JP2001196487A - パワーモジュール - Google Patents

パワーモジュール

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JP2001196487A JP2000005764A JP2000005764A JP2001196487A JP 2001196487 A JP2001196487 A JP 2001196487A JP 2000005764 A JP2000005764 A JP 2000005764A JP 2000005764 A JP2000005764 A JP 2000005764A JP 2001196487 A JP2001196487 A JP 2001196487A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内包する電力用半導体素子が導通破壊して
も、ケースの樹脂製の蓋が破壊し難い構造のパワーモジ
ュールを得る。 【解決手段】 ベース板1、枠体6および蓋10にて形
成されたケース13の内側におけるベース板1に載置し
た電力用半導体素子5をシリコンゲル9で封止したパワ
ーモジュールにおける電力用半導体素子5と蓋10との
間に、樹脂製の仕切板12を備え、仕切板12が、枠体
6の内側面に形成された断部6Aと、蓋10の裏面側に
形成された突起10Aとの間に挟持された状態にてケー
ス13に内挿され、電力用半導体素子5の導通破壊時の
衝撃から仕切板12の緩衝により蓋10の破損を防ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電力用半導体素
子を内包したケースおよび該ケースの開口部を塞ぐ蓋を
備えたパワーモジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のパワーモジュールとして、樹脂製
のケース内に電力用半導体素子を内包してシリコンゲル
で封入し、上面に樹脂製の蓋で覆う構造のものがある。
そして、上記パワーモジュールを、負荷回路の駆動装置
(図示せず)に用いた場合においては、通常、上記パワ
ーモジュールが放熱フィンに取付けられ、上記パワーモ
ジュールの上側に駆動回路を配置する駆動用基板(図示
せず)等が配置される。
【0003】この種のパワーモジュールにおいて、短絡
事故等によって上記電力用半導体素子が導通破壊し、そ
の短絡電流により上記電力用半導体素子およびその周辺
の上記シリコンゲル等が急激に昇温して急激な膨張現象
を生じ、上記パワーモジュールのケースにおける機械強
度が最も弱い上記蓋に衝撃が加わることになる。この衝
撃で、万一、上記蓋が破損すると、その破片や上記ケー
ス内の上記シリコンゲル等の部材片が周囲に飛散して上
記駆動用基板上の部品等を破損若しくは汚染する。この
ような場合には、上記駆動装置の修理に際し、破損した
上記パワーモジュールの交換だけでなく、上記駆動用基
板上の部品や上記駆動用基板そのものの交換も必要とな
ることがある。
【0004】この対策として、例えば、特開平9−13
0064号公報に、パワーモジュールのケースの側壁に
溝で囲われた限定領域を形成し、上記ケースの内圧の急
激な昇圧時に上記限定領域を開口させてガス抜きを行な
い、実害を低く押える例が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のパワーモジュー
ルは、以上のようにケースの側壁に溝で囲われた限定領
域を形成し、電力用半導体素子の破壊時に上記限定領域
を開口させて内部ガス圧の上昇を回避しており、上記側
壁側にガス抜きが行われるので実害を低く押える効果が
認められるが、やはり、上記限定領域から飛散したゲル
等で上記パワーモジュールの周辺を汚染する被害を防止
することが困難であり、その修理に際し、破損した上記
パワーモジュールの交換だけでなく、上記パワーモジュ
ールの周辺の清掃作業を必要とする。
【0006】本発明は、上記のような課題を解消するた
めになされたものであり、内包する電力用半導体素子の
導通破壊により、ケースの蓋が破損し難い構造のパワー
モジュールを得ることを目的とする。
【0007】また、上記ケースの蓋を破損し難くするた
めの構造が簡単で、かつ安価なパワーモジュールを得る
ことを目的とする。
【0008】さらに、上記ケースの外形寸法を大型化す
