JP2001197314A - 画像処理装置 - Google Patents

画像処理装置

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JP2001197314A
JP2001197314A JP2000000492A JP2000000492A JP2001197314A JP 2001197314 A JP2001197314 A JP 2001197314A JP 2000000492 A JP2000000492 A JP 2000000492A JP 2000000492 A JP2000000492 A JP 2000000492A JP 2001197314 A JP2001197314 A JP 2001197314A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 文字の解像度を大きく落とすことなく、方向
性を有する白抜けを低減する。 【解決手段】 文字の解像度を大きく落とすことなく、
方向性を有する白抜けを低減するため、ラインごとに周
期的、またはランダムに地肌検出のパラメータを濃度変
動閾値選択部110で選択し、切り換える。また、出力
画像において白抜けを発生させず、かつ、高解像度な画
像を得るため、文字の外側エッジ部において、エッジ強
調部103でエッジ強調処理後の信号に対して地肌濃度
検出部107から出力される地肌濃度に応じてリミッタ
処理部104でリミッタ処理を行う。更に、地肌濃度を
検出する際に常に単一方向で検出すると、前述のように
方向性を有する白抜け現象が生じるので、この現象を考
慮して、1ラインごとに地肌濃度の検出方向を切り換
え、目視で確認できるような白抜けを抑制するようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラー複写機、カ
ラープリンタ、ファクシミリなどに使用され、地肌レベ
ルや文字エッジなどの特徴量を検出する手段を有する画
像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ディジタル複写機等の画像処理装置にお
いて、スキャナMTFやモアレ除去のための平滑化処理
によってボケた画像の解像度を向上させるために、エッ
ジ強調処理が有効であることが知られている。エッジ強
調処理は、例えば黒文字エッジの強調を濃度信号で行う
場合、文字の内側で濃度を上げ、外側で濃度を下げるこ
とによって、エッジ部での濃度差を増大させる仕組みに
なっている。ところで、地肌が白でなく色地(網点も含
む)である場合、負側のエッジ強調量が大きいと、地肌
濃度があまり高くない部分で文字周囲に白抜けが生じ易
くなる。この白抜けは、カラー画像において特に目立
ち、とりわけジェネレーションコピーにおいては劣化が
激しい部分である。エッジ強調の度合いを弱くすれば白
抜けは抑制できるが、その場合、満足な解像度を得るこ
とが困難である。この問題に着目した発明として、特開
平9−139843号公報記載の発明が知られている。
【0003】この特開平9−139843号公報記載の
発明では、内側エッジ部にはエッジ強調処理を行うが、
外側エッジ部に関してはエッジ強調を行わず、注目画素
とその周辺画素の中で最も小さなデータに置き換えるよ
うにしている。
【0004】また、特開平5−308516号公報に
は、通常のエッジ検出用閾値の組(th1,th2)と、コン
トラストの低い文字内部のエッジ検出用閾値の組(th3,
th4)の2組の閾値を用意し、th3,th4により検出された
エッジを、th1とth2の組み合わせによってエッジとして
検出された画素に続く数画素に限定して有効とする発明
が開示されている。
【0005】さらに、特開平6−217140号公報に
は、新聞や上質紙など地肌の濃度レベルが異なる原稿が
貼り合わせた原稿を考慮して地肌濃度を連続的に追従さ
せて高精度に切り換え、リアルタイムで地肌除去処理を
行う発明が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記特開平9
−139843号号記載の発明では、白抜けに対して効
果が認められるものの、解像度の面で不十分になる場合
が考えられる。例えば、高い解像性が要求される白地上
黒文字に関する場合などがそれに当たる。
【0007】また、これらの従来技術では、地肌濃度を
検出する際に常に単一方向(主走査方向)で検出してい
るため、白背景上に枠線付きの色地部があるような原稿
の場合、枠線の左内側にだけ白抜けが発生しやすい、と
いったような方向性を有する白抜け現象が生じる。この
現象に鑑み、地肌検出のパラメータを白抜けがほぼ完全
に発生しないレベルに設定する(地肌が検出されやすい
ようにパラメータを振る)と、文字周囲の少し濃度が高
くなっている部分で地肌を更新してしまい、結果として
文字が太ったように見えることになり、解像度の面で不
十分なものになってしまう。
【0008】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたもので、その目的は、文字の解像度を大きく落とす
ことなく、方向性を有する白抜けを低減することにあ
る。
【0009】また、他の目的は、地肌除去による画像劣
化を目立たなくすることにある。
【0010】さらに他の目的は、エッジの方向性を無く
すことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、第1の手段は、入力された画像データに対して所定
の画像処理を施す画像処理装置において、前記画像デー
タに対して所望の特徴量を検出する手段と、ラインごと
に周期的にまたはランダムに前記特徴量の検出の判定基
準を切り換える手段とを備えた構成とした。
【0012】第2の手段は、入力された画像データに対
して所定の画像処理を施す画像処理装置において、前記
画像データに対して所望の特徴量を検出する手段と、特
徴量検出を行う際に、検出方向を1ラインを最小単位と
して反転させる手段とを備えた構成とした。
【0013】第3の手段は、第2の手段において、前記
