JPH11316108A - 所定物体の光学像に基づき情報を得る装置、及び方法 - Google Patents

所定物体の光学像に基づき情報を得る装置、及び方法

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JPH11316108A
JPH11316108A JP11036549A JP3654999A JPH11316108A JP H11316108 A JPH11316108 A JP H11316108A JP 11036549 A JP11036549 A JP 11036549A JP 3654999 A JP3654999 A JP 3654999A JP H11316108 A JPH11316108 A JP H11316108A
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JP11036549A
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Inventor
Derek Kuhn Paul
ポール・デレック・クーン
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アライメント・プロセスにおける再生性の系
統誤差を特定し、較正するための手段を開発する。 【解決手段】 実際の光学像に類似した像を生じそうな
1つ以上の初期候補物体を立てる。そのような候補物体
の画像をフーリエ処理によってシミュレートまたは計算
する。その計算画像と実際の像との相関を取り、相関結
果が許容できなければ、1つ以上のより良い候補物体を
新たに立てる。このプロセスを、実際の像と最良の相関
を示す計算画像が見つかるまで繰り返す。最良相関を示
す像を生じるその候補物体が実際の物体を表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、物体を光学像と相
関付けるための技術に関し、特に、このような相関技術
を物体のアライメント、より詳しくはマイクロデバイス
製造における露光のために半導体基板のアライメントに
応用する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイス、液晶表示装置等のよう
なマイクロデバイスの製造においては、通常、感光材料
が塗布されたウェーハ(またはガラスプレート等の基
板)上のショットエリアをレチクル(またはフォトマス
ク等)上に形成されたパターンで露光装置により露光す
る。ステップ・アンド・リピート式露光システムは、露
光動作を繰り返して、レチクル上のパターン全体につい
てウェーハ上の一連のショットエリアを露光する。ステ
ップ・アンド・スキャン式露光装置は、露光光に対して
レチクル及びウェーハを走査することによりレチクル上
のパターンをウェーハ上に露光する。
【0003】半導体デバイスは、通常複数の回路パター
ン層をウェーハ上にオーバーレイする、あるいは重ね合
わせることによって製造される。これらの回路パターン
層は互いに正確に位置合わせ、すなわちアライメント
(alignment)されなければならない。従来、アライメ
ントのための基準を得るためにウェーハ上に1つ以上の
マークを形成することが行われている。順次次のレチク
ルパターンをこのようなウェーハアライメントマーク
(wafer alignment mark)と合わせることによって、次
の層の回路パターンが前の層の回路パターンと位置合わ
せされる。詳しくは、ウェーハとレチクルのアライメン
トは、まずアライメントマークを検出してそれらのマー
クの位置を測定した後、ウェーハまたはレチクルの位置
をレチクルパターンに対するアライメントマークの相対
位置に基づいて調整することにより行われる。例えば、
水谷(Mizutani)他に対して発行された米国特
許第5,601,957号には、マイクロデバイス製造
に関連してウェーハアライメントマークを利用すること
が記載されている(同米国特許は参照によって全て本願
に編入される)。
【0004】現在、ウェーハアライメントマークの位置
を検出し、測定するには、数多くの形態のアライメント
システムを利用することができる。一般に、これらのア
ライメントシステムには、アライメントマークを撮像す
る、またはアライメントマークに照射された入射光から
生じる反射光、回折光もしくは拡散光を検出する、ある
いはこれらの両方の機能を果たすための光学系が通常組
み込まれる。アライメントマークの位置は、その像か
ら、または上記のような反射光、回折光もしくは拡散光
の特性(例えば位相、強さ、干渉模様など)を測定す
る、あるいはその両方によって求めることができる。そ
して、ウェーハは、その検出されたアライメントマーク
の位置に基づいてレチクルパターンとアライメントする
ことができる。
【0005】アライメントは、いくつかの原因によって
誤差が生じる。例えば、アライメントマークの非対称性
は、適正に補正されないと、アライメントシステムがア
ライメントマークの実際の位置を読み誤る結果になり得
る。アライメントマークの非対称性の原因としては、マ
ーク形成プロセスによって生じる変形及び/または付着
物(例えば金属層、フォトレジスト層等)の存在等があ
る。非対称なアライメントマークによって生じるアライ
メント誤差は、ランダムにではなく、むしろ系統的に生
じる傾向がある。しかしながら、マークの非対称性の原
因と程度を突きとめて、別途ウェーハアライメントマー
クのアライメント時にそのような非対称性を補正できる
ようにすることは困難であろう。アライメントシステム
に関しては、光学収差及びその他の光学系の欠陥や固有
の人工的要因も、適正に補正されない場合、アライメン
ト誤差の原因になり得る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】半導体製造産業では、
オーバーレイに係る費用の縮小及び線幅の細密化に伴い
より厳密な精度のオーバーレイを得ようとする努力が続
けられるにつれて、アライメントの重要性が大きくなっ
てきた。オーバーレイの精密アライメントは高解像度半
導体製造にとって必須要件である。従って、ウェーハア
ライメント・プロセスにおける系統誤差を特定し、較正
するための手段を開発することが求められている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、物体を所与の
光像と相関付ける方法にある。本発明のこの方法は、基
板アライメントのために実際のアライメントマークの断
面形状を調べるのに効果的に利用することができる。ア
ライメントマークの幾何学的形態が明らかになったなら
