JP2001196348A - 有機物の分解方法、および半導体素子の製造方法 - Google Patents

有機物の分解方法、および半導体素子の製造方法

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JP2001196348A
JP2001196348A JP2000003941A JP2000003941A JP2001196348A JP 2001196348 A JP2001196348 A JP 2001196348A JP 2000003941 A JP2000003941 A JP 2000003941A JP 2000003941 A JP2000003941 A JP 2000003941A JP 2001196348 A JP2001196348 A JP 2001196348A
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resist layer
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ultraviolet rays
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JP2000003941A
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Toshiki Nakajima
俊貴 中島
Hironori Suzuki
博則 鈴木
Katsumi Suzuki
克己 鈴木
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レジスト材料に代表されるような有機物を好
適に分解することが可能な有機物の分解方法を提供する
こと。 【解決手段】 本発明の第1の方法は、有機物に紫外線
を照射し、次いで、かかる有機物をオゾン含有水で処理
することを特徴とする。本発明の第2の方法は、有機物
に紫外線を照射しつつ、かかる有機物をオゾン含有水で
処理することを特徴とする。紫外線の波長は、150〜
380nm程度とすることが好ましい。紫外線の照射強度
は、1〜500mW/cm2程度とすることが好ましい。オゾ
ン含有水のオゾン濃度は、1〜200ppm程度とするこ
とが好ましい。オゾン含有水で有機物を処理する際の処
理時間は、30秒〜300分程度とすることが好まし
い。オゾン含有水の温度は、10〜90℃程度とするこ
とが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機物の分解方
法、および半導体素子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気製品、コンピューターを始めとする
様々な機器には、LSIを始めとする各種の半導体素子
が用いられている。このような半導体素子を製造するた
めには、製造の途中で、半導体ウェハー上にレジスト層
を設け、かかるレジスト層をマスクとして、エッチング
を行う必要がある。
【0003】このレジスト層は、エッチングを行う際に
は必要なものであるが、エッチング終了後は、もはや不
要のものである。したがって、エッチング終了後は、レ
ジスト層を除去しなければならない。
【0004】このようなレジスト層を除去する方法とし
ては、レジスト層を有機溶媒を含む剥離液で処理して
溶解、除去する方法、レジスト層をアルカリ溶液で処
理して除去する方法、レジスト層を熱濃硫酸、熱濃硫
酸+過酸化水素水等で処理して酸化、分解する方法、
レジスト層をO2プラズマで処理(アッシング)して酸
化、分解する方法、が知られている。
【0005】しかし、上記〜の方法は、濃厚な薬液
を使用する必要があるため、危険性も高く、薬液の取り
扱いには細心の注意を要する。また、薬液の種類によっ
ては、レジスト層を除去する際に薬液を加熱しなければ
ならず、加熱設備に要するコスト、エネルギーコストが
膨大なものとなる。加えて、レジスト層を除去するため
の薬液は、薬液そのものが高価である。さらには、上記
〜の方法では、薬液の種類、処理条件によっては、
半導体ウェハーの表面に単分子層あるいは原子レベルの
残渣が発生する場合がある。
【0006】また、上記の方法を行うと、レジスト層
やアッシング装置由来の粒子が、ゴミとなって半導体ウ
ェハーの表面に付着、堆積し、半導体ウェハーの表面が
汚れる。このため、レジスト層を除去後、半導体ウェハ
ーの洗浄等を行う必要があり、工程数の増加は避けられ
ない。しかも、上記の方法は真空環境下で行わなけれ
ばならない。また、プラズマを発生させる必要もある。
したがって、このための設備コストおよび電力、エネル
ギーコストは、膨大なものとなる。さらには、上記の
方法を行うと、半導体ウェハーの表面がプラズマダメー
ジにより劣化する場合がある。
【0007】このような欠点を克服するため、最近、レ
ジスト層をオゾン含有水で処理することにより、レジス
ト層を分解、除去する方法が、学会等で発表された。
【0008】しかし、本発明者の研究から、レジスト材
料の種類によっては、単にオゾン含有水で処理するだけ
ではレジスト層を分解、除去できないことが分かった。
また、除去可能なものであっても、レジスト材料の種類
によっては、レジスト層の十分な除去速度が得られない
ことが分かった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、レジ
スト材料に代表されるような有機物を好適に分解するこ
とが可能な有機物の分解方法、および、かかる有機物の
分解方法を利用した半導体素子の製造方法を提供するこ
とにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(10)の本発明により達成される。