特徴量が文字エッジであり、文字エッジ検出の第1の判
定基準と第2の判定基準が設定され、前記第1の判定基
準により文字エッジとして検出された画素に続く一定数
の画素に対してのみ、前記第2の判定基準により文字エ
ッジ検出を行うようにした。
【0014】第4の手段は、第1または第2の手段にお
いて、前記特徴量が原稿の地肌レベルであり、注目画素
および周辺画素のデータを用いて地肌レベルを更新する
かどうかの判定を行う手段をさらに備え、前記判定を行
う手段によって得られた判定結果に基づいて、更新され
た地肌レベルあるいは前画素の地肌レベルを注目画素の
地肌レベルとするようにした。
【0015】第5の手段は、第4の手段において、前記
ラインごとに切り換える判定基準は、注目画素および周
辺画素の濃度変動量を表す閾値であり、地肌レベルを更
新するかどうかの判定に濃度変動量を用いるようにし
た。
【0016】第6の手段は、第4または第5の手段にお
いて、エッジ強調処理手段をさらに備え、エッジ強調処
理が白方向への強調である場合に、前記地肌レベルに応
じてエッジ強調処理後の信号に対してリミッタ処理を行
うようにした。
【0017】第7の手段は、第4または第5の手段にお
いて、地肌除去処理手段をさらに備え、地肌除去処理に
適用する閾値については、前記地肌レベル基づいて決定
するようにした。
【0018】すなわち、本発明では、文字の解像度を大
きく落とすことなく、方向性を有する白抜けを低減する
ため、ラインごとに周期的、またはランダムに地肌検出
のパラメータを切り換えるようにした。また、出力画像
において白抜けを発生させず、かつ、高解像度な画像を
得ることを目的とし、文字の外側エッジ部において、エ
ッジ強調処理後の信号に対して地肌濃度に応じたリミッ
タをつけるようにした。更に、地肌濃度を検出する際に
常に単一方向で検出すると、前述のように方向性を有す
る白抜け現象が生じるので、この現象を考慮して、本発
明では、1ラインごとに地肌濃度の検出方向を切り換
え、目視で確認できるような白抜けを抑制するようにし
た。
【0019】また、コントラストの低い文字内部のエッ
ジも高精度に検出することを目的として、前述の通常の
エッジ検出用閾値の組(th1,th2)と、コントラストの
低い文字内部のエッジ検出用閾値の組(th3,th4)の2
組の閾値を用意し、th3,th4により検出されたエッジ
を、th1とth2の組み合わせによってエッジとして検出さ
れた画素に続く数画素に限定して有効とするような画像
処理に対して、検出方向の1ラインごとに切り換えるよ
うにした。これにより、地肌除去処理の閾値として使用
する地肌濃度を検出する際に、1ラインごとに検出方向
が切り換えられ、地肌除去による画像劣化を目立たなく
することが可能となる。また、エッジ検出の方向を1ラ
インごとに切り換えることにより、エッジの方向性を無
くすこともできる。
【0020】なお、以下の実施形態では、コピー機等の
スキャナ入力装置を備えるものを想定して説明を行う
が、本発明はそのような装置に限定されるものではな
く、ネットワークに接続された画像入力装置を介して画
像データが入力されるようなシステムでも良いことはい
うまでもない。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
【0022】<第1の実施形態>図1は、本実施形態に
係る画像処理装置の電気的構成を示すブロック図であ
る。この画像処理装置は、第1の信号変換部101、第
1の信号変換部101から出力されるYIQ信号を所定
ライン数格納するラインメモリ102、ラインメモリ1
02からYIQ信号が入力されるエッジ強調部103、
ラインメモリ102からY信号が入力される地肌濃度検
出部107、ラインメモリ102からY信号が、エッジ
強調部103と地肌濃度検出部107からそれぞれ処理
信号が入力され、この入力信号に応じてリミッタ処理部
104の作動の是非を制御するスイッチ106、このス
イッチ106によってON/OFF制御されるリミッタ
処理部104、エッジ強調部103からエッジ強調され
たIQ信号が、また、リミッタ処理部104からリミッ
タ処理されたY信号がそれぞれ入力される第2の信号変
換部105、ライン同期制御部108、閾値メモリ10
9、ライン同期制御部108及び閾値メモリ109から
の出力が入力され、濃度変動閾値を選択して地肌濃度検
出部107に出力する濃度変動閾値選択部110の各構
成要素を備えている。
【0023】上記各構成要素からなる画像処理装置は、
図示しないカラースキャナ等の画像入力装置で読み込ん
だ画像のRGB信号に対して、第1の信号変換部101
において信号変換を行い、輝度・色差系信号YIQに変
換する。Yが輝度信号、IとQが色差信号である。但
し、第1の信号変換部101から出力される輝度信号Y
は、Y=0のとき白で、Yの値が大きくなるほど黒に近
づくような信号とする。そして、YIQに変換された信
号を後段のエッジ強調部103及び地肌濃度検出部10
7の各処理に備えて、数ライン分、ラインメモリ102
に格納する。ここでは、エッジ強調部103、地肌濃度
検出部107の各処理ともに注目画素を含むラインを挟
んだ3ライン分のデータを使用することにし、3ライン
分、格納しておく。
【0024】エッジ強調部103ではラインメモリ10
2から入力されるYIQ夫々に例えば図2の3×5のマ
トリクスを使用して、マトリクス演算によりエッジ強調
処理を施す。次いで、リミッタ処理部104で、輝度信
号Yに対して、スイッチ106からの信号がONの場合
に限り、エッジ強調処理後の信号に対して次のように地
肌濃度に応じたリミッタをかける。
【0025】 Y3=max(Y2,F(T)) ・・・(1) Y2はエッジ強調処理後の信号、Y3はリミッタ処理後
の信号、Tは地肌濃度検出部107で検出される地肌濃
度である。F(T)は、地肌濃度Tの関数として表わさ
れるリミッタ値であり、本実施形態では F(T)=a×T(aは1.0以下の定数) ・・・(2) とする。ここでは単純に地肌濃度Tの線形関数をリミッ
タとして使用するが、もっと複雑な非線形関数を使用す
