JP2001197891A - gpm遺伝子をコードする新規ヌクレオチド配列 - Google Patents

gpm遺伝子をコードする新規ヌクレオチド配列

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JP2001197891A JP2000363631A JP2000363631A JP2001197891A JP 2001197891 A JP2001197891 A JP 2001197891A JP 2000363631 A JP2000363631 A JP 2000363631A JP 2000363631 A JP2000363631 A JP 2000363631A JP 2001197891 A JP2001197891 A JP 2001197891A
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Walter Pfefferle
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 gpm遺伝子をコードするヌクレオチド配列
ならびにgpm遺伝子が増幅されたコリネ細菌を用い
て、アミノ酸、特にL−リジン生産のための新規の発酵
方法の提供。 【解決手段】 次の群:a)コリネバクテリウムグルタ
ミクム(Crynebacterium glutam
icum)由来の特定のアミノ酸配列を含むポリペプチ
ドをコードするポリヌクレオチドに対して少なくとも7
0%同一であるポリヌクレオチド、b)該アミノ酸配列
に対して少なくとも70%同一であるアミノ酸配列を含
むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、c)ポ
リヌクレオチドa)又はb)に対して相補的なポリヌク
レオチド、及びd)ポリヌクレオチド配列a)b)又は
c)の連続する塩基少なくとも15個を有するポリヌク
レオチドから選択されたポリヌクレオチド配列を有する
コリネ細菌から単離されたポリヌクレオチドを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はgpm遺伝子をコー
ドするヌクレオチド配列ならびにgpm遺伝子が増幅さ
れたコリネ細菌を用いて、アミノ酸、特にL−リジンを
生産するための発酵方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アミノ酸、特にL−リジンは、ヒト医学
および製薬工業において、しかしながら特に動物飼料学
において使用される。
【0003】アミノ酸をコリネ細菌、特にコリネバクテ
リウムグルタミクム(Crynebacterium glutamicum)の
菌株を発酵によって生産することは公知である。それが
極めて重要であるために、生産方法を改善するための試
みが常になされている。方法の改善は発酵技術、例えば
攪拌および酸素供給を含む方法に関するものであっても
よいし、あるいは栄養媒体の組成、例えば発酵中の糖濃
度であってもよいし、あるいは生成物形態の後処理、例
えばイオン交換クロマトグラフィーによるものであって
もよいし、あるいは微生物自体の固有の生産特性に関す
るものであってもよい。
【0004】これら微生物の生産特性は、突然変異法、
選択法および突然変異選択法を用いることによって、抗
代謝物質、例えばリジン アナログS−(2−アミノエ
チル)システインに耐性であるか、あるいは調節に重要
な代謝物質に対して要求性であり、かつL−リジンを生
産する菌株を得るために改善される。
【0005】また、数年来、組み換えDNA技術の方法
は、個々のアミノ酸生合成遺伝子を増幅させ、かつアミ
ノ酸生産作用を研究することによって、コリネバクテリ
ウムのアミノ酸生産菌株を改善するために使用されてい
る。この課題に関する文献は、すなわちキノシタ(Kino
shita)(“Glutamic Acid Bacteria”, in: Biologyof
Industrial Microorganisms, Demain and Solomon (Ed
s.), Benjamin Cummings, London,UK, 1985, 115〜14
2)、ヒリガー(Hilliger)(BioTec 2, 40〜44(199
1))、エッゲリング(Eggeling)(Amino Acids 6, 261
〜272 (1994))、ジェッテンおよびシンスキー(Jetten
and Sinskey)(Critical Reviews in Biotechnology
15, 73〜103 (1995))およびシャームら(Sahm et al)
(Annals of the New York Academy of Science 782, 2
5〜39 (1996))によって刊行されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アミ
ノ酸、特にL−リジンの発酵生産を改善させるための新
規方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は次のよう
にして達成された。
【0008】アミノ酸、特にL−リジンはヒト医学、製
薬工業および特に動物飼料学において使用される。した
がって、アミノ酸、特にL−リジンを生産するための改
善された新規方法を提供することは、一般的に重要であ
る。
【0009】以下にL−リジンまたはリジンが挙げられ
る場合には、これは塩基ばかりでなく、塩、例えばリジ
ン一塩酸塩またはリジン硫酸塩の意味として認識され
る。
【0010】本発明は、次の群: a)配列番号2のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコ
ードするポリヌクレオチドに対して少なくとも70%同
一であるポリヌクレオチド b)配列番号2のアミノ酸配列に対して少なくとも70
%同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコード
するポリヌクレオチド c)ポリヌクレオチドa)またはb)に対して相補的な
ポリヌクレオチド、および d)ポリヌクレオチド配列a)b)またはc)の連続す
る塩基少なくとも15個を有するポリヌクレオチドから
選択されたポリヌクレオチド配列を有するコリネ細菌か
ら単離されたポリヌクレオチドを提供する。
【0011】また、本発明は請求項1に記載のポリヌク
レオチドを提供し、この場合、これは好ましくは次の
群: (i)配列番号1に示されたヌクレオチド配列、または
(ii)配列(i)に対して遺伝子暗号の縮退の範囲内
で一致する配列少なくとも一つ、または(iii)配列
(i)または(ii)に対して相補的な配列とハイブリ
ダイズする配列少なくとも一つ、かつ場合によっては
(iv)(i)の中立センス突然変異を有する複製可能
なDNAである。
【0012】また、本発明は、配列番号1に示されたヌ
クレオチド配列を有する、請求項4に記載のポリヌクレ
オチド、配列番号2に示されたアミノ酸配列を有するポ
リペプチドをコードする、請求項6に記載のポリヌクレ
オチド、請求項1に記載のポリペプチドを有するベクタ