ば、アライメント動作を正確に行うことができる。
【0008】本発明の物体‐像相関プロセスは、その最
も広範な態様において、通常所与の光学像に最も一致す
る候補物体を探すステップを具備する。まず、その所与
の実際の光学像に類似した像を生じそうな1つ以上の候
補物体が立てられる。次に、そのような候補物体の画像
がフーリエプロセスによってシミュレートまたは計算さ
れる。そのような計算画像と所与の実際の光学像との相
関が取られ、その相関の結果が許容可能でなければ、新
たに1つ以上のよりよい候補物体が立てられる。このプ
ロセスが、該所与の実際の光学像と最良の相関を示す計
算画像が見つかるまで繰り返される。最良相関画像を生
じる候補物体が実際の物体を表す。
【0009】この物体‐像相関プロセスは、光学的アラ
イメントシステムを使用する基板のアライメントを容易
にするために実施することが可能である。具体的には、
実際のアライメントマークの光学像に対する候補物体に
よって、該実際の光学像と相関を取ることができる画像
を得る。その実際の光学像に対して最良の相関を示す画
像が得られる候補物体を決定する。そのような最良の相
関を示す候補物体は、実際のアライメントマークの優れ
た表現ないしは写像である。この情報がウェーハアライ
メント操作を行うために利用される。
【0010】本発明のもう一つの態様においては、所与
の光学像を生じると思われる最尤候補物体(適切な候補
物体、実際の物体に最も類似した候補物体)を迅速に決
定することができる方法が得られる。この方法は、最適
化された像相関結果を与えると思われる候補物体の最良
母集団の適応大域探索ステップ、及びその後の最良個候
補物体を特定するための局所探索ステップを具備する。
【0011】本発明のさらにもう一つの態様において
は、適応大域探索のために「遺伝的アルゴリズム」のよ
うな適応最適化法が用いられる。より詳しくは、光学的
アライメントシステムを用いた基板アライメント時に、
遺伝的アルゴリズムを用いてアライメントマーク候補物
体を決定することができる。
【0012】また、本発明の装置は、所定物体の光学像
に基づき種々の情報を得る装置(図1)であって、前記
所定物体の光学像に関する第1情報を獲得する獲得手段
(12)と、少なくとも1つの候補物体の形状に関する
情報に基づき、該候補物体の光学像に関する第2情報を
獲得する第1手段(44,46)と、前記第1情報と前
記第2情報との相関をとり、該相関結果に基づき前記種
々の情報を獲得する第2手段(44,46)とを有する
ことを特徴とするものである。
【0013】また、本発明の方法は、所定物体の光学像
に基づき種々の情報を得る装置の動作方法(図9、1
0)であって、獲得手段により前記所定物体の光学像に
関する第1情報を獲得し(ステップ85)、第1手段に
より少なくとも1つの候補物体の形状に関する情報に基
づき、該候補物体の光学像に関する第2情報を獲得し
(ステップ70,72,74,75,76、またはステ
ップ80,82,84,86,88,90,92,9
4,96)、第2手段により、前記第1情報と前記第2
情報との相関をとり、該相関結果に基づき前記種々の情
報を獲得する(ステップ78、またはステップ97,9
8)ことを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するのに最良
であると考えられる形態について説明する。ここでの説
明は、本発明の原理を具体例に説明するためになされる
ものであり、限定的な意味に解釈すべきものではない。
本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって最も適
切に決定される。
【0015】説明を容易にするため、本発明の像‐物体
相関の態様は、基板処理用の投影露光装置に使用される
オフアクシス系の広帯域照明アライメントシステムの一
実施例との関連で説明する。しかしながら、本発明は、
物体と像の相関を取ることが望ましい他のシステムにお
ける使用についても、本発明の範囲及び意図を逸脱する
ことなく容易に適応可能であることは理解されよう。
【0016】図1は、本発明を採用したウェーハ14の
ような基板を処理するための投影露光装置10及びアラ
イメントシステム12の概略ブロック図である。ウェー
ハ14は、露光装置10の投影レンズを含む投影システ
ム20の下方のウェーハステージ18に支持されたウェ
ーハホルダー16上に真空吸引によって保持される。ウ
ェーハホルダー16及びウェーハステージ18は、精密
制御下にサーボモータ22によりいくつかの自由度(例
えば3から6自由度)で動かされて、ウェーハ14を投
影システム20に対して所望の位置に及び/またはステ
ップ・アンド・リピート露光プロセスに従って位置決め
するよう構成されている。レチクル26は、サーボモー
タ24によって2次元方向に移動可能であり、かついく
つかの自由度(例えば3または6自由度)で回転可能で
ある。サーボモータ24は、レチクル26を投影システ
ム20の光軸に関して位置決めするよう精密制御され
る。ランプ30(例えば高圧水銀灯)からの投影照明光
は、照明システム32から放出される照明光の大半がフ
ォトレジストが感光する波長帯を持つように、一連のレ
ンズ、シャッター、フィルタ、ビームスプリッタ及びミ
ラー(図示省略)を通してレチクル26へ向け送られ
る。照明システム32内の集光レンズ(図示省略)を通
った照明光はレチクル26のパターンエリアを一様に照
明し、そのパターンが表面にフォトレジスト層を有する
ウェーハ14上に投影される。その他の上記投影露光装
置10に関する詳細は、米国特許第5,601,957
号に記載されている。なお、同米国特許は、参照によっ
て全て本願に編入される。
【0017】投影システム20の片側には、ウェーハ1
4上のアライメントマーク(図2も参照のこと)をオフ
アクシス法によって撮像処理するアライメントシステム
12が設けられている。アライメントシステム12は、
投影レンズとの関係で、アライメントシステム12の広
帯域照明光が投影システム20の下方に投影されるよう
に取り付けられている。概して、アライメントシステム
12は、広帯域照明用白色ハロゲンランプ34(好まし
くは、ウェーハ処理系への熱の進入を防ぐためウェーハ
処理チャンバの上部に設ける)、顕微鏡システム36、
ターゲットプレート38、ビーム拡大器40、CCDカ
メラ42のような撮像デバイス、及びアライメント処理
装置(第1の手段、第2の手段、第3の手段、アライメ
ント手段)44よりなる。アライメントシステム12は
システムコンピュータ46及び表示装置48に接続され
ている。これらハロゲンランプ34、顕微鏡システム3
6、ターゲットプレート38、ビーム拡大器40、CC