るといった応用も可能である。なお、スイッチ106か
らの信号がOFFの場合はリミッタ処理をスルーとす
る。そして、リミッタ処理された信号は第2の信号変換
部105で、YIQ信号からRGB信号に変換される。
【0026】地肌濃度検出部107では、濃度変動閾値
選択部110で決定された閾値を使用して、地肌濃度を
検出する。その方法については、後で詳しく述べるが、
地肌の濃度変動があるかないかを閾値で2値判定し、こ
れを判定要素の一つとする。濃度変動閾値選択部110
では、ライン同期制御部108によって、ラインごとに
閾値メモリ109から選択する閾値を読み出す。閾値メ
モリ109には閾値th1を2つ格納しておき、1ライ
ンごとに交互に2つの閾値を切り換える。th1は、奇
数番目のラインのときth_a、偶数番目のラインのと
きth_bとする。なお、th_a<th_bとする。
【0027】このように設定すると、奇数番目のライン
の方が、より色地上文字の太りを抑制するが、部分的に
白抜けが発生する可能性がより高い。一方、偶数番目の
ラインは逆に、白抜けはほぼ発生しないが、文字がより
太るようになる。
【0028】図3は、図1のブロック図におけるライン
メモリ102の構成回路を示したものである。ここで
は、輝度信号Yの格納用ラインメモリを示しているが、
IとQの格納用ラインメモリに関しても同様の構成で実
現できる。1ライン分のデータを溜めるラインメモリと
して、FIFO(First-in First-out)301,302
を使用し、回路を構成する。先の2ラインに関してはメ
モリにデータを溜め、あとの1ラインはリアルタイムで
読み込んだデータをそのまま伝送する。
【0029】図4は、図1のブロック図におけるスイッ
チ106の回路構成を示すブロック図である。このスイ
ッチ106は第1及び第2の2つの比較器401,40
2と、AND回路403とからなり、第1の比較器40
1では、エッジ強調前の信号Y1とエッジ強調後の信号
Y2を比較し、Y1>Yのとき、つまり、マイナス強調
の場合に出力信号のビットを立てる。第2の比較器40
2では、エッジ強調前の信号Y1と地肌濃度Tを比較
し、Y1>Tの場合に出力信号のビットを立てる。そし
て、AND回路403で2つの比較器からの出力信号の
ANDをとって、ON/OFFが決定される。マイナス
強調、かつ、エッジ強調前の信号が地肌濃度より高い場
合にのみON、その他の場合はOFFを出力するような
構成になっている。
【0030】図5は、図1のブロック図における地肌濃
度検出部107の詳細を示すブロック図である。地肌濃
度検出部107は、ブロックメモリ501と、ブロック
メモリ501からのデータが入力される最小値検出部5
02および最大値検出部503と、最小値検出部502
と最大値検出部503からの出力が入力され、両者の差
分をとる差分値算出部504と、差分値算出部504と
最大値検出部503からの出力が入力される地肌更新決
定部505と、地肌濃度格納メモリ507と、最小値検
出部502と地肌更新決定部505の出力が入力され、
地肌濃度を選択する地肌濃度選択部506とから構成さ
れている。
【0031】上記のように構成された地肌濃度検出部1
07では、地肌濃度検出を3×3画素のブロック内の信
号を使って行う。そのため、ブロックメモリ501で、
3ライン分の画像輝度データを保存したラインメモリ1
02から3×3画素を順次切り出す。そして、最小値検
出部502と最大値検出部503でそれぞれブロック内
画素の輝度信号の最小値Min_Y1と最大値Max_
Y1を検出する。差分値算出部504では、それらの差
分 Sa=Max_Y1−Min_Y1 ・・・(3) を算出する。地肌更新決定部505では、差分値Saと
最大値Max_Y1の2つの値から、地肌濃度を更新す
るか否かを決める。条件1:Sa<th1 かつ条件
2:Max_Y1<th2の場合のみ、地肌濃度を更新
し(ON)、その他の場合は更新しない(OFF)。こ
こで、th1およびth2は所定の閾値である。th1
は、前述のように奇数番目のラインのときth_a、偶
数番目のラインのときth_bというようにラインごと
に切り換わる閾値である。つまり、条件1では、ブロッ
ク内の濃度変動が小さい場合に更新するという制約を付
けており、条件2では、ある程度太さのある黒文字内部
等で更新されない様に地肌濃度の上限を規定している。
そして、地肌濃度選択部506で、地肌更新ONの場合
はブロック内濃度最小値Min_Y1を地肌濃度として
更新し、地肌濃度格納メモリ507に格納すると同時
に、検出結果として出力する(図5中の経路[1])。
一方、地肌更新OFFの場合は、地肌濃度格納メモリ5
08に格納されている地肌濃度を読み出し、それを検出
結果として出力する(図5中の経路[2])。
【0032】図6は、地肌濃度検出の際に参照する3×
3画素からなるブロックを示している。このように、主
走査方向に対して、注目画素をブロックの左端に配置し
ている。これは、例えば、図7のように、白地→色地→
白地、といった具合に地肌濃度が変わる原稿があったと
きに、地肌濃度の変わり目である“◎”の位置で正確に
地肌濃度が更新されるようにするためである。
【0033】図8は、エッジ強調がマイナス強調の場合
にエッジ強調後の信号にリミッタ処理を施すことによる
白抜け除去効果を図で表わしたものである。(ア)はエ
ッジ強調前の画像エッジ部、(イ)はそれに対してエッ
ジ強調処理を施したもの、(ウ)はリミッタ処理を施し
たものである。(イ)ではエッジ強調の結果、マイナス
強調部分で値が負になってしまっており、実際には値0
に修正して出力することになるが、色地上の文字等、エ
ッジ部においてはこれが白抜けとして現れてしまう。一
方、(ウ)では地肌濃度に応じたリミッタ処理によっ
て、この問題が解消される。
【0034】図9は1ラインごとに地肌濃度検出の閾値
を切り換えることによる白抜け除去効果を図で表したも
のである。(ア)は白背景上に枠線付きの色地部が存在
する原稿であり、(イ)はその原稿に対して地肌変動閾
値th_aで地肌濃度検出を行った場合のリミッタ処理
後の画像、(ウ)は地肌変動閾値th_bで地肌濃度検