【0011】(1) 有機物に紫外線を照射し、次い
で、該有機物をオゾン含有水で処理することを特徴とす
る有機物の分解方法。
【0012】(2) 有機物に紫外線を照射しつつ、該
有機物をオゾン含有水で処理することを特徴とする有機
物の分解方法。
【0013】(3) 前記紫外線の波長は、150〜3
80nmである上記(1)または(2)に記載の有機物の
分解方法。
【0014】(4) 前記紫外線の照射強度は、1〜5
00mW/cm2である上記(1)ないし(3)のいずれかに
記載の有機物の分解方法。
【0015】(5) 前記オゾン含有水のオゾン濃度
は、1〜200ppmである上記(1)ないし(4)のい
ずれかに記載の有機物の分解方法。
【0016】(6) 前記オゾン含有水で前記有機物を
処理する際の前記オゾン含有水の温度は、10〜90℃
である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の有機
物の分解方法。
【0017】(7) 前記有機物は、基材上に設けられ
ている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の有機
物の分解方法。
【0018】(8) 前記基材は、半導体ウェハーであ
る上記(7)に記載の有機物の分解方法。
【0019】(9) 前記有機物は、レジスト材料で構
成されている上記(1)ないし(8)のいずれかに記載
の有機物の分解方法。
【0020】(10) 上記(1)ないし(9)のいず
れかに記載の有機物の分解方法を行う工程を含むことを
特徴とする半導体素子の製造方法。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0022】本発明の第1の方法は、有機物に紫外線を
照射し、次いで、かかる有機物をオゾン含有水で処理す
ることを特徴とする。
【0023】本発明の第2の方法は、有機物に紫外線を
照射しつつ、かかる有機物をオゾン含有水で処理するこ
とを特徴とする。
【0024】本発明者は、上記問題点を克服すべく鋭意
研究を重ねた結果、レジスト材料に代表される有機物に
紫外線を照射してからかかる有機物をオゾン含有水で処
理すると、もしくは、レジスト材料に代表される有機物
に紫外線を照射しつつかかる有機物をオゾン含有水で処
理すると、有機物を好適に分解、除去できることを発見
した。
【0025】したがって、本発明によれば、単にオゾン
含有水で処理するだけでは分解が困難な有機物を、好適
に分解、除去することが可能である。また、本発明によ
れば、単にオゾン含有水で処理するだけでは十分な除去
速度が得られない有機物を分解、除去する場合にも、高
い除去速度(分解速度)が得られるようになる。
【0026】本発明は以上のような利点を有しているの
で、本発明によれば、液中に溶解した有機物を分解、除
去することが可能なことはもちろんのこと、基材(例え
ば半導体ウェハー、樹脂基板(樹脂板)、ガラス基板
(ガラス板)、金属基板(金属板)等)上に設けられた
有機物(例えばレジスト材料、油分等の汚れ)も、好適
に分解、除去することができる。
【0027】例えば、O2プラズマ処理や、ある種の薬
液を用いた処理により基材表面の有機物を除去した場
合、有機物は除去できるが、基材の表面が劣化してしま
う、あるいは微量の残渣物が残存してしまう場合があ
る。これに対して本発明によれば、基材の表面が劣化し
にくく、また、残渣物が発生しにくい。すなわち、本発
明によれば、基材の表面を劣化させずに、基材上に設け
られた有機物を好適に除去することが可能となる。
【0028】また、O2プラズマ処理等のアッシングに
より基材表面の有機物を除去しようとした場合、基材上
には、残渣物の残留、付着、および金属汚染が生じる。
このため、アッシングにより基材上の有機物を除去した
後には、例えば基材を熱濃硫酸+過酸化水素水およびア
ンモニア水+過酸化水素水で処理する等の洗浄工程を行
う必要がある。これに対し、本発明によれば、通常、基
材上にこのような残渣物、汚染物が残留、付着すること
はない。換言すれば、オゾン含有水で有機物を除去する
と、基材の表面は、比較的清浄な状態が維持される。ゆ
えに、本発明を行った後、本発明を行うことに起因する
後処理を、特段に行う必要がなくなる。
【0029】したがって、半導体ウェハー等、表面性状
を極めて良好な状態に保つ必要がある基材に対しても、
本発明を好適に適用することができる。
【0030】しかも、本発明によれば、ある種のレジス
ト材料等、従来はオゾン含有水では除去が困難と言われ
てきた有機物も、好適に分解、除去することができる。
例えば、レジスト材料としては、環状ゴム系レジスト、
ポリ桂皮酸ビニル系レジスト、ポリメチルメタクリレー
ト系レジスト、ポリスチレン系レジスト、ノボラック樹
脂系レジストなどが知られている。
【0031】本発明者の研究から、特に環状ゴム系レジ
ストは、単にオゾン含有水で処理するだけでは、分解、
除去できないことが分かった。これに対し、本発明によ
れば、このようなオゾン含有水での難分解材料も好適に
分解、除去することが可能である。また、本発明によれ
ば、オゾン含有水で比較的分解、除去が容易なレジスト
材料も、単にオゾン含有水で処理する場合よりも速やか
に、分解、除去することが可能となる。
【0032】以上のような利点を本発明は有しているの
で、本発明によれば、半導体ウェハー上に形成されたレ
ジスト層等を、半導体ウェハーの表面を劣化させずに好
適に分解、除去することが可能となる。
【0033】以上述べた利点に加えて、上記第2の方法
によれば、有機物を極めて効率よく分解、除去できると
いう利点が得られる。また、上記第1の方法によれば、
紫外線を照射する装置と、オゾン含有水を供給する装置