ー、特にシャトルベクターまたは図2に示されたプラス
ミドベクターpXKgpmexp、かつ前記ベクターを
含むか、またはpgm遺伝子が増幅された、ホスト細胞
として役立つコリネ細菌を提供する。
【0013】さらに、本発明は、配列番号1に相当する
ポリヌクレオチド配列を有する完全な遺伝子を含む適切
な遺伝子ライブラリーを、配列番号1による前記ポリヌ
クレオチドの配列またはこれらのフラグメントを有する
プローブを用いてハイブリダイゼーションすることによ
ってスクリーニングし、かつ前記DNA配列を単離する
ことによって得ることが可能なポリヌクレオチド配列か
ら実際になるポリヌクレオチドを提供する。
【0014】RNA、cDNAおよびDNAのためのハ
イブリダイゼーションプローブとして、本発明によるポ
リヌクレオチド配列は、ホスホグリセレートムターゼを
コードするcDNAsの全長を単離し、かつcDNAs
またはホスホグリセレートムターゼ遺伝子の配列に対し
て高い類似性を示す配列を有する遺伝子を単離するため
に適している。
【0015】さらに、本発明によるポリヌクレオチド配
列は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって、ホス
ホグリセレートムターゼをコードする遺伝子のDNAを
製造するためのプライマーとして適している。
【0016】プローブまたはプライマーとして役立つこ
のようなオリゴヌクレオチドは、少なくとも30個、好
ましくは少なくとも20個、かつ特に好ましくは少なく
とも15個の連続する塩基を有する。また、少なくとも
40個または50個の塩基対の長さを有するオリゴヌク
レオチドは適している。
【0017】“単離された”はその本来の環境から分離
されたことを意味する。
【0018】“ポリヌクレオチド”は一般にポリリボヌ
クレオチドおよびポリデオキシリボヌクレオチドに関
し、この場合、これは本発明において未修飾であるか修
飾されたRNAsまたはDNAsであることが可能であ
る。
【0019】“ポリペプチド”はペプチドであるか、あ
るいはペプチド連鎖を介して2つまたはそれ以上のアミ
ノ酸結合を有するタンパク質であるものとして認識され
る。
【0020】本発明によるポリペプチドは配列番号2の
ポリペプチド、特にホスホグリセレートムターゼの生物
学的活性を有するこれらのもの、かつさらには配列番号
2のポリペプチドに対して少なくとも70%同一であ
り、好ましくは少なくとも80%および特に好ましくは
少なくとも90%〜95%同一であり、かつ前記活性を
有するものを含む。
【0021】さらに、本発明は、詳細にはすでにアミノ
酸を生産し、かつgpm遺伝子をコードするヌクレオチ
ド配列が増幅され、かつ特に過剰に発現されたコリネ細
菌を用いて、アミノ酸、特にL−リジンを生産するため
の発酵方法に関する。
【0022】“増幅”の用語に関連しては、微生物中で
適切なDNAによってコードされる1つまたはそれ以上
の酵素の細胞内活性を、例えば1つまたは複数の遺伝子
のコピー数を増加させるか、強いプロモーターを用いる
か、あるいは高い活性を有する適切な酵素をコードする
遺伝子を用いて、かつ場合によってはこれらの方法を組
み合わせることによって増加させることを示す。
【0023】本発明によって提供された微生物は、L−
アミノ酸、特にはL−リジンをグリコース、ショ糖、ラ
クトース、フルクトース、マルトース、糖蜜、デンプン
またはセルロースまたはグリセロールおよびエタノール
から生産することができる。前記微生物はコリネ細菌の
典型的なものであってもよく、特にコリネバクテリウム
属であってもよい。コリネバクテリウムグルタミクム種
は、特にコリネバクテリウム属中で挙げられてもよく、
この場合、これはそのL−アミノ酸生産能力に関して当
業者に公知である。
【0024】次の公知の野生型菌株: コリネバクテリウム グルタミクム ATCC1303
2 コリネバクテリウム アセトグルタミクム(Corynebact
erium acetoglutamicum) ATCC15806 コリネバクテリウム アセトアシドフィルム(Coryneba
cterium acetoacidphilum) ATCC13870 コリネバクテリウム セルモアミノジェネス(Coryneba
cterium thermoaminogenes) FERM BP−153
9 コリネバクテリウム メラッセコラ(Corynebacterium
melassecola) ATCC17965 ブレビバクテリウム フラブム(Brevibacterium flavu
m) ATCC14067 ブレビバクテリウム ラクトフェルメントウム(Brevib
acterium lactofermentum) ATCC13869およ
び ブレビバクテリウム ジバリカトウム(Brevibacterium
divaricatum) ATCC14020 およびL−リジン生産突然変異株またはこれから製造さ
れた菌株、例えば: コリネバクテリウム グルタミクム FERM−P 1
709 ブレビバクテリウム フラブム FERM−P 170
8 ブレビバクテリウム ラクトフェルメントウム FER
M−P 1712 コリネバクテリウム グルタミクム FERM−P 6
463 コリネバクテリウム グルタミクム FERM−P 6
464および コリネバクテリウム グルタミクム DSM 5715 は、コリネバクテリウム属、特にコリネバクテリウム
グルタミクム種の適した菌株の例である。
【0025】本発明において、C.グルタミクムからホ
スホグリセレートムターゼ(EC 5.4.2.1)をコードする
新規gpm遺伝子を単離することに成功した。
【0026】C.グルタミクムからgpm遺伝子または
他の遺伝子を単離するための最初の工程は、この微生物
の遺伝子ライブラリーをE.coli中に構築すること
である。遺伝子ライブラリーの構築は、一般に公知の教
科書および解説書中に記載されている。挙げられてもよ
い例は、From Gene to ClonesIn
troduction to Gene Techno
logy(Verlag Chemie, Weinheim, Germany, 1990)
と題されたウイナッカー(Winnacker)による教科書ま
たはMolecular Cloning,A Lab
oratory Manual(Cold Spring Harbor L
aboratory Press, 1989)と題されたサンブルックら(S
ambrook et al.)による解説書である。極めて公知の遺
伝子ライブラリーはE.coli K−12菌株W31
10のものであり、この場合、これはコハラら(Kohara
et al.)によってλベクター中に構築された。ベイス
ら(Bathe et al.)(Molecular and General Genetics
252, 255〜265, 1996)はC.グルタミクム ATCC
13032の遺伝子ライブラリーを記載しており、この
場合、これはコスミドベクターSuperCosI(Wa
hl et al., 1987, Proceedings of the National Acade
my of Sciences USA 84, 2160〜2164)を用いて、E.