出を行った場合のリミッタ処理後の画像である。地肌濃
度検出では前述したように周辺画素の濃度変動量を利用
して判定するため、スキャナMTF、あるいはモアレ除
去を目的として一般的に行われる平滑化処理の影響か
ら、枠線近傍の色地部は地肌濃度の検出が困難な箇所で
あるといえる。そのため、リミッタ処理をした場合でも
白抜けが生じ易く、(イ)のように枠線の片側に偏って
内側に大きな白抜けが発生する場合がある。一方、地肌
濃度変動閾値を大きい値に設定した場合は、(ウ)のよ
うに白抜けはまず発生しないが、枠線内側の濃度が原稿
よりも高くなってしまい、解像度が悪く線が太ったよう
に見えてしまう。
【0035】そこで、1ラインごとに閾値を切り換え、
奇数番目のラインでは(イ)で使用した閾値、偶数番目
のラインでは(ウ)で使用した閾値を選択することによ
り、いわば両者の中庸をとったものが(エ)である。こ
のようにすることで、白抜けが2ライン連続で発生する
可能性は非常に低くなる。例えば画像をプリンタ出力す
る場合の出力画像密度を600dpiとしたとき、白抜
けは目視で確認できない状態まで抑制することができ
る。もし1ラインの白抜けが発生してしまったとして
も、隣接するラインで地肌が正しく検出され白抜けが発
生しなければ、中間調処理で用いられる所謂、万線スク
リーン方式のような形状になり、目視上、白抜けにはな
らない、という原理である。また、色地上文字の解像度
に関しては、(イ)よりは劣るものの、(ウ)よりは良
い。白抜けのレベルと色地上文字の解像度を総合的に判
断して、本発明である(エ)が最良であると言える。
【0036】因みに、ラインごとの閾値の切り換えは、
本実施例では1ラインごととしたが、これに限定される
ものではなく、複数ラインごとに周期的に切り換える方
法も出力画像密度が高い場合には有効になる場合もあ
る。また、ラインごとにランダムに切り換えれば、副走
査方向の周期的な固定した空間周波数成分を持つ画像ノ
イズを目につき難くできる、という利点も加わる。
【0037】なお、本実施形態ではYIQ空間でエッジ
強調処理を行う場合を示したが、RGB空間でエッジ強
調処理を行う場合にも適用可能である。但し、その場
合、RGB夫々の信号に関して地肌濃度を検出し、リミ
ッタをかける必要がある。本実施形態のようにYIQ空
間でエッジ強調処理を行えば、輝度信号Yに関してのみ
地肌濃度を検出しリミッタをかければ良く、そのことに
よって以下の2つの利点も生まれる。
【0038】(1)リミッタ処理後のカラーバランスが
崩れないため、マイナス強調部での色変わりが発生しな
い。
【0039】(2)無彩色地以外の色地の場合、例えば
地肌濃度がうまく検出されずリミッタOFFになってし
まった場合でも、色差成分が残ることから白抜けにはな
らない。
【0040】また、本実施形態では輝度・色差系信号と
してYIQを使用したが、本発明はYIQ信号に限られ
るものでなく、同じ輝度・色差系のYCrCb、あるい
はL*a*b*等の均等 知覚色空間の信号でも良いことは
言うまでもない。
【0041】以上のように、この第1の実施形態によれ
ば、エッジ強調処理が色地上黒文字周囲等のマイナス強
調の場合、色地の地肌濃度に応じてリミッタをかけるた
め、白抜けを抑制することができる。更に、地肌検出で
使用する地肌変動閾値をラインごとに切り換えることに
より、目で確認できるような白抜け発生を抑制できる。
そのとき、色地上文字の解像度低下というトレードオフ
を最小限に抑えることが可能であり、総合的に判断して
非常に効果的である。
【0042】<第2の実施形態>第1の実施形態では、
図5に示した地肌濃度検出部107からの出力結果を白
抜け抑制のための処理に利用したが、本実施形態では、
これを原稿の地肌部の汚れを除去して出力する処理であ
る地肌除去処理に利用するようにしたもので、この点を
除いて本実施形態の各部は第1の実施形態と同等に構成
されているので、異なる点のみ説明し、第1の実施形態
と重複する説明は省略する。
【0043】第1の実施形態の項で説明したように、地
肌更新決定部505では更新のON/OFF判定で条件
2:Max_Y1<th2によって地肌濃度の上限を規
定しているが、本実施形態における地肌除去処理用の地
肌濃度検出では、th2を新聞紙の地肌レベル程度の値
に設定しておく。また、網点部検出等の像域分離機能を
有する画像処理装置においては、分離結果を地肌検出の
際の判定要素に加えて、例えば網点部では地肌更新をO
FFにするといった応用も考えられる。
【0044】図10は、地肌除去処理の入力と出力の変
換特性を示したものである。地肌濃度検出結果Tを基に
地肌除去閾値THを決定し、濃度がTH以下の画像デー
タに関しては強制的に0(白画素)にして出力する。地
肌除去閾値THの決定方法は、白抜け抑制のときと同様
にリミッタ値THを、 TH=b×T(bは1.0以下の定数) ・・・(4) 等とすれば良い。
【0045】その他、特に説明しない各部は前述の第1
の実施形態と同等に構成され、同様に動作する。
【0046】このように本実施形態によれば、地肌除去
処理に使用する地肌濃度検出の際の地肌変動閾値を1ラ
インごとに切り換えているため、例えば、上質紙に新聞
原稿を切り貼りしたような原稿に地肌除去処理を施した
場合に、新聞紙の左端だけ地肌が除去されないで残って
しまう、といった不具合を低減することができる。地肌
汚れが残ってしまった場合でも、2ライン連続しないた
め、第1の実施形態と同様に万線スクリーン方式と同様
の効果があり、地肌汚れがかなり薄くなって見える。ま
た、地肌変動閾値を地肌がより検出されやすいように設
定した場合(第1の実施形態でいうth_b)、文字の
周囲だけ地肌濃度が高く検出されてしまい、地肌除去処
理の結果、文字周囲が白抜けしているように見えるとい
う不具合が考えられるが、このような現象も第1の実施
形態と同様に最小限に抑えることができる。
【0047】<第3の実施形態>図11は第3の実施形
態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。