とを一体化する必要がなくなるので、装置の構成を簡易
なものとすることができる。
【0034】また、本発明は、環境に対して優しい技術
でもある。本発明のようにオゾン含有水を使用して有機
物を分解、除去すると、有機溶媒、硫酸等の濃厚薬液を
用いなくとも有機物を除去することが可能となる。しか
も、オゾン含有水の溶媒は、処理が容易な水である。加
えて、オゾンは、分解が容易である。このため、オゾン
含有水で有機物を除去することにより生じた廃液は、容
易に処理することができる。しかも、水は、生体に対す
る毒性が低い。したがって、本発明により、作業者の健
康に及ぼす影響は非常に低いものとなる。また、本発明
により、自然環境を汚染することも好適に防止すること
ができるようになる。
【0035】なお、上記第1の方法を行う具体的な形態
としては、基材上に形成された有機物を分解、除去する
場合を例に取ると、まず、基材上の有機物に紫外線を照
射し、次いで、かかる有機物にオゾン含有水を接触させ
る形態が挙げられる。この場合、有機物にオゾン含有水
を接触させる方法としては、例えば、基材をオゾン含有
水中に浸漬する方法、基材上の有機物に対してオゾン含
有水を注ぐ方法などが挙げられる。
【0036】また、上記第2の方法を行う具体的な形態
としては、基材上に形成された有機物を分解、除去する
場合を例に取ると、基材上の有機物にオゾン含有水を接
触させつつ、かかる有機物に対して紫外線を照射する形
態が挙げられる。この場合、オゾン含有水を有機物に接
触させる方法としては、前記と同様の方法などが挙げら
れる。なお、本方法を行う場合、有機物をオゾン含有水
で処理している間中、有機物に紫外線を継続して照射し
続けなくてもよい。
【0037】本発明により有機物を分解、除去する場
合、紫外線の波長(ピーク波長)は、150〜380nm
程度とすることが好ましい。これにより、レジスト材料
等の有機物を好適に分解、除去できるようになる。ま
た、これにより、有機物が基材上に設けられている場合
には、基材の表面を劣化させずに有機物を好適に除去す
ることができる。
【0038】特に、本発明では、比較的長波長(220
〜380nm程度)領域に強度ピークを持つ紫外線を用い
ても、有機物の分解、除去を、好適に行うことができ
る。本発明者は、本発明によれば比較的長波長の紫外線
を用いてもレジスト材料等の有機物を好適に分解、除去
できることを発見した。そして、長波長の紫外線を用い
ると、下記のような利点が得られる。
【0039】1.人体に対する危険性が低い 紫外線は、波長が短くなればなるほど、人体に対する危
険性が増大する。逆に、紫外線は、波長が長いと、人体
に対する危険性が低くなる。そして、本発明によれば、
かかる長波長領域の紫外線を用いて有機物を分解、除去
することが可能となる。したがって、本発明によれば、
有機物を除去する際の作業環境を、人体に対して危険性
の低いものとすることができる。
【0040】2.光源から有機物までの距離を長くする
ことができる紫外線は、波長が短くなればなるほど、空
気、水等の媒体中で減衰し易い。逆に、紫外線は、波長
が長いと、空気、水等の媒体中で減衰し難い。そして、
本発明によれば、かかる長波長領域の紫外線を用いて有
機物を分解、除去することが可能となる。したがって、
本発明によれば、紫外線の光源から有機物までの距離
を、長くすることができる。このため、本発明を行うに
際して、装置の設計の自由度が増大する。
【0041】なお、有機物に対して紫外線を照射する際
の紫外線の照射強度は、1〜500mW/cm2程度とするこ
とが好ましく、5〜300mW/cm2程度とすることがより
好ましい。これにより、有機物を好適に分解、除去でき
るようになる。加えて、基材上の有機物を除去する場
合、基材の表面を劣化させずに有機物を除去すること
が、容易となる。
【0042】また、上記第1の方法を行う場合、有機物
に対する紫外線の照射時間は、30秒〜180分程度と
することが好ましく、3〜60分程度とすることがより
好ましい。これにより、有機物をオゾン含有水で処理す
る際に、有機物を好適に分解、除去できるようになる。
また、有機物が基材上に設けられている場合、基材表面
の劣化も防止できる。
【0043】なお、上記第1および第2の方法を行う場
合、有機物に対する紫外線の照射は、空気中で行うこと
もできるし、例えば、オゾンガス含有雰囲気中で行うこ
ともできる。空気中での紫外線の照射は、簡易に行うこ
とができる。しかも、紫外線を照射する装置の構成も、
簡易なものとすることができる。一方、オゾンガス含有
雰囲気中で上記第1の方法を行うと、有機物をより好適
に、分解、除去できるようになる。
【0044】また、オゾンガス含有雰囲気中で上記第2
の方法を行うと、有機物上の水膜を通じてオゾンが有機
物上により多く供給されるため、有機物をより好適に分
解、除去できるようになる。特に、有機物上にオゾン含
有水を注ぐ(供給する)ことにより基材上の有機物を処
理する場合、紫外線がオゾン含有水を透過し易くなる
上、オゾンガスが有機物上にさらに多く供給され、有機
物をより好適に分解、除去できるようになる。さらにこ
の際、例えばスピンプロセッサ等を用いて基材を回転さ
せつつ、オゾン含有水を有機物上に供給すると、有機物
上の水膜が薄くなり、前述した効果がさらに効果的に得
られるようになる。
【0045】なお、例えば、オゾン含有ガスを前記有機
物に供給することによりオゾンガス含有雰囲気を作り出
す場合、上記第1、2の方法ともオゾン含有ガスの供給
速度(流量)は、0.1〜20L/min程度とすることが
好ましい。
【0046】また、上記第1の方法を行う場合、有機物
に対する紫外線の照射は、室温付近(例えば0〜40
℃)で行うことができる。このように本発明によれば、