coli K−12菌株NM554(Raleigh et al.,
1988, Nucleic Acids Research 16, 1563〜1575)中で
構築された。同様にボルマンら(Boermann et al.)(M
olecular Microbiology 6(3), 317〜326)は、コスミド
pHC79(Hohn and Collins, Gene 11, 291〜298 (1
980))を用いて、C.グルタミクム ATCC1303
2の遺伝子ライブラリーを記載している。E.coli
中のC.グルタミクムの遺伝子ライブラリーは、また、
pBR322(Bolivar, Life sciences 25, 807〜818
(1979))またはpUC9(Viera et al., 1982, Gene 1
9, 259〜268)のようなプラスミドを用いて構築されて
もよい。制限性の欠失および組み換え系の欠失を有する
E.coli菌株はホストとして特に適しており、この
場合、この例は、グラントら(Grant et al.)(Procee
dingsof the national Academy of sciences USA 87 (1
990) 4645〜4649)によって記載されているDH5αm
cr菌株である。コスミドの方法によってクローン化さ
れた長いDNAフラグメントは、その後に順にシークエ
ンシングに適した市販のベクター中にサブクローニング
されてもよく、かつ後に、例えばサンガーら(Sanger e
t al.)によって記載されたようにシークエンシングさ
れた(Proceedingsof the National Academy of Scienc
es of the United States of America 74,5463〜5467,
1977)。
【0027】配列番号1として本発明の一部を構成す
る、gpm遺伝子をコードするC.グルタミクムの新規
DNA配列はこの方法で得られた。さらに、相当するタ
ンパク質のアミノ酸配列は前記の方法によって前記DN
A配列から導かれた。得られるgpm遺伝子生成物のア
ミノ酸配列は、配列番号2に示されている。
【0028】また、遺伝暗号の縮退によって配列番号1
から得られるコーディングDNA配列も、本発明の一部
を構成する。同様に、配列番号1または配列番号1の一
部分とハイブリダイズするDNA配列も、本発明の一部
分を構成する。さらに、アミノ酸の保存的置換、例え
ば、タンパク質中でのグリジンからアラニン、またはア
スパラギン酸からグルタミン酸への置換は、当業者に
“センス突然変異”として公知であり、この場合、これ
はタンパク質の活性において基本的な変更を引き起こす
ことがなく、すなわちこれは機能的に中立である。ま
た、タンパク質のN−末端および/またはC−末端での
変更は、実際にはその機能を妨げることなく、それどこ
ろかこれを安定化させる。従来技術は、この課題に関す
る情報、すなわちベンバサットら(Ben-Bassat et a
l.)(Journal of Bacteriology 169, 751〜757 (198
7))、オリーガンら(O’Regan et al.)(Gene 77, 23
7〜251 (1989))、サーイン・トースら(Sahin-Toth et
al.)(Protein Sciences 3, 240〜247 (1994))およ
びホチューリら(Hochuli et al.)(Bio/Technology
6, 1321〜1325 (1988))および遺伝学および分子生物学
の公知の教科書中で見出されるはずである。また、これ
に応じて配列番号2から生じるアミノ酸配列も、本発明
の一部分を形成する。
【0029】同様に、配列番号1または配列番号1の一
部分とハイブリダイズするDNA配列は、本発明の一部
分を構成する。最終的には、ポリメラーゼ連鎖反応(P
CR)によって、配列番号1から得られるプライマーを
用いて製造されるDNA配列は、本発明の一部分を構成
する。このようなオリゴヌクレオチドは典型的には少な
くとも15個の塩基対の長さを有する。
【0030】従来技術は、すなわちベーリンガー・マン
ハイム社(Boehringer Mannheim GmbH)(Mannheim, Ge
rmany, 1993)からの解説書“DIGシステム・ユーザ
ー・ガイド・フォー・フィルターハイブリダイゼーショ
ン(The DIG System Users Guide for Filter Hycricai
zetion )”およびすなわちリーベルら(Liebl et a
l.)(International Journal of Systematic Bacterio
logy (1991) 41, 255〜260)のハイブリダイゼーション
によって、DNA配列の同定に関する指示が見出される
はずである。従来技術は、すなわち、オリゴヌクレオチ
ド合成(Oligonucleotide synthesis):プラクティカ
ル・アプローチ(practical approach)(IRL Press, O
xford, UK, 1984)と題されたガイトらによる解説書お
よびニュートンおよびグラハム(Newton and Graham):
PCR(Spektrum Akademischer Verlag, Heidelberg,
Germany, 1994)中で、ポリメラーゼ連鎖反応(PC
R)によるDNA配列の増幅に関する指示が見出される
はずである。
【0031】本発明者らは、gpm遺伝子の過剰発現の
後に、コリネ細菌によるアミノ酸、特にL−リジンの生
産が改善されることを見出した。
【0032】過剰発現は、適切な遺伝子のコピー数の増
加またはプロモーターおよび構造遺伝子の上流に配置さ
れた調節領域またはリボソーム結合部位の突然変異によ
って達成されてもよい。構造遺伝子の上流に組み込まれ
た発現カセットは、同様の方法で作用する。誘導プロモ
ーターは付加的に、L−リジンの発酵生産を通しての発
現の増加を可能にする。また、mRNAの寿命を延長さ
せるための方法は、発現を改善させる。さらに、酵素活
性は、酵素タンパク質の縮退を妨ぐことによって高めら
れる。遺伝子または遺伝子構造物は、可変のコピー数の
プラスミド中に配置されてもよいし、あるいは染色体中
に組み込まれ、かつ増幅されてもよい。あるいは、本発
明中で、培地の組成および培養技術を変更することによ
って遺伝子の過剰発現を達成することも可能である。
【0033】従来技術は、マーチンら(Martin et a
l.)(Bio/Technology 5, 137〜146 (1987))、ゲレロ
ら(Guerrero et al.)(Gene 138, 35〜41 (1994))、
ツチヤおよびモリナガ(Tsuchiya and Morinaga)(Bio
/Technology 6, 428〜430 (1988))、エイクマンら(Ei
kmanns et al.)(Gene 102, 93〜98 (1991))、ヨーロ
ッパ特許第0472869号明細書、米国特許第460
1893号明細書、シュバルツアーおよびピューラー
(Schwarzer and Puehler)(Bio/Technology 9, 84〜8
7 (1991))、レインシェイドら(Reinscheid et al.)
