JP3096305B2 - Gmp―140に対する糖タンパク質リガンド - Google Patents

Gmp―140に対する糖タンパク質リガンド

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明は、一般に、GMP−140、ELAM−1およびリンパ
球ホーミングレセプターを含むセレクチン類(Selectin
s)との結合反応をともなう炎症反応の治療法と予防法
に関する。
本発明は米国国立心臓、肺臓および血液研究所(Nati
onal Heart,Lung and Blood Institute)の助成金によ
るものであるから、米国政府は本発明に権利をもってい
る。
血小板とリンパ球の血管表面への付着は炎症反応の重
要な要素であり、かつ補体系、凝血系および免疫系の同
時におこる相互に関連する活性化を伴う一連の複雑な反
応の一部である。
トロンビンおよびヒスタミンのような「迅速」活性化
因子に暴露された内皮は2〜10分以内に好中球に対して
付着性になるが、一方潰瘍壊死因子およびインターロイ
キン−1のようなサイトカイン類に暴露された内皮は、
1〜6時間後に付着性になる。迅速な内皮依存性のリン
パ球の付着は、細胞表面での脂質媒介物血小板活性化因
子(PAF)の発現と関連があり、およびおそらくその他
の内皮リンパ球の表面レセプターの出現と関連がある。
サイトカインで誘発される、内皮のリンパ球に対するゆ
っくりした付着は、少なくとも一部分は、内皮細胞レセ
プターのELAM−1で媒介される。このELAM−1は内皮細
胞がサイトカイン類に暴露された後に合成され、次いで
細胞表面に輸送され、そこで好中球を補足する。ELAM−
1の単離、特性決定およびクローニングについては、Be
vilacquaらがScience 243巻、1160〜1165頁、1989年で
概説している。末梢リンパ節ホーミングレセプターは、
「ネズミMel 14抗原」、「Leu8」、「Leu8抗原」および
「LAM−1」とも呼ばれるが、末梢リンパ節において高
内皮性小静脈にリンパ球を結合させる好中球、単球およ
びリンパ球上の別の構造体である。このタンパク質の特
性決定とクローニングについては、Laskyら、Cell 56
巻、1045〜1055頁、1989年(マウス)およびTedderら、
J.Exp.Med.170巻、123〜133頁、1989年に概説されてい
る。
GMP−140(顆粒膜タンパク質140)はPADGEMとして知
られているが、システインに富んだ、強くグリコシル化
された膜内存在性糖タンパク質であり、ドデシル硫酸ナ
トリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動法(SDS−PAG
E)で測定した見かけの分子量は140、000である。GMP−
140は、McEverとMartinが最初にヒト血小板から精製し
た(J.Biol.Chem.259巻、9799〜9804頁、1984年)。こ
のタンパク質は、Stenbergら(1985年)が報告している
ように、休止血小板のα顆粒中に存在しているが血小板
を活性化してから迅速に細胞膜に再分布される。GMP−1
40が内皮細胞内に存在しこれらの細胞によって生合成さ
れることは、McEverら、Blood 70(5)Suppl.1:355a,A
bstract No.1274(1987年)に報告された。内皮細胞中
で、GMP−140は、ワイベルパレイド(Weibel−Palade)
体として知られている貯蔵顆粒に見られる。またGMP−1
40(PADGEMと呼ばれている)は、活性化された血小板
と、好中球および単球との相互作用も媒介すると報告さ
れている(Larsenら、Cell 59巻、305〜312頁、1989年1
0月およびHamburgerとMcEver、Blood 75巻、550〜554
頁、1990年)。
そのcDNA由来アミノ酸配列は、Johonstonら、Cell 56
巻、1033〜1044頁、1989年3月24日および1989年3月8
日出願の米国特許出願第07/320,408号に報告されたが、
独立して折り重なっているようである多数のモジュール
ドメインを含有していることを示している。N末端から
始まって、これらのドメインは、1つの「レクチン」ド
メイン、1つの「EGF」ドメイン、補体結合タンパク質
中のものと類似の9つの縦列共通反復構造、トランスメ
ンブランドメイン(分化スプライシングから得られる可
溶性形を除く)および細胞質テールを含有している。
血小板もしくは内皮細胞がトロンビンのような媒介物
で活性化されると、貯蔵顆粒の膜は原形質膜とともに溶
解して顆粒性の可溶性内容物が外部環境に放出され、膜
に結合していたGMP−140が、数秒以内に細胞表面に提供
される。GMP−140が活性化された結果血小板および内皮
細胞の表面に迅速に再分布するというとは、この糖タン
パク質が炎症もしくは血管の破裂の部位で重要な役割を
し得るということを示唆している。
ELAM−1、ホーミングレセプター、およびGMP−140は
その構造と機能が関連していることから「セレクチン
類」と称されている。
血小板リンパ球の相互作用のインビボでの重要性はま
だ綿密には研究されていない。しかし血管の損傷に応答
して、血小板は、内皮下面に付着して活性化され凝血を
助けることが知られている。また血小板および他の細胞
は、微生物の侵入を防止するためにリンパ球を創傷内に
補充するのに重要な役割を果たす。逆に、リンパ球は、
Issekutzら、Lab.Invest.49巻、716頁、1983年に報告さ
れているように、炎症部位の組織中に血小板を補充す
る。
凝血と炎症の経路は、組織の損傷に応答して協調方式
で調節される。例えば、活性化された内皮細胞は、リン
パ球に対して付着性になるのに加えて、その細胞表面に
組織因子を発現させ、それらの表面がトロンボモジュリ
ンを発現するのを減少させて、最終的に、細胞表面で凝
血反応を起こり易くする。場合によっては、単一のレセ
プターが、炎症と凝血のプロセスの両者に関与できる。
止血経路と炎症経路に関与するタンパク質は、ヒトの
疾患の診断および治療を行うのに重要である。しかしタ
ンパク質を治療に用いるには多くの問題がある。タンパ
ク質は、患者に投与するのに十分であるように大量生産
すると、通常は経費がかかる。更に、タンパク質を患者
に複数回投与した後そのタンパク質に対する反応が起こ
り得る。従って、対象のタンパク質と同じかまたはより
優れた活性を有し、安価に合成可能で、再現性があり、
比較的無害なペプチドを開発することが望ましい。ま
た、インビトロとインビボの両方で用いて、セレクチン
類の結合作用を対象のタンパク質分子と同等に有効に調
節することができて、かつ合成に要する経費が少なく、
より再現性が高く、反応を起こすことが少ないと考えら
れる炭水化物の分子を開発することが望ましい。
それ故に、本発明の目的は、GMP−140、ELAM−1およ
びリンパ球ホーミングレセプターを含むセレクチン類と
相互に作用するペプチドを提供することである。
本発明の他の目的は、GMP−140に対するリンパ球リガ
ンドの構造に基づいた構造を有し、GMP−140性付着相互
作用を阻害する炭水化物ベースの薬剤を提供することで
ある。
それ故に本発明の目的は、ELAM−1のような他のセレ
クチン類とは全く異なるセレクチンである、GMP−140に
対するレセプターの一部を形成する炭水化物構造体を提
供することである。
本発明の他の目的は、これらのペプチドおよび炭水化
物構造体を用いてリンパ球が内皮もしくは血小板に付着
するのを抑制する方法を提供することである。
本発明のさらなる目的は、これらのペプチドおよび炭
水化物構造体を用いて免疫応答と止血経路を調節する方
法を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、GMP−140、ELAM−1およ
びリンパ球ホーミングレセプターに関する診断上のアッ
セイに用いる炭水化物およびペプチドを提供することで
ある。
発明の要旨 GMP−140のレクチン結合領域の3つの領域由来のペプ
チドは、GMP−140、ELAM−1およびリンパ球ホーミング
レセプターを含む「セレクチン類」と選択的に相互に作
用することが見い出されている。この3つの領域は、上
記ペプチドに含有される残基の番号にしたがってアミノ
酸番号19〜34、54〜72および66〜89を含有している。な
お残基1は、ジグナルペプチドを切断した後の前記成熟
タンパク質のN末端と定義する。該ペプチドは、長さが
5〜8アミノ酸の短いものであり、標準的な技法で容易
に調製することができる。
GMP−140と結合する、フコシル化シアル化(Sialyate
d)ラクトサミン構造体も発見されている。この構造体
は、α(2,3)シアル酸で置換されたラクトサミノグリ
カン類を含有する受容体を改変できるα(1,3)フコシ
ルトランスフェラーゼ類を発現させることによって生成
される。骨髄性細胞には存在するがリンパ球もしくは赤
血球の細胞には存在しない共通の三糖構造体であるLeX
すなわちGalβ1,4(Fucα1,3)GlcNAcβ1−R(式中R
はタンパク質もしくは他の炭水化物構造体)が、上記シ
アル酸化構造体のコアを形成している。実際の構造体は
シアリルLeXすなわちNeuAcα2−3Galβ1−4(Fucα
1,3)GlcNAc−Rであってもよい。他の可能な構造体に
は、ジフコシルシアリルLeX、すなわちより長いポリフ
コシル化ポリアクトサミノグリカン(polyfucosylated
polyactosaminoglycan)または類縁の変異体が含まれ
る。これらの構造体のいくつかは、種々のアフィニティ
ー度でGMP−140に結合できる。
実施例は、これらのペプチドが好中球に結合してGMP
−140が好中球と結合するのを阻害し、IC50(好中球が
固定されたGMP−140に付着するのを50%まで阻害するの
に必要な投与量)が50から300マイクロモルの範囲内に
あることを実証している。その結合親和性は、EGFドメ
イン由来配列と、このEGFドメインとレクチドメインの
両方に結合する二価のカオチンを用いて調節することが
でいる。全セレクチン類または個々のセレクチン類、特
にGMP−140の結合を阻害するこれらのペプチドの変異体
をスクリーニングするのに有用なアッセイも示してあ
る。
特異的グリコシルトランスフェラーゼでトランスフェ
クトされたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞系
を用いる実施例によって、GMP−140に対するオリゴ糖リ
ガンドがシアル化フコシル化構造体であり、そのシアル
酸の結合がGalへのα2,3結合であり、およびクコースの
結合はGlcNacへのα1,3結合であり、そのGlcNacにGalが
β1,4結合で結合していることが確認されている。
シアリルLex、ジフコジルシアリルLex、またはより長
いポリフコシル化ポリアクトサミノグリカン変異体(合
成で製造するかまたは遺伝子工学で作製した細胞内で発
現させる)を含む本発明のペプチドもしくは炭水化物の
構造体は、診断用薬として有用であり、かつ適切な医薬
用キャリヤーを組合わせて凝血過程もしくは炎症過程を
調節もしくは阻害する臨床の適用に有用である。また本
発明のペプチドと炭水化物は、そのアミノ酸を化学的に
改変するかまたはキャリヤー分子もしくは不活性基質に
結合させることによって、改変してインビボでの半減期
を増大することができる。またこれらの構造体に対する
抗体も、診断用薬として、および凝血もしくは炎症のプ
ロセスの調節に用いる医薬として有用である。
したがって、本願発明は、好中球へのGMP−140の結合
を阻害する、炭水化物を含む単離された糖タンパク質で
あって、GMP−140への糖タンパク質の結合は、GMP−140
に対するG1モノクローナル抗体によりブロックされ、そ
してGMP−140に対するS12モノクローナル抗体によりブ
ロックされない、糖タンパク質を提供するものである。
この糖タンパク質においては、炭水化物は、GlcNAcへ
α1,3結合したフコースを含み、GlcNAcにはGalがβ1,4
結合を介して結合し、さらにα2,3結合を介してGalに結
合したシアル酸を含み、そしてGMP−140への結合はカル
シウム依存性を有する。
あるいは、この糖タンパク質は、シアリル化Lex基を
含み、そして還元条件下でのSDS−PAGEにより確認して
約120,000ダルトンの見かけの分子量を有しても良い。