ることなく、その蓋が破損し難い構造のパワーモジュー
ルを得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係るパワー
モジュールは、上部が開放され、底部に電力用半導体素
子を配設したケースと、該ケースの開口部を塞ぐ蓋と、
上記電力用半導体素子から離間され、該電力用半導体素
子と上記蓋との間を仕切る仕切板とを備えたものであ
る。
【0010】第2の発明に係るパワーモジュールは、第
1の発明に係るパワーモジュールにおいて、ケースの内
側壁に仕切板を位置決めする段部が形成され、蓋および
上記仕切板の少なくとも何れかにおける相対向する面に
突起を設け、上記仕切板が上記蓋と上記段部との間に上
記突起を介して挟持されているものである。
【0011】第3の発明に係るパワーモジュールは、第
1の発明に係るパワーモジュールにおいて、ケースの内
側壁に仕切板を位置決めする段部が形成され、上記仕切
板と蓋との間にスペーサを備え、上記仕切板は上記スペ
ーサを介して上記段部と上記蓋との間に挟持されている
ものである。
【0012】第4の発明に係るパワーモジュールは、第
3の発明に係るパワーモジュールにおいて、スペーサが
弾性体にて形成されているものである。
【0013】第5の発明に係るパワーモジュールは、第
1の発明に係るパワーモジュールにおいて、蓋と仕切板
とが一体に構成されているものである。
【0014】第6の発明に係るパワーモジュールは、第
5の発明に係るパワーモジュールにおいて、蓋および仕
切板の少なくとも何れかにおける相対向する面の周縁に
突出する突起を備え、該突起により上記蓋と上記仕切板
との間に空隙部を形成しているものである。
【0015】第7の発明に係るパワーモジュールは、第
5の発明に係るパワーモジュールにおいて、仕切板が蓋
の電力用半導体素子と対向する主面に接合されているも
のである。
【0016】第8の発明に係るパワーモジュールは、第
1の発明に係るパワーモジュールにおいて、ケースの側
壁の略平行する対向箇所に幅広の一対の孔を形成し、そ
の一方の孔を貫通孔とし、仕切板を上記貫通孔に挿入す
ることにより、上記一対の孔で位置決めさせたものであ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】実施の形態1.この発明の実施の
形態1を図1〜図3により説明する。図1は実施の形態
1および以下に記載の実施の形態2乃至実施の形態5に
共通するパワーモジュールの平面図、図2、図3は夫
々、図1に示したパワーモジュールのII−II断面を示す
図およびIII−III断面を示す部分図である。図1〜図3
において、1は銅製のベース板であり、その4隅に放熱
フィン(図示せず)への取付け穴1Aを備える。2はセ
ラミック製の絶縁板、3はベース板1と絶縁板2とを接
合する接合材、4は銅薄膜からなる導電パターン、5は
絶縁板2上に導電パターン4を介して半田付けされた電
力用半導体素子、6は略矩形の開口断面を有する樹脂製
の枠体であり、その内壁面のほぼ全周囲にわたって段部
6Aが形成されている。
【0018】そして、7は枠体6にインサートされた導
体であり、枠体6の内壁側へ露出した一端に内部端子7
Aが、枠体6の外部へ露出した他端に外部端子7Bが形
成されている。8は内部端子7Aと導電パターン4若し
くは電力用半導体素子5とを接続するボンディングワイ
ヤ、9は電力用半導体素子5およびボンディングワイヤ
8を覆うように封入されたシリコンゲルである。
【0019】そして、10は裏面側に突起10Aが形成
された非金属材である樹脂製の蓋であり、ねじ11によ
り枠体6にねじ止されている。なお、突起10Aは、蓋
10が枠体6にねじ止された状態において枠体6の開口
部に嵌挿可能に、その全周囲が連なるように形成されて
いる。12は枠体6の内壁側に形成された段部6Aをス
トッパーとしてこの段部6Aと蓋10の突起10A間に
端縁の全周囲を挟まれた状態にて支持された樹脂製の仕
切板である。なお、ベース板1、枠体6および蓋10に
てケース13を形成している。
【0020】以上のように構成されたパワーモジュール
を、負荷回路の駆動装置(図示せず)に使用した場合に
おいては、通常、放熱フィンに上記パワーモジュールが
取付けられ、該パワーモジュールの上側にはその駆動用
基板(図示せず)が配置される。そして、この駆動用基
板に形成された駆動回路(図示せず)からの駆動信号の