特段に有機物を加熱、冷却等せずに有機物を分解、除去
することが可能である。なお、加熱等を行いつつ有機物
に対して紫外線を照射してもよいことは言うまでもな
い。
【0047】本発明を行うにあたって、オゾン含有水の
オゾン濃度は、1〜200ppm程度とすることが好まし
く、10〜200ppm程度とすることがより好ましい。
オゾン濃度が低すぎると、有機物の除去効率が低下する
場合がある。一方、オゾン濃度を高くしようとすると、
オゾン含有水生成装置の構成が複雑となる。また、基材
上の有機物を除去する場合、オゾン濃度が高すぎると、
基材の表面を劣化させてしまうおそれがある。
【0048】また、オゾン含有水で有機物を処理する際
の処理時間は、有機物の種類によっても異なるが、30
秒〜300分程度とすることが好ましい。特に、上記第
2の方法を行う場合、かかる処理時間は、1〜30分程
度とすることがより好ましい。また、上記第1の方法を
行う場合、かかる処理時間は、5〜90分程度とするこ
とがより好ましい。これにより、有機物を好適に分解、
除去することができるようになる。加えて、基材上の有
機物を除去する場合、基材の劣化を抑制することができ
る。
【0049】また、オゾン含有水で有機物を処理する際
のオゾン含有水の温度は、10〜90℃程度とすること
が好ましく、20〜60℃程度とすることがより好まし
い。例えばプラズマ等によるドライアッシングでは、真
空ポンプ、プラズマ発生にエネルギーを要し、また、硫
酸過酸化水素水による分解除去では薬液を高温(例えば
120℃程度)まで加熱するため、高いエネルギーが必
要である。これに対し、本発明は、比較的低い温度条件
下(例えば常温付近)で有機物を分解、除去可能であ
る。このため、本発明によれば、有機物を処理する装置
の構成を、簡易なものとすることができる。加えて、本
発明によれば、エネルギーコストを削減することができ
る。
【0050】なお、オゾン含有水で有機物を処理する場
合には、オゾン含有水の濃度を均一化しつつ、有機物を
処理することが好ましい。これにより、有機物の処理
中、オゾン含有水のオゾン濃度が均一となり、有機物の
除去効率、除去能、除去量にムラが生じることが防止さ
れる。
【0051】例えば基材上の有機物を浸漬法により除去
する場合には、槽中のオゾン含有水を循環、攪拌等する
ことにより、オゾン含有水の濃度(および温度)を均一
化することができる。これにより、基材上の有機物をム
ラなく除去することができる。
【0052】また、基材上に設けられた有機物にオゾン
含有水を注ぐ(供給する)ことにより有機物を処理する
と、オゾン含有水の濃度を均一化しつつ、有機物を処理
できる。特に、例えばスピンプロセッサー等で基材(シ
リコンウェハー)を回転させて基材上の有機物を除去す
る場合、基材を回転させた所に、オゾン含有水を一定温
度、濃度で吐出することが好ましい。さらには、スピン
プロセッサーの吐出ノズルを基材(ウェハー半径)上で
往復させることが好ましい。これにより、基材上に設け
られた有機物をさらに均一に処理することが可能とな
る。
【0053】以下、このような有機物の分解方法を利用
した半導体素子の製造方法について、ダイオードを製造
する場合を例に、図1〜4に基づいて、説明する。
【0054】概略としては、まず、p型シリコンウェハ
ー1上に絶縁層2を設け、次いで、p型シリコンウェハ
ー1にn型シリコン部11を形成し、次いで、電極膜5
で構成された電極51および52をp型シリコンウェハ
ー1上に設けることにより、ダイオードを製造すること
ができる。
【0055】ダイオードを製造するに先立って、まず、
図1(a)に示すように、半導体ウェハー(シリコンウ
ェハー)として、p型シリコンで構成されたウェハーで
あるp型シリコンウェハー(基材)1を用意する。この
ようなp型シリコンウェハー1は、公知の方法で入手、
用意することができる。
【0056】<1>まず、図1(b)に示すように、p
型シリコンウェハー1上に、絶縁層2を設ける。
【0057】この絶縁層2は、主として、短絡の防止、
p型シリコンウェハー1表面の保護等の機能を果たす。
かかる絶縁層2は、例えば、SiO2などで構成するこ
とができる。このような絶縁層2は、例えば、熱酸化
法、あるいは化学気相成膜法(CVD法)、スパッタリ
ング法等の気相成膜法などにより形成することができ
る。
【0058】<2>次に、図1(c)に示すように、絶
縁層2上に、レジスト層3を設ける。
【0059】なお、レジスト層3は、ポジ型レジスト、
ネガ型レジスト等、いずれの種類のレジスト材料で構成
してもよい。このレジスト層3は、例えば、スピンコー
ト等の塗布法などにより設けることができる。
【0060】<3>次に、マスクを用いて所定パターン
にレジスト層3を露光した後、レジスト層3を現像し
て、レジスト層3の不要部分を除去する。
【0061】これにより、図1(d)に示すように、n
型シリコン部11を形成する部分からは、レジスト層3
が除去され、それ以外の部分では、レジスト層3が残存
する。
【0062】<4>次に、図2(e)に示すように、レ
ジスト層3で被覆されていない絶縁層2を除去する。こ
れにより、n型シリコン部11を形成する部分では、p
型シリコンウェハー1が露出する。
【0063】絶縁層2は、例えば、レジスト層3をマス
クとして、ウエットエッチング、ドライエッチングなど
のエッチングを行うことにより除去することができる。
なお、ウエットエッチングを行う場合、エッチング液に
は、例えばフッ酸水溶液などを用いることができる。
【0064】以下、説明の便宜上、絶縁層2が除去され
た部分を凹部21という。
【0065】<5>次に、図2(f)に示すように、レ
ジスト層3を除去する。
【0066】かかるレジスト層3の除去は、前述した方