あるいは、この糖タンパク質は、O−グリコシド結合
を介して結合したシアリル化Lex基を含んでも良い。
あるいは、式NeuAcα2,3Galβ1,4(Fucα1,3)GlcNAc
β1−R(ここで、Rはタンパク質である)を有する糖
タンパク質であっても良い。
あるいは、この糖タンパク質は、α(1,3)フコシル
化α(2,3)シアリル化ラクトサミノグリカンを含み、
そしてO−グリコシル化のための複数の部位を有しても
良い。ここで、α(1,3)フコシル化α(2,3)シアリル
化ラクトサミノグリカンは、シアリル化Lex基およびNeu
Acα2,3Galβ1,4(Fucα1,3)GlcNAcβ1基を含む。
あるいは、この糖タンパク質は、複数のシアリル化フ
コシル化ラクトサミンが結合しても良い。
図面の簡単な説明 図1は内皮細胞GMP−140のヌクレオチド配列と推定ア
ミノ酸配列である。読取り枠の翻訳アミノ酸配列は、一
文字コードで示してある。終止コドンは星印で示してい
る。細い下線は、血小板GMP−140のN末端を含むN末端
から26のペプチドから決定したアミノ酸配列の一致して
いる位置を示す。シグナルペプチドは−41から−1の位
置に相当する。推定トランスメンブラントドメインには
太い下線をつけてある。システイン残基は丸で囲み、ア
スパラギンが連結した潜在的なグリコシル化部位(NXS/
T)は黒丸で示してある。3′未翻訳領域における2つ
の潜在的なポリアデニル化シグナルには上側と下側に線
をつけてある。
図2は、GMP−140のレクチンドメインである、アミノ
酸66−78(三角印)、アミノ酸73−83(四角印)、アミ
ノ酸54−63(丸印)およびアミノ酸23−30(黒丸印)
が、ペプチドによって結合が阻害されるのを、ペプチド
のmMの値に対して結合した細胞の数を比較して実証した
グラフである。
図3AおよびBは、次のようなマイクロタイターウェル
への好中球の特異的付着性を比較した図であり、すなわ
ち、(1)ペプチドをコートしていないウェル;(2)
KHLに結合されたレクチンドメインペプチド19−34をコ
ートしたウェル;または(3)KLHに結合された対照の
カルボキシ末端ペプチド(アミノ酸残基761〜777)をコ
ートしたウェル;をヒト血清アルブミンを含有するハン
クスの平衡塩類溶液で遮断したのちに、各ウェル毎に液
相競合体の存在下2×105の好中球を添加して比較し
た。ウェルに入れる前に好中球に添加した液相競合体は
次の通りである。図A;含有せず(黒バー印)、精製血小
板の糖タンパク質II b−III a(斜線バー印)、または
精製GMP−140(点彩バー印);ならびに図B;含有せず
(黒バー印)、1.5mM C末端ペプチド761−777(斜線バ
ー印)および1.5mMレクチンドメインペプチド19−34
(点彩バー印)である。
図4A−Dは、トランスフェクトされた野生型のCHO細
胞と、HL60細胞に対するGMP−140の結合性を、ウェルを
コートするのに使用したGMP−140の濃度(ug GMP−140/
ml)、Ca2+の存在もしくは非存在、およびノイラミニダ
ーゼ処理の関数としてCPM51Crとして測定した結果を示
すグラフである。図4AはCHOのGMP−140に対する結合性
を示す[CHO+Ca2+(四角印)、CHO−Ca2+(黒ひし形
印)];図4BはLec8CHOのGMP−140に対する結合性を示
す[Lec8+Ca2+(四角印)、Lec8−LecCa2+(黒ひし形
印)];図4Cはネオルイス(Neo Lewis)CHOのGMP−140
に対する結合性を示す[ネオルイス+Ca2+(四角印)、
ネオルイス、ノイラミニダーゼ(黒しひ形)、およびネ
オルイス、EDTA(黒四角印)];ならびに図4Dは、HL60
細胞のGMP−140に対する結合性を示す[HL60+Ca2+(四
角印)、HL60、ノイラミニダーゼ(黒ひし形印)および
HL60、EDTA(黒四角印)]。
図5は、ネオルイスCHO細胞の固定化GMP−140の結合
性に対するモノクローナル抗体の作用を示すグラフであ
り、対照(黒色バー)の結合%を対照として、G1抗体
(///印)、S12抗体(++++印)およびEDTA(///
印)それぞれの存在下での結合性を%で示したグラフで
ある。
図6は、可溶性のELAM−1もしくはGMP−140によって
結合される、トランスフェクトされたCOS細胞を示すグ
ラフである[対照および以下の阻害剤の存在下:ELAM−
1なし、GMP−140、およびH18/7(ELAM−1の結合を阻
害するがGMP−140の結合を阻害しない);ならびにGMP
−140なし、GMP、およびG1の場合について示す。] 図7は、トランスフェクトされたCOS細胞が結合したP
MS細胞とHT−29細胞(これらの細胞はシアリルLexを発
現する)を示す(x10-4)グラフである。すなわち対照;
ELAM−1のみの場合と、さらにELAM−1による結合を阻
害するがGMP−140による結合を阻害しないH18/7抗体が
存在する場合;およびGMP−140のみの場合と、さらにGM
P−140による結合を阻害するがELAM−1による結合を阻
害しないG1抗体が存在する場合について示す。
図8は、ネオルイスCHO細胞の固定化GMP−140への結
合性に対するトリプシンの作用を示すグラフであり、対
照(黒色バー)の結合性を100%とした場合の、トリプ
シンによる処理時(///印)およびEDTAの存在下(細い
バー印)での結合性を%で示したグラフである。
発明の詳細な説明 GMP−140の構造と生合成法を詳細に分析した。GMP−1
40の全アミノ酸配列を、精製された血小板GMP−140由来
のペプチドフラグメントのタンパク質配列決定の結果を
組み合わせ、ヒト内皮細胞のcDNAライブラリーからGMP
−140をコードするcDNAをクローニングすることによっ
て決定した。GMP−140は、その構造と機能の研究に基づ
いて、好中球に対するレセプターとして作用し、かつ補
体タンパク質C3bおよび抗凝血性補因子のプロテインS
と相互に作用する。
GMP−140のcDNAとアミノ酸配列 GMP−140に対する遺伝子のクローニングは、G.I.John
ston、R.G.CookおよびR.P.McEverが初めてAbstract 123
8 Supptment II Circulation 78(4)(1988年10月)
に報告している。オリゴヌクレオチドを、GMP−140のペ
プチドのN末端アミノ酸の配列決定結果に基づいて調製
して、ヒト内皮細胞のcDNAライブラリーをスクリーニン
グするのに使用した。727のアミノ酸からなるタンパク
質をコードする3.0kbのクローンを単離した。多くのシ
ステイン、リシンおよびチロシンを含有する118の残基
からなるN末端ドメインは、アシアロ糖タンパク質のレ
セプターに類似しているが、このN末端ドメインに、EG
F型の反復ドメイン構造と、各々62のアミノ酸からなる
8つの縦列反復構造(ただし6番目の縦列反復構造のみ
70のアミノ酸で構成されている)とが続いている。これ
らの反復構造は、C3bとC4bを調節するタンパク質を含む
タンパク質類のファミリーに見いだされる反復構造と相
同であるが、1反復構造当り6つの保存システインを含
有し、これは一般に4つの保存システインを含有してい
るのと異なる独特の構造である。これらに対して、24の
アミノ酸のトランスメンブラン領域と35のアミノ酸の細
胞質テールが続いている。同じ遺伝子の転写体、可溶性
形と膜または顆粒結合形を選択的にスプライスすること
によってもたらされる少なくとも2つの形のタンパク
質、が存在するようである。
内皮細胞GMP−140の予測アミノ酸配列(図1に示す)
には、6つの異なる構造ドメインが存在することを示唆
している。これらの領域の1つは、C末端の近くにある
24残基の疎水性セグメントであり、メンブランスパニン
グドメインの特徴を有する。そのタンパク質の大部分は
このドメインのN末端側に位置し、細胞質外に存在して
いるようである。すなわち分泌顆粒のルーメンに体面し
ているが、または細胞が活性化された後、細胞外環境に
暴露される。
N末端から始まる第1のドメインは41の残基(図1に
−41から−1の標識をつけて示す)を含有し、シグナル
ペプチドの特徴を有する。これらの残基中にはいくつか
の正の電荷を有するアミノ酸を含有し、次いで疎水性ド
メインが続き、次に極性残基が多い領域が続いている。
−3および−1の位置に見られる電荷をもっていない小
さな残基は、シグナルペチダーゼによって開裂される部
位に見られる一般的な残基である。その上に、血小板GM
P−140のN末端のアミノ酸配列は、残基1から27の27個
の位置のうち25個が内皮細胞の推定配列に一致してい
る。
シグナルペプチドに続いて、翻訳されるcDNA配列によ
って、789の残基で構成された成熟タンパク質が予測さ
れる。血小板GMP−140ペプチドの配列を内皮細胞の推定
配列とを比べると、341の帰属アミノ酸のうち337が一致
することが分かったが、このことは、療法の細胞型が同
じタンパク質を合成することを示唆している。
共通配列NxS/Tを有する、12の潜在的アスパラギン連
結グリコシル化部位がある。これらはすべて分子の細胞
質外の部分に位置しており、かつ血小板GMP−140の炭水
化物の組成に基づいてグリコシル化されているようであ
る。その成熟タンパク質は、全アミノ酸の8%を占める
65のシステインを含有している。これらの大部分はジス
ルフィド架橋で組織化されていると予測されるが、その
理由は、ヨードアセトアミドで処理した非還元GMP−140
の試料中にごく少量のカルボキシメチルシステインを同
定できるからである。
第2のドメインは残基1から始まり、その成熟タンパ
ク質の最初の118のアミノ酸が含まれる。この領域は、
リシン(12%)、チロシン(10%)、アスパラギン(13
%)およびトリプトファン(6%)の残基を豊富に含有
している。GMP−140のこの領域は、このモチーフを有す
るタンパク質の多くが炭水化物を結合するので「レクチ
ンドメイン」と称される。
第3のドメインは残基119から始まり、6つのシステ
インを含有する40のアミノ酸の配列を有する。GMP−140
のこの領域を、NBRFのデータベースの配列と比較する
と、同じシステインの配列を含有する多数のタンパク質
がある。このモチーフで報告された最初のタンパク質は
上皮増殖因子(EGF)前駆物質であり、10の相同コピー
を含有している(Grayら、Nature 303巻、236〜240頁、
1983年;Scottら、Nature 221巻、236〜240頁、1983
年)。
第4のドメインは残基159から始まり、各々62のアミ
ノ酸を含有する9つの縦列共通反復構造で構成され、そ
の上に、8つの残基と4つの残基の延長部分がそれぞれ
7番目と9番目の反復構造の末端にみとめられる。この
ドメインの境界部は、最初の反復構造の最初のシステイ
ンと推定トランスメンブランドメインの前の最後の残基
とともに任意に設定される。共通配列により、9つの反
復構造のうちの少なくとも5つで多数のアミノ酸が生成
することが分かる。すべての反復構造が6つの保存シス
テイン、3つのグリシン、および1つずつのトリプトフ
ァン、フェニルアラニン、プロリン、およびロイシンを
含有している。そのシステイン残基は、「EGF」ドメイ
ンに見られる6つのシステインとは異なるモチーフで配
列されている。その反復構造は、互いに、アミノ酸レベ
ルで31%から56%同一であり、ヌクレオチドレベルで42
%から62%同一である。反復構造間の配列を最大にする
のにギャップを必要としない。
第5のドメインは残基731から始まる24残基の推定ト
ランスメンブランドメインである。この第5ドメインに
続いて第6ドメインがあり、この第6ドメインは、高電
荷を有するいくつかの残基で始まりそのタンパク質のC
末端の残基789で終わる35残基の推定細胞質セグメント
である。セリン、トレオニンおよびチロシンの残基、な
らびに翻訳後に修飾されるかもしれないシステインに
は、ホスホリル化されうる部位がある。
2つの異なる枠内欠失部(in−frame−deletion)
が、詳細に試験された4つの内皮細胞クローンの配列中
に同定される。第1の欠失部は186bpである。この欠失
によって、第7の共通反復構造から62のアミノ酸が除か
れ、9つの反復構造の代わりに8つの反復構造を含有す
るタンパク質が予測される。第2の欠失部は120bpであ
り、第9の反復構造の末端の直後の40のアミノ酸を除去
されている。欠失した領域は、トランスメンブラン領域