(Applied and Enviromental Microbiology 60, 126〜1
32 (1994))、ラバルレら(LaBarre et al.)(Journal
of Bacteriology 175, 1001〜1007 (1993))、特許明
細書WO96/15246、マルブレスら(Malumbres
et al.)(Gene 134, 15〜24 (1993))、特開平10−
229891、ジェンセンおよびハマー(Jensen and H
ammer)(Biotechnology and Bioengineering 58, 191
〜195 (1998))およびマクリズ(Makrides)(Microbio
logical Reviews 60, 512〜538 (1996))の適切な指示
書および遺伝学および分子生物学の公知の教科書中で見
出されるはずである。例えば、本発明によるgpm遺伝
子はプラスミドによって過剰に発現されている。
【0034】適したプラスミドはコリネ細菌中で複製さ
れた前記のものである。数多くの公知のプラスミドベク
ター、例えばpZl(Menkel et al., Applied and Env
iromental Microbiology (1989) 64, 549〜554)、pE
KEx1(Eikmanns et al.,Gene 102, 93〜98 (199
1))またはpHS2−1(Sonnen et al., Gene 107, 6
9〜74 (1991))は、内在性プラスミドpHM1519、
pBL1またはpGA1に基づく。他のプラスミドベク
ター、例えばpCG4(US-A-4489160)、pN
G2(Serwold-Davis et al., FEMS Microbiology Lett
ers 66, 119〜124(1990))またはpAG1(US-A-51
58891)に基づくものは、同様の方法で使用されて
もよい。
【0035】gpm遺伝子の過剰発現のために使用する
ことができるプラスミドの例は、E.coli/C.グ
ルタミクム シャトル発現ベクター pXKgpmex
pである。ベクターは複製エフェクター per(US-A
-5175108;Nesvera et al., Journal of Bacter
iology 179, 1525〜1532 (1997))、E.Coli(Esc
herichia coli)からのカナマイシン耐性遺伝子aph
(3’)−IIa、複製起点、trcプロモーター、停
止領域T1およびT2、lacIq遺伝子(E.col
iのlacオペロンのリプレッサー)およびプラスミド
pTRC99A(Amann et al. (1988), Gene 69, 301
〜315)のマルチクローニング部位mcs(Norrander,
J.M. et al., Gene 26, 101〜106 (1983))を含めて、
プラスミドpGA1の複製領域repを有する。
【0036】シャトル発現ベクターpXKgpmexP
は図2に示されている。
【0037】さらに、アミノ酸、特にL−リジンの生産
のために、gpm遺伝子ばかりでなく、特別な生合成経
路、解糖系、アナプレロティック経路、クエン酸回路ま
たはアミノ酸排出系の一つまたはそれ以上の酵素を過剰
に発現することは有利であってもよい。
【0038】したがって、例えば次の群をL−リジン生
産のために過剰に発現させてもよい: ●同時に、ジヒドロジピコリネート シンターゼをコー
ドするdapA遺伝子(EP-B-0197335)、また
は ●同時に、グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナ
ーゼをコードするgap遺伝子(Eikmanns (1992), Jou
rnal of Bacteriology 174, 6076〜6086)、または ●同時に、トリオースリン酸イソメラーゼをコードする
tpi遺伝子(Eikmanns(1992), Journal of Bacteriol
ogy 174, 6076〜6086)、または ●同時に、3−ホスホグリセレート キナーゼをコード
するpgk遺伝子(Eikmanns (1992), Journal of Bact
eriology 174, 6076〜6086)、または ●同時に、ピルベートカルボキシラーゼをコードするp
yc遺伝子(Eikmanns (1992), Journal of Bacteriolo
gy 174, 6076〜6086)、または ●同時に、リジン排出系をコードするlysE遺伝子
(DE-A-19548222)、または ●同時に、マレート キノン オキシドレダクターゼを
コードするmqo遺伝子(Molenaar et al. (1998), Eur
opean Journal of Biochemistry 254, 395〜403)、ま
たは ●zwal遺伝子(DE19959328.0, DSM13115)。
【0039】gpm遺伝子の増幅に加えて、アミノ酸、
特にL−リジンを製造するために、同時に次の群を転写
減衰することも有利であってよい: ●ホスホエノルピルベートカルボキシラーゼをコードす
るpck遺伝子(DE 19950409.1, DSM13047)、または ●グリコース6−リン酸イソメラーゼをコードするpg
i遺伝子(US 09/396478, DSM 12969)、または ●ピルベートオキシダーゼをコードするpoxB遺伝子
(DE 19951975.7, DSM13114)、または ●zwa2遺伝子(DE 19959327.2, DSM13113)。
【0040】また、アミノ酸、特にL−リジンを製造す
るために、gpm遺伝子を過剰に発現するばかりでな
く、望ましくない2次反応をスイッチオフ(switch of
f)することも有利であってよい(Nakayama: “Breedin
g of Amino Acid Producing Micro-organisms”, in: O
verproduction of Microbial Products, Krumphanzl, S
ikyta, Vanek (eds.), Academic Press, London, UK, 1
982)。
【0041】本発明によって製造された微生物は、アミ
ノ酸、特にL−リジンを製造するために、連続的にかま
たは断続的に、回分法、半回分法または反復半回分法に
よって培養することができる。公知培養方法の概要はシ
ュミール(Schmiel)による教科書(Bioprozesstechnik
1. Einfuehrung in die Bioverfahrenstechnik (Biopro
cess Technology1. Introduction to Bioengineering)
(Gustav Fischer Verlag, Stuttgart, 1991))またはス
トーハス(Storhas)による教科書(Bioreaktoren und
periphere Einrichtungen (Bioreactors and Periphera
l Equipment)(Vieweg Verlag, Brunswick/Wiesbaden, 1
994))で記載されている。
【0042】使用されるべき培地は特別な菌株の要求を
適切に満たすものでなければならない。種々の微生物の
ための培地の記載は、アメリカン・ソサエティー・フォ
ー・バクテリオロジー(American Society for Bacteri
ology)(Washington DC, USA, 1981)からの解説書
“Manual of Methods for Ge
neral Bacteriology”で見出すこと
ができる。使用されてもよい炭素源は糖および炭化水
素、すなわちグルコース、ショ糖、ラクトース、フルク
トース、マルトース、糖蜜、デンプンおよびセルロー
ス、油および脂肪、すなわち大豆油、ヒマワリ油、落花
生油およびココナッツ油、脂肪酸、すなわちパルミチン
酸、ステアリン酸およびリノレイン酸、アルコール、例
えばグリセロールおよびエタノール、ならびに有機酸、
例えば酢酸である。これらの物質は別個にかまたは混合
物として使用することができる。使用されてもよい窒素
源は窒素含有有機化合物、例えばペプトン、イーストエ
クストラクト、肉エキス、麦芽エキス、コーン浸漬液、
大豆ミールおよび尿素または無機化合物、例えば硫酸ア
ンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、
炭酸アンモニウムおよび硝酸アンモニウムである。窒素
源は別個にかまたは混合物として使用することができ