Dカメラ42は、光学撮像手段としての広帯域明視野撮
像システム(光学撮像システム)を構成している。
【0018】アライメント時には、ハロゲンランプ34
からの非露光波長の光が光ファイバ束47を通して顕微
鏡システム36へ送られ、ウェーハ14を照明する。次
に、ウェーハ14からの反射光は同じ顕微鏡システム3
6を通って送り返され、ビームスプリッタ49によって
ターゲットプレート38へ進路を変える。ウェーハアラ
イメントマークの像がターゲットプレート38の透明ウ
ィンドウ内に形成される。このように形成されたウェー
ハアライメントマークの像はCCDカメラ42によって
ビデオ信号に変換され、アライメント処理装置44へ送
られる。本発明によるアライメント補正に必要なアライ
メント測定機能及び計算が、後でより詳細に説明するよ
うに、アライメント処理装置44により行われる。アラ
イメント結果は、次いでシステムコンピュータ46によ
って処理され、ウェーハ14の露光前にウェーハステー
ジ18及び/またはレチクルステージ28の位置を制御
するために用いられる。アライメントシステム12は、
直交する2方向のアライメント位置を検出するように構
成することが可能である。システムによっては、ウェー
ハ14の平面内にあって上記アライメントシステム12
により検出されるウェーハアライメントマークの方向
(例えばX方向)と直交する第2の方向(例えばY方
向)に沿って配置された第2のウェーハアライメントマ
ークの位置を検出するために、第2のアライメントシス
テムを設けることも可能である(図2も参照のこと)。
【0019】図1に示すようなアライメントシステム1
2の構成は、総じてフィールド像アライメントシステム
(フィールド撮像アライメントシステム)に対応したも
のであるということは理解されよう。このようなシステ
ム内の光学的構成に関するより詳しい説明については、
例えば前記米国特許第5,601,957号を参照する
ことができる。なお、同米国特許は参照によって全て本
願に編入される。また、ここで開示されている本願発明
はウェーハアライメントシステム、特にフィールド像ア
ライメントシステムに限定されるものではない。総じて
フィールド像アライメントシステムに言及するのは、も
っぱら本発明の像相関の構想を効果的に実施することが
可能な環境の一形態を例示説明する目的のためでしかな
い。
【0020】アライメント処理装置44の像‐物体相関
の態様を説明する前に、ウェーハ上のアライメントマー
ク及びその結像ないしは像形成についてある程度詳細に
説明することが役に立つと思われる。図2は、ウェーハ
14上のウェーハアライメントマーク50及び52のレ
イアウトを簡単化して示す平面図である。ウェーハアラ
イメントマーク50及び52は、投影露光システム10
によって内側に設けられた回路パターンの露光が行われ
るショットエリア54の周部に配置されている。より詳
しくは、これらのウェーハアライメントマークはそれぞ
れX軸及びY軸方向に互いに直交させて配置されてい
る。また、図3に示すように各アライメントマークは、
前のプロセスによってウェーハにエッチングにより形成
され、互いに平行に一定間隔を置いて配列された山部5
6(または凸部)と谷部58(または凹部)よりなる。
図3は、それらの各山部と谷部が完全に対称状をなす理
想的な状態を示している。例えば、いわゆる「タイプナ
イン」アライメントマークは、各々70ミクロンのオー
ダーの長さL及び6ミクロンのオーダーの幅を有し、互
いに12ミクロンのオーダーの中心間隔Dでエッチング
された一連の9つの谷部で構成される。
【0021】図4において、アライメントシステム12
における顕微鏡システム36中の光学素子を通しての像
形成によって、アライメントマークの谷部と山部の光学
像は、リップル波形60の様相を呈し、その各リップル
の谷62が図3の谷部58の縁部の位置に対応してい
る。図4は、アライメントマークに完全な対称性があっ
て、アライメントマーク上のフォトレジスト層またはア
ライメントシステム12中の光学系により光学歪みが全
く導入されない理想的な状態の像を示したものである。
図5は、アライメントマークの谷部に歪み(すなわち非
対称性)があるアライメントマーク64を示し、図6は
その光学像の波形65を示したものである。同様に、様
々な原因による光学歪みによって光学像に別の歪みが生
じ得る。前に述べたように、このようなアライメントマ
ーク及び光学歪みはウェーハ処理時のミスアライメント
の原因となる。歪んだ光学像から実際の歪みの原因及び
/または歪みを有する実際のアライメントマーク形状を
突きとめることは困難である。光学像の歪みは、ウェー
ハ処理時におけるアライメントマークの実際の位置の測
定で誤差を生じる原因となり得る。
【0022】本発明は、所与の光学像について実際の物
体はどのように見えるか(すなわち物体‐像相関)を調
べるための方法を提供するものである。図9は、本発明
の物体‐像相関プロセスの技法を一般的に図解したフロ
ーチャートである。このプロセスをウェーハアライメン
ト用に実施した特定形態の詳細については、後で図10
を参照して説明する。本発明のプロセスは、基本的に、
所与の光学像に最もよく一致する候補物体を探すステッ
プを具備する。まず、ステップ70で、実際の光学像と
類似した像を生じそうさせそうな最初の候補物体が1つ
以上立てられる。ステップ72で、そのような候補物体
の画像が数学的変換によって(例えばフーリエプロセス
を用いて)シミュレートまたは計算される。このように
して得られた計算画像がステップ74で実際の所与の画
像と突き合わされる。このステップのプロセスは、適当
な相関関数を用いることによって容易になる場合もある
(ただし、これは必須ではない)。ステップ75でこの
プロセスを終了するための停止判断基準が満たされなけ
れば、ステップ76で1つ以上の新しい候補物体が立て
られる。このプロセスは、ステップ75で停止判断基準
が満たされるまで繰り返され、ステップ75で基準が満
たされると、最良候補物体の探索は終了する。ステップ
78で、探索の終わりに見つかった実際の物体と最もよ
く一致する候補物体が実際の物体を表す物体として選択
される。
【0023】最良候補物体を見つけるためには多くの方
法が利用可能である。ステップ70における最初の候補
物体は、使用する探索方法によってランダムに生成する
こともできれば、所定のものを用いることもできる。例
えば、遺伝的アルゴリズムや進化的戦略技法のような大
域探索法(後ほど図10の実施形態との関連でより詳し
く説明する)では、無作為初期母集団が用いられるのに
対し、ニュートン法やシンプレックス法のような局所探
索法では、ユーザ定義探索原点が用いられる。大域探索
法と局所探索法にはそれぞれ長所と短所がある。ニュー