入力により上記パワーモジュールにて直交変換された交
流電力が上記負荷回路に供給される。
【0021】そして、上記負荷回路の短絡事故等により
電力用半導体素子5が導通破壊して短絡電流が流れた場
合において、この短絡電流により電力用半導体素子5お
よびその周縁のシリコンゲル9等が急激に昇温して急激
な膨張現象を生じ、その衝撃はケース13における機械
強度が最も弱い樹脂製の蓋10を破損させる程度の破壊
エネルギーを有することがある。
【0022】しかし、上記構成のパワーモジュールにお
いては、電力用半導体素子5と蓋10との間に仕切板1
2を配設すると共に、蓋10と仕切板12との間に蓋1
0の突起10Aにより所定の間隔を設けたので、また、
仕切板12の端縁の全周囲を枠体6の段部6Aと蓋10
の突起10Aとで挟持したので、上記衝撃は仕切板12
を変形させることにより吸収、緩和されると共に、全周
囲が連なるように形成された突起10Aを介して蓋10
の周縁部近傍に分散されて伝達され、蓋10の破損を防
止できる。
【0023】上述のように、上記パワーモジュールは、
緩衝板として作用する仕切板12と、蓋10に形成した
突起10Aの存在により、上記衝撃による樹脂製の蓋体
10の破壊を防止できるので、従来のパワーモジュール
のごとく、破壊した蓋10の破片や、シリコンゲル9等
の部材片が飛散することがなく、従って、上記駆動用基
板上の部品等を蓋10の破片等にて破損させたり、上記
駆動装置のケースの内部をシリコンゲル9で汚染させる
ことがなく、上記駆動装置の修理に際し、破損した上記
パワーモジュールの交換だけでよく、上記駆動用基板上
の部品や上記駆動用基板そのものの交換が不要となり、
修理時間およびコスト低減に優れる。
【0024】なお、上記例においては、蓋10の裏面の
ほぼ全周囲が連なる突起10Aを形成したが、逆に、仕
切板12の周縁に全周囲に連なる突起(図示せず)を形
成し、該突起の先端に蓋10の裏面を押圧するようにし
たものであっても、同様な作用、効果を有するものが得
られる。また、蓋10の裏面、若しくは仕切板12の周
縁に形成する上記突起は必ずしも全周囲に連なる必要は
なく、例えば、図4に示すように、仕切板12の相対す
る辺に平行に、一対の突起12Aを対向配置したもので
あっても、実用上十分な作用、効果を有するものが得ら
れる。
【0025】実施の形態2.この発明の実施の形態2を
図5により説明する。図5は実施の形態2としてのパワ
ーモジュールの断面を示す部分図であり、図1における
II−II断面を示す。図2に示した実施の形態1とは、蓋
10に突起10Aが存在しない代りに、蓋10と仕切板
12との間に全周縁が連なるリング状のスペーサ14が
挿入され、蓋10を枠体6にねじ11によりねじ止め固
定することにより、仕切板12は蓋10によりスペーサ
14を介して枠体6の段部6Aに挟まれる状態で支持さ
れる点が相違する。
【0026】即ち、スペーサ14により蓋10と仕切板
12とが互いに間隔をおいて配設されるので、蓋10や
仕切板12に突起を形成する必要がなく、従って、蓋1
0として従来品を併用でき、また、仕切板12として板
材から切断加工でき、何れにしても特別に成形加工不要
であり、結果的に安価なパワーモジュールを提供でき
る。
【0027】なお、スペーサ14として、ゴム等の弾性
体を用いれば、仕切板12の全周縁がスペーサ14を介
して均等な押圧で段部6Aに支持されているので、上述
の衝撃による仕切板12の変形を比較的小さく押えるこ
とができると共に、仕切板12が受けた上記衝撃を吸
収、緩和してスペーサ14を介して蓋10の周縁にほぼ
均等に分散して伝達でき、蓋10の破損を防止すること
ができる。従って、緩衝板としての仕切板12をより安
価な緩衝材にて形成でき、結果的に安価なパワーモジュ
ールを提供できる。
【0028】また、スペーサ14として、必ずしも全周
縁が連なるリング状のものを用いる必要はなく、例え
ば、仕切板12の相対する辺に平行に、一対のスペーサ
14を対向配置したものであっても、実用上十分な作
用、効果を有するものが得られる。
【0029】なお、図1から図5に示した実施の形態1
および実施の形態2としてのパワーモジュールにおい
て、枠体6の内壁面のほぼ全周囲にわたって段部6Aを
形成したが、必ずしも枠体6の内壁面のほぼ全周囲にわ
たって形成する必要はなく、例えば、4隅に部分的に形
成したものであっても、上記実施の形態のものと実質的
