復構造が6つの保存システイン、3つのグリシン、および1つずつのトリプトファン、フェニルアラニン、プロリン、およびロイシンを含有している。そのシステイン残基は、「EGF」ドメインに見られる6つのシステインとは異なるモチーフで配列されている。その反復構造は、互いに、アミノ酸レベルで31%から56%同一であり、ヌクレオチドレベルで42%から62%同一である。反復構造間の配列を最大にするのにギャップを必要としない。
【0074】
第5のドメインは残基731から始まる24残基の推定トランスメンブランドメインである。この第5ドメインに続いて第6ドメインがあり、この第6ドメインは、高電荷を有するいくつかの残基で始まりそのタンパク質のC末端の残基789で終わる35残基の推定細胞質セグメントである。セリン、トレオニンおよびチロシンの残基、ならびに翻訳後に修飾されるかもしれないシステインには、ホスホリル化されうる部位がある。
【0075】
2つの異なる枠内欠失部(in−frame−deletion)が、詳細に試験された4つの内皮細胞クローンの配列中に同定される。第1の欠失部は186bpである。この欠失によって、第7の共通反復構造から62のアミノ酸が除かれ、9つの反復構造の代わりに8つの反復構造を含有するタンパク質が予測される。第2の欠失部は120bpであり、第9の反復構造の末端の直後の40のアミノ酸を除去されている。欠失した領域は、トランスメンブラン領域と、細胞質領域の最初のいくつかの残基を含んでいる。C末端における残りの28の残基は第9の反復構造の直後に続くと予測される。親水性を示す図(KyteとDoolittle、J.Mol.Biol . 157巻、105〜132頁、1982年)は、この形態のGMP−140が可溶性であるこ
とを予報している。
【0076】
GMP−140は、血小板および内皮細胞に存在するレセプターであり、好中球と単球の表面リガンドに結合して炎症過程を促進することが実証されている。
【0077】
GMP−140は、リンパ球が活性化された内皮細胞および血小板に付着するためのレセプターとして働くという結論は、本来次のようないくつかの観察結果に基づいてなされた。すなわちトロンビンもしくはヒスタミンで刺激された内皮の表面のGMP−140の迅速な出現が、これらのアゴニストによって刺激された内皮への好中球の誘発性付着と平行して起こること;GMP−140の細胞表面への再分布を起こすトロンビンのようなアゴニストで血小板を刺激した後だけ起こり、ADPのような血小板アゴニストでは起こらない、好中球もしくは単球と血小板との相互作用;リンパ球が内皮を通過して組織へ移行する前に内皮に結合する主要な部位である後毛細管静脈におけるGMP−140の濃度;組織培養マイクロタイターウェルにコートしたGMP−140に対する精製された好中球の特異的付着;ヒスタミンによって刺激された培養ヒト臍静脈内皮細胞への好中球の付着の60〜90%がGMP−140に対するポリクローナル抗体で阻止されること;GMP−140のcDNA由来アミノ酸配列が、ELAM−1、好中球に結合することがすでに知られている内皮細胞タンパク質、およびリンパ球ホーミングレセプターのアミノ酸配列に相似していることである。続く研究によって、Ca2+の存在下、GMP−140はまた刺激された血小板への好中球の付着を媒介するが、刺激されていない血小板については媒介しないことが実証された。血小板の好中球への結合は、GMP−140に対するモノクローナル抗体および精製されたGMP−140によって阻害された。
【0078】
他の研究によって、GMP−140が、補体系タンパク質であるC3b、および抗凝血性補因子夕ンパク質であるプロテインSに結合することが実証された。GMP−140は、血漿タンパク質のC4b結合タンパク質(C4bp)と配列相同性を共有しており、このC4bpは血漿タンパク質C4bと相互に作用するのみならずプロテインSと相互に作用する。
【0079】
GMP−140由来のペプチドが、診断用薬として有用であり、およびリンパ球がGMP−140を認識するのを阻止できるペプチドの治療上の有効量を患者に投与して患者の止血応答と炎症応答を調節するのに有用であることが発見されたのである。
【0080】
また、他のタンパク質、特にELAM−1およびそのホーミングレセプターのレクチンドメインと相同性のGMP−140のレクチンドメイン内のペプチド配列は、好中球が精製されたGMP−140に付着するのを選択的に阻害するので、患者およびこれらの分子による結合性の変化を特徴とする疾患の診断上のアッセイ、ならびにこの結合を変化させる化合物のスクリーニングアッセイに用いることができ、および凝血および/または炎症の過程を伴う、リンパ球と、血小板もしくは内皮細胞との相互作用を抑制もしくは調節するのに臨床上有用に違いないことが発見されたのである。
【0081】
GMP−140のcDNA由来の一次構造によって、血管系におけるGMP−140の機能についていくつかのことが分かる。最も注目すべき観察結果は、GMP−140が、血管細胞にみられ最近クローニングされた2つの他のレセプターと構造が著しく類似していることである。
【0082】
これらの類似したレセプターの第1のものはELAM−1である。ELAM−1は未刺激の内皮中には存在しない内皮細胞タンパク質である。しかし、内皮が腫瘍壊死因子またはインターロイキン−1のようなサイトカイン類に暴露されると、ELAM−1の遺伝子が転写されてRNAを産生し、次いでそのRNAはタンパク質に翻訳される。その結果、ELAM−1はタンパク質に翻訳される。その結果、ELAM−1は、Bevilacquaら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84巻、9238〜9242頁、1987年に記載されているように、サイトカイン類に暴露されてから1−4時間後に内皮細胞の表面に発現される(顆粒内に貯蔵されて活性化後数秒以内に細胞表面に現れるGMP−140とは異なる)。ELAM−1は、好中球が、サイトカインで処理された内皮に付着するのを媒介することが判明し、従って、リンパ球をサイトカインで刺激された内皮を通過させて組織中へ移行させるのに重要であるらしい。ELAM−1の一次構造は、ELAM−1が「レクチン」ドメイン、EGFドメインおよび補体調節タンパク質の反復構造に類似の6つの反復構造(GMP−140の9つの反復構造の代わりに)、トランスメンブランドメイン、および短い細胞質テールを含有することを示している。GMP−140とELAM−1間には、両方のタンパク質を通じて広範囲の相同配列が存在するが、その相似性がレクチンドメインとEGFドメインにおいて特に顕著である。
【0083】
GMP−140に構造全体が類似している第2分子は、リンパ球に見出されるホーミングレセプターである。ホーミングレセプターは、高内皮性細胞もしくは高内皮性小静脈と呼ばれる、リンパ組織中の特殊な内皮細胞にリンパ球を結合させるリンパ球表面構造体である(YednockおよびRose,Advances in Immunolo gy 44巻、F.I.Dixon編集、313〜378頁、Academic Press,New York,1989年に概説されている)。この結合によって、リンパ球は内皮を通過してリンパ組織に移行し、そこで処理された抗原に暴露される。そのリンパ球は次にリンパ系を通じて血液中に再び入る。そのホーミングレセプターは、レクチンドメイン、EGFドメイン、2つの補体結合性反復構造、トランスメンブランドメイン、および短い細胞質テールを含有している。このホーミングレセプターも、特にレクチンドメインおよびEGFドメインが、GMP−140と広範囲の相同配列を共有している。
【0084】
GMP−140,ELAM−1およびこのホーミングレセプター(LEU−8)それぞれのレクチンドメイン間の比較を表1に示す、これらの配列相似性に基づいて、好中球がGMP−140に結合するのを阻害するペプチドであって、ELAM−1、そのホーミングレセプター、および他の相同セレクチン類が炎症過程の成分に結合するのを阻害するか、または逆にGMP−140の結合だけを阻害するペプチドを選択することが可能なはずである。
【0085】
GMP−140に結合するフコシル化シアル化ラクトサミン構造体を発見された。この構造体は、α(2,3)シアル酸置換ラクトサミノグリカンを含有する受容体を改変することができるα(1,3)フコシルトランスフェラーゼを発現することによって生成することができる。骨髄細胞に存在するがリンパ球もしくは赤血球細胞には存在しない共通の三糖構造体であるLexすなわちGalβ1,4(Fucα1,3)GlcNAcβ1−R(式中、Rはタンパク質もしくは他の炭水化物構造)は、上記のシアル化構造のコアを形成している。実際の構造はシアリルLex、すなわちNeuAcα2−3Galβ1−4(Fucα1,3)GlcNAc−Rであってもよい。他の可能な構造には、ジフコシルシアリルLex、より長いポリフコシル化ポリアクトサミノグリカン、または類縁の変異体が含まれる。これらの構造体のいくつかは、種々の親和度でGMP−140に結合できる。
【0086】
そのリガンドの炭水化物の部分は、GMP−140と相互に作用する、骨髄もしくは他の細胞の1つ以上のタンパク質に保持されていると考えられる。骨髄の糖タンパク質は単離されていないが、そのいくつかの特徴についての予備情報は得られている。
【0087】
この構造は、プロテアーゼおよびノイラミニダーゼによる消化、およびトランスフェクトされたCOS細胞を用いて推定した。
【0088】
実施例5に記載したように、好中球をニューカッスル病ウイルス由来のノイラミニダーゼ、これはビブリオ・コレラ(Vibrio cholera)由来のノイラミニダーゼと同様に、シアル酸のα2,3結合を切断するがα2,6結合を切断しない、で処理することによって結合が少なくとも部分的に減少するので、リガンド中の重要な結合の少なくともいくつかにα2,3結合が含まれている。上記両方の型の酵素はともにα2,8結合を切断するが、骨髄細胞には存在しない。