と、細胞質領域の最初のいくつかの残基を含んでいる。
C末端における残りの28の残基は第9の反復構造の直後
に続くと予測される。親水性を示す図(KyteとDoolittl
e、J.Mol.Biol.157巻、105〜132頁、1982年)は、この
形態のGMP−140が可溶性であることを予報している。
GMP−140は、血小板および内皮細胞に存在するレセプ
ターであり、好中球と単球の表面リガンドに結合して炎
症過程を促進することが実証されている。
GMP−140は、リンパ球が活性化された内皮細胞および
血小板に付着するためのレセプターとして働くという結
論は、本来次のようないくつかの観察結果に基づいてな
された。すなわちトロンビンもしくはヒスタミンで刺激
された内皮の表面のGMP−140の迅速な出現が、これらの
アゴニストによって刺激された内皮への好中球の誘発性
付着と平行して起こること;GMP−140の細胞表面への再
分布を起こすトロンビンのようなアゴニストで血小板を
刺激した後だけ起こり、ADPのような血小板アゴニスト
では起こらない、好中球もしくは単球と血小板との相互
作用;リンパ球が内皮を通過して組織へ移行する前に内
皮に結合する主要な部位である後毛細血管静脈における
GMP−140の濃度;組織培養マイクロタイターウェルにコ
ートしたGMP−140に対する精製された好中球の特異的付
着;ヒスタミンによって刺激された培養ヒト臍静脈内皮
細胞への好中球の付着の60〜90%がGMP−140に対するポ
リクローナル抗体で阻止されること;GMP−140のcDNA由
来アミノ酸配列が、ELAM−1、好中球に結合することが
すでに知られている内皮細胞タンパク質、およびリンパ
球ホーミングレセプターのアミノ酸配列に相似している
ことである。続く研究によって、Ca2+の存在下、GMP−1
40はまた刺激された血小板への好中球の付着を媒介する
が、刺激されていない血小板については媒介しないこと
が実証された。血小板の好中球への結合は、GMP−140に
対するモノクローナル抗体および精製されたGMP−140に
よって阻害された。
他の研究によって、GMP−140が、補体系タンパク質で
あるC3b、および抗凝血性補因子タンパク質であるプロ
テインSに結合することが実証された。GMP−140は、血
漿タンパク質のC4b結合タンパク質(C4bp)と配列相同
性を共有しており、このC4bpは血漿タンパク質C4bと相
互に作用するのみならずプロテインSと相互に作用す
る。
GMP−140由来のペプチドが、診断用薬として有用であ
り、およびリンパク球がGMP−140を認識するのを阻止で
きるペプチドの治療上の有効量を患者に投与して患者の
止血応答と炎症応答を調節するのに有用であることが発
見されたのである。
また、他のタンパク質、特にELAM−1およびそのホー
ミングレセプターのレクチンドメインと相同性のGMP−1
40のレクチンドメイン内のペプチド配列は、好中球が精
製されたGMP−140に付着するのを選択的に阻害するの
で、患者およびこれらの分子による結合性の変化を特徴
とする疾患の診断上のアッセイ、ならびにこの結合を変
化させる化合物のスクリーニングアッセイに用いること
ができ、および凝血および/または炎症の過程を伴う、
リンパ球と、血小板もしくは内皮細胞との相互作用を抑
制もしくは調節するのに臨床上有用に違いないことが発
見されたのである。
GMP−140のcDNA由来の一次構造によって、血管系にお
けるGMP−140の機能についていくつかのことが分かる。
最も注目すべき観察結果は、GMP−140が、血管細胞にみ
られ最近クローニングされた2つの他のレセプターと構
造が著しく類似していることである。
これらの類似したレセプターの第1のものはELAM−1
である。ELAM−1は未刺激の内皮中には存在しない内皮
細胞タンパク質である。しかし、内皮が腫瘍壊死因子ま
たはインターロイキン−1のようなサイトカイン類に暴
露されると、ELAM−1の遺伝子が転写されてRNAを産生
し、次いでそのRNAはタンパク質に翻訳される。その結
果、ELAM−1はタンパク質に翻訳される。その結果、EL
AM−1は、Bevilacquaら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84
巻、9238〜9242頁、1987年に記載されているように、サ
イトカイン類に暴露されてから1−4時間後に内皮細胞
の表面に発現される(顆粒内に貯蔵されて活性化後数秒
以内に細胞表面に現れるGMP−140とは異なる)。ELAM−
1は、好中球が、サイトカインで処理された内皮に付着
するのを媒介することが判明し、従って、リンパ球をサ
イトカインで刺激された内皮を通過させて組織中へ移行
させるのに重要であるらしい。ELAM−1の一次構造は、
ELAM−1が「レクチン」ドメイン、EGFドメインおよび
補体調節タンパク質の反復構造に類似の6つの反復構造
(GMP−140の9つの反復構造の代わりに)、トランスメ
ンブランドメイン、および短い細胞質テールを含有する
ことを示している。GMP−140とELAM−1間には、両方の
タンパク質を通じて広範囲の相同配列が存在するが、そ
の相似性がレクチンドメインとEGFドメインにおいて特
に顕著である。
GMP−140に構造全体が類似している第2の分子は、リ
ンパ球に見出されるホーミングレセプターである。ホー
ミングレセプターは、高内皮性細胞もしくは高内皮性小
静脈と呼ばれる、リンパ組織中の特殊な内皮細胞にリン
パ球を結合させるリンパ球表面構造体である(Yednock
およびRose、Advances in Immunology 44巻、F.I.Dixon
編集、313〜378頁、Academic Press,New York、1989年
に概説されている)。この結合によって、リンパ球は内
皮を通過してリンパ組織に移行し、そこで処理された抗
原に暴露される。そのリンパ球は次にリンパ系を通じて
血液中に再び入る。そのホーミングレセプターは、レク
チンドメイン、EGFドメイン、2つの補体結合性反復構
造、トランスメンブランドメイン、および短い細胞質テ
ールを含有している。このホーミングレセプターも、特
にレクチンドメインおよびEGFドメインが、GMP−140と
広範囲の相同配列を共有している。
GMP−140、ELAM−1およびこのホーミングレセプター
(LEU−8)それぞれのレクチンドメイン間の比較を表
Iに示す、これらの配列相似性に基づいて、好中球がGM
P−140に結合するのを阻害するペプチドであって、ELAM
−1、そのホーミングレセプター、および他の相同セレ
クチン類が炎症過程の成分に結合するのを阻害するか、
または逆にGMP−140の結合だけを阻害するペプチドを選
択することが可能なはずである。
GMP−140に結合するフコシル化シアル化ラクトサミン
構造体を発見された。この構造体は、α(2,3)シアル
酸置換ラクトサミノグリカンを含有する受容体を改変す
ることができるα(1,3)フコシルトランスフェラーゼ
を発現することによって生成することができる。骨髄細
胞に存在するがリンパ球もしくは赤血球細胞には存在し
ない共通の三糖構造体であるLexすなわちGalβ1,4(Fuc
α1,3)GlcNAcβ1−R(式中、Rはタンパク質もしく
は他の炭水化物構造)は、上記のシアル化構造のコアを
形成している。実際の構造はシアリルLex、すなわちNeu
Acα2−3Galβ1−4(Fucα1,3)GlcNAc−Rであって
もよい。他の可能な構造には、ジフコシルシアリルL
ex、より長いポリフコシル化ポリアクトサミノグリカ
ン、または類縁の変異体が含まれる。これらの構造体の
いくつかは、種々の親和度でGMP−140に結合できる。
そのリガンドの炭水化物の部分は、GMP−140と相互に
作用する、骨髄もしくは他の細胞の1つ以上のタンパク
質に保持されていると考えられる。骨髄の糖タンパク質
は単離されていないが、そのいくつかの特徴についての
予備情報は得られている。
この構造は、プロテアーゼおよびノイラミニダーゼに
よる消化、およびトランスフェクトされたCOS細胞を用
いて推定した。
実施例5に記載したように、好中球をニューカッスル
病ウイルス由来のノイラミニダーゼ、これはビブリオ・
コレラ(Vibrio cholera)由来のノイロミニダーゼと同
様に、シアル酸のα2,3結合を切断するがα2,6結合を切
断しない、で処理することによって結合が少なくとも部
分的に減少するので、リガンド中の重要な結合の少なく
ともいくつかにα2,3結合が含まれている。上記両方の
型の酵素はともにα2,8結合を切断するが、骨髄細胞に
は存在しない。
実施例6に詳細に記載されているトランスフェクトさ
れた細胞系についての他のデータは、α2,3結合のシア
ル酸を有するシアル化フコシル化ラクトサミンは充分に
認識されることを示している。Lexに対する抗体は、125
I[GMP−140]が好中球に結合するのを阻害しないの
で、その炭水化物はLexだけではないと考えられる。GMP
−140と2種の多価ネオ複合糖質の結合を比較する試験
を、シアリルLexもしくはLexを、ウシ血清アルブミンに
約10:1のモル比にて、高濃度で(6.5μMの複合体、65
μMのオリゴ糖)結合させて行ったが、結合を阻害する
ことができなかった。このことは、LexもシアリルLex
体もリガンドではないか、またはこれらのオリゴ糖のGM
P−140に対する親和性が非常に低いので、このアッセイ
では測定できないことを示唆している。
GMP−140に対する糖タンパク質のリガンドの炭水化物
の部分は、ELAM−1に対する糖タンパク質リガンドの炭
水化物の部分と類似しているかまたは同じであるとはい
え、阻害物の試験がGMP−140とELAM−1の認識特異性に
差があることを示すことは確かである。これらのこと
は、各セレクチンによって認識されるオリゴ糖の構造の
わずかの差、または同じ構造体に結合する親和性の差が
原因である。
本願に記載されていないオリゴ糖構造体もGMP−140と
相互に作用することができる。例えば、α2,6シアル酸
結合を有するシアル化フコシル化ラクトサミノグリカン
は結合するかもしれないが、この構造は真核細胞につい
ては報告されていない。
シアル化フコシル化ラクトサミン、または多数のシア
ル化フコシル化ラクトサミンは多数のシアル化フコシル
化ラクトサミンが結合した炭水化物もしくはタンパク質
の分子を用いて、GMP−140のリガンドへの結合をインビ
ボで操作することが可能である。単一の分子に結合した
多数のシアル化フコシル化ラクトサミンを使用すれば、
天然のリガンド以上に、人工の分子に対してGMP−140の
親和性を増大させることができる。
以下の実施例によって上記の結論をもたらした物質、
方法および試験結果をさらに説明するが本発明を限定す
るものではない。
例1:GMP−140のレクチンドメイン由来のペプチドによ
る、好中球の固定化GMP−140への結合の競合阻害の証
明。
分子内部に引っ込んでいると予想される2つの疎水性
ストレッチを除いて、レクチンドメインの118個の残基
のほとんどすべてにまたがる一連のペプチドを合成する
ことにより、GMP−140レクチンドメインの役割をテスト
した。また、レクチンドメインにつづくEGF様ドメイン
(36個の残基)を含むペプチドをも合成した。また対照
として、分子の共通反復構造、トランスメンブラン領
域、およびC末端(細胞質テール)のうちのひとつか
ら、ペプチドを得た。レクチンドメイン由来の活性ペプ
チドを表Iに示す。表Iはまた、ELAM−1およびホーミ
ングレセプターであるLEU−8のレクチンドメインの関
連する配列の配置をも示す。t−Bocの化学的特性を利
用したApplied Biosystems Model 430A自動ペプチド合
成機か、または、Fmocの化学的特性を利用したDupont R
AMPS手動ペプチド合成機かのいずれかで、ペプチドを調
製した。合成が行われた樹脂からの開裂後、逆相高性能
液体クロマトグラフィーにより、すべてのペプチドを精
製した。
プラスチックウェル上に固定化された精製GMP−140へ
の好中球の付着を阻害する、ペプチドの能力を調べるた
めに、Gengら、Nature 343,757−760(1990)に記載の
アッセイを用いて、ペプチドをスクリーニングした。
Flow Laboratories製Mono−Poly分離媒体における密
度勾配遠心分離法により、ヒト好中球をヘパリン処理し
た全血から単離する。好中球懸濁液は、98%より高い純