に同様な効果が得られる。
【0030】実施の形態3.図6は実施の形態3として
のパワーモジュールの断面を示す部分図であり、図1に
おけるIII−III断面を示す。図において、仕切板12の
周縁に全周囲に連なる突起12Aが存在し、突起12A
の先端が蓋10の裏面に接合されて一体化され、蓋10
と仕切板12との間に空隙が形成されており、図2、図
5に示した実施の形態1、実施の形態2としてのパワー
モジュールとは、これらに存在した段部6Aが存在しな
い点が相違する。
【0031】即ち、蓋10を枠体6にねじ11によりね
じ止め固定した状態において、蓋10と仕切板12とが
上記空隙を介して互いに間隔を保持され、上述の衝撃を
仕切板12を変形させることにより吸収、緩和すると共
に、全周囲が連なるように形成された突起12Aを介し
て蓋10の周縁部近傍に分散されて伝達され、蓋10の
破損を防止できる。従って、緩衝板としての仕切板12
をより安価な緩衝材にて形成でき、かつ、仕切板12を
含む蓋10のケース13への取り付けが簡単であり、結
果的に安価なパワーモジュールを提供できる。
【0032】なお、図6に示した実施の形態3において
は、仕切板12の周縁に全周囲に連なる突起12Aを形
成し、突起12Aの先端を蓋10の裏面に接合して一体
化し、蓋10と仕切板12との間に空隙を形成したが、
逆に、蓋10の裏面に全周囲が連なる突起(図示せず)
を形成し、その先端を仕切板12と接合してこれらを一
体化したものであっても、また、上記突起を形成する代
わりに、スペーサ(図示せず)の両面を、夫々、蓋10
と仕切板12の対向面に接合してこれらを一体化したも
のであっても、同様な作用、効果を有するものが得られ
る。
【0033】また、蓋10の裏面、若しくは仕切板12
の周縁に形成する突起12Aは必ずしも全周囲に連なる
必要はなく、例えば、仕切板12の相対する辺に平行
に、一対の突起12Aを対向配置したものであっても、
実用上十分な作用、効果を有するものが得られる。
【0034】さらに、図7に示すように、蓋10と仕切
板12とを、これらの間に空隙が存在するように同一樹
脂により一体成形することにより、蓋10の中央部10
Aを薄く、周縁部10Bを厚く構成した極めて軽量で、
製造が容易、かつケース(図示せず)への取り付けが簡
単なものが得られる。
【0035】実施の形態4.図8は実施の形態4として
のパワーモジュールの蓋の断面を示す図であり、図1に
おけるIII−III断面で示されるものに相当し、蓋10と
仕切板12とを直接接合したものである。そして、仕切
板12は、その緩衝効果を高めるように、柔軟性と強靭
性に優れた発泡樹脂にて比較的厚く形成されており、仕
切板12の表面で局部的に受けた、上述の衝撃を緩和し
て蓋10に伝達する。図6に示した実施の形態3として
のパワーモジュールと比較して、蓋10と仕切板12と
の間に空隙が存在しないが、実用上充分な緩衝板として
機能し、その製法が簡略であり、安価で実用的なものが
得られる。
【0036】なお、図1乃至図8に示した実施の形態1
乃至実施の形態4としての上記パワーモジュールにおい
て、図示しない制御端子が枠体6の上面の開口部から蓋
10を貫通して外部に突出るタイプの場合には、仕切板
12における蓋10に形成された上記制御端子の貫通孔
に対応する位置に、同じく上記制御端子の貫通孔を形成
し、蓋10と同様に枠体6の開口部の上面から上記制御
端子を避けて挿入、配設する。
【0037】実施の形態5.この発明の実施の形態5を
図9により説明する。図9は実施の形態5としてのパワ
ーモジュールの断面を示す図であり、図1におけるIX−
IX断面を示す。図において、6B、6Cは枠体6の側壁
に形成された水平方向に幅広の一対のスリット状孔であ
り、貫通孔であるスリット状孔6Bから挿入した仕切板
12の先端部が盲孔であるスリット状孔6Cへ挿入可能
に形成されている(図1における枠体6の紙面上側の側
壁にスリット状孔6Bが、紙面下側の側壁にスリット状
孔6Cが形成されている)。そして、枠体6に挿着され
た仕切板12の端縁は、スリット状孔6B、6Cに嵌挿
されて係止される。なお、仕切板12は樹脂製である。
【0038】上記構成のパワーモジュールは、仕切板1
2の表面で受けた上述の衝撃を仕切板12自身の弾性変
形により吸収、緩和すると共に、仕切板12が受けた圧
力の反作用を枠体6の一対のスリット状孔6B、6Cで