【0089】
実施例6に詳細に記載されているトランスフェクトされた細胞系についての他のデータは、α2,3結合のシアル酸を有するシアル化フコシル化ラクトサミンは充分に認識されることを示している。Lexに対する抗体は、125I[GMP−140]が好中球に結合するのを阻害しないので、その炭水化物はLexだけではないと考えられる。GMP−140と2種の多価ネオ複合糖質の結合を比較する試験を、シアリルLexもしくはLexを、ウシ血清アルブミンに約10:1のモル比にて、高濃度で(6.5μMの複合体、65μMのオリゴ糖)結合させて行ったが、結合を阻害することができなかった。このことは、LexもシアリルLex自体もリガンドではないか、またはこれらのオリゴ糖のGMP−140に対する親和性が非常に低いので、このアッセイでは測定できないことを示唆している。
【0090】
GMP−140に対する糖タンパク質のリガンドの炭水化物の部分は、ELAM−1に対する糖タンパク質リガンドの炭水化物の部分と類似しているかまたは同じであるとはいえ、阻害物の試験がGMP−140とELAM−1の認識特異性に差があることを示すことは確かである。これらのことは、各セレクチンによって認識されるオリゴ糖の構造のわずかの差、または同じ構造体に結合する親和性の差が原因である。
【0091】
本願に記載されていないオリゴ糖構造もGMP−140と相互に作用することができる。例えば、α2,6シアル酸結合を有するシアル化フコシル化ラクトサミノグリカンは結合するかもしれないが、この構造は真核細胞については報告されていない。
【0092】
シアル化フコシル化ラクトサミン、または多数のシアル化フコシル化ラクトサミンは多数のシアル化フコシル化ラクトサミンが結合した炭水化物もしくはタンパク質の分子を用いて、GMP−140のリガンドヘの結合をインビボで操作することが可能である。単一の分子に結合した多数シアル化フコシル化ラクトサミンを使用すれば、天然のリガンド以上に、人工の分子に対してGMP−140の親和性を増大させることができる。
【0093】
【実施例】
以下の実施例によって上記の結論をもたらした物質、方法および試験結果をさらに説明するが本発明を限定するものではない。
実施例1:GMP−140のレクチンドメイン由来のペプチドによる、好中球の固定化GMP−140への結合の競合阻害の証明。
【0094】
分子内部に引っ込んでいると予想される2つの疎水性ストレッチを除いて、レクチンドメインの118個の残基のほとんどすべてにまたがる一連のペプチドを合成することにより、GMP−140レクチンドメインの役割をテストした。また、レクチンドメインにつづくEGF様ドメイン(36個の基)を含むペプチドをも合成した。また対照として、分子の共通反復構造、トランスメンブラン領域、およびC末端(細胞質テール)のうちのひとつから、ペプチドを得た。レクチンドメイン由来の活性ペプチドを表1に示す。表1はまたELAM−1およびホーミングレセプターであるLEU−8のレクチンドメインの関連する配列の配置をも示す。t−Bocの化学的特性を利用したApplied Biosystems Model 430A自動ペプチド合成機か、または、Fmocの化学的特性を利用したDupont RAMPS手動ペプチド合成機かのいずれかで、ペプチドを調製した。合成が行われた樹脂からの開裂後、逆相高性能液体クロマトグラフィーにより、すべてのペプチドを精製した。
【0095】
プラスチックウェル上に固定化された精製GMP−140への好中球の付着を阻害する、ペプチドの能力を調べるために、Gengら、Nature 343、757−760(1990)に記載のアッセイを用いて、ペプチドをスクリーニングした。
【0096】
Flow Laboratories製Mono−Poly分離媒体における密度勾配遠心分離法により、ヒト好中球をヘパリン処理した全血から単離する。好中球懸濁液は、98%より高い純度およびトリパンブルー排除法による95%より高い生存度を有する。付着アッセイのために、好中球を、5mg/mlヒト血清アルブミン(HBSS/HSA)と共に1.26mM Ca2+および0.81 mM Mg2+(HBSS,Gibco)を含むハンクス平衡塩類溶液中に、2×106細胞/mlの濃度で懸濁する。付着アッセイを、Corning製96ウェルマイクロタイタープレートにおいて3回行い、様々なタンパク質溶液50マイクロリットルを用いて4℃で一晩インキュベートする。
【0097】
以下のように、抗体S12−セファロースTMでのイムノアフィニテイークロマトグラフィーおよびMono−QTMカラム(FLPC, Pharmacia Fine Chemicals)でのイオン交換クロマトグラフィーにより、GMP−140をヒト血小板溶解産物から単離する。
【0098】
血液銀行から得て4℃で貯蔵した使用期限の過ぎたヒト血小板パック(100ユニット)をプールし、pH7.5の5mM EDTAに調整し、1リットルボトル中で30分間、4,000rpmで遠心分離する。次いで、0.1M NaCl、20mMトリス pH7.5(TBS)、5mM EDTA、5mMベンズアミジンを含む1リットル溶液で3回洗浄する。
【0099】
次に、ペレットを最小量の洗浄緩衝液中に再懸濁し、DIFP中で1mMにし、次いで、−80℃で50mlスクリュートップ管中で冷凍させる。
【0100】
冷凍ペレットを解凍し、50ml TBS、5mMベンズアミジン、5mM EDTA pH7.5、100Mロイペプチンを含む溶液中に再懸濁する。懸濁液を、600ml凍結解凍フラスコを用いてドライアイス−アセトン浴中で2回冷凍および解凍し、次いで、ガラス/テフロン(登録商標)乳鉢中で乳棒を用いてホモジナイズし、DIFP中で1mMにする。4M NaClの貯蔵溶液を用いて、NaClの濃度を0.5Mに調整する。懸濁液を4℃で撹拌した後、4℃で60分間、33,000rpmでポリカーボネート管中で遠心分離する。上澄み(0.5M NaCl洗浄液)を取り出し貯蔵する。この上澄みは、可溶形態のGMP−140を含む。上澄みと共にペレットの上部を除去しないように注意する。次いで、抽出緩衝液(TBS、5mMベンズアミジン、5mM EDTA pH7.5、100Mロイペプチン、2%トリトンX−100)中でペレットをホモジナイズする。4℃で25分間、19,500rpmで遠心分離した後、上澄みを取り出す。この抽出手順をペレットを用いて反復し、上澄みを最初の上澄みと合せる。メンブラン形態のGMP−140を含む混合抽出物を、0.5M NaClに調整する。
【0101】
可溶画分(0.5M NaCl洗浄液)およびメンブラン抽出画分(これもまた0.5MNaClに調整している)を、前もって4℃で2時間、5mg/mlのAffigel(アフィゲル)(Biorad)にカップリングしておいたモノクローナル抗体S12(ヒトGMP−140に対する)の別々のプールを用いて吸収させる。樹脂を沈降させた後、上澄みを除く。次いで、結合GMP−140を含むS12アフィゲルをカラムに充填し、0.5M NaCl、20mMトリス pH7.5、0.01% Lubrol(ルブロール)PXを含む400ml溶液を用いて4℃で一晩洗浄する。
【0102】
80%エチレングリコール、1mM MES pH6.0、0.01%ルブロールPXを含む100ml溶液を用いて、S12アフィゲルから結合したGMP−140を溶出する。280nmにおいて吸光度がピークである画分をプールする。溶出液を、0.05%ルブロール(Lubrol)を含むTBSに対して透析し、次いで、Mono Qカラム(PharmaciaのFPLC)にかける。濃縮タンパク質を、2M NaCl、20mMトリスpH7.5(およびメンブラン画分用の0.05%ルブロールPX)を含む溶液を用いて段階的に溶出する。ピーク画分をTBS pH7.5(およびメンブラン画分用の0.05%ルブロールPX)を含む溶液に透析する。
【0103】
GMP−140を、5マイクログラム/mlにプレートし、対照タンパク質、すなわち、ヒト血清アルブミン(Alb)、血小板糖タンパク質IIb/IIIa(IIb)、フォンビルブラント因子(vWF)、フィブリノーゲン(FIB)、トロンボモジュリン(TM)、ゼラチン(GEL)またはヒト血清(HS)を50マイクログラム/mlで添加する。すべてのウェルを、10mg/ml HSAを含む300マイクロリットルHBSSを用いて、22℃で2時間ブロックし、次いで、0.1%Tween−20を含むHBSSで3回洗浄し、HBSSで1回洗浄する。細胞(ウェル毎に2×105個)をウェルに添加し、22℃で20分間インキュベートした。次いで、ウェルをHBSS/HSAで満たし、アセテートテープ(Dynatech)で密封し、5分間150gで遠心分離してひっくり返した。非付着細胞および上澄みを廃棄した後、各ウェルの含有物を、Sigma製0.5%臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウムの50mMリン酸カリウム溶液pH6.0、200マイクロリットルを用いて可溶化し、Leyら、Blood 73, 1324−1330(1989)に記載のように、ミエロペルオキシダーゼ活性についてアッセイする。結合した細胞の数を、ミエロペルオキシダーゼ活性対細胞の数の標準曲線から導き出した。すべてのアッセイ条件下において、細胞は、全ミエロペルオキシダーゼおよび乳酸デヒドロゲナーゼの5%未満を放出した。結果を表1に示す。負の対照としてのC末端ペプチド(GMP−140のアミノ酸残基761−777)の存在下で、100%の付着が見られ、この値は、細胞にペプチドも抗体も添加されない対照の場合と同じである。5%という値は特異的付着の95%が阻害されたことを意味するので、阻害を、より低い付着率と解釈する。
【0104】
GMP−140のEGFドメイン由来のペプチドは、どれも付着を阻害しなかった。
