JP2019095128A - ヒートポンプ装置の制御方法、及びヒートポンプ装置 - Google Patents

ヒートポンプ装置の制御方法、及びヒートポンプ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】第1膨張弁前後の圧力差の具体的な制御により、圧縮動力を極小化してCOPを極大化し得るヒートポンプ装置の制御方法、及びヒートポンプ装置を提供することにある。【解決手段】圧縮機11と凝縮器12と第1膨張弁Vhと第2膨張弁Vcと蒸発器13とに記載の順に冷媒を循環する冷媒循環路C1を備え、冷媒循環路C1を、第1膨張弁Vhと第2膨張弁Vcとの間に冷媒を貯留するレシーバを介さない状態で備えるヒートポンプ装置100の制御方法であって、第1膨張弁Vhの開度もしくは第1膨張弁Vhの開度に起因して変化する凝縮器12と第2膨張弁Vcの間に生じる圧力差を、第1膨張弁Vhの出口での冷媒が気液混相状態とする状態で、圧縮機11での圧縮動力を極小化してCOPを極大化するように制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮機にて圧縮した冷媒を凝縮する凝縮器と、凝縮器にて凝縮した冷媒を膨張させる膨張弁としての第1膨張弁及び第2膨張弁と、前記膨張弁にて膨張した冷媒を蒸発させる蒸発器と、前記圧縮機と前記凝縮器と前記第1膨張弁と前記第2膨張弁と前記蒸発器とに記載の順に冷媒を循環する冷媒循環路とを備え、前記冷媒循環路を、前記第1膨張弁と前記第2膨張弁との間に冷媒を貯留するレシーバを介さない状態で備えるヒートポンプ装置の制御方法、及びヒートポンプ装置に関する。
昨今、ヒートポンプ装置として、圧縮機にて圧縮した冷媒を凝縮する凝縮器と、凝縮器にて凝縮した冷媒を膨張させる膨張弁としての第1膨張弁及び第2膨張弁と、膨張弁にて膨張した冷媒を蒸発させる蒸発器と、圧縮機と凝縮器と第1膨張弁と第2膨張弁と蒸発器とに記載の順に冷媒を循環する冷媒循環路とを備えるヒートポンプ装置が知られている(特許文献1を参照)。
特許文献1に開示の技術にあっては、冷媒循環路から冷媒が漏洩した場合の環境への影響を低減するべく、冷媒循環路に充填する冷媒量を低減する目的で、ヒートポンプ装置の運転時に、第1膨張弁にて減圧することにより、第1膨張弁から第2膨張弁までの冷媒循環路を気液混相状態で制御することが開示されている。
WO2015−029160号公報
上記特許文献1に開示の技術では、第1膨張弁にて減圧することが開示されているものの、その目的は、冷媒循環路に充填する冷媒量の低減である。
また、特許文献1には、第1膨張弁前後の圧力差の制御と、COPとの関係について何ら開示も示唆もなく、その検討等も一切なされていない。
即ち、特許文献1に開示の技術は、第1膨張弁にて開度を制御し減圧することについては、開示があるものの、その制御が、どのように実行されることにより、ヒートポンプ装置のCOPにどのように寄与するのかについて、検討されたものではなく、改善の余地があった。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、冷媒循環路に充填する冷媒量を低減するために、第1膨張弁から第2膨張弁までの冷媒循環路の冷媒を気液混相状態とした場合において、第1膨張弁の開度もしくは第1膨張弁の開度に起因して変化する凝縮器と第2膨張弁の間に生じる圧力差の具体的な制御による、圧縮動力を極小化してCOPを極大化し得るヒートポンプ装置の制御方法、及びヒートポンプ装置を提供することにある。
上記目的を達成するためのヒートポンプ装置の制御方法は、
冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮機にて圧縮した冷媒を凝縮する凝縮器と、凝縮器にて凝縮した冷媒を膨張させる膨張弁としての第1膨張弁及び第2膨張弁と、前記膨張弁にて膨張した冷媒を蒸発させる蒸発器と、前記圧縮機と前記凝縮器と前記第1膨張弁と前記第2膨張弁と前記蒸発器とに記載の順に冷媒を循環する冷媒循環路とを備え、
前記冷媒循環路を、前記第1膨張弁と前記第2膨張弁との間に冷媒を貯留するレシーバを介さない状態で備えるヒートポンプ装置の制御方法であって、その特徴構成は、
前記第1膨張弁の開度もしくは前記第1膨張弁の開度に起因して変化する前記凝縮器と前記第2膨張弁の間に生じる圧力差を、前記第1膨張弁の出口での冷媒が気液混相状態とする状態で、前記圧縮機での圧縮動力を極小化してCOPを極大化するように制御する点にある。
上記目的を達成するためのヒートポンプ装置は、
冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮機にて圧縮した冷媒を凝縮する凝縮器と、凝縮器にて凝縮した冷媒を膨張させる膨張弁としての第1膨張弁及び第2膨張弁と、前記膨張弁にて膨張した冷媒を蒸発させる蒸発器と、前記圧縮機と前記凝縮器と前記第1膨張弁と前記第2膨張弁と前記蒸発器とに記載の順に冷媒を循環する冷媒循環路とを備え、
前記冷媒循環路を、前記第1膨張弁と前記第2膨張弁との間に冷媒を貯留するレシーバを介さない状態で備えるヒートポンプ装置であって、その特徴構成は、
前記第1膨張弁の開度もしくは前記第1膨張弁の開度に起因して変化する前記凝縮器と前記第2膨張弁の間に生じる圧力差を、前記第1膨張弁の出口での冷媒が気液混相状態とする状態で、前記圧縮機での圧縮動力を極小化してCOPを極大化するように制御する圧力差制御部を有する点にある。
本発明の発明者らは、膨張弁として第1膨張弁と第2膨張弁とを有すると共にレシーバを有さないヒートポンプ装置において、冷媒循環路に充填する冷媒量を低減するために、第1膨張弁から第2膨張弁までの冷媒循環路の冷媒を気液混相状態とする状態で、凝縮器の出口での「第1膨張弁における開度もしくはその開度に起因して生じる凝縮器と第2膨張弁の間に生じる圧力差(以下、「第1膨張弁前後の圧力差」と記載する場合がある)の制御」により、ヒートポンプ装置の圧縮動力が極小値を取りCOPが極大値を取り得る形で変化するという知見を、新たに見出し、発明を完成するに至ったものである。
以下、図2に基づいて、説明を追加する。尚、図2では、「第1膨張弁前後の圧力差」が小さい場合(図2のph線図で鎖線)から大きい場合(図2のph線図で実線)へ変化する状況について説明する。因みに、以下では、蒸発器での冷却能力(例えば、冷房運転における冷房能力)のCOPを極大化できる理由について説明する。
図1に示す膨張弁として第1膨張弁と第2膨張弁とを有すると共にレシーバを有さないヒートポンプ装置においては、図2に示すように、第1膨張弁から第2膨張弁までの冷媒循環路の冷媒を気液混相状態とする状態で、「第1膨張弁前後の圧力差」を大きくすると、第1膨張弁から第2膨張弁までの間の冷媒循環路内の冷媒の乾き度が増加、即ち冷媒の密度が低下するため、その分の冷媒が凝縮器へ留まることになる。この現象は、ビルマルタイプのように、第1膨張弁から第2膨張弁までの間の冷媒循環路が比較的長い場合に顕著に生じる。凝縮器に保有される冷媒量を増やすためには、凝縮器出口での過冷却度が増える必要があるが、凝縮器出口温度が低下し、その比エンタルピが減少する現象と、凝縮器出口の冷媒圧力が増加する現象の2つが生じる可能性があると考えられる。
前者では、蒸発器に導入される比エンタルピも低くなる(図2でΔh)するため、蒸発器での冷却能力(比エンタルピ差)は、「第1膨張弁前後の圧力差」を増加前の冷却能力をdhとし、「第1膨張弁前後の圧力差」を増加後の冷却能力をdhとすると、以下の(式1)で表される。
dh=dh+Δh・・・(式1)
一方、後者では、凝縮圧力が増加(図2のΔP)し、それに応じて圧縮機での圧縮仕事(比エンタルピ差)が増加(図2でΔw)するため、圧縮機での圧縮仕事(比エンタルピ差)は、「第1膨張弁前後の圧力差」を増加前の圧縮仕事をdwとし、「第1膨張弁前後の圧力差」を増加後の圧縮仕事をdwとすると、以下の(式2)で表される。
dw=dw1+Δw・・・(式2)
ここで、冷却能力に対応するCOPは、以下の式で表される。
COP=dh/dw・・・(式3)
当該COPは、「第1膨張弁前後の圧力差」が大きくなると、COPの増加に繋がるdhとしてのΔhが増大する一方、COPの減少に繋がるdwとしてのΔwが増大するため、両者はトレードオフの関係にあるため、COPに極大値が存在すると推定できる。凝縮器出口の冷媒温度は外気温度までが理論的な下限となるため、Δhには上限が存在する。一方、ヒートポンプ装置の耐圧の制限がないとすればΔPには上限の制約はない。そのため、ΔPに相関して大きくなるΔwが、Δh×dw/dh以上に増加すると、COPの向上効果はなくなると考えられる。
尚、加熱能力(例えば、暖房運転における暖房能力)に対応するCOPについては、説明を省略するが、冷却運転時のCOPと同様の理由にて、「第1膨張弁前後の圧力差」を変化させた場合に極大値が発生する。
前記の補足であるが、「第1膨張弁前後の圧力差」を増加させると、同じ空調(冷房)能力の場合であれば、蒸発器での比エンタルピ差が増加するため、冷媒循環量は減少する。そのため、COPに極大値が発生する条件では、圧縮仕事(比エンタルピ差)と冷媒循環量の積である圧縮動力自体は極小値となる。