受止めるので、蓋10は上記衝撃の影響を受けない。
【0039】なお、上記パワーモジュールの図示しない
制御端子が枠体6の上面の開口部から蓋10を貫通して
外部に突出るタイプの場合には、上記制御端子を仕切板
12の挿入方向に平行に、枠体6の内壁側に寄せて1列
若しくは2列に整列配置することにより、仕切板12を
上記制御端子を避けて挿入する。若しくは、図10に示
すごとく、仕切板12にスリット12Bを形成すること
により、上記制御端子をスリット12Bで避けて枠体6
へ挿入できるものが得られる。
【0040】また、図11(A)に示すごとく、軟質ゴ
ム板製の蓋板15で枠体6の内側からスリット状孔6B
を塞ぐことにより、即ち、蓋板15の枠体6との非当接
面におけるスリット状孔6Bに対応する位置にスリット
状孔6Bに平行に深溝15Aを形成し、かつ、枠体6と
の当接面における深溝15Bと平行な両端縁近傍に端縁
に沿って接着剤16を塗布して蓋板15を枠体6の内側
に接着剤16で接着することにより、図11(B)に示
すごとく、スリット状孔6Bに仕切板12を差し込む押
し圧で蓋板15を溝15Aに沿って破る構成とし、仕切
板12を差し込まない状態においては閉じて塵埃等の侵
入を防ぎ、仕切板12の挿入により開く弁の働きを得る
ことができる。
【0041】なお、図1乃至図7に示した実施の形態1
乃至実施の形態3および図9乃至図11に示した実施の
形態5としてのパワーモジュールにおいて、緩衝板とし
ての仕切板12の材質を樹脂製としたが、仕切板12の
材質は樹脂製に限定する必要はなく、石綿若しくはガラ
ス繊維材を素材とする成形品、または、比較的硬度の高
いゴム製であっても上記実施の形態のものと同様な効果
が得られる。
【0042】また、仕切板12をガラス繊維を骨材とす
る強化樹脂製とすれば、強靭なものが得られ、薄型化を
図れるので、仕切板12を配設したパワーモジュールで
あっても、そのケース13の外形寸法を従来品と同一に
することが可能であり、従来品と互換性のある物が得ら
れる。
【0043】なお、図8に示した実施の形態4としての
パワーモジュールにおいて、緩衝板としての仕切板12
の材質を発泡樹脂製としたが、仕切板12の材質は発泡
樹脂製に限定する必要はなく、柔軟性と強靭性に優れた
ものであればよく、石綿若しくはガラス繊維材を素材と
する成形品、または、比較的硬度の低いゴム製であって
も上記実施の形態のものと同様な効果が得られる。
【0044】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るので、以下に示すような効果を奏する。
【0045】上部が開放され、底部に電力用半導体素子
を配設したケースの開口部を塞ぐ蓋と、上記電力用半導
体素子との間を仕切る仕切板を備えたので、上記電力用
半導体素子が導通破壊して短絡電流が流れても、発生す
る破壊エネルギーに起因する衝撃を上記仕切板で緩和し
て上記蓋の破壊を防止でき、ひいては、上記蓋の破壊に
伴う破片の周囲への飛散を防止できるパワーモジュール
が得られる効果がある。
【0046】また、ケースの内側壁に仕切板を位置決め
する段部が形成され、蓋および上記仕切板の少なくとも
何れかにおける相対向する面に突起を設け、上記仕切板
を上記蓋と上記段部との間に上記突起を介して挟持した
ので、上記仕切板の取り付けが構造が簡単でその取付け
作業が容易なパワーモジュールを提供できる効果があ
る。
【0047】さらに、ケースの内側壁に仕切板を位置決
めする段部が形成され、上記仕切板と蓋との間にスペー
サを備え、上記仕切板は上記スペーサを介して上記段部
と上記蓋との間に挟持されているので、上記蓋は従来品
と互換性を有し、上記仕切板は板材から切断加工でき、
安価なパワーモジュールを提供できる効果がある。
【0048】また、スペーサを弾性体にて形成したの
で、仕切板を蓋により上記スペーサを介して段部に押圧
することにより確実に固定でき、緩衝効果の安定するた
めに仕切板の素材に対する制約が少なく、安価なパワー
モジュールを提供できる効果がある。
【0049】さらに、蓋と仕切板とを一体に構成したの
で、その取付け作業が容易であると共に、安価なパワー
モジュールを提供できる効果がある。
【0050】また、蓋および仕切板の少なくとも何れか
における相対向する面の周縁に突出する突起を備え、該
突起により上記蓋と上記仕切板との間に空隙部を形成し