法により行うことができる。これにより、p型シリコン
ウェハー1および絶縁層2の表面を劣化させずに、レジ
スト層3を好適に除去することができる。
【0067】<6>次に、図2(g)に示すように、p
型シリコンウェハー1に、局所的にn型シリコンで構成
された部分、すなわちn型シリコン部11を形成する。
【0068】これは、例えば、p型シリコンウェハー1
に対して、リンを熱拡散することにより行うことができ
る。また、イオン注入法を用いてもよい。これにより、
凹部21からp型シリコンウェハー1内に、リンが浸透
する。そして、かかるp型シリコンウェハー1を構成す
るシリコンのうち、リンが浸透した部分は、n型シリコ
ンに変化する。これにより、n型シリコン部11が形成
される。
【0069】また、このとき、凹部21では、p型シリ
コンウェハー1の表面に酸化被膜が形成される場合があ
る。かかる酸化被膜の主成分は、SiO2であり絶縁性
を有している。したがって、図および以下の記載では、
かかる酸化被膜は、絶縁層2に含めて説明する。
【0070】<7>次に、図2(h)に示すように、例
えば前記と同様にして、絶縁層2上に、レジスト層4を
形成する。
【0071】<8>次に、図3(i)に示すように、マ
スクを用いて所定パターンにレジスト層4を露光した
後、レジスト層4を現像して、レジスト層4の不要部分
を除去する。
【0072】これにより、例えば、電極膜5がp型シリ
コンウェハー1に接触することとなる部分からは、レジ
スト層4が除去される。
【0073】<9>次に、図3(j)に示すように、レ
ジスト層4で被覆されていない絶縁層2を除去する。こ
れにより、電極膜5がp型シリコンウェハー1に接触す
ることとなる部分では、絶縁層2が除去される。
【0074】かかる絶縁層2は、前記工程<4>と同様
の方法により除去することができる。
【0075】<10>次に、図3(k)に示すように、
レジスト層4を除去する。
【0076】かかるレジスト層4の除去は、前述した方
法により行うことができる。これにより、p型シリコン
ウェハー1および絶縁層2の表面を劣化させずに、レジ
スト層4を好適に除去することができる。
【0077】<11>次に、図3(l)に示すように、
シリコンウェハー1上に、絶縁層2を覆うように、電極
膜5を形成する。
【0078】この電極膜5は、電極を構成するためのも
のであり、例えば、Al等の金属などで構成することが
できる。かかる電極膜5は、例えば、蒸着法、スパッタ
リング法等の気相成膜法などにより形成することができ
る。
【0079】<12>次に、図4(m)に示すように、
例えば前記と同様にして、電極膜5上に、レジスト層6
を形成する。
【0080】<13>次に、マスクを用いて所定パター
ンにレジスト層6を露光した後、レジスト層6を現像し
て、レジスト層6の不要部分を除去する。
【0081】これにより、例えば図4(n)に示すよう
に、電極膜5が電極を構成しない部分からは、レジスト
層6が除去される。
【0082】<14>次に、図4(o)に示すように、
レジスト層6で被覆されていない電極膜5を除去する。
【0083】これにより、p型シリコンウェハー1上
に、n型シリコンで構成された部分、すなわちn型シリ
コン部11に接続された第1電極51と、p型シリコン
で構成された部分に接続された第2電極52とが形成さ
れる。
【0084】なお、電極膜5は、例えば、レジスト層6
をマスクとして、ウエットエッチング、ドライエッチン
グなどのエッチングを行うことにより除去することがで
きる。なお、ウエットエッチングを行う場合、エッチン
グ液には、例えば硝酸、リン酸などを用いることができ
る。
【0085】<15>次に、図4(p)に示すように、
レジスト層6を除去する。
【0086】かかるレジスト層6の除去は、前述した方
法により行うことができる。これにより、p型シリコン
ウェハー1、絶縁層2、および電極膜5の表面を劣化さ
せずに、レジスト層6を好適に除去することができる。
【0087】これにより、図4(p)に示すように、ダ
イオード100が得られる。
【0088】最後に、p型シリコンウェハー1のカッテ
ィング、カッティングされたチップのケースへの搭載、
ワイヤー接続(ワイヤーボンディング)、パッケージン
グを順次行うことにより、ダイオードパッケージ(図示
せず)を得ることができる。
【0089】以上のようにしてダイオードを製造する場
合、p型シリコンウェハー1上に設けた各レジスト層を
除去する際には、各工程でレジスト層の除去方法を同種
類のものに統一すると、製造設備を簡略化することがで
きる。したがって、例えば、上記工程<5>で前述した
第1の方法によりレジスト層3を除去した場合、上記工
程<10>および<15>においても、前述した第1の
方法によりレジスト層4および6を除去するとよい。ま
た、例えば、上記工程<5>で前述した第2の方法によ
りレジスト層3を除去した場合、上記工程<10>およ
び<15>においても、前述した第2の方法によりレジ
スト層4および6を除去するとよい。なお、各工程で、
レジスト層の除去方法を変えてもよいことは言うまでも
ない。また、レジスト層を除去する各工程のうち一部の
工程は、上述した方法と異なる方法によりレジスト層を
除去してもよい。
【0090】以上述べた製造方法の一例では、p型シリ
コンウェハーをまず用意し、かかるウェハーを母材とし
てダイオードを製造したが、n型シリコンウェハーを用
意して、かかるウェハーを母材として、ダイオードを製
造してもよい。また、用意する半導体ウェハーは、シリ
コンウェハーでなくてもよく、例えば、ガリウムヒ素、
ゲルマニウム等の他の半導体ウェハーであってもよい。
【0091】なお、以上の説明では、半導体素子の製造
方法の一例としてダイオードの製造方法を挙げたが、本