また、冷媒循環量が減少すると、蒸発器や凝縮器の熱交面積が相対的に増えることになるため、蒸発圧力は増加し、凝縮圧力は低下する特性がある。ただし、蒸発ではより液に近く比エンタルピが小さい(乾き度が小さい)状態から蒸発させる必要があり、また凝縮ではより過冷却度がついた比エンタルピが小さい状態まで凝縮させる必要があるため、各々の圧力については逆の影響となる。実際には蒸発器や凝縮器での伝熱現象を考慮した蒸発圧力および凝縮圧力で運転されることとなる。
因みに、冷媒循環量が減少すると、室内機と室外機を連結する配管等(特にガス管)で生じる圧力損失が減少するため、実際にはCOPが更に向上する効果も期待できる。
以上より、第1膨張弁前後の圧力差の具体的な制御による、圧縮動力を極小化してCOPを極大化し得るヒートポンプ装置の制御方法、及びヒートポンプ装置を実現できる。
尚、レシーバを有する構成においては、レシーバ内に冷媒が溜まり凝縮器が保有する冷媒量は増加しないため、「第1膨張弁前後の圧力差の制御」により、第1膨張弁の出口での冷媒を気液混相状態としたとしても、上述の理由の如くCOPの極大化を期待することはできないと考えられる。
ヒートポンプ装置の制御方法の更なる特徴構成は、
前記ヒートポンプ装置の運転条件毎に、当該運転条件と前記開度もしくは前記圧力差との関係であるマップデータから、現状の運転条件に対応した前記開度もしくは前記圧力差を読み出し、現状の運転条件に対応した前記圧縮機での圧縮動力を算出し、当該圧縮動力が極小化してCOPが極大化するように、前記開度もしくは前記圧力差を制御する点にある。
さて、第1膨張弁における開度もしくはその開度に起因して生じる凝縮器と第2膨張弁の間に生じる圧力差(「第1膨張弁前後の圧力差」)は、圧縮機の回転数、外気温度、室内温度(室内機吸い込み空気温度)、室内機運転負荷率(室外機定格容量に対する運転している室内機の合計容量の比率)、凝縮圧力、蒸発圧力、過冷却度(凝縮器出口)、過熱度(圧縮機入口)、室外機ファン回転数、冷媒充填量等の運転条件に基づいて決定されるものである。
そこで、本発明にあっては、これらの運転条件と、第1膨張弁前後の圧力差(第1膨張弁における開度、及びその開度に起因して生じる凝縮器と第2膨張弁の間に生じる圧力差を意味する概念)との関係であるマップデータから、現状の運転条件に対応した第1膨張弁前後の圧力差を読み出し、更に、取得した運転条件に対応した圧縮動力を算出し、第1膨張弁前後の圧力差を、算出した圧縮動力が極小してCOPが極大化するように制御するのである。
尚、記憶されるマップデータの運転条件は、離散的に記憶することができ、現状の運転条件が、離散的に記憶された条件の間の条件である場合、両者の間の値が補間計算され、現状の運転条件に対応した第1膨張弁前後の圧力差が算出され読み出される。
ヒートポンプ装置の制御方法としては、
前記ヒートポンプ装置の運転条件としてのパラメータの夫々の変化率が、安定判定時間に亘って所定の安定判定割合に収まっている安定状態にあることを判定する安定判定工程と、
前記安定判定工程において前記安定状態にあると判定した場合に、前記ヒートポンプ装置の運転条件毎に、当該運転条件と前記開度もしくは前記圧力差との関係であるマップデータから現状の運転条件に対応する前記開度もしくは前記圧力差を読み出す圧力差読出工程と、
前記開度もしくは前記圧力差を前記圧力差読出工程にて読み出された値に維持した状態で、前記圧縮機での圧縮動力を算出する圧縮動力算出工程と、
前記開度もしくは前記圧力差を、前記圧縮動力算出工程にて算出された圧縮動力が極小値となりCOPが極大値となるように制御する圧力差制御工程とを有することが好ましい。
ヒートポンプ装置の制御方法の更なる特徴構成は、
前記圧力差制御工程では、前記開度もしくは前記圧力差に対応する圧縮動力と、現状の前記開度もしくは前記圧力差を所定変化量だけ変化させた後の圧縮動力とを比較し、小さい方の圧縮動力に対応する前記開度もしくは前記圧力差を、現状の前記開度もしくは前記圧力差とする処理を連続して実行する局所探索法により、圧縮動力を極小化してCOPを極大化する前記開度もしくは前記圧力差を導出する点にある。
本発明の発明者らは、これまで説明してきたように、膨張弁として第1膨張弁と第2膨張弁を有すると共にレシーバを有さないヒートポンプ装置が、第1膨張弁前後の圧力差の最適化により、圧縮動力が極小値を有し、COPが極大値を有することを、新たに見出した。
そこで、圧力差制御工程において上述の局所探索法を実行することにより、圧縮動力を極小化してCOPを極大化する圧力差を良好に導出することができる。
尚、この場合、学習制御を合わせて適用することも可能である。
ヒートポンプ装置の制御方法の更なる特徴構成は、
前記安定判定工程と前記圧力差読出工程と前記圧縮動力算出工程と前記圧力差制御工程とを、前記ヒートポンプ装置の運転時にリアルタイムに実行する形態で、前記開度もしくは前記圧力差を制御する点にある。