ているので、その取付け作業が容易であると共に、緩衝
効果の優れたパワーモジュールを提供できる効果があ
る。
【0051】さらに、仕切板を蓋の電力用半導体素子と
対向する主面側に接合したので、上記仕切板の取付け構
造が極めて簡単でその取付け作業も容易であると共に、
安価なパワーモジュールを提供できる効果がある。
【0052】さらに、ケースの側壁の略平行する対向箇
所に幅広の一対の孔を形成し、その一方の孔を貫通孔と
し、仕切板の上記貫通孔に挿入することにより、上記一
対の孔で位置決めさせたので、上述の衝撃の蓋への影響
がなく、該蓋の薄肉化の可能なパワーモジュールを提供
できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1としてのパワーモジュールの平
面図である。
【図2】 図1に示したパワーモジュールのII−II断面
図である。
【図3】 図1に示したパワーモジュールのIII−III断
面図である。
【図4】 図1に示したパワーモジュールにおける仕切
板の別の例を示す斜視図である。
【図5】 実施の形態2としてのパワーモジュールの断
面図である。
【図6】 実施の形態3としてのパワーモジュールの断
面図である。
【図7】 図6に示したパワーモジュールにおける蓋と
一体構成の仕切板の別の例としての一体成形されたもの
の断面図である。
【図8】 実施の形態4としてのパワーモジュールの断
面図である。
【図9】 実施の形態5としてのパワーモジュールの断
面図である。
【図10】 図10に示したパワーモジュールにおける
蓋の別の例を示す斜視図である。
【図11】 図10に示したパワーモジュールにおける
スリット状孔を塞ぐ蓋板を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ベース板、2 絶縁板、5 電力用半導体素子、6
枠体、6A 段部、6B、6C スリット状孔、9
シリコンゲル、10 蓋、10A 突起、12仕切板、
12A 突起、12B スリット、13 ケース、14
スペーサ、15 蓋板

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部が開放され、底部に電力用半導体素
    子を配設したケースと、該ケースの開口部を塞ぐ蓋と、
    上記電力用半導体素子から離間され、該電力用半導体素
    子と上記蓋との間を仕切る仕切板とを備えたことを特徴
    とするパワーモジュール。
  2. 【請求項2】 ケースはその内側壁に仕切板を位置決め
    する段部が形成され、蓋および上記仕切板の少なくとも
    何れかは、これらの相対向する面に突起を設け、上記仕
    切板は上記蓋と上記段部との間に上記突起を介して挟持
    されていることを特徴とする請求項1に記載のパワーモ
    ジュール。
  3. 【請求項3】 ケースはその内側壁に仕切板を位置決め
    する段部が形成され、上記仕切板と蓋との間にスペーサ
    を備え、上記仕切板は上記スペーサを介して上記段部と
    上記蓋との間に挟持されていることを特徴とする請求項
    1に記載のパワーモジュール。
  4. 【請求項4】 スペーサは弾性体にて形成されているこ
    とを特徴とする請求項3に記載のパワーモジュール。
  5. 【請求項5】 蓋と仕切板とは一体に構成されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載のパワーモジュール。
  6. 【請求項6】 蓋および仕切板の少なくとも何れかは、
    これらの相対向する面の周縁に突出する突起を備え、該
    突起により上記蓋と上記仕切板との間に空隙部を形成し
    ていることを特徴とする請求項5に記載のパワーモジュ
    ール。
  7. 【請求項7】 仕切板は、蓋の電力用半導体素子と対向
    する主面に接合されていることを特徴とする請求項5に
    記載のパワーモジュール。
  8. 【請求項8】 ケースはその側壁の略平行する対向箇所
    に幅広の一対の孔を形成し、その一方の孔を貫通孔と
    し、仕切板を上記貫通孔に挿入することにより、上記一
    対の孔で位置決めさせたことを特徴とする請求項1に記
    載のパワーモジュール。
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