JP2001196669A - 光学装置、光学装置の調整方法、およびその調整方法で実行する処理プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents
光学装置、光学装置の調整方法、およびその調整方法で実行する処理プログラムを記録した記録媒体Info
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Abstract
による振動により光学素子のパラメータに誤差が生ずる
場合でも、従来より少ない調整労力で、従来より高い機
能・高い性能が光学装置で得られるようにすることにあ
る。 【解決手段】 複数の光学素子を含む光学ユニット1を
具備する光学装置であって、調整装置5が内蔵されある
いは外部に接続されて、前記光学素子の内特定の複数光
学素子2のパラメータが前記調整装置が出力する制御信
号CSにより変更させられ、前記調整装置は前記特定の
複数光学素子のパラメータを、確率的探索手法に従っ
て、前記光学装置の機能が所定の仕様を満たすように変
更されるものであることを特徴としている。
Description
整が他の光学素子の調整結果に影響を及ぼす複数の光学
素子を含む光学ユニットと光学素子を調整する調整装置
を具備する光学装置、その調整方法、及びその調整方法
プログラムを記録した記録媒体に関し、調整される光学
ユニットを使用する光学装置としてレーザー、波面制御
器、又は望遠鏡に関する。
装置により実現される機能の状態を所定の目標値まで高
める方法として従来は、(1)熟練者による光学素子の
調整、(2)精度の高い光学素子の採用がなされてき
た。
子の調整による方法では、光学装置を設置した場所での
調整が必要であり、調整時間が長く必要であった。ま
た、熟練者であっても十分な調整結果が得られないこと
もあるとともに、光学装置の調整結果が最適なものであ
るかどうかの客観的な判断を行うことができなかった。
さらに、熟練者を必要とすることから調整コストが高い
という問題があった。
の負担をなるべく小さくするために、(2)の精度の高
い光学素子の採用がなされてきた。しかしながら、精度
の高い光学素子は一般に高価であり、安定して入手でき
ない問題もあり、光学装置の製造を困難にしていた。
コストが高く、また、熟練者による調整が必要になると
ともに調整時間が長くなるという欠点があった。
能であれば熟練者を必要とせず、有効であると考えられ
るが、(1)の調整箇所の調整において、一般的には図
2に示す如く調整箇所の光学装置の機能に与える影響が
調整箇所ごとに独立していないので、自動的な調整は非
常に困難であり、その調整には熟練者を必要としてい
た。
る場合においては、これらの調整箇所が互いに依存関係
を有する場合が多い。図2は、調整箇所と調整結果(調
整量)に調整箇所をまたがる依存関係(相関関係)があ
る場合を例示する説明図である。たとえば、1番目の調
整箇所を光学装置の機能が最適となるように調整し、次
に2番目の調整箇所を光学装置の機能がさらに最適とな
るように調整したとする。このとき、1番目の調整箇所
の調整結果は2番目の調整箇所の調整を行ったためにも
はや最適をもたらすものではなくなっており、再度調整
を行うと先ほどとは別の調整結果が最適のものとなって
いる。
を例に説明する。レーザー装置の共振器は、一般に3個
以上のミラーおよびプリズムで構成され、光路がループ
状になっている。ここで、ある1つのミラーの位置ある
いは向きを変えた場合、光路の全体が変化する。そのた
めに、ほかいずれものミラーの最適な位置および向きも
変化してしまう。このことは、調整箇所であるミラーお
よびプリズムの位置および方向のうちの一つを変化する
と、ほかいずれもの調整箇所の最適な調整結果も変わっ
てしまうことを意味する。
でない場合、調整範囲の大きさが連携する調整箇所数と
同じ次元数であるため、調整箇所の冪(べき)に比例し
て調整探索空間が広がり、組合せ爆発により、調整に非
現実的な時間を要するか、調整不可能となる場合があ
る。一例として、8ビットの設定信号で調整される調整
箇所が10カ所あり、すべてが連携している場合を考え
ると、調整の探索空間は2^80≒10^24(10の
24乗)という莫大な数の組み合わせとなり、従来の方
法では、現実的な時間での調整は不可能であった。
ー)・レーザー結晶(光学結晶)・分散素子(プリズ
ム)等の光学部品とそれらの保持部品から構成される。
これらの部品で構成されたレーザー共振器においては、
光学部品の配置がマイクロメートルの精度での設置が求
められる。ミラーに関しては、縦方向・横方向・高さ方
向・横方向反射方向、高さ方向反射方向と5つの方向の
調整が必要となる。レーザー共振器内部には、2つ以上
のミラーとその保持機構が設置されている。出力増大・
短パルス化などの機能向上をレーザー装置に施した場
合、ミラー・分散素子等の光学部品数は6個以上とな
る。それらの保持部品の調整箇所は30箇所以上の多数
となる。
いため、カーレンズ効果により非線形現象が誘起され、
レーザー出力光の出力・波長・横モードなどが変動を受
ける。従って、非線形現象により光学部品の最適配置条
件も変わってくる。パルスレーザー装置の場合、最短パ
ルス条件と最大出力条件で光学部品の最適配置が異な
る。
技術者により行われている。光学部品数が6点程度の場
合、典型的には熟練者で1週間程度、未熟練者では1月
以上の調整時間が必要である。さらに、上記の調整に於
いては、光学部品の保持部品の位置が時間と共にずれて
いくことから、レーザー装置の光出力が時間と共に変動
するため、さらに調整が困難となる。
ー装置にフィードバックすることにより、レーザー装置
の最適化がこれまでに行なわれている。光出力の情報と
しては、パワー(出力光強度)、光路の位置・方向、波
長、位相、波面、パルス幅などがある。レーザービーム
を空間的に分割してこれらの情報それぞれに対して評価
を行なった場合、多数の評価値が得られる。これらの評
価値は互いに従属であり、その相関関係は、レーザー装
置の動作条件に依存する。このような二つ以上の評価値
が存在する場合はごく一般的である。
に、光出力の情報のうちのパワー関しては励起光強度の
みの制御が行なわれ、光出力の情報のうちの光路の位置
・方向に関しては、位置/方向制御が可能であるミラー
の位置/方向のみの制御が行われている。
をおよぼす単一の光学素子を見出して、それに対してフ
ィードバック制御を行なう点にある。これらの方法で
は、単一の素子のみを最適化するのでレーザー装置全体
の最適化がなされていない。
い相関を有する場合は多く有り、この場合は、光学装置
全体の調整箇所の最適化が困難になるとともに、調整効
率が非常に悪くなるという問題点がある。
る位相の値を正確に計算すると非現実的な時間がかかっ
てしまうため、波面制御器の機能を良好な特性にするこ
とが困難であった。
象を結像面に結像するときに、凹面鏡の反射面の位置/
形状が理想的な位置/形状とずれているため像の解像度
が低下してしまう。
衝撃により構成要素の配置が変動し、装置の性能の劣化
の問題があった。
子の位置、方向、光学特性等(以下、パラメータと称す
る)の総合的な調整が必要である。
整される光学素子のパラメータが、複数の光学素子で互
いに従属した非線形な相関がある場合でも、従来必要と
された熟練者によらず自動的に、従来以下の精度の光学
素子を用いて、従来技術による場合より高い機能・高い
性能が、得られるような光学装置およびその調整方法を
提供することを目的としており、さらに、光学装置の移
動・運搬、経時変化等に起因する光学装置の機能・性能
の低下を改善する方法をも提供することを目的としてい
る。
記目的を達成するため、請求項1記載の本発明の光学装
置は、図1にその概念を示すように、複数の光学素子を
含む光学ユニットと調整装置とを具備する光学装置であ
って、前記光学素子の内の特定の複数の光学素子のパラ
メータは、前記調整装置が出力する制御信号により変更
させられ、前記調整装置は前記特定の複数の光学素子の
パラメータを、確率的探索手法に従って、前記光学装置
の機能が所定の仕様を満たすように制御信号を出力する
ものであることを特徴としている。
置の調整方法は、複数の光学素子を制御する光学装置の
調整方法において、確率的探索手法に従って制御信号を
順次出力して、前記複数の光学素子の内、特定の複数光
学素子のパラメータを変更し、光学装置の機能が所定の
仕様を満たす最適値を探索することを特徴としている。
ば、所定の機能を奏する光学装置の複数の光学素子の中
の、特定の複数の光学素子が、制御信号が示す値に応じ
て素子パラメータを変化させる光学素子で構成されてい
て、それら特定の複数の光学素子に駆動機構を介して与
えられる複数の制御信号の値を、調整装置が確率的探索
手法に従って、光学装置の機能が所定の仕様を満たすよ
うに変更するので、上記所定の機能を奏する光学素子の
パラメータの調整が必要な場合に、熟練者を必要とせず
に自動的に、その機能に関して従来技術による場合より
も高い機能・高い性能を得ることができる。しかも光学
装置の移動や運搬、さらには、経時変化に起因する光学
装置の機能・性能の低下をも改善することができる。
学装置が具える調整可能な複数の光学素子の各々のパラ
メータを引数とする関数Fで表すことができる。光学装
置の機能が所定の仕様を満たすようにすることは、関数
Fの最適解を求めることと等価である。本発明者はこの
点に注目し、光学装置の調整に、遺伝的アルゴリズムを
はじめとする確率的探索手法が適用可能なことを発見し
た。
一つであり、(1)広域探索において有効に作用し、
(2)評価関数F以外には微分値等の派生的な情報が必
要でなく、(3)しかも容易な実装性を持つ、アルゴリ
ズムである。従って、本発明においては、請求項2およ
び請求項11の記載のように、上記調整装置による複数
の制御信号の値の変更に遺伝的アルゴリズムを用いても
良い。
す場合には、遺伝的アルゴリズムの代わりに、これも確
率的探索手法の一つである焼きなまし法を用いることに
より探索効率を向上させることも可能である。従って、
本発明においては、請求項3および請求項12の記載の
ように、上記調整装置による複数の制御信号の値の変更
に焼きなまし法を用いても良い。このようにすれば、遺
伝的アルゴリズムと比較して調整によって得られる性能
は低くなるものの、調整時間を短縮することができる。
び請求項13の記載のように、調整装置が最適値を探索
する際に、前記光学装置1の複数の評価結果を重みづけ
積算する評価関数を用いることとしても良い。
び請求項14の記載のように、制御信号に基づいて光学
素子のパラメータが調整されている間のパラメータ値を
計測し、そのときの出力光の観測値と組でメモリに記憶
し、その組のなかから評価値が最も大きい組の素子パラ
メータ値を局所的な最適値としてもよい。このようにす
れば、探索効率を改善し、調整時間を大幅に短縮するこ
とができる。
は、請求項6および請求項15の記載のように、レーザ
ーであっても良い。
は、請求項7および請求項16の記載のように、可変形
ミラーを用いたものであっても良く、また、請求項8お
よび請求項17の記載のように、波面制御器であっても
良い。さらにまた、請求項9および請求項18の記載の
ように、望遠鏡であっても良い。
の調整方法における上記調整装置は、請求項19の記載
のように電子計算機で構成されていても良く、このよう
にすれば、複数の素子パラメータを光学装置の機能が所
定の仕様を満たすように確率的探索手法に従って探索す
る処理を短時間で容易かつ確実に行うことができる。
体は、請求項19記載の電子計算機が実行する複数の素
子パラメータを光学装置の機能が所定の仕様を満たすよ
うに確率的探索手法に従って探索する処理プログラムを
記録したものであることを特徴とするものである。
置、および本発明の光学装置の調整方法のために電子計
算機が実行する処理プログラムを記録し保存し得て、任
意の場所での光学装置の調整を行うことができる。
実施例によって、図面に基づき詳細に説明する。
る。すなわち、調整対象の光学装置に複数の調整箇所を
設け、該調整箇所を本発明による方法で調整することが