しかし、レクチンドメインの3つの非隣接領域由来のペプチドは、付着を阻害した。そのレクチンドメイン由来の3つの領域とは、アミノ酸19から34、アミノ酸54から72、アミノ酸73から89、およびアミノ酸66−78の重複ペプチドである。アミノ酸は、ペプチドに含まれる残基の数に基づいて番号付けられ、残基1は、シグナルペプチドの開裂後の成熟タンパク質のN末端と定義づけられる。
【0105】
現在、活性を有することが知られている、これらの配列に由来する最も短いペプチド配列は、それが由来するレクチンドメインの面積にある程度依存して変化する、8個から13個のアミノ酸の範囲にある。より短いペプチドのいくつかは、より長いペプチド配列よりも高い活性を有する。この時点で特徴づけられる最も短い活性ペプチドは、レクチンドメインアミノ酸23から30であり、レクチンドメインアミノ酸19から34由来のものである。このペプチドは、ELAM−1中の単一のアミノ酸の違いを除いて、GMP−140、ELAM−1、およびホーミングレセプターの間で同一であり、従って、3個のセレクチンすべてによって媒介された細胞−細胞接触を阻害する。現時点で周知の、レクチンドメインアミノ酸54から72由来の最も短い活性ペプチドは、アミノ酸54から63である。現時点で周知の、レクチンドメインアミノ酸78−89由来の最も短い活性ペプチドは、アミノ酸73から83である。さらに、アミノ酸66から78にまたがる重複ペプチドは、非常に活性が高い。アミノ酸66から83にまたがる領域から、2つの、活性があってより短い、非重複ペプチドを設計することが可能であり得る。
【0106】
表1に示すように、これらの領域のいくつかは、他の領域よりも、セレクチンの間でより高度に保存されている。その結果、全セレクチンを含む、相互作用を調節するための高度に保存された領域由来のペプチドを用いること、およびGMP−140のみを含む、相互作用を調節するためのセレクチンの間でより低い程度で保存されている領域からのペプチドを用いることが可能である。例えば、レクチン領域19−34(残基23−30)の中心コアは、3つの分子の間で非常に高度に保存されている。対照的に、レクチン領域54から72由来のアミノ酸配列54から60は、セレクチンの間で多くの違いを有する。
【0107】
【表1】
a.固定化GMP−140に結合した細胞の数を、Gengら、Nature 343:757−760(1990)に記載のように決定した。対照C末端ペプチド(残基761−777)の存在下において結合した細胞の数を100%に標準化した。この値は、ペプチドを含まないときに観察されたものと同一であった。ペプチドによる付着の阻害は、100%よりも大幅に低い付着値により示される。例えば、5%という値は、対照において見られる付着が95%阻害されたということを示す。すべてのペプチドを加えて、1.5mMという最終濃度にした。
【0108】
実施例2:GMP−140のレクチンドメイン由来のペプチドによる、固定化GMP−140へのモノクローナル抗体の結合の競合阻害の証明。
【0109】
実施例1は、GMP−140のレクチンドメインの3つの領域由来のペプチドが、表面に固定化されたGMP−140に対する好中球の結合を阻害するということを示す。そのペプチドがまた、固定化GMP−140に対するモノクローナル抗体の結合をも阻害するかどうかを決定するための研究も行った。
【0110】
GMP−140に対する好中球の付着をブロックする3つのモノクローナル抗体(mAb)を発生させ、G1、G2、およびG3と命名した。精製タンパク質を用いた競合ELISAに基づいて、G1、G2、およびG3は各々、異なる、または部分的に重複したエピトープを認識する。1.5mMペプチドを、2.5マイクログラム/mlの濃度でビオチニル化mAbに添加し、次いで、得られた物質を、実施例1に記載のように、GMP−140を含むウェルに添加した。結合を、アビジン検出システムを用いたELISAにより測定した。
【0111】
モノクローナル抗体を、以下のようにビオチニル化した。0.5mlの精製IgG抗体(PBS中に1mg/ml、pH7.4)に、3.2mM N−ヒドロキシスクシンイミドビオチンのジメチルスルホキシド溶液50μlおよび1M NaHC03 50μlを添加した。室温で2時間、暗所でインキュベートした後、50μlの1M NH4Clにより反応を停止した。次いで、PBS中で平衡させたPD−10カラム上でゲル濾過して、ビオチニル化抗体を他の成分から分離した。ELISAを以下のように行った。全工程を室温で行った。
【0112】
1.5mMペプチドを有するまたは有さない、ビオチニル化抗体(2.5μg/ml)を、実施例1に記載のように、GMP−140によりコートしたウェルでインキュベートした。2時間インキュベートした後、抗体を除去し、ウェルを洗浄し、そして、HBSS/HSA中で1:1,000に希釈した、ホースラディッシュペルオキシダーゼと結合したステップアビジン(stepavidin)(Pierce)0.1mlを30分間添加した。次いで、ウェルを洗浄し、ペルオキシダーゼ基質(Pierce)0.1mlを15分間添加した。呈色反応を405nmにおいて読み取った。
結果を表2に示す。
【0113】
【表2】
a.固定化GMP−140を含むマイクロタイターウェルに溶液を添加する前に、ペプチド(1.5mM)をmAb(2.5マイクログラム/ml)に添加した。
b.固定化GMP−140へのビオチニル化mAb G1、G2、またはG3の結合を、アビジン検出システムを用いたELlSAにより測定した。
c.G1、G2、およびG3は、固定化GMP−140への好中球の付着を防止する、GMP−140に結合する抗体である。
【0114】
実施例3:好中球の固定化GMP−140への結合の、ペプチドによる阻害に対する、濃度の影響。
【0115】
GMP−140のレクチン様ドメイン由来のペプチドを、実施例1に記載のアッセイにおいて、固定化GMP−140への好中球の付着を阻害する、前記ペプチドの能力をアッセイした。テストした濃度は、0.1mMから1.5mMの範囲であった。
【0116】
4つのペプチドに関する結果を図2に示す。GMP−140レクチンドメイン、すなわち、アミノ酸66−78、アミノ酸73−83、アミノ酸54−63、およびアミノ酸23−30由来のペプチドが、投与量に依存して結合を阻害したということは明白である。付着を50%阻害するために必要なペプチドの投与量であるIC50は、ペプチドによって、約50μMから約300μMの範囲内で変化する。これらの範囲は、例えば、Ruoslaghtiらの米国特許第4,792,525号に記載のように、細胞付着および食作用を変更するためにインビボで用いられるRGD含有ペプチドとの比較に基づくと、ペプチドをインビボで投与する際の効果的な濃度に十分属する。
【0117】
実施例4:ペプチドの改変およびGMP−140への付着力の比較
いくつかの場合においては、インビボで分子の半減期を増大させるために、アミノ酸自身の変更、またはキャリヤー分子への付着により、ペプチドを改変することが必要である。
【0118】
Pierce Chemicalsから市販されているImjectキットのような標準的な手順を用いて、レクチンペプチド19−34を、そのN末端システインにより、キャリヤータンパク質キーホールリンペットヘモシアニンに結合した。次いで、このペプチド−KLH複合体を実施例1に記載のアッセイでテストし、結合した細胞の数を決定した。
【0119】
図3(a)および図3(b)は、(1)ペプチドをコートしていない、(2)KHLに結合したレクチンドメインペプチド19−34をコートした、または(3)KLHに結合した対照カルボキシ末端ペプチド(アミノ酸残基761−777)をコートした、マイクロタイターウェルに対して行われ、液相競合体の存在下において、各ウェルに2×105個の好中球を添加する前に、ヒト血清アルブミンを含むハンクス平衡塩類溶液によりブロックした、好中球の特異的付着を比較したものである。ウェルに入れる前に好中球に添加した液相競合体は、皆無(対照)、精製血小板糖タンパク質IIb−IIIa(対照)、または、精製GMP−140(パネルa);あるいは、皆無(対照)、1.5mM C末端ペプチド761−777(対照)、1.5mMレクチンドメインペプチド19−34(パネルb)であった。
【0120】
グラフより、レクチンペプチド−KHL結合体は、プラスチック上に固定化された場合は、天然のGMP−140ほど効果的ではないが、好中球の付着を直接支持するということが明白である。比較のために、ウェルに200,000個の好中球を添加した時、レクチンペプチド19−34は40,000個を結合し、GMP−140は120,000個を結合した。単にプラスチックヘのペプチドのコートを促進するために、ペプチドをKLHにカップリングする。液相精製GMP−140およびレクチンペプチド19−34を用いるが、他のタンパク質またはペプチドを用いない、付着に関する競合能力は、付着が特異的であるということを示す。他の研究においては、レクチンドメインの他の領域、EGFドメイン、およびGMP−140の散在した他の領域の多くのペプチドは、固定化GMP−140に対する好中球の付着を阻害しない。
【0121】
実施例5:酵素消化によるGMP−140に対する「リガンド」または「カウンターレセプター」の特性付け
レクチン19−34ペプチドは、GMP−140の白血球との相互作用をブロックする3つのモノクローナル抗体すべてがGMP−140と結合するのを妨げる。これにより、白血球の認識におけるレクチンドメインの重要性がさらに証明される。このデータから、レクチンドメインのコンフォメーションがEGFドメインと相互作用することにより調節され、これらの相互作用は次に、レクチンドメインおよびEGFドメインの両方に結合し得る二価カチオンにより調節されることが仮定される。この結果、好中球および単球上のレセプターに結合する親和性および特異性を付与する3次元コンフォメーションのレクチンドメインが得られる。
【0122】
好中球を単離し、Ca2+/Mg2+がないHBSSに1mg/mlのHSAおよび1mMのCa2+を補充した(HBSS/HSA/Ca)に4×106/mlとなるように懸濁し、使用するまで4℃で保存した。