トン法またはシンプレックス法、または他の同様の局所
探索法によって与えられる結果は原点の関数である。従
って、このような局所探索法の結果にとっては原点の選
択が極めて重要であり、このことが所与の像に対する最
良候補物体の探索にこのような局所探索法を用いること
についての問題となる。しかしながら、局所探索法は、
遺伝的アルゴリズムや進化的戦略が必要な大域探索法よ
り比較的迅速である。局所探索法では、通常、極小及び
/または極大が迅速に見つかる。この方法は、局所「最
良」が見つかった時、それを検知し、その点で探索を停
止するためのビルトイン機構を有する。これに対して、
遺伝的アルゴリズム、進化的戦略、及びその他同様の大
域探索法(例えば焼きなまし法等)は、本質的にいつ探
索を止めるかを分別する方法を持たない。従って、大域
探索法と局所探索法を組み合わせて用いることがより効
率的なことがしばしばある。
【0024】ステップ75の停止判断基準は、最良候補
物体を、局所探索法の結果として特定することができる
か、あるいは大域探索法において「それまで見つかった
最良候補」として特定することができる点として定義す
ることができる。ツーステップ法(大域探索に続けて局
所探索を行う)においては、大域探索法を「当面」それ
まで見つかった最良候補物体を得るために用いた後、そ
れらの候補物体が局所最良候補物体を得るための局所探
索法の原点として用いられる。
【0025】大域探索法の終わりを見極めるには多くの
方法がある。その1つのやり方は、候補物体の母集団が
互いに所定の範囲内に収斂するまで待つ方法である。す
なわち、全体が1つの小さい範囲内にある母集団が見つ
かったならば、それまでの最良候補物体が局所最良候補
物体を見つけるための局所探索の原点として用いられ
る。この方法は緩慢なことがある。もう一つの方法は、
単に大域探索法を所定期間だけ実行した後、それまでの
最良候補物体を局所探索法に転用するやり方である。探
索を終了するためのこれ以外の方法を本発明の範囲及び
意図を逸脱することなく用いることも可能である。
【0026】本発明のもう一つの態様によれば、所与の
物体に対する像をシミュレートすることによって、歪ん
だアライメントマークの実際の光学像と最良の相関を示
す(すなわち最も一致する)アライメントマーク形状を
決定することができる。その歪んだアライメントマーク
形状の幾何学的形態が分かったならば、そのアライメン
トマークの正確な位置を決定することができる。光学歪
みの影響は系統的なものであり、画像シミュレーション
プロセス時に適切に対応あるいは補正することが可能で
ある。
【0027】従って、図9に示す物体‐像相関プロセス
はウェーハアライメントを容易化するための実施形態が
可能である。実際のアライメントマークを、そのアライ
メントマーク光学像と最良の相関を示す像を生じさせる
候補物体から決定することができる。この結果を用いて
アライメント動作が行われる。このアライメントシステ
ムの例では、物体‐像相関プロセスは、専用のアライメ
ント処理装置44を用いて行うこともできれば、システ
ムコンピュータ46を用いて行うこともでき、該システ
ムコンピュータは、インテル(Intel)80586
型プロセッサを用いたパーソナルコンピュータのような
汎用高速コンピュータであってもよい。
【0028】画像シミュレーションに関しては、例えば
1つ以上のフーリエ変換とフィルタリングステップを含
むフーリエプロセスに基づいて行うことができる。光学
技術分野では、顕微鏡の光学素子の構成がフーリエ光学
に対応するということは周知である。そのために、顕微
鏡から得られる光学像をフーリエプロセスを用いてその
物体からモデル化することができる。従って、アライメ
ントマークの谷部58と山部56の像は、フーリエプロ
セスによって数式で表すことができる。
【0029】図7(A)は、フーリエ変換によって得ら
れた理想的な対称状アライメントマークについての像波
形66を示したものであり、図7(B)は、このウェー
ハアライメントマークの1つの谷部に対応した波形66
の部分の拡大図である。図8(A)は、フーリエ変換に
よって得られた非対称状アライメントマークの像波形6
8を示したものであり、図8(B)は、このウェーハア
ライメントマークの1つの谷部に対応した波形68の部
分の拡大図である。図4と6の像波形を比較するなら
ば、波形の形状は異なるが、両波形の谷はアライメント
マークの谷部の縁部の位置に対応しているということが
分かる。従って、フーリエプロセスでは、実際の光学像
の優れた写像が得られる。
【0030】フーリエプロセスを用いて物体の画像を計
算することができる一方、逆フーリエプロセスによって
物体の形状をその像から容易に計算することができな
い。これは、最初のフーリエプロセスでは物体に関連す
る一部の情報は捨てられ、その情報を逆フーリエプロセ
スで回復することはできないことによるものである。例
えば、アライメントシステム12の顕微鏡システム36
中の光学素子(例えばレンズ、フィルタ等)はアライメ
ントマークからの反射光、回折光及び/または拡散光の
一部しか捕捉しない。アライメントマークからの反射
光、回折光及び/または拡散光の残りの部分はそれらの
光学素子を通過しない。例えば、有限寸法のレンズは、
アライメントマークからの反射光、回折光及び/または
拡散光のほんの一部しか捕捉しない。それらの反射光、
回折光及び/または拡散光の一部はレンズを通らない。
数学的に言うと、光学素子を通過する光のフーリエ変換
では、それらの捨てられる光の部分について対応するた
めに一部のデータを捨てることが必要である。フーリエ
プロセスにより得られた像から物体の再構築を試みて
も、このような捨てられたデータは失われた情報であ
る。そのために、アライメントマークの実際の像を逆フ
ーリエ処理することによってその実際のアライメントマ
ーク物体を再現することは不可能である。
【0031】本発明のもう一つの態様においては、所要
の光学像を生じさせそうな最尤候補物体をより迅速に決
定することを可能にする方法が得られる。この方法は、
最適化された物体‐像相関結果が得られるような候補物
体の最良母集団を探すための適応大域探索ステップ、及
びその後の最良個候補物体を特定するための局所探索ス
テップを具備する。実際の物体に対する最尤候補の最良
母集団を探すための大域探索では、例えば「遺伝型アル
ゴリズム」、「進化的戦略」、あるいはその他同様の技
法に基づく適応最適化技術が用いられる。遺伝型アルゴ
リズム技法については周知であり、文献も豊富である。
例えば、デービッド・イー・ゴールドバーグ(Davi
d E. Goldberg)著の「探索、最適化、及
び機械学習における遺伝型アルゴリズム(Geneti