可能である。次の第1実施例(実施形態)では、光学装
置一般に本発明を適用した場合について述べる。
ズムといった光学素子を構成要素として複数有してい
る。また、光学装置では一般に、その構成要素である光
学素子の光学装置内における位置や方向が製造誤差、あ
るいは光学装置に与えられる振動や衝撃によって設計仕
様より大きくずれることから、光学装置の要求仕様を満
たすためには調整が必要不可欠である。
構成例である。図1中、1は所定の機能を奏する光学ユ
ニット、2は素子のパラメータを制御信号(調整信号)
CSの値に応じて変化させ得る調整可能な光学素子であ
り、3は調整を行わない光学素子である。光学素子2お
よび光学素子3は、その光学ユニット1の構成要素であ
る。4は、調整可能な光学素子2に接続する、調整可能
な光学素子2のパラメータを制御信号CSの示す値に応
じて変化させるための駆動機構である。5は、本発明の
方法に従って、光学ユニット1を調整するための調整装
置、6は、光学ユニット1(光学装置)の光出力の状態
を観測するための観測装置である。この実施例では、調
整装置5および観測装置6は光学ユニット1の外部装置
となる。
力する光(入力光)、および光学装置から出力する光
(出力光)である。
ユニット1を調整するための調整光を発生させる。この
調整光発生装置7は、調整を行わないときには停止し
て、入力光8には通常の入力光が入力される。この調整
光は、調整装置5からの信号5Tに従って発生され、光
学装置1の入力光8として光学装置1に入力される。調
節光は光の強度の波長分布および空間分布が一定である
連続光またはパルス光であり、光学装置1を調整すると
きの基準となるものである。この調整光は複数の種類の
光を切り替えることも可能であり、この場合は、信号5
Tに従って切替られるものである。
号5Tに従って調整光を発生する装置のほか、調整装置
5によらず独自に調整光を発生する装置とすることも可
能である。さらには、調整光発生装置7を省略して、調
整光の代わりに、光学装置に通常入力される入力光を調
整光とみなすことも可能である。さらにまた、入力光の
光源を光学装置に内蔵することも可能である。
3の配置、およびかかる光学素子に関する光路は、その
概念を示す例示であり、実際には光学装置の設計により
決められる。同様に、駆動機構4に入力する制御信号C
Sの数は光学素子の調整に必要なパラメータの数に対応
して決められる。
い光学素子3は、ミラー、レンズ、光学フィルター、プ
リズム、回折格子、偏光素子、電気光学素子、音響光学
素子、光学結晶(レーザー結晶)、スリット、および上
記それらの光学素子の複合で構成される光学素子、等で
あり、光学ユニット1の構成要素として機能する。すな
わち、光学装置において、調整可能な光学素子2および
調整を行わない光学素子3は、光学ユニット1で取り扱
う光の光路に設置され、その光を、別方向に反射、集
光、光路の分割/合成、波長による選別、減衰、波長に
よる光路の分別、偏光による光の選別、変調、波長変換
等を行う。
発明の方法で調整がなされる光学素子であり、調整を行
わない光学素子3は、本発明の方法による調整が行われ
ない光学素子であっても、ほかの方法、たとえば光学装
置を組み立てた直後の粗調整など従来手法による調整を
行うようにしても良い。
タ)とは、光学ユニット1内における光学素子2の位
置、方向、光学特性であり、位置では、たとえば、直交
座標系X軸、Y軸、Z軸のそれぞれの方向の変位量x、
y、z、であり、方向では、たとえば、X軸を中心とし
た回転の量θx、Y軸を中心とした回転の量θy、Z軸
を中心とした回転の量θzである。かかる光学特性と
は、たとえば、反射率、透過率、吸収係数、増幅係数、
波長変換効率、屈折率、偏光特性(リターデーショ
ン)、伝達特性(位相、光強度、横モード等)、分配
比、変調率、および上記それらの波長特性、集光条件
(焦点の形状、収差)、コヒーレンス、光路条件であ
る。
ように調整される光学素子2と調整されない光学素子3
から構成されており、この実施例では、調整される光学
素子2のパラメータを製造後あるいは光学装置の移動等
で振動や衝撃が与えられた後に微調整することにより、
光学装置の特性が要求仕様を満たすようにする。しかし
ながらこの光学装置は、図2に例示したように、ある光
学素子2のある一つのパラメータの調整が他のほとんど
すべてのパラメータの調整結果に影響を及ぼすような光
学装置であるので、多くの場合、調整探索空間が組み合
わせ爆発を起こしてしまう。それゆえ、本発明に基づく
遺伝的アルゴリズムを用いた後述する調整手法が非常に
有効である。
の仕様を満たすように光学素子2のパラメータが調整さ
れる。調整装置5の1構成例を図3に示す。図中、5R
はデータを保持するレジスタ、5RGは調整箇所の数の
レジスタ5Rを備えたレジスタ群である。5Aは本発明
の方法に従って調整手順を実行する調整アルゴルゴリズ
ム実行装置、5Fは光学装置の機能の評価値を計算する
評価関数器である。図中、4は駆動機構で、4Cは比較
回路,4Dは光学素子のパラメータを変更する駆動機構
4を駆動するモータ駆動回路である(後で説明す
る。)。
4は、図3に示す調整装置5内のレジスタ5Rに保持さ
れているデジタル値に対応する制御信号CSに従って、
調整される調整素子2のパラメータを変更する。該制御
信号CSは、レジスタ5Rのデータに一対一に対応した
アナログ信号あるいはデジタル信号である。ここにおけ
るレジスタ5Rは、光学素子2の調整箇所の総数と一致
した個数だけ設けられる。レジスタ5Rは、保持したデ
ジタル値を駆動機構に出力するとともに、調整装置5内
の調整アルゴリズム実行装置5Aにより、保持している
値を変更され得る。
遺伝的アルゴリズムに従って、複数のレジスタ5Rの保
持値として最適な値を探索する。なお、調整装置5は、
パーソナルコンピュータあるいはマイクロコンピュータ
等の読み取り可能な記録媒体/記録媒体の読みだし装置
を具備した電子計算機により構成することが可能であ
り、また、特開平9−294069号公報に公開されて
いるプログラマブルLSI、あるいは、梶谷らによる論
文「GAによるニューラルネットワークの構造学習回路
の実現」(日本神経回路学会誌vol.5、No.4、
pp.145〜153、1998年)に記載されている
回路を用いて構成することもできる。
ルゴリズム実行装置5Aおよび評価関数器5Fの機能を
実現するプログラムがハードディスク、ROM(読みだ
し専用メモリ)、光ディスク、光磁気ディスク、フレキ
シブルディスク、磁気ディスク、フラッシュメモリ、強
誘電体を利用したメモリ、磁性体を利用したMRAM、
バックアップ機能をもつ半導体メモリ、等の記録媒体に
格納されている。同様に、後述の駆動機構制御装置5C
の機能も電子計算機上で実現でき、このための調整方法
に係るプログラム(調整を行うプログラム)が同様に上
記の記録媒体に格納されている。
ットワークを経由して伝送・配信されるものであっても
よい。
1)の出力光を入力されて、その入力光を分析し、電気
的な信号に変換した後、調整装置5に引き渡す。調整装
置5は、評価関数器5Fによって調整光に対応する光学
装置1の出力がどの程度理想的であるかの評価値を計算
する。その評価値は、調整装置5内の調整アルゴリズム
実行装置5Aに引き渡される。調整アルゴリズム実行装
置5Aは、後述するように本発明の方法で最適な調整結
果を探索する。
がそれぞれ一ずつであるが、本発明では、光学装置1の
入力光8および出力光9の光路数は、複数の場合を含む
任意の場合で可能であり、また、例えば、励起光源を内
蔵したレーザーのように入力光8を有しない場合でも可
能である。また、双方向に光を取り扱う光学装置の場合
でも可能である。なお、この場合には、信号の方向に応
じて入力光8と出力光9が変わるので、調整光発生器7
と観測装置6の接続を切り替えて本発明の調整を実施す
る。
は光学装置1の本来の出力光のみならず、光学装置の内
部(光学ユニット1)から取り出しても良い。
箇所の総数が複数であり、図2に例示するように、光学
素子2の調整箇所において、ある調整箇所の調整が他の
すべての調整箇所の調整結果に影響を及ぼすものであっ
て、調整探索空間の組み合わせ爆発を起こす場合に、本
発明は特に有効である。
調整信号に従って駆動機構4により調整される光学素子
2、レジスタ群5RGを有する調整装置5により調整さ
れることを大きな特徴としている。以下に本実施例の光
学装置の動作説明を行う。
ルター、プリズム、導波路型光学素子(光ファイバー、
導波路型変調器、光ファイバーグレーティング)、半導
体光部品(半導体ミラー、半導体吸収変調器)、回折格
子、偏光素子、電気光学素子、音響光学素子、光学結晶
(レーザー結晶)、スリット、および上記それらの光学
素子の複合で構成される光学素子、等であり、調整装置
5から出力される制御信号CSに対応して駆動機構4に
よりその位置、方向、光学特性のパラメータを変化させ
得る光学素子である。
調整箇所の個数が複数であることを特徴としている。調
整箇所が複数である場合はたとえ光学素子2の数が1で
あってもよい。光学素子2が複数の場合は、同一種類の
光学素子であるか否かを問わない。また通常は、駆動機
構4の数は光学素子2の調整箇所の同数である。ただ
し、駆動機構の一部、たとえば、モータに電流を流すた
めの回路などは一体化してもよい。
メータを変化させるものである。可変するパラメータは
上述のように、任意の座標系における位置、方向、光学
特性であり、ある1つの調整箇所の変更、すなわち、あ
る1つの駆動機構4の動作により変化するパラメータの
数は1とは限らない。以下に駆動装置4の構成例を示
す。
2の駆動機構4の一構成例を図4に示す。図4中、40
1は該駆動機構の基台である。402は駆動され並進の
動きをするステージであり、基台401上を一方向に動
くことができるようにレールが設けられている(図示し
ていない。)。該ステージ402には光学素子2が取り
付けられている。403は雄ねじ、404は基台401
に固定された雌ねじである。405は雄ねじ403を回
転するためのモータ、406は雄ねじ403の回転した
量(回転角)を検出するためのポテンショメータであ
る。407はバネであり、雄ねじ403と雌ねじ404
の間の隙間により位置の不確定さが生じることを防ぎ、
また、雄ねじ403の移動量とステージ402の移動量
が同じとなるように機能する。
り雄ねじ403が回転し、雌ねじ404が基台401に
固定されていることから、雄ねじ403はその中心軸の
方向に移動する。この移動量は雄ねじ403の回転角に
比例した大きさである。雄ねじ403が一回転(回転角
が360度)のとき、該移動量は雄ねじ403のねじ山
のピッチに等しくなる。ステージ402は、雄ねじ40
2と同じ移動を行う。
タの示す回転角の信号(PS)を入力されて、制御信号
CSに対応する回転角とポテンショメータの示す回転角
を比較するための比較回路である。4Dは、比較回路4
Cの出力に従ってモータ405を回転するための電流
(MD)を出力するモータ駆動回路であり、比較回路の
出力である制御信号CSに対応する回転角とポテンショ
メータの示す回転角が小さくなる方向にモータを回転す
る電流を出力する。
動機構に取り付けた光学素子2を、制御信号CSの示す
値に対応する位置となるように並進移動させる。すなわ
ち、該駆動機構は制御信号CSの示す値に対応して光学
ユニット1内の光学素子2のパラメータを変化させる。
駆動回路4Dを、調整装置5内に組み込むことも可能で
ある。図5はこの一構成例を示している。図5中の5C
は、駆動機構制御装置で、ポテンショメータ406から
の信号が入力されて図4の比較回路4Cおよびモータ駆
動回路4Dと同じ機能を行う。ここで、図3と同じ参照
符号のものは同じもの若しくは相当するものであること
を表している。
果を利用するピエゾモータを使用してもよい。また、モ
ータ405をステッピングモータとした場合、ステッピ
ングモータに流す電流の状態に対応してモータの回転角
度が制御できることから、ポテンショメータ406およ
び比較回路4Cを省略する事が可能である。この場合、
モータ駆動回路4Dは、制御信号CSが入力される。