この構成は図1と比較して分かるように第1の実施形態
に対して濃度変動閾値選択部110、ライン同期制御部
108および閾値メモリ109を省いた構成となってい
る。すなわち、この画像処理装置は、第1の信号変換部
101、第1の信号変換部101から出力されるYIQ
信号を所定ライン数格納するラインメモリ102、ライ
ンメモリからYIQ信号が入力されるエッジ強調部10
3、ラインメモリ102からY信号が入力される地肌濃
度検出部107、ラインメモリ102からY信号が、エ
ッジ強調部103と地肌濃度検出部107からそれぞれ
処理信号が入力され、この入力信号に応じてリミッタ処
理部104の作動の是非を制御するスイッチ106、エ
ッジ強調部107、地肌検出部107から信号が入力さ
れるスイッチ106によってON/OFF制御されるリ
ミッタ処理部104、エッジ強調部104からエッジ強
調されたIQ信号が、また、リミッタ処理部104から
リミッタ処理されたY信号がそれぞれ入力される第2の
信号変換部105の各構成要素を備えている。
【0048】このような各構成要素からなる本実施形態
に係る画像処理装置では、カラースキャナ等の画像入力
装置で読み込んだ画像のRGB信号に対して、第1の信
号変換部101において信号変換を行い、輝度・色差系
信号YIQに変換する。Yが輝度信号、IとQが色差信
号である。但し、信号変換部1から出力される輝度信号
Yは、Y=0のとき白で、Yの値が大きくなるほど黒に
近づくような信号とする。そして、YIQに変換された
信号を、後段のエッジ強調部103および地肌濃度検出
部107に備えて、数ライン分、ラインメモリ102に
格納する。ここでは、エッジ強調、地肌濃度検出ともに
注目画素を含むラインを挟んだ3ライン分のデータを使
用することにし、3ライン分、格納しておく。但し、ラ
インメモリからデータを読み出すとき、注目画素を含む
ラインが奇数番目のラインのときは3ラインすべて順方
向(=主走査方向)に、注目画素を含むラインが偶数番
目のラインのときは3ラインすべて逆方向(主走査方向
の逆方向)に読み出されるようにする。そして、エッジ
強調部103でYIQ夫々に、例えば図2の3×5のマ
トリクスを使用して、マトリクス演算によりエッジ強調
処理を施す。リミッタ処理部104では、前述の第1の
実施形態と同様に輝度信号Yに対して、スイッチ106
らの信号がONの場合に限り、エッジ強調処理後の信号
に対して前述の(1)式のようにして地肌濃度に応じた
リミッタをかける。リミッタ処理については前記(1)
式および条件も第1の実施形態と同様なので説明は省略
する。この第3の実施形態においても、スイッチ106
からの信号がOFFの場合はリミッタ処理をスルーとす
る。そして、第2の信号変換部105でYIQ信号から
RGB信号に変換する。
【0049】因みに、図1に示した第1の実施形態で
は、地肌濃度検出での検出方向の切り換えに伴って、エ
ッジ強調処理でも処理の方向が切り換わるような回路構
成にしたが、出力画像の画質の観点から見れば、方向の
切り換えは地肌濃度検出のみで良く、エッジ強調処理で
方向を切り換える必要性はない。地肌濃度検出結果を一
端、メモリに格納しておいて、エッジ強調処理はすべて
順方向で行っても何ら問題はない。
【0050】図12は図11におけるラインメモリ10
2の構成を示すブロック図である。ここでは、輝度信号
Yの格納用ラインメモリを示しているが、IとQの格納
用ラインメモリに関しても同様の構成で実現できる。1
ライン分のデータを溜めるラインメモリとして、FIF
O(First-in First-out)311と第1ないし第3のL
IFO(Last-in First-out)312,313,314
を使用し、Y信号が入力されたFIFO311とLIF
O312の信号をセレクタ315に入力し、セレクタ3
15において、注目画素が奇数番目のラインに属する場
合はFIFO311からの出力を、注目画素が偶数番目
のラインに属する場合はLIFO312からの出力を選
択して伝送する。セレクタ315からの出力は後段の第
2及び第3のLIFO313,314に入力され、第2
ライン及び第3ラインのデータとなる。このように回路
を構成し動作させることによって、1ラインごとにエッ
ジ強調と地肌濃度検出の方向を切り換えることができ
る。
【0051】前記スイッチ106は前述の図4に示した
構成と同一であり、同様に動作するので、説明は省略す
る。地肌濃度検出部107は図13に示すように第1の
実施形態における図5に示した構成と濃度変動閾値選択
部がない点と、th1,th2の設定の点を除いて同一
であり、同様に動作するので、重複する説明は省略す
る。なお、th1、th2の設定については、第1の実
施形態では、th1は(1)式で設定されるラインごと
に切り換わる閾値であるのに対して、第3の実施形態で
は、th1も所定の閾値であり、ラインごとに切り換わ
らない点が異なっている。また、地肌濃度検出の際に参
照する3×3画素からなるブロックも前述図6に示した
ものと同一であり、図7のように、白地→色地→白地、
といった具合に地肌濃度が変わる原稿があったときに、
地肌濃度の変わり目である“◎”の位置で正確に地肌濃
度が更新されるようにするために、主走査方向に対して
注目画素をブロックの左端に配置している。
【0052】エッジ強調がマイナス強調の場合にエッジ
強調後の信号にリミッタ処理を施すことによる白抜け除
去効果も前述の図8で示した特性となり、色地上の文字
等、エッジ部においてはマイナス強調部が白抜けとして
現れてしまのが、地肌濃度に応じたリミッタ処理によっ
て、このような白抜けの問題が解消されることも第1の
実施形態と同様である。
【0053】図14は、1ラインごとに地肌濃度検出の
方向を切り換えることによる白抜け除去効果を図で表し
たものである。(ア)は白背景上に枠線付きの色地部が
存在する原稿であり、(イ)はその原稿に対して単一方
向で地肌濃度検出を行った場合のリミッタ処理後の画
像、(ウ)は1ラインごとに方向を切り換えて地肌濃度
検出を行った場合のリミッタ処理後の画像である。
【0054】地肌濃度検出では前述したように周辺画素