c Algorithms inSearch,Opt
imization,and Machine Lea
rning)」(アディソン‐ウェズリー(Addis
on−Wesley)1989年刊)を参照のこと。な
お、同書は参照によって全て本願に編入される。完全な
理解を図るために、本願では、本発明に適用される遺伝
型アルゴリズム属性の一部について簡単に説明する。
【0032】一般に、遺伝子型アルゴリズムは、前に繰
り返された解を求める試みから得られたフィードバック
に基づいて、問題の最良の解答を無作為に探索する方法
である。遺伝型アルゴリズムは、まずビット群(ビット
ストリング)によって表される関数入力の無作為選択母
集団で開始される。その現在のビットストリング母集団
を用いて、新しい母集団中のビットストリングが平均し
て現在の母集団中のストリングより良くなるようにし
て、新しい母集団が生成される。具体的に言うと、「選
択」、「交配」及び「突然変異」のステップを用いて1
つの母集団世代から次世代への移行が行われる。選択ス
テップでは、次世代を生成するために現世代中のどのビ
ットストリングが用いられるかが決定される。これは、
例えばバイアス付き無作為選択法を用いて行われる。す
なわち、現在の母集団から、その母集団中の「最良」ビ
ットストリング(すなわち適応度関数または目的関数に
よって決定される結果に基づき、より良い結果を与える
と思われるような最高の適応度値を持つストリング)が
選択される可能性が最大(例えば2回以上)となるよう
にして親が無作為に選択される。交配ステップでは、次
世代のビットストリングの実際の形が決定される。この
点で、選択された親は、それぞれのストリングの部分の
交配または交換を経る。これには、多くの交配技法を利
用可能である。例えば、選択された親の各ペア2つのス
トリング間で両ストリングのビットの選択された長さを
取り換えることにより2つの新しいストリングを生成す
ることができる。最後に突然変異ステップは、例えばア
ルゴリズムの始めに一定の小さい突然変異確率を設定す
るステップを具備する。次に、全ての新しいストリング
中のビットがこの突然変異確率に基づいて変更される。
その結果として、新しい世代のビットストリングが得ら
れる。以上の選択、交配及び突然変異ステップを繰り返
して各々の新世代が生成される。このプロセスが、最大
数の世代のような一定の判断基準に達するか、あるいは
最良母集団から許容可能な結果が得られるまで続けられ
る。
【0033】進化的戦略技法は遺伝型アルゴリズムと非
常に類似している。その主な違いは、進化的戦略では、
入力が、遺伝型アルゴリズムの場合におけるような2値
ストリングと異なり、実際の値で表されるということで
ある。遺伝型アルゴリズムと進化的戦略技法との間には
多くの類似点があるため、本願においては、別途明記し
ない限り、遺伝子型アルゴリズムについて言及する場
合、全て進化的戦略にも当てはまるものとする。
【0034】図10は、本発明の一実施形態による物体
‐像相関用のアライメントマークの候補物体を決定する
ための遺伝型アルゴリズムを使用するアライメントシス
テム12の態様を図解した機能ブロック図である。当業
者ならば、本発明の範囲及び意図を逸脱することなくこ
の実施形態の範囲内において1つ以上のステップを修
正、付加あるいは置換することが可能なことは理解され
よう。この物体‐像相関プロセスの始めには、ステップ
80で、アライメントマークに対するN個(例えばN=
10)の候補物体の初期母集団が無作為に生成される。
これらの候補物体の形状には、様々に異なる非対称形状
が含まれているべきである。候補物体の表現について
は、後ほど図11及び12を参照してより詳細に説明す
る。
【0035】ステップ82のフーリエ処理では、上記の
ような候補物体の画像が計算される。ステップ84で
は、そのような計算画像とステップ85で得られた実際
の像との相関が取られる。ステップ86で許容判断基準
が満たされない場合は、ステップ88の選択プロセスで
現在の母集団中の候補物体から次世代のためのN個の親
が無作為に選択される。この新世代の親の選択を容易に
するために目的関数が適用される。物体‐像相関に関し
ては、目的関数は、計算画像と実際の像との間の相関の
近接度(すなわち適応度値)が求められるようにあらか
じめ定義することになろう。このような目的関数によっ
て決定される中で最高の適応度値を持つ候補物体は、新
しい親として選択される確率がより高いはずである。各
候補は、そのような確率に応じて2回以上選択され得
る。ステップ90の交配プロセスでは、選択された親の
ビットストリングの交配によって新しいストリングが生
成される。それらの新しいストリングは、その後ステッ
プ92の突然変異プロセスを経、ステップ94で次世代
についてのアライメントマーク候補物体の新しい母集団
が生成される。上記のステップが、ステップ86で許容
判断基準が満たされるまで繰り返される。
【0036】ステップ86の許容判断基準は、所定の世
代数(すなわち反復回数)の終了、最新世代における候
補物体の最良母集団に基づく許容可能な相関結果の達
成、母集団の定義済み範囲内の収斂に基づくもの、ある
いはその他同様の判断基準を用いることができる。ステ
ップ86で許容判断基準が達成されたならば、ステップ
96で候補物体の最良の母集団が得られる。その後、ス
テップ97で、その最良母集団より1つの最良の候補物
体が決定される。これは、シンプレックス探索法のよう
な局所探索法を用いて行うことができる。その最良候補
物体は、顕微鏡で得られる実際の像を生じる実際のアラ
イメントマークの形状を表すものと見なされる(ステッ
プ98)。この候補物体は、非対称性や横方向の平行移
動に関する情報を含め、実際のアライメントマークに関
する貴重な情報を与える。このような情報は、アライメ
ント処理装置44及び/またはシステムコンピュータ4
6で処理されて、ステップ100のウェーハアライメン
ト動作を実行するようレチクルステージ及びウェーハス
テージ用のサーボモータ22及び24を制御するために
用いられる。また、この情報は、同じアライメントマー
クの将来のアライメントについては同じ較正補正値が適
用されるようにアライメントシステム12を較正するた
めに用いることもできる。この較正では、アライメント
マークの非対称性やアライメントシステム12における
光学歪みから生じる系統的アライメント誤差が補正され
る。
【0037】上記の相関プロセスは、アライメント処理
装置44、あるいは上記相関プロセスの諸関数がプログ
ラムされたシステムコンピュータ46のような計算装置
によって実行される。上記相関プロセスの種々の関数が
開示されているならば、そのプロセスを実施するための