第1膨張弁前後の圧力差を制御する場合、前記の運転条件が経時的に変化すると、制御された圧力差において、圧縮動力が適切に極小値(COPが適切に極大値)にならない可能性がある。
そこで、上記特徴構成にあっては、安定判定工程と圧力差読出工程と前記圧縮動力算出工程と圧力差制御工程とを、ヒートポンプ装置の運転時にリアルタイムに実行することで、圧縮動力が適切に極小値を維持(COPが適切に極大値を維持)するように、第1膨張弁前後の圧力差を制御することができるのである。
実施形態に係るヒートポンプ装置の概略構成図 実施形態に係るヒートポンプ装置において、第1膨張弁前後の圧力差の調整前後のph線図を示すグラフ図 実施形態に係るヒートポンプ装置の制御フロー 定格負荷運転で外気温度35℃の場合におけるCOPの冷媒充填量依存性等を示すグラフ図 定格負荷運転で外気温度35℃の場合におけるCOPの圧力差依存性等を示すグラフ図 定格負荷運転で外気温度35℃の場合における冷媒充填量毎でのCOPの圧力差依存性等を示すグラフ図 部分負荷運転で外気温度35℃の場合における冷媒充填量毎でのCOPの圧力差依存性等を示すグラフ図 別実施形態に係るヒートポンプ装置の概略構成図
本発明の実施形態に係るヒートポンプ装置100の制御方法、及びヒートポンプ装置100は、第1膨張弁前後の圧力差の具体的な制御により、圧縮動力を極小化してCOPを極大化し得るものに関する。
尚、当該実施形態に係るヒートポンプ装置100の制御方法、及びヒートポンプ装置100では、第1膨張弁前後の圧力差を変化させているときには、空調能力は変化させないものとする。
実施形態に係るヒートポンプ装置100は、図1に示すように、エンジン14にて回転駆動され冷媒を圧縮する圧縮機11と、圧縮機11にて圧縮した冷媒を凝縮する凝縮器と、凝縮器にて凝縮した冷媒を膨張させる膨張弁としての第1膨張弁及び第2膨張弁と、膨張弁にて膨張した冷媒を蒸発させる蒸発器と、圧縮機11と凝縮器と第1膨張弁と第2膨張弁と蒸発器とに記載の順に冷媒を循環する冷媒循環路C1とを備える。即ち、当該実施形態にあっては、冷媒循環路C1を、第1膨張弁と第2膨張弁との間に冷媒を貯留するレシーバを介さない状態で備えている。
尚、当該冷媒循環路C1には、冷房運転(蒸発器にて冷却能力を発揮する運転)と暖房運転(凝縮器で加熱の能力を発揮する運転)とで冷媒の循環状態を切り替える四方弁20が設けられている。
また、圧縮機11の入口には冷媒を貯留するアキュムレータ15が設けられ、液相状態の冷媒が圧縮機11へ導かれることを防止している。
更に、圧縮機11の出口には圧縮機11から冷媒配管内へ混入したオイルを冷媒から分離するオイルセパレータ16が設けられると共に、当該オイルセパレータ16と圧縮機11の入口とを連通接続するオイル流路Lo及びオイル流路Loを開閉するオイル弁V3が設けられており、オイルセパレータ16に貯留されたオイルは、定期的に、オイル弁V3を閉止状態から開放状態へ移行する形態で、圧縮機11の入口へ導かれる。
冷房運転時には、図1に示すように、冷媒循環路C1を通流する冷媒は、圧縮機11、オイルセパレータ16、ファン(図示せず)により送風される室外空気と冷媒とを熱交換する室外熱交換器12(凝縮器に相当)、暖房用膨張弁Vh(第1膨張弁に相当)、冷房用膨張弁Vc(第2膨張弁に相当)、ファン(図示せず)により送風される室内空気と冷媒とを熱交換する室内熱交換器13(蒸発器に相当)とに記載の順に循環するように、四方弁20が切り換えられる。
一方、暖房運転時には、図示は省略するが、冷媒循環路C1を通流する冷媒は、圧縮機11、オイルセパレータ16、ファン(図示せず)により送風される室内空気と冷媒とを熱交換する室内熱交換器13(凝縮器に相当)、冷房用膨張弁Vc(第1膨張弁に相当)、暖房用膨張弁Vh(第2膨張弁に相当)、ファン(図示せず)により送風される室外空気と冷媒とを熱交換する室外熱交換器12(蒸発器に相当)とに記載の順に循環するように、四方弁20が切り換えられる。なお、エンジン14の排熱を用いて冷媒の一部を蒸発させる熱交換器も設置されている場合が多いが、図示は省略する。
さて、当該実施形態に係るヒートポンプ装置100にあっては、圧縮動力を極小化するべく(COPを極大化するべく)、運転を制御する制御装置50は、圧縮機11の回転数、外気温度、室内温度(室内機吸い込み空気温度)、室内機運転負荷率(室外機定格容量に対する運転している室内機の合計容量の比率)、凝縮圧力、蒸発圧力、過冷却度(凝縮器出口)、過熱度(圧縮機入口)、室外機ファン回転数、冷媒充填量等の運転条件毎に、当該運転条件と当該運転条件から決定される第1膨張弁前後の圧力差(第1膨張弁における開度、もしくはその開度に起因して生じる凝縮器と第2膨張弁の間に生じる圧力差)との関係であるマップデータを記憶する記憶部51を備えると共に、以下の各種制御を実行する制御部52をソフトウェアとハードウェアとが協働する形態で備えている。