度およびトリパンブルー排除法による95%より高い生存
度を有する。付着アッセイのために、好中球を、5mg/ml
ヒト血清アルブミン(HBSS/HSA)と共に1.26mM Ca2+
よび0.81mM Mg2+(HBSS,Gibco)を含むハンクス平衡塩
類溶液中に、2x106細胞/mlの濃度で懸濁する。付着アッ
セイを、Corning製96ウェルマイクロタイタープレート
において3回行い、様々なタンパク質溶液50マイクロリ
ットルを用いて4℃で一晩インキュベートする。
以下のように、抗体S12−セファロースTMでのイムノ
アフィニティークロマトグラフィーおよびMono−QTM
ラム(FLPC,Pharmacia Fine Chemicals)でのイオン交
換クロマトグラフィーにより、GMP−140をヒト血小板溶
解産物から単離する。
血液銀行から得て4℃で貯蔵した使用期限の過ぎたヒ
ト血小板パック(100ユニット)をプールし、pH7.5の5m
M EDTAに調整し、1リットルボトル中で30分間、4,000r
pmで遠心分離する。次いで、0.1M NaCl、20mMトリスpH
7.5(TBS)、5mM EDTA、5mMベンズアミジンを含む1リ
ットル溶液で3回洗浄する。
次に、ペレットを最小量の洗浄緩衝液中に再懸濁し、
DIFP中で1mMにし、次いで、−80℃で50mlスクリュート
ップ管中で冷凍させる。
冷凍ペレットを解凍し、50ml TBS、5mMベンズアミジ
ン、5mM EDTA pH7.5、100Mロイペプチンを含む溶液中に
再懸濁する。懸濁液を、600ml凍結解凍フラスコを用い
てドライアイス−アセトン浴中で2回冷凍および解凍
し、次いで、ガラス/テフロン乳鉢中で乳棒を用いてホ
モジナイズし、DIFP中で1mMにする。4M NaClの貯蔵溶液
を用いて、NaClの濃度を0.5Mに調整する。懸濁液を4℃
で攪拌した後、4℃で60分間、33,000rpmでポリカーボ
ネート管中で遠心分離する。上澄み(0.5M NaCl洗浄
液)を取り出し貯蔵する。この上澄みは、可溶形態のGM
P−140を含む。上澄みと共にペレットの上部を除去しな
いように注意する。次いで、抽出緩衝液(TBS、5mMベン
ズアミジン、5mM EDTA pH7.5、100Mロイペプチン、2%
トリトンX−100)中でペレットをホモジナイズする。
4℃で25分間、19,500rpmで遠心分離した後、上澄みを
取り出す。この抽出手順をペレットを用いて反復し、上
澄みを最初の上澄みと合せる。メンブラン形態のGMP−1
40を含む混合抽出物を、0.5M NaClに調整する。
可溶画分(0.5M NaCl洗浄液)およびメンブラン抽出
画分(これもまた0.5M NaClに調整している)を、前も
って4℃で2時間、5mg/mlのAffigel(アフィゲル)(B
iorad)のカップリングしておいたモノクローナル抗体S
12(ヒトGMP−140に対する)の別々のプールを用いて吸
収させる。樹脂を沈降させた後、上澄み除く。次いで、
結合GMP−140を含むS12アフィゲルをカラムに充填し、
0.5M NaCl、20mMトリスpH7.5、0.01%Lubrol(ルブロー
ル)PXを含む400ml溶液を用いて4℃で一晩洗浄する。
80%エチレングリコール、1mM MES pH6.0、0.01%ル
ブロールPXを含む100ml溶液を用いて、S12アフィゲルか
ら結合したGMP−140を溶出する。280nmにおいて吸光度
がピークである画分をプールする。溶出液を、0.05%ル
ブロール(Lubrol)を含むTBSに対して透析し、次い
で、Mono Qカラム(PharmaciaのFPLC)にかける。濃縮
タンパク質を、2M NaCl、20mMトリスpH7.5(およびメン
ブラン画分用の0.05%ルブロールPX)を含む溶液を用い
て段階的に溶出する。ピーク画分をTBS pH7.5(および
メンブラン画分用の0.05%ルブロールPX)を含む溶液に
透析する。
GMP−140を、5マイクログラム/mlにプレートし、対
照タンパク質、すなわち、ヒト血清アルブミン(Al
b)、血小板糖タンパク質II b/III a(II b)、フォン
ビルブラント因子(vWF)、フィブリノーゲン(FIB)、
トロンボモジュリン(TM)、ゼラチン(GEL)またはヒ
ト血清(HS)を50マイクログラム/mlで添加する。すべ
てのウェルを、10mg/ml HSAを含む300マイクロリットル
HBSSを用いて、22℃で2時間ブロックし、次いで、0.1
%Tween−20を含むHBSSで3回洗浄し、HBSSで1回洗浄
する。細胞(ウェル毎に2x105個)をウェルに添加し、2
2℃で20分間インキュベートした。次いで、ウェルをHBS
S/HSAで満たし、アセテートテープ(Dynatech)で密封
し、5分間150gで遠心分離してひっくり返した。非付着
細胞および上澄みを廃棄した後、各ウェルの含有物を、
Sigma製0.5%臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム
の50mMリン酸カリウム溶液pH6.0、200マイクロリットル
を用いて可溶化し、Leyら、Blood 73,1324−1330(198
9)に記載のように、ミエロペルオキシダーゼ活性につ
いてアッセイする。結合した細胞の数を、ミエロペルオ
キシダーゼ活性対細胞の数の標準曲線から導き出した。
すべてのアッセイ条件下において、細胞は、全ミエロペ
ルオキシダーゼおよび乳酸デヒドロゲナーゼの5%未満
を放出した。結果を表Iに示す。負の対照としてのC末
端ペプチド(GMP−140のアミノ酸残基761−777)の存在
下で、100%の付着が見られ、この値は、細胞にペプチ
ドも抗体も添加されない対照の場合と同じである。5%
という値は特異的付着の95%が阻害されたことを意味す
るので、阻害を、より低い付着率と解釈する。
GMP−140のEGFドメイン由来のペプチドは、どれも付
着を阻害しなかった。しかし、レクチンドメインの3つ
の非隣接領域由来のペプチドは、付着を阻害した。その
レクチンドメイン由来の3つの領域とは、アミノ酸19か
ら34、アミノ酸54から72、アミノ酸73から89、およびア
ミノ酸66−78の重複ペプチドである。アミノ酸は、ペプ
チドに含まれる残基の数に基づいて番号付けられ、残基
1は、シグナルペプチドの開裂後の成熟タンパク質のN
末端と定義づけられる。
現在、活性を有することが知られている、これらの配
列に由来する最も短いペプチド配列は、それが由来する
レクチンドメインの面積にある程度依存して変化する、
8個から13個のアミノ酸の範囲にある。より短いペプチ
ドのいくつかは、より長いペプチド配列よりも高い活性
を有する。この時点で特徴づけられる最も短い活性ペプ
チドは、レクチンドメインアミノ酸23から30であり、レ
クチンドメインアミノ酸19から34由来のものである。こ
のペプチドは、ELAM−1中の単一のアミノ酸の違いを除
いて、GMP−140、ELAM−1、およびホーミングレセプタ
ーの間で同一であり、従って、3個のセレクチンすべて
によって媒介された細胞−細胞接触を阻害する。現時点
で周知の、レクチンドメインアミノ酸54から72由来の最
も短い活性ペプチドは、アミノ酸54から63である。現時
点で周知の、レクチンドメインアミノ酸78−89由来の最
も短い活性ペプチドは、アミノ酸73から83である。さら
に、アミノ酸66から78にまたがる重複ペプチドは、非常
に活性が高い。アミノ酸66から83にまたがる領域から、
2つの、活性があってより短い、非重複ペプチドを設計
することが可能であり得る。
表Iに示すように、これらの領域のいくつかは、他の
領域よりも、セレクチンの間でより高度に保存されてい
る。その結果、全セレクチンを含む、相互作用を調節す
るための高度に保存された領域由来のペプチドを用いる
こと、およびGMP−140のみを含む、相互作用を調節する
ためのセレクチンの間でより低い程度で保存されている
領域からのペプチドを用いることが可能である。例え
ば、レクチン領域19−34(残基23−30)の中心コアは、
3つの分子の間で非常に高度に保存されている。対照的
に、レクチン領域54から72由来のアミノ酸配列54から60
は、セレクチンの間で多くの違いを有する。
a.固定化GMP−140に結合した細胞の数を、Gengら、Natu
re 343:757−760(1990)に記載のように決定した。対
照C末端ペプチド(残基761−777)の存在下において結
合した細胞の数を100%に標準化した。この値は、ペプ
チドを含まないときに観察されたものと同一であった。
ペプチドによる付着の阻害は、100%よりも大幅に低い
付着値により示される。例えば、5%という値は、対照
において見られる付着が95%阻害されたということを示
す。すべてのペプチドを加えて、1.5mMという最終濃度
にした。
例2:GMP−140のレクチンドメイン由来のペプチドによ
る、固定化GMP−140へのモノクローナル抗体の結合の競
合阻害の証明。
実施例1は、GMP−140のレクチンドメインの3つの領
域由来のペプチドが、表面に固定化されたGMP−140に対
する好中球の結合を阻害するということを示す。そのペ
プチドがまた、固定化GMP−140に対するモノクローナル
抗体の結合をも阻害するかどうかを決定するための研究
も行った。
GMP−140に対する好中球の付着をブロックする3つの
モノクローナル抗体(mAb)を発生させ、G1、G2、およ
びG3と命名した。精製タンパク質を用いた競合ELISAに
基づいて、G1、G2、およびG3は各々、異なる、または部
分的に重複したエピトープを認識する。1.5mMペプチド
を、2.5マイクログラム/mlの濃度でビオチニルmAbに添
加し、次いで、得られた物質を、実施例1に記載のよう
に、GMP−140を含むウェルに添加した。結合を、アビジ
ン検出システムを用いたELISAにより測定した。
モノクローナル抗体を、以下のようにビオチニル化し
た。0.5mlの精製IgG抗体(PBS中に1mg/ml、pH7.4)に、
3.2mM N−ヒドロキシスクシンイミドビオチンのジメチ
ルスルホキシド溶液50μlおよび1M NaHCO350μlを添
加した。室温で2時間、暗所でインキュベートした後、
50μlの1M NH4Clにより反応を停止した。次いで、PBS
中で平衡させたPD−10カラム上でゲル濾過して、ビオチ
ニル化抗体を他の成分から分離した。ELISAを以下のよ
うに行った。全工程を室温で行った。
1.5mMペプチドを有するまたは有さない、ビオチニル
化抗体(2.5μg/ml)を、実施例1に記載のように、GMP
−140によりコートしたウェルでインキュベートした。
2時間インキュベートした後、抗体を除去し、ウェルを
洗浄し、そして、HBSS/HSA中で1:1,000に希釈した、ホ
ースラディッシュペルオキシダーゼと結合したステップ
アビジン(stepavidin)(Pierce)0.1mlを30分間添加
した。次いで、ウェルを洗浄し、ペルオキシダーゼ基質
(Pierce)0.1mlを15分間添加した。呈色反応を405nmに
おいて読み取った。
結果を表IIに示す。
a.固定化GMP−140を含むマイクロタイターウェルに溶液
を添加する前に、ペプチド(1.5mM)をmAb(2.5マイク
ログラム/ml)に添加した。
b.固定化GMP−140へのビオチニル化mAb G1、G2、または
G3の結合を、アジビン検出システムを用いたELISAによ
り測定した。
c.G1、G2、およびG3は、固定化GMP−140への好中球の付
着を防止する、GMP−140に結合する抗体である。
例3:好中球の固定化GMP−140への結合の、ペプチドによ
る阻害に対する、濃度の影響。
GMP−140のレクチン様ドメイン由来のペプチドを、実
施例1に記載のアッセイにおいて、固定化GMP−140への
好中球の付着を阻害する、前記ペプチドの能力をアッセ
イした。テストした濃度は、0.1mMから1.5mMの範囲であ
った。
4つのペプチドに関する結果を図2に示す。GMP−140
レクチンドメイン、すなわち、アミノ酸66−78、アミノ
酸73−83、アミノ酸54−63、およびアミノ酸23−30由来
のペプチドが、投与量に依存して結合を阻害したという
ことは明白である。付着を50%阻害するために必要なペ
プチドの投与量であるIC50は、ペプチドによって、約50
μMから約300μMの範囲内で変化する。これらの範囲
は、例えば、Ruoslaghtiらの米国特許第4,792,525号に
記載のように、細胞付着および食作用を変更するために