【0123】
好中球をトリプシンまたはエラスターゼのいずれかのプロテアーゼで処理して、このレセプターがプロテアーゼ感受性タンパク質成分を含有しているかどうかを決定した。HBSS/10mM MOPS、pH7.5(HBSS/MOPS)中に懸濁した好中球を、2mMのジイソプロピルフルオロホスフェート(DFP)で22℃で10分間、2回処理して、内因性血清プロテアーゼを不活性化した。次に細胞をHBSS/MOPSで洗浄し、8分の1容量の8%パラホルムアルデヒドで22℃で30分間、固定して、次に、8分の1容量の0.5Mグリシン/0.25Mトリス、pH7.5を加えた。固定したHBSS/MOPS中の好中球(7.5×106/ml)をTPCK−トリプシン(0.77μM、41U/ml)と一緒に10分間、またはエラスターゼ(40μM、7.8U/ml)と一緒に30分間、37℃でインキュベートした。コントロール細胞をDFPまたは緩衝液のみで予め不活性化した同一濃度の酵素と一緒に同一の条件下でインキュベートした。インキュベーション期間の後、DFPを加えて2mMとし、細胞を、400gで5分間ペレット化した。細胞をHBSS/MOPSで再懸濁し、さらにDFPを加えて2mMとした。400gで5分間遠心分離した後、細胞ペレットをHBSS/ヒト血清アルブミン(HSA)/Ca中に4×106/mlとなるように再懸濁し、[125I]GMP−140の特異的結合を決定した。0.15M NaCl、50mMアセテート、pH6.0、10mg/ml HSA、9mM CaCl2、0.05%アジ化ナトリウム(消化緩衝液)中にDFP処理して固定した好中球(1.6×107/ml)を、ノイラミニダーゼ、エンド−β−ガラクトシダーゼ、または緩衝液と一緒に、20μMロイペプチン、30μMアンチパイン、0.64mMベンザミジン、および100KlU/mlアプロチニンの存在下で、37℃で時間を変えてインキュべートした。いくつかのインキュべーションでは、消化緩衝液に溶解した0.5から20mMのノイラミニダーゼインヒビターNeu2en5Acを加えてインキュベーションした。このような濃度では、インヒビターによる反応混合物のpHへの影響はなかった。酵素による処理の後、細胞を冷たいHBSS/HSA/Caで2回洗浄し、HBSS/HSA/Ca中に4×106/mlとなるように再懸濁して、その後、[125I]GMP−140の結合を測定した。使用したNDVノイラミニダーゼはウィルス粒子の懸濁液であった。これら粒子の各々は約103個のノイラミニダーゼ分子を含有し、一方、V.cholerae酵素は溶液中に存在する。
【0124】
[125I]GMP−140の好中球への結合はプロテアーゼによって4から5%に減少したが、ジイソプロピルフルオロホスフェートで不活性化されたエラスターゼまたはトリプシンによっては減少しなかった。これにより、GMP−140に対する白血球カウンターレセプターの少なくとも実質的なフラクションは、プロテアーゼ感受性タンパク質成分を含有、またはこれに結合することが示される。
【0125】
Vibrio cholera(Boehringer−Mannheim Biochemicals, Indianapolis, IN)またはニューカッスル病ウィルス(NDV)(Paulson,J.C.,ら、J.Biol.Chem. 254:2120−2124(1979)に記載のように単離)のいずれかから得られるノイラミニダーゼ、およびBacteroides fragilis(Boehringer−Mannheim)から得られるエンド−β−ガラクトシダーゼにより、好中球を処理した。V.choleraから得られるノイラミニダーゼはα2−3−、α2−6−、α2−8−結合したシアル酸を開裂させる。NDVノイラミニダーゼは、α2−3−およびα2−8−結合したシアル酸のみを開裂させる。
【0126】
好中球をVibrio choleraから精製したノイラミニダーゼで処理すると、125[GMP−140]のヒト好中球への結合、および好中球の固定化GMP−140への付着の両方が著しく減少した。これにより、シアル酸残基がGMP−140に対する白血球のカウンターレセプターの実質的な成分を構成することがわかる。0.1からO.2U/mlのV.choleraまたはNDVノイラミニダーゼと一緒に10から30分間インキュベートすると、GMP−140の特異的な結合は、偽処理されたコントロールと比較すると各々28±9および52±9%(平均値±標準偏差、n=7)に減少した。この効果はノイラミニダーゼ調整物中の内因性好中球プロテアーゼまたはプロテアーゼの混入のいずれかによるものであるという可能性を最小限にするために、好中球を固定化する前にDFPで処理し、内因性血清プロテアーゼを不活性化した。そして、10mg/ml HSAおよびいくつかのプロテアーゼインヒビターの存在下でノイラミニダーゼをインキュベーションした。ノイラミニダーゼ効果の特異性はさらに、ノイラミニダーゼの競合インヒビターNeu2en5Acが、GMP−140の好中球への結合がノイラミニダーゼにより減少するのを阻止し得ることにより示された。Neu2en5Acは、用量依存的にノイラミニダーゼの効果を阻害し、IC50は2.5mMであった。
【0127】
これらの結果により、GMP−140に対する白血球上のカウンターレセプター、またはリガンドは糖タンパク質であり、ここでは、レセプター機能のためにはシアル酸が必要であることが示される。好中球はα2−3−およびα2−6−結合したシアル酸を共に含有するが、α2−8−結合は検出されていない。NDVノイラミニダーゼで処理した後、GMP−140の結合が一部失われることから、レセプター中のシアル酸結合の少なくともいくつかはα2−3−型であることが示唆される。V.cholera酵素を使用してさらに大きな阻害が観察されたことは、α2−6−結合がまたレセプター機能のためにも必要であることを意味し得、または、これらの結果は、無傷ウィルスの成分であるNDV酵素によって本質的な結合のすべてに接近し得ないためであり得る。
【0128】
赤血球細胞およびリンパ球細胞とは対照的に、骨髄細胞は、α2−3−またはα2−6−結合シアル酸を末端とし得るポリラクトサミノグリカンが豊富である。これらラクトサミノグリカンの多くはフコシル化されている。これらの構造は好中球の糖タンパク質および糖脂質の両方に存在する。GMP−140の認識におけるこれらグリカンの可能な役割を調べるために、細胞を、糖タンパク質の分枝していないポリラクトサミニル側鎖のガラクトースとN−アセチルグルコサミン(Galβ1−4GlcNAc)との間のβ1−4結合を加水分解するエンド−β−ガラクトシダーゼで処理した。固定した好中球をO.2U/mlまでのE.freundiiエンド−β−ガラクトシダーゼで30分間、または0.4U/mlまでのB.fragilisエンド−β−ガラクトシダーゼで60分間、前処理してもGMP−140の特異的結合に対する影響はなかった。これらの酵素が結合に影響を与えないことは、GMP−140を認識する構造がポリラクトサミン側鎖上には存在しないことと一致する。別の可能性として、および恐らくより高い可能性として、関連する側鎖はこれらの条件下では酵素による加水分解に対して非感受性であり得る。分枝したポリラクトサミノグリカンは好中球には存在しないが、高度にフコシル化したおよび/または分枝したポリラクトサミノグリカンはこの酵素による加水分解に耐性である。さらに、N−またはO−結合構造のコアに直接結合する単一のラクトサミノグリカンは酵素に耐性であり得る。
【0129】
実施例6:シアル化したフコシル化構造がGMP−140に結合するための必要条件
以下の研究は、ジョージア大学のRichard Cummingsによりチャイニーズハムスターの卵巣細胞、すなわちCHO細胞を使用して行われた。使用した細胞系には、Ade−C細胞および特異的グリコシルトランスフェラーゼで永久にトランスフェクトされたAde−C細胞が含まれる。Ade−C細胞は、これらが非常に低レベルの内因性α(1,3)フコシルトランスフェラーゼを含有するために選択された。これらの細胞は以下に述べる研究では野生型細胞と呼ばれる。トランスフェトされた細胞は、野生型細胞上には存在しない特定の型のオリゴ糖を発現する。Lec8 CHOと呼ばれる、使用する別のCHO細胞系にはUDPGalに対するトランスポーターを欠く。この結果、細胞にはガラクトシル化およびシアル化した複合糖質がない(DeutscherおよびHirschberg、J.Biol.Chem. 261:96−100,1986)。これらのいくつかの細胞に存在するオリゴ糖構造およびその細胞の型を表3に示す。関連する細胞としては、野生型細胞(CHO)、ネオルイス(Neo Lew)、ネオルイス関連細胞(Neo Lew(rel))、およびLec8 CHO細胞(Lec8)がある。
【0130】
【表3】
以下の方法を用いて細胞を培養およびトランスフェクトした。
【0131】
CHO系のAde−C(0atesおよびPatterson、Som. Cell Genet. 3:561−577(1977);Van Keurenら、Am.J.Hum.Genet .38:793−804(1986))を、10%のウシ胎児血清を補充したα−改変イーグル培地で増殖させた。トランスフェクトされたCHO細胞を、400μg/mlのG418(GIBC0)(活性薬剤)を補充した培地で増殖させた。
【0132】
前述のように、Ade−C CHO細胞をα(1,3/1,4)フコシルトランスフェラーゼをコードするDNAで安定にトランスフェクトすることにより、New Lew CH0細胞を調製した(Loweら、Cell 63:475−484,1990、この文献ではこの細胞をCH0−FTと呼んだ)。野生型CHO細胞を、GDPフコースが非シアル化ラクトサミノグリカンのみに転移するのを触媒するα(1,3)フコシルトランスフェラーゼをコードするDNAで同様の方法により安定にトランスフェクトすることにより、Neo Lew(re1)(re1)関連細胞を調製した。このトランスフェラーゼは、Loweら、Cell 63:475−484、1990に記載されている。これらトランスフェクトされた細胞系は共にミシガン大学のDr.John Loweから贈与されたものである。