説明を追加すると、制御部52は、前記の運転条件としてのパラメータの夫々の変化率が、安定判定時間(例えば、5分間)に亘って所定の安定判定割合に収まっている安定状態にあることを安定判定部と、安定判定部において安定状態にあると判定した場合に、マップデータから現状の運転条件に対応する第1膨張弁前後の圧力差を読み出す圧力差読出部と、第1膨張弁前後の圧力差を圧力差読出部にて読み出された値に維持した状態で、圧縮機11での圧縮動力を算出する圧縮動力算出部と、圧縮動力算出部にて算出された圧縮動力を極小値としCOPを極大値とする圧力差となるように、第1膨張弁の出口での冷媒が気液混相状態とする状態で、第1膨張弁前後の圧力差を制御する圧力差制御部とを有する。
ここで、安定判定部において安定判定割合に収まっている安定状態とは、例えば、安定判定時間における値の平均値に対する最大値の割合、及び安定判定時間における値の平均値に対する最小値の割合の双方が、所定の割合以下であることを意味するものとする。
具体的には上記の割合は、例えば、圧縮機や室外ファン等の回転数は2%以内(定格運転での値を基準)、外気温度、室内温度(室内機吸い込み空気温度)、過熱度、過冷却度は1K以内、凝縮圧力や蒸発圧力は2%以内(定格運転での値を基準)、室内機運転負荷率は変化無しとなる状態を、安定状態と規定する。
記憶部51に記憶されるマップデータとしては、例えば、図1にその一部を示すように、圧縮機11の回転数が大きいほど第1膨張弁前後の圧力差が大きくなる関係等を、外気温度等の他の運転条件毎に記憶したものとなっている。
尚、当該マップデータは、第1膨張弁前後の圧力差は、冷媒循環路C1の配管長にも依存する値である。このため、マップデータは、ヒートポンプ装置を設置するビル等の設備毎の冷媒循環路C1の配管、具体的には室外機と室内機の連絡配管の長さ毎に、記憶されることが望ましい。
当該実施形態に係るヒートポンプ装置100にあっては、図示は省略するが、冷媒圧力及び冷媒温度を計測するセンサが適宜設けられている。圧縮動力算出部では、上記センサの出力に基づいて、圧縮機11の入口と出口でのエンタルピを算出し、圧縮機11の出口のエンタルピから圧縮機11の入口のエンタルピを減算した値に、圧縮機11の回転数と体積効率と排除容積と圧縮機入口の冷媒密度の積として算出される冷媒循環量を積算する形態で、圧縮動力Wを算出する。
尚、圧縮動力算出部による演算は、すべて、第1膨張弁前後の圧力差を圧力差読出部にて読み出された値に維持した状態で実行される。
次に、当該実施形態に係るヒートポンプ装置100において圧縮動力を極小化(COPを極大化)する制御を、図3の制御フローに基づいて説明する。
尚、当該実施形態に係るヒートポンプ装置100では、図3に示す制御フローを、ヒートポンプ装置100の運転時にリアルタイムに実行するものであり、これにより、運転条件の変化に追従する形態で、第1膨張弁前後の圧力差が制御されることとなる。
第1膨張弁前後の圧力差による圧縮動力の極小化による制御は、前の制御から所定の時間(例えば、5分間)が経過したタイミングや、運転条件が大きく変化するタイミングで、リアルタイムに実行される。
制御部52は、運転条件を取得する(#01)。
制御部52は、安定判定工程として、#01のステップにて取得した各運転条件としてのパラメータの夫々の変化率が、安定判定時間に亘って所定の安定判定割合に収まっている安定状態にあるか否かを判定する安定判定工程を実行し(#02)、安定状態にない場合には所定時間(例えば、2分間)待機した後(#03)、再度、安定判定工程を実行する(#02)。
安定判定工程にて安定していると判定された場合、制御部52は、記憶部51にて記憶されるマップデータに基づいて、現状の第1膨張弁前後の圧力差を読み出す圧力差読出工程を実行する(#04)。
制御部52は、第1膨張弁前後の圧力差を圧力差読出工程にて読み出した値に維持した状態で、各運転条件の安定判定(#06)や所定時間の待機(#07)を実施した後に、圧縮機11での圧縮動力を算出する圧縮動力算出工程を実行する(#08)。
制御部52は、以下の#09〜#16のステップを実行することで、第1膨張弁前後の圧力差を、圧縮動力算出工程にて算出された圧縮動力を極小値となるように制御する圧力差損制御工程を実行する。
換言すると、制御部52は、当該圧力差制御工程において、現状の第1膨張弁前後の圧力差に対応する圧縮動力と、現状の第1膨張弁前後の圧力差を所定変化量だけ変化させた後の圧力差に対応する圧縮動力とを比較し、小さい方の圧縮動力に対応する第1膨張弁前後の圧力差を現状の第1膨張弁前後の圧力差とする処理を連続して実行する局所探索法により、圧縮動力を極小とする第1膨張弁前後の圧力差を導出する。