発明は、各種IC、トランジスタ、TFT基板等、いず
れの種類の半導体素子(半導体部品)を製造する場合に
も適用可能である。
【0092】
【実施例】§1.基材上に設けた有機物の除去 [1.1]半導体ウェハー上に設けた環状ゴム系レジス
ト層の除去 [1.1.1]以下のようにして、基材上に設けたレジ
スト層の分解、除去を行い、その際のレジスト層の除去
量を調べた。
【0093】まず、基材として8インチのシリコンウェ
ハーを複数用意した。
【0094】次に、これら各シリコンウェハー上に、有
機物としてネガ型レジストである環状イソプレンゴム系
レジスト(東京応化工業株式会社製「OMR83」)
を、スピンコートにより3000Åの膜厚で塗布し、レ
ジスト層を形成した。
【0095】次に、これらのシリコンウェハーに対し
て、下記の操作を行った。 ・No.1:シリコンウェハーを、オゾン含有水で10分
間処理した。 ・No.2:空気中でシリコンウェハーに、紫外線を10
分間照射した。 ・No.3:空気中でシリコンウェハーに、紫外線を20
分間照射した。 ・No.4:空気中でシリコンウェハーに、紫外線を10
分間照射した後、このシリコンウェハーを、オゾン含有
水で10分間処理した。 ・No.5:空気中でシリコンウェハーに、紫外線を20
分間照射した後、このシリコンウェハーを、オゾン含有
水で10分間処理した。 ・No.6:シリコンウェハーを、オゾン含有水で10分
間処理した。この処理の間、かかるシリコンウェハーに
対し、紫外線を照射し続けた。
【0096】なお、オゾン含有水によるシリコンウェハ
ーの処理は、スピン洗浄機(エム・セテック社製「MS
−117」)にセットしたシリコンウェハーを500rp
mで回転させ、かかるシリコンウェハー上、すなわちレ
ジスト層上にオゾン含有水を0.2l/minで吐出するこ
とにより行った。このとき、スピン洗浄機の吐出ノズル
を、ウェハー半径上で往復移動させた。
【0097】また、いずれの実験においても、オゾン含
有水(オゾン水)のオゾン濃度は20ppmに、液温は2
5℃に統一した。
【0098】さらには、いずれの実験においても、紫外
線の光源には、ピーク波長365nmの紫外線を照射する
水銀キセノンランプ(ハノビア社製)を用いた。また、
いずれの実験においても、光源からレジスト層までの距
離は2.5mmに、紫外線の照射強度は270mW/cm2に統
一した。さらには、空気中での紫外線の照射は、すべて
室温(25℃)にて行った。
【0099】そして、各操作を行った後、シリコンウェ
ハー上のレジスト層の厚さを、膜厚測定機(テンコール
社製「アルファステップ200」)で測定し、かかる結
果から、レジスト層の除去膜厚を算出した。なお、シリ
コンウェハーに紫外線を照射した後、シリコンウェハー
をオゾン含有水に浸漬する操作を行ったものについて
は、紫外線照射後オゾン含有水浸漬前にも、レジスト層
の除去膜厚を測定した。この結果を図5に示す。
【0100】[1.1.2]以下に明示した事項以外は
上記[1.1.1]と同様にして、基材上に設けたレジ
スト層の除去量を調べた。具体的には、下記の操作を行
った。 ・No.7:シリコンウェハーに、紫外線を10分間照射
した。 ・No.8:シリコンウェハーに、紫外線を20分間照射
した。 ・No.9:シリコンウェハーに、紫外線を10分間照射
した後、このシリコンウェハーを、オゾン含有水で10
分間処理した。 ・No.10:シリコンウェハーに、紫外線を20分間照
射した後、このシリコンウェハーを、オゾン含有水で1
0分間処理した。
【0101】これらの実験では、紫外線の光源に、25
3.7nmおよび184.9nmのピーク波長をもつ低圧水
銀ランプ(SAMCO社製「UV−300」)を用い
た。また、いずれの実験においても、光源からレジスト
層までの距離は10mmに、紫外線の照射強度は16.4
mW/cm2に、統一した。
【0102】そして、各操作を行った後、前記と同様
に、レジスト層の除去膜厚を調べた。この結果を図6に
示す。
【0103】[1.1.3]以下に明示した事項以外は
上記[1.1.1]と同様にして、基材上に設けたレジ
スト層の除去量を調べた。具体的には、下記の操作を行
った。 ・No.11:空気中でシリコンウェハーに、紫外線を1
0分間照射した。 ・No.12:空気中でシリコンウェハーに、紫外線を1
0分間照射した後、このシリコンウェハーを、オゾン含
有水で10分間処理した。
【0104】これらの実験では、紫外線の光源に、波長
172nmの紫外線を照射するエキシマUVランプ(US
HIO社製「UER20−172」)を用いた。また、
いずれの実験においても、光源からレジスト層までの距
離は4mmに、紫外線の照射強度は10mW/cm2に、統一し
た。さらに、紫外線の照射は、すべて室温(25℃)に
て行った。
【0105】そして、各操作を行った後、前記と同様
に、レジスト層の除去膜厚を調べた。この結果を図7に
示す。
【0106】[1.1.4]以下、得られた結果を考察
する。
【0107】図5〜7から分かるように、レジスト層を
単にオゾン含有水で処理しただけ(No.1)では、シリ
コンウェハー上のレジスト層は、除去できなかった。ま
た、図5、6から分かるように、単に長波長の紫外線を
レジスト層に照射しただけ(No.2、3、7、8)で
は、レジスト層はほとんど除去できなかった。
【0108】これに対し、図5、6から分かるように、
紫外線をレジスト層に照射した後、かかるレジスト層を
オゾン含有水で処理したもの(No.4、5、9、10)
では、レジスト層が好適に除去されていた。
【0109】特に、低圧水銀ランプにて紫外線照射を行
ったNo.9、10では、レジスト層の除去効率が増大し
ていた。さらには、図5から分かるように、紫外線をレ
ジスト層に照射しつつ、かかるレジスト層をオゾン含有