る。使用されてもよいリン源はリン酸、リン酸二水素カ
リウムまたはリン酸水素二カリウムまたは相当するナト
リウム塩である。培地は金属塩、例えば硫酸マグネシウ
ムまたは硫酸鉄を含んでいなければならず、この場合、
これは成長に必要不可欠なものである。最後に、必須成
長促進物質、例えばアミノ酸およびビタミンを前記物質
に加えて使用することができる。また、適した前駆物質
も培地に添加することができる。前記供給材料は培養に
すべて一度に添加されてもよいし、あるいは培養中に適
切に供給されてもよい。
【0043】培養のpHは塩基性化合物、例えば水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアまたはアンモ
ニア水溶液または酸性化合物、例えばリン酸または硫酸
の適切な使用によって調整される。起泡は起泡抑制剤、
例えば脂肪酸ポリグリコールエステルを用いて調整され
てもよい。プラスミドの安定性は、適した選択的作用物
質、例えば抗生物質を培地に添加することによって維持
されてもよい。好気条件は酸素または酸素含有ガス混合
物、例えば空気を培養に装入することによって維持され
る。培養温度は通常20℃〜45℃および好ましくは2
5℃〜40℃である。培養はL−リジン形成が最大に達
するまで続けられる。この目的は通常10時間〜160
時間内に達成される。
【0044】L−リジンは後のニンヒドリン誘導体化を
含むアニオン交換クロマトグラフィーによって、スパッ
クマンら(Spackman et al.)(Analytical Chemistry
30 (1958) 1190)によって記載されているように分析さ
れてもよい。
【0045】次の微生物は、ドイチェ・ザンムルング・
フォン・ミクロオルガニスメン・ウント・ツエルクルト
ウーレン(Deutsche Sammlung fuer Mikroorganismen u
nd Zellkulturen(DSMZ), Brunswick, Germany)(Ger
man Collection of Microorganisms and Cell Cultre
s)に、ブタプスト条約に基づいて17.04.200
0で寄託された: ●DSM13456として、コリネバクテリウム グル
タミクム菌株DSM5715/pXKgpmexp ●DSM13455として、コリネバクテリウム グル
タミクム菌株DSM5715/pEC−XK 本発明による発酵方法は、アミノ酸、特にL−リジンの
生産のために使用される。
【0046】
【実施例】本発明は、実施例を用いて以下により詳細に
例証される。
【0047】例1 コリネバクテリウム グルタミクム ATCC1303
2からのゲノミックコスミド遺伝子ライブラリーの製造 コリネバクテリウム グルタミクム ATCC1303
2からの染色体DNAをタウチら(Tauch et al.)(19
55, Plasmid 33, 168〜179)によって示されたように単
離し、かつ制限酵素Sau3AI(Amersham Pharmaci
a, Freiburg, Germany, product description Sau3AI,
code no. 27-0913-02)で部分的に切断した。DNAフ
ラグメントをエビ アルカリホスファターゼ(shrinp a
lkaline phosphatase)(Roche Molecular Biochemical
s, Mannheim, Germany, product description SAP, cod
e no. 1758250)で脱リン酸化した。ストラタジーン社
(Stratagene)から得られた、コスミドベクターSup
erCos1のDNA(Wahlet al. (1987) Proceeding
s of the National Academy of Sciences USA 84, 2160
〜2164)を制限酵素XbaI(Amersham Pharmacia, Fr
eiburg, Germany, product description XbaI, code n
o. 27-0948-02)で切断し、かつさらにエビ アルカリ
ホスホターゼ(shrimp alkaline phosphatase)で脱リ
ン酸化した。その後に、コスミドDNAを制限酵素Ba
mHI(Amersham Pharmacia, Freiburg,Germany, prod
uct description BamHI, code no. 27-0868-04)で切断
した。この方法で処理されたコスミドDNAを、処理さ
れたATCC13032DNAと混合させ、かつこの混
合物をT4DNAリガーゼ(Amersham Pharmacia, Frei
burg, Germany, product description T4 DNA ligase,
code no. 27-0870-04)で処理した。ライゲーション混
合物をその後にギガパックII XL パッキングエク
ストラクト(Stratagene, La Jolla, USA, product des
cription GigapackII XL Packing Extract, code no. 2
00217)を用いてファージ中にパッケージングした。
E.Coli菌株NM554(Raleigh et al., 1988,
Nucleic acidsResearch 16, 1563〜1575)の感染のため
に、細胞を10mM MgSO4中へ入れ、かつファー
ジ懸濁液のアリコートと混合した。感染およびコスミド
ライブラリーの滴定をザンブルックら(Sambrool et a
l.)によって示されたように実施し(1989, Molecular
Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbo
r)、この場合、この細胞をアンピシリン100mg/
lを含むLBアガー(Lennox,1955, Virology1, 190)
に播いた。37℃で一晩に亘る培養の後に、組み換え単
一クローンを選択した。
【0048】例2 gpm遺伝子の単離およびシークエンシング 単一コロニーのコスミドDNAをキアプレップ スピン
ミニプレップ キット(Qiaprep Spin Miniprep ki
t)(製品番号27106, Quiagen, Hilden, Germany)を用
いて製品取り扱い説明書に従って単離し、かつ部分的に
制限酵素Sau3AI(Amersham Pharmacia, Freibur
g, Germany, 製品番号27-0913-02)で切断した。DNA
フラグメントをエビ アルカリホスファターゼ(shrimp
alkalinephosphatase)(Roche Molecular Biochemica
ls, Mannheim, Germany, productdescription SAP, 製
品番号1758250)で脱リン酸化した。ゲル電気泳動によ
る分離の後に、1500bp〜2000bpの大きさの
範囲のコスミドフラグメントを、QiaEXIIゲル抽
出キット(QiaEXII Gel Extraction kit)(製品番号2
0021, Qiagen, Hilden, Germany)で単離した。イ
ンビトロジェン社(Invitrogen)(Groningen, The Net
herlands, product description Zero Background Clon
ing kit, 製品番号K2500-01)から得られたシークエン
シングベクターpZero−1のDNAを制限酵素Ba
mHI(Amersham Pharmacis, Freiburg,Germany, prod
uct description BamHI, 製品番号27-0868-04)で切断
した。コスミドフラグメントのシークエンシングベクタ
ーpZero−1へのライゲーションをザンブルックら
(Sambrook et al.)(1989, Molecular Cloning: A La
boratory Manual, Cold Spring Harbor)によって記載
されたように実施し、この場合、このDNA混合物をT
4リガーゼ(Pharmacia Biotech, Freiburg, Germany)
で一晩に亘って培養した。このライゲーション混合物を
その後にE.coli菌株DH5αMCR(Grant, 199
0, Proceedings of the National Academy ofSciences
USA 87, 4645〜4649)中に電気穿孔(Tauch et al. 199