尚、詳細な説明は省略するが、制御部52は、学習制御を合わせて適用して、圧縮動力を極小化してCOPを極大化する第1膨張弁前後の圧力差を導出する制御を実行しても構わない。
尚、冷媒充填量が経時変化し、冷媒漏洩によって充填量が減少した場合、事前に準備するマップデータからの情報だけでは、圧縮動力が、最適値(圧縮動力の極小値)からズレることになる。この様な場合であっても、上述の局所探索法で制御することにより、ある程度対応できる。
具体的には、制御部52は、n=1とし(#09)、n=1において、現状の第1膨張弁前後の圧力差dPに対応する圧縮動力Wと、圧力差を所定変化量だけ変化させた後の第1膨張弁前後の圧力差dPn+1に対応するWn+1とを算出し(#10)、Wn+1とWとの差の絶対値(|Wn+1−W|)が規定値αより小さいか否かを判定する(#11)。
制御部52は、Wn+1とWとの差の絶対値(|Wn+1−W|)が規定値αより小さい場合(#11でYes)、現状の第1膨張弁前後の圧力差dPが、Wを極小とする値の近傍にあると判断し、現状の圧力差dPで制御を継続する(#16)。
一方、制御部52は、Wn+1とWとの差の絶対値(|Wn+1−W|)が規定値α以上である場合(#11でNo)、圧力差変化後のWn+1が圧力差変化前のWよりも小さいか否かを判断し(#12)、小さい場合は(#12でYes)、第1膨張弁前後の圧力差の変化方向を維持したままとし(#13)、圧力差変化後のWn+1が圧力差変化前のW以上の場合(#12でNo)は、第1膨張弁前後の圧力差の変化方向を逆転させる(#14、15)。
制御部52は、上記#12〜#15の制御を、Wn+1とWとの差の絶対値(|Wn+1−W|)が規定値αより小さくなるまで継続する。
本発明の発明者らは、第1膨張弁から第2膨張弁(冷房用膨張弁Vc)までの冷媒配管(液管)の冷媒が液相となる場合での最適な冷媒充填量のCOPにまで、冷媒充填量を低くした場合でも、「第1膨張弁前後の圧力差を制御」することによりCOPを高めることができることを、計算により新たに見出した。
第1膨張弁から第2膨張弁(冷房用膨張弁Vc)までの冷媒配管(液管)の冷媒が液相となる場合で、「第1膨張弁前後の圧力差が固定」されている場合、図4(b)に示すように、冷媒充填量が増加するに従って、凝縮器12の出口温度の低下(冷却能力の向上に伴うCOPの向上)による効果があることと、図4(d)に示すように、冷媒充填量が増加するに従って、凝縮器12の出口圧力、即ち圧縮機11の出口圧力の増加(圧縮動力の増加に伴うCOPの低下)による効果があることで、両者がトレードオフの関係にあることにより、図4(a)に示すようにCOPを極大化できる冷媒充填量(約18.0kg)が存在することがわかる。この時のCOPは約4.0である。
因みに、図4の計算の条件は、冷却能力:50kW、圧縮機での圧縮効率:80%、体積効率:90%、圧縮機の入口における過熱度SH:5K、外気温度:35℃、室外ファン空気風量:1.6m/s、室外温度:27℃(WB19℃)、室内ファン空気風量:0.8m/s、冷媒:R410A、冷却:無、圧力差:約50kPaとした。尚、図4(c)に示すように、第1膨張弁から第2膨張弁(冷房用膨張弁Vc)までの冷媒配管(液管)の冷媒が、過冷却度を確保でき液相となるように、第1膨張弁前後の圧力差は比較的低い値で固定している。
次に、当該実施形態に係るヒートポンプ装置100の制御において、第1膨張弁前後の圧力差を制御した場合の圧縮動力Wの変化に相当するCOPの変化を計算により求めた結果であるグラフ図を示す。
図5は、冷房運転を定格負荷で実行している場合であって、冷房能力:50kW、圧縮効率:80%、体積効率90%、圧縮機11の入口での過熱度SH:5K、外気温度:35℃、室外ファン空気流量:1.6m/s、室内温度:27℃(WB19℃)、室内ファン空気流量:0.8m/s、冷媒:R410Aとした。また、室外機出口から室内機までの冷媒循環路C1(液管)および室内機から室外機までの冷媒循環路C1(ガス管)の長さは、それぞれ20mとした。冷媒充填量は、図4での適性値である18.0kgよりも少ない14.7kgとしている。
尚、当該グラフでは、図8(後述)のように、冷却流路を設けた構成に対応する構成での計算結果も併せて示してあり、冷却有の場合、冷却器17で受熱した後の冷媒の過熱度SH:10Kであるとした。