の濃度変動量を利用して判定するため、スキャナMT
F、あるいはモアレ除去を目的として一般的に行われる
平滑化処理の影響から、枠線近傍の色地部は地肌濃度の
検出が困難な箇所であるといえる。そのため、リミッタ
処理をした場合でも白抜けが生じ易く、地肌濃度検出を
すべて単一方向(順方向)で行った場合、(イ)のよう
に枠線の片側に偏って内側に大きな白抜けが発生する場
合がある。一方、1ラインごとに地肌濃度検出の方向を
切り換えた場合は、(ウ)のように両側に少しずつ白抜
けが発生する。つまり、(ウ)では2ライン連続の白抜
けの発生がほぼ完全に抑えられる。このことにより、例
えば画像をプリンタ出力する場合の出力画像密度を60
0dpiとしたとき、白抜けは目視で確認できない状態
まで抑制することができる。もし1ラインの白抜けが発
生してしまったとしても、隣接するラインで地肌が正し
く検出され白抜けが発生しなければ、中間調処理で用い
られる所謂、万線スクリーン方式のような形状になり、
目視上、白抜けにはならない、という原理である。
【0055】なお、本実施形態ではYIQ空間でエッジ
強調処理を行う場合を示したが、RGB空間でエッジ強
調処理を行う場合にも適用可能である。但し、その場
合、RGB夫々の信号に関して地肌濃度を検出し、リミ
ッタをかける必要がある。本実施形態のようにYIQ空
間でエッジ強調処理を行えば、輝度信号Yに関してのみ
地肌濃度を検出しリミッタをかければ良く、そのことに
よって前述の第1の実施形態と同様の利点が生じる。
【0056】また、本実施形態では輝度・色差系信号と
してYIQを使用したが、本発明はYIQ信号に限られ
るものでなく、同じ輝度・色差系のYCrCb、あるい
はL*a*b*等の均等知覚色空間の信号でも良い。
【0057】以上のように、本実施形態によれば、エッ
ジ強調処理が色地上黒文字周囲等のマイナス強調の場
合、色地の地肌濃度に応じてリミッタをかけるため、白
抜けを抑制することができる。更に、地肌検出方向を1
ラインごとに切り換えることにより、目で確認できるよ
うな白抜けの発生が抑制でき、とりわけ白抜けが発生し
やすい無彩色地に対して非常に効果的である。
【0058】<第4の実施形態>第3の実施形態では、
図13に示した地肌濃度検出部107からの出力結果を
白抜け抑制のための処理に利用したが、本実施形態で
は、これを原稿の地肌部の汚れを除去して出力する処理
である地肌除去処理に利用する。この点を除いて本実施
形態の各部は第3の実施形態と同等に構成されているの
で、異なる点のみ説明し、第1及び第3の実施形態と重
複する説明は省略する。
【0059】第1の実施形態において説明したように、
地肌更新決定部505では更新のON/OFF判定で条
件2:Max_Y1<th2によって地肌濃度の上限を
規定しているが、本実施形態における地肌除去処理用の
地肌濃度検出では、th2を新聞紙の地肌レベル程度の
値に設定しておく。また、網点部検出等の像域分離機能
を有する画像処理装置においては、分離結果を地肌検出
の際の判定要素に加えて、例えば網点部では地肌更新を
OFFにするといった応用も考えられる。この点は、前
述の第2の実施形態と同様である。
【0060】図10は、地肌除去処理の入力と出力の変
換特性を示したものである。地肌濃度検出結果Tを基に
地肌除去閾値THを決定し、濃度がTH以下の画像デー
タに関しては強制的に0(白画素)にして出力する。地
肌除去閾値THの決定方法は、白抜け抑制のときと同様
にリミッタ値THを、前述の(4)式に基づいて、TH
=b×T(bは1.0以下の定数)等とすれば良い。
【0061】その他、特に説明しない各部は前述の第3
の実施形態を同等に構成され、同様に動作する。
【0062】以のように、本実施形態によれば、地肌除
去処理に使用する地肌濃度検出の方向を1ラインごとに
切り換えているため、例えば、上質紙に新聞原稿を切り
貼りしたような原稿に地肌除去処理を施した場合に、新
聞紙の左端だけ地肌が除去されないで残ってしまう、と
いった不具合を解消することができる。最悪の場合で
も、左右両端にかすかに地肌汚れが残る、といった程度
で抑えられ、方向性が無くなることから不自然さが少な
くなる。また、地肌汚れが残ってしまった部分も、2ラ
イン連続しないため、第3の実施形態と同様に万線スク
リーン方式と同様の効果があり、地肌汚れがかなり薄く
なって見える。
【0063】<第5の実施形態>図15は本実施形態に
係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。本実
施形態では、反射率リニアな入力画像信号RGB(Red,
Green,Blue)に対して濃度信号への変換を行い、そのう
ちのG信号を使用してエッジ検出を行うもので、RGB
信号が入力されるラインメモリ1101、ラインメモリ
からの出力が入力されるブロックメモリ1102、(t
h1,th2)及び(th3,th4)のいずれかの閾
値の組をエッジ出力に応じて選択する閾値選択回路11
03、選択回路1103で選択された閾値に応じてブロ
ックメモリ1102からの出力を3値化する3値化部1
104、3値化された画像データが入力される白画素パ
ターンマッチング部1105、黒画素パターンマッチン
グ部1106、白画素パターンマッチング部1105か
らの出力データをカウントする第1のカウンタ110
7、黒画素パターンマッチング部1106からの出力デ
ータをカウントする第2のカウンタ1108、およびア
ンド回路1109から構成されている。
【0064】上記各構成要素から構成された画像処理装
置では、まず、ラインメモリ1101に3ライン分のデ
ータを溜める。ラインメモリは図12に示した回路構成
であり、注目画素を含むラインが奇数番目のラインのと
きは3ラインすべて順方向(=主走査方向)に、注目画
素を含むラインが偶数番目のラインのときは3ラインす
べて逆方向(主走査方向の逆方向)に読み出されるよう
にする。ブロックメモリ1102では、ラインメモリ1
101から読み出したデータを更に3×3画素単位で順
次切り出す。なお、図12に示したラインメモリの構成
および動作は第3の実施形態ですでに説明したので、こ