4, FEMS Microbiol. Letters 123, 343〜7)によって装
入し、かつゼオシン50mg/lを含有しているLBア
ガー(Lenox, 1955, Virology1, 190)上に播いた。組
み換えクローンのプラスミド製造をバイオロボット96
00(Biorobot 9600)(製品番号900200, Qiagen, Hil
den, Germany)で実施した。シークエンシングをツイメ
ルマンら(Zimmermann et al.)(1990, Nucleic acids
Research 18, 1067)による修正を含む、サンガーら
(Sanger et al.)(1977, Proceedings of the Nation
al Academy of Science USA 74, 5463〜5467)のジデオ
キシ連鎖停止法によって実施した。PEアプライド・バ
イオシステム(PE Applied Biosystems)(製品番号403
044, Weiterstadt, Germany)による“RR dローダ
ミン・ターミネーター・サイクル・シークエンシング・
キット(RR dRhodamine Terminator Cycle Sequencing
kit)”を使用した。ゲル電気泳動による分離およびシ
ークエンシング反応の分析を“ローチホレース NF
アクリルアミド/ビスアクリルアミド(Rotiohorese NF
acrylamide/bisacrylamide)”ゲル(29:1)(商
品番号A124.1, Roth, Karlsruhe, Germany)中で、PE
アプライド・バイオシステムズ社(Weiterstadt, Germa
ny)からの“ABI プリズム377(ABI Prism 37
7)”シークエンサーを用いて実施した。
【0049】その後に得られた粗配列データーを、スタ
ーデン・プログラミング・パッケージ(Staden program
ing package)(1986, Nucleic Acids Research 14, 21
7〜231)、バージョン97−0を用いて実施した。pZ
ero−1誘導体の個々の配列をまとまりのあるコンテ
ィグに組み立てた。コンピューター処理されたコーディ
ング領域の分析をXNIPプログラムによって実施した
(Staden, 1986, Nucleic Acids Research 14, 217〜2
31)。他の分析を“BLAST search programs”(Altschu
l et al., 1997, Nucleic Acids Research 25, 3389〜3
402)を用いて、“ナショナル・センター・フォー・バ
イオテクノロジー・インフォメーション(Natinal Cent
er for Biotechnology Information)”(NCBI, Bethes
da, MD,USA)の非冗長的なデータバンクに対して実施し
た。
【0050】得られたヌクレオチド配列は配列番号1に
示されている。ヌクレオチド配列の分析によって744
塩基対の転写解読枠を生じ、この場合、これはgpm遺
伝子と呼称された。gpm遺伝子は248個のアミノ酸
のタンパク質をコードする。
【0051】例3 C.グルタミクム中のgpm遺伝子増幅のためのシャト
ル発現ベクターpXKgmpexpの製造。
【0052】3.1.gpm遺伝子のクローニング 染色体DNAをエイクマンら(Eikmanns et al.)(Mic
robiology 140, 1817〜1828 (1994))の方法によって、
菌株ATCC13032から単離した。例2からのC.
グルタミクムに関して公知のgpm遺伝子の配列に基づ
いて、次のオリゴヌクレオチドをポリメラーゼ連鎖反応
のために選択した:
【0053】
【外1】
【0054】示されたプライマーをARKサイエンティ
フィック社バイオシステムズ(ARKScientific GmbH Bio
systems)(Darmstadt, Germany)によって合成し、か
つPCRをイニスら(Innis et al.)の標準PCR法
(PCR protocols. A guide tomethods and application
s, 1990, Academic Press)によって、ロシュ ダイア
グノスティクス社(Roche Diagnostics GmbH)からのP
woポリメラーゼを用いて実施した。ポリメラーゼ連鎖
反応を用いて、プライマーはgpm遺伝子を有する約
0.77kbのDNAフラグメントを増幅させた。
【0055】約0.77kbのgpm遺伝子をアガロー
スゲルからQiaEXIIゲル抽出キット(QiaEXII Ge
l Extraction kit)(製品番号20021, Qiagen, Hilden,
Germany)を用いて単離した。
【0056】3.2.シャトルベクターpEC−XK9
9Eの構築 E.coli/C.グルタミクムシャトルベクターpE
C−XK99Eを従来技術に従って構築した。ベクター
は、複製作動体per(US-A-5175108; Nesvera et a
l., Journal of Bacteriology 179, 1525〜1532 (199
7))、E.coli(Escherichia coli)からのカナマ
イシン耐性遺伝子aph(3’)−IIa(Beck et a
l. (1982), Gene 19, 327〜336)、複製起点、trcプ
ロモーター、停止領域T1およびT2、lacIq遺伝
子(E.Coliのlacオペロンのリプレッサー)お
よびプラスミドpTRC99A(Amann et al. (1988),
Gene69, 301〜315)のマルチクローニング部位mcs
(Norrander, J.M. et al., Gene 26, 101〜106 (198
3))を含めて、プラスミドpGA1の複製領域repを
有する。
【0057】構築されたE.coli/C.グルタミク
ムシャトルベクターpEC−XK99Eを、電気穿孔
(Libebl et al., 1989, FEMS Microbiology Letters 5
3, 299〜303)によってC.グルタミクムDSM571
5にトランスファーした。形質転換体は、脳−心臓浸出
ブロス 18.5g/l、0.5Mソルビトール、バク
ト トリプシン 5g/l、バクト イーストエクスト
ラクト 2.5g/l、NaCl 5g/lおよびバク
ト アガー 18g/lを含有するLBHISアガー上
で選択し、この場合、これはカナマイシン 25mg/
lが補われていた。培養を33℃で2日間に亘って実施
した。
【0058】プラスミドDNAを慣例の方法(Peters-W
endisch et al., 1998, Microbiology 144, 915〜927)
によって一つの形質転換体から単離し、かつ制限エンド
ヌクレアーゼHindIIIで切断し、かつプラスミド
を後のアガロースゲル電気泳動によって確認した。
【0059】得られるプラスミド構造物をpEC−XK
99Eと呼称した(図1)。プラスミドpEC−XK9
9EをC.グルタミクム菌株DSM5715へ電気穿孔
によって装入することによって得られた菌株をDSM5
715/pEC−XK99Eと呼称し、かつドイチェ・
ザンムルング・フォン・ミクロオルガニスメン・ウント
・ツエルクルトウーレン(DSMZ, Brunswick, Germany)
(German Collectionof Microorganisms and Cell Cukt
ure)のDSM13455として、ブタペスト条約に基
づいて寄託した。
【0060】3.3.E.coli/C.グルタミクム
シャトルベクターpEC−XK99E中のgpmのクロ
ーニング。
【0061】使用されたベクターは、例3.2に記載さ
れたE.coli/C.グルタミクムシャトルベクター
pEC−XK99Eであった。このプラスミドのDNA
を制限酵素Ecll36IIで十分に切断し、かつその
後にエビ アルカリホスファターゼ(shrimp alkaline
phosphatase)(Roche Diagnostics GmbH, Mannheim,Ge
rmany, product description SAP, 製品番号17582
50)で脱リン酸化した。
【0062】PCR法によって得られ、例3.1で記載
された0.77kbのgpm遺伝子を、製造されたベク
ターpEC−XK99Eと混合し、かつこの混合物をT
4DNAリガーゼ(Amersham Pharmacia, Freiburg, Ge
rmany, product descriptionT4 DNA ligase, code no.