図5(b)に示すように、第1膨張弁前後の圧力差が増加するに従って、凝縮器12の出口の温度は低下(冷却能力の向上に伴いCOPが増加)し、図5(c)に示すように、第1膨張弁前後の圧力差が増加するに従って、凝縮器12の出口圧力、即ち圧縮機11の出口の圧力が増加(圧縮動力の増加に伴いCOPが低下)する。両者は、トレードオフの関係にあるため、図5(a)に示すように、COPは、第1膨張弁前後の圧力差が増加するに従って、所定の値で極大値が存在することが確認できた。冷却無の場合は、第1膨張弁前後の圧力差が約1100kPaでCOPは約4.0となる。冷却有の場合は、第1膨張弁前後の圧力差が約1200kPaでCOPは約4.0となる。
さらに冷媒充填量を少なくした13.0kgのケースを含めた計算結果を図6に示す。図6の計算条件は、冷媒充填量を除き、図4の計算条件と同一であり、冷却は無としている。冷媒充填量13.0kgの場合でも、定性的な傾向は冷媒充填量14.7kgと同じである。第1膨張弁前後の圧力差が約1300〜1400kPaでCOPは極大値の約4.0となる。
また、図7に示すように、空調負荷が異なる場合であっても、同様の効果を得られることを確認している。空調負荷を変えた場合の計算結果を図7に示す。図7の計算条件は、空調負荷を変更(冷却能力:25kW)したことを除き、図6の計算条件と同一であり、冷却は無としている。空調負荷が半分程度になった場合でも、定性的な傾向は同じである。冷媒充填量を少なくした場合にはCOPが極大となる第1膨張弁前後の圧力差が存在し、適正な冷媒充填量でのCOPと同レベルの値となる。
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態の計算結果は、冷房運転の場合を例として説明したが、暖房運転であっても、圧縮動力を極小化してCOPを極大化する第1膨張弁前後の圧力差dPが存在する。
この場合、圧力差の制御に使用される第1膨張弁は、冷房用膨張弁Vcで実施可能ではあるが、ビルマルタイプの場合は複数の室内機があり、それぞれに冷房用膨張弁がついているため、圧力差の制御が複雑になる恐れがある。そのため、例えば、暖房用膨張弁Vhと冷房用膨張弁Vcとの間の冷媒循環路C1で、圧縮機11が設けられていない側の循環路に、別途の第1膨張弁としての膨張弁を設けることが望ましい。
(2)上記実施形態では、エンジン駆動式ヒートポンプ装置を例として説明したが、電気駆動式ヒートポンプ装置であっても、本発明の目的は、良好に達成される。
(3)上記実施形態では、1台の圧縮機11を備える構成例を示したが、複数台の圧縮機を備える構成を採用しても構わない。
当該構成においては、上記実施形態に係る「圧縮機の回転数」として、複数台の圧縮機の夫々の回転数を含む運転パターンが、採用されることになる。
(4)ビル等の空調設備の如く、冷媒循環路C1の配管長が長くなる場合、冷媒循環路C1の配管長が、第1膨張弁前後の圧力差の値に影響を与えるパラメータとなると考えられる。
このため、上記特徴構成の如く、冷媒循環路(液管やガス管)の配管長さをも、第1膨張弁前後の圧力差に影響する値として、マップデータとして記憶しておいても構わない。
(5)本発明に係るヒートポンプ装置100、及びその制御方法は、図8に示すように、冷媒循環路C1を一時的に貯留する冷却器17及び冷却流路C2を備える構成であっても良好にその機能を発揮する。
図8には、冷房運転時における冷却流路C2の回路構成の一例を示す。
尚、以下では、上記実施形態と異なる構成である冷却流路C2に関連する構成についてのみ説明し、説明のない構成については、上記実施形態と同一であるとする。
図8に示すように、冷却器17は、暖房用膨張弁Vh(第1膨張弁の一例)と冷房用膨張弁Vc(第2膨張弁の一例)とが直接連通される冷媒循環路C1に設けられている。
冷却流路C2の上流端は、冷却器17と冷房用膨張弁Vc(第2膨張弁の一例)との間の冷媒循環路C1に接続されると共に、下流端は、アキュムレータ15と圧縮機11との間の冷媒循環路C1(より詳細には、オイル流路Loの下流端とアキュムレータ15との間の冷媒循環路C1)に接続されている。
当該冷却流路C2は、膨張弁V4にて膨張された冷媒が通流する流路部位が、冷却器17の内部を通過する形態で配設され、これにより、冷却器17内の冷媒を冷却するものである。
当該構成を採用した場合に、第1膨張弁前後の圧力差dPを変化させた場合について説明する。第1膨張弁前後の圧力差dPを大きくした場合、冷却器17入口の冷媒温度が低下するため、冷却時の温度差が小さくなり、比エンタルピの低下度は小さくなる傾向があるものの、上述した実施形態と同様の理由により、圧縮動力を極小化してCOPを極大化する圧力差dPが存在することになる。
なお、図8は冷却回路がある一例であり、冷却のために分岐する箇所が、冷却後ではなく冷却前になっている仕様もある。
(6)圧縮動力は、圧縮機11による圧縮動力そのものや、圧縮機11をエンジンにて駆動する場合にはエンジンに供給される燃料量を意味するものとする。