には、上記の図4の構成の駆動機構4を2段に重ねて使
用すればよい。すなわち、2段に重ねた駆動機構のう
ち、下の段のステージ402と上の段の基台401を互
いに固定するか、あるいは一体の構成とすればよい。こ
のとき、下の段のステージ402と上の段の基台401
の向きの関係は、平行であっても垂直であってもよい。
さらには、任意の一定の角度であってもよい。
を行うには、上述の二方向の並進の移動の場合と同様
に、上記の図4の構成の駆動機構4を3段に重ねて使用
すればよい。すなわち、3段に重ねた駆動機構4のう
ち、下の段のステージ402と中央の段の基台401を
互いに固定するか、あるいは一体の構成とすればよく、
中央の段のステージ402と上の段の基台401を互い
に固定するか、あるいは一体の構成とすればよい。この
とき、それぞれの段の基台401及びステージ402の
向きの関係は、同様に平行であっても垂直であってもよ
く、任意の一定の角度であってもよい。
機構4の一構成例を図6に示す。図6中、401は該駆
動機構の基台である。402は駆動され並進の動きをす
るステージであり、410で示す支点を中心に回転す
る。該ステージ402に光学素子2が取り付けられる。
403は雄ねじ、404は基台401に固定された雌ね
じである。405は雄ねじ403を回転するためのモー
タ、406は雄ねじ403の回転した量(回転角)を検
出するためのポテンショメータである。407はバネで
あり、雄ねじ403と雌ねじ404の間の隙間により位
置の不確定さが生じることを防ぎ、また、雄ねじ403
の移動量と一対一対応したステージ402の回転量が得
られるように機能する。
り雄ねじ403が回転し、雌ねじ404が基台401に
固定されていることから、雄ねじ403はその中心軸の
方向に移動する。この移動量は雄ねじ403の回転角に
比例した大きさである。雄ねじ403が一回転(回転角
が360度)のとき、該移動量は雄ねじ403のねじ山
のピッチに等しくなる。4Cは、制御信号CSに対応す
る回転角とポテンショメータの示す回転角を比較するた
めの比較回路である。
タ405を回転するための電流を出力するモータ駆動回
路であり、比較回路の出力である制御信号CSに対応す
る回転角とポテンショメータの示す回転角が小さくなる
方向にモータを回転する電流を出力する。雄ねじ403
の移動によりステージ402が支点410を中心とする
回転を行う。以上の動作によって、該駆動機構は、該駆
動機構に取り付けた光学素子2を、制御信号CSの示す
値に対応する方向となるように回転させる。すなわち、
該駆動機構は制御信号CSの示す値に対応して該光学装
置2のパラメータを変化させる。
果を利用するピエゾモータを使用してもよい。また、モ
ータ405をステッピングモータとした場合、ステッピ
ングモータに流す電流の状態に対応してモータの回転角
度が制御できることから、ポテンショメータ406およ
び比較回路4Cを省略することが可能である。この場
合、モータ駆動回路4Dには、制御信号CSが入力され
る。
は、上記の図6の構成の駆動機構を2組使用すればよ
い。さらには、支点410、バネ407を共通にして、
図7に示す構成とすることも可能である。図7におい
て、403a、403bは2つの軸に対応した回転を得
るための雄ねじであり、410は共通の支点、407は
共通のバネである。図7において、雄ねじ403a、4
03bの移動に必要なほかの構成要素の記載を省略して
ある。雄ねじ403a、403bがそれぞれ独立して制
御信号CSに対応した位置に移動を行い、2軸の独立し
た回転が得られる。
は、上述の二軸の回転の場合と同様に、上記の図6の構
成の駆動機構を3組使用すればよい。
が並進の移動と回転の複合である場合には、上述の並進
の移動の場合の構成例と、回転の場合の構成例を組み合
わせることで構成できる。
り扱う光の波面の制御が可能である。可変形ミラーの光
学素子2およびその駆動機構4の一構成例を図8および
図9に示す。図8は、この可変形ミラーの構成例の断面
を示す図であり、図9は、この可変形ミラーの構成例の
電極配置を示す平面図である。
す値に対応して変形するミラー、202はミラーの支持
構造、203は複数個の電極である。4AMは制御信号
CSの値に応じて電圧を出力する増幅器である。本構成
例では、1つの可変形ミラーなる光学素子2と複数の駆
動機構4が一体の構成となっている。
でできており、便宜上接地電位であるとする。複数の電
極203は、該ミラー201に対向し、かつ、近接して
等距離に設置されている。このとき、電極203に電圧
を印加すると、静電引力により電極203に近接した部
分のミラー201が引き寄せられる。その結果、該ミラ
ー201は変形する。ここで、電極203および増幅器
4AMは駆動機構4として機能する。
の電極に印加される電圧に応じてそれぞれの電極近傍の
ミラーが引き寄せられることになる。このとき、ミラー
201の変形の自由度は電極203の数と同じである。
電極203は、図9に示す如く配置される。上記の構成
例では、一つの可変形ミラーの電極の数、ミラー201
の変形の自由度、調整箇所の数はともに37である。
制御信号CSと同数のパラメータを有し、それと同数の
自由度で変形する。ここで、ある電極203に対応する
場所のミラー201の変形量は、該電極203に隣接す
る電極203の電圧により大きく影響される。そのた
め、複数の調整されるパラメータは、図2に示す如く該
パラメータの調整結果に相互に影響を及ぼす。
0にその断面を示す。図10中、4PZはピエゾ素子、
204は絶縁体の支持構造である。このほか図8の場合
と同様のものに同じ符号を付している。電極203の配
置は図9に示す構成例と同様である。
器4AMで増幅され、該制御信号CSに対応した電圧が
ピエゾ素子に印加される。これにより、ピエゾ素子が機
械的に変形し、ミラー201が変形する。従って、上記
の構成例と同様に、ミラーの形状を制御信号CSの示す
値に応じて可変できる。この構成例では、ミラー201
がピエゾ素子4PZ、電極203、および支持構造20
4により機械的に固定されているので、外部からの振動
による影響を低減したい場合に有効である。
して、図10におけるピエゾ素子4PZを、ピエゾ素子
と機械的に変位を生ずる駆動機構の複合としても良い。
該駆動機構には、たとえば図4で示した駆動機構を用い
ることができる。この場合、ミラーの形状の大きな変位
を該駆動機構で生じせしめ、変位の微調整をピエゾ素子
により行うことで、大きな変位を高い精度で得ることが
できる。
は、吸収係数である場合の光学素子の一構成例を、図1
1に示す。図11中、210は半導体接合素子、211
は入力光、212は出力光、213は電極、4AMは増
幅器であり、本発明における駆動機構4に対応する。制
御信号CSが増幅器4AMに入力され、その制御信号C
Sに対応した電圧が、電極213より、半導体接合素子
210の逆バイアス電圧として該半導体接合素子に印加
される。このとき、半導体接合素子210内部の物性値
が変化し、光の透過率、あるいは、吸収係数が変化す
る。
合は、図11の構成で半導体接合素子210の光路と垂
直の面の一つに反射膜を形成した構成が可能である。こ
の場合、入射光と反射光の光路は同一となり、制御信号
CSの示す値によって反射率が変化する。
場合の光学素子の一構成例を、図12に示す。図12
中、220は液晶、221は偏光子、222は位相調整
器である。このほか、図11と同様の構成要素に同じ符
号を付している。液晶220は電圧の印加により複屈折
率が変化する。液晶220は、液晶の代わりに複屈折を
有する電気光学結晶としても良い。位相調整器222
は、たとえば1/2波長板もしくは1/4波長板であ
る。この構成例も上記の透過率を可変する場合と同様に
して、制御信号CSに対応した電圧が、液晶220に印
加され、液晶の複屈折率が変化し、該光学素子を伝達す
る光の偏光特性(リターデーション)が変化する。
/光強度)である場合の光学素子の一構成例を、図13
に示す。図13中、230は電気光学結晶、231は分
波器、232は合波器、233はミラー、221は偏光
子である。このほか、図11と同様の構成要素に同じ符
号を付している。電気光学結晶230は液晶などでもよ
い。分波器および合波器はたとえば偏光ビームスプリッ
タである。入力光211は分波器231で2分され、一
方の光は電気光学結晶230により制御電圧の示す値に
応じて位相が変化する。この光と分波器231からの光
が合波器232で合成される。このとき、制御信号CS
に対応して該光学素子の出力光の光強度が変化する。
合の光学素子の一構成例を、図14に示す。図14中、
230は偏光を制御する電気光学結晶、231は分波器
であり、たとえば、偏光ビームスプリッタである。22
1は偏光子である。212a、212bは二つに分配さ
れる出力光である。このほか、図11と同様のものには
同じ参照符号を付している。上記の光学素子と同様に、
入力光211は、電気光学結晶230により制御電圧の
示す値に応じて偏光の状態が変化する。この光は分波器
231で偏光の状態に応じて分配される。その結果、制
御信号CSに対応して該光学素子の分配比が変化する。
合の光学素子の一構成例を、図15に示す。図15中、
4VAは電気信号の利得可変増幅器、230は電気光学
結晶である。このほか、図11と同様の構成要素に同じ
符号を付している。入力光211は、電気光学結晶23
0において変調信号により変調される。このとき、利得
可変増幅器4VAの利得を制御信号CSで可変すること
により、制御信号CSに対応して該光学素子の変調率が
変化する。
の波長依存性(波長特性)である場合の光学素子の一構
成例を、図16に示す。図16中、250は複数の制御
信号CSによりその透過特性が制御される液晶パネル、
251は回折素子、252はレンズである。回折素子2
51はたとえば回折格子もしくはプリズムである。入力
光211は、回折素子251およびレンズ252によっ
て波長別に光路が振り分けられる。そして、液晶パネル
250は複数の制御信号CSの示す値に応じて複数の光
路の振幅・位相特性が変化する。その結果波長ごとに光
の振幅・位相が変化する。そしてレンズ252および回
折素子251により波長別であった光路が一つの光路に
合成される。その結果、複数の制御信号CSに対応して
該光学素子の振幅・位相特性の波長依存性が変化する。
の光学特性をもっぱら電気的に可変するものであるが、
光学素子2がその光学特性を光学的に可変する場合も可
能である。
的に可変するものには、波長変換結晶、光増幅媒体、光
変調器、光スイッチング素子がある。波長変換結晶は、
光学結晶であり、分極振動の非線形性に基づく非線形光
学現象を利用したものである。光増幅媒体には、レーザ
ー結晶、有機色素、半導体、光増幅導波路がある。
移を起こすことが可能なエネルギー準位)の反転分布を
形成し、誘導放出を利用して光を増幅する。有機色素は
有機色素中にレーザー準位の反転分布を形成し、誘導放
出を利用して光を増幅する。光増幅導波路は、エルビウ
ムなどのレーザ準位を有する元素を導波路に添加したも
のであり、たとえば、エルビウム添加光ファイバーであ
る。
的に可変するものは、音響光学素子であり、たとえば、
光学素子の光路に設置される媒質に超音波を印加して、
この超音波の定在波による媒質の物性値の変化により光
学素子の光学特性を変化させるものである。
2の複合であるものであってもよい。
明の調整方法の第1実施例について説明する。
で、図1に示すように、光学ユニット1、調整装置5、
観測装置6および調整光発生装置7がその光学装置にそ
れぞれ配置される。調整光発生装置7は、光学装置に調
整光8aを入力し、調整装置5は、図17に示す処理手
順に従って、レジスタ群5RGのレジスタ値の設定を行
う。
人手により粗調整を行い光学装置を動作させ、そのとき
の各光学素子の素子パラメータ値を計測しその値を初期
設定値としてレジスタ5Rに書き込んでレジスタ値とし
て保持させ、次のステップS2で、調整光発生装置7が
調整光を出力して、その調整光に対し光学装置を動作さ
せ、次のステップS3で、その光学装置の光出力を観測