水で処理したもの(No.6)では、レジスト層が極めて
効率よく除去されていた。
【0110】また、図7から分かるように、エキシマU
Vにより短波長の紫外線をレジスト層に照射することに
より(No.11)レジスト層は除去されたが、この場合
でも、残存したレジスト層はオゾン含有水で除去可能で
あった(No.12)。したがって、エキシマUVにより
レジスト層の全除去を行った際、ウェハー表面に、有機
物残渣、ダメージが発生する場合に本発明は好適な改善
手段となる。
【0111】以上の結果から、除去が困難と言われて来
た環状ゴム系レジストも、本発明によれば、好適に分
解、除去できることが分かった。特に、レジスト層に対
して紫外線を照射しつつかかるレジスト層をオゾン含有
水で処理すると、極めて効率よく、レジスト層を分解、
除去できることが分かった。また、図5、6に示される
ように、本発明では比較的長波長の紫外線を用いても、
レジスト層を好適に分解、除去できることが分かった。
【0112】さらには、レジスト上にオゾンガスを5L/
minの流量で供給しつつ前記No.4、5、9、10と同様
の実験を行った。その結果、レジスト層の除去効率がさ
らに向上した。
【0113】[1.2]レジスト層除去量の経時変化 次に、基材上に設けた環状ゴム系レジスト層をオゾン含
有水で処理した場合の、処理時間と除去膜厚との相関を
調べた。
【0114】まず、前記と同様に、8インチのシリコン
ウェハー上に、環状イソプレンゴム系レジスト(東京応
化工業株式会社製「OMR83」)で構成されたレジス
ト層を、形成した。
【0115】次に、これらのシリコンウェハーに対し
て、下記の操作を行った。なお、明示のない紫外線の照
射条件、および、オゾン含有水によるシリコンウェハー
の処理条件等は、基本的に上記[1.1.1]と同様で
ある。 ・No.13:空気中でシリコンウェハーに、波長365n
mの紫外線(照射強度270mW/cm2)を10分間照射し
た後、このシリコンウェハーを、オゾン含有水で処理し
た。 ・No.14:空気中でシリコンウェハーに、波長365n
mの紫外線(照射強度135mW/cm2)を10分間照射し
た後、このシリコンウェハーを、オゾン含有水で処理し
た。 ・No.15:シリコンウェハーを、オゾン含有水で処理
した。この処理を行っている間、かかるシリコンウェハ
ーに対し、波長365nmの紫外線(照射強度270mW/c
m2)を照射し続けた。 ・No.16:シリコンウェハーを、オゾン含有水で処理
した。
【0116】そして、これらNo.13〜16について、
処理開始後所定時間経過後にレジスト層の膜厚を測定
し、シリコンウェハーのオゾン含有水への浸漬時間と、
レジスト層除去量との相関を調べた。その結果を図8に
示す。
【0117】図8からも分かるように、かかる実験結果
によっても、上記[1.1.4]で述べた結論が支持さ
れた。すなわち、本発明によれば、環状ゴム系レジスト
を好適に分解、除去できることが再確認された。また、
レジスト層に対して紫外線を照射しつつかかるレジスト
層をオゾン含有水で処理すると、極めて効率よくレジス
ト層を分解、除去できることも再確認された。
【0118】[1.3]ノボラック樹脂系レジスト層の
除去 基材上に設けられたノボラック樹脂系レジスト(ポジ型
レジスト)層に紫外線を照射した後かかるレジスト層を
オゾン含有水で処理した場合の、処理時間と除去膜厚と
の相関を調べた。
【0119】まず、基材として複数のニッケル板を用意
し、かかるニッケル板上に、前記と同様にして、膜厚1
0000Åのノボラック樹脂系レジスト材料で構成され
たレジスト層(富士ハント社製「FH6300」)を、
形成した。
【0120】次に、これらのニッケル板に対して、下記
の操作を行った。なお、明示のないオゾン含有水による
シリコンウェハーの処理条件等は、基本的に上記[1.
1.1]と同様である。また、明示のない紫外線の照射
条件については、前記[1.1.2]と同様である。 ・No.17:ニッケル板を、オゾン含有水で処理した。 ・No.18:空気中でニッケル板に、波長253.7nm
および184.9nmにピーク波長をもつ紫外線を5分間
照射した後、このニッケル板を、オゾン含有水で処理し
た。
【0121】そして、これらNo.17、18について、
処理開始後所定時間経過後にレジスト層の膜厚を測定
し、ニッケル板のオゾン含有水への浸漬時間と、レジス
ト層の除去量との相関を調べた。その結果を図9に示
す。
【0122】図9からも分かるように、ノボラック樹脂
系レジスト層に紫外線を照射した後かかるノボラック樹
脂系レジスト層をオゾン含有水で処理したもの(No.1
8)は、単にオゾン含有水で処理したもの(No.17)
に比べて、レジスト層の除去速度が3割も向上してい
た。したがって、比較的分解、除去が容易なレジスト層
に対して本発明を適用した場合、かかるレジスト層の除
去効率が向上することが分かる。
【0123】§2.ダイオードの製造 [2.1]以下のようにして、ダイオードを製造した。
【0124】まず、p型シリコンで構成されたウェハー
(p型シリコンウェハー)を用意した。
【0125】−1− まず、このウェハー上に、熱酸化
法により、SiO2膜(絶縁層)を形成した。
【0126】−2− 次に、このSiO2膜上に、スピ
ンコートによりネガ型レジスト材料(東京応化工業株式
会社製「OMR83」)を塗布し、レジスト層を形成し
た。
【0127】−3− 次に、レジストメーカー推奨の条
件で、レジスト層を露光、現像し、レジスト層に所定の
パターンを形成した。
【0128】−4− 次に、このレジスト層をマスクと
して、5%フッ酸水溶液によるウエットエッチングを行
い、SiO2膜の一部を除去した。
【0129】−5− 次に、上記[1.1.1]のNo.