こでは説明を省略する。
【0065】次に、3値化回路1104において、閾値
選択回路1103で選択された閾値を使用して3値化処
理を行う。閾値選択回路1103では、前画素のエッジ
検出結果を受けて、閾値th1,th2(th1<th
2)の組、あるいは、閾値th3,th4(th3<t
h4)の組を選択する。エッジが検出された場合、その
画素に続く8画素に関しては自動的に閾値th3,th
4を選択し、その他の場合はth1,th2を選択す
る。ここで、閾値th3,th4は、コントラストの低
い文字内部のエッジを高精度に検出するための閾値であ
り、閾値th1,th2に対してth1<th2<th
3<th4となるように設定されたものである。3値化
回路1104では、例えば閾値th1,th2が選択さ
れた場合、画素濃度がth1以下である場合には白画
素、th2以上である場合には黒画素、その他の場合に
は中間濃度画素と判定する。そして、その判定結果を受
けて、注目画素を中心とした3×3画素において白画素
および黒画素の連結性をパターンマッチングにより判定
する。
【0066】白画素パターンマッチング部1105で
は、図16に示した画素パターンとのマッチングを行
い、4パターンのうちマッチしたパターンの数をカウン
タ1107でカウントする。同様に、黒画素パターンマ
ッチング部1106において、図17に示した画素パタ
ーンとのマッチングを行い、マッチしたパターンの数を
カウンタ1108でカウントする。最後に、AND回路
1106では、2つのカウンタからの出力がともに一定
数以上であった場合、例えば2以上であった場合に、エ
ッジであると判定して出力する。
【0067】以上のように、本実施形態によれば、エッ
ジ検出の方向を1ラインごとに切り換えているため、文
字の左側と右側でエッジ検出精度が異なる、といったよ
うな不具合を解消することができる。また、エッジ検出
の結果は、一般的に、文字部と絵柄部の像域分離処理に
使用され、文字の解像度と絵柄の階調性の両立を図る目
的で文字と絵柄夫々に適した処理が施されるが、前述の
ように構成することにより、その際の誤分離による画像
劣化を低減することができ、高画質な画像を再生するこ
とが可能になる。
【0068】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、入力された画像データに対して所定の画像処理を
施す画像処理装置において、前記画像データに対して所
望の特徴量を検出する手段と、ラインごとに周期的にま
たはランダムに前記特徴量の検出の判定基準を切り換え
る手段とを備え、特徴量検出の判定基準をラインごとに
周期的に、または、ランダムに切り換えているので、特
徴量検出精度に起因する画像劣化を低減することができ
る。これにより、文字の解像度を大きく落とすことな
く、方向性を有する白抜けを低減することができる。
【0069】請求項2記載の発明によれば、入力された
画像データに対して所定の画像処理を施す画像処理装置
において、前記画像データに対して所望の特徴量を検出
する手段と、特徴量検出を行う際に、検出方向を1ライ
ンを最小単位として反転させる手段とを備え、ある特徴
量の検出が方向性を有する処理である場合に、検出方向
を1ラインを最小単位として切り換えるので、方向性に
起因する画像劣化をなくすことができる。
【0070】請求項3記載の発明によれば、前記特徴量
が文字エッジであり、文字エッジ検出の第1の判定基準
と第2の判定基準が設定され、前記第1の判定基準によ
り文字エッジとして検出された画素に続く一定数画素に
対してのみ、前記第2の判定基準により文字エッジ検出
を行うようにしたので、方向性を有する特徴量検出の1
つであるエッジ検出に対して検出方向の切り換えを適用
することになり、検出結果であるエッジの方向性を除去
することができる。また、エッジ検出結果を文字部と絵
柄部の像域分離処理に使用して夫々に適した処理を施す
ような画像処理装置においては、誤分離による画像劣化
の低減に大きく貢献することができる。
【0071】請求項4記載の発明によれば、特徴量が原
稿の地肌レベルであり、注目画素および周辺画素のデー
タを用いて地肌レベルを更新するかどうかの判定を行う
手段をさらに備え、前記判定を行う手段によって得られ
た判定結果に基づいて、更新された地肌レベルあるいは
前画素の地肌レベルを注目画素の地肌レベルとするの
で、地肌が所望のとおりに検出されない部分があったと
しても、それが大きな一塊の領域として発生しにくく、
画像劣化を最小限に抑えることができる。また、方向性
を有する特徴量検出の1つである地肌濃度検出に対し
て、ライン毎に検出方向の切り換えを適用するので、検
出結果である地肌濃度の方向性を除去することができ
る。
【0072】請求項5記載の発明によれば、ラインごと
に切り換える判定基準は、注目画素および周辺画素の濃
度変動量を表す閾値であり、地肌レベルを更新するかど
うかの判定に濃度変動量を用いるようにしたので、地肌
濃度検出の判定基準の一つとして、注目画素および周辺
画素の濃度変動量を用い、地肌濃度を更新するかどうか
を判定するための濃度変動量の閾値をラインごとに切り
換えるため、切り換える閾値を適当に設定することによ
って2ライン連続での地肌濃度検出エラーをなくすよう
に制御することができる。
【0073】請求項6記載の発明によれば、エッジ強調
処理手段をさらに備え、エッジ強調処理が白方向への強
調である場合に、前記地肌レベルに応じてエッジ強調処
理後の信号に対してリミッタ処理を行うようにしたの
で、言い換えれば、地肌濃度検出結果を、エッジ強調が
マイナス強調の場合にエッジ強調処理後の信号に対して
該地肌濃度に応じたリミッタをつけることによって白抜
け発生を抑制するという処理に適用するため、2ライン
連続の白抜けがほぼ発生しないように制御することがで
きる。それによって、色地部の片側だけに白抜けが発生
するという現象を低減し、目で確認できるような白抜け
を抑制することができる。
【0074】請求項7記載の発明によれば、地肌除去処
理手段をさらに備え、地肌除去処理に適用する閾値につ