装置6が観測してその結果を調整装置5に送り、次のス
テップS4で、調整装置5が、送られてきた観測値を使
用して、光学装置の性能が、所定の仕様を満たす許容範
囲にあるか否かを判定する。
S5で、調整装置5が、レジスタ群5RGが保持してい
るレジスタ値を変更し、次のステップS6で、駆動機構
4が停止するまで一定時間待機し、次のステップS7
で、終了条件(具体的には後述する。)をみたしたか否
かを判断し、終了条件をみたしていればステップS8で
不良品処理を行った後に当該処理を終了するが、終了条
件をみたしていなければステップS2へ戻る、という一
連の処理が繰り返し実行される。そして上記ステップS
4で、光学装置の性能が所定の仕様を満たすものとなっ
たとの判定が得られた場合には、当該処理を終了する。
する方法については、いくつかの方法を使用することが
でき、以下にその例を示す。すなわち、第1の方法は、
想定されるレジスタ値の範囲におけるすべての組み合わ
せについて、適当な順序で順次設定値を切り替えていく
方法であり、第2の方法は、乱数的に設定値を発生させ
る方法である。そして第3の方法は、人手による粗調整
結果を初期設定値とし、その初期設定値から+方向と−
方向に設定値を変化させる方法である。
光学素子2の数が少なく、レジスタ値の組み合わせ爆発
を生じない場合は、第1、第2の方法を用いることがで
きる。しかし、本実施例は、調整される光学素子2の数
が多く、調整される素子パラメータの調整探索空間にお
いて組み合わせ爆発の発生が想定される場合であるの
で、第3の方法を使用する。このとき、遺伝的アルゴリ
ズムと呼ばれる方法を使用する。以下では、遺伝的アル
ゴリズムを用いた光学装置の調整方法について説明す
る。
は、例えば、出版社ADDISON-WESLEYPUBLISHING COMPAN
Y, INC. が1989年に出版した、David E. Goldberg 著の
「Genetic Algorithms in Search, Optimization, and
Machine Learing 」がある。なお、本発明でいう遺伝的
アルゴリズムとは、進化的計算手法のことをいい、進化
的戦術(Evolution Strategy: ES)の手法も含むもので
ある。進化的戦術の参考文献としては、例えば、出版社
John Wiley & Sons が1995年に出版した、H. P. Sc
hwefel 著の「Evolution and Optimum Seeking」があ
る。
値を引数とする評価関数Fで表すことができる。光学装
置の性能が所定の仕様を満たすようにすることは、評価
関数Fを最適にするパラメータ値を求めることと等価で
ある。本発明者はこの点に着目し、光学装置の調整に上
記の遺伝的アルゴリズムを適用可能なことを発見した。
調整装置5は、この遺伝的アルゴリズムにしたがってレ
ジスタ群5RGのレジスタ値を変更する。
つ仮想的な生物の集団を設定し、あらかじめ定めた環境
に適応している個体が、その適応度の高さに応じて生存
し、子孫を残す確率が増えるようにする。そして、遺伝
的操作と呼ばれる手順で親の遺伝子を子に継承させる。
このような世代交代を実行し、遺伝子および生物集団を
進化させることにより、高い適応度を持つ個体が生物集
団の大勢を占めるようになる。そしてその際の遺伝的操
作としては、実際の生物の生殖においても生じる、遺伝
子の交叉、および突然変異等が用いられる。
略手順を示すフローチャートであり、ここでは、初めに
ステップS11で、個体の染色体を決定する。すなわ
ち、世代交代の際に親の個体から子孫の個体に、どのよ
うな内容のデータをどのような形式で伝えるかを定め
る。図19に染色体を例示する。ここでは、対象とする
最適化問題の変数ベクトルxを、M個の記号Ai(i=
1、2、・・M)の列で表わすことにし、これをM個の
遺伝子座からなる染色体とみなす。各記号Aiは遺伝子
であり、これらのとりうる値が対立遺伝子である。図1
9中、Chは染色体、Gsは遺伝子座を示し、遺伝子座
の個数Mは5である。対立遺伝子としては、ある整数の
組、ある範囲の実数値、単なる記号の列などを問題に応
じて定める。図19の例では、a〜eのアルファベット
が対立遺伝子である。このようにして記号化された遺伝
子の集合が個体の染色体である。
境にどの程度適応しているかを表わす適応度の計算方法
を決定する。その際、対象とする最適化問題の評価関数
の値がより高い変数あるいはより低い変数ほど、それに
対応する個体の適応度が高くなるように設計する。また
その後に行う世代交代では、適応度の高い個体ほど、生
き残る確率あるいは子孫を作る確率が他の適応度の低い
個体よりも高くなるようにする。逆に、適応度の低い個
体は、環境にうまく適応していない個体とみなして、消
滅させる。これは、進化論における自然淘汰の原理を反
映したものである。すなわち適応度は、生存の可能性と
いう面から見て各個体がどの程度優れているかを表わす
尺度となる。
いては、対象とする問題は一般にまったくのブラックボ
ックスであり、どのような個体が望ましいかはまったく
不明である。このため通常、初期の生物集団は乱数を用
いてランダムに発生させる。従ってここにおける手順で
も、ステップS12で処理を開始した後のステップS1
3では、初期の生物集団は乱数を用いてランダムに発生
させる。なお、探索空間に対して何らかの予備知識があ
る場合は、評価値が高いと思われる部分を中心にして生
物集団を発生させるなどの処理を行うこともある。ここ
で、発生させる個体の総数を、集団の個体数という。
体の適応度を、先にステップS11で決めた計算方法に
基づいて計算する。各個体について適応度が求まった
ら、次にステップS15で、次の世代の個体の基となる
個体を集団から選択淘汰する。しかしながら選択淘汰を
行うだけでは、現時点で最も高い適応度を持つ個体が生
物集団中に占める割合が高くなるだけで、新しい探索点
が生じないことになる。このため、次に述べる交叉と突
然変異と呼ばれる操作を行う。
淘汰によって生成された次世代の個体の中から、所定の
発生頻度で二つの個体のペアをランダムに選択し、染色
体を組み変えて子の染色体を作る(交叉)。ここで、交
叉が発生する確率を、交叉率と呼ぶ。交叉によって生成
された子孫の個体は、親にあたる個体のそれぞれから形
質を継承した個体である。この交叉の処理によって、個
体の染色体の多様性が高まり進化が生じる。
体の遺伝子を一定の確率で変化させる(突然変異)。こ
こで、突然変異が発生する確率を突然変異率と呼ぶ。遺
伝子の内容が低い確率で書き換えられるという現象は、
実際の生物の遺伝子においても見られる現象である。た
だし、突然変異率を大きくしすぎると、交叉による親の
形質の遺伝の特徴が失われ、探索空間中をランダムに探
索することと同様になるので注意を必要とする。
れ、ここでは次に、ステップS18で、生成された次世
代の生物集団が探索を終了するための評価基準を満たし
ているか否かを調べる。この評価基準は、問題に依存す
るが、代表的なものとして次のようなものがある。 ・生物集団中の最大の適応度が、あるしきい値より大き
くなった。 ・生物集団全体の平均の適応度が、あるしきい値より大
きくなった。 ・生物集団の適応度の増加率が、あるしきい値以下の世
代が一定の期間以上続いた。 ・世代交代の回数が、あらかじめ定めた回数に到達し
た。
が満たされた場合は、ステップS19へ進んで探索を終
了し、その時点での生物集団中で最も適応度の高い個体
を、求める最適化問題の解とする。終了条件が満たされ
ない場合は、ステップS14の各個体の適応度の計算の
処理に戻って探索を続ける。このような世代交代の繰り
返しによって、集団の個体数を一定に保ちつつ、個体の
適応度を高めることが出来る。以上が遺伝的アルゴリズ
ムの概略である。
は、実際のプログラミングの詳細を規定しない緩やかな
ものとなっており、個々の問題に対する詳細なアルゴリ
ズムを規定するものではない。このため、遺伝的アルゴ
リズムを本実施例の光学装置の調整に用いるには、以下
の項目を光学装置の調整用に実現する必要がある。 (a) 染色体の表現方法 (b) 個体の評価関数 (c) 選択淘汰方法 (d) 交叉方法 (e) 突然変異方法 (f) 探索終了条件
リズムを用いた調整装置5の処理手順を示すフローチャ
ートである。なお、この図20の処理は、図17のステ
ップS3〜ステップS5の処理を具体的に示すものであ
る。本実施例は、遺伝的アルゴリズムの染色体として、
レジスタ5のレジスタ値を直接用いることを大きな特徴
としており、これにより、染色体の情報をレジスタ値に
変換するための処理等を不要とすることができる。
る。この図は、図4および図6に示した駆動装置を調整
する場合の例であり、レジスタ5Rは、+4.32、−
15.67、+3.47、−9.71等の値を保持して
いる。これらの値を直列に接続したものが染色体であ
り、この例の場合、染色体中の各遺伝子が+4.32、
−15.67、+3.47、−9.71等の値をとるこ
とになる。レジスタ5Rの値は駆動機構4内のポテンシ
ョメータ406の値に対応しているので、ポテンショメ
ータ406の値がレジスタ5Rで指示された値になるよ
うに光学素子2が制御される。ポテンショメータ406
の値と素子パラメータの値は一対一に対応するので、遺
伝的アルゴリズムの遺伝子の値と素子パラメータの値は
一対一に対応することになる。
ズムの個体の評価関数Fとしては、個体の染色体が表現
するレジスタ値で光学ユニットを設定したのち動作さ
せ、観測装置6によって観測された光出力が理想的な出
力にどのくらい近いかを表す関数を用いる。
17のステップS1で遺伝的アルゴリズムの初期集団と
して、一様乱数を用いて個体を複数作成する。つまりこ
の場合には、初期集団の各染色体の各遺伝子の値は上限
値と下限値のあいだのランダムな実数値をとることを意
味する。但し、素子パラメータの誤差の傾向について何
らかの予備知識が存在する場合には、より適応度が高い
と思われる個体を初期集団として作成することができ
る。
ら、評価関数器5Fにより上記評価関数を用いて適応度
を計算する。その後調整アルゴリズム実行装置5Aによ
り、光学装置1の性能が所定の仕様を満たす許容範囲に
あるか否かをステップS23で判定し、許容範囲に無い
場合には、ステップS24の選択淘汰、ステップS25
の交叉、ステップS26の突然変異およびステップ2
7、ステップS28の局所学習の処理(後述する。)を
行って、次世代の個体の集団(解の候補の集団)を作り
出す。
装置の性能が所定の仕様を満たしたときに、調整処理は
終了するが、一定世代数繰り返して調整処理をおこなっ
ても仕様を満たす染色体(レジスタ値)が得られない場
合には、調整対象の光学装置は不良品と判断され、図1
7のステップS8で不良品としての処理を行う。なお、
所定の仕様にたとえば出力光強度等の評価値をできるだ
け増大もしくは減少せよ、という指示がある場合には、
ステップS23で調整処理を終了する条件としては、世
代数が一定数をこえたか否かという条件を用い、不良品
処理は行わない。
ては、図22のフローチャートに示す方法を用いる。こ
の方法は、まずステップS31およびステップS32
で、集団中からランダムにふたつの個体A、Bを選び、
次いでステップS33〜ステップS35で、そのふたつ
の個体A、Bのうち、より適応度の値が大きいほうの個
体を次世代に生き残らせる個体とする。そして生き残っ
た個体の数が集団の個体数に達するまで、ステップS3
6からステップS31へ戻ってその操作をくり返す。こ
の方法では、適応度の大きい個体が次の世代の個体とし
て選ばれる可能性が高いが、個体A、Bをランダムに選
択しているため適応度が低い個体でも次世代の個体とし
て選ばれる可能性が残されることになる。このようにす
るのは、適応度が高い個体だけ残すと、集団の収束性が
高まり、局所的な最適解にとらわれて調整に失敗しやす
くなるためである。
3の説明図に示す方法を用いる。これは染色体をランダ
ムな位置で部分的に入れ替える操作であり、1点交叉と
呼ばれる手法である。図23では、Ch1およびCh2
が選択淘汰の結果生き残った親A、Bの染色体であり、
ここにおける交叉処理では、これらの染色体を、ランダ