インビボで用いられるRGD含有ペプチドとの比較に基づ
くと、ペプチドをインビボで投与する際の効果的な濃度
に十分属する。
例4:ペプチドの改変およびGMP−140への付着力の比較 いくつかの場合においては、インビボで分子の半減期
を増大させるために、アミノ酸自身の変更、またはキャ
リヤー分子への付着により、ペプチドを改変することが
必要である。
Pierce Chemicalsから市販されているImjectキットの
ような標準的な手順を用いて、レクチンペプチド19−34
を、そのN末端システインにより、キャリヤータンパク
質キーホールリンペットヘモシアニンに結合した。次い
で、このペプチド−KLH複合体を実施例1に記載のアッ
セイでテストし、結合した細胞の数を決定した。
図3Aおよび図3Bは、(1)ペプチドをコートしていな
い、(2)KHLに結合したレクチンドメインペプチド19
−34をコートした、または(3)KLHに結合した対照カ
ルボキシ末端ペプチド(アミノ酸残基761−777)をコー
トした、マイクロタイターウェルに対して行われ、液相
競合体の存在下において、各ウェルに2x105個の好中球
を添加する前に、ヒト血清アルブミンを含むハンクス平
衡塩類溶液によりブロックした、好中球の特異的付着を
比較したものである。ウェルに入れる前に好中球に添加
した液相競合体は、皆無(対照)、精製血小板糖タンパ
ク質II b−III a(対照)、または、精製GMP−140(パ
ネルA);あるいは、皆無(対照)、1.5mM C末端ペプ
チド761−777(対照)、1.5mMレクチンドメインペプチ
ド19−34(パネルB)であった。
グラフより、レクチンペプチド−KHL結合体は、プラ
スチック上に固定化された場合は、天然のGMP−140ほど
効果的ではないが、好中球の付着を直接支持するという
ことが明白である。比較のために、ウェルに200,000個
の好中球を添加した時、レクチンペプチド19−34は40,0
00個を結合し、GMP−140は120,000個を結合した。単に
プラスチックへのペプチドのコートを促進するために、
ペプチドをKLHにカップリングする。液相精製GMP−140
およびレクチンペプチド19−34を用いるが、他のタンパ
ク質またはペプチドを用いない、付着に関する競合能力
は、付着が特異的であるということを示す。他の研究に
おいては、レクチンドメインの他の領域、EGFドメイ
ン、およびGMP−140の散在した他の領域の多くのペプチ
ドは、固定化GMP−140に対する好中球の付着を阻害しな
い。
実施例1:酸素消化によるGMP−140に対する「リガンド」
または「カウンターレセプター」の特性付け レクチン19−34ペプチドは、GMP−140の白血球との相
互作用をブロックする3つのモノクローナル抗体すべて
がGMP−140と結合するのを妨げる。これにより、白血球
の認識におけるレクチンドメインの重要性がさらに証明
される。このデータから、レクチンドメインのコンフォ
メーションがEGFドメインと相互作用することにより調
節され、これらの相互作用は次に、レクチンドメインお
よびEGFドメインの両方に結合し得る二価カチオンによ
り調節されることが仮定される。この結果、好中球およ
び単球上のレセプターに結合する親和性および特異性を
付与する3次元コンフォメーションのレクチンドメイン
が得られる。
好中球を単離し、Ca2+/Mg2+がないHBSSに1mg/mlのHSA
および1mMのCa2+を補充した(HBSS/HSA/Ca)中に4x106/
mlとなるように懸濁し、使用するまで4℃で保存した。
好中球をトリプシンまたはエラスターゼのいずれかの
プロテアーゼで処理して、このレセプターがプロテアー
ゼ感受性タンパク質成分を含有しているかどうかを決定
した。HBSS/10mM MOPS、pH7.5(HBSS/MOPS)中に懸濁し
た好中球を、2mMのジイソプロピルフルオロホスフェー
ト(DFP)で22℃で10分間、2回処理して、内因性血清
プロテアーゼを不活性化した。次に細胞をHBSS/MOPSで
洗浄し、8分の1容量の8%パラホルムアルデヒドで22
℃で30分間、固定して、次に、8分の1容量の0.5Mグリ
シン/0.25Mトリス、pH7.5を加えた。固定したHBSS/MOPS
中の好中球(7.5x106/ml)をTPCK−トリプシン(0.77μ
M、41U/ml)と一緒に10分間、またはエラスターゼ(40
μM、7.8U/ml)と一緒に30分間、37℃でインキュベー
トした。コントロール細胞をDFPまたは緩衝液のみで予
め不活性化した同一濃度の酵素と一緒に同一の条件下で
インキュベートした。インキュベーション期間の後、DF
Pを加えて2mMとし、細胞を400gで5分間ペレット化し
た。細胞をHBSS/MOPSで再懸濁し、さらにDFPを加えて2m
Mとした。400gで5分間遠心分離した後、細胞ペレット
をHBSS/ヒト血清アルブミン(HSA)/Ca中に4x106/mlと
なるように再懸濁し、[125I]GMP−140の特異的結合を
決定した。0.15M NaCl、50mMアセテート、pH6.0、10mg/
ml HSA、9mM CaCl2、0.05%アジ化ナトリウム(消化緩
衝液)中にDFP処理して固定した好中球(1.6x107/ml)
を、ノイラミニダーゼ、エンド−β−ガラクトシダー
ゼ、または緩衝液と一緒に、20μMロイペプチン、30μ
Mアンチパイン、0.64mMベンザミジン、および100KIU/m
lアプロチニンの存在下で、37℃で時間を変えてインキ
ュベートした。いくつかのインキュベーションでは、消
化緩衝液に溶解した0.5から20mMのノイラミニダーゼイ
ンヒビターNeu2en5Acを加えてインキュベーションし
た。このような濃度では、インヒビターによる反応混合
物のpHへの影響はなかった。酵素による処理の後、細胞
を冷たいHBSS/HSA/Caで2回洗浄し、HBSS/HSA/Ca中に4x
106/mlとなるように再懸濁し、その後、[125I]GMP−1
40の結合を測定した。使用したNDVノイラミニダーゼは
ウィルス粒子の懸濁液であった。これら粒子の各々は約
103個のノイラミニダーゼ分子を含有し、一方、V.chole
rae酵素は溶液中に存在する。
125I]GMP−140の好中球への結合はプロテアーゼに
よって4から5%に減少したが、ジイソプロピルフルオ
ロホスフェートで不活性化されたエラスターゼまたはト
リプシンによっては減少しなかった。これにより、GMP
−140に対する白血球カウンターレセプターの少くとも
実質的なフラクションは、プロテアーゼ感受性タンパク
質成分を含有、またはこれに結合することが示される。
Vibrio cholera(Boehringer−Mannheim Biochemical
s,Indianapolis,IN)またはニューカッスル病ウィルス
(NDV)(Paulson,J.C.,ら、J.Biol.Chem.254:2120−21
24(1979)に記載のように単離)のいずれかから得られ
るノイラミニダーゼ、およびBacteroides fragilis(Bo
ehringer−Mannheim)から得られるエンド−β−ガラク
トシダーゼにより、好中球を処理した。V.choleraから
得られるノイラミニダーゼはα2−3−、α2−6−、
α2−8−結合したシアル酸を開裂させる。NDVノイラ
ミニダーゼは、α2−3−およびα2−8−結合したシ
アル酸のみを開裂させる。
好中球をVibrio choleraから精製したノイラミニダー
ゼで処理すると、125[GMP−140]のヒト好中球への結
合、および好中球の固定化GMP−140への付着の両方が著
しく減少した。これにより、シアル酸残基がGMP−140に
対する白血球のカウンターレセプターの実質的な成分を
構成することがわかる。0.1から0.2U/mlのV.choleraま
たはNDVノイラミニダーゼと一緒に10から30分間インキ
ュベートすると、GMP−140の特異的な結合は、偽処理さ
れたコントロールと比較すると各々28±9および52±9
%(平均値±標準偏差、n=7)に減少した。この効果
はノイラミニダーゼ調整物中の内因性好中球プロテアー
ゼまたはプロテアーゼの混入のいずれかによるものであ
るという可能性を最小限にするために、好中球を固定化
する前にDFPで処理し、内因性血清プロテアーゼを不活
性化した。そして、10mg/ml HSAおよびいくつかのプロ
テアーゼインヒビターの存在下でノイラミニダーゼをイ
ンキュベーションした。ノイラミニダーゼ効果の特異性
はさらに、ノイラミニダーゼの競合インヒビターNeu2en
5Acが、GMP−140の好中球への結合がノイラミニダーゼ
により減少するのを阻止し得ることにより示された。Ne
u2en5Acは、用量依存的にノイラミニダーゼの効果を阻
害し、IC50は2.5mMであった。
これらの結果により、GMP−140に対する白血球上のカ
ンウターレセプター、またはリンガンドは糖タンパク質
であり、ここでは、レセプター機能のためにはシアル酸
が必要であることが示される。好中球はα2−3−およ
びα2−6−結合したシアル酸を共に含有するが、α2
−8−結合は検出されていない。NDVノイラミニダーゼ
で処理した後、GMP−140の結合が一部失われることか
ら、レセプター中のシアル酸結合の少なくともいくつか
はα2−3−型であることが示唆される。V.cholera酵
素を使用してさらに大きな阻害が観察されたことは、α
2−6−結合がまたレセプター機能のためにも必要であ
ることを意味し得、または、これらの結果は、無傷ウィ
ルスの成分であるNDV酵素によって本質的な結合のすべ
てに接近し得ないためであり得る。
赤血球細胞およびリンパ球細胞とは対照的に、骨髄細
胞は、α2−3−またはα2−6−結合シアル酸を末端
とし得るポリラクトサミノグリカンが豊富である。これ
らラクトサミノグリカンの多くはフコシル化されてい
る。これらの構造は好中球の糖タンパク質および糖脂質
の両方に存在する。GMP−140の認識におけるこれらグリ
カンの可能な役割を調べるために、細胞を、糖タンパク
質の分枝していないポリラクトサミニル側鎖のガラクト
ースとN−アセチルグリコサミン(Galβ1−4GlcNAc)
との間のβ1−4結合を加水分解するエンド−β−ガラ
クトシダーゼで処理した。固定した好中球を0.2U/mlま
でのE.freundiiエンド−β−ガラクトシダーゼで30分
間、または0.4U/mlまでのB.fragilisエンド−β−ガラ
クトシダーゼで60分間、前処理してもGMP−140の特異的
結合に対する影響はなかった。これらの酵素が結合に影
響を与えないことは、GMP−140を認識する構造がポリラ
クトーサミン側鎖上には存在しないことと一致する。別
の可能性としては、および恐らくより高い可能性とし
て、関連する側鎖はこれらの条件下では酵素による加水
分解に対して非感受性であり得る。分枝したポリラクト
サミノグリカンは好中球には存在しないが、高度にフコ
シル化したおよび/または分枝したポリラクトサミノグ
リカンはこの酵素による加水分解に耐性である。さら
に、N−またはO−結合構造のコアに直接結合する単一
のラクトサミノグリカンは酵素に耐性であり得る。
実施例2:シアル化したフコシル化構造がGMP−140に結合
するための必要条件 以下の研究は、ジョージア大学のRichard Cummingsに
よりチャイニーズハムスターの卵単細胞、すなわちCHO
細胞を使用して行われた。使用した細胞系には、Ade−
C細胞および特異的グリコシルトランスフェラーゼで永
久にトランスフェクトされたAde−C細胞が含まれる。A
de−C細胞は、これらが非常に低レベルの内因性α(1,
3)フコシルトランスフェラーゼを含有するために選択
された。これらの細胞は以下に述べる研究では野生型細
胞と呼ばれる。トランスフェクトされた細胞は、野生型
細胞上には存在しない特定の型のオリゴ糖を発現する。
Lec8 CHOと呼ばれる、使用する別のCHO細胞系にはUDPGa
lに対するトランスポーターを欠く。この結果、細胞に
はガラクトシル化およびシアル化した複合糖質がない
(DeutscherおよびHirschberg,J.Biol.Chem.261:96−10
0,1986)。これらのいくつかの細胞に存在するオリゴ糖
構造およびその細胞の型を表IIIに示す。関連する細胞
としては、野性型細胞(CHO)、ネオルイス(Neo Le
w)、ネオルイス関連細胞(Neo Lew(rel))、およびL
ec8 CHO細胞(Lec8)がある。