尚、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
本発明のヒートポンプ装置の制御方法、及びヒートポンプ装置は、第1膨張弁前後の圧力差の具体的な制御による、圧縮動力を極小化してCOPを極大化し得るヒートポンプ装置の制御方法、及びヒートポンプ装置として、有効に利用可能である。
11 :圧縮機
12 :室外熱交換器
13 :室内熱交換器
14 :エンジン
50 :制御装置
51 :記憶部
100 :ヒートポンプ装置
C1 :冷媒循環路
Vc :冷房用膨張弁
Vh :暖房用膨張弁
W :圧縮動力
dP :圧力差
dh :冷却等の空調能力(比エンタルピ差)
α :規定値

Claims (6)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮機にて圧縮した冷媒を凝縮する凝縮器と、凝縮器にて凝縮した冷媒を膨張させる膨張弁としての第1膨張弁及び第2膨張弁と、前記膨張弁にて膨張した冷媒を蒸発させる蒸発器と、前記圧縮機と前記凝縮器と前記第1膨張弁と前記第2膨張弁と前記蒸発器とに記載の順に冷媒を循環する冷媒循環路とを備え、
    前記冷媒循環路を、前記第1膨張弁と前記第2膨張弁との間に冷媒を貯留するレシーバを介さない状態で備えるヒートポンプ装置の制御方法であって、
    前記第1膨張弁の開度もしくは前記第1膨張弁の開度に起因して変化する前記凝縮器と前記第2膨張弁の間に生じる圧力差を、前記第1膨張弁の出口での冷媒が気液混相状態とする状態で、前記圧縮機での圧縮動力を極小化してCOPを極大化するように制御するヒートポンプ装置の制御方法。
  2. 前記ヒートポンプ装置の運転条件毎に、当該運転条件と前記開度もしくは前記圧力差との関係であるマップデータから、現状の運転条件に対応した前記開度もしくは前記圧力差を読み出し、現状の運転条件に対応した前記圧縮機での圧縮動力を算出し、当該圧縮動力を極小化してCOPを極大化するように、前記開度もしくは前記圧力差を制御する請求項1に記載のヒートポンプ装置の制御方法。
  3. 前記ヒートポンプ装置の運転条件としてのパラメータの夫々の変化率が、安定判定時間に亘って所定の安定判定割合に収まっている安定状態にあることを判定する安定判定工程と、
    前記安定判定工程において前記安定状態にあると判定した場合に、前記ヒートポンプ装置の運転条件毎に、当該運転条件と前記開度もしくは前記圧力差との関係であるマップデータから現状の運転条件に対応する前記開度もしくは前記圧力差を読み出す圧力差読出工程と、
    前記開度もしくは前記圧力差を前記圧力差読出工程にて読み出された値に維持した状態で、前記圧縮機での圧縮動力を算出する圧縮動力算出工程と、
    前記開度もしくは前記圧力差を、前記圧縮動力算出工程にて算出された圧縮動力が極小値となりCOPが極大値となるように制御する圧力差制御工程とを有する請求項1又は2に記載のヒートポンプ装置の制御方法。
  4. 前記圧力差制御工程では、前記開度もしくは前記圧力差に対応する圧縮動力と、現状の前記開度もしくは前記圧力差を所定変化量だけ変化させた後の圧縮動力とを比較し、小さい方の圧縮動力に対応する前記開度もしくは前記圧力差を、現状の前記開度もしくは前記圧力差とする処理を連続して実行する局所探索法により、圧縮動力を極小化してCOPを極大化する前記開度もしくは前記圧力差を導出する請求項3に記載のヒートポンプ装置の制御方法。
  5. 前記安定判定工程と前記圧力差読出工程と前記圧縮動力算出工程と前記圧力差制御工程とを、前記ヒートポンプ装置の運転時にリアルタイムに実行する形態で、前記開度もしくは前記圧力差を制御する請求項3又は4に記載のヒートポンプ装置の制御方法。
  6. 冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮機にて圧縮した冷媒を凝縮する凝縮器と、凝縮器にて凝縮した冷媒を膨張させる膨張弁としての第1膨張弁及び第2膨張弁と、前記膨張弁にて膨張した冷媒を蒸発させる蒸発器と、前記圧縮機と前記凝縮器と前記第1膨張弁と前記第2膨張弁と前記蒸発器とに記載の順に冷媒を循環する冷媒循環路とを備え、
    前記冷媒循環路を、前記第1膨張弁と前記第2膨張弁との間に冷媒を貯留するレシーバを介さない状態で備えるヒートポンプ装置であって、
    前記第1膨張弁の開度もしくは前記第1膨張弁の開度に起因して変化する前記凝縮器と前記第2膨張弁の間に生じる圧力差を、前記第1膨張弁の出口での冷媒が気液混相状態とする状態で、前記圧縮機での圧縮動力を極小化してCOPを極大化するように制御する圧力差制御部を有するヒートポンプ装置。
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