適切なプログラムコードを開発することはコンピュータ
プログラマーの通常の技術的能力の範囲内で可能であ
る。
【0038】光学収差に関しては、物体をフーリエ処理
して画像を得る際に求めることができる。フーリエ処理
では、対応する光学系の開口数を表すためのフィルタ関
数を含めることが可能であることは知られている。所与
の既知の物体形状については、その像に対する光学収差
の影響はこのフィルタで求めることができる。この情報
は、アライメントシステム12の光学システム36を用
いた像形成に対する光学収差の影響を較正により取り除
くために利用することができる。
【0039】次に、図11及び12を参照して、図9の
物体‐像相関プロセスのステップ70における物体及び
図10の物体‐像相関プロセスのステップ80における
アライメントマーク物体の表現態様ないしは写像につい
て説明する。ある物体を表すには多くの方法が利用可能
である。物体‐像相関のためには、探索時間を短くする
ために変数の数を少なく保つことが望ましい。さらに、
図10を用いて説明したアライメントマーク相関プロセ
スで用いられる大域探索方式(大域探索ルーチン)で
は、同じ物体を複数の形で表す結果になり得る方法を用
いるべきではない。この好適な実施形態の方式は、物体
を複素画素列または数列、好ましくは数2n(“n”は
整数)の複素画素数列として表すものである。この複素
数列は物体の各点における大きさと位相の両方の表現を
含んでいる。各画素の大きさは0と1(正規化値)の間
で可変であり、他方各画素の位相は−piとpiの間で
可変である。このことは、実際には2つの画素数列があ
って、その一方は大きさを、他方は位相を表すというこ
とを意味している。図11(A)は、物体の大きさを画
素数列で表したものであり、図11(B)は、物体の位
相を画素数列で表したものである。物体のフーリエ変換
がこの複素画素数列に対して実行される。
【0040】さらに、アライメントマーク相関について
は、広範多用にわたって可能なマークをできるだけ少な
い変数で表すことが望ましい。複素形式のマークを表す
には、各画素を異なる変数によって表すことができる。
しかしながら、それにはあまりにも多い変数が必要とな
り、探索プロセスの効率が低下することが考えられる。
従って、変数の数を少なく保つために、各アライメント
マークは、マークの一定の領域間で同じ変数を共用する
ことによって近似される。
【0041】アライメントマークは、基本的に2つの領
域(中心部と端部)を持ち、それらの2つの領域間には
ある程度の勾配がある。アライメントマークは反復性の
構造になっているから、端部の2つの画素は画素数列表
現ではほぼ同じでなければならない。そのために、マー
クの端部における複素反射率、マークの中心部の複素反
射率、マークの幅、マークの平行移動量、及びマークの
両側の複素勾配を各々表すために変数が割り当てられ
る。その結果、アライメントマークの大きさと位相を下
記の10の変数によって表すことができる構成が得られ
る。 a.マークの端部の反射率の大きさ b.マークの端部の反射率の位相 c.マークの中心部の反射率の大きさ d.マークの中心部の反射率の位相 e.大きさの画素数列の左側勾配 f.大きさの画素数列の右側勾配 g.位相の画素数列の左側勾配 h.位相の画素数列の右側勾配 i.マークの幅比(大きさ及び位相とも同じ) j.マークの平行移動比(大きさ及び位相とも同じ)
【0042】図12(A)及び12(B)は、一例の非
対称状アライメントマークの大きさ及び位相をそれぞれ
画素数列で表したものである。このようなアライメント
マークと関連する変数は下記のような数値を取る a.マークの端部の反射率の大きさ110=0.75 b.マークの端部の反射率の位相111=0 c.マークの中心部の反射率の大きさ112=0.25 d.マークの中心部の反射率113の位相=pi e.大きさの画素数列の左側勾配114=90° f.大きさの画素数列の右側勾配116=60° g.位相の画素数列の左側勾配118=90° h.位相の画素数列の右側勾配120=60° i.マークの幅比W/D(大きさ及び位相とも同じ)=
0.5 j.マークの平行移動量(大きさ及び位相とも同じ)=
【0043】図12(A)及び12(B)に示す大きさ
と位相の表現は、各々256画素を使用する。必要画素
数は、所望の精度及びマーク形状構成の複雑さに応じて
変えることができる。一般には、使用する画素数が多い
ほど、精度と形状の多様性も大きくなる。しかしなが
ら、画素数が多くなるほど、物体を得、その像を数学的
変換により計算するのにより多くの時間を要することに
なる。
【0044】本発明の範囲及び意図を逸脱することなく
他の複素関数を用いることが可能なこと、及び他の変数
体系を作り出すことができるということは理解されよ
う。
【0045】アライメントシステム12は、上記の相関
プロセスに従ってアライメント補正量を決定するのにア
ライメントマークの一連の谷部58中の1つの谷部だけ
を扱えばよいということは理解されよう。また、遺伝型
アルゴリズムに変えて適応最適化法に基づく他の大域探
索法を用いることが可能なことも理解されよう。例え
ば、周知の焼きなまし法を用いることができる。さら
に、本願では、像‐物体相関という本発明の基本構想を
ウェーハアライメントマークと関連したアライメントシ
ステムでの特定実施形態に基づいて説明したが、本発明
の基本思想は、物体‐像相関が役立つ他のシステムにお
いても実施可能である。例えば、本願で開示した相関技
術はパターン認識用のシステムにおいても実施すること
ができる。
【0046】以上、本発明を上記特定の実施形態との関
連で詳細に説明したが、当業者にとっては発明の範囲及
び意図を逸脱することなく種々の変更態様及び改良態様
をなし得ることは自明であろう。従って、本発明は本願
で説明した特定の実施形態に限定されるものではなく、
特許請求の範囲の記載によってのみ限定される。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、アライメントマーク
と、該アライメントマークの光学像との相関付け、すな
わち、物体と該物体の光学像との相関付けが可能になる
ので、物体をアライメントする際に該物体の光学像から
その物体を正確に特定することができる。そのため、本
発明を半導体製造プロセス等におけるアライメントマー
クのアライメントに適用した場合には、アライメントの
精度及び効率が容易に改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 投影露光装置及び本発明の一実施形態による
像相関機構を採用したアライメントシステムの概略ブロ
ック図である。
【図2】 ウェーハアライメントマーク及びショットエ