27-0870-04)で処理した。ライゲーション混合物をE.
coli菌株DH5α(Hanahan, in: DNA cloning. A
practical approach. Vol. I. IRL-Press, Oxford, Was
hington DC, USA)に形質転換した。プラスミド含有細
胞を、カナマイシン25mg/lを含むLBアガー(Le
nnox, 1955,Virology 1, 190)上に形質転換体混合物を
播くことによって選択した。37℃で一晩に亘る培養の
後に、組み換え単一クローンを選択した。プラスミドD
NAを製品取り扱い説明書に従って、キアプレップ・ス
ピン・ミニプレップ・キット(Qiaprep Spin Miniprep
kit)(製品番号27106, Qiagen, Hilden, Germany)を
用いて一つの形質転換体から単離し、かつ後のアガロー
スゲル電気泳動によってプラスミドを確認するために、
制限酵素EcoRIおよびXbaIで切断した。得られ
たプラスミドをpXKgpmexpと呼称した。これは
図2に示されている。
【0063】例4 プラスミドpXKgpmexpを含む菌株DSM571
5の形質転換。
【0064】菌株DSM5715を、電気穿孔法を用い
てリーブルら(Liebl et al.)(FEMS Microbiology Let
ters 53, 299〜303 (1989) )によって記載されたよう
に、プラスミドpXKgpmexPで形質転換した。形
質転換体を、脳−心臓浸出ブロス 18.5g/l、
0.5Mソルビトール、バクト トリプシン 5g/
l、バクト イーストエクストラクト 2.5g/l、
NaCl 5g/lおよびバクト アガー 18g/l
から成るLBHISアガー上で選択し、この場合、この
アガーはカナマイシン25mg/lが補われている。培
養は33℃で2日間に亘って実施した。
【0065】プラスミドDNAを慣例の方法(Peters-W
edisch et al., 1998, Microbiology 144, 915〜927)
によって一つの形質転換体から単離し、かつ制限エンド
ヌクレースEcoRIおよびXbaIで切断し、かつプ
ラスミドを後のアガロースゲル電気泳動によって確認し
た。得られた菌株をDSM5715/pXKgpmex
pと呼称した。
【0066】次の微生物を、ドイチェ・ザンムルング・
フォン・ミクロオルガニスメン・ウント・ツエルクルト
ウーレン(DSMZ, Brunswick, Germany)(German Collec
tionof Microorganisms and Cell Cultures)にブタペ
スト条約に基づいて寄託した: ●DSM13456としてのコリネグルタミウム グル
タミクム菌株DSM5715/pXKgpmexp 例5 リジンの製造 例4で得られたC.グルタミクム菌株DSM5715/
pXKgpmexpをリジン生産に適した栄養媒体中で
培養し、かつ培養懸濁液中のリジン含量を測定した。
【0067】これは、最初に、適切な抗生物質を含むア
ガープレート(カナマイシン(25mg/l)を含む脳
−心臓アガー)上で33℃で24時間に亘って培養する
こよによって実施した。このアガープレート培養を前培
養(100mlのコニカルフラスコ中の媒地10ml)
への接種に使用した。完全培地CgIIIを前培養の培
地として使用した。
【0068】 培地CgIII NaCl 2.5g/l バクト ペプトン 10g/l バクト イーストエクストラクト 10g/l グルコース(別個にオートクレーブしたもの) 2%(w/v) pHを7.4に調整した。
【0069】カナマイシン(25mg/l)を添加し
た。前培養を33℃で16時間に亘って、240rpm
で振とう器上で培養した。この前培養を主培養への接種
に使用し、主培養は最初のOD(660nm)0.1で
あった。MM培地を主培養のために使用した。
【0070】 MM培地 CSL(コーン浸漬液) 5g/l MOPS(モルホリノプロパンスルホン酸) 20g/l グルコース(別個にオートクレーブしたもの) 50g/l (NH42SO4 25g/l KH2PO4 0.1g/l MgSO4・7H2O 1.0g/l CaCl2・2H2O 10mg/l FeSO4・7H2O 10mg/l MnSO4・H2O 5.0mg/l ビオチン(濾過滅菌したもの) 0.3mg/l チアミン・HCl(濾過滅菌したもの) 0.2mg/l L−ロイシン(濾過滅菌したもの) 0.1g/l CaCo3 25g/l CSL、MOPSおよび塩溶液をアンモニア水溶液でp
H7に調整し、かつオートクレーブした。滅菌された物
質およびビタミン溶液ならびに乾式オートクレーブした
CaCo3をその後に添加した。
【0071】培養をバッフル付きの100mlのコニカ
ルフラスコ中に10mlの量で実施した。カナマイシン
(25mg/l)を添加した。培養を33℃で、かつ大
気湿度80%で実施した。
【0072】72時間の後に、ODをバイオメク100
0(Biomek 1000)(Beckmann Instruments GmbH, Muni
ch)を用いて660nmの波長で測定した。形成された
リジンの量を、エッペンドルフ・ビオトロニク社(Eppe
ndorf-BioTronik)(Hamburg, Germany)からのアミノ
酸分析器で、イオン交換クロマトグラフィーおよびニン
ヒドリン検出を含むポストカラム誘導体化(postcolumn
derivatization)によって測定した。
【0073】試験結果は第1表に示されている。
【0074】
【表1】
【0075】
【配列表】
【外2】
【0076】
【外3】
【0077】
【外4】
【図面の簡単な説明】
【図1】プラスミドpEC−XK99Eの制限地図
【図2】プラスミドpXKgpmexpの制限地図
【符号の説明】
per:pGA1からのコピー数調節遺伝子、ori
E:E.coliからのプラスミド暗号化複製起点、r
ep:C.グルタミクムプラスミドpGA1からのプラ
スミド暗号化複製起点、Ptrc:pTRC99Aから
のtrcプロモーター、T1、T2:pTRC99Aか
らの停止領域1および2、lacIq:lacオペロン
のリプレッサー遺伝子、kan:カナマイシン耐性遺伝