ムに選んだ交叉位置CPで切断する。図23の例では、
左から2番目の遺伝子と3番目の遺伝子の間を交叉位置
としている。そして、切断した部分的な遺伝子型を入れ
替えることによって、染色体Ch3およびCh4をそれ
ぞれ持つ子A'、子B' を生成し、これらをもとの個体
A、Bと置き換える。
する上記ステップS26の突然変異は、各染色体の遺伝
子にガウス分布N(0、σ)に従って発生させた正規乱
数を加算する操作とした。図24に突然変異の例を示
す。この図では、染色体Ch5に対して、ガウス分布に
従って発生させた正規乱数Nが加算されて染色体Ch6
に変更されている。
ち、得られた染色体の値をレジスタ群5RGに書き込
む。その後、駆動機構制御装置5Cが、素子パラメータ
の値がレジスタ値に対応した値になるように駆動機構4
を制御する。駆動機構制御装置5Cがない場合は、駆動
装置内にある比較器4Cおよびモータ駆動回路4Dが素
子パラメータがレジスタ値に対応した値になるように制
御を行う。この制御には、観測装置6が出力光の状態を
観測するのに要する時間と比較して、一般的に10から
100倍の時間を要する。
測装置6を動作させ、その観測値をもちいて効率的に探
索を行う調整方法を発明した。その方法を局所学習と呼
ぶことにし、ステップS27、ステップS28で実行す
る。局所学習を行う場合は、図5に示した調整装置5を
用いる。なお、観測装置6が出力光の状態を観測するの
に要する時間が、素子パラメータを制御するのに必要な
時間と比較して大きい場合は、この局所学習はおこなわ
ずにステップS27のみを行う。
25の説明図に示す方法を用いる。この方法は、まず図
20のステップS27に対応する図25のステップS4
1でレジスタ値を変更し、図5の駆動機構制御装置5C
を動作させ、ステップS42で観測装置6により光学装
置の出力光を観測し、それと同時に駆動機構制御装置5
Cが素子パラメータの値をステップS43で計測する。
ステップS44では、駆動機構制御装置5Cおよび評価
関数器5FがステップS42とステップS43で得られ
た出力光の観測値と素子パラメータの値を調整アルゴリ
ズム実行装置5Aに送り、調整アルゴリズム実行装置5
Aがそれらを組としてメモリ5Mに保存する。
制御装置5Cで素子パラメータの値がレジスタ値に対応
した値になったと判定されるまで、上記ステップS42
〜ステップS44を繰り返す。ステップS46では、素
子パラメータの値がレジスタ値に対応した値になったと
判定されたのち、調整アルゴリズム実行装置5Aにおい
て、メモリ5Mに保存された出力光の観測値と素子パラ
メータの値の組のうち、もっとも評価関数Fの値が大き
くなる組、すなわち局所的な最適解、を選び出す。最後
にステップS47において、ステップS46で選び出さ
れた組の素子パラメータ値を用いて、それに対応するレ
ジスタ値を求めその値で染色体を書き換える。
子パラメータが2個の場合の動作例を、図26を用いて
説明する。まず、上記ステップS41でレジスタ値を変
更する前の素子パラメータの値が(XS,YS)であっ
たとする。そして、ステップS41で変更したレジスタ
値に対応する素子パラメータの値が(XE,YE)であ
るとする。このとき、ステップS42からステップS4
5のループにおいて、素子パラメータの値は、(XS,
YS)から(XE,YE)へと駆動機構制御装置5Cに
よって徐々に変化させられる。そのときに、ステップS
44により、変更途中の素子パラメータの値と、その値
に対応する観測結果の組が複数個メモリに保存される。
保存された上記素子パラメータ値と観測値の組のうち、
観測結果より算出される評価関数Fの値(適応度)がも
っとも大きくなる組を選び出す。この例の場合は、素子
パラメータが(XM,YM)のときに評価関数値が最大
のFMをとるので、ステップS46で(XM,YM)の
組が選ばれる。最後にステップS47で、染色体の値
が、素子パラメータ(XM,YM)に対応する値に書き
かえられる。
合は、素子パラメータが(XS,YS)のときと(X
E,YE)のときの二通りしか探索(観測)を行わない
ので、評価関数値をFMにする素子パラメータ(XM,
YM)を発見することはできない。しかしながら、局所
学習を行う場合は、素子パラメータ変更中にも観測をお
こなうので、(XS,YS)(XM,YM)以外の複数
個の素子パラメータ値(おおむね10から100個程
度)において探索を行っているので、(XM,YM)を
発見することができる。さらに、この(XM,YM)に
対応したレジスタ値で染色体が書き換えられるので、探
索効率が大幅に改善される。
は、複数の光学素子に、素子パラメータを変更可能な素
子2を使用し、それらの光学素子2の素子パラメータを
光学装置の性能が好適となるように探索する。従って、
熟練者による手動の調整および精度の高い光学素子を必
要とすることなく、また、精度の高い駆動装置を必要す
ることなく、光学装置を所定の仕様を満たすように自動
的に調整することができる。このことは、従来技術によ
る場合より少ない労力で、従来技術による場合より高性
能が得られることを意味する。
変形例について説明する。先の実施例では、調整される
光学素子2が光学装置内に実装される一方、調整装置5
および観測装置6は外部装置として光学ユニット1に脱
着可能に接続される。しかしながら本発明では、調整装
置5や観測装置6に相当する機能を調整手段手段として
光学ユニット1に組み込んだ装置にしてもよい。
す。ここでは光学装置1A内に光学ユニット1、調整装
置5および観測装置6に相当する機能が組み込まれてい
る。
装置1Aの入力光8および出力光9の光路部分に、ミラ
ーを利用した切換スイッチ13が設置されている。この
切換スイッチ13は、図示例のように光学装置1A内に
設けられていても良いが、光学装置1A外に設けても良
い。ここで、切換スイッチ13を操作すると、光学ユニ
ット1の出力光が観測装置6に入力されるとともに、調
整装置5、調整光発生装置7が動作を開始し、設定値の
調整を行う。設定が終了したら、切換スイッチ13の操
作で、光学ユニット1の出力光を本来の出力光路側に切
り替える。なお、この例では、仕様を満たす解(レジス
タ値)が得られない場合に警告表示をする表示器14が
設けられている。
1Aの調整だけでなく、ユーザが光学装置1Aを組み込
んだ製品を購入した後、ユーザ自身が光学装置1Aの調
整を随時行うこともできる。これにより、光学装置1A
を移動運搬した場合や、光学装置1Aが置かれた環境の
温度その他が変化した場合等に、光学装置の性能特性に
変化が生じても、その変化を補償することができ、ひい
ては、光学素子の素子パラメータのずれによる光学装置
の機能・性能の低下を改善することができるというメリ
ットがある。なお、切換スイッチ13は手動に限らず、
光学装置1Aの起動時に自動切換するように構成するこ
ともできる。
の梶谷らによる論文記載の遺伝的アルゴリズム実行回路
等を用いることにより、小型化にも適している。
ーが随時調整可能であるから、光学素子のホルダーや光
学ユニット1の基台(光学定盤)の剛性が従来のものよ
り低い物であってもよい。その結果、光学ユニット1の
大幅な軽量化、小型化、ひいてはコストの低減というさ
らなる効果が得られる。
ての超短パルスレーザー装置(発生する光パルスの幅が
フェムト秒領域から10ピコ秒であるレーザー装置)の
一構成例を示す。図28は、本発明の光学装置の第2実
施例としての超短パルスレーザー装置を例示する構成図
である。
ルスのパルス幅がフェムト秒領域と非常に短く、かつ、
光パルスの強度の尖頭値(ピーク値)が非常に大きいと
いう特徴があり、それゆえ、超高速サンプリング測定技
術に代表される計測技術のみならず、光通信技術、医療
技術、加工技術においても超短パルスレーザー装置は高
い有用性がある。
学結晶、共振器(キャビティー)を構成する複数のミラ
ーおよびプリズムなどの光学素子を該レーザー装置の主
要な構成要素としている。そして、超短パルスレーザの
機能には、発生する光パルスの強度ができるだけ高く、
パルス幅ができるだけ短く、光パルスの強度のピーク値
ができるだけ大きく、さらにまた、必要な励起光の強度
がなるべく小さいという特性が望まれる。
では、製造工程における加工・組立精度の限界、移動・
運搬時の振動や衝撃、設計上の誤差等に起因する該光学
素子の位置や方向(パラメータ)の誤差のために、光学
素子の作用が完全ではなくなり、その結果、光パルスの
強度が低下し、パルス幅が長くなり、光パルスの強度の
ピーク値が低下し、必要な励起光の強度が高くなるとい
った機能の低下が起きてしまう。
レーザー装置を構成する光学素子のうちの複数の光学素
子のパラメータを可変にし、該レーザの機能が高くなる
ように遺伝的アルゴリズムを用いて調整を行う。図28
は、この第2実施例の超短パルスレーザー装置の構成を
示しており、この超短パルスレーザー装置(以下、「レ
ーザー装置」と称する)1Lは、第1実施例における光
学ユニット1に該当する。なお、図1に使用されたと同
様のものにはそれと同一の参照符号を付している。
た超短パルスレーザー装置の一構成例であり、この実施
例においては、調整装置5および観測装置6は外部装置
となる。レーザー装置1Lにおいて2M1から2M4
は、制御信号CSが示す値に応じてパラメータを変化さ
せる光学素子としての、パラメータを変化させ得るミラ
ー、2P1および2P2は、これも制御信号CSが示す
値に応じてパラメータを変化させる光学素子としての、
パラメータを変化させ得るプリズムである。3M1およ
び3M2は、本発明による方法での調整を行わない光学
素子としてのミラー、3Cはこれも本発明による方法で
の調整を行わない光学素子としての光学結晶(レーザー
結晶)である。
光源(励起光源)であり、励起光源7PBは実施例1
(図1)における調整光発生装置に対応しており、調整
対象の光学装置すなわちレーザ装置1Lに内蔵された構
成である。そして、光学結晶3C、およびミラー2M1
から2M4の部分は、光が2M1と2M4の間を往復す
るため共振器(キャビティー)を構成する。この共振器
を2Rとする。この共振器2Rが後述するように本発明
の方法により調整される。
駆動機構4は、保持回路としてのレジスタ5Rに保持さ
れているデジタル値に対応する電気的信号を、制御信号
CSとして、光学素子である2M1から2M2、および
2P1、2P2、に供給する。ここで、駆動機構4およ
びレジスタ5Rは、調整箇所の数(図28の構成では1
4)だけ設けられる。
ら図7に示す構成が利用できる。それぞれの調整箇所の
パラメータは、レジスタ5Rの32ビットのデータに応
じてポテンショメータ406の示す値が該データに対応
した値となるようにモータ405が回転し、光学素子2
の位置あるいは方向が変化する。
起光であり、9はレーザー装置1Lの出力光である。6
はレーザー装置1Lの出力光9を観測して、光強度、パ
ルス強度、あるいはパルス強度に関連した量(たとえ
ば、レーザーパルス光により化合物半導体中に2光子吸
収により誘起される電流値)、等、あるいはそれらの組
み合わせを演算した結果を出力するものである。
リズムに従って、第1実施例に詳述したと同様の方法
で、複数のレジスタ5Rの保持値として最適な値を探索
する。
該ミラーに入射する光の一部を反射し、その反射した光
の残りを透過する。上記ミラー2M2は、凹面のミラー
であり、凹面の側に入射する光の一部を反射して集光す
る。また、裏面から入射する光の一部を透過する。上記
ミラー2M3は、凹面のミラーであり、凹面の側に入射
する光を反射して集光する。上記ミラー2M4は平面の
ミラーであり、該ミラーに入射する光の一部を反射す
る。上記プリズム2P1および2P2は、光の屈折作用
により光の波長に依存する角度で光路を折り曲げる。ミ
ラー2M1から2M2、およびプリズム2P1、2P2
は駆動機構4により位置および方向が制御され得る図4
ないし図7のステージ402に設置される。
であり、該ミラーに入射する光を反射する。上記光学結
晶3Cは、チタンを添加したサファイアの結晶であり、
入射光のエネルギーを吸収し蓄積して、誘導放出現象に
より光の増幅を行う。かかるミラーおよび光学結晶はレ