リアのレイアウトを示す1つのウェーハ領域の概略平面
図である。
【図3】 図2の線3−3に沿って切断した対称性を持
つウェーハアライメントマークの矢視断面図である。
【図4】 歪みが全くない場合における図3のウェーハ
アライメントマークの実際の光学像を示す説明図であ
る。
【図5】 非対称性を持つウェーハアライメントマーク
の断面図である。
【図6】 図5のウェーハアライメントマークの実際の
光学像を示す説明図である。
【図7】 (A)は対称性を持つウェーハアライメント
マークのシミュレート画像波形を示す説明図であり、
(B)は対称性を持つウェーハアライメントマークの1
箇所のへこみに対応する波形部分の拡大図である。
【図8】 (A)は非対称性を持つウェーハアライメン
トマークのシミュレート画像波形を示す説明図であり、
(B)は非対称を持つウェーハアライメントマークの1
箇所のへこみに対応する波形部分の拡大図である。
【図9】 本発明による物体‐像相関プロセスの機能ブ
ロック図である。
【図10】 本発明の一実施形態による適応最適化法に
基づく大域探索ルーチンを用いた物体‐像相関プロセス
の機能ブロック図である。
【図11】 (A)は物体の大きさを表す画素列を示し
た説明図であり、(B)は(A)の物体の位相を表す画
素列を示した説明図である。
【図12】 (A)は非対称性を持つアライメントマー
クの大きさを表す画素列を示した説明図であり、(B)
は非対称性を持つアライメントマークの位相を表す画素
列を示した説明図である。
【符号の説明】
14 ウェーハ(基板) 44 アライメント処理装置(第1の手段、第2の手
段、第3の手段、アライメント手段) 50,52 ウェーハアライメントマーク(アライメン
トマーク)

Claims (39)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定物体の光学像に基づき種々の情報を
    得る装置であって、 前記所定物体の光学像に関する第1情報を獲得する獲得
    手段と、 少なくとも1つの候補物体の形状に関する情報に基づ
    き、該候補物体の光学像に関する第2情報を獲得する第
    1手段と、 前記第1情報と前記第2情報との相関をとり、該相関結
    果に基づき前記種々の情報を獲得する第2手段と、を有
    することを特徴とする装置。
  2. 【請求項2】 前記第1手段は、 複数の候補物体から成る母集団を設定する設定手段と、 前記母集団の個々の候補物体にそれぞれ対応する複数の
    前記第2情報を獲得する手段と、 前記母集団を更新する更新手段と、 前記母集団の中から1つの母集団を決定する第1決定手
    段と、を含み、 前記第2手段は、 前記第1手段に決定された母集団の中から、前記第1情
    報と所定の相関関係を満たす前記第2情報を持つ1つの
    候補物体を決定する第2決定手段を含み、 前記第2決定手段に決定された前記候補物体に基づき、
    前記種々の情報を獲得することを特徴とする請求項1に
    記載の装置。
  3. 【請求項3】 前記第1手段は、適応最適化法に基づく
    大域探索方法に基づき、前記所定物体の光学像に類似し
    た像を生じる候補物体の1つの母集団を決定することを
    特徴とする請求項2に記載の装置。
  4. 【請求項4】 前記大域探索方法は、遺伝型アルゴリズ
    ム技法または進化的戦略技法を含むことを特徴とする請
    求項3に記載の装置。
  5. 【請求項5】 前記第1手段は、所定の許容基準が満た
    されると、前記1つの母集団を決定することを特徴とす
    る請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の装置。
  6. 【請求項6】 前記許容基準は、前記第1手段による動
    作期間が所定期間に達したことを含むことを特徴とする
    請求項5に記載の装置。
  7. 【請求項7】 前記許容基準は、前記更新手段により、
    前記母集団が所定の世代数に達したことを含むことを特
    徴とする請求項5に記載の装置。
  8. 【請求項8】 前記許容基準は、前記母集団の各候補物
    体に対応する前記第2情報と前記第1情報との相関が所
    定の相関関係に達したことを含むことを特徴とする請求
    項5に記載の装置。
  9. 【請求項9】 前記第2決定手段は、探索原点に基づき
    探索を行う局所探索方法により、前記第1情報と前記所
    定の関係を満たす前記第2情報を持つ1つの候補物体を
    決定することを特徴とする請求項2に記載の装置。
  10. 【請求項10】 前記探索原点は、前記第1決定手段に
    決定された母集団の各候補物体の情報を含むことを特徴
    とする請求項9に記載の装置。
  11. 【請求項11】 前記局所探索方法は、ニュートン技法
    またはシンプレックス技法を含むことを特徴とする請求
    項9または請求項10に記載の装置。
  12. 【請求項12】 前記第1情報及び前記第2情報は、画
    像情報を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項11
    のいずれか1項に記載の装置。
  13. 【請求項13】 前記候補物体の形状に関する情報は、
    複素画素列または数列で表されることを特徴とする請求
    項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の装置。
  14. 【請求項14】 前記候補物体の形状に関する情報は、
    反射率情報、反射率の位相情報、大きさの画素数列の勾
    配情報、位相の画素数列の勾配情報、物体の幅比情報、
    平行移動比情報のうちの少なくとも1つを含むことを特
    徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載
    の装置。
  15. 【請求項15】 前記所定の相関関係は、前記第1情報
    と前記第2情報との最良の相関関係を含むことを特徴と
    する請求項2乃至請求項14のいずれか1項に記載の装
    置。
  16. 【請求項16】 前記種々の情報は、前記所定物体の形
    状に関する情報を含むことを特徴とする請求項1乃至請
    求項15のいずれか1項に記載の装置。
  17. 【請求項17】 前記種々の情報は、前記装置の光学収
    差に関する情報を含むことを特徴とする請求項1乃至請
    求項15のいずれか1項に記載の装置。
  18. 【請求項18】 前記装置は、前記所定物体を撮像する