【0133】
GMP−140を含有するセレクチンが結合する炭水化物に関する結果および結論野生型CHO細胞およびトランスフェクトされたCHO細胞により生成される構造を表3に示す。野生型CHO細胞はGalβ1,4 GlcNAcβ1,3二糖類の単位を繰り返し発現し、これらのうちのいくつかはα2,3結合する末端シアル酸(NeuAc)を有する。これらはα2,6結合するシアル酸結合を有せず、またフコース結合を有しない。さらに、これらはII型構造(3Galβ1,4GlcNAcβ1)を合成するが、I型構造(3Ga1β1,3GlcNAcβ1)は合成しない。NeoLewis細胞はα1,3(4)フコシルトランスフェラーゼをコードするcDNAでトランスフェクトされ、これはドナーとしてCDPフコースを使用し、そしてフコースがGalβ1,4GlcNAc−Rに付加するのを触媒してGalβ1,4(Fucα1,3)GlcNAc−Rを生成させる。これはLex構造である(時には、SSEA−1抗原としても知られている)。同じ酵素は、フコースをシアル化基質NeuAcα2,3Ga1β1,4GlcNAc−Rに転移して、NeuAcα2,3Galβ1,4(Fucα1,3)GlcNAc−Rを生成する。これはシアリルLex構造である。他の2つの関連する構造、VIM−2およびジフコシルLexもまた、表に示すように、NeoLewis細胞および他の多種類のシアル化したポリフコシル化ポリ−N−アセチルラクトサミン型構造により生成される。NeoLewis関連細胞を、異なるフコシルトランスフェラーゼである、α1,3フコシルトランスフェラーゼでトランスフェクトした。これは、GDPフコースがGa1β1,4GlcNAc−Rの非シアル化基質のみに転移するのを触媒する。これは、Lex構造を生成する(表3参照)。
【0134】
これらの細胞のGMP−140と相互作用する能力を試験するために、好中球およびHL60細胞に対して使用される付着アッセイ(J.−G.Gengら、Nature 343:757−760,1990)を僅かに改変した方法を、精製されたGMP−140およびGMP−140に対するモノクローナル抗体と共に使用した。GMP−140を濃度を高めながらプラスチックのウェルに固定し、次にウェルをアルブミンを含有する緩衝液でブロックした。[35S]メチオニンで代謝的に標識されたCHO細胞またはHL−60細胞を、Ca2+の存在下または非存在下でウェルに加えて、結合した細胞を可溶化し、そして放射能を定量することにより付着力を測定した。
【0135】
結合アッセイの結果を図4A(CHOのGMP−140への結合);図4B(Lec 8CHOのGMP−140への結合);図4C(NeoLewis CHOのGMP−140への結合);および図4D(HL60細胞のGMP−140への結合)に示す。
【0136】
Gengら、Nature 343:757−760(1990)に記載のように、HL−60細胞は、Ca2+に依存的にGMP−140でコートしたウェルに特異的に結合した。野生型CHO細胞、Lec 8 CHO細胞、およびNeoLewis関連CHO細胞は結合しなかった。しかし、HL−60細胞のように、NeoLewis CHO細胞は、Ca2+に依存的に固定したGMP−140に強く結合した。付着は特異的であった。これは、図5に示すように、GMP−140に対するブロッキングモノクローナル抗体であるG1により阻害されるが、非ブロッキング抗体であるS12によっては阻害されなかったためである。付着性は決定的にシアル酸に依存した。これは、NeoLewis CH0細胞をVibrio choleraから得られるノイラミニラーゼで処理することにより、結合が破壊されたためである。NeoLewis CH0細胞をトリプシンで予め処理することにより結合が60%減少した。これにより、細胞上のGMP−140に対するオリゴ糖リガンドの少なくとも実質的なフラクションがタンパク質により運ばれることが示唆される。
【0137】
これらのデータにより、GMP−140に対するオリゴ糖リガンドはシアル化したフコシル化構造であることが確認される。シアル酸結合は、CHO細胞がα2,6結合を有しないため、Galにα2,3結合し得る。フコース結合はGlcNAcにα1,3結合し、GlcNAcにはβ1,4結合によりGalが結合している。可能な構造としては、シアリルLex自体、ジフコシルシアリルLex、シアリルLexのより長いポリフコシル化ポリラクトサミノグリカン変異株、または上記成分の要素を含有する分枝構造がある。Lex自体は結合に対する必要な親和性または特異性を提供しない。末端シアル酸に最も近いGlcNAcに結合するFucがないシアル化構造を有するVlM−2は、この構造はGMP−140に結合しないNeoLewis関連細胞上に存在するため、GMP−140に対して親和性を有し得る。しかし、NeoLewis関連細胞上に存在するVIM−2の数量は知られていない。数量が少ない場合は、VIM−2がGMP−140に対していくらか親和性がある場合でも、細胞は十分には結合しない。
【0138】
別の研究により、高濃度のLexは付着を阻害することが示されているが、Lex三糖類を含むLNFIIIは、300μMまでの濃度では、精製され固定化されたGMP−140への好中球の結合には全く影響を及ぼさない。
【0139】
実施例7:GMP−140およびELAM−1によるリガンドの結合における相違の証明
ELAM−1およびGMP−140に対するリガンドが同一または非常に類似していることを示すデータにもかかわらず、そうではないことを示す2つの証拠がある。
【0140】
まず第1に、GMP−140またはELAM−1をコードするcDNAでトランスフェクトされたCOS細胞への好中球の付着は、両タイプのトランスフェクトされた細胞に対して特異的な付着を示す。Gengら、Nature(1990)に記載されているように、GMP−140でトランスフェクトされた細胞への付着を、GMP−140に対するモノクローナル抗体G1によりブロックし、ELAM−1でトランスフェクトされた細胞への付着を、ELAM−1に対するモノクローナル抗体H18/7によりブロックした。しかし液相GMP−140は、GMP−140でトランスフェクトされた細胞への付着をブロックしたが、ELAM−1でトランスフェクトされた細胞への付着には影響を与えなかった(図6)。
【0141】
第2に、豊富な量のシアリルLexを含むヒトがん腫細胞系HT−29は、ELAM−1でトランスフェクトされた細胞に結合するが、GMP−140でトランスフェクトされた細胞には結合しない(図7)。
【0142】
図6および図7のデータは、GMP−140およびELAM−1が、若干異なる構造のリガンドを認識し、そして/または同じリガンドを認識する親和性の点で異なることを示している。GMP−140およびELAM−1はそれぞれ、親和性の程度が異なる関連したオリゴ糖構造の範囲に結合し得る。
【0143】
ELAM−1およびGMP−140による結合を比較研究するために使用される方法および物質は、以下のものであった:
細胞の単離および培養物
Mooreら、J.Cell Biol. 112、491−499(1991)に記載されているように、モノポリ分離媒体を用いて、正常なボランティアからヒト好中球を単離した。ヒトHL−60前骨髄細胞およびHT−29ヒト結腸がん腫細胞を、アメリカンタイプカルチャーコレクション(Rockville,MD)から得た。HL−60細胞を、RPMI−1640/10%ウシ胎児血清中に保存した。HT−29細胞を、10%ウシ胎児血清(fcs)を補充したMcCoyの5a培地の培養物中に保存した。COS−7細胞を、10%ウシ血清を補充したダルベッコ変性イーグル培地(HG−DMEM)中に保存した。
【0144】
COS7細胞トランスフェクションおよび好中球ロゼッティングアッセイGMP−140またはELAM−1をコードする全長cDNAを、Gengら、Nature (1990)により記載されているように、CDM8に挿入した。COS7細胞を、10%ウシ血清を補充した高グルコースDMEM(Gibco)(HG−DMEM/10% CS)を含む10cmペトリ皿において、約80%コンフルエンスになるまで増殖させた。50μlのトランスフェクチンTM試薬(BRL Life Technologies,Inc.)を、50μlの水中20μgのcDNAまたは水のみと混合し、室温で15分間放置した。COS細胞を3mlの0ptiMEMTMI還元血清血清培地(BRL Life Technogies,Inc.)で2回洗浄した後、cDNA−リポフェクチン試薬混合物を加え、5%のC02雰囲気中37℃で一昼夜インキュベートした。6mlのHG−DMEM/10% CSを加え、細胞をさらに24時間インキュベートした。次いで、Ca+2およびMg+2を含まないHBSSで単層を1回洗浄し、0.02%のEDTAを用いて細胞を分離し、遠心分離によりペレット化し、次いで12mlのHG−DMEM/10% CS中で再懸濁した。2mlの細胞懸濁液を、3mlのHG−DMEM/10% CSを含む6−ウェルの組織培養物(Corning)を含む各ウェルにプレートし、さらに24時間増殖した。付着アッセイの前に、ウェルをHBSSで2回洗浄した。ウェルを、30μg/mlのG1 F(ab’)2、H18/7 F(ab’)2または緩衝液のみを含む0.5mlのHBSSと一緒に22℃で30分間インキュベートし、これを2回繰り返した。次いで、30μg/mlのGMP−140または希釈液の存在下で30分間インキュベートして新たに単離したヒト好中球(HBSS中2×106/ml)1mlを単層に加え、22℃で20分間インキュベートした。
【0145】
新たに単離したヒト好中球または35S−メチオニンで標識したHT−29細胞(HBSS中2×106/1%HSA)を1ml加え、22℃で20分間インキュベートした。いくつかの実験において、付着アッセイの前に、好中球を、精製されたGMP−140(最終濃度10μg/ml)と一緒に22℃で30分間、インキュベートした。