ーザ1を組み立てる際に適切な光路が得られるように位
置や方向の調整を行うこともあるが、本実施例において
は、本発明の調整方法による調整を行わなくてもよい。
リズム2P1および2P2は、本発明の方法で調整され
る光学素子であり、制御信号CSの示す値のよって光学
素子のパラメータ、すなわち、位置および方向、あるい
は方向が変化する。それにより、共振器2Rの特性が変
化し、レーザの特性が変化する。
ついて図を用いて説明する。図29は光学素子を便宜上
平板で表したものであり、21はかかる調整される光学
素子である。ここで、光学素子21の基準となる軸を便
宜上X軸とし、次のように定義する。すなわち、光学素
子21がミラーである場合はミラーの中心を通り面に垂
直の線、光学素子21が凹面のミラーである場合は凹面
のミラーの中心と焦点を結ぶ線、光学素子21がプリズ
ムである場合はプリズム中の平均的な光路の中心である
線、をX軸とする。また、光学素子21の別の軸を便宜
上Y軸とし、次のように定義する。すなわち、光学素子
21がプリズムである場合、入射光の光路と出射光の光
路の作る面上で該X軸と垂直の線、光学素子21がミラ
ーあるいは凹面のミラーである場合X軸と垂直である任
意の1つの線、をY軸とする。さらにまた、該X軸と該
Y軸に垂直である線をZ軸と定義する。X軸、Y軸、お
よびZ軸の符号の向き(正の方向)の定義は任意であ
る。ここで、光学素子21が駆動機構4により位置を変
えるとき、X軸方向の移動量をx、Y軸方向の移動量を
y、Z軸方向の移動量をzとする。
21を駆動機構4によりY軸に平行なある直線を軸とし
て角度θyだけ回転させるとき、便宜上Y軸方向の回転
と呼ぶ。同様に、Z軸に平行なある直線を軸として角度
θzだけ回転させるとき、便宜上Z軸方向の回転と呼
ぶ。
図7で示した方法を適用して駆動機構4により光学素子
21の位置および/あるいは方向を変化できる。調整さ
れる光学素子のそれぞれについて、調整される内容およ
びパラメータを表1に示す。
び該光学装置の構成は、具体的にはたとえば次の構成で
ある。ミラー2M1および2M4は、それぞれ、図7に
示す構成の駆動機構のステージ402に取りつけた構成
である。ミラー2M2および2M3は、それぞれ、図4
に示す構成および図7に示す構成の組み合わせが適用さ
れ、図4中のステージが図7で不図示の基台とした駆動
機構の構成であり、該ミラーを図7のステージ402に
取りつけた構成である。プリズム2P1および2P2
は、それぞれ、図4に示す構成のおよび図6に示す構成
の組み合わせが適用され、図4中のステージが図6中の
基台401とした駆動機構の構成であり、該プリズムを
図6のステージ402に取りつけた構成である。
トリウムバナジウム(YVO4)の結晶をもちいて波長
が530nmの連続した光を発生するレーザー装置であ
る。
M1および3M2を経由して、その光の一部がミラー2
M2を透過して光学結晶3Cに照射される。光学結晶3
Cにおいては、その照射された光のエネルギーを吸収し
蓄積して、その照射された光と異なる波長の光RLをミ
ラー2M2の方向およびミラー2M3の方向に放出す
る。ミラーM1からM4、プリズムP1、P2、光学結
晶3Cからなる共振器2Rにおいては、光路の長さで決
まる時間周期で該光RLが共振器の両端であるミラー2
M1と2M4の間を往復する。この光の往復によりレー
ザー発振が得られる。ミラー2M1は、光の一部を透過
することから、出力光9が得られる。
ザー装置の設計上の位置および方向と完全に一致するこ
とが理想的であり、このとき、レーザー装置の特性が良
好(たとえば、該レーザー装置の出力光の強度が高く、
パスル幅が短く、パルスのピーク強度が高く、必要な励
起光の強度が低い状態)となる。
スレーザー装置では、製造工程における加工・組立精度
の限界、移動・運搬時の振動や衝撃、設計上の誤差等に
起因する該光学素子の位置や方向(パラメータ)の誤差
のために、光学素子の作用が完全ではなくなり、その結
果、レーザー装置の性能が低下してしまう。
は、共振器2Rの構成要素であるミラー2M1から2M
4およびプリズム2P1、2P2の位置や方向(パラメ
ータ)を調整することにより、レーザー装置の性能が高
い状態、すなわち、光パルスの強度が高く、パルス幅が
短く、強度のピーク値が高く、必要な励起光の強度が低
くなるようにする。
装置1Lに適用される、本発明の第2実施例の調整方法
を述べる。ここでは、便宜上、レーザー装置に望まれる
性能として光パルスの強度が高いということを例に説明
する。
は、次のとおりである。 (1) 励起光のパワーが3W時に 出力光の平均パワー
が250mW以上 (2) 出力光の平均パワーはできるだけ大きいこと
学素子2M1〜2M4および2P1、2P2の素子パラ
メータを引数とする評価関数Fで表すことができる。レ
ーザー装置1Lの性能がなるべく高いようにすること
は、評価関数Fを最適にするパラメータ値を求めること
と等価である。
が6個と多く、調整される素子パラメータの数が14個
となり組み合わせ爆発の発生が想定される場合であるの
で、調整装置5は、評価関数Fを用い、遺伝的アルゴリ
ズムに従ってレジスタ群5RGの値を変更する。
例の場合と同様、図17および図20に示すフローチャ
ートに従って行われる。本実施例は、遺伝的アルゴリズ
ムの染色体として、レジスタ群5RGの値を直接用いる
ことを大きな特徴とする。これにより、染色体の情報を
レジスタ値に変換するための処理等が不要になる。
21に示すように、14個の素子パラメータ値に対応す
る14個のレジスタ5Rのレジスタ値から構成されてい
る。そして各素子パラメータに対応する各レジスタ5R
は、32ビットの浮動小数点値とされている。それゆ
え、レジスタ長(=染色体長)は、448ビットであ
る。従って、上記実施例の光学装置1の調整探索空間の
大きさは、2^448≒10^135(10の135
乗)であり、全探索による調整はいうまでもなく不可能
である。
期設定時の人手による粗調整の精度に依存し、粗調整後
に必要となる光学素子2の移動量、回転量に応じて決め
られる移動範囲、回転範囲に応じて定める。このレジス
タ値の上限値および下限値は、調整装置5による調整が
進むにつれて、下限値と上限値の幅が狭くなるようにし
てもよい。また、調整装置5による調整過程で得られる
レジスタ値が上限値あるいは下限値と等しくなる場合が
頻発する場合には、調整途中であっても下限値と上限値
の幅を広くしてもよい。 なお本実施例では、各レジス
タ値の上限値を初期設定値から+32.0、下限値を−
32.0とした。
ズムの個体の評価関数Fとしては、個体の染色体が表現
するレジスタ値でレーザー装置1Lを設定したのち動作
させ、観測装置によって観測された光出力が理想的な出
力にどのくらい近いかを表す関数を用いる。具体的に
は、本実施例の実験例では観測装置としてパワーメータ
を用い、その観測されたパワーの平均値を個体の適応度
とした。
より大きな平均パワーを出力すればするほど理想的であ
ると定めている。例えば、ある染色体が表現するレジス
タ値で設定した光学装置の光出力のパワーが、6.8m
Wであったとすると、その場合の評価関数Fの値は、
6.8になる。
17のステップS1で遺伝的アルゴリズムの初期集団と
して、一様乱数を用いて個体を複数作成する。つまりこ
の場合には、初期集団の各染色体の各遺伝子の値は上限
値と下限値のあいだのランダムな実数値をとることを意
味する。本実施例では、集団の個体数は50とした。
レーザー装置1Lを動作させ、ステップS3における観
測装置6での観測結果を使用して、ステップS4におい
て調整装置5で、上記評価関数により適応度を計算す
る。その後、順次に、ステップS24で選択淘汰、ステ
ップS25で交叉、ステップS26で突然変異、ステッ
プS28で局所学習の処理を行ない、次世代の個体の集
団(解の候補の集団)を作り出す。本実施例では、全個
体数のうちの交叉を行う個体数の割合である交叉率は
0.5とし、突然変異のさいに加算する正規乱数のガウ
ス分布のσは3.2を用いた。
能が前述したような所定の仕様を満たすかどうかが判断
され、所定の仕様を満たしたときに、調整処理は終了す
る。また、一定世代数繰り返して調整処理をおこなって
も、仕様を満たす染色体(レジスタ値)が得られない場
合は、調整対象のレーザー装置1Lは不良品と判断さ
れ、ステップS8で不良品としての処理を行う。なお、
本実施例では、繰り返しを打ち切る世代数は30とし
た。
(具体的にはその光学装置1内の光共振器2R)に本実
施例の遺伝的アルゴリズムを用いた調整方法を適用した
場合の実験結果について示す。この実験では、調整光に
はパワー3.0W、波長530nmのYVO4レーザー
光を用い、透過率2.0%の平面カプラを透過した出力
光をパワーメータで観測する。かかるパワーメータは観
測装置6に対応し、その観測結果はレーザー装置1Lの
出力光の平均強度に比例しており、この値を評価関数値
として用いた。
4.37mWしか得られなかったパワーメータにおける
パワーが、レーザー装置に対し本実施例の遺伝的アルゴ
リズムを用いた方法で調整を行ったところ、9.96m
W(実際の光出力は9.96/2.0%=498mW)
のパワーを得たので、前述の仕様をみたすことができ
た。図30に、実験中の世代中の最良個体の評価関数値
Fと世代の関係を示す。遺伝的アルゴリズムの世代が進
むにつれて、レーザー出力光のパワー値が増加し、評価
値が改善されていることがわかる。例えば、9.96m
Wのパワーを得るには、従来技術によれば、熟練者であ
っても1週間以上の長時間を要するか、そのような性能
が最終的に得られないが、本発明の方法によれば、自動
的に短時間(この実験では約3時間)で従来よりも遥か
に良好な結果が得られた。従って、この実験により、本
実施例の調整方法の有効性が確認出来た。
1Lでは、複数の光学素子に、素子パラメータを変更可
能な素子3M1〜4、3P1、3P2を使用し、それら
の光学素子3の素子パラメータをレーザー装置1Lの性
能が好適となるように探索する。従って、熟練者による
手動の調整および精度の高い光学素子を必要とすること
なく、また、駆動精度の高い駆動装置を必要することな
く、レーザー装置1Lを所定の仕様を満たすように自動
的に調整することができる。このことは、従来技術によ
る場合より少ないコストおよび労力で、従来技術による
場合より高性能が得られることを意味する。
置1Lを移動・運搬したり、経時変化や温度変化等によ
って素子パラメータの値が最適値からずれた場合でも自
動的に、従来技術による場合より少ないコストおよび労
力で、従来技術による場合より高性能に調整することが
できる。
2Rがプリズムを有する場合には、素子パラメータ同士
の非線形な相関がプリズムを有しない場合に比べて強い
ので、特に好適である。
できる。 (1)調整を行う際に観測装置6で測定するレーザー装
置1Lの出力光の測定項目を、光パルスの強度の1種類
だけでなく、光パルスのパルス幅、光パルスの強度のピ
ーク値、さらには、光パルスのスペクトルの幅、光パル
スのスペクトルの対称性、光パルスの安定性、光パルス
の雑音成分の量等のうちの幾つかを用いて要求仕様に応
じて測定項目を多種類としても良く、このようにすれ
ば、多様な要求仕様に対応でき、さらにまた調整精度を
向上させることができる。 (2)上記の実施例では、ミラーM1からM4、プリズ
ムP1、P2のパラメータを可変としたが、さらにミラ
ー3M1、3M2のパラメータを可変としても良い。 (3)レーザー装置1Lの出力光の光路上にパラメータ
を可変可能な可変形ミラーを用いた波面制御器を設け、
後述する第4実施例の方法により、併せてその波面制御
器を調整すれは、さらに高い特性を得ることができる。
には、たとえば、次の(1)式ような評価関数を用いる
ことができる。 F=Σwi|Xi−Ai| ・・・・(1) fitness=1/(1+F) ただし、iは測定項目である。
iについての加重係数、Xiは測定項目iについての観
測結果の値、Aiは測定項目iについての理想的な値で
ある。fitnessは遺伝的アルゴリズムにおける適
応度である。該測定項目は、たとえば、出力光の平均の