いては地肌レベル基づいて決定するようにしたので、2
ライン連続して地肌汚れが残ることをほぼなくすことが
可能であり、地肌汚れの度合いをかなり低減することが
できる。それによって、切り貼り原稿の片側の端だけに
地肌汚れが残ってしまうという現象を低減することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置の
電気的構成をを示すブロック図である。
【図2】図1のエッジ強調部におけるマトリクス演算の
マトリクスの一例を示す図である。
【図3】図1のラインメモリの構成回路を示すブロック
図である。
【図4】図1のスイッチの回路構成を示すブロック図で
ある。
【図5】図1の地肌濃度検出部の詳細を示すブロック図
である。
【図6】地肌濃度検出の際に参照する3×3画素からな
るブロックを示す図である。
【図7】主走査方向の1ラインにおける原稿地肌濃度の
状態を示す図である。
【図8】エッジ強調がマイナス強調の場合にエッジ強調
後の信号にリミッタ処理を施すことによる白抜け除去効
果を示す図である。
【図9】1ラインごとに地肌濃度検出の閾値を切り換え
ることによる白抜け除去効果を示す図である。
【図10】第2の実施形態における地肌除去処理の入力
と出力の変換特性を示す特性図である。
【図11】第3の実施形態に係る画像処理装置の構成を
示すブロック図である。
【図12】図11におけるラインメモリ102の構成を
示すブロック図である。
【図13】第3の実施形態に係る地肌濃度検出部の詳細
を示すブロック図である。
【図14】1ラインごとに地肌濃度検出の方向を切り換
えることによる白抜け除去効果を示す図である。
【図15】第5の実施形態に係る画像処理装置の構成を
示すブロック図である。
【図16】図15の白画素パターンマッチング部でパタ
ーンマッチングをとる画像パターンを示す図である。
【図17】図15の黒画素パターンマッチング部でパタ
ーンマッチングをとる画像パターンを示す図である。
【符号の説明】
101 第1の信号変換器 102,1101 ラインメモリ 103 エッジ強調部 104 リミッタ処理部 105 第2の信号変換器 106 スイッチ 107 地肌濃度検出部 108 ライン同期制御部 109 閾値メモリ 110 濃度変動閾値選択部 301、302,311 FIFO 312,313,314 LIFO 315 セレクタ 401 第1の比較器 402 第2の比較器 403,1109 アンド回路 501,1102 ブロックメモリ 502 最小値検出部 503 最大値検出部 504 差分値算出部 505 地肌変更決定部 506 地肌濃度選択部 507 地肌濃度格納メモリ 1103 閾値選択回路 1104 3値化部 1105 白画素パターンマッチング部 1106 黒画素パターンマッチング部 1107,1108 カウンタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 幸二 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 5B057 CA01 CA08 CA12 CA16 CB01 CB08 CB12 CB16 CC02 CE03 CE11 DB02 DB06 DB09 DC16 DC22 5C077 MP07 MP08 NP01 PP14 PP25 PP34 PP47 PP54 PQ08 RR15 5L096 AA02 AA06 BA07 BA17 FA06 FA14 GA04 GA51

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力された画像データに対して所定の画
    像処理を施す画像処理装置において、 前記画像データに対して所望の特徴量を検出する手段
    と、 ラインごとに周期的にまたはランダムに前記特徴量の検
    出の判定基準を切り換える手段と、を備えたことを特徴
    とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】 入力された画像データに対して所定の画
    像処理を施す画像処理装置において、 前記画像データに対して所望の特徴量を検出する手段
    と、 特徴量検出を行う際に、検出方向を1ラインを最小単位
    として反転させる手段と、を備えていることを特徴とす
    る画像処理装置。
  3. 【請求項3】 前記特徴量が文字エッジであり、文字エ
    ッジ検出の第1の判定基準と第2の判定基準が設定さ
    れ、 前記第1の判定基準により文字エッジとして検出された
    画素に続く一定数の画素に対してのみ、前記第2の判定
    基準により文字エッジ検出を行うことを特徴とする請求
    項2記載の画像処理装置。
  4. 【請求項4】 前記特徴量が原稿の地肌レベルであり、
    注目画素および周辺画素のデータを用いて地肌レベルを
    更新するかどうかの判定を行う手段をさらに備え、 前記判定を行う手段によって得られた判定結果に基づい
    て、更新された地肌レベルあるいは前画素の地肌レベル
    を注目画素の地肌レベルとすることを特徴とする請求項
    1または2記載の画像処理装置。
  5. 【請求項5】 前記判定を行う手段は、地肌レベルを更
    新するかどうかの判定に濃度変動量を用い、注目画素お
    よび周辺画素の前記濃度変動量を表す閾値を前記ライン
    ごとの判定基準としたことを特徴とする請求項4記載の
    画像処理装置。
  6. 【請求項6】 エッジ強調処理手段をさらに備え、 エッジ強調処理が白方向への強調である場合に、前記地
    肌レベルに応じてエッジ強調処理後の信号に対してリミ
    ッタ処理を行うことを特徴とする請求項4または5記載
    の画像処理装置。
  7. 【請求項7】 地肌除去処理手段をさらに備え、 地肌除去処理に適用する閾値は、前記地肌レベル基づい
    て決定されることを特徴とする請求項4または5記載の
    画像処理装置。
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