【0146】
細胞付着をアッセイするために、5mlのHBSS/1% HSAで5回洗浄した後、付着した好中球を、50mMのリン酸カリウム中0.5%のヘキサデシルトリメチル臭化アンモニウム(pH6.0)200μlで可溶性にした。Gengら、Nature 343,757−760(1990)により記載されているように、付着した好中球をミエロペルオキシダーゼで2回繰り返しアッセイした。HT−29細胞付着をアッセイするために、付着細胞を1%のトリトンX100で可溶性にし、液体シンチレーションカウンティングにより定量した。界面活性剤を加える前に、単層を位相差顕微鏡検査により検査し、単層が十分に洗浄され、COS細胞単層が無傷であることを確認した。
【0147】
結果
GMP−140は、GMP−140をコードするcDNAでトランスフェクトされたCOS7細胞への好中球の付着を阻害するが、ELAM−1をコードするcDNAでトランスフェクトされた細胞への付着は阻害しない。COS7細胞を、GMP−140またはELAM−1をコードするcDNAで偽トランスフェクトまたはトランスフェクトした。精製されたGMP−140、G1 F(ab’)2またはH18/7 F(ab’)2(最終濃度はすべて10μg/ml)が、トランスフェクトされたCOS7細胞に好中球がロゼッティングするのを阻害する能力を、図6に示す。データは、2つの独立したトランスフェクション実験からの結果である。各トランスフェクションにおいて、GMP−140およびG1 F(ab’)2またはH18/7 F(ab’)2の存在下または非存在下で、付着アッセイを単層上で2回繰り返し行った。結果を、結合した好中球の数(平均±SD)として表す。
【0148】
この結果は、好中球が、ELAM−1またはGMP−140をコードするcDNAでトランスフェクトされたCOS細胞に結合し、その結合が適切なモノクローナル抗体により阻害されることを明確に示している。すなわち、抗ELAM−1抗体(H18/7)は、ELAM−1でトランスフェクトされた細胞への好中球の結合をブロックし、抗GMP−140抗体(G1)は、GMP−140でトランスフェクトされたCOS細胞への好中球の結合をブロックする。しかし、液相GMP−140は、GMP−140でトランスフェクトされたCOS細胞への好中球の付着を完全にブロックするが、ELAM−1でトランスフェクトされたCOS細胞への好中球の付着には影響を与えない。
【0149】
次いで、大量のシアリルLex構造を含むHT−29細胞の結合における相違を調べるために、トランスフェクトされたCOS細胞を用いた。図7に示す結果は、HT−29細胞がELAM−1でトランスフェクトされた細胞に強く結合するが、GMP−140でトランスフェクトされた細胞には全く結合しないことを示している。従って、GMP−140およびELAM−1は両方とも、α(2,3)シアル化α(1,3)フコシル化ラクトサミノグリカンを含むオリゴ糖構造を認識するが、HT−29細胞と、GMP−140およびELAM−1でトランスフェクトされたCOS細胞との相互作用は、同一ではない。
【0150】
実施例8:好中球におけるGMP−140リガンドのタンパク質成分の特性付け
トリプシンによる好中球の処理により、特異的なGMP−140の結合が破壊された。このことは、好中球におけるGMP−140に対する優勢なリガンドがグリコスピンゴリピドではなく表面糖タンパク質であることを示している。図8に示すように、HL−60細胞およびNeoLewis CHO細胞のトリプシン処理もまた、GMP−140へのそれらの付着を著しく減少させた。このことは、糖タンパク質成分は、これらの細胞におけるGMP−140に対する主要なリガンドでもあることを示している。CHO細胞により合成された単一糖脂質は、トランスフェクトされたフコシルトランスフェラーゼの基質ではないため、糖脂質リガンドは、NeoLewis CHO細胞上では期待されない。GMP−140により認識されるオリゴ糖構造を有する表面タンパク質は、ヒト骨髄細胞およびチャイニーズハムスター卵巣細胞においては同一ではないようである。このことは、リガンドへのGMP−140の強い親和性結合は、タンパク質間の相互作用を必要としないことを示唆している。
【0151】
トリプシン処理については、HEPES緩衝液A中で懸濁したNeoLewis CH0細胞を、0.1%のDPCC−トリプシンと一緒に37℃で10分間インキュベートした。コントロール細胞を、DFPで不可逆的に不活性化したDPCC−トリプシンと一緒に、同一条件下でインキュベートした。トリプシン処理後、細胞を氷上で冷凍し、最終濃度が2mMになるようにDFPを加えて酵素を不活性化した。トリプシンで処理した後、アッセイする前に、細胞を氷で冷却したHEPES緩衝液Aで2回洗浄した。
【0152】
好中球の場合、還元条件下でSDS−PAGEにより分析すると、GMP−140で認識された主要な糖タンパク質の、見かけ上のMrは約120,000であることが証明されている。ヒト好中球の原形質膜フラクションを調製し、その調製物を「リガンドブロッティング」で分析した。この調製物をSDS−PAGEで分画し、イモビロン膜に移し換え、[125I]GMP−140でプローブした。還元条件下では、標識されたGMP−140は120−kDバンドに一貫して結合しているのが観察された。この結合は特異的である。なぜなら、Ca2+依存性であり、抗体G1によりブロックされるが、S12によってはブロックされず、ノイラミニダーゼによる膜の前処理により除去されるからである。このタンパク質は、小麦胚芽凝集素アフィニティーカラム上に定量的に結合し、このことは、シアル化されたオリゴ糖を広く含むことを示している。
【0153】
このタンパク質は、AffigelTMに結合したGMP−140のアフィニティーカラムに結合し、カラムから溶出され得る。部分的に精製されたタンパク質は、銀およびクーマシーブルーではあまり染色されない。このタンパク質は、同様の見かけ上のMrを有し、SDSポリアクリルアミドゲル上に染色パターンを有するロイコシアリンとして公知の、強く0−グリコシル化されたタンパク質を示し得る。さらに、低用量のノイラミニダーゼでこのタンパク質を処理すると、タンパク質からはすべてのシアル酸が除去されるわけではないが、結果としてゲル上の移動度はゆるやかになり、特定の強く0−グリコシル化されたタンパク質が部分的に脱シアル酸化されたパターンと一致する。
【0154】
GMP−140に対するオリゴ糖リガンドを有する骨髄細胞には、他のタンパク質が存在し得る。リガンドブロッティングにより決定されるように、120−kDa糖タンパク質は、GMP−140に最も強い親和性で結合する最も豊富なリガンドおよび/またはその構造を示し得る。
【0155】
GMP−140のレクチンドメインまたはGMP−140と相互作用する炭水化物由来のペプチドからの診断試薬および治療薬の調製上記のペプチドおよび炭水化物は、診断試薬として様々に応用され、特に、多くの炎症性疾患の治療に適用される。
【0156】
診断試薬
GMP−140に結合するペプチドおよび抗体または炭水化物に対する他のプローブはまた、GMP−140のリガンドを欠くヒトの疾患の検出に使用され得る。このような疾患は、白血球が活性化された血小板または内皮に結合し得ない感染症に感染しやすい患者に多く見られる。テストされる細胞、通常白血球を、医学的に容認されている標準技術で集めてスクリーニングする。検出システムには、ELlSA法、放射標識された抗体の固定化された活性化細胞への結合、フローサイトメトリー、または当業者に公知の他の方法が含まれる。
【0157】
レクチンドメインペプチドの存在下および非存在下での結合の阻害は、セレクチン結合における欠陥または改変を検出するのに使用され得る。このような疾患は、GMP−140に対する白血球のリガンドがないために、白血球が血小板および内皮に対して結合しない感染症に感染しやすい患者に多く見られる。GMP−140ペプチドを、蛍光タッグで放射的に、酵素的に、または電子顕微鏡の金のような高電子密度物質で標識する。検査される細胞、通常白血球は、標識されたGMP−140ペプチドと一緒にインキュベートされ、結合は、GMP−140に対する抗体を用いて上記の方法により評価されるか、または当業者に公知の他の方法により評価される。GMP−140に対するリガンドが血漿中にも見いだされると、それらはまた、検出試薬として抗体の代わりに標識されたGMP−140ペプチドを用いて、標準ELlSA法またはラジオイムノアッセイ法により測定され得る。
【0158】
同様のアプローチは、GMP−140の定性的または定量的な疾患を決定するのにも使用され得る。炭水化物を標識し、GMP−140に欠陥があると思われる疾患を有する患者からの活性化血小板におけるGMP−140への炭水化物の結合能力をテストする。
【0159】
臨床上の応用
GMP−140は、白血球付着、炎症および凝血に関連したいくつかの機能を有するため、GMP−140ならびに/あるいは、ELAM−1およびLEU−8を含む、GMP−140ペプチドまたは炭水化物のような他のセレクチン結合に相互作用する臨床上の化合物は、これらの応答を調節するために使用され得る。
【0160】
例えば、GMP−140ペプチドまたは炭水化物は、活性化された血小板または内皮細胞の表面にあるGMP−140のレセプターへ競合的に結合することにより、白血球の付着を競合的に阻害するのに使用され得る。この種の治療法は、白血球により媒介される炎症の阻害が望ましい急性の状況下において特に有用であり得、効果的であるが一時的である。GMP−140ペプチドまたは炭水化物の注入による慢性治療法もまた、いくつかの状況では可能である。
【0161】