強度、光パルスのパルス幅、光パルスの強度のピーク
値、光パルスのスペクトルの幅、光パルスのスペクトル
の対称性、光パルスの安定性、光パルスの雑音成分の
量、等であり、測定項目は光学装置の機能(光学装置に
求められる光学装置の機能/動作であって設計により定
まるもの)が所定の仕様(光学装置の必要とされる機
能、動作、特性などを項目ごとに列挙したものであり、
その項目は数値で示されるもののほか、できるだけ大き
い/小さい、できるだけ高い/低いというような項目で
あってもよい)を満たすかどうかを評価するために必要
十分な項目であると好適である。
5RGの初期設定値からレジスタ値を変更する方法につ
いては遺伝的アルゴリズムを用いた。しかしながら、遺
伝的アルゴリズムにおける適応度、つまり、レジスタ設
定値が理想的な解にどのくらい近いかを表す評価関数F
において、局所的な最適解の個数が少ない場合(おおむ
ね一桁の個数)には、焼きなまし法とよばれるアルゴリ
ズムを遺伝的アルゴリズムの代わりに用いることができ
る。また、局所的な最適解の個数が多い場合でも、遺伝
的アルゴリズムと比較して調整の結果得られる性能は低
下するが高速に探索することができる。
EY & SONS が1989年に出版した、E.Aarts and J. Korst
著の「Simulated Annealing and Boltzmann Machine
s」を参照されたい。焼きなまし法は、山登り法の一種
であり、温度と呼ばれる制御パラメータによって、局所
的な最適解に探索が捕らわれないような工夫を加えたも
のである。
装置およびその調整方法では、図28に示すように、先
の第2実施例と同様の構成において、調整装置5で、こ
の焼きなまし法にしたがってレジスタ群5RGの値を変
更する。本実施例では特に、焼きなまし法における解の
候補として、レジスタ群5RGの値を直接用いることを
大きな特徴とする。このようにすれば、第2実施例と同
様に、解候補の情報をレジスタ値に変換するための処理
等を不要とすることができる。ここではまた、解候補が
理想的な解にどのくらい近いかを表す評価関数Fを用意
する。
置1Lを動作させ、図31に示すように、ステップS5
1における観測装置5での観測結果を使用して、ステッ
プS52において調整装置5で、上記評価関数Fにより
解候補の評価関数値を計算する。その後、ステップS5
4において、この評価関数値が、前ループにおける評価
関数値と比較して値が改善されたか否かを判断する。
レジスタ値を次のレジスタ候補値とし、ステップS57
へ進んで、そのレジスタ候補値に対し、その候補値の一
部を変化させる操作を施す。この操作は遷移と呼ばれ
る。本実施例では、焼きなまし法の遷移として、図24
で説明した遺伝的アルゴリズムにおける突然変異方法と
同一の方法を用いる。
かった場合は、ステップS55で、受容関数と呼ばれ
る、値域が0以上1以下である後述の関数の値を計算す
る。この関数値と0〜1の間で発生させた一様乱数の実
数値とを比較して、乱数値の方が小さかった場合は、遷
移結果を受容するものとして前述のステップS57へ進
む。この場合には、評価関数の改悪方向に、探索が一時
的に行われることになる。受容関数値より乱数値の方が
大きかった場合は、ステップS56でレジスタ候補値を
前ループにおけるレジスタ値に戻した後、ステップS5
7へ進む。
(2)式で記述される。
F(k)は現ループにおける評価関数値である。また、
T(k)は温度と呼ばれるパラメータであり、温度が高
いほど受容関数値が1に近づく。つまり、温度が高いほ
ど、探索が評価関数の改悪方向に進むことになる。これ
は、探索が局所的な最適解に捕われることを避ける目的
で行われる。よって、探索の初期の段階では温度を高く
設定し、探索が進むにつれて温度を徐々に低くしていく
ことにより、最終的に真の最適解にたどりつくことが期
待される。かかる操作が、焼きなまし、またはアニーリ
ングと呼ばれている。
と光学素子2との関係が比較的単純で、レーザー装置1
Lの評価関数Fが多数の局所最適解をもたない場合に
は、遺伝的アルゴリズムと比較して効率的な探索を行う
ことができる。しかしながら、評価関数Fが多数の局所
最適解をもつ場合には、現実的な時間では局所最適解に
とらわれてしまい、遺伝的アルゴリズムほどの性能をえ
ることはできない。ただし、収束までに要する時間が短
くてすむという利点がある。
値をレジスタ値とするようにレジスタ値を変更し、ステ
ップS59で、図25で説明した遺伝的アルゴリズムで
用いた局所学習処理を行う。評価関数値が高く満足な解
が得られる(レーザー装置1Lの特性が所定の仕様を満
たす)まで上述の操作を繰り返すことにより、レーザー
装置1Lの調整を行う。
探索した場合、あるいは一定回数、または一定時間繰り
返して処理をおこなっても満足な解が得られない場合
は、調整対象のレーザー装置1Lは不良品と判断され、
不良品としての処理を行う。
(具体的にはその光学装置1内の光共振器2R)に本実
施例の焼きなまし法を用いた調整方法を適用した場合の
実験結果について示す。この実験では、実施例2の実験
条件と同様に、調整光にはパワー3.0W、波長530
nmのYVO4レーザー光を用い、透過率2.0%の平
面カプラを透過した出力光をパワーメータで観測する。
変化させる。 T(k)=0.1/(k+1)・・・・(3)
4.14mWしか得られなかったパワーメータの示すパ
ワーが、レーザー装置に対し本実施例の焼きなまし法を
用いた方法で調整を行ったところ、6.01mW(実際
の光出力は6.01/2.0%=301mW)のパワー
を得た。図32に、実験中の評価関数値Fと遷移回数の
関係を示す。遷移が進むにつれて、レーザー出力光のパ
ワー値が増加し、評価値が改善されていることがわか
る。遺伝的アルゴリズムの結果と比較すると、4.14
÷9.97×100=60.3%の性能を得ている。一
方、探索時間に関しては、遺伝的アルゴリズムの1世代
分にもみたない時間で収束している。この実験により、
本実施例の調整方法の有効性が確認出来た。
リズムと比較して得られる性能は低いものの、高速にレ
ーザー装置1Lの調整を行うことができる。本実施例
は、光学ユニットが第2の実施例に示すレーザー装置に
使用される場合を例に説明したが、言うまでもなく、光
学ユニットが第1の実施例に示されるように一般のもの
であってもよく、同様にして、遺伝的アルゴリズムと比
較して得られる性能は低いものの、高速に光学ユニット
1の調整を行うことができる。
しての波面制御器の主要構成部の一構成例を示す。波面
制御器は入力光の空間的な位相を制御するもので、位相
の空間的な不均一性を取り除いて波面(等位相面)のそ
ろった出力光を得る機能を有するものである。この波面
制御器は、半導体製造における露光装置(リソグラフィ
装置)、波長変換器、干渉計、分光計測、光増幅器な
ど、波面の正確な制御が必要とされる装置の構成要素と
して用いられる。
主要構成部の一例を示し、図33中、1Cは波面制御器
であり、この波面制御器1Cは、第1実施例における光
学ユニットの代わりに、波面制御器1Cを用いて構成さ
れている。すなわち、図1の光学装置を図33に示す波
面制御器とした図1の構成である。この実施例において
は、調整装置5および観測装置6は外部装置となる。こ
の波面制御器1C内において、2DMは入力する電気信
号の変更によりパラメータである鏡面の形状を変化させ
得る変形可能なミラー(可変形ミラー)であり、図中の
制御信号CSによってパラメータが調整される。8、9
はそれぞれ、入力光、出力光であり、波面(等位相面)
を点線で示す。
示す如く構成されており、制御信号CSの示す値に対応
して鏡面201の形状が変化する。本実施例では、その
調整箇所は37カ所である。そこで本実施例において
は、37個の制御信号CSと、該制御信号を保持するレ
ジスタ5Rが、37組用いられる。波面制御器1Cは、
可変形ミラー2DMの鏡面201の形状の変更により出
力光9の波面(位相特性)が変化する。かかる波面制御
器の具体的な構成方法は周知なので、その詳細な説明は
省略し、以下では本実施例に係わる波面制御器の動作説
明を行う。
37箇所の電極203に印加する電圧の調整により、出
力光9の波面の空間モードの特性をガウシアン状態にで
き、さらにまた、波面の空間モードにおける高次モード
を低減できる。しかしながら、ある電極203に印加す
る電圧を変えると、上記の波面の空間モードに関する調
整の最適値も変わってしまう。このため、波面制御器1
Cを特性が所定の仕様を満たすような好適な状態に調整
するには、可変形ミラー2DMの37の調整箇所を総合
的に調整する必要がある。
明の調整方法の第4実施例について説明する。この実施
例の調整方法も、基本的には先の第1実施例の調整方法
と同様である。
所に実装された後、検査工程で、調整装置5、観測装置
6および調整光発生装置7がその波面制御器1Cにそれ
ぞれ接続され、調整光発生装置7は、波面制御器1Cの
入力光8として調整光を入力する。観測装置6は、例え
ば、出力光の波面の空間モードの特性、および、波面の
空間モードにおける高次モードの観測結果を評価関数の
ための値として調整装置5に与え、調整装置5は、上記
複数の観測結果に重み付けをした評価関数を用いて評価
を行う。調整装置5は、図18に示すと同様の処理手順
に従って、波面制御器1Cの可変形ミラー2DMの調整
値の設定を行う。
(光学装置)内の光学素子に、パラメータが可変である
光学素子2DMを使用し、その光学素子の特性を、光学
装置の機能が好適となるように探索する。従って、熟練
者による手動の調整および精度の高い光学素子を必要と
することなく、また、精度の高い駆動装置を必要するこ
となく、波面制御器1Cを所定の仕様を満たすように自
動的に調整することができる。このことは、従来技術に
よる場合より少ない労力で、従来技術による場合より高
性能が得られることを意味する。
所の数を37としたが、本発明においては、いうまでも
なく該調整箇所の数を問わない。また、本実施例は、波
面制御器1Cが多数の調整箇所を有する可変形ミラーで
構成される場合に特に好適である。可変形ミラーの調整
により可能な最大変形量は、取り扱う光の波長と同程度
の長さであると効果的である。
9が集光されないことを仮定しているが、一方で、図3
4に示すように、出力光が集光される場合の変形例にも
有効である。図34は図33の出力光を集光させた場合
であり、図33と同じものに同じ参照符号を付してい
る。
場合も、上記の実施例と全く同様にして該波面制御器1
Cが調整される。この変形例では、出力光9が波長変換
結晶あるいは光増幅媒体に集光される場合に特に有効で
ある。
きるという更なる効果があり、理想的なミラーの形状を
得るための調整にも有効である。この場合の実施例を、
次の第5実施例に示す。
としての望遠鏡の一構成例を示す。図35中、1Tは光
学装置(ユニット)としての望遠鏡を示しており、この
望遠鏡1Tは、調整対象となる光学素子として、凹面の
可変形ミラー2DM2を具えている。なお、図35中、
図1に示すと同様の部分はそれと同一の符号を付してい
る。8は望遠鏡への入射光、すなわち、望遠鏡1Tで観
測する対象からの光である。CCDは望遠鏡の結像面に
設置される撮像装置である。ここでは、撮像装置CCD
固有の解像度は十分に高いと仮定する。また、撮像装置
の出力である電気信号(映像信号)が該望遠鏡の出力で
ある。調整のための観測装置6および調整装置5は望遠
鏡1Tに組込された内部装置である。
射光8を凹面鏡として機能する可変形ミラー2DM2で
反射、集光し、この集光された光が撮像装置CCDによ
り電気的な映像信号に変換される。本実施例において
は、実施例1での光出力の代わりに電気的な映像信号を
用いて評価を行い、調整を行う。このように、本発明の
光学装置の出力9としては、光のみならず電気信号など
の光以外のものであっても良い。
対象をできるだけ高い解像度で撮像することである。こ
のような特性を得るためには、上記ミラー2DM2の焦
点が一点にできるだけ集中し、結像面と撮影装置CCD
の位置が一致するように調整する必要がある。ところ
で、望遠鏡の製造誤差、望遠鏡の移動や温度変化等によ