以下の方法を用いて細胞を培養およびトランスフェク
トした。
CHO系のAde−C(OatesおよびPatterson、Som.Cell G
enet.3:561−577(1977));Van Keurenら、Am.J.Hum.G
enet.38:793−804(1986)を、10%のウシ胎児血清を補
充したα−改変イーグル培地で増殖させた。トランスフ
ェクトされたCHO細胞を、400μg/mlのG418(GIBCO)
(活性薬剤)を補充した培地で増殖させた。
前述のように、Ade−C CHO細胞をα(1,3/1,4)フコ
シルトランスフェラーゼをコードするDNAで安定にトラ
ンスフェクトすることにより、New Lew CHO細胞を調製
した(Loweら、Cell 63:475−484,1990、この文献では
この細胞をCHO−FTと呼んだ)。野性型CHO細胞を、GDP
フコースが非シアル化ラクトーサミノグリカンのみに転
移するのを触媒するα(1,3)フコシルトランスフェラ
ーゼをコードするDNAで同様の方法により安定にトラン
スフェクトすることにより、Neo Lew(rel)(rel)関
連細胞を調製した。このトランスフェラーゼは、Lowe
ら、Cell 63:475−484,1990に記載されている。これら
トランスフェクトされた細胞系は共にミシガン大学のD
r.John Loweから贈与されたものである。
GMP−140を含有するセレクチンが結合する炭水化物に関
する結果および結論 野性型CHO細胞およびトランスフェクトされたCHO細胞
により生成される構造を表IIIに示す。野性型CHO細胞は
Galβ1,4GlcNAcβ1,3二糖類の単位を繰り返し発現し、
これらのうちのいくつかはα2,3結合する末端シアル酸
(NeuAc)を有する。これらはα2,6結合するシアル酸結
合を有せず、またフコース結合を有しない。さらに、こ
れらはII型構造(3Galβ1,4GlcNAcβ1)を合成する
が、I型構造(3Galβ1,3GalcNAcβ1)は合成しない。
NeoLewis細胞はα1,3(4)フコシルトランスフェラー
ゼをコードするcDNAでトランスフェクトされ、これはド
ナーとしてGDPフコースを使用し、そしてフコースがGal
β1,4GlcNAc−Rに付加するのを触媒してGalβ1,4(Fuc
α1,3)GlcNAc−Rを生成させる。これはLeX構造である
(時には、SSEA−1抗原としても知られている)。同じ
酵素は、フコースをシアル化基質NeuAcα2,3Galβ,3 1,
4GlcNAc−Rに移転して、NeuAcα2,3Galβ1,4(Fucα1,
3)GlcNAc−Rを生成する。これはシアリルLeX構造であ
る。他の2つの関連する構造、VIM−2およびジフコシ
ルLeXもまた、表に示すように、NeoLewis細胞および他
の多種類のシアル化したポリフコシル化ポリ−N−アセ
チルラクトサミン型構造により生成される。NeoLewis関
連細胞を、異なるフコシルトランスフェラーゼである、
α1,3フコシルトランスフェラーゼでトランスフェクト
した。これは、GDPフコースがGalβ1,4GlcNAc−Rの非
シアル化基質のみに転移するのを触媒する。これは、Le
X構造を生成する(表III参照)。
これらの細胞のGMP−140と相互作用する能力を試験す
るために、好中球およびHL60細胞に対して使用される付
着アッセイ(J.−G.Gengら、Nature 343:757−760,199
0)を僅かに改変した方法を、精製されたGMP−140およ
びGMP−140に対するモノクローナル抗体と共に使用し
た。GMP−140を濃度を高めながらプラスチックのウェル
に固定し、次にウェルをアルブミンを含有する緩衝液で
ブロックした。[35S]メチオニンで代謝的に標識され
たCHO細胞またはHL−60細胞を、Ca2+の存在下または非
存在下でウェルに加えて、結合した細胞を可溶化し、そ
して放射能を定量することにより付着力を測定した。
結合アッセイの結果を図4A(CHOのGMP−140への結
合);4B(Lec 8 CHOのGMP−140への結合);4C(NeoLewi
s CHOのGMP−140への結合);および4D(HL60細胞のGMP
−140への結合)に示す。
Gengら、Nature 343:757−760(1990)に記載のよう
に、HL−60細胞は、Ca2+に依存的にGMP−140でコートし
たウェルに特異的に結合した。野性型CHO細胞、Lec 8 C
HO細胞、およびNeoLewis関連CHO細胞は結合しなかっ
た。しかし、HL−60細胞のように、NeoLewis CHO細胞
は、Ca2+に依存的に固定したGMP−140に強く結合した。
付着は特異的であった。これは、図5に示すように、GM
P−140に対するブロッキングモノクローナル抗体である
Glにより阻害されるが、非ブロッキング抗体であるS12
によっては阻害されなかったためである。付着性は決定
的にシアル酸に依存した。これは、NeoLewis CHO細胞を
Vibrio choleraから得られるノイラミニラーゼで処理す
ることにより、結合が破壊されたためである。NeoLwewi
s CHO細胞をトリプシンで予め処理することにより結合
が60%減少した。これにより、細胞上のGMP−140に対す
るオリゴ糖リガンドの少くとも実質的なフラクションが
タンパク質により運ばれることが示唆される。
これらのデータにより、GMP−140に対するオリゴ糖リ
ガンドはシアル化したフコシル化構造であることが確認
される。シアル酸結合は、CHO細胞がα2,6結合を有しな
いため、Galにα2,3結合し得る。フコース結合はGlcNAc
にα1,3結合し、GlcNAcにはβ1,4結合によりGalが結合
している。可能な構造としては、シアリルLeX自体、ジ
フコシルシアリルLeX、シアリルLeXのより長いポリフコ
シル化ポリラクトーサミノグリカン変異株、または上記
成分の要素を含有する分枝構造がある。LeX自体は結合
に対する必要な親和性または特異性を提供しない。末端
シアル酸に最も近いGlcNAcに結合するFucがないシアル
化構造を有するVIM−2は、この構造はGMP−140に結合
しないNeoLewis関連細胞上に存在するため、GMP−140に
対して親和性を有し得る。しかし、NeoLewis関連細胞上
に存在するVIM−2の数量は知られていない。数量が少
い場合は、VIM−2がGMP−140に対していくらか親和性
がある場合でも、細胞は十分には結合しない。
別の研究により、高濃度のLeXは付着を阻害すること
が示されているが、LeX三糖類を含むLNF IIIは、300μ
Mまでの濃度では、精製され固定化されたGMP−140への
好中球の結合には全く影響を及ぼさない。
実施例3:GMP−140およびELAM−1によるリガンドの結合
における相違の証明 ELAM−1およびGMP−140に対するリガンドが同一また
は非常に類似していることを示すデータにもかかわら
ず、そうではないことを示す2つの証拠がある。
まず第1に、GMP−140またはELAM−1をコードするcD
NAでトランスフェクトされたCOS細胞への好中球の付着
は、両タイプのトランスフェクトされた細胞に対して特
異的な付着を示す。Gengら、Nature(1990)に記載され
ているように、GMP−140でトランスフェクトされた細胞
への付着を、GMP−140に対するモノクローナル抗体G1に
よりブロックし、ELAM−1でトランスフェクトされた細
胞への付着を、ELAM−1に対するモノクローナル抗体Η
18/7によりブロックした。しかし、液相GMP−140は、GM
P−140でトランスフェクトされた細胞への付着をブロッ
クしたが、ELAM−1でトランスフェクトされた細胞への
付着には影響を与えなかった。(図6) 第2に、豊富な量のシアリルLeXを含むヒトがん腫細
胞系ΗT−29は、ELAM−1でトランスフェクトされた細
胞に結合するが、GMP−140でトランスフェクトされた細
胞には結合しない。(図7) 図6および図7のデータは、GMP−140およびELAM−1
が、若干異なる構造のリガンドを認識し、そして/また
は同じリガンドを認識する親和性の点で異なることを示
している。GMP−140およびELAM−1はそれぞれ、親和性
の程度が異なる関連したオリゴ糖構造の範囲に結合し得
る。
ELAM−1およびGMP−140による結合を比較研究するた
めに使用される方法および物質は、以下のものであっ
た: 細胞の単離および培養物 Mooreら、J.Cell Biol.112,491−499(1991)に記載
されているように、モノポリ分離媒体を用いて、正常な
ボランティアからヒト好中球を単離した。ヒトHL−60前
骨髄細胞およびHT−29ヒト結腸がん腫細胞を、アメリカ
ンタイプカルチャーコレクション(Rockville,MD)から
得た。HL−60細胞を、RPMI−1640/10%ウシ胎児血清中
に保存した。HT−29細胞を、10%ウシ胎児血清(fcs)
を補充したMcCoyの5a培地の培養物中に保存した。COS−
7細胞を、10%ウシ血清を補充したダルベッコ変性イー
グル培地(HG−DMEM)中に保存した。
COS7細胞トランスフェクションおよび好中球ロゼッティ
ングアッセイ GMP−140またはELAM−1をコードする全長cDNAを、Ge
ngら、Nature(1990)により記載されているように、CD
M8に挿入した。COS7細胞を、10%ウシ血清を補充した高
グルコースDMEM(Gibco)(HG−DMEM/10%CS)を含む10
cmペトリ皿において、約80%コンフルエンスになるまで
増殖させた。50μlのトランスフェクチンTM試薬(BRL
Life Technologies,Inc.)を、50μlの水中20μgのcD
NAまたは水のみと混合し、室温で15分間放置した。COS
細胞を3mlの0ptiMEMTMI還元血清血清培地(BRL Life Te
chnogies,Inc.)で2回洗浄した後、cDNA−リポフェク
チン試薬混合物を加え、5%のCO2雰囲気中37℃で一昼
夜インキュベートした。6mlのHG−DMEM/10%CSを加え、
細胞をさらに24時間インキュベートした。次いで、Ca+2
およびMg+2を含まないHBSSで単層を1回洗浄し、0.02%
のEDTAを用いて細胞を分離し、遠心分離によりペレット
化し、次いで12mlのHG−DMEM/10%CS中で再懸濁した。2
mlの細胞懸濁液を、3mlのHG−DMEM/10%CSを含む6−ウ
ェルの組織培養物(Corning)を含む各ウェルにプレー
トし、さらに24時間増殖した。付着アッセイの前に、ウ
ェルをHBSSで2回洗浄した。ウェルを、30μg/mlのG1 F
(ab′)、Η18/7 F(ab′)または緩衝液のみを含
む0.5mlのHBSSと一緒に22℃で30分間インキュベート
し、これを2回繰り返した。次いで、30μg/mlのGMP−1
40または希釈液の存在下で30分間インキュベートして新
たに単離したヒト好中球(HBSS中2x106/ml)1mlを単層
に加え、22℃で20分間インキュベートした。
新たに単離したヒト好中球または35S−メチオニンで
標識したHT−29細胞(HBSS中2x106/1%HSA)を1ml加
え、22℃で20分間インキュベートした。いくつかの実験
において、付着アッセイの前に、好中球を、精製された
GMP−140(最終濃度10μg/ml)と一緒に22℃で30分間、
インキュベートした。
細胞付着をアッセイするために、5mlのHBSS/1%HSAで
5回洗浄した後、付着した好中球を、50mMのリン酸カリ
ウム中0.5%のヘキサデシルトリメチル臭化アンモニウ
ム(pH6.0)200μlで可溶性にした。Gengら、Nature 3
43,757−760(1990)により記載されているように、付
着した好中球をミエロペルオキシダーゼで2回繰り返し
アッセイした。ΗT−29細胞付着をアッセイするため
に、付着細胞を1%のトリトンX100で可溶性にし、液体
シンチレーションカウンティングにより定量した。界面
活性剤を加える前に、単層を位相差顕微鏡検査により検
査し、単層が十分に洗浄され、COS細胞単層が無傷であ
ることを確認した。
結果 GMP−140は、GMP−140をコードするcDNAでトランスフ
ェクトされたCOS7細胞への好中球の付着を阻害するが、
ELAM−1をコードするcDNAでトランスフェクトされた細
胞への付着は阻害しない。COS7細胞を、GMP−140または
ELAM−1をコードするcDNAで偽トランスフェクトまたは