    広帯域明視野撮像システムを含み、 前記獲得手段は、前記広帯域明視野撮像システムにより
    前記所定物体の画像情報を獲得することを特徴とする請
    求項1乃至請求項17のいずれか1項に記載の装置。
  19. 【請求項19】 前記第1手段は、前記候補物体の形状
    に関する情報をフーリエ処理手法により変換し、該候補
    物体の変換画像情報を獲得することを特徴とする請求項
    1乃至請求項18のいずれか1項に記載の装置。
  20. 【請求項20】 前記所定物体は、基板上に形成されて
    位置合わせに用いられるアライメントマークを含むこと
    を特徴とする請求項1乃至請求項19のいずれか1項に
    記載の装置。
  21. 【請求項21】 前記装置は、前記アライメントマーク
    のアライメントを決定するアライメント装置を含み、 前記アライメント装置は更に、前記第2手段により決定
    された前記候補物体の形状情報に基づいて、前記アライ
    メントを決定する第3手段を有することを特徴とする請
    求項20に記載の装置。
  22. 【請求項22】 前記装置は、前記アライメント装置を
    備え、且つマスク上に形成されたパターンを基板上に露
    光する露光装置を含むことを特徴とする請求項21に記
    載の装置。
  23. 【請求項23】 所定物体の光学像に基づき種々の情報
    を得る装置の動作方法であって、 獲得手段により前記所定物体の光学像に関する第1情報
    を獲得し、 第1手段により少なくとも1つの候補物体の形状に関す
    る情報に基づき、該候補物体の光学像に関する第2情報
    を獲得し、 第2手段により、前記第1情報と前記第2情報との相関
    をとり、該相関結果に基づき前記種々の情報を獲得する
    ことを特徴とする方法。
  24. 【請求項24】 前記第1手段は、 複数の候補物体から成る母集団を設定する設定手段と、 前記母集団の個々の候補物体にそれぞれ対応する複数の
    前記第2情報を獲得する手段と、 前記母集団を更新する更新手段と、 前記母集団の中から1つの母集団を決定する第1決定手
    段と、を含み、 前記第2手段は、 前記第1手段に決定された母集団の中から、前記第1情
    報と所定の相関関係を満たす前記第2情報を持つ1つの
    候補物体を決定する第2決定手段を含み、 前記第2決定手段に決定された前記候補物体に基づき、
    前記種々の情報を獲得することを特徴とする請求項23
    に記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記第1手段は、適応最適化法に基づ
    く大域探索方法に基づき、前記所定物体の光学像に類似
    した像を生じる候補物体の1つの母集団を決定すること
    を特徴とする請求項24に記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記大域探索方法は、遺伝型アルゴリ
    ズム技法または進化的戦略技法を含むことを特徴とする
    請求項25に記載の方法。
  27. 【請求項27】 前記第1手段は、所定の許容基準が満
    たされると、前記1つの母集団を決定することを特徴と
    する請求項24乃至請求項26のいずれか1項に記載の
    方法。
  28. 【請求項28】 前記許容基準は、前記母集団の各候補
    物体に対応する前記第2情報と前記第1情報との相関が
    所定の相関関係に達したことを含むことを特徴とする請
    求項27に記載の方法。
  29. 【請求項29】 前記第2決定手段は、探索原点に基づ
    き探索を行う局所探索方法により、前記第1情報と前記
    所定の関係を満たす前記第2情報を持つ1つの候補物体
    を決定することを特徴とする請求項24に記載の方法。
  30. 【請求項30】 前記局所探索方法は、ニュートン技法
    またはシンプレックス技法を含むことを特徴とする請求
    項29に記載の方法。
  31. 【請求項31】 前記第1情報及び前記第2情報は、画
    像情報を含むことを特徴とする請求項23乃至請求項3
    0のいずれか1項に記載の方法。
  32. 【請求項32】 前記候補物体の形状に関する情報は、
    反射率情報、反射率の位相情報、大きさの画素数列の勾
    配情報、位相の画素数列の勾配情報、物体の幅比情報、
    平行移動比情報のうちの少なくとも1つを含むことを特
    徴とする請求項23乃至請求項31のいずれか1項に記
    載の方法。
  33. 【請求項33】 前記所定の相関関係は、前記第1情報
    と前記第2情報との最良の相関関係を含むことを特徴と
    する請求項24乃至請求項32のいずれか1項に記載の
    方法。
  34. 【請求項34】 前記種々の情報は、前記所定物体の形
    状に関する情報を含むことを特徴とする請求項23乃至
    請求項33のいずれか1項に記載の方法。
  35. 【請求項35】 前記種々の情報は、前記装置の光学収
    差に関する情報を含むことを特徴とする請求項23乃至
    請求項33のいずれか1項に記載の方法。
  36. 【請求項36】 前記装置は、前記所定物体を撮像する
    広帯域明視野撮像システムを含み、 前記獲得手段は、前記広帯域明視野撮像システムにより
    前記所定物体の画像情報を獲得することを特徴とする請
    求項23乃至請求項35のいずれか1項に記載の方法。
  37. 【請求項37】 前記第1手段は、前記候補物体の形状
    に関する情報をフーリエ処理手法により変換し、該候補
    物体の変換画像情報を獲得することを特徴とする請求項
    23乃至請求項36のいずれか1項に記載の方法。
  38. 【請求項38】 前記所定物体は、基板上に形成されて
    位置合わせに用いられるアライメントマークを含むこと
    を特徴とする請求項23乃至請求項37のいずれか1項
    に記載の方法。
  39. 【請求項39】 前記装置は、前記アライメントマーク
    のアライメントを決定するアライメント装置を含み、 前記アライメント装置は更に、前記第2手段により決定
    された前記候補物体の形状情報に基づいて、前記アライ
    メントを決定する第3手段を有することを特徴とする請
    求項38に記載の方法。
JP11036549A 1998-02-13 1999-02-15 所定物体の光学像に基づき情報を得る装置、及び方法 Withdrawn JPH11316108A (ja)

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