炎症応答は、もし再チェックされなければ、宿主を損傷し得る。なぜなら、白血球は、正常な組織を損傷し得る有毒な分子を多く放出するためである。これらの分子には、タンパク質分解酵素およびフリーラジカルが含まれる。白血球が組織に損傷を与え得る病理的状態の例としては、虚血および再灌流からの傷害、細菌性敗血症、血管内凝固症候群、成人呼吸性困難症候群、腫瘍転移、慢性関節リウマチ、およびアテローム硬化症が挙げられる。
【0162】
灌流傷害は、臨床心臓学において主要な問題である。虚血性心筋層における白血球付着を減少させる治療剤は、血栓崩壊性剤の治療的効能を著しく引き上げ得る。組織プラスミノゲン活性剤またはストレプトキナーゼのような物質による血栓崩壊性療法は、可逆的な心筋細胞死の前の深刻な心筋虚血を有する多くの患者における環状動脈閉塞を和らげ得る。しかし、このような患者の多くは、血流の回復にもかかわらず心筋神経症を煩っている。この「再灌流傷害」は、心筋領域における血管内皮への白血球の付着と関連していることが知られている。これは、一部には、白血球に対して付着性とする、トロンビンおよびサイトカインによる血小板および内皮の活性化のためであろう(Romsonら、Ci rculation 67:1016−1023,1983)。これらの付着白血球は、内皮を通じて拡散し、血流の回復により救済されるように心筋虚血を破壊し得る。
【0163】
心筋および再灌流により、発作、腸間膜および末梢血管、臓器移植、および循環器系統のショック(この場合、多くの臓器は血流の回復により傷害を与えられる)を含む、血管表面への白血球の付着による臓器傷害が引き起こされる、多数の他の通常の臨床上の疾患がある。
【0164】
細菌性敗血症および血管内凝固症候群はしばしば重症の患者には同時に発生する。これらは、トロンビン、サイトキンおよび他の炎症性媒介物、血小板および内皮の活性化、白血球の付着、ならびに血管系全体における血小板の凝集と関連している。白血球に依存する臓器傷害は、これらの症状の重要な特徴である。
【0165】
成人呼吸性困難症候群は、敗血症または肺循環における白血球の広範囲な付着および凝集と関連する以下の外傷を有する患者において発生する荒廃する肺疾患である。これにより、大量の血漿が肺に溢血し、肺組織が破壊される。大抵、これらは両方とも白血球産物により媒介される。
【0166】
しばしば致命的な2つの関連した肺疾患は、同種間の骨髄移植を受ける免疫抑制患者、およびインターロイキン−2で処理されたLAK細胞(リンフォカイン活性リンパ球)を用いた治療により生じる血管漏れに起因する合併症を煩うがん患者において見られる。LAK細胞は、血管壁に付着し、内皮に毒性と思われる産物を放出することが公知である。LAK細胞が内皮に付着するメカニズムは知られていないが、このような細胞は、内皮を活性化する分子を潜在的に放出し、次いで好中球において作用するメカニズムと同様のメカニズムにより内皮に付着する。
【0167】多くの悪性腫瘍(がん腫、リンパ腫および肉腫)からの腫瘍細胞は、血管系を通じて遠位部位に転移し得る。腫瘍細胞が内皮に付着するメカニズムおよびそれに続く移行は、あまりよく理解されていないが、少なくともいくつかの点で、白血球のメカニズムと同様であり得る。血小板と転移腫瘍細胞との結合については詳しく記載されており、いくつかのがんの蔓延における血小板の役割を示唆している。
【0168】
血小板−白血球の相互作用は、アテローム硬化症において重要であると考えられる。血小板は、単球がアテローム硬化プラークに補充される際の役割を果たし得る。単球の蓄積は、アテローム発生中の最も初期に検出可能な症状の1つであることが知られている。完全に発達したプラークが破裂すると、血小板の沈着、活性化、血栓形成の促進、ならびに虚血領域への好中球の初期補充が引き起こされ得る。
【0169】
他の領域における可能な応用は、慢性関節リウマチの治療である。
【0170】
これらの臨床上の応用では、適切な薬学的キャリヤー中のペプチドまたは炭水化物またはその混合物は、迅速な緩和を必要とする場所に静脈注射により投与されるのが好ましい。ペプチドもしくは炭水化物はまた、キャリヤー分子に結合したペプチドもしくは炭水化物として、筋肉内、腹膜内、皮下、経口により、または薬物送達装置によっても投与され得る。ペプチドまたは炭水化物は、インビボにおける半減期を増加させるために、さらに化学的に改変され得る。
【0171】
ペプチドは、GMP−140のタンパク質分解的開裂、または好ましくは実施例1においてペプチドを調製するために使用したような合成手段により調製され得る。これらの方法は、当業者により公知である。例としては、米国特許第4,792,525号において使用され、米国特許第4,244,946号において記載されている、J.Merrifield,J.Am.Chem.Soc. 85,2149(1964)により記載の固相合成が挙げられる。この合成では、保護されたαアミノ酸は、適切な樹脂に結合され、C末端から開始するペプチドの合成を開始する。他の合成方法については、米国特許第4,305,872号および第4,316,891号に記載されている。これらの方法は、GMP−140と同一の配列を有するペプチド、またはアミノ酸の置換物または付加物を合成するのに使用され得、これらは、実施例1および2に記載されているように、その活性を調べるためにスクリーニングされ得る。
【0172】
ペプチドはまた、塩酸、臭化水素酸、過塩素酸、硝酸、チオシアン酸、硫酸およびリン酸のような無機酸、ならびにギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸およびフマル酸のような有機酸との反応、または水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カリウムのような無機塩基、およびモノ−、ジ−、トリアルキルおよびアリルアミンのような有機塩基、および置換エタノールアミンとの反応により形成される薬学的に受容可能な酸または塩基付加塩として投与され得る。
【0173】
シクロプロピルアミノ酸、または同様に誘導されるアミノ酸を含むペプチドもまた使用され得る。これらのペプチドは、その最初の活性を保持するが、インビボにおいて半減期を増加した。アミノ酸を改変することが知られている方法、およびその使用については、例えば、Stammerの米国特許第4,629,784号に記載されているように、当業者に公知である。
【0174】
炭水化物は、天然に、またはトランスフェクトされたCos細胞の例において記載されているような遺伝子工学の結果、または好ましくは合成手段により、炭水化物を発現する細胞から単離され得る。これらの方法は、当業者に公知である。さらに、多数のグリコシルトランスフェラーゼがクローニングされている(J.C.PaulsonおよびK.J.Colley, J.Biol.Chem. 264:17615−17618,1989)。従って、当業者は、調合薬または診断試薬を調製するために、合成化学および酵素的合成を組み合わせて使用することができる。
【0175】
生物学的に活性なペプチドおよび炭水化物は、GMP−140への好中球および単球の結合を阻害するもの、またはELAM−1および/またはホーミングレセプターの媒介による白血球の内皮への付着を阻害するものである。
【0176】
患者への投与に適切な薬学ビヒクルは、当業者に公知である。非経口投与では、ペプチドまたは炭水化物は、通常、滅菌水または生理食塩水中で溶解または懸濁され得る。腸内投与では、ペプチドまたは炭水化物は、錠剤、液体またはカプセル形態で不活性キャリヤーに導入され得る。適切なキャリヤーは、デンプンまたは砂糖であり、潤滑剤、香料、結合剤および同じ特性を有する他の物質が含まれる。GMP−140ペプチドまたは炭水化物はまた、創傷部または炎症部位に、特異的には溶液またはクリームで塗布して局部投与され得る。
【0177】
あるいは、ペプチドまたは炭水化物は、リポソームまたはマイクロスフェア(または微量粒子)で投与され得る。患者へ投与するためのリポソームおよびマイクロスフェアを調製するための方法は、当業者に公知である。米国特許第4,789,734号は、リポソーム中に生物学的物質をカプセル化する方法について記載している。実質的に、物質は、水溶液に溶解され、必要に応じて、界面活性剤と共に適切なリン脂質および脂質が添加され、物質は、必要に応じて透析または超音波処理される。公知の方法は、G.Gregoriadis,14章、”Liposomes”,Drug Carriers in Biology and Medicine pp.287−341(Academic Press,1979)により詳しく記載されており、その教示は本願で参考のために援用している。ポリマーまたはタンパク質により形成されるマイクロスフェアは、当業者に公知であり、胃腸管を通じて血流に直接送達されるように設計され得る。
あるいは、ペプチドまたは炭水化物が導入され、マイクロスフェアまたはマイクロスフェアの複合体が数日から数カ月の期間に渡ってゆっくりと放出されるように移植され得る。例えば、米国特許第4,906,474号、第4,925,673号および第3,625,214号を参照。
【0178】
主題のペプチドは、一般に、体重1kg当り約1μgより多い量で非経口投与されると活性となる。大抵の炎症性疾患の治療には、投与量は、体重1kg当り0.1から30mgの間である。実施例で特徴づけられるペプチドの中には、70mg/kgの投与量が必要なものもある。この投与量は、一部には、1つ以上のペプチドが投与されるか否かに依存し得る。レクチンドメインの3つの領域の結合に関して記載されているように、相乗効果は、レクチンドメインの異なるまたは重複する領域からのペプチドの組合せ、またはGMP−140のEGFドメイン由来のペプチドとの組合せにより見られる。
【0179】
炭水化物は、非経口または他の手段により投与されるときに、活性とならなければならない。必要な量は、インビトロアッセイにおけるGMP−140の骨髄性細胞への結合の阻害に必要な濃度、および注入された炭水化物のクリアランス速度に基づく。この投与量は、一部には、1つまたはそれ以上の炭水化物が投与されるか否かに依存し得る。相乗効果は、炭水化物の組合せ、または多価形態の天然のリガンドもしくはGMP−140に対する親和性および/または親和力を増加させるために設計されたリガンドの誘導体により見られる。