トランスフェクトした。精製されたGMP−140、G1 F(a
b′)またはΗ18/7 F(ab′)(最終濃度はすべて1
0μg/ml)が、トランスフェクトされたCOS7細胞に好中
球がロゼッティングするのを阻害する能力を、図6に示
す。データは、2つの独立したトランスフェクション実
験からの結果である。各トランスフェクションにおい
て、GMP−140およびG1 F(ab′)またはΗ18/7 F(a
b′)の存在下または非存在下で、付着アッセイを単
層上で2回繰り返し行った。結果を、結合した好中球の
数(平均±SD)として表す。
この結果は、好中球が、ELAM−1またはGMP−140をコ
ードするcDNAでトランスフェクトされたCOS細胞に結合
し、その結合が適切なモノクローナル抗体により阻害さ
れることを明確に示している。すなわち、抗ELAM−1抗
体(H18/7)は、ELAM−1でトランスフェクトされた細
胞への好中球の結合をブロックし、抗GMP−140抗体(G
1)は、GMP−140でトランスフェクトされたCOS細胞への
好中球の結合をブロックする。しかし、液相GMP−140
は、GMP−140でトランスフェクトされたCOS細胞への好
中球の付着を完全にブロックするが、ELAM−1でトラン
スフェクトされたCOS細胞への好中球の付着には影響を
与えない。
次いで、大量のシアリルLeX構造を含むHT−29細胞の
結合における相違を調べるために、トランスフェクトさ
れたCOS細胞を用いた。図7に示す結果は、HT−29細胞
がELAM−1でトランスフェクトされた細胞に強く結合す
るが、GMP−140でトランスフェクトされた細胞には全く
結合しないことを示している。従って、GMP−140および
ELAM−1は両方とも、α(2,3)シアル化α(1,3)フコ
シル化ラクトサミノグリカンを含むオリゴ糖構造を認識
するが、HT−29細胞と、GMP−140およびELAM−1でトラ
ンスフェクトされたCOS細胞との相互作用は、同一では
ない。
実施例4:好中球におけるGMP−140リガンドのタンパク質
成分の特性付け トリプシンによる好中球の処理により、特異的なGMP
−140の結合が破壊された。このことは、好中球におけ
るGMP−140に対する優勢なリガンドがグリコスピンゴリ
ピドではなく表面糖タンパク質であることを示してい
る。図8に示すように、HL−60細胞およびNeoLewis CHO
細胞のトリプシン処理もまた、GMP−140へのそれらの付
着を著しく減少させた。このことは、糖タンパク質成分
は、これらの細胞におけるGMP−140に対する主要なリガ
ンドでもあることを示している。CHO細胞により合成さ
れた単一糖脂質は、トランスフェクトされたフコシルト
ランスフェラーゼの基質ではないため、糖脂質リガンド
は、NecLewis CHO細胞上では期待されない。GMP−140に
より認識されるオリゴ糖構造を有する表面タンパク質
は、ヒト骨髄細胞およびチャイニーズハムスター卵巣細
胞においては同一ではないようである。このことは、リ
ガンドへのGMP−140の強い親和性結合は、タンパク質間
の相互作用を必要としないことを示唆している。
トリプシン処理については、HEPES緩衝液A中で懸濁
したNeoLewis CHO細胞を、0.1%のDPCC−トリプシンと
一緒に37℃で10分間インキュベートした。コントロール
細胞を、DFPで不可逆的に不活性化したDPCC−トリプシ
ンと一緒に、同一条件下でインキュベートした。トリプ
シン処理後、細胞を氷上で冷凍し、最終濃度が2mMにな
るようにDFPを加えて酵素を不活性化した。トリプシン
で処理した後、アッセイする前に、細胞を氷で冷却した
HEPES緩衝液Aで2回洗浄した。
好中球の場合、還元条件下でSDS−PAGEにより分析す
ると、GMP−140で認識された主要な糖タンパク質の、見
かけ上のMrは約120,000であることが証明されている。
ヒト好中球の原形質膜フラクションを調製し、その調製
物を「リガンドブロッティング」で分析した。この調製
物をSDS−PAGEで分画し、イモビロン膜に移し換え、[
125]GMP−140でプローブした。還元条件下では、標識
されたGMP−140は120−kDバンドに一貫して結合してい
るのが観察された。この結合は特異的である。なぜな
ら、Ca2+依存性であり、抗体G1によりブロックされる
が、S12によってはブロックされず、ノイラミニダーゼ
による膜の前処理により除去されるからである。このタ
ンパク質は、小麦胚芽凝集素アフィニティーカラム上に
定量的に結合し、このことは、シアル化されたオリゴ糖
を広く含むことを示している。
このタンパク質は、AffigelTMに結合したGMP−140の
アフィニティーカラムに結合し、カラムから溶出され得
る。部分的に精製されたタンパク質は、銀およびクーマ
シーブルーではあまり染色されない。このタンパク質
は、同様の見かけ上のMrを有し、SDSポリアクリルアミ
ドゲル上に染色パターンを有するロイコシアリンとして
公知の、強くO−グリコシル化されたタンパク質を示し
得る。さらに、低用量のノイラミニダーゼでこのタンパ
ク質を処理すると、タンパク質からはすべてのシアル酸
が除去されるわけではないが、結果としてゲル上の移動
度はゆるやかになり、特定の強くO−グリコシル化され
たタンパク質が部分的に脱シアル酸化されたパターンと
一致する。
GMP−140に対するオリゴ糖リガンドを有する骨髄細胞
には、他のタンパク質が存在し得る。リガンドブロッテ
ィングにより決定されるように、120−kDa糖タンパク質
は、GMP−140に最も強い親和性で結合する最も豊富なリ
ガンドおよび/またはその構造を示し得る。
GMP−140のレクチンドメインまたはGMP−140と相互作用
する炭水化物由来のペプチドからの診断試薬および治療
薬の調製 上記のペプチドおよび炭水化物は、診断試薬として様
々に応用され、特に、多くの炎症性疾患の治療に適用さ
れる。
診断試薬 GMP−140に結合するペプチドおよび抗体または炭水化
物に対する他のプローブはまた、GMP−140のリガンドを
欠くヒトの疾患の検出に使用され得る。このような疾患
は、白血球が活性化された血小板または内皮に結合し得
ない感染症に感染しやすい患者に多く見られる。テスト
される細胞、通常白血球を、医学的に容認されている標
準技術で集めてスクリーニングする。検出システムに
は、ELISA法、放射標識された抗体の固定化された活性
化細胞への結合、フローサイトメトリー、または当業者
に公知の他の方法が含まれる。
レクチンドメインペプチドの存在下および非存在下で
の結合の阻害は、セレクチン結合における欠陥または改
変を検出するのに使用され得る。このような疾患は、GM
P−140に対する白血球のリガンドがないために、白血球
が血小板および内皮に対して結合しない感染症に感染し
やすい患者に多く見られる。GMP−140ペプチドを、蛍光
タッグで放射的に、酵素的に、または電子顕微鏡の金の
ような高電子密度物質で標識する。検査される細胞、通
常白血球は、標識されたGMP−140ペプチドと一緒にイン
キュベートされ、結合は、GMP−140に対する抗体を用い
て上記の方法により評価されるか、または当業者に公知
の他の方法により評価される。GMP−140に対するリガン
ドが血漿中にも見いだされると、それらはまた、検出試
薬として抗体の代わりに標識されたGMP−140ペプチドを
用いて、標準ELISA法またはラジオイムノアッセイ法に
より測定され得る。
同様のアプローチは、GMP−140の定性的または定量的
な疾患を決定するのにも使用され得る。炭水化物を標識
し、GMP−140に欠陥があると思われる疾患を有する患者
からの活性化血小板におけるGMP−140への炭水化物の結
合能力をテストする。
臨床上の応用 GMP−140は、白血球付着、炎症および凝血に関連した
いくつかの機能を有するため、GMP−140ならびに/ある
いは、ELAM−1およびLEU−8を含む、GMP−140ペプチ
ドまたは炭水化物のような他のセレクチン結合に相互作
用する臨床上の化合物は、これらの応答を調節するため
に使用され得る。
例えば、GMP−140ペプチドまたは炭水化物は、活性化
された血小板または内皮細胞の表面にあるGMP−140のレ
セプターへ競合的に結合することにより、白血球の付着
を競合的に阻害するのに使用され得る。この種の治療法
は、白血球により媒介される炎症の阻害が望ましい急性
の状況下において特に有用であり得、効果的であるが一
時的である。GMP−140ペプチドまたは炭水化物の注入に
よる慢性治療法もまた、いくつかの状況では可能であ
る。
炎症応答は、もし再チェックされなければ、宿主を損
傷し得る。なぜなら、白血球は、正常な組織を損傷し得
る有毒な分子を多く放出するためである。これらの分子
には、タンパク質分解酵素およびフリーラジカルが含ま
れる。白血球が組織に損傷を与え得る病理的状態の例と
しては、虚血および再灌流からの傷害、細菌性敗血症、
血管内凝固症候群、成人呼吸性困難症候群、腫瘍転移、
慢性関節リウマチ、およびアテローム硬化症が挙げられ
る。
灌流傷害は、臨床心臓学において主要な問題である。
虚血性心筋層における白血球付着を減少させる治療剤
は、血栓崩壊性剤の治療的効能を著しく引き上げ得る。
組織プラスミノゲン活性剤またはストレプトキナーゼの
ような物質による血栓崩壊性療法は、可逆的な心筋細胞
死の前の深刻な心筋虚血を有する多くの患者における環
状動脈閉塞を和らげ得る。しかし、このような患者の多
くは、血流の回復にもかかわらず心筋神経症を煩ってい
る。この「再灌流傷害」は、心筋領域における血管内皮
への白血球の付着と関連していることが知られている。
これは、一部には、白血球に対して付着性とする、トロ
ンビンおよびサイトカインによる血小板および内皮の活
性化のためであろう(Romsonら、Circulation 67:1016
−1023,1983)。これらの付着白血球は、内皮を通じて
拡散し、血流の回復により救済されるように心筋虚血を
破壊し得る。
心筋および再灌流により、発作、腸間膜および末梢血
管、臓器移植、および循環器系統のショック(この場
合、多くの臓器は血流の回復により傷害を与えられる)
を含む、血管表面への白血球の付着による臓器傷害が引
き起こされる、多数の他の通常の臨床上の疾患がある。
細菌性敗血症および血管内凝固症候群はしばしば重症
の患者には同時に発生する。これらは、トロンビン、サ
イトキンおよび他の炎症性媒介物、血小板および内皮の
活性化、白血球の付着、ならびに血管系全体における血
小板の凝集と関連している。白血球に依存する臓器傷害
は、これらの症状の重要な特徴である。
成人呼吸性困難症候群は、敗血症または肺循環におけ
る白血球の広範囲な付着および凝集と関連する以下の外
傷を有する患者において発生する荒廃する肺疾患であ
る。これにより、大量の血漿が肺に溢血し、肺組織が破
壊される。大抵、これらは両方とも白血球産物により媒
介される。
しばしば致命的な2つの関連した肺疾患は、同種間の
骨髄移植を受ける免疫抑制患者、およびインターロイキ
ン−2で処理されたLAK細胞(リンフォカイン活性リン
パ球)を用いた治療により生じる血管漏れに起因する合
併症を煩うがん患者において見られる。LAK細胞は、血
管壁に付着し、内皮に毒性と思われる産物を放出するこ
とが公知である。LAK細胞が内皮に付着するメカニズム
は知られていないが、このような細胞は、内皮を活性化
する分子を潜在的に放出し、次いで好中球において作用
するメカニズムと同様のメカニズムにより内皮に付着す
る。
多くの悪性腫瘍(がん腫、リンパ腫および肉腫)から
の腫瘍細胞は、血管系を通じて遠位部位に転移し得る。
腫瘍細胞が内皮に付着するメカニズムおよびそれに続く
移行は、あまりよく理解されていないが、少なくともい
くつかの点で、白血球のメカニズムと同様であり得る。
血小板と転移腫瘍細胞との結合については詳しく記載さ
れており、いくつかのがんの蔓延における血小板の役割
を示唆している。
血小板−白血球の相互作用は、アテローム硬化症にお
いて重要であると考えられる。血小板は、単球がアテロ
ーム硬化プラークに補充される際の役割を果たし得る。
単球の蓄積は、アテローム発生中の最も初期に検出可能
な症状の1つであることが知られている。完全に発達し
たプラークが破裂すると、血小板の沈着、活性化、血栓
形成の促進、ならびに虚血領域への好中球の初期補充が
引き起こされ得る。
他の領域における可能な応用は、慢性関節リウマチの
治療である。