4に示した条件に準じて、ウェハー上のレジスト層を除
去した。
【0130】−6− 次に、このウェハーに熱拡散ある
いはイオン注入法により局所的にリンをドーピングし
た。これにより、p型シリコンで構成されたウェハー
に、n型シリコンで構成された部分が局所的に形成され
た。
【0131】−7− 次に、前記と同様にして、このS
iO2膜上に、ネガ型レジスト材料で構成されたレジス
ト層を形成した。
【0132】−8− 次に、レジストメーカー推奨の条
件で、レジスト層を露光、現像し、レジスト層に所定の
パターンを形成した。
【0133】−9− 次に、このレジスト層をマスクと
して、前記工程−4−と同様にしてウエットエッチング
を行い、SiO2膜の一部を除去した。
【0134】−10− 次に、前記工程−4−と同様に
して、レジスト層を除去した。
【0135】−11− 次に、SiO2膜上に、蒸着法
により、Al膜(電極膜)を成膜した。
【0136】−12− 次に、前記と同様にして、この
Al膜上に、ネガ型レジスト材料で構成されたレジスト
層を形成した。
【0137】−13− 次に、レジストメーカー推奨の
条件で、レジスト層を露光、現像し、レジスト層に所定
のパターンを形成した。
【0138】−14− 次に、このレジスト層をマスク
として、リン酸水溶液によるウエットエッチングを行
い、Al膜の一部を除去し、ウェハー上に電極を形成し
た。
【0139】−15− 次に、前記工程−4−と同様に
して、レジスト層を除去した。
【0140】その後、常法に従い、ウェハーのカッティ
ング、カッティングされたチップのリードフレームへの
搭載、ワイヤー接続(ワイヤーボンディング)、パッケ
ージングを順次行い、ダイオードパッケージを得た。
【0141】[2.2]前記工程−5−、−10−、−
15−のレジスト層の除去を、それぞれ上記[1.1.
1]のNo.6に示した条件に準じて行った以外は、前記
[2.1]と同様にして、ダイオードパッケージを得
た。
【0142】[2.3]前記工程−5−、−10−、−
15−のレジスト層の除去を、それぞれ上記[1.1.
2]のNo.9に示した条件に準じて行った以外は、前記
[2.1]と同様にして、ダイオードパッケージを得
た。
【0143】[2.4]前記工程−5−、−10−、−
15−のレジスト層の除去を、それぞれ上記[1.1.
3]のNo. 12に示した条件に準じて行った以外は、前
記[2.1]と同様にして、ダイオードパッケージを得
た。
【0144】[2.5]評価 上記[2.1]〜[2.4]の工程−5−、−10−、
−15−を終了後、各ウェハーの表面を走査型電子顕微
鏡で観察した。その結果、いずれのウェハーについて
も、表面の荒れ、劣化等は確認されなかった。また、い
ずれのウェハーについても、レジスト残渣は確認されな
かった。
【0145】また、上記[2.1]〜[2.4]で得ら
れたダイオードパッケージは全て良品であり、いずれも
好適に電流を整流することができた。
【0146】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、有
機物を好適に除去することができる。
【0147】しかも、本発明によれば、比較的除去が困
難な有機物が基材上に設けられている場合でも、基材を
劣化させずに有機物を好適に除去することが可能とな
る。
【0148】このため、本発明により半導体素子等を製
造する場合、半導体ウェハー等の表面性状を劣化させず
に、ウェハー上のレジスト材料等を、好適に除去するこ
とが可能となる。
【0149】そして、本発明の最も優れている点は、環
境問題の解決に貢献しつつ、以上述べたような利点を享
受できることにある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のダイオードの製造方法の実施形態を示
す模式的な縦断面図である。
【図2】本発明のダイオードの製造方法の実施形態を示
す模式的な縦断面図である。
【図3】本発明のダイオードの製造方法の実施形態を示
す模式的な縦断面図である。
【図4】本発明のダイオードの製造方法の実施形態を示
す模式的な縦断面図である。
【図5】実施例でシリコンウェハー上に設けたレジスト
層を除去した際の除去量を示したグラフである。
【図6】実施例でシリコンウェハー上に設けたレジスト
層を除去した際の除去量を示したグラフである。
【図7】実施例でシリコンウェハー上に設けたレジスト
層を除去した際の除去量を示したグラフである。
【図8】実施例でシリコンウェハー上に設けたレジスト
層を除去した際の除去量の経時変化を示したグラフであ
る。
【図9】実施例でシリコンウェハー上に設けたレジスト
層を除去した際の除去量の経時変化を示したグラフであ
る。
【符号の説明】
1 p型シリコンウェハー 11 n型シリコン部 2 絶縁層 21 凹部 3 レジスト層 4 レジスト層 5 電極膜 51 第1電極 52 第2電極 6 レジスト層 100 ダイオード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 克己 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 2H096 AA25 HA11 LA02 LA03 4G075 AA22 AA24 BA04 BA05 BA06 BC06 CA33 CA57 DA02 EB31 FC09 FC13 FC20 5F043 AA37 BB25 BB27 CC16 DD07 DD08 5F046 MA02 MA04 MA05

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機物に紫外線を照射し、 次いで、該有機物をオゾン含有水で処理することを特徴
    とする有機物の分解方法。
  2. 【請求項2】 有機物に紫外線を照射しつつ、該有機物
    をオゾン含有水で処理することを特徴とする有機物の分
    解方法。
  3. 【請求項3】 前記紫外線の波長は、150〜380nm
    である請求項1または2に記載の有機物の分解方法。
  4. 【請求項4】 前記紫外線の照射強度は、1〜500mW
    /cm2である請求項1ないし3のいずれかに記載の有機物
    の分解方法。
  5. 【請求項5】 前記オゾン含有水のオゾン濃度は、1〜
    200ppmである請求項1ないし4のいずれかに記載の
    有機物の分解方法。
  6. 【請求項6】 前記オゾン含有水で前記有機物を処理す
    る際の前記オゾン含有水の温度は、10〜90℃である
    請求項1ないし5のいずれかに記載の有機物の分解方
    法。
  7. 【請求項7】 前記有機物は、基材上に設けられている
    請求項1ないし6のいずれかに記載の有機物の分解方
    法。
  8. 【請求項8】 前記基材は、半導体ウェハーである請求
    項7に記載の有機物の分解方法。
  9. 【請求項9】 前記有機物は、レジスト材料で構成され
    ている請求項1ないし8のいずれかに記載の有機物の分
    解方法。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9のいずれかに記載の
    有機物の分解方法を行う工程を含むことを特徴とする半
    導体素子の製造方法。
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