【0180】
ペプチドまたは炭水化物はまた、白血球の血小板または内皮への付着を防止するために、身体に注入される補てつ物として使用されるために、基質にコーティングされ得る。
【0181】
GMP−140、そのペプチドまたは炭水化物の抗体を用いた治療理学療法に対する応答を評価するための基準は、特定の条件により左右され、通常、標準的な医学的実践に従う。例えば、心筋梗塞の拡張を防止するために有効な投与量の基準は、心電図、生存徴候および臨床応答をモニターして、血漿中の心筋懐死のマーカー酵素を観察することにより、当業者により決定され得る。急性呼吸性困難症候群の治療では、動脈酸素および肺浸潤物の分解における改善、ならびに呼吸困難および頻呼吸の減少により測定される臨床上の改善が調べられる。ショックを起こした(低血圧)の患者の治療では、有効な投与量は、臨床上の応答、および血圧回復後の、肝臓および腎臓のような生体臓器の機能の特異的な測定に基づく。神経機能は、発作を起こした患者においてモニターされる。移植された臓器の機能をモニターするために、特異的なテストが使用され、例えば、腎臓移植を受けた患者の血清、尿流、および血清電解質がモニターされる。
【0182】
本発明の変更および改変、GMP−140由来のペプチドを用いたGMP−140を含む結合反応を調節する方法、またはGMP−140リガンドの部分を形成する方法は、上記の詳細な記載より当業者に自明である。このような変更および改変は、添付の請求の範囲の範囲内にあるものとする。
【0183】
GMP−140のレクチン結合領域の3つの領域由来のペプチドは、GMP−140、ELAM−1およびリンパ球ホーミングレセプターを含む、「セレクチン類」と選択的に相互作用することが発見された。3つの領域には、アミノ酸19−34、54−72および66−89が含まれる。この番号は、シグナルペプチドを開裂した後の成熟タンパク質のN末端を残基1と定義した、ペプチド中の残基の番号に基づく。
GMP−140に結合するフコシル化シアル化ラクトサミン構造もまた発見された。
この構造は、α(2,3)シアル酸で置換したラクトサミノグリカン類を含む受容体を改変し得るα(1,3)フコシルトランスフェラーゼ類の発現により形成される。LexGalβ1,4(Fucα1,3)GlcNAcβ1−R(ここで、Rはタンパク質または他の炭水化物構造である)は、このシアル化構造のコアを形成する。ペプチドおよび炭水化物構造は、診断薬、および凝血過程または炎症過程の調節または阻害への臨床上の応用において有用である。
【0184】
【発明の効果】
本発明により、GMP−140、ELAM−1およびリンパ球ホーミングレセプターを含むセレクチン類と相互に作用するペプチドが提供される。また、本発明により、GMP−140に対するリンパ球リガンドの構造に基づいた構造を有し、GMP−140性付着相互作用を阻害する炭水化物ベースの薬剤、GMP−140に対するレセプターの一部を形成する炭水化物構造体、これらのペプチドおよび炭水化物構造体を用いてリンパ球が内皮もしくは血小板に付着するのを抑制する方法も提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1A】図1は内皮細胞GMP−140のヌクレオチド配列と推定アミノ酸配列である。読取り枠の翻訳アミノ酸配列は、一文字コードで示してある。終止コドンは星印で示している。細い下線は、血小板GMP−140のN末端を含むN末端から26のペプチドから決定したアミノ酸配列の一致している位置を示す。シグナルペプチドは−41から−1の位置に相当する。推定トランスメンブランドメインには太い下線をつけてある。システイン残基は丸で囲み、アスパラギンが連結した潜在的なグリコシル化部位(NXS/T)は黒丸で示してある。3’未翻訳領域における2つの潜在的なポリアデニル化シグナルには上側と下側に線をつけてある。
【図1B】図1Bは、図1Aの続きである。
【図2】図2は、GMP−140のレクチンドメインである、アミノ酸66−78(三角印)、アミノ酸73−83(四角印)、アミノ酸54−63(丸印)およびアミノ酸23−30(黒丸印)が、ペプチドによって結合が阻害されるのを、ペプチドのmMの値に対して結合した細胞の数を比較して実証したグラフである。
【図3】図3(a)および(b)は、次のようなマイクロタイターウェルヘの好中球の特異的付着性を比較した図であり、すなわち、(1)ペプチドをコートしていないウェル;(2)KHLに結合されたレクチンドメインペプチド19−34をコートしたウェル;または(3)KLHに結合された対照のカルボキシ末端ペプチド(アミノ酸残基761〜777)をコートしたウェル;をヒト血清アルブミンを含有するハンクスの平衡塩類溶液で遮断したのちに、各ウェル毎に液相競合体の存在下2×105の好中球を添加して比較した。ウェルに入れる前に好中球に添加した液相競合体は次の通りである。図3(a);含有せず(黒バー印)、精製血小板の糖タンパク質IIb−IIIa(斜線バー印)、または精製GMP−140(点彩バー印);ならびに図3(b);含有せず(黒バー印)、1.5mM C末端ペプチド761−777(斜線バー印)および1.5mMレクチンドメインペプチド19−34(点彩バー印)である。
【図4A】図4Aは、トランスフェクトされた野生型のCHO細胞と、HL60細胞に対するGMP−140の結合性を、ウェルをコートするのに使用したGMP−140の濃度(ug GMP−140/ml)、Ca2+の存在もしくは非存在、およびノイラミニダーゼ処理の関数としてCPM 51Crとして測定した結果を示すグラフである。図4Aは、CHOのGMP−140に対する結合性を示す[CH0+Ca2+(四角印)、CH0−Ca2+(黒ひし形印)]。
【図4B】図4Bは、トランスフェクトされた野生型のCHO細胞と、HL60細胞に対するGMP−140の結合性を、ウェルをコートするのに使用したGMP−140の濃度(ugGMP−140/ml)、Ca2+の存在もしくは非存在、およびノイラミニダーゼ処理の関数としてCPM 51Crとして測定した結果を示すグラフである。図4Bは、Lec8CH0のGMP−140に対する結合性を示す[Lec8+Ca2+(四角印)、Lec8−LecCa2+(黒ひし形印)]。
【図4C】図4Cは、トランスフェクトされた野生型のCHO細胞と、HL60細胞に対するGMP−140の結合性を、ウェルをコートするのに使用したGMP−140の濃度(ugGMP−140/ml)、Ca2+の存在もしくは非存在、およびノイラミニダーゼ処理の関数としてCPM 51Crとして測定した結果を示すグラフである。図4Cはネオルイス(Neo Lewis)CH0のGMP−140に対する結合性を示す[ネオルイス+Ca2+(四角印)、ネオルイス、ノイラミニダーゼ(黒ひし形)、およびネオルイス、EDTA(黒四角印)]。
【図4D】図4Dは、トランスフェクトされた野生型のCHO細胞と、HL60細胞に対するGMP−140の結合性を、ウェルをコートするのに使用したGMP−140の濃度(ugGMP−140/ml)、Ca2+の存在もしくは非存在、およびノイラミニダーゼ処理の関数としてCPM 51Crとして測定した結果を示すグラフである。図4Dは、HL60細胞のGMP−140に対する結合性を示す[HL60+Ca2+(四角印)、HL60、ノイラミニダーゼ(黒ひし形印)およびHL60,EDTA(黒四角印)]。
【図5】図5は、ネオルイスCHO細胞の固定化GMP−140への結合性に対するモノクローナル抗体の作用を示すグラフであり、対照(黒色バー)の結合%を対照として、G1抗体(///印)、S12抗体(++++印)およびEDTA(///印)それぞれの存在下での結合性を%で示したグラフである。
【図6】図6は、可溶性のELAM−1もしくはGMP−140によって結合される、トランスフェクトされたCOS細胞を示すグラフである[対照および以下の阻害剤の存在下:ELAM−1なし、GMP−140、およびH18/7(ELAM−1の結合を阻害するがGMP−140の結合を阻害しない);ならびにGMP−140なし、GMP、およびG1の場合について示す。]
【図7】図7は、トランスフェクトされたCOS細胞が結合したPMS細胞とHT−29細胞(これらの細胞はシアリルLexを発現する)を示す(×10−4)グラフである。すなわち対照;ELAM−1のみの場合と、さらにELAM−1による結合を阻害するがGMP−140による結合を阻害しないH18/7抗体が存在する場合;およびGMP−140のみの場合と、さらにGMP−140による結合を阻害するがELAM−1による結合を阻害しないG1抗体が存在する場合について示す。
【図8】図8は、ネオルイスCHO細胞の固定化GMP−140への結合性に対するトリプシンの作用を示すグラフであり、対照(黒色バー)の結合性を100%とした場合の、トリプシンによる処理時(///印)およびEDTAの存在下(細いバー印)での結合性を%で示したグラフである。
Claims (1)
- 炭水化物を含む単離された糖タンパク質に対する抗体であって、該炭水化物は、GlcNAcへα1,3結合したフコースを含み、該GlcNAcにはGalがβ1,4結合を介して結合し、さらにα2,3結合を介して該Galに結合したシアル酸を含み、そしてここで、GMP−140への該糖タンパク質の結合は、GMP−140に対するG1モノクローナル抗体によりブロックされ、そしてGMP−140に対するS12モノクローナル抗体によりブロックされず、そしてGMP−140へのカルシウム依存性結合を有し、そしてここで、該糖タンパク質は、好中球へのGMP−140の結合を阻害する、抗体。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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