これらの臨床上の応用では、適切な薬学的キャリヤー
中のペプチドまたは炭水化物またはその混合物は、迅速
な緩和を必要とする場所に静脈注射により投与されるの
が好ましい。ペプチドもしくは炭水化物はまた、キャリ
ヤー分子に結合したペプチドもしくは炭水化物として、
筋肉内、腹膜内、皮下、経口により、または薬物送達装
置によっても投与され得る。ペプチドまたは炭水化物
は、インビボにおける半減期を増加させるために、さら
に化学的に改変され得る。
ペプチドは、GMP−140のタンパク質分解的開裂、また
は好ましくは実施例1においてペプチドを調製するため
に使用したような合成手段により調製され得る。これら
の方法は、当業者により公知である。例としては、米国
特許第4,792,525号において使用され、米国特許第4,24
4,946号において記載されている、J.Merrifield,J.Am.C
hem.Soc.85,2149(1964)により記載の固相合成が挙げ
られる。この合成では、保護されたαアミノ酸は、適切
な樹脂に結合され、C末端から開始するペプチドの合成
を開始する。他の合成法については、米国特許第4,305,
872号および第4,316,891号に記載されている。これらの
方法は、GMP−140と同一の配列を有するペプチド、また
はアミノ酸の置換物または付加物を合成するのに使用さ
れ得、これらは、実施例1および2に記載されているよ
うに、その活性を調べるためにスクリーニングされ得
る。
ペプチドはまた、塩酸、臭化水素酸、過塩素酸、硝
酸、チオシアン酸、硫酸およびリン酸のような無機酸、
ならびにギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳
酸、ピルビン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレ
イン酸およびフマル酸のような有機酸との反応、または
水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カリウ
ムのような無機塩基、およびモノ−、ジ−、トリアルキ
ルおよびアリルアミンのような有機塩基、および置換エ
タノールアミンとの反応により形成される薬学的に受容
可能な酸または塩基付加塩として投与され得る。
シクロプロピルアミノ酸、または同様に誘導されるア
ミノ酸を含むペプチドもまた使用され得る。これらのペ
プチドは、その最初の活性を保持するが、インビボにお
いて半減期を増加した。アミノ酸を改変することが知ら
れている方法、およびその使用については、例えば、St
ammerの米国特許第4,629,784号に記載されているよう
に、当業者に公知である。
炭水化物は、天然に、またはトランスフェクトされた
Cos細胞の例において記載されているような遺伝子工学
の結果、または好ましくは合成手段により、炭水化物を
発現する細胞から単離され得る。これらの方法は、当業
者に公知である。さらに、多数のグリコシルトランスフ
ェラーゼがクローニングされている(J.C.Paulsonおよ
びK.J.Colley,J.Biol.Chem.264:17615−17618,1989)。
従って、当業者は、調合薬または診断試薬を調製するた
めに、合成化学および酵素的合成を組み合わせて使用す
ることができる。
生物学的に活性なペプチドおよび炭水化物は、GMP−1
40への好中球および単球の結合を阻害するもの、または
ELAM−1および/またはホーミングレセプターの媒介に
よる白血球の内皮への付着を阻害するものである。
患者への投与に適切な薬学ビヒクルは、当業者に公知
である。非経口投与では、ペプチドまたは炭水化物は、
通常、滅菌水または生理食塩水中で溶解または懸濁され
得る。腸内投与では、ペプチドまたは炭水化物は、錠
剤、液体またはカプセル形態で不活性キャリヤーに導入
され得る。適切なキャリヤーは、デンプンまたは砂糖で
あり、潤滑剤、香料、結合剤および同じ特性を有する他
の物質が含まれる。GMP−140ペプチドまたは炭水化物は
また、創傷部または炎症部位に、特異的には溶液または
クリームで塗布して局部投与され得る。
あるいは、ペプチドまたは炭水化物は、リボソームま
たはマイクロスフェア(または微量粒子)で投与され得
る。患者へ投与するためのリポソームおよびマイクロス
フェアを調製するための方法は、当業者に公知である。
米国特許第4,789,734号は、リポソーム中に生物学的物
質をカプセル化する方法について記載している。実質的
に、物質は、水溶液に溶解され、必要に応じて、界面活
性剤と共に適切なリン脂質および脂質が添加され、物質
は、必要に応じて透析または超音波処理される。公知の
方法は、G.Gregoriadis,14章、“Liposomes",Drug Carr
iers in Biology and Medicine pp.287−341(Academic
Press,1979)により詳しく記載されており、その教示
は本願で参考のために援用している。ポリマーまたはタ
ンパク質により形成されるマイクロスフェアは、当業者
に公知であり、胃腸管を通じて血流に直接送達されるよ
うに設計され得る。あるいは、ペプチドまたは炭水化物
が導入され、マイクロスフェアまたはマイクロスフェア
の複合体が数日から数カ月の期間に渡ってゆっくりと放
出されるように移植され得る。例えば、米国特許第4,90
6,474号、第4,925,673号および第3,625,214号を参照。
主題のペプチドは、一般に、体重1kg当り約1μgよ
り多い量で非経口投与されると活性となる。大抵の炎症
性疾患の治療には、投与量は、体重1kg当り0.1から30mg
の間である。実施例で特徴づけられるペプチドの中に
は、70mg/kgの投与量が必要なものもある。この投与量
は、一部には、1つ以上のペプチドが投与されるか否か
に依存し得る。レクチンドメインの3つの領域の結合に
関して記載されているように、相乗効果は、レクチンド
メインの異なるまたは重複する領域からのペプチドの組
合せ、またはGMP−140のEGFドメイン由来のペプチドと
の組合せにより見られる。
炭水化物は、非経口または他の手段により投与される
ときに、活性とならなければならない。必要な量は、イ
ンビトロアッセイにおけるGMP−140の骨髄性細胞への結
合の阻害に必要な濃度、および注入された炭水化物のク
リアランス速度に基づく。この投与量は、一部には、1
つまたはそれ以上の炭水化物が投与されるか否かに依存
し得る。相乗効果は、炭水化物の組合せ、または多価形
態の天然のリガンドもしくはGMP−140に対する親和性お
よび/または親和力を増加させるために設計されたリガ
ンドの誘導体により見られる。
ペプチドまたは炭水化物はまた、白血球の血小板また
は内皮への付着を防止するために、身体に注入される補
てつ物として使用されるために、基質にコーティングさ
れ得る。
GMP−140、そのペプチドまたは炭水化物の抗体を用い
た治療理学療法に対する応答を評価するための基準は、
特定の条件により左右され、通常、標準的な医学的実践
に従う。例えば、心筋梗塞の拡張を防止するために有効
な投与量の基準は、心電図、生存徴候および臨床応答を
モニターして、血漿中の心筋懐死のマーカー酵素を観察
することにより、当業者により決定され得る。急性呼吸
性困難症候群の治療では、動脈酸素および肺浸潤物の分
解における改善、ならびに呼吸困難および頻呼吸の減少
により測定される臨床上の改善が調べられる。ショック
を起こした(低血圧)の患者の治療では、有効な投与量
は、臨床上の応答、および血圧回復後の、肝臓および腎
臓のような生体臓器の機能の特異的な測定に基づく。神
経機能は、発作を起こした患者においてモニターされ
る。移植された臓器の機能をモニターするために、特異
的なテストが使用され、例えば、腎臓移植を受けた患者
の血清、尿流、および血清電解質がモニターされる。
本発明の変更および改変、GMP−140由来のペプチドを
用いたGMP−140を含む結合反応を調節する方法、または
GMP−140リガンドの部分を形成する方法は、上記の詳細
な記載より当業者に自明である。このような変更および
改変は、添付の請求の範囲の範囲内にあるものとする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G01N 33/53 A61K 37/02 ABE 37/46 (56)参考文献 特表 平5−507923(JP,A) BLOOD CELLS,vol. 16,P.73〜83,1990 Cell,vol.56,P.1033− 1044,1989 SCIENCE,Vol.250,P. 1130〜1132,1990

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭水化物を含む単離された糖タンパク質で
    あって、該炭水化物は、GlcNAcへα1,3結合したフコー
    スを含み、該GlcNAcにはGalがβ1,4結合を介して結合
    し、さらにα2,3結合を介して該Galに結合したシアル酸
    を含み、そしてここで、GMP−140への該糖タンパク質の
    結合は、GMP−140に対するG1モノクローナル抗体により
    ブロックされ、そしてGMP−140に対するS12モノクロー
    ナル抗体によりブロックされず、そしてGMP−140へのカ
    ルシウム依存性結合を有し、そしてここで、該糖タンパ
    ク質は、好中球へのGMP−140の結合を阻害する、糖タン
    パク質。
  2. 【請求項2】シアリル化Lex基を含む単離された糖タン
    パク質であって、好中球へのGMP−140の結合を阻害し、
    そして還元条件下でのSDS−PAGEにより確認して約120,0
    00ダルトンの見かけの分子量を有し、そしてここで、GM
    P−140への該糖タンパク質の結合は、GMP−140に対する
    G1モノクローナル抗体によりブロックされ、そしてGMP
    −140に対するS12モノクローナル抗体によりブロックさ
    れない、糖タンパク質。
  3. 【請求項3】O−グリコシド結合を介して結合したシア
    リル化Lex基を含む単離された糖タンパク質であって、
    好中球に対するGMP−140の結合を阻害し、そしてここ
    で、GMP−140への該糖タンパク質の結合は、GMP−140に
    対するG1モノクローナル抗体によりブロックされ、そし
    てGMP−140に対するS12モノクローナル抗体によりブロ
    ックされない、糖タンパク質。
  4. 【請求項4】式NeuAcα2,3Galβ1,4(Fucα1,3)GlcNAc
    β1−Rを有する単離された糖タンパク質であって、こ
    こで、Rはタンパク質であり、該糖タンパク質は好中球
    へのGMP−140の結合を阻害し、そしてここで、GMP−140
    への該糖タンパク質の結合は、GMP−140に対するG1モノ
    クローナル抗体によりブロックされ、そしてGMP−140に
    対するS12モノクローナル抗体によりブロックされな
    い、糖タンパク質。
  5. 【請求項5】α(1,3)フコシル化α(2,3)シアリル化
    ラクトサミノグリカンを含む単離された糖タンパク質で
    あって、GMP−140への結合により好中球へのGMP−140の
    結合を阻害し、O−グリコシル化のための複数の部位を
    有し、そしてここで、GMP−140への該糖タンパク質の結
    合は、GMP−140に対するG1モノクローナル抗体によりブ
    ロックされ、そしてGMP−140に対するS12モノクローナ
    ル抗体によりブロックされない、糖タンパク質。
  6. 【請求項6】複数のシアリル化フコシル化ラクトサミン
    が結合した単離された糖タンパク質であって、好中球に
    対するGMP−140の結合を阻害し、ここで、GMP−140への
    該糖タンパク質の結合は、GMP−140に対するG1モノクロ
    ーナル抗体によりブロックされ、そしてGMP−140に対す
    るS12モノクローナル抗体によりブロックされない、糖
    タンパク質。
JP03517240A 1990-07-17 1991-07-17 Gmp―140に対する糖タンパク質リガンド Expired - Fee Related JP3096305B2 (ja)

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