子、gpm:C.グルタミクムからのgpm遺伝子、E
coRI:制限酵素EcoRIの切断部位、Ecll3
6II:制限酵素Ecll36IIの切断部位、Hin
dIII:制限酵素HindIIIの切断部位、Kpn
I:制限酵素KpnIの切断部位、SalI:制限酵素
SalIの切断部位、SmaI:制限酵素SmaIの切
断部位、PstI:制限酵素PstIの切断部位、Ba
mHI:制限酵素BamHIの切断部位、NcoI:制
限酵素NcoIの切断部位、XbaI:制限酵素Xba
Iの切断部位、XmaI:制限酵素XmaIの切断部
位、SacI:制限酵素SacIの切断部位。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:15) C12R 1:15) (C12N 1/21 (C12P 13/08 A C12R 1:15) C12R 1:15) (C12P 13/08 (C12Q 1/68 A C12R 1:15) C12R 1:15) (C12Q 1/68 C12N 15/00 ZNAA C12R 1:15) C12R 1:15)

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の群: a)配列番号2のアミノ酸配列を有するポリペプチドを
    コードするポリヌクレオチドに対して少なくとも70%
    同一であるポリヌクレオチド、 b)配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも70%同一
    であるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする
    ポリヌクレオチド、 c)ポリヌクレオチドa)またはb)に相補的なポリヌ
    クレオチド、および d)ポリヌクレオチド配列a)、b)またはc)の連続
    する塩基少なくとも15個を有するポリヌクレオチドか
    ら選択されたポリヌクレオチド配列を有するコリネ細菌
    から単離されたポリヌクレオチド。
  2. 【請求項2】 コリネ細菌中で複製可能な組み換えDN
    Aである、請求項1に記載のポリヌクレオチド。
  3. 【請求項3】 ポリヌクレオチドがRNAである、請求
    項1に記載のポリヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 配列番号1に示されたような核酸配列を
    有する、請求項2に記載のポリヌクレオチド。
  5. 【請求項5】 次の群: (i)配列番号1に示されたヌクレオチド配列、または
    (ii)配列(i)と遺伝暗号の縮退の範囲内で一致す
    る配列少なくとも一つ、または(iii)配列(i)ま
    たは(ii)に相補的な配列とハイブリダイズする配列
    少なくとも一つ、かつ場合によっては(iv)(i)の
    中立センス突然変異を有する、請求項2に記載の複製可
    能なDNA。
  6. 【請求項6】 配列番号2に記載のアミノ酸配列を有す
    るポリペプチドをコードする、請求項2に記載のポリヌ
    クレオチド配列。
  7. 【請求項7】 L−アミノ酸、特にL−リジンの発酵生
    産方法において、次の工程: a)少なくともgpm遺伝子またはこれをコードするヌ
    クレオチド配列が増幅され、かつ特には過剰に発現され
    た、L−リジンを生産するコリネ細菌を発酵させ、 b)媒地または細菌の細胞中でL−アミノ酸を濃縮さ
    せ、かつ c)L−アミノ酸を単離することが実施されることを特
    徴とする、L−アミノ酸、特にL−リジンの発酵生産方
    法。
  8. 【請求項8】 望ましいL−アミノ酸の生合成経路の他
    の遺伝子が付加的に増殖された細菌を使用する、請求項
    7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 L−リジンの形成を減少させる代謝経路
    が少なくとも部分的にスイッチオフされる、請求項7に
    記載の方法。
  10. 【請求項10】 プラスミドベクターで形質転換された
    菌株が使用され、かつプラスミドベクターがgpm遺伝
    子をコードするヌクレオチド配列を有する、請求項7に
    記載の方法。
  11. 【請求項11】 L−リジンを生産するコリネ細菌が使
    用される、請求項7から10までのいずれか1項に記載
    の方法。
  12. 【請求項12】 ジヒドロジピコリネート シンターゼ
    をコードするdapA遺伝子が同時に過剰に発現され
    る、請求項8に記載の方法。
  13. 【請求項13】 S−(2−アミノエチル)システイン
    耐性を付与するDNAフラグメントが同時に増幅され
    る、請求項8に記載の方法。
  14. 【請求項14】 グリセルアルデヒド 3−リン酸デヒ
    ドロゲナーゼをコードするgap遺伝子が同時に過剰に
    発現される、請求項8に記載の方法。
  15. 【請求項15】 トリオースリン酸イソメラーゼをコー
    ドするtpi遺伝子が同時に過剰に発現される、請求項
    8に記載の方法。
  16. 【請求項16】 3−ホスホグリセレートキナーゼをコ
    ードするpgk遺伝子が同時に過剰に発現される、請求
    項8に記載の方法。
  17. 【請求項17】 ピルベート カルボキシラーゼをコー
    ドするPyc遺伝子が同時に過剰に発現される、請求項
    8に記載の方法。
  18. 【請求項18】 ポリメラーゼ連鎖反応によって、op
    cA遺伝子に相当する活性を改善させる、遺伝子のDN
    Aを製造するためのプライマーとしての、請求項1に記
    載のポリヌクレオチド配列の使用。
  19. 【請求項19】 ハイブリダイゼーションプローブとし
    ての、請求項1に記載のポリヌクレオチド配列の使用。
  20. 【請求項20】 請求項1から5までのいずれか1項に
    記載の複製可能なDNAを導入することによって形質転
    換される、コリネフォルム微生物、特にコリネバクテリ
    ウム属。
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