り、理想的な結像面である設計上の撮影装置CCDの位
置と実際の撮影装置CCDの位置は完全に一致しない。
そのため、可変形ミラー2DM2の特性を望遠鏡1Cの
特性に合わせて調整する必要があり、具体的には、可変
形ミラー2DM2の個々の調整箇所における変形量を調
整する。
び実施例4の図34の場合と同様の構成が可能である。
実施例1および実施例4の場合と同様にして、本実施例
においても制御信号CSの示す値に対応してパラメータ
すなわちミラー2DM2の形状が変化する。
に示す可変形ミラーの電極203の電圧を変化させ、可
変形ミラー2DM2の形状を変化させる。これにより、
望遠鏡の結像の状態が変化し、解像度が変化する。その
結果、レジスタ群5RGのレジスタ値に応じて望遠鏡の
解像度を変化、向上させることができる。
の調整方法の第5実施例について説明する。この実施例
の方法も、基本的には先の第1実施例の調整方法と同様
である。
後、あるいは望遠鏡を使用する温度等の条件が変化した
後、調整光が入力光8として望遠鏡1Tに入力される。
この調整光は、調整光発生装置による光の代わりに、時
間による像の変化の少ない実際の観測対象であってもよ
い。調整光は、コントラストの高い像であることが望ま
しく、かつ、望遠鏡の観測対象と同等の距離から発生す
る光であることが望ましい。そこで、調整光として、既
知の細密な像、たとえば遠方に置かれた細密な市松模
様、あるいは月面からの光が用いられる。
状からずれている場合、撮像装置CCDからの出力は解
像度が低下したものとなる。そこで、調整装置5は、観
測装置6が出力する撮像装置CCDにおける像の解像
度、具体的には、たとえば映像信号の周波数スペクトル
における周波数の高い成分の割合、を評価関数で用いれ
ばよい。
得られる解像度を評価関数に用いることで調整を実行す
る。調整装置5は、第1実施例の方法の場合と同様の処
理手順に従って、可変形ミラー2DM2のパラメータの
設定を行う。
可変である光学素子(可変形ミラー2DM2)を使用
し、該ミラーの形状(光学素子2DM2のパラメータ)
を光学装置である望遠鏡の機能(特性)が好適となるよ
うに探索する。従って、本実施例によれば、望遠鏡1T
の製造工程におけるプロセスの不均一、部材の品質の不
均一、設計上の誤差、さらには、移動・運搬による振
動、温度変化、経時変化等に起因する光学素子の特性の
誤差を吸収して、望遠鏡1Tが所定の仕様を満たす機能
を有するように調整することができる。
の光学素子(可変形ミラー2DM2)を、その回路と共
働して光学装置を構成する他の要素(撮像素子CCD)
の特性(位置)を補償するように調整する場合にも有効
である。
変形ミラー2DM2の調整箇所の数を問わない。また、
本実施例は、望遠鏡を構成するミラーの寸法が非常に大
きいときにはさらに好適である。
条件が複数であってその条件毎に光学装置の最適な調整
結果が異なる場合に、各光学素子に対しレジスタ群5R
Gを複数組用意して、条件毎にレジスタ群5RGを切り
替える方法も可能である。
度により変化する場合があるので、最適な調整結果も温
度とともに変わってしまう場合がある。さらに、光学装
置の仕様(例えばレーザーの出力パルスのスペクトルの
形状)を当初のものから変えた特性が必要になる場合が
ある。
り替える場合の一構成例を示す。ここでは条件の数をk
とする。SELは、条件に応じて対応するレジスタ群5
RGを切り替える選択器、5−1〜5−kは、k個のレ
ジスタ群5RGである。ここで便宜上5−iにおけるi
をレジスタ番号と呼ぶ
えば次のようにすることができる。光学装置の温度が変
化してもその装置の特性が一定となるようにしたい場
合、温度とレジスタ番号とを対応させておき、検査工程
で、それぞれのレジスタ番号に対応する温度で本発明の
方法による調整を行い、調整結果をレジスタ群5RG−
1〜5RG−kに記憶させておく。そして光学装置を使
用する際には、選択器SELにより回路の温度を検出し
て対応するレジスタ番号を選択するようにする。
のレジスタ番号に対応する温度での調整を省略すること
も可能であり、その場合には、他の調整されたレジスタ
値から補間により推定されるレジスタ値を当該レジスタ
に記憶させておけばよい。補間の方法としては、直線近
似、スプライン関数などを使うことができる。
せて切り替えることも可能である。この場合には、仕様
条件とレジスタ番号とを対応させておき、検査工程で、
それぞれのレジスタ番号に対応する仕様条件で本発明の
方法による調整を行い、調整結果をレジスタ群5RG−
1〜5RG−kに記憶させておく。そして光学装置を使
用する際には、選択器SELにより仕様条件に対応する
レジスタ番号を選択するようにする。
いくつかのレジスタ番号に対応する仕様条件での調整を
省略することも可能であり、他の調整されたレジスタの
値から補間により推定されるレジスタ値を当該レジスタ
に記憶させておけばよい。
動機構4は、その一部を脱着可能なように構成すること
も可能である。この場合には、光学装置がこの発明によ
る方法で調整された後、駆動機構4の一部をほかの光学
装置に再利用することができる。すなわち、調整の後、
駆動機構4の可動部分であるステージ402と固定部分
である基台401を接着剤あるいはネジ等で固定可能と
し、それ以外の該駆動機構の部分を脱着可能するもので
ある。
が脱着するので、調整を完了した光学装置1において駆
動機構4の一部を省略することができ、光学装置1の軽
量化やコストの低減が可能である。
を用いる光学装置の全体、一部、あるいは複数の部分の
何れにもに適応可能であり、光学ユニットの規模を問わ
ない。
明は上述の例に限定されるものでなく、特許請求の範囲
の記載の範囲内で当業者が容易に改変し得る他の構成を
も含むものである。
調整方法を説明する概念図であり、第1実施例を例示す
る構成図である。
明する図である。
駆動機構の一例を示す構成図である。
駆動機構の一例を示す構成図である。
駆動機構の一例を示す構成図である。
変形ミラーの一例を示す構成図である。
構成図である。
可変形ミラーの別の構成例を示す構成図である。
吸収係数である本発明の光学素子および駆動機構の一例
を示す構成図である。
明の光学素子および駆動機構の一例を示す構成図であ
る。
度である本発明の光学素子および駆動機構の一例を示す
構成図である。
発明の光学素子および駆動機構の一例を示す構成図であ
る。
発明の光学素子および駆動機構の一例を示す構成図であ
る。
本発明の光学素子および駆動機構の一例を示す構成図で
ある。
の処理手順の概略を示すフローチャートである。
を示すフローチャートである。
する説明図である。
ズムを用いた処理手順を示すフローチャートである。
ズムで用いる染色体とそこから定まるレジスタ値および
素子パラメータの値とを示す説明図である。
ズムで行う選択淘汰処理の手順を示すフローチャートで
ある。
ズムで行う交叉処理の手順を示す説明図である。
ズムで行う突然変異処理の手順を示す説明図である。
ズムで行う局所学習の手順を示すフローチャートであ
る。
である。
成図である。
2実施例を例示する説明図である。
位置および方向を説明する説明図である。
装置の調整実験の結果である評価関数値と遺伝的アルゴ
リズムにおける世代数との関係を示す特性図である。
3実施例における焼きなまし法を用いた処理手順を示す
フローチャートである。
装置の調整実験の結果である評価関数値と焼きなまし法
における遷移回数との関係を示す特性図である。
4実施例の波面制御器の構成を例示する構成図である。
する構成図である。
5実施例の構成を例示する構成図である。
い得るレジスタの他の構成を示す説明図である。
Claims (20)
- 【請求項1】 複数の光学素子を含む光学ユニットと調
整装置とを具備する光学装置であって、前記光学素子の
内特定の複数光学素子のパラメータは、前記調整装置が
出力する制御信号により変更させられ、前記調整装置は
前記特定の複数光学素子のパラメータを、確率的探索手
法に従って、前記光学装置の機能が所定の仕様を満たす
ように制御信号を出力することを特徴とする光学装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の調整装置が、遺伝的アル
ゴリズムに従って制御信号の値を順次変更、探索して、
特定の複数光学素子のパラメータを変更することによ
り、光学装置の機能が所定の仕様を満たす状態となる最
適値にすることを特徴とする請求項1記載の光学装置。 - 【請求項3】 請求項1記載の調整装置が、焼きなまし
法に従って制御信号の値を順次変更、探索して、特定の
複数光学素子のパラメータを変更することにより、光学
装置の機能が所定の仕様を満たす状態となる最適値にす
ることを特徴とする請求項1記載の光学装置。 - 【請求項4】 調整装置が光学装置の機能の状態を評価
する関数として複数の評価結果を重みづけ積算する評価
関数を用いることを特徴とする請求項1ないし請求項3
記載の光学装置。 - 【請求項5】 制御信号に基づいて光学素子のパラメー
タが調整されている間のパラメータ値を計測し、そのと
きの出力光の観測値と組でメモリに記憶し、その組のな
かから評価値が最も大きい組の素子パラメータ値を局所
的な最適解とすることを特徴とする請求項1ないし請求
項4記載の光学装置。 - 【請求項6】 光学素子を含む光学ユニットがレーザー
に使用されることを特徴とする請求項1ないし請求項5
記載の光学装置。 - 【請求項7】 特定の光学素子として可変形ミラーを含
むことを特徴とする請求項1ないし請求項5記載の光学
装置。 - 【請求項8】 光学素子を含む光学ユニットが波面制御
器に使用されることを特徴とする請求項7記載の光学装
置。 - 【請求項9】 光学素子を含む光学ユニットが望遠鏡に
使用されることを特徴とする請求項7記載の光学装置。 - 【請求項10】 複数の光学素子を制御する光学装置の
調整方法において、 確率的探索手法に従って制御信号を順次出力して、前記
複数の光学素子の内、特定の複数光学素子のパラメータ
を変更し、光学装置の機能が所定の仕様を満たす最適値
を探索することを特徴とする光学装置の調整方法。 - 【請求項11】 遺伝的アルゴリズムに従って制御信号
の値を順次に変更して最適値を探索することを特徴とす
る請求項10記載の光学装置の調整方法。 - 【請求項12】 焼きなまし法に従って制御信号の値を
順次に変更して最適値を探索することを特徴とする請求
項10記載の光学装置の調整方法。 - 【請求項13】 光学装置の機能の状態を評価する関数
として複数の評価結果を重みづけ積算する評価関数を用
いることを特徴とする請求項10ないし請求項12記載
の光学装置の調整方法。 - 【請求項14】 制御信号に基づいて光学素子のパラメ
ータが調整されている間のパラメータ値を計測し、その
ときの出力光の観測値と組でメモリに記憶し、その組の
なかから評価値が最も大きい組の素子パラメータ値を局
所的な最適解とすることを特徴とする請求項10ないし
請求項13記載の光学装置の調整方法。 - 【請求項15】 レーザーに使用された光学ユニットの
光学素子のパラメータを調整することを特徴とする請求
項10ないし請求項14記載の光学装置の調整方法。 - 【請求項16】 特定の光学素子として可変形ミラーを
含む光学素子のパラメータを調整することを特徴とする
請求項10ないし請求項14記載の光学装置の調整方
法。 - 【請求項17】 波面制御器に使用された光学ユニット
の光学素子のパラメータを調整することを特徴とする請
求項16記載の光学装置の調整方法。 - 【請求項18】 望遠鏡に使用された光学ユニットの光
学素子のパラメータを調整することを特徴とする請求項
16記載の光学装置の調整方法。 - 【請求項19】 電子計算機と該電子計算機に読み取り
可能な記録媒体とを具備する調整装置により、請求項1
0ないし請求項18記載の方法の調整を行なうことを特
徴とする調整装置。 - 【請求項20】 請求項10ないし請求項18記載の調
整を行なう調整プログラムを格納したことを特徴とする
記